- 日時: 平成21年9月28日(月) 16:30~19:00
- 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 同
- 石川 哲也 神戸大学大学院教授
- 同
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
- 同
- 大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
- 同
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
- 同
- 帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
- 同
- 加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 五條 満義 東京農業大学准教授
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
- 同
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
(議事次第)
- 男女共同参画基本計画(第2次)フォローアップ 関係府省ヒアリング
- 第3分野 雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保
- 第3部 計画の推進
(配布資料)
- 資料1 様式1
-
「3.雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」[PDF形式:223KB]
- 資料2 様式2
- 「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
- 資料3 様式1
-
「第3部 計画の推進」 [PDF形式:108KB]
- 資料4 様式2
-
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」 [PDF形式:173KB]
- 資料5
-
女子差別撤廃委員会における女子差別撤廃条約実施状況第6回報告の審議と最終見解について[PDF形式:130KB]
- 資料6
-
NWECフォーラムにおけるワークショップ出展の結果について[PDF形式:99KB]
- 資料7
- 第46回基本問題・計画専門調査会(7/31)の議事録
- 羽入会長
-
それでは、今回は夕方の会合になりましたけれども、よろしくお願いいたします。
ただいまから「第48回基本問題・計画専門調査会」の会合を始めさせていただきます。
今回の議題は、議事次第にございますように、主に3つございます。女子差別撤廃委員会の報告、それから前回委員から御質問をいただきましたことに対する回答もお持ちいただいておりますので、それに加えてフォローアップをしていきたいと思います。
大体の議事のタイムテーブルは、1枚物でお手元に「ヒアリング」と書いたものがございますので、これに沿って進めさせていただきたいと思います。
それでは、早速でございますけれども「女子差別撤廃委員会における女子差別撤廃条約実施状況第6回報告の審議と最終見解について」の御報告を事務局からお願いいたします。よろしくお願いいたします。 - 市川推進官
-
男女共同参画局の市川でございます。今日は10分間お時間をいただいて、女子差別撤廃委員会から出されました最終見解等について、御説明させていただこうと思います。恐縮ですが、座って御説明させていただきます。
お手元の資料5と番号が打ってあります1枚紙を開いていただけますでしょうか。
女子差別撤廃委員会からの、第6回報告の審議の概要といいますか、経緯と最終見解の内容について、御説明させていただきます。
まず、概要に沿って説明させていただきます。1の「経緯等」のところに書いてございます、女子差別撤廃委員会の審議、また最終見解の発表というのは、本年7月23日にニューヨークの国連で開催された、女子差別撤廃委員会第44回で審議が行われました。この審議というのは、何に基づいて行われるかといいますと、1985年に日本は締結しておりますが、女子差別撤廃条約の第18条に、定期的に締約国は、女子差別撤廃に対する取組みを報告することになっています。そのレポートを委員会が審査するということになっております。
今回につきましては、日本は昨年の4月に第6回の報告を提出しておりまして、その審議が7月に行われて、これは6年ぶりの審議ということになっております。
2番目の「審議の概要」のところですが、今回の審議は、南野知恵子参議院議員に政府代表として、ニューヨークまで行っていただきまして、そのほかに内閣府、こちらに岡島局長が出席しております。外務省、法務省、厚生労働省、文部科学省、農林水産省と各省にまたがる政府団を構成いたしまして、約5時間にわたる審議が行われました。
審議の内容なんですけれども、冒頭、南野政府代表から男女共同参画に係る、近年の進展等についてステートメントを述べていただいて、その後、女子差別撤廃委員会の委員からの質問、意見に代表団が答えるという形で行われております。
