- 日時: 平成21年11月2日(月) 15:00~17:30
- 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 石川 哲也 神戸大学大学院教授
- 同
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
- 同
- 帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
- 同
- 勝間 和代 経済評論家・公認会計士
- 同
- 加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
- 同
- 五條 満義 東京農業大学准教授
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
- 同
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員
(議事次第)
- 男女共同参画基本計画(第2次)フォローアップ 関係府省ヒアリング
- 第9分野 メディアにおける男女共同参画の推進(一部)
- 第11分野 地球社会の「平等・開発・平和」への貢献
- 第12分野 新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進 (科学技術分野除く)
- 運営規則の一部改正について
- 第3次基本計画策定のスケジュールについて
(配布資料)
- 資料1 様式1
-
「9.メディアにおける男女共同参画の推進」 [PDF形式:107KB]
- 資料2 様式2
-
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
- 2-(1)
-
内閣府作成資料 [PDF形式:120KB]
- 2-(2)
-
文部科学省作成資料 [PDF形式:142KB]
- 資料3 様式1
-
「11.地球社会の「平等・開発・平和」への貢献」 [PDF形式:174KB]
- 資料4 様式2
-
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
- 4-(1)
-
内閣府作成資料 [PDF形式:105KB]
- 4-(2)
-
外務省作成資料 [PDF形式:213KB]
- 資料5 様式1
-
「12.新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進」 [PDF形式:135KB]
- 資料6 様式2
-
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
- 6-(1)
-
内閣府作成資料 [PDF形式:105KB]
- 6-(2)
-
総務省作成資料 [PDF形式:213KB]
- 6-(3)
-
内閣府作成資料 [PDF形式:105KB]
- 6-(4)
-
国土交通省作成資料 [PDF形式:213KB]
- 6-(5)
-
文部科学省作成資料 [PDF形式:105KB]
- 6-(6)
-
環境省作成資料 [PDF形式:213KB]
- 資料7
-
基本問題・計画専門調査会運営規則の一部改正について(案) [PDF形式:135KB]
- 資料8
-
第3次基本計画策定のスケジュールについて(案) [PDF形式:435KB]
- 羽入会長
-
それでは第50回基本問題・計画専門調査会を始めさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
今日の議論の内容は、1つは、前回の調査会で御質問いただいたものについての御説明、それからフォローアップを続けるということと、それから1つ御審議いただきたいことがございます。この3点を進めていきたいと思います。
まず前回の調査会でおあずかりしておりました委員の皆様からの御質問についての御回答をいただきたいと思いますが、1つは厚生労働省への御質問、これは最後に回答書を添付しておりますので、それで御確認いただきたいと思います。
文部科学省からの御回答で、前回、石川委員、桜井委員、山田委員から御質問いただいたことについて、まず文部科学省から御回答いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 文部科学省(小川)
-
文部科学省幼児教育課の小川と申します。よろしくお願いいたします。
前回、石川委員からの、「認定こども園におきまして、学校医や学校薬剤師等のように、子どもの健康や保健に関してきちんと整備されているのか。整備されていないのなら整備していただきたい」という御質問に関して御回答を申し上げたいと存じます。
認定こども園につきましては、幼稚園を中心とするもの、保育所を中心とするもの、いずれもございますけれども、まず認定こども園を構成する幼稚園につきましては、学校保健安全法が係りますので、小中学校と同様に学校保健安全法に基づきまして、幼稚園には学校医や学校薬剤師等を置くものというふうにされているところでございます。
一方で、認定こども園を構成する保育所につきましても、厚生労働省の省令で児童福祉施設最低基準というものがございまして、それに基づいて、嘱託医等を置くこととされているところでございます。また、幼稚園・保育所いずれにつきましても、健康診断の実施が法令で義務付けられているところで、これは幼稚園・保育所ともいずれも係るものとなってございます。
認定こども園の制度につきましては、文科省、厚労省両省の共管の制度ということで、我々といたしましても、今後とも認定こども園に通う子どもの健康の保持・増進がしっかり図られるように厚労省ともしっかり連携して取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。
- 文部科学省(山田)
-
続きまして、文部科学省競技スポーツ課の山田と申します。
桜井委員から「スポーツ界のセクシュアル・ハラスメント」についての御質問をいただきました。委員御指摘のとおり、スポーツ界におけるセクシュアル・ハラスメントで、特に問題になりやすいのは、主に男性の指導者から女性のアスリートに対するセクシュアル・ハラスメントだと思いますが、スポーツ界ですので、上下関係が厳しく縦社会という側面もあり、そういうセクハラが起こってもなかなか相談しづらいという環境もあるのではないかと思われます。
これについては、スポーツ界も問題視をしていまして、例えば日本陸上競技連盟においてはガイドラインを作成してセクハラ防止に当たっているといったことはございます。今回はセクハラに関する研修を行っているかという御質問でしたので、研修について説明させていただきます。指導者の養成については、(財)日本体育協会が担当しており指導者育成事業を行っております。この事業はスポーツの指導者になろうとする方に対し、講習を受けてもらい検定に合格した方を登録するという制度で、指導者の質を確保するために行われております。
その講習には共通科目と専門科目がございますが、共通科目のⅡに「スポーツと法」という科目があり、その中の「スポーツと社会規範」という項目の中でスポーツ界のセクハラについても記載をされているということでございます。中級以上の指導者を目指す場合は、共通科目Ⅱを受講する必要があるということです。ちなみに平成20年度の実績では、約4,000名がこの中級以上の指導者を目指すコースに参加をしております。また、この講義を受けて、検定に合格して実際に登録されている人、今までの通算で、平成20年10月現在で約4万6,000人おります。ちなみに女性の指導者を増やすというのもこういったスポーツ界におけるセクシュアル・ハラスメントの防止で有効な手段の1つと思いますが、全体の初級も含めた他の指導者も含めた全体では、女性の指導者は約30%ということでございます。
以上です - 羽入会長
- ありがとうございます。それでは、もう一つ、お願いします。
- 文部科学省(土井)
-
文部科学省男女共同参画学習課の土井と申します。よろしくお願いします。
前回の専門調査会で、山田委員から「セクシュアル・ハラスメントについて、特に被害者にならないため、被害者になった場合はどうするかといったようなことについて、学校において対応しているか」という御質問がございました。
被害を受けた児童生徒のサポートは、教育相談と健康相談・保健指導の2つの方法により実施されております。教育相談に関しては、学校に「スクールカウンセラー」や「スクールソーシャルワーカー」を配置し、子どもたちが様々な不安や悩みを相談できるよう、学校内のカウンセリング機能の充実を図っております。「スクールカウンセラー」には、児童生徒の臨床心理に関して高度な専門的知識・経験を有する者を配置、「スクールソーシャルワーカー」には、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉などの専門的な知識や技術を有する者を配置し、必要に応じて関係機関との連携を図っております。
健康相談・保健指導に関しては、事件・事故に巻き込まれた児童生徒等の心の健康問題に適切に対応するため、養護教諭をはじめとした教職員が相互に連携して、健康相談又は児童生徒等の健康状態の日常的な観察により、児童生徒等の心身の状況を把握することが重要と考えております。また、健康上の問題があると認めるときは、遅滞なく、当該児童生徒等に対して必要な指導を行うとともに、その保護者に対しても必要な助言を行い、また必要に応じ地域の医療機関等との連携を図るよう努めるということが学校保健安全法で定められております。
今後とも文部科学省としては、教育相談体制の整備の支援をするとともに、学校における適切な健康相談・保健指導の実施に努めてまいりたいと考えております。
以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
ただいまの御回答について何か、桜井委員、どうぞ。 - 桜井委員
-
早速御回答ありがとうございました。もう一つ、申し上げたと思うのですけれども、セクハラの実態調査のようなことをやったことがあるかどうかということを伺いたいと思いました。それから、今の回答で「スポーツと法」について講習を行っているということをおっしゃっていましたけど、その時間数や講師などについても伺えればと思いました。
もう一つ、日本陸連などに、セクシュアル・ハラスメントの相談窓口などというものは設置していないのでしょうか。スポーツのカテゴリーごとでいいのですけれども、相談窓口の設置状況について。 - 文部科学省(山田)
-
セクハラ自体に対する実態調査については、まだ十分なデータがとられていないと認識しております。それから、実際の講習の時間についてでございますが、先ほど申し上げた共通科目Ⅱという中級以上の指導者が受講する基本的な科目は、全体で35時間ございまして、そのうち「スポーツと法」は5時間ございます。厳密に申し上げますと、そのうち自宅学習の部分が3時間あり、いわゆる講堂に行って座学で受講するというのは2時間ということです。
さらに窓口という点ですが、これは私のほうで確認したわけではないですが、いろいろ聞いたところによりますと、窓口は一応設けてはおりますが、なかなか機能しない部分もあると聞いております。 - 羽入会長
- ありがとうございます。続きまして、伊藤委員から。
- 伊藤委員
- 今の御質問ですけれども、文科省は調べておられないのだと思いますが、実はスポーツ界におけるセクシュアル・ハラスメント実態調査というのは、研究者によってやられております。私、この間まで日本スポーツ社会学会の会長を4年やっていたのですけれども、IOC等々でも日本のスポーツ界におけるセクシュアル・ハラスメント状況については、それなりの調査がされて報告されております。探せば出てくるのではないかと思いますし、国際的に見ると、女性とスポーツの問題はすごく大きな問題で、中でもスポーツにおける性暴力の問題は大変重要なテーマになっています。取組はかなり国際的には進んでおりますけれども、日本の場合、お寒い状況だというのが現状だろうと思います。
- 羽入会長
- ありがとうございました。ほかに。
- 桜井委員
- そういうことについて、文科省のほうで、何かもう少しこういうふうにしなければということはお考えでしょうか。例えば、今の「スポーツと法」の講習が2時間でとなっていますが、法律全般について2時間しかないですよね。
- 文部科学省(山田)
- そうです。
- 桜井委員
- 今の伊藤委員の話もありますが、文科省としては何かお考えでいらっしゃいますでしょうか。
- 文部科学省(山田)
- 確かに、先ほど伊藤先生からもお話がありましたとおり、日本の取組では、まだ十分でない点はあると思いますので、これから日本体育協会とも相談をして、そういった講習のときにできるだけセクハラの部分についてもしっかり伝えるよう徐々に相談をしていきたいと思っております。
- 桜井委員
- ありがとうございました。ぜひ調査をお願いします。
- 羽入会長
-
ありがとうございます。こういうことを機会にして情報共有することが可能だということも、私たちはよく心にとめて進めていく必要があるのではないかと思います。今、調査をしてくださいという発言が桜井委員からありましたけれども、データをいただけることを期待しております。多分時間がかかることだと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
