日時:平成21年11月9日(月) 15:00~17:00
場所:永田町合同庁舎第1共用会議室
- 出席者
- 主査
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 勝又 幸子 国立社会保障・人口問題研究所部長
- 同
- 神田 道子 独立行政法人国立女性教育会館理事長
- 同
- 黒﨑 伸子 日本BPW連合会前会長
- 同
- 潮谷 義子 長崎国際大学学長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授・東京家政学院大学客員教授
- 同
- 畠中 誠二郎 中央大学教授
- 同
- 山谷 清志 同志社大学教授
- 同
- 横田 洋三 中央大学教授
- 議事次第
- (1)開会
- (2)本ワーキング・グループの進め方について
- (3)論点例について
- (4)自由討議
- (5)閉会
(配布資料)
- 資料1
- 第3次基本計画策定のスケジュールについて(案) [PDF形式:123KB]
- 資料2
- 第3次基本計画の重点事項の考え方について(案)[PDF形式:242KB]
- 資料3
- 第2次基本計画のフォローアップ資料 1 [PDF形式:234KB] 2 [PDF形式:359KB] 3 [PDF形式:210KB]
- 資料4
- 女子差別撤廃委員会の最終見解 [PDF形式:329KB]
- 資料5
- 論点(例) [PDF形式:153KB]
- 資料6
- 男女共同参画に関する取組と現状 [PDF形式:125KB] 資料編 [PDF形式:1085KB]
- 参考資料1
- (非公開)
- 議事の概要
初めに、主査より監視・影響調査ワーキング・グループ(WG)の設置の趣旨について説明が行われた後、事務局よりWGのスケジュール、第2次基本計画の関連部分のフォローアップ状況、女子差別撤廃委員会からの最終見解について説明が行われた。
次に、資料5に基づき、監視・影響調査ワーキング・グループにおける論点例として、「より多様な生き方を可能にする社会システムの実現」及び「監視・影響調査機能の強化」等について意見交換を行った。
○質疑・意見交換の概要
【より多様な生き方を可能にする社会システムの実現について】
- 社会保障・税制
- 年金の世帯単位から個人単位へということを盛り込めないか。個人単位となれば、結婚・離婚による婚姻上の地位の変化に関わりなく、生涯同じ地位で年金の形成が可能となる。
- 遺族年金について、男性は一定の年齢に達しないと受給できず、男性差別になっているが、これも個人単位化することで解消されるだろう。
- いわゆる老齢年金の受給要件が25年というのは世界でも例を見ないほど非常に長い。年金は老後の生活の基礎なので、男女に関わりなく誰もが年金権を持てるように受給要件の期間短縮が必要。
- 税金と社会保障の負担と受給の関係が分かるデータを整備することが必要。(社会保障の領域における租税支出状況のデータなど)
- 最低保障年金の検討において、生活保護との関係も考えていく必要がある。
- 家族に関する法制の整備
- 新たな基本計画では、書くべきことはしっかり書き、それをいかに現実化できるようにしていくかという推進の方向について知恵を出していく必要がある。
- 選択制夫婦別氏制度は、女性だけの問題ではなく、男性にもメリットがあるという観点も大事。
- 家族に関する法、特に戸籍制度について、女性や子どもの人権や、その後の人生を狭めないという観点からの検討も必要。
- 非嫡出子の差別や多様な家族関係が存在することを考えると、長期的には現行の戸籍制度の在り方の見直しも必要ではないか。
- その他
- 男女共同参画というと女性のためというイメージがあるが、これからの社会は男性も女性も個人が尊重されていくことが必要で、個人の尊重がないと社会が成り立たない、個々の尊重は多様性の尊重であるという視点が非常に重要。
- 【監視・影響調査機能の強化について】
- フォローアップについて言えば、関係省庁にはっきりした要請を行い、また数値目標を明示す ることが必要であろう。
- フォローアップでは報告を聴取するというのが重要。明確に評価を行い、改善が見られなければ改善を求め、そしてまた状況を聴取してというやりとりのプロセスが必要。
- 現行で言えば、やり方としては3つぐらいあるのではないか。1つ目は男女共同参画局がメインになって、プログラム評価的に直接調査していくというやり方、2つ目は各府省が毎年出している政策評価の中で取り上げてもらうこと、3つ目は総務省行政評価局の総合性確保評価の枠に乗せてやってもらうという方法が考えられる。
- ジェンダー主流化を図る上で、フォローアップも含めた監視・影響調査機能の強化は重要。国際的なスタンダードを取り込むという視点も重要。
- 【その他】
- 広報について、今までいろいろな方法をやってきていると思うが、どのような方法が効果があるのか科学的な検証も必要ではないか。
- 義務教育の段階から、今まで社会における男女の扱われ方が非常に差別的で解消しなければいけないということを教育しないといけないのではないか。勿論高等教育でも必要であるし、教育関係者や親を対象とする研修も重要。
- メディアについて、例えば女性医師が医療ミスをした、という表現をされると、女性だからミスをしたのかと、そう思ってしまうような状況がある。女性に対する固定的な観念にならないような留意が必要。
- 表現の自由との関連があるが、テレビとか週刊誌やコマーシャルなどにおける女性の描かれ方も、少し考え直した方がよいのではないか。
- 男女共同参画の推進が、地方自治体でどのような組織で取り組まれているかもみていく必要がある。男女共同参画が行政全体の領域で進められるような体制が必要。
- 女性の参画は、公務員がモデル的に進めていくべき。
- 男性から女性への暴力や権利の侵害についても観点に入れておく必要がある。
- ライフの重要性を強調すべき。家庭だけでなく地域社会への参加も含めて考える必要がある。