基本問題・計画専門調査会地域WG

日時:平成21年12月18日(金) 10:00~12:00
場所:永田町第3共用会議室

  1. 出席者
    主査
    清原 桂子 兵庫県理事
    委員
    石川 哲也 神戸大学大学院教授
    加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    五條 満義 東京農業大学准教授
    桜井 洋子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    山田 昌弘 中央大学教授
  2. 議事次第
    • 男女共同参画基本計画(第3次)に盛り込むべき論点について

(配布資料)

資料1
基本問題・計画専門調査会 地域ワーキング・グループ(第1回)意見交換の概要
資料2
地域ワーキング・グループにおける論点(案)
資料3
第3次男女共同参画基本計画策定に関する意見募集について(依頼)
  1. 議事の概要

    WGの委員から事前に伺った意見を盛り込んだ論点(案)について事務局より説明を行った後、意見交換を行った。

○質疑・意見交換の概要

  • 【基本的方向性】
    • (1)「地域」の定義について
      • 地域の定義が、都市部と郡部で違うこと、更にそれを超えたつながりなど様々な形があることを明記すべき。
      • 地縁とのつながりでの男女共同参画と、テーマ型のNPO的つながりでの男女共同参画と両方あることを明記すべき。
    • (2)地域における男女共同参画の必要性
      • 性別役割分担意識という切り口だけでなく、社会のあらゆる場で女性が決定の場に出て、一緒に担っていくということを抜きにして社会も経済も機能しないという打ち出し方も必要。
      • 地域コミュニティを再生する取組みを自治体が支援する際に、男女共同参画の考え方を盛り込むよう自治体に働きかけていくことが大事。
      • 女性の独り暮らしの高齢者や母子家庭における相対的貧困率は50%以上であり、地域における日常の問題として、男女共同参画の視点で解決すべき課題として言及すべき。
      • 貧困者が多い地域とそうでない地域が分離する傾向にあり、貧困の問題は地域内だけでは解決できなくなっており、地域だけで扱うのは難しい。
  • 【男女共同参画推進の視点に立った地域活動】
    • (1)地域における男女共同参画のあり方
      • 学校(子ども)が地域における男女共同参画社会形成のためのさまざまな取組に積極的に参加できる仕組みをつくることが必要。
      • 地域活動に対する見返り(金銭的なものには限らない)を明確にしないと、多くの人、特に若者の理解(共感)が得られない。顕彰や称号の付与など新しい見返りを打ち出すことも必要。
      • 行政が地域に働きかけたり、的確にサポートして効果をあげているところがあり、男女共同参画の視点からの行政のかかわりについて成功例を集めたらどうか。
      • 地域を計画に入れた意義を明確にするため、地域固有の課題である伝統行事を継承する取組、地域が行う国際交流、食育、スポーツ振興等についても書き込むことが必要。
      • ほぼ自治会と重なる自主防災組織は地域の女性が活動しないと回らない。女性が自主防災組織に関わりつつ自治会の担い手になるなど、自主防災との絡みも大事。
      • 消防では、団員は男性で協力隊は女性という、地域での男女の固定的な役割分担意識を打破する取組として、相互交流・相互理解に取り組む例が出てきている。
    • (2)男女共同参画推進の視点に立った地域活動の支援方策
      • あえて男女共同参画という言葉を使わずに高齢男性等の参加を促すなど、現場での具体的な実践の取組みがないと意識だけを変えることは難しいことを強調すべき。
      • 地域で何が問題になっているのか。それを男女共同参画の考え方を入れて取り組むことによってどう変わっていくかという指摘が大事
      • 男女共同参画の事業や施策の成果を定量的な形で評価することについて、男性なら求められなかった成果が女性ということで問われることになる恐れもあり、十分に配慮した書き方が必要。
      • 男女共同参画は人権問題なのでとにかく進めるべき問題というより、男女共同参画を推進すれば、例えば少子化等が改善されるなどアウトカムを示すと説得力があり受け入れられやすいのではないか。
      • 自治会組織や地縁組織等の実態に関し、男女共同参画の視点での問題を解明し、女性自治会長のロールモデルをつくることも含め、実際に改革していくプロセスを具体化しモデルを提示していくことが大事。
  • 【男女共同参画推進の視点に立った地域活動】
    • ■ 男女共同参画センター・国立女性教育会館
      • 男女共同参画センター(以下「センター」という。)は、地域における女性の活動拠点というだけではなく、政策をセンターが具体的に地域社会に向けて展開するという役割を担っていることをはっきりすべき。
      • センターが活動拠点となり、単身女性や男性などの日常的な生活支援を、消費者センター等と連携を取り合い取り組むことが重要。
      • センターや自治体の相談員として働く女性の待遇改善や昇進制度の見直しが必要。また、非常勤職員は事業計画や予算執行等センターの意思決定に参画できない。
      • 地域住民等から受け付けた相談内容を政策に反映する仕組みを形成すべき。管理職にそうした力をつけるよう研修などを充実することが必要。
      • センターのような施設に指定管理者制度を導入することはなじまない面もあると思うが、これまでボランティアで企画等に参加していた女性たちが指定管理者になれるなど評価すべき面もある。
      • 自治体直営のセンターにおいても、例えば、有料事業の実施等でセンターの収支を向上させ、非常勤職員の処遇改善を行えるようにするなど、自主性を活かす取組も必要。
      • 新しい公共の担い手を活用し、センターを拠点とした官と民の協働による運営といった取組も有効。また、都道府県のセンターが、人材養成、広域的支援、情報の共有、先進事例の紹介等の面において市区町村のセンターを支えるべき。
      • ヌエックの男女共同参画センター職員を対象とした研修では、参加者同士に面識ができ孤立化解消などの効果もあるが、旅費の確保が自治体の負担となっているため、ブロック単位の出前研修を行ってほしい。