それでは、文部科学省のほうからの御回答、これでおしまいにさせていただきたいと思います。お忙しいところおいでいただきましてありがとうございました。
それでは、続きまして、基本計画のフォローアップを行っていきたいと思います。本日は、男女共同参画基本計画の第9分野の「メディアにおける男女共同参画の推進」の一部と、第11分野、12分野を行っていきたいと思います。なお、9分野のこのメディアに関しましては、10月26日に開催されました女性に対する暴力に関する専門調査会で議論がなされた部分がございます。それの報告は、お手元のこのファイルの9という番号が振ってあるところですけれども、「メディアにおける男女共同参画の推進」の中で「性・暴力表現を扱ったメディアの、青少年やこれに接することを望まない者からの隔離」、「児童を対象とする性・暴力表現の根絶」、「地域の環境浄化のための啓発活動の推進」ということ、それがアとしてフォローアップ完了しました。
それから、イとしては、「インターネット等新たなメディアにおけるルールの確立に向けた検討」、このフォローアップも、女性に対する暴力に関する専門調査会で御検討いただきました。それが今、お手元の資料の中に含まれております。
したがいまして、今回はこれらの項目の部分以外についてフォローアップをさせていただきたいと思います。なお、今回のフォローアップの結果については、次回の女性に対する暴力に関する専門調査会において、資料を提供いたしまして、情報の共有を図る、このような形で進めていきたいと思っております。
それでは、今回のフォローアップの進め方の流れに基づいて始めさせていただきます。関係省庁から配布資料として「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」というものが配布されておりますけれども、それに基づいて御説明いただき、それから委員の皆様から、事前にいただきました質問について併せて回答をいただくということにいたします。
それでは、基本計画第9分野のメディアの分野について、各府省から御説明をいただきたいと思います。まず内閣府からよろしくお願いいたします。 - 内閣府(大西)
-
内閣府でございます。お手元の資料2-(1)をごらんいただきたいと思います。第9分野「メディアにおける男女共同参画の推進」、「1 主な施策の取組状況及び評価」についてでございます。
まず「メディアに関する実態調査」についてです。メディアにおける様々な女性の参画状況を始め基礎となるデータが必ずしも明らかになっていない状況にございます。また、昨年度策定した「女性の参画加速プログラム」におきましても、メディア等々実態把握に努めることとされております。
これを受けまして、21年度、以下の2つの調査を実施します。
「○」の1つ目ですが、「諸外国における専門職への女性の参画に関する調査」。
諸外国4か国における医師、研究者、メディアの各分野について実態を調査してまいりたいと思っております。
2つ目の「○」は、「メディアにおける女性の参画に関する調査」。
こちらは、国内の新聞、テレビ、雑誌の各企業に勤務する女性の状況、勤務実態等について調査を実施とする予定としております。
それから、「□」ですが、政府の取組に関するメディアを通じての広報啓発活動としては、男女共同参画の取組がメディアを通じて広く浸透するよう、「男女共同参画週間」の実施のほか、記者懇談会等を実施しております。
「今後の方向性、検討課題等」ですが、メディアに関する実態調査は結果を踏まえまして、広く周知、整理をしてまいりたいと思っております。
2点目の広報啓発活動については、以下のような課題がございます。1つは、まずメディアや主体との効果的な協働。2つ目は、これまで関心の薄かった層へのわかりやすいメッセージ。3点目は、メディアが男女共同参画意識に与える影響についてを考えております。
裏面にメディアの主要な部分の女性の割合について新聞であれば、女性記者14.7%、民間放送は、女性従業員21.2%、日本放送協会は11.9%等々のデータを付けております。
資料の説明は以上でございますが、事前にいただいた質問の1、2、3、4についてお答えしたいと思います。横の質問票の№1、加藤委員からの御質問で、「メディアに促す」という施策のところにある部分については、どのように、何をやってきたのかということについての御質問です。
回答といたしましては、平成18年9月に、男女共同参画担当大臣名により、新聞協会、民放連、日本放送協会、雑誌協会等々を含む各種団体に対して政策・方針決定過程の女性の参画についての取組を依頼する文書を発出しております。また、文書の発出に当たり、男女共同参画局長がこれらの団体を訪問し、参画拡大を要請しております。また、先ほど申し上げた2つの諸外国の調査とメディアの調査の中で、これらの結果がまとまった後にはメディア分野の男女共同参画の取組が推進されるよう、調査結果の周知を図ってまいりたいと思っております。
続いて質問の2番と3番を少しまとめてでございますが、岡本委員から、メディアや諸外国の専門調査についての御質問がございまして、「参画に関する調査で専門的見地から分析とあるが、どういうことを指すか」、また、メディアのところで、「勤務実態等の調査の勤務実態等の中にはどのようなものが含まれるか」という御質問がございました。
現在の調査の概要ですが、メディアに関する女性の参画調査では、新聞、放送、出版の各企業の社員を対象にインターネット調査をします。その調査項目につきましては、それぞれの業界に詳しい有識者の方からなる検討会を策定し審議をいただいております。なお、当調査会委員の鹿嶋先生にも、新聞分野として検討会に加わっていただき、座長に御就任していただいており、調査結果は、この検討会で分析していただくということで、専門的見地という観点ではそういったことを予定しております。
また、調査項目の概要としては、ワーク・ライフ・バランスの希望や両立支援策、男女共同参画に関する意識などについても調査の対象としていきたいと考えております。
最後に質問の4の伊藤委員の御質問につきましては、前回、女性に対する暴力に関する専門調査会でお尋ねがあったものについて情報共有を図るという御要望の観点から、質問票の後ろのほうに、総務省からの回答を添付してございます。
以上でございます。 - 羽入会長
- 続きまして、文部科学省から、御説明をお願いいたします。
- 文部科学省(土井)
-
第9分野について「メディアにおける男女共同参画の推進」の人権尊重のための取組等につきましては、前回の女性に対する暴力に関する専門調査会のほうで御報告させていただきましたが、青少年を取り巻くメディア上の有害情報をめぐる深刻な問題に対して、文部科学省においては、青少年がメディアを安全・安心に利用するための推進体制を整備するとともに、携帯電話のインターネット利用に際しての問題などの意識啓発を促しております。
メディア・リテラシーについては、文部科学省としては、類義語である「情報リテラシー」という用語をより一般的に用いており、その内容は情報活用能力に加えて、情報モラルの育成を含むものであると考えております。急速に社会の情報化が進展する中で、子どもたちの情報活用能力を育むとともに、情報化の影の部分への対応として、他人への影響を考えて行動することや、有害情報への対応など情報モラルや情報リテラシーの育成は極めて重要であると認識しております。
これにつきましては、保護者、教職員等を対象としたインターネットの安心・安全利用に関する啓発講座を総務省と連携して実施しております。学校については、小学校、中学校、高等学校の各段階で情報教育の推進をしております。これについては、伊藤委員から「中学校、高等学校等におけるメディア・リテラシー教育の現状について概要を知りたい。またメディア・リテラシー教育におけるジェンダーに敏感な教育実践例(テキストなど)についての情報はあるか」というご質問をいただいております。
文部科学省では、情報モラルや情報リテラシーについて、学校における指導の充実を図るため、情報モラル指導モデルカリキュラムを作成するとともに、実践事例などをまとめた指導用ガイドブック及び普及・啓発パンフレットの作成・配布をしております。また、情報モラル指導の普及のためのセミナーの開催、情報モラル指導事例などを紹介する、教員向けの情報モラル指導ポータルサイトの構築などに取り組んでおります。メディア・リテラシー教育におけるジェンダーに敏感な教育実践例(テキストなど)についての情報は、文部科学省では把握しておりません。
また、加藤委員からの質問「メディア・リテラシーの向上として、具体的に何を男女共同参画の視点から取り組んだのか」ですが、メディア・リテラシーの向上のためには、学校教育・社会教育を通じて、情報を主体的に収集・判断などできる能力の育成が重要と考えます。そのためにはICTの活用能力向上やパソコンのスキルアップ等が必要だと考えます。今回の第9分野、「メディアにおける男女共同参画の推進」のフォローアップでは記載しておりませんが、第10分野の「男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」のところで詳しく御説明させていただこうと思っておりましたが、文部科学省では、子育てにより仕事を中断した女性などを対象に、専修学校の持つ職業教育機能を活用した実践型教育プログラムを実施し、多様な学習機会の提供と高度職業専門人の育成を図る事業を行っております。この事業の中で、特にICT活用能力向上やパソコンのスキルアップなどを目指した情報教育を実施している団体も多くなっております。平成20年度の実績で21団体中14団体。21年度で17団体中10団体で実施しています。
さらに、社会教育の公民館の講座では、女性を対象とした情報教育関係の学級・講座数は、全国に112の講座がございました。また、公民館における総学級生や受講者数を見てみると、職業知識・技術の向上として、情報教育関係を受講している女性が約14万人と全体の約64%を占めております。
メディア・リテラシーの向上に関する今後の方向性、検討課題等の部分ですが、残虐な暴力や性暴力などの有害情報から子どもを守るため、大人社会のモラルと保護者の責任感を高めるとともに、情報化社会に生きる子どもたちが、情報の持つ意味を正しく理解し活用できる能力を高める取組を推進していく必要があると考えております。
また、情報教育充実のため、新しい学習指導要領の円滑かつ確実な実施を目指したいと考えております。また、この学習指導要領ですが、情報教育の部分について充実しておりまして、新しい学習指導要領の完全実施については、小学校が平成23年度、中学校が平成24年度から、高等学校については平成25年度の入学生から段階的に実施する予定です。
以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
ここで、御質問と思いましたけれども、続きまして、11分野の「国際分野」について、内閣府、続けて外務省から御説明をいただきたいと思います。まず内閣府から、よろしくお願いします。○内閣府(山口) 男女共同参画局の総務課で課長補佐をしております山口と申します。資料4-(1)をごらんいただきたいと思います。分野名が「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」、施策名が「国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透」、ここでは女子差別撤廃条約等の積極的遵守について御説明したいと思います。
まず平成15年8月に公表されました女子差別撤廃条約実施状況、第4回・5回報告に対する委員会からの最終見解を踏まえまして、第6回報告を作成する際には、直接NGO等からの意見聴取の場を設けたり、インターネットホームページを通して国民から幅広い意見を募集いたしました。また男女共同参画会議監視・影響調査専門調査会におきまして、報告に盛り込むべき点などについて行われた議論や提言を受けまして、第6回報告の取りまとめを行いました。この報告は昨年(平成20年4月)国連に提出いたしました。
その後、第6回報告審議に関する女子差別撤廃委員会からの質問事項に対する回答の取りまとめを行いまして、本年4月国連に提出いたしました。今年の7月、女子差別撤廃委員会第44会期におきまして、我が国の女子差別撤廃条約実施状況第6回報告が審議されました。この際には、南野知恵子参議院議員を政府代表に、内閣府、外務省、法務省、厚生労働省、文部科学省、農林水産省等よりなる総勢20名の政府代表団が出席いたしまして、約5時間にわたる審議に対応いたしました。
今年の8月に第6回報告に対する委員会からの最終見解が公表されましたが、その内容を周知するために、関係省庁、都道府県・政令指定都市、国会関係先、裁判所にこの最終見解を配布いたしまして、本条約への理解や一層の男女共同参画の推進に向けた施策の取組等を依頼いたしました。また、9月、基本問題・計画専門調査会におきまして、最終見解の内容について報告を行いました。同じく9月なのですが、男女共同参画推進連携会議が主宰いたします「聞く会」におきまして、NGO等を含む一般の方々に対して、第6回報告審議の様子ですとか、委員会からの最終見解を報告、周知いたしました。また、第6回報告やこの報告に対する委員会からの最終見解等につきましては、和文仮訳を英語の原文と併せてホームページに掲載、広報誌で紹介等一般への広報・周知に努めております。
