日時:平成21年12月11日(金) 13:00~15:00
場所:内閣府本府5階特別会議室
- 出席者
- 主査
- 鹿嶋敬 実践女子大学教授
- 同
- 加藤さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 委員
- 大熊由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
- 同
- 五條満義 東京農業大学准教授
- 同
- 佐藤博樹 東京大学教授
- 同
- 辻村みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 松井忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員
- 議事次第
- (1)前回の意見交換の概要
- (2)論点例について
(配布資料)
- 資料1
- 基本問題・計画専門調査会 女性活躍推進法ワーキング・グループ(第2回)意見交換の概要 [PDF形式:118KB]
- 資料2
- 女性活躍推進法ワーキング・グループにおける論点(案) [PDF形式:107KB]
- 資料3
- 女性の政策・方針決定参画状況調べ(平成21年12月) [PDF形式:386KB]
- 議事の概要
前回の意見交換の概要及び女性の政策・方針決定参画状況調べの概要について事務局より説明を行った後、資料2の論点例について前回に引き続き、意見交換を行った。
○質疑・意見交換の概要
【政策・方針決定過程への女性の参画の促進】
- ポジティブ・アクションについて
- ポジティブ・アクションについては大手企業はもうアレルギーがなくなっているが、一巡感が出てしまっている。
- 政治、企業、大学など、分野によって同じ「ポジティブ・アクション」でもやるべきことが異なると思う。
- 強制的ではないが、企業に個別に取り組んでもらうのはもちろんのこと、日本社会全体としての女性が占める割合についての目標はあってもよいのではないか。
- 農業分野も含めて2020年30%の目標達成が困難なところでは、中間目標の設定の仕方も20年の達成が実現できるための単純な中間目標ではなく、現場で基本計画との関連性を意識できるような中間目標であってほしい。現行から何%アップしていくという取組や現場からの目標の設定を蓄積して、全体の目標を明らかにするなど、選択が可能な方法も併記できないか。
- 公的分野については、本省課長相当職以上の女性割合は現在が2%なので目標の達成には時間がかかる。採用段階では女性割合は3割を超えているので、採用段階で3割から下がらないようにしたり、係長相当職で何%、課長補佐相当職で何%という風に課長相当職の前の段階で目標を設定するのであれば現実的ではないか。
- 大学、短大については、採用目標や准教授など若手のところで目標を設定した上で、辞めないように両立支援をすることが重要。
- 国立大学を中心に各大学にポジティブ・アクションを促すような文言を計画に入れていくことが必要。
- 男女共同参画に取り組んでいる企業については入札時に加点するなど、今は地方でしか行っていないが、国でもできないかどうか検討を進めていった方がよいと思う。
- 先進的な取組を行った企業・団体・個人への積極的評価については、民間企業やNPO、労働組合などの力も借りてインセンティブを与えていくことが重要。
【女性のライフコースに沿ったエンパワーメント】
- ワーク・ライフ・バランスの推進
- 男女共同参画社会を実現するためにはワーク・ライフ・バランスが重要であると強調してほしい。男性の働き方の見直しや保育サービスの量と多様な保育サービスの充実ということをきちんと書いてほしい。
- ワーク・ライフ・バランスは労働時間の調整や保育所の整備だけではなく、均等処遇の推進と密接に結びついており、それがなければ女性が働き続けることは困難と強調すべき。
- キャリア形成支援
- 一般の人に身近に感じてもらえる男女共同参画にするためにも、「キャリア形成支援」ではなく、「多様な生き方の支援」、「多様な能力の開発」、「多様な能力の発揮」など理解の裾野が拡がるような言葉で置き換えるべき。
- いつでも転勤できる前提での人事異動の見直しが必要。労務管理の発想の転換をすべき。
- 保育サービス等の充実
- 保育所については設置基準面積を緩和している中で、子どもの事故が多いという問題もあり、保育サービスの質についても言及すべき。
- 保育サービスの充実は5年後に達成していればいいというものではなく、今すぐの対応が必要。
- 幼保一元化、学童保育の充実、病児保育等のスローガンは誰でも思い浮かぶが、実際にそれを実施することが重要。民間でビジネスにしていこうと一生懸命がんばっているところもあるので、それを紹介していくのもとても大切。民間の力を利用してということも強調した方がよいと思う。
- 大学では学内保育所の設置が国際的地位の向上につながるという状況もあり、そうしたイメージにつなげていくこともあると思う。
- 保育だけでなく介護サービスの問題もある。
- 企業の登用モデル等について
- 働く人たちが男性も女性も変わってきていることを前提とした人事管理、育成を行ってほしい。
- スーパーレディ型ではない普通の女性が課長になっていくようなモデルを宣伝することも必要ではないか。
- 人事雇用管理の中でライフステージに応じた雇用体系を意識できるようなものが必要。
- ロールモデル、メンター、ネットワークについても民間の力を利用して形成を図っていくことが必要だと思う。
- 男性管理職の意識の涵養
- 男性管理職向けの女性センターからの出前講座などのトピックはセクハラについてがほとんどで、セクハラについてはかなり企業も危機感を持っている。ダイバーシティや男女共同参画を企業で推進するためには、企業へのインセンティブに結びつければ男性管理職も変わるのではないか。
- ライフコース全般におけるエンパワーメント
- 職業におけるキャリアだけでなく、多様な社会的活動をキャリアとして積極的に評価するための手法の検討については、仕事以外での活動も企業にとって役に立つことがあるという情報提供、評価がとても大事だと思う。
- ワーク・ライフ・バランスで仕事と仕事以外の活動が切り離されていては困る。働く人一人一人が仕事で学んだことと、地域活動やPTA、NPO活動は実は切れているわけではなく、つながっているということを理解し、双方が双方に役立つということをきちんと打ち出していくことも、非常に重要。
- 非正規の人も能力開発機会があるようにするべき。OffJT、OJTを組み合わせた職業訓練や教育訓練付きのジョブカードなどを広げていくことが必要。ただ、仕事がなければ教育訓練も意味がないので雇用創出と同時に、という前提は必要。
- 雇用創出ができるまで待っていられない現状があるので、自己啓発も兼ねてキャリアを磨いていく、目標を持てる社会にしていくことが大切であり、そのための仕組みの提言ができればと思う。
- 社会人教育、リカレント教育、資格取得の推進についても言及すべき。
- 各WG共通論点
- 女子差別撤廃委員会の勧告に対する認識が低く、一般にもほとんど知られていないという問題がある。2年以内のフォローアップに向けて、暫定的特別措置と民法改正については第3次基本計画にしっかり盛り込むことが必要ではないか。