「今後の方向性、検討課題等」ですが、まず我が国の報告に対する最終見解に初めて付加され2年以内のフォローアップ項目、これは民法改正と暫定的特別措置の実施についてですが、これにつきましては、関係省庁と十分に検討の上対応していきたいと思っております。
また、女子差別撤廃委員会最終見解につきましては、具体的な結論を得たものにつきましては、次の第3次男女共同参画基本計画に盛り込んでいくという予定にしております。
また、女子差別撤廃条約に関しましては国内への更なる周知を図るため、あらゆる機会をとらえて広報に努めていきたいと考えております。
以上です。 - 羽入会長
- ありがとうございます。では、続きまして、外務省からお願いいたします。
- 外務省(前田)
-
外務省国際協力局地球規模課題総括課企画官の前田でございます。まず最初に、私から資料で申し上げると、資料4-(2)外務省資料、分野名「地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」、施策名「『GADイニシアティブ』に基づく取組の推進」について御説明申し上げます。
GADイニシアティブは、御承知のとおり、ジェンダーと開発についてのイニシアティブということで、ODAを実施する際の1つの考え方になっております。外務省としては、GADイニシアティブに基づき、ODAのすべての分野において政策の立案、個別案件の計画、実施、評価等を含むすべての段階で、すべてのステークホルダー(関係者)がジェンダーの主流化を促進するよう取り組んでおります。
具体的には教育、保健といった分野別の援助政策及びそれぞれの国に対する援助の方針を定めた国別援助計画においてジェンダーの視点への配慮というものを明記しております。それから、個別案件の実施に際しては、研修生の招聘などにおきまして、男女の参加比率を同程度にする。あるいは男女がともに発言するような機会を設ける等公平性を確保している例もございます。それから、実施体制のほうでも、ODAに係る組織の能力向上及び体制整備を進めるためにJICAの本部及び国内事務所、在外公館やJICAの在外事務所にジェンダー主流化を担当する職員を配置し、ネットワークの構築、ベストプラクティスの共有などを通じて職員の意識向上に努めております。
そうした取組状況についての評価でございますが、まずGADイニシアティブを策定したことによりまして、ODAのすべての分野において政策レベル、個別の案件レベルでの計画、立案、実施、事後評価という各段階でジェンダー視点を確認するという考え方がそもそも整理されたということがございます。
それから、ジェンダーがすべての分野・課題に対して、ジェンダーという分野というよりは、むしろいろいろな分野に横断的に関係する事項であるという考え方のもと、その取組に当たっては、相手国政府、ほかのドナーと十分連携を進める必要があるということがございます。
それから、GADイニシアティブに基づいて、ジェンダー主流化を推進していくに当たっては、相手国の文化的・社会的な背景、宗教上の制約などを十分考慮した上で、漸進的に進めていくことが必要であるということを考えております。
「今後の方向性、検討課題等」についてですが、GADイニシアティブに従いまして、我々としては現在開発政策、具体的な施策、個別案件の計画、実施といった面で、より一層のジェンダー配慮がなされるよう努力していく所存であります。また、現時点では必ずしも案件の事後評価の部分について、ジェンダーの視点を制度化した形ではまだ取り入れられておりませんが、ここの部分、現在JICAとも相談して検討中でございます。この点を今後なるべく早期に片づけていきたいと思っております。
それから、委員からの御質問についてもお答えさせていただくと、質問票一覧の中の8番目、林委員からの御質問で、援助の中で、「ODA予算全体が縮小する中でジェンダー関連の予算を増やすことは難しいと思うが、困難なときこそひとふんばりしてほしい。人間の安全保障基金のうちUNIFEM支援分が平成19年、20年でゼロとなっているのはどういう考えに基づいているのか」。
この点に関しましては、人間の安全保障基金というものはそもそも国連の中に設置されました日本だけではなく、複数の国からの拠出でできている基金でございます。その申請に際しては、国連関係機関が実施主体となりまして、国連のOCHAという機関に申請書を提出し、そこで審査の上、日本政府に申請書が回ってくるという手続になっております。
具体的に平成19年、20年度にUNIFEMが関与した案件は申請として上がってきておりますが、残念ながらそのうちの1件は、申請主体自身が申請を取り下げた。その他については、2件は国連の内部で案件不採択になっておりますが、残りの2件のうち1件については、先般(先月)、日本政府がそのコンセプトペーパーに対して承認をしたところでございますので、もうじき、今後具体的なプログラムが正式に国連のほうに上がってくれば、順調にいけば採択される予定になっております。もう一件については、日本政府側から照会をかけております。質問をしておって、その回答を待っているところでございますので、これも順調にいけば、そのまま申請が採択されることになろうかと思っております。
それから、もう一つ、この関連で、分野は異なりますが、GADイニシアティブに基づく具体的取組ということで御説明をさせていただければ、委員からの御質問の中で、№20、加藤委員からの御質問で、「持続可能な開発の実現に必要な教育への取組と国際協力を積極的に推進しているという中で、具体的に何をどのように男女共同参画の視点や女性の参画を促進しているのか」という御質問をいただいております。
教育分野につきましては、2002年に日本政府として発表しました「成長のための基礎教育イニシアティブ」という基礎教育分野でのODA政策に基づきまして、特に女性、基礎教育でございますので、初等教育年代の女の子が学校に行けるよう、あるいは学校へのアクセスを高めるよう、かつその質が高まるような取組をしております。具体的には校舎建設に当たっての女性に配慮して校舎の建設であるとか、カリキュラムにおける男女、ジェンダーの意識を取り入れたカリキュラムの作成であるとか、ジェンダーに配慮した教員養成、そういったような取組をしておるところでございます。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。引き続いてお願いします。
- 外務省(大場)
-
外務省の人権人道課首席事務官をしております大場と申します。よろしくお願いいたします。資料は同じ外務省資料4-(2)、その他の施策について御説明させていただきます。
資料の2ページになりますが、施策名(2)イの「国連の諸活動への協力」について、取組及び今後の方向性について御説明いたします。
まず取組ですが、国連に各種様々な会合がございまして、国連総会第3委員会、人権理事会、婦人の地位委員会、ESCAP等々の会合がございますが、こういった会合に出席、対応をしております。
2つ目、国連のジェンダー4機関を統合する一貫性協議、これは実は先般国連総会で決議が採択されまして、ジェンダー4機関を統合するという決定がなされております。その決定を受けて、今後新しく設立されるだろう新機関が効果的・効率的なものとなるように引き続き議論に参加していきたいと思っております。
それから、3番目の女子差別撤廃条約、これにつきましては、先ほど内閣府から説明がございましたので、それと重なりますので、こちらは省略させていただきます。
次に女子差別撤廃委員会についてですが、こちらは今日出席された林陽子先生が委員をされております。
最後、国連婦人開発基金(UNIFEM)につきまして、継続的に拠出金を通じて協力してきております。これは1979年以降、30年にわたって資金協力を実施しております。
「今後の方向性、検討課題等」でございますけど、引き続き、先ほど申し上げたような会合に積極的に参加していくことによって、女性のエンパワーメントに関する決議採択に貢献していきたいと考えております。それから、来年の3月に北京行動綱領採択から15周年記念会合がニューヨークで開催される予定になっておりますので、この分野での国際的合意形成に貢献していきたいと考えております。
最後に課題でございますが、昨今の厳しい財政状況の下で、国際機関・基金等への拠出金の水準を維持するというのが非常に厳しい状況に置かれていますので、これを維持するための努力を関係者の理解・支援を得ながら進めていきたいと考えております。
続きまして、3ページ目の施策名、ウ「女性の平和への貢献」について御説明いたします。
こちらは、紛争と女性に関して、これまで様々な安保理決議が採択されております。まず平成12年(2000年)に安保理決議1325号が採択されておりまして、最近では、昨年、安保理決議1820、紛争下の暴力に関するもの。最近では、9月の末になりますが、紛争下の性的暴力に関する事務総長特別代表を設置する安保理決議1888、これはアメリカのクリントン長官が出席されて議長を務める形で全会一致で採択されております。日本は共同提案国になっております。
これに加えて、先ほどがありましたGADイニシアティブ等を踏まえまして、平和構築支援へのジェンダーの視点を取り入れながら、女性の参画を促しております。具体的には、国際開発機関への拠出や二国間援助を通じて、ここに列挙されておりますような紛争関連地域で様々なプロジェクトを実施しております。
「今後の方向性、検討課題等」でございますが、2000年に採択された安保理決議1325につきましては、「1325フレンズ会合」というのが毎年10月に開催されておりまして、今年も開催されておりますが、こういった議論に引き続き主体的に参加していきたいと考えております。
また、「GADイニシアティブ」に沿ったプロジェクト、これにジェンダーの視点を取り入れて、平和構築プロセスへの女性の参画促進に引き続き努めていきたいと考えております。
最後に4ページ目でございますが、施策名としてカ「NGOとの連携・協力推進」について御説明いたします。
これにつきましては、取組としては2つの大きくは分野がありまして、1つは各種国連の会合における対応、様々なプロジェクトにおける対応2つございます。まず、国連の関係では、国連総会第3委員会に毎年女性NGO代表を派遣しております。これはまさに今、ニューヨークで開催中でございまして、参考データの一番最後にございますとおり、亜細亜大学の篠原先生を今年の第3委員会には派遣して、現地で日本政府の代表として活躍いただいております。
それから、国連婦人の地位委員会の年次会合、こちらも日本代表を民間の女性の方に委嘱する形で派遣しております。こちらにつきましては、今年は上智大学の目黒依子先生に代表を務めていただいております。
また、この国連の会合とは別に、いろんなプロジェクトにおきまして、NGOを通じてジェンダー関連事業の支援を行っておりますし、日本NGO連携無償資金協力関係の審査の際にジェンダーの配慮を確認しております。今後ともNGOの視点から発信される知見に裏打ちされた意見は大変示唆に富んだものがございますので、今後ともNGOとの連携・協力に努めていきたいと考えております。続きまして、事前にいただきました質問票、これに対する回答を差し上げたいと思います。質問№7、辻村委員からの質問にございました「『個人通報制度研究会』ないし『個人通報制度関係省庁研究会』の審議経過やメンバーは公開可能か。検討結果の公表は予定されているか」という質問に対する回答です。
御指摘のありました研究会におきましては、個別具体的な事案等も見ながら個人通報制度が我が国にも適用された場合の影響等について検討を進めているところであります。ただし、この研究会につきましては、検討結果を報告書として公表することは予定はしておりません。
続きまして、質問№9、林委員から質問がありました。先ほど言及いたしました安保理関係の決議ですが、安保理決議1325、1380、1888についてのいろんな質問が出ております。1380という決議なのですが、恐らくこれは1820だと思いますが、よろしいでしょうか。 - 林委員
- はい。
- 外務省(大場)
-
これに対して、大きく3点ほどあると思うのですが、まず平和維持・構築活動に従事する要員に対しての研修についてですが、今、外務省では平和構築を担う人材育成をするための事業を実施しておりますが、端的に言いますと研修事業でありますけど、その研修におきましては、ジェンダーを含む人権人道法の遵守に係る講座を設置する等の対応をしております。
それから、次の要素といたしまして、「性暴力加害者の不処罰をなくすことを、これらの決議に求めているということに関連しまして、日本政府がどのような努力をしているか」というところですが、先ほど1325のフレンズ会合、これらについては積極的に日本として対応しておりますし、例えば今年決議1888につきましては、9月30日に全会一致で採択されましたが、日本は共同提案国としてコンセンサスに参加しております。また、決議が採択されたセッションにおきまして、国連代表部の高須大使が要旨を以下のとおり発言をしております。
まず、この決議の意義として、紛争下の性的暴力に対する国連の調整された対応の強化、それから、法の支配強化のための国連による支援の強化が必要であるということを指摘しております。また、性的暴力の被害者の保護と処罰への対応が必要であるという旨を発言した上で、日本政府としてこの問題に引き続き積極的にかかわっていきたいといった発言をしております。
最後に、「これらの決議を実行して、監視するためのフォーカルポイント」についての質問なのですが、フォーカルポイントというのが具体的に活動しているという事実は知っているのですけど、具体的にだれがこのフォーカールポイントで活動しているかという人事面につきましては、私のほうでは残念ながら、詳細は承知しておりません。
続きまして、質問№10、伊藤委員から質問がございました「CEDAW勧告の中にあるいわゆる『慰安婦』問題について、各政党の政策をまとめてほしい」と。
私どもとしまして、各政党のマニフェスト等に慰安婦問題についての言及があることは承知しております。例えば民主党の政策インデックスですとか、社民党のマニフェストについて言及がございます。ただ、あくまでこれは各政党のマニフェストですので、内容について私どもから説明をするという立場にございませんので、その点は御理解いただければと思います。
それから、質問№11の林委員からの質問として、「女性の大使が2%というのは少なすぎるのではないか。暫定的特別措置によって増やす考えはないか」。
おっしゃるとおり、今現在、大使、総領事、いわゆる在外公館の公館長といわれるポストに女性が就いている割合は2%になります。これは平成21年の現在の数字です。大使の任用につきましては、任国の事情ですとか、それも含めた様々な要素を総合的に勘案して判断をしてきております。外務省としては今後とも男女を問わず適材適所の観点から大使の任用に意を用いていきたいと考えております。
以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、ただいま御説明いただきましたことについて、第9分野の1分野でございましたけれども、どうぞ、御質問、御意見をお願いいたします。伊藤委員、辻村委員、林委員、そのお三方でまずいきましょう。 - 伊藤委員
-
実は暴力のときにも提案して協力していただいたのですけれども、2つのことを総務省及び文科省からお返事をいただきました。1つは、倫理綱領なのですけれども、メディアにおける男女共同参画の推進というときに難しいのはプレスの自由という問題があって、なかなか対応がしにくいことです。基本的には自発的な改革を待つということしかできないのかと思うのですけれども、ここで総務省に倫理綱領を出していただいたのは、大きな会社などでは結構細かいところまで、性差別や性暴力について書き込んでいる倫理綱領持っているところもあるとは思うのですけれども、小さなところでは必ずしもジェンダーに敏感な視点で放送、メディアの運営というものが、取材も含めてですが、対応してないのではないか。この辺のところは1つの切り口になるのではないかと思ってお願いしたところです。
それぞれのメディア各社が自発的に性差別や性暴力について考えていただくような機会づくりが、次の基本計画の中では考えなければいけない部分なのではないか。これは職員の女性の数を増やしたり、役員を増やすということと同時に、内容に対してどうやって、政府がかかわれるかということです。大変難しいところで、メディアにおける男女共同参画の問題があるということを私たちは認識しておいたほうがいいのではないかと思います。
あと文科省にお願いしていたメディア・リテラシーの問題なのですけれども、これは前回暴力のときにいただいた説明以上にかなり詳しい説明をいただけたように思います。ただ、メディア・リテラシーあるいは情報リテラシーというときに、伺っていて、モラル教育の面での対応であって、メディア・リテラシーは読み解く力といいますか、特にジェンダーや人種というのはメディア・リテラシーの中では重要なテーマですよね。つまり自覚されない形で提供されているジェンダーイメージや人種イメージを子どもたちが読み解いて、それの問題性に気がつくようなプロセスがポイントだと思うのですけれども、その辺に視点を置いた教育が必要ではないかと思います。それは先ほどのセクシュアル・ハラスメントの問題もそうなんですが、これは山田委員がお聞きになったことと関連するのかもしれませんが、発生後の対応、それはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにおける発生後の対応というのは、それは準備がつくられつつあると思うんですが、予防教育といいますか、自分が被害に遭いそうになったときにどうするかというようなことも含めた教育の仕組みが問われているし、一部ではそういう教育実践が行われているように思います。そういうところを、これから考えていく必要があるのではないかと思っています。 - 羽入会長
- 引き続き、辻村委員、御質問お願いします。
- 辻村委員
- 質問№7についてお答えいただいてありがとうございました。ただし、私は審議経過やメンバーについても公開可能かとお尋ねいたしましたが、先ほどメンバーについての言及はありませんでしたが、メンバーについても非公開ということなんでしょうか。○外務省(大場) メンバーについてお答え申し上げます。まず、前者の「個人通報制度研究会」については、こちらは外務省が主催する形で平成11年から開催しておりますが、こちらは外務省、法務省の関係部局、最高裁からオブザーバーの参加の形で開催いたしておりましたが、あとは3名の大学の教授を学識者として招いて開催されたものです。これは計40回開催されました。これについては既に終わっておりますが、さらにこれを改組する形で、平成17年12月に「個人通報制度関係省庁研究会」というのを開催しておりますが、こちらが外務省、法務省を始めとする関係省庁が参加する形で開催されているものです。
- 辻村委員
- ありがとうございました。7月23日のニューヨークの会合でも同様の回答を公式になされているわけですね。そういたしますと、当然40回と13回、53回やりました。そうするとその結果はどういう結果だったのでしょうかとか、今現状はどうなんでしょうかという質問は当然次に出てくると思うのですけれども、公表の予定はないという御回答でございました。ただ、必要性といいますか、重要度からしますと、それで済むとも思えないといいますか、未来永劫に検討中というお答えで済むわけでもないと思いますので、そのあたり、今後も公開される予定がないというお答えでしたけれども、それでよろしいのでしょうかということで、御検討いただければと思います。当然情報公開ということもあると思いますし、お答えになれなければ仕方がありませんが、例えば法務大臣が、これについて肯定的な見解を既に公表されておりますので、今後こういう問題がどういう体制の下で、どのように検討されていくのかということは当然一般に関心の的であろうと思いますので、そういう状況の下で、検討はしているけれども、結果についても公表等もないしということでは済まないのではないかと思いましたものですから、将来的に可能でありましたらいろいろな情報を公開していただきたいというお願いでございます。
- 羽入会長
- ありがとうございます。林委員、引き続き、お願いします。
- 林委員
-
内閣府に1点と外務省に2点質問があります。
内閣府から、女子差別撤廃条約等の積極的遵守について御報告いただきましてありがとうございます。今後の方向性の「・」の2番目のところですが、女子差別撤廃委員会の最終見解については、具体的な結論を得たものについて、「新たな男女共同参画基本計画に盛り込む」となっていますが、この主語は、だれが「盛り込む」のでしょうか。つまり、もう政府であるとか、与党であるとか、国会が具体的に結論を得ているのであれば、それは計画に盛り込むまでもない話です。だれかが、何らかの結論を出したものについてだけ入れるという、そこの取捨選択をだれが行うのか。この基本問題・計画専門調査会は何をやっているのかというのが1つ目の内閣府に対する質問です。
それから、外務省からの御説明もありがとうございます。1点目はUNIFEMの拠出金についての質問なのでございますが、UNIFEMに出るお金は「人間の安全保障基金」から出ているものと、UNIFEMに直接行くものと両方あるのでしょうか。
それから、北京会議の年に、UNIFEMの下に「女性に対する暴力撤廃基金」というのをつくるという決議を上げて、日本も共同提案国になっていたと思いますが、最近暴力撤廃基金については拠出金がゼロになっているというお話を聞いたことがあるのですが、外務省の方針としてはUNIFEM拠出金ないし人間の安全保障基金だけに集中して、暴力撤廃ということについては特定のお金は出さないという方針なのかどうかというのが1つです。
2点目は、安保理決議1325の関係なのですが、先ほどの御説明ですとか、平和構築に関心がある人のための人材育成事業を始めていらっしゃるということで、弁護士会の機関誌等にも案内が載っておりますので、そういうことを積極的に始められたのはとてもよいことだと思うのですが、既に日本の自衛隊であるとか、選挙監視要員であるとか、平和構築活動に日本人は行っているわけですね。これから紛争地に 行く人に対するジェンダー研修は今の御説明でわかるのですけれども、今行っている人たちに対しては、ジェンダー・センシティビティーに関する研修は何かなされているのでしょうか。 - 羽入会長
- ありがとうございます。それでは最初の御質問、伊藤委員からの御質問に対してまずお答えいただいてよろしいでしょうか。文部科学省お願いします。
- 文部科学省(増子)
-
文部科学省でございます。この度改訂された新しい学習指導要領は、例えば小学校であれば、平成21年度より一部先行実施されておりますが、一例でございますけれども、5年生の「社会」の中で、「我が国の情報産業や情報化した社会の様子について、次のことを調査したり資料を活用したりして調べ、情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする。ア 放送、新聞などの産業と国民生活とのかかわり、イ 情報化した社会の様子と国民生活とのかかわり」と明示されております。
あと、もう一つ、様式に記載させていただきましたが、「情報モラル指導実践キックオフガイド」を出しております。例えば、「その情報は、本当に正しい?」というタイトルのもとで、「インターネットの利用経験について、使い方や困ったことなどを話し合い、インターネットを賢く安全に使うために気をつけることを考えよう」あるいは「インターネットサイトから得られた工業についてのデータと教科書や地図帳のデータを比べてみよう」などが書かれているといったこともございます。これらの取組も通じて、文科省としても進めているといった現状でございます。 - 羽入会長
- 伊藤委員。
- 伊藤委員
- そこに男女共同参画とかジェンダーの視点がどういう形でこれから入っていくのかという質問をしたつもりだったのですけれども、それをいただけますか、「情報モラル」、お願いします。
- 文部科学省(増子)
- はい。
- 羽入会長
-
それを後ほどいただくようにお願いいたします。
それから、林委員からの御質問、内閣府と外務省からお答えいただけますか。 - 内閣府(山口)
- 林委員からいただいた内閣府からの今後の方向性、検討課題等、女子差別撤廃委員会の最終見解につきまして、具体的な結論を得たものについてでございますけれども、男女共同参画基本計画というのは御存じのように閣議決定されるものですので、最終的には閣僚間等で具体的に結論を得たものについて盛り込んでいくということになります。
- 羽入会長
- 外務省からお願いいたします。
- 外務省(大場)
-
林委員からの質問にお答え申し上げます。まず1点目、UNIFEMに出している拠出金と人間の安全保障基金を通じて行われている事業との関係ですけど、それぞれは別物でございます。まずUNIFEMに対する拠出金というのはUNIFEMに直接日本政府から拠出しております。人間の安全保障基金については、UNIFEMが実施する事業に対して基金から支出がされるという意味でそれぞれ別物です。
あとは、UNIFEMの暴力撤廃基金ですか、こちらにつきましては、これは95年に採択された国連総会の決議に基づいて96年に設立されたものと承知しております。日本政府、過去にこちらに拠出していたことはありますけど、2005年度以降拠出はしておりません。そういう意味で、現在はUNIFEMに対する任意拠出金ということで一本で拠出しております。今後の方向なのですけれども、近年、UNIFEMに対する任意拠出金のみということでありますが、今後どうなるか、まだ今の段階、具体的に申し上げられないのですが、一方で、先ほど申し上げたジェンダー関係の4機関の統合という話もございますので、そういった統合の動きも踏まえながらUNIFEMに対してどのような協力をやっていくのが望ましいのかという観点から検討していきたいと考えております。
あと、決議1325の関係で、既に派遣されている自衛隊ですとか、選挙監視要員に対するジェンダー関係の研修なのですが、こちらは、今、お答えできる情報はございませんので、後ほど何らかの形でお答えさせていただきたいと思います。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。先ほど伊藤委員から御指摘がありました総務省に関する倫理綱領についてのことは、こちらで一度承っておいてお伝えいただくようにしたいと思います。
そのほか、御質問、御意見はいかがでいらっしゃいますか。林委員。 - 林委員
- 先ほど内閣府のお答えの確認なのですけれども、女子差別撤廃委員会からの最終見解は、今後の基本計画にすべて入ると考えてよろしいのですか。それとも入るものと入らないものがあるというふうにお考えなんですか。
- 内閣府(山口)
- 後者です。入るものと入らないものがあるということを考えております。
- 小野田総務課長
- なるべくたくさん基本計画に入るように努力していきたいということでございます。
- 羽入会長
- そのようなお答えでございますが、よろしいですか。
- 林委員
- ほかの委員の方から、もし御意見があるのでしたら出していただきたい。私はこれ以上は控えます。
- 羽入会長
-
どういうものを盛り込むべきかということは、恐らくこちらから積極的に意見を申し上げるべきではないかと思います。これからまたそれぞれの専門のワーキングでも御議論いただけると思いますので、それも踏まえて、こちらからも意見を申し上げるようにしていきたいと思います。
ほかにいかがでいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、各省庁の皆様、ありがとうございました。
続きまして、次に12分野についてのフォローアップを進めたいと思います。「新たな取組」のうち、防災分野のフォローアップについて、まず内閣府の防災担当から御説明いただきます。お願いします。 - 内閣府(野本)
-
内閣府防災担当総括補佐をしております野本と申します。お配りしてあります資料6-(1)内閣府作成という資料をごらんいただきたいと思います。こちらに沿いまして御説明を申し上げます。
私ども内閣府防災担当は、御承知のとおり、内閣府ということで、総合調整官庁という立場から、政府として取り組むべき大きな方針を策定しましてまとめ上げまして、各省さんの施策を後押しするというのが基本的な役割となってございます。
そういった中で防災基本計画、こちらを「中央防災会議」と申します政府の重要政策会議の1つ、こちらで全閣僚入っていただきまして、「防災基本計画」というものを策定してございます。防災基本計画に従うような形で、ほかの防災計画、市町村、都道府県ですと、「地域防災計画」、さらに防災に関係します公共機関ですと、「防災業務計画」というのを作成することが義務付けられてございまして、これによりまして、政府全体として災害対策を体系的・整合的に展開しているところでございます。
そのような防災基本計画の中に、そこに書いてございますような3点を記載してございます。 ・ 災害時における女性への配慮について、避難場所において妊産婦等の災害時要援護者にも配慮した避難の実施に必要な施設・設備の整備に努めること。 ・ 防災知識の普及・訓練の実施において、被災時の男女のニーズの違い等の視点に配慮すること。 ・ 自主防災組織の育成・強化に当たり、女性の参画の促進に努めること。
ということで含めてございます。
こちらのほうに配慮した形で全体の防災対策がなされているところでございますが、こちらの防災基本計画、昨年2月に修正をしてございまして、男女共同参画の視点を取り入れました防災体制の確立についての記載を追加してございます。これによりまして、防災に関する施策の方針決定過程において、女性の皆様の参画の拡大が期待されているところでございます。
また、都道府県が作成します地域防災計画の修正に当たりましては、男女双方の視点に十分配慮し、男女共同参画の視点を取り入れました防災体制の確立を地域防災計画に規定すること等を都道府県に要請をさせていただいているところでございます。
それから、若干話が変わりますが、高齢者、妊娠されている女性の方を災害時要援護者という用語でお示ししているところですが、災害時要援護者の方が災害から避難する際に、避難に遅れたりして犠牲になることが多いこともございまして、そういった方々の避難支援対策を進めてございまして、災害施策の指針となります「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」というものを策定してございまして、こちらのガイドラインにおきましては、避難所に災害時要援護者の方々の窓口を設置する際に女性を配置して、女性や乳幼児の方のニーズを把握するようにしているところでございます。
「今後の方向性、検討課題等」というところでございますが、先ほど申しました昨年2月の防災基本計画の修正におきまして、PDCAサイクルと申しますか、地域防災計画の作成状況、実施状況を定期的に把握するというふうに記載のほうを盛り込んだところでございますので、そういったことを通じまして、地域防災計画のほうに男女双方の視点に十分に配慮した事項ですとか、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立というものがきちんとなされているかどうかということをフォローアップのほうを行っていきたいと考えております。
また、先ほど申しました中央防災会議でございますが、その下部としまして専門調査会の設置ということでございますが、そちらの委員の皆様方につきましても、防災という分野の特殊性ございまして、なかなか専門技術性等々ありまして、幅広くいろんな専門家の方を見ておりますが、そういった中でも、できる限り女性委員の皆様の割合を高めるように取組を進めていきたいと考えてございます。
それから、関係省庁の皆様方と連携しまして、先ほど申しました災害時要援護者の避難支援対策の取組の推進をしていきたいと考えてございます。
引き続きまして、五條委員から、私どものフォローアップのほうに御質問をちょうだいしているところでございます。内閣府のほうからは№13のほう、お答え申し上げます。御質問が「防災分野の固定的な性別役割分担意識の解消を助長するための施策として、何が行われてきたか」ということでございまして、例えば訓練、研修、情報提供等の内容で、性別役割分担意識の是正につながっているものは何かというお問い合わせかと思います。
こちらにつきましては、私ども御指摘のように地域コミュニティ、防災の現場におけます固定的な性別役割分担意識を解消するというためには、防災の現場におきます女性の参画を確保していくことが大変重要なことだと考えているところでございます。そういった認識の下に、先ほど申しましたように、昨年2月防災基本計画を修正いたしまして、男女共同参画の視点を取り入れました防災体制の確立についての記載を追加しまして、地域防災計画に規定するなどを都道府県に御要請したところでございます。
こういったこともありまして、具体的な取組というのがございまして、平成19年3月に能登半島地震で石川県の穴水町というところが大変な被害を受けましたが、そこで昨年3月、「女性のための防災会議」というのが開催されまして、性別に配慮しました避難空間の運用ですとか、救援復帰の最前線で働きます女性のために母親不在で不安となります子どもたちに対する支援が必要であるといったことなどを女性の視点から防災対策について積極的に情報発信するといった動きがあったと聞いてございます。
私どもこのような取組を防災白書のほうに記載して御紹介しているところでございまして、このような取組を通じまして、防災の現場に女性の意見が反映されていくことで、そういった固定的な性別役割分担意識というものの解消を目指していくというふうに考えているところでございます。
長くなりましたが、以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、続きまして、総務省の消防庁から御説明をお願いいたします。 - 総務省(細田)
-
総務省・消防庁で災害対策官をしております細田と申します。今、国の防災対策につきまして、内閣府のほうからお話ございましたけれども、地方自治体の関係につきましては、総務省・消防庁が担当しておりまして、御説明をさせていただきます。
お手元の資料6-(2)をごらんいただけますでしょうか。
先ほどの内閣府の御説明にもございましたように、平成20年2月の防災基本計画の修正の際に、「男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立」についての記載が追加されたところでございます。一般的に都道府県及び市町村が防災に関する基本的な事項を定めるものとして地域防災計画というものがございますが、国の防災基本計画に基づいて作成されることになっておりまして、これは災害対策基本法40条及び42条に記載されているところでございます。災害基本計画が修正されました際には、地域防災計画についても修正するよう通知を出しているところでございます。具体的に今、申し上げました平成20年2月の防災基本計画の修正に際しましても、平成20年3月18日付で通知を発出しているところでございます。この中で、特に留意していただく事項としまして、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立、すなわち防災に関する政策・方針決定過程及び防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立を要請したところでございます。
こうした事情がございまして、防災基本計画に盛り込まれている内容につきましては、私ども都道府県分については協議を受けているところでございまして、地域防災計画に同様の事項が盛り込まれている団体が多いものと承知しているところでございます。
総務省・消防庁としましては、防災基本計画に地域防災計画の作成状況及び実施状況を定期的に把握するとされていることから、平成20年度から調査を実施しているところでございまして、この中で男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立に関しましてもフォローアップを行っていくこととしているところでございます。
続きまして、次のページでございますけれども、消防団の関係でございます。女性の消防団員の関係でございますけれども、総務省・消防庁ではポスター・パンフレット・DVD・ホームページ等による広報活動を始め、地方公共団体に対して通知を発出などしまして、女性消防団員の入団促進を進めているところでございます。
女性消防団員数は年々増加しておりまして、平成16年時点で1万4,000人だった女性消防団員も平成21年速報値では約1万8,000人まで増加しているところでございます。10年前、平成11年に9,400人だったのと比較いたしまして、ここ10年で約2倍に増えているところでございます。
続きまして、いただいております御質問にお答えをさせていただきます。
まず№12の加藤委員からいただいている質問でございますけれども、先ほど申し上げましたような形で、私ども平成20年2月に防災基本計画が修正されましたことを踏まえまして、具体的には防災基本計画に新たに盛り込まれました内容、妊産婦等の災害時要援護者にも配慮した避難施設や設備の整備、防災知識の普及、訓練の実施における被災時の男女のニーズの違い等の視点への配慮。また自主防災組織や消防団への女性の参画促進等につきまして盛り込むように地方公共団体に対して、平成20年3月18日付で通知を発出しているところでございます。
同じく質問№14でございますけれども、五條委員からいただいている質問につきましてお答えをさせていただきます。「各種女性団体が現場でどのような形で防災活動と接点を持っているのか、把握した調査結果はあるか」ということでございますが、私どもとしては、「婦人防火クラブ」というような形で各地域で消火活動等に御尽力いただいておりますクラブがあるわけでございますが、これに関する調査といたしまして、平成20年4月現在で全国1万1,586の婦人防火クラブのうち消火活動を行っているのが2,756団体、全体の約24%、消火活動は行わないけれども、連絡や救護等を行っているのが4,231団体、全体の約37%となっているところでございます。また、先ほどお話させていただきました女性消防団員についての調査は具体的な数字としては持ち合わせておりませんが、消火活動や応急活動はもとより高齢者宅への訪問、あるいは応急手当の講習の実施など生活に密着した活動分野で御活躍をいただいているところでございます。
もう一つ、御質問いただいておりまして、「消防団の女性団員数は極めて少ないことの要因を分析した資料はあるか」ということでございますが、このものにつきまして特段の資料として取りまとめたものはございませんけれども、女性消防団員を採用している消防団がいまだ全体の49.4%にとどまっているところでございまして、今後とも私どもといたしましては、積極的な入団に向けた取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。具体的には女性職員の多い事業所等を通じて入団促進の働きかけをしたり、あるいは大学を回るなどして入団促進を図る努力をしているところでございます。
私からは以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。以上が防災に関してでして、引き続きまして、「地域おこし、まちづくり、観光」分野のフォローアップを内閣府からお願いいたします。
- 内閣府(大西)
-
それでは、資料6の(3)をごらんいただければと思います。分野12「新たな取組を必要とする分野における男女共同参画の推進」でございます。
1つ目、主な施策の取組状況の1つ目の「○」でございますが、地域おこし等実際に活躍している方にアドバイザーになっていただいて、経験交流会を平成20年度は12か所で行っており、女性のチャレンジ支援を実施しております。
また、2つ目の「○」では、「地域における男女共同参画推進の今後のあり方について」ということで、こちらは基本問題専門調査会のほうで提言をおまとめいただきまして、これを踏まえた施策を推進しております。
3点目の「○」ですが、こちらは地域における課題解決に向けた実践的活動の先進事例の収集・分析、提供、地域における男女共同参画を支援するためのアドバイザー派遣の事業を実施、こちらは21年度からの事業として実施しております。
「今後の方向性」としては、昨年10月におまとめいただきました、先ほどの報告書において、従来の知識取得や意識啓発の取組から実践的活動への移行が必要と指摘されておりますので、こういったことを踏まえた先進事例の収集・分析やアドバイザーの派遣事業を実施してまいりたいと思っております。
続いて委員から事前にいただいていた質問の15番~19番まで順にお答えさせていただきたいと思います。
質問№15、伊藤委員の御質問で、「各都道府県の防災会議における女性割合のデータについて」ということで、こちらは本日、資料を質問票の後ろに付けてございますが、毎年行っております平成20年度「地方公共団体における男女共同参画の形成又は女性に関する施策の推進状況」という調査があります。こちらで都道府県別、政令市別、都道府県で平均3.1、政令市で4.2の女性比率となってございます。
質問の16でございますが、こちらは国土交通省に伊藤委員からですが、「各都道府県の観光協会の女性割合データ」ということでして、観光庁に確認したところ、都道府県や市町村別のデータはないという回答でございました。
続いて質問の17番、伊藤委員から「各都道府県の商工会議所の女性役員割合のデータ」についてということで、こちらにつきましては、質問票の後ろに質問17に対する回答として、経済産業省から、平均で1.43%ということで商工会議所の女性割合のデータを付けてございます。
続きまして、質問の18番、伊藤委員からですが、「地域おこしにおける男女共同参画の好事例があれば示してほしい」ということにつきまして、こちらは昨年度基本問題専門調査会が取りまとめました「地域における男女共同参画のあり方」を机上に冊子として配布しておりますが、こちらの中に地域おこし、まちづくり、環境、観光などの事例を報告書の中で紹介しております。
また、国立女性教育会館におきましては、地域活性化に向けた調査研究で、本年3月に、「男性の次世代育成支援活動への参画とその促進、取組事例集」というのを取りまとめておりまして、こちらはホームページなどでも見ることができておりますが、こういったもので事例が取りまとめられております。
また、今年度、男女局のほうでも、男女共同参画センターの好事例を取りまとめるような調査を実施しているところで、まとまり次第、また御紹介させていただきたいと思います。
最後に質問19、五條委員からですが、「理工系や経済の環境対策と密接な分野のあることに関心を持つ女子学生の意識」についてですが、「環境問題に対する若い人の性別間による関心や意識をとらえた調査結果はあるか」という御質問でございます。
こちらは環境省や文部科学省に確認したところ、女子生徒・女子学生を対象とした調査は行ってないということでございました。しかし本日資料として添付しておりますが、対象が20歳以上で内閣府が本年6月に環境問題に関する世論調査を行っておりまして、こちらは性別間の調査や年代別の調査をまとめたものがございましたので添付しております。
以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、環境につきまして、文部科学省、環境省から順にお願いいたします。文部科学省から、お願いします。 - 文部科学省(土井)
-
文部科学省です。「環境分野における女性の参画の拡大」について、文部科学省では、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者、大学生等と女子中高生の交流機会の提供や実験教室、出前授業の実施等、女子中高生の理系進路選択支援する「女子中高生の理系進路選択支援事業」を平成18年度より実施しております。
また、独立行政法人国立女性教育会館においても、日本学術会議等との共催で、科学技術分野への進路選択を支援することを目的に、「女子中高生夏の学校」を開催したり、また、ホームページ上にございますが、「女性のキャリア形成支援サイト」を作成し、研究者・技術者、NPOリーダーなど多様な女性のロールモデルの事例等を提供しているところです。
次に「環境保全運動への参画の支援」ですが、地域住民が環境保全活動を含むボランティア活動や家族参加の体験活動、地域の課題を解決する活動等を通じて、地域のきずなづくりを推進する事業を実施しております。
次に「国際的な対応」ですが、関係省庁連絡会議を開催して、「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」実施計画を策定しております。
また、ESDの推進拠点として位置づけているユネスコ・スクールの加盟校数増加やそのネットワーク強化、ESDに関する研修会の開催、教材や優良事例の作成など、ESDの普及のための取組を実施しております。
加藤委員から20番の質問「具体的に何をどのように、男女共同参画の視点や女性の参画を促進しているのか」をいただきました。この持続可能な発展のための教育の主導機関であるユネスコの定めたESD国際実施計画によれば、ESDの対象となる「持続可能性に関する諸問題」の1つとして、男女間の平等が挙げられております。文部科学省では、このESDの世界的な推進のため、ユネスコに対して信託基金を拠出し、その普及促進のための国際協力に取り組んでおります。
今後の方向性、検討課題等ですが、女子中高生の理系進路選択支援事業については、平成21年度より独立行政法人科学技術振興機構に事業を移管し、児童生徒の科学技術に関する興味・関心を高めるための取組の支援の一環として、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者、大学生等と女子中高生の交流機会の提供等、女子中高生の理系進路選択の支援を行っております。
環境教育等のテーマに関しては、社会教育による地域協働の仕組みづくりのための共同研究事業について検討しているところです。
また、国内外におけるESDの一層の取組の推進については、国内的な取組として、500校を目標にユネスコ・スクール加盟校の増加、ネットワーク強化を図っております。また、国際的取組として、我が国の優良事例を国際的に発信するとともに、アジア地域共通のモデル・プログラムの構築を図っております。こうした取組を通じ、2014年に終了する「国連ESDの10年」の締めくくり会合に向けて、我が国のプレゼンスの向上に努めたいと考えております。
以上です。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
それでは、環境省からお願いいたします。 - 環境省(飯野)
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失礼いたします。資料6-(6)環境省作成に従いまして御説明申し上げます。
男女共同参画基本計画に盛り込まれております環境関係の施策につきましては、意思決定過程において、女性の登用をより一層進めるという柱と、それから一般の様々な環境保全活動において女性の参画を推進するということの二本柱になってございまして、前者につきましては、資料のつくり方が悪くて申し訳ないのですけれども、1つは環境省の職員に女性を登用するということと、それから一番最後のページに、審議会で女性の方に多く入っていただくということでございます。ただ、こちらにつきましては、何分環境関係につきましては技術的な細目で非常に細かいものが多うございまして、なかなかまだ女性の登用が数字上は十分進んでいないところがございますけれども、引き続き、こういうことも念頭に置いてきちんと登用を進めていくということをしておるところでございます。
環境保全活動における女性の参画の推進ということにつきましては、先ほど文部科学省の方からも御説明があったのですけれども、環境省がということで申しますと、資料をめくっていただきまして2ページ目に、地球環境パートナーシッププラザの設置・運営と地球環境基金によるNGO・NPO活動への支援とございます。これは言うまでもないことですけれども、男女共同参画ということが一義的なもともとの目的ではあるわけではないのですけれども、様々な現場の活動において、女性の視点が活かされるということは当然もとより環境保全活動においてはあるわけでして、そういったことも念頭に置きながらいろいろと進めているところでございます。
次のページにちょっと似たような話なのですけれども、環境カウンセラー事業というのがございまして、これも地域においていろいろ環境保全活動を進めようというときに、1つのリーダーというか、アドバイザーになるような方を登録をして、何かそういう人探しみたいなことがあったときに、登録名簿から探せるようにということの事業を環境省はしております。こちらももともと比較的傾向としては、いわゆる民間企業で環境担当をされていた技術系の方が多いという傾向が一般的にはあるのですけれども、できるだけこの事業というか、環境カウンセラー制度というものがありますということを周知するという形をとりまして、女性もそうですし、広く一般に活動されている地域の人材が登録されるようにということで事業を進めております。
もう一枚めくっていただきまして、「エコリュクス2007」というのがございまして、「エコリュクス」というのは、あまりなじみのない言葉かと思うのですけれども、イメージとしては、「クールビズ」とか「ウォームビズ」というような環境のPR活動の新しい1つの標語だと御理解いただければと思うのですが、これを女性の視点で語っていただくというトークイベントを一昨年に開催したといった事例もございます。
5ページに国際的な活動ということで、ESD持続可能な開発のための教育についても記載しておりまして、こちらにつきましては、先ほど文部科学省さんのほうから相当詳しく御説明がありまして、基本的には両省を中心に関係5省庁で、国交省さん、農水省さん、経産省さんにも加わっていただいて進めているということでございまして、先ほどの説明に特段環境省だからということで追加する事項はございません。
環境省からは以上でございます。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告について、御質問、御意見。伊藤委員、鹿嶋委員。伊藤委員からお願いします。 - 伊藤委員
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どうもありがとうございます。先ほど質問させていただいているデータなのですけれども、1つは、防災会議の女性割合がまだ3.1%であるということは考えなければいけないのではないかと思います。しかもゼロというところがまだいくつかありまして、特に東京(0)、神奈川(1)、千葉も(1)ですけれども、これから震災が来る可能性が高いと言われているところで、女性委員が少ないのはかなり問題なのではないか。逆に近年震災のあった大阪、兵庫も(0)なので、この辺もちょっと考えていただきたいというところです。
ただ、一方で鳥取県、徳島県、熊本県3つが10%超えています。鳥取県、熊本県は、多分前知事の片山さんと潮谷さんの動きがあった。徳島県はわからないのですけれども、どうやって、この県が女性割合を増やしたのかという工夫の仕方を、(0)のところとか共有していただきたいと思います。充て職が多かったりしていろいろ難しい問題があるのは重々承知なのですけれども、それを充て職がありながら、15とか16%女性比率つくっているところがございますので、その辺の工夫を調べて共有していただくようなことが必要なのではないかと思います。
あと、観光協会は、私も前、調べようとして、ある自治体でお願いしたがデータが出なかった。全国的なデータはないみたいですが、これも「観光立国」という形で動き始めているわけですから、進めていきたい。特に観光の問題は男性基準の観光ではもうやっていけない状況だと思うんです。女性の観点が入った観光施策のある種の有効性みたいなものも当然議論されているわけですから、この辺はもうちょっと自覚的に観光協会の問題は国土交通省は考えていただければと思います。
商工会議所も1.43ということで大変少ないわけで、これは経済産業省が介入できるところではないのかもしれませんけれども、なぜこうなっているのかということについての調査と、それなりに女性の委員がいる千葉県とか茨城県とかですけれども、その辺の実態の調査などもちゃんとやった上で対応していくほうが、町おこしということを考えるときに大切なのではないかと思います。
以上です。 - 鹿嶋委員
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総務省に聞きたいのですけれども、いわゆるボランティアの消防団員がかなり増えてきているのはわかるのですが、消防士さん・職員のほうは極めて少ない。2%いってないわけですよね。その理由として、体力試験云々ということが書いてありますが、同じような体力を使う仕事で警察官がいるわけですが、警察官も実は募集に当たっては割当制度をとっていまして、かなり調べたのですが、多くの自治体が警察官につきましては、例えば男性警察官500人、女性30人とか割当制とっているんですね。ただ、そういう募集の仕方は均等法は禁じているわけですが、ただ、警察官の募集は都道府県マターだといったことで、国の行政指導がいま一つ徹底しません。
実はある自治体について、その自治体の男女共同参画課を通して実情を調べてもらったのですけれども、回答としては、いわゆる警察の仕事というのは凶悪犯罪に立ち向かうこともあり、女性では手に負えないようなところがある云々ということを言っていたのですけれども、ただ、被害状況を見ますと、女性の被害というのもあるわけですね。そして男の警察官では対応できないようなこともあって、私は女性を増やすべきだと思っているんですが、それと同じようなことが女性消防士にも言えるのかどうか。これなども割当制みたいのを本当はとっているのではないかという勘繰りもあったりします。
確かに体力試験云々もそうでしょうが、男と同じ体力試験であれば、女性がハンディがあるのは当然なのですけれども、防災計画含めて男女共同参画という視点があれば、いわゆるボランティアの消防団員を増やす一方で、女性の消防士さんを含めて対応していくことが私は大事だと思うんですね。そういうことまで含めて、あまりにも少ない現状、全然改善されてない現状というのは一体何が原因なのかということを教えていただきたい。 - 羽入会長
- ありがとうございます。先ほど五條委員からも手が挙がっておりましたが、五條委員、帯野委員、加藤委員の順でいきます。
- 五條委員
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私からも防災について発言させていただきます。防災についての地域現場の男女共同参画を進める上で、まず1つ大切なことは女性が実質的に防災活動に日頃から貢献している実態を一層明らかにしていくことが大事ではないかと考えます。消防団員の数は少ないという数字では出てくるわけなんですけれども、現実に現場の実態を見ると、消防団に対して協力隊があって、その協力隊は女性で組織されていて、火災報知機の普及だとか、小学校にいろいろな防災意識の啓発に行ったりとかいろんな活動をされている。そうしたような実態を踏まえていくことが大事ではないかと思います。
それから、もう一点は、先ほど消防団員の数を増やしていく上で、事業所や大学に働きかけをされているというお話を伺って、これも非常に大切なことなのですが、地域の現場において消防団員の取組の多くは自治会などの地縁的な組織と一体的に活動を進めているということが非常に多いわけなので、特に質問させていただきたいことは、後者の部分で特に地方公共団体に消防団員の女性を増やすことについて通知をしているという話は資料にも書いてあるのですが、その後、どういうふうにしているのか、地方公共団体から直接的に地縁的な組織にまでつながるような啓発が実際行われているのか。そういうことについての実態としてはどんな現状把握をされているのか、教えていただければと思います。
こういうふうに女性の防災に対する貢献度、女性の消防団員、地域のそういう女性の団員を増やしていくということが結果的に、女性の防災に関する意思決定の場への参画も促していく、その実質をつくっていくということになるのではないか、そんなふうに思います。
以上です。 - 羽入会長
- ありがとうございます。では帯野委員、続けてお願いします。
- 帯野委員
- 先ほどの伊藤委員の御意見と重なるかもしれませんが、私も伊藤委員の国交省に対する御質問、観光協会の女性割合データがあれば御提示いただきたいと思います。これに対してデータなしと言い切られるのにはちょっと驚きました。観光、地域おこしという分野で、女性の視点が重要であるというよりも、これは女性が主体となって進めていく分野ですので、ぜひ次回は国交省・観光庁に来ていただきたいと思います。資料6-(4)の国交省の回答、地域おこし、まちづくりに対して、地域の特徴を活かした観光地域づくりを推進するため、女性を含む幅広い関係者の協力を得ているという回答も、女性の協力を得るということが共同参画推進に取り組んでいるということとイコールなのかどうか。その関係もよくわかりませんので、ほかにもいくつか具体的な御質問をしたいと思いますので、次回は来ていただきたいというふうにお願いいたします。
- 羽入会長
- ありがとうございます。加藤委員どうぞ。
- 加藤委員
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私から、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の確立ということで、具体的にどのような内容を通知、要請をされていらっしゃるのでしょうかということをお聞きします。これは、総務省並びに消防庁からの通知が、各都道府県だけではなくて、市町村のレベルまでそれが届いているのかということに高い関心を寄せております。
もう1つは、例えば地域コミュニティの中でも防災体制の確立ということでいろんな地縁団体を含めて地域の多様な主体が集って議論をするわけですけれども、その場はよろしいのですけれども、よく聞きますのが、防災計画の議論をした後に、懇親会をしたりすると、終わった後に、例えば防災体制の議論をするところに女性が入れるのは人数でいえば一人か二人やっと入るというようなところが現状なわけですけれども、参加をしている女性たちに対して、あなたの仲間を連れてきて、懇親の場の片づけをしてくれないかというような、こんなことを言う男性陣もまだまだ地域の中にはおられるわけです。
つきましては、総務省並びに消防庁は、地方自治体を所管をしておられ、地方自治法に規定をされている様々な団体の御理解、御協力もいただきながら男女共同参画の視点に基づいた地域防災の体制づくりというのをおやりになるのだろうと思いますので、男女共同参画の視点に立った防災体制づくりというのは、計画のところだけに男女共同参画の視点を盛り込むのではなくて、もっと広範な観点から男女共同参画の重要性ということを、都道府県並びに市町村のところまで届くように通知をしていただきたい、というお願いでございます。
それから、あともう一つは、まだまだ女性団体と防災のところでとらえてみますと、まだ女性団体を炊き出し要員としてとらえる地域、地方自治体も非常に多いかなという印象を私は持っております。これは新しい男女共同参画の視点に立った防災体制づくりというのは、こういうものなのだということを改めて関係各位が共有した上で、通知等もお出しいただきたいと考えております。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。それでは、恐縮ですが、まとめて総務省・消防庁からお答えいただけますか。
- 総務省(細川)
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まず消防職員のほうからお答えさせていただきます。委員のおっしゃるとおり、女性消防職員まだまだ少ない状況ではありますけれども、採用に関して、今、お話のあったような、例えばこの年は男性100人、女性30人ですとか、そういった枠を設けているという事実は今のところ報告されておりません。我々消防庁からも通知等でそういったことは好ましくないということと、地方公務員法の平等の取扱いの原則から照らし合わせても好ましくないということは一応うたっております。
また、採用試験に関しましても、一般的に男女の絶対的な体力差というのは当然にございますから、これを加味した状態で採用試験、判定方法の設定をしていただいて、女性の採用が事実上困難になるような試験にならないようにということも、これも通知でうたっております。これを各消防学校ですとか、消防大学、こういったところで幹部教育、特に幹部の方々、採用に携わるような方々に対しまして広く周知をしておりまして、消防大学で8科目、全部で16教科について、この場を設けさせてもらって、女性の採用について御理解をいただいているところでございます。 - 総務省(細田)
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続きまして、五條委員から御質問いただきました地縁含めまして女性の地域におけます防災活動への参画につきましてお話しをさせていただきます。
先ほど御説明が不十分で大変申し訳ございません。消防団員につきましては、女性は今、約1万8,000人ぐらいいるわけでございますけれども、いわゆる地縁に根ざしました女性の防災活動といたしまして、婦人防火クラブ、女性防火クラブというような形で、全国的に平成20年度で申し上げます、1万1,586団体、人数にいたしまして182万3,663名の方が御参加いただいているところでございます。こうした方々につきましては、日頃から防災意識の啓発、あるいは先ほど五條委員からもお話ございました住宅用火災警報機の普及啓発など大変御尽力いただいているところでございまして、今後ともこうした皆様の活動につきまして、私ども白書あるいはホームページ等を通じて積極的に広報してまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、加藤委員からいただきました御質問についてお答えさせていただきます。先ほどお話をさせていただきました平成20年に国の防災基本計画の修正を受けて、地域防災計画につきましても、この国の計画に基づいて修正するように通知を出しているところでございますけれども、この通知自体は都道府県あてではございますが、都道府県を通じて市町村にも周知してくださいというような文面で出させていただいているところでございます。ただ、実態面で、先ほど委員おっしゃられたような現実があるということでございますれば、私ども実態面にも配慮して、今後適切に対応していきたいと考えているところでございます。
また、もう一点、女性が地域で防災活動に参画いただく際に、炊き出し等を中心に参画しているのではないかというようなお話ございました。そういった面、私どもから炊き出ししてくださいというような形で何らかの働きかけをしているわけではございませんが、実際には、AED・心肺蘇生ですとか、あるいは救助活動、あと先ほどお話させていただきました地縁活動に基づきました住宅用火災警報機の普及啓発等大変御尽力いただいているところでございまして、様々な面で御活躍をいただいているというふうに認識をしているところでございます。
以上でございます。 - 羽入会長
- それでは、桜井委員、どうぞ。
- 桜井委員
- 問題は自治会・町内会と同じで、一般のメンバーは女性も大変多い。しかし、男女共同参画を進めるということであれば、女性メンバーがその組織の意思決定に参画できないということが問題なんですね。ですから防災という地域活動に置いても、女性が男性と共に意思決定できるような仕組みをつくっていかないとまずいのではないかと思うんですが、そのあたりは何か考えていらっしゃいますか。
- 総務省(細田)
- 私どもふだん接しております、例えば婦人防火クラブあるいは女性防火クラブの方々、大変熱心に主体的に活動していただいておりまして、また、これが男性の方と一緒の場になるとどういう形になるのかというのは十分に把握しているところではございませんが、大変積極的にいろんなお取組いただいているところでございますので、また、今、先生から御指摘いただいたような点含めまして、私ども地域の現場をきちんと踏まえて対応してまいりたいと思います。
- 羽入会長
-
ありがとうございます。
観光に関して、いくつか御意見ございましたけれども、内閣府からは何かございますでしょうか。 - 内閣府(大西)
- 本日、観光庁は公務のためやむを得ず欠席ということでしたので、本日の委員からの御意見、お伝えして対応してまいりたいと思います。
- 羽入会長
-
ありがとうございます。恐らく観光についても、今、御議論いただきました防災についても、より明確で具体的な提案を私どもからする必要があるのかなというふうにも考えておりますし、それに対して、恐らく関係の省庁は御検討、御対応いただけるのではないかと感じておりますので、これからさらにまた詰めて議論を私どもでしていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
それでは、フォローアップにつきましては、以上にさせていただきまして、続きまして、資料7と8について、事務局から御説明いただきながら議論をしていきたいと思います。資料7について、まずお願いいたします。 - 大西企画官
-
それでは、資料7をごらんいただきたいと思います。「基本問題・計画専門調査会運営規則の一部改正について(案)」でございます。
本年5月18日に、本調査会で決定いただきました運営規則に会議の公開について一部加える改正の御提案でございます。
具体的には第5条の部分でございますが、調査会の会議は公開とする。ただし、会長は、公開することにより公平かつ中立な審議を保障する静謐な環境の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があると認めるときは、会議を非公開とすることができる。
2 会長は、会議における審議秩序の維持のため、傍聴人の退場を命ずるなど必要な措置をとることができる。
こちらの条文を追加させていただき、附則といたまして、本日、この会議50回ですが、52回の調査会から適用するものとする。ということについての御提案でございます。
現在男女共同参画会議の下の専門調査会は非公開で開催して特段運営規則に公開等の記述がございませんでした。国の審議会につきましては、大半が運営規則で公開されているものが多い状況でございまして、今回、このような形での御提案をさせていただき、議事内容の透明性の確保の観点から原則公開という御提案でございます。
資料7の裏面に、今までの運営規則の新旧対照表、それから、つけ加えた場合の新しい規則の案を付けさせていただいております。
資料7については、以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。今、御説明がございましたように、調査会を公開とするということの規則の改正についての御意見を承りたいと思います。情報公開するということが非常に重要なことと考えますのと同時に、この会議は公正な運営がなされなければいけないということを同時に考えております。そういったことから、2つのこと、つまり公開にするということと、それから会議における審議秩序の維持のために、傍聴人の退場を命ずるということがあり得ると、この2つの項目を設けました。
これにつきまして、御意見はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
この会議は次々回、次の次の回から公開にしたいと考えておりますけれども、詰めた議論をワーキング・グループ等で十分にしていただくことが重要なことになるのではないかと考えております。
それでは、このような形で一部改正についてお認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり) - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、資料8について、御説明をお願いいたします。 - 大西企画官
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それでは、資料8、スケジュールについてでございます。大まかな確認と若干の修正点の御説明でございます。
今現在は11月で各省からのヒアリング、それから論点整理をワーキング・グループで行っていただいております。従来の資料ではワーキング・グループが2月をめどにある程度起草したものという御説明をさせていただいておりましたが、年内に大きな論点をまとめていただくというところを若干修正しております。
あとのところは、大きな日程は変わっておりませんが、現在の全体スケジュールを確認という形で付けさせていただいております。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。少し補足させていただきますと、ワーキング・グループでこれから議論を詰めていただきますが、それを踏まえて全体の会議を開いて、それを取りまとめていく。その間に様々な形で、また今の政権が替わり、いろいろな状況が新しくなってくるかと思いますけれども、それも踏まえて全体の会議に諮っていく。そして取りまとめをしていくというふうに考えております。そのような意図を込めたスケジュール(案)でございます。どうぞ。
- 佐藤委員
- 今のスケジュールに多少かかわるということで、もう既に議論されたのかもわからないのですが、今日の12分野なんですけど、12分野というのは、見ていただくと、それまでの分野で取り上げてない重要な分野を取り上げるということで、12のところの中身の構成は、ある面ではもっと別のもの、必要なものがあれば入れるということもあるし、あるいは落とすというのもあり得るのだと思うんですね。
- 桜井委員
- 1から11はまだ。
- 佐藤委員
- ですからその辺はどこでやるのか。全体の構成も含めて。
- 羽入会長
- 私の理解は、ワーキング・グループで議論していただく。そこで議論したものの中で、どこにも所属しないものが出てくる可能性というのはあるわけですので、それを全体の中で整理していくということになるのではないかと思いますが、事務局のお考えはいかがですか。
- 大西企画官
- 今、会長がおっしゃったことの補足でございますが、いろいろワーキングで御議論いただいたものを、1、2、3月の中間整理案取りまとめの中で最終的には、こちらの専門調査会で御議論いただければというふうに思っております。
- 桜井委員
- 今のことなのですが、佐藤委員おっしゃったのは、1から12までありますが、12を除いても、1から11までも、この分け方でいいかどうかということも結論がまだ出てなかったと思います。それをどこでやるのかということをお尋ねしたのだろうと思う。私もそれは聞きたいです。
- 羽入会長
- ありがとうございます。ワーキング・グループで御議論いただくのは、今、ワーキング・グループが8に分かれておりますけれども、その中で。
- 藤澤推進課長
- 会長おっしゃるように、ワーキング・グループでまた御議論が出れば、それも踏まえてですけれど、年明け後、こちらの基本問題・計画専門調査会でいろいろ御議論いただく中で、分野の話ですとか、重点事項も一度お示ししていますので、全体をまた御議論いただければというふうに思っています。
- 桜井委員
- その時点で、例えば、今度「生活困難」というのが入ったりとか、そういったことを議論するということで理解してよろしいですか。
- 藤澤推進課長
- はい。
- 桜井委員
- ありがとうございます。
- 鹿嶋委員
- 重点事項と分野と混同してないですか、違うので。
- 桜井委員
- 違うので、12でいいのかどうか、結論出てなかったと思います。
- 鹿嶋委員
- それはわかっています。その結論は、だからもう少し先延ばしということですね。
- 羽入会長
- 事務局から説明いただいたような形で進めるというふうに私も考えておりましたが、佐藤先生、いかがでいらっしゃいますか。
- 佐藤委員
- 横串みたいなテーマになっているんですけど、私、どこかでやっていただければと思うんですけれども、ここでやらないと難しいかなと思っているので、そういう議論をする予定が入ってなかったものでちょっと伺ったということです。
- 岡島局長
-
ただいま佐藤委員がおっしゃったような問題もありまして、当初、ワーキング・グループでかなり詳しく取りまとめて、それを組み合わせるみたいな形で答申をつくっていただこうかと思ったんですが、むしろもっといろいろ全体的な議論、鳥瞰的にして何が重要かとか、それと施策とどうつなげるかとかという議論をもっとやっていただいたほうがいいのではないかということで、ワーキング・グループ、とりあえず8つに分けてワーキング・グループで、重点事項ということで重要な事項のところを分けていただいて御議論いただき、それにつきましては論点をまとめていただくと。
それをできればまとめていただいた上で、来年1、2、3月ぐらいで、この場でいろいろ御議論いただいて、どういう形で重点事項をまとめたらいいのか。それから、それを施策として分野別に、農林水産業とか、健康とか、現在の計画ですと、そういう形で施策別に、省庁別的になっていますけれども、そういうまとめ方がいいのかどうかということも含めまして、重要な分野と施策をどういうつなげ方したらいいのかということも含めまして御議論いただければと思っております。
そういう意味で、この専門調査会でいろいろ御議論いただきたいと思います。 - 羽入会長
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ありがとうございました。そのようなことでございますけれども、この第3次というのは具体化する、現実的なものをつくるということが多分私たちの最初の出発点としてあったと思いますし、新しいステージということで取りまとめていかなければいけないということがあったと思いますので、恐らくワーキング・グループでそれぞれの議論をしながら全体的な問題をまた抽出していただき、もしこの全体の会でそれを議論するということがあまりにも膨大なものになるようでしたら、さらにまたそれを考えていかなければいけないのではないかと思います。
そのようなことで進めていきたいと思いますが。 - 辻村委員
- 確認させていただきますが、そうですと、ワーキング・グループでも全体の重点事項の組み合わせ方とか、構成についても一応検討するということをワーキング・グループの所掌事項に明確に入れたほうがよろしいのではないですか。それは入れないということで。何か出てきたらするというようなスタンスですか、今のお話ですと。ワーキング・グループでもそれを考えて、意見を各ワーキング・グループから出すというほうがよろしいのではないですか。
- 岡島局長
- 今の段階では、そこまで必ずお願いしますということは各ワーキング・グループには申し上げてないのですが。
- 辻村委員
- 今の段階では論点だけでよろしいということなので、全体の構成などは考えなくてもいいと。
- 岡島局長
- ただ、ほかのワーキング・グループの所掌になるようなことでも言っていただいても結構ですし、それから、全体の構成につきましても、もちろん御意見としてお出しいただいて結構でございます。
- 辻村委員
- ワーキング・グループで審議してよろしいということですね。
- 岡島局長
- はい、お願いいたします。
- 辻村委員
- わかりました。
- 羽入会長
-
それでは、次回、もう一度全体で、まだフォローアップがございますので、さらにこの点について、ワーキング・グループの機能といいますか、到達点について、もし疑問があるようでしたら、また議論したいと思います。
続きまして1点御案内をさせていただきます。皆様のお手元に、五條委員がご執筆になりました、このような冊子、配布させていただいておりますけれども、これを新たな計画づくりの参考として活用させていただきたいと思いますが、五條委員から一言よろしくお願いします。 - 五條委員
-
大変恐縮です。第4分野に関連する農山漁村のことについて、特に農業経営において、男女共同参画を進めると経営に展開力がついていく。そのことを説明する上で家族経営協定の取組が非常に明快なのではないかということを訴えかけたいといった思いであります。8月に行った第4分野のフォローアップの会議が終わった後に、私、考えたのですけれども、家族経営協定について、今、連載しているものを1冊にして、その現場の事例の蓄積が議論の一環に何か参考になればと思って、その辺をはしがきにも書いて、今日の会議に間に合わせたいと思って、11月2日ということで冊子をつくりました。
ということで、先生方にはつたない冊子をお持ち帰りいただくということで大変恐縮です。
以上です。 - 羽入会長
-
どうもありがとうございました。
それでは、事務局から御連絡をお願いいたします。 - 大西企画官
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次回についての御案内です。次回は監視・影響調査専門調査会との合同の調査会を予定しておりまして、12月4日、3時から5時半まで、場所がいつもと違って、内閣府本府の地下講堂での開催となります。それから次回はフォローアップの最終回ということで、6分野「高齢者等が安心して暮らせる条件の整備」、10分野の「男女共同参画を推進し、多様な選択を可能にする教育・学習の充実」の内容を予定しています。また、監視・影響調査専門調査会では、これまでに決定された能力開発学習支援の報告書と高齢者の自立した生活に対する支援についてのフォローアップを併せて行う予定でございます。
それから、もう一つ、御案内です。11月18日の3時から5時まで、内閣府本府5階の特別会議室で健康ワーキングの第1回を開催し、静風荘病院特別顧問の天野恵子氏をお招きし、「性差医療の現状と課題」についてご講義をいただきます。御都合がつきましたら御参加願います。追って事務局からの御案内をさせていただきますので、よろしくお願いします。
以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございました。
それぞれワーキング・グループがもう動き出していると思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは長時間になりましたが、50回の調査会をこれでおしまいにいたします。どうも御協力ありがとうございました。
(以上)