今回の審議に当たりましては、80名以上の日本のNGOの方が現地に入られまして、審議の模様を熱心に傍聴されて、委員会からもNGOの熱意といいますか、関心の高さは評価されておりまして、それは報告書にも記載されております。
今回の3番目でございますが「委員会からの最終見解」というのは、こうした7月23日の審議を受けまして、8月18日に国連のホームページで公表されたものでございます。
裏面を開いていただきまして、どういったものが最終見解に盛り込まれたかといいますと、最終見解は大体ポジティブな面、肯定的な側面と、あとは主要関心事項、勧告といった2つのパートに分かれております。
まず、肯定的な側面では、日本がこの報告の機会に取った取組みについて、委員会としても、肯定的な取組みをしたというふうな形で記述されてございます。
幾つかの点が肯定的な側面として、提示されております。
例えば1番目にございますように、各種の法令制度や改正を通じた女子差別の撤廃や男女平等の促進が続いたのではないか。
2番目に、初めて男女共同参画大臣が任命された。これは猪口大臣なんですが、それまでは官房長官等が兼務しておりましたけれども、初めて専任の男女共同参画担当大臣が任命された。包括的な内容を含む第2次基本計画が策定されたことを評価しております。
人身取引の関係で、連絡会議が設置されたりとか、行動計画が策定されたこと。
障害者の関係では障害者自立支援法ですとか、関連法令を通じた女性の支援というものが評価されております。
妊産婦の死亡率が継続的に低下していること、高齢者虐待防止法が制定されたこと。
あとはODAの関係なんですが、開発協力プログラムにおいて、現代の視点を取り込むような取組みがされてきたということが、肯定的に評価されています。
他方でまださまざまな課題があるということで、女子差別撤廃委員会から指摘を受けた関心事項及び勧告がその下の部分でございます。いろいろな課題が指摘されております。
1番目の最終見解の国会への関与。今後、勧告等を踏まえて、見解の内容を実施していく際に、国会の関与が必要であるということ。 2番目の民法の改正、これは大きく新聞等でも取り上げられておりますけれども、婚姻適齢を男女ともに18歳にするべきであるですとか、離婚後の女性の待婚期間/再婚禁止期間が6か月設定されておりますけれども、それを廃止すべきである。選択的夫婦別姓制度の導入をするべきだという勧告をいただいています。
3番目のところは、女子差別撤廃条約の選択議定書の批准について、検討して継続するようにといったような勧告もございます。
4番目でございますが、女性に対する差別の定義が具体的にされていないということで、国内法への取組みを行うべきではないか。
次の5番目でございますが、国内人権機関の設立。
6番目、国内本部機構の強化、これは具体的には財源ですとか、人材の充実をするようにといったような勧告が出ております。
7番目は基本計画にも大きく関係してくることですけれども、雇用、政治的、公的分野における参画のための暫定的特別措置、いわゆるポジティブ・アクションのことですけれど、実施するようにというような勧告もいただいております。
そして固定的性別役割分担の解消、女性に対する暴力の問題、この中には例えば保護命令の発令の迅速化、24時間無料のホットラインを開設すべきだといったような具体的な勧告も示されております。 次にまいりますと、人身取引の話ですとか、政治的、公的分野における女性の参画を促進するための取組み。
教育分野における男女共同参画の更なる取組みですとか、労働市場における男女平等を実現させるための取組み、これは具体的に例えばセクシュアル・ハラスメントの話ですとか、それに対する制裁措置を設けてはどうかといったような勧告が盛り込まれております。
ワーク・ライフ・バランスのところは、具体的には手ごろな保育所の整備を進めるべきだ、ですとか、男性の育児休業制度の取得を促進させるべきだといったような勧告をいただいております。
次にまいりますと、若年層を対象とした性の健康に関する教育の促進、具体的にはHIVとかそういった教育の話とかそういうものが盛り込まれています。
次にまいりますと、マイノリティー女性、具体的にはアイヌの方々ですとか同和の方々に関する情報提供や取組みを強化すべきというような勧告が、盛り込まれております。
あとは弱者女性ということで、これは具体的には農村女性とか母子家庭の母、そういう社会的弱者といわれる方々に関する情報提供や取組みが行われるべきだというようなことが盛り込まれています。
18、19、20、21は、前の勧告でも同じような指摘がされておりますが、北京宣言、北京行動綱領の活用、またミレニアム開発目標達成に向けたジェンダーの視点の取込みといったような指摘がなされております。
次のところでフォローアップと書かれておりますが、これは最近女子差別撤廃委員会の報告等に盛り込まれた制度なんですけれど、次回の報告、普通は4年おきに定期報告をするんですが、次回の報告を待たずに情報提供を求めるものでございます。日本に関しては、今回が初めてこういうフォローアップの項目が盛り込まれています。
これは、フォローアップ制度委員会で昨年導入された制度ですので、日本はそれ以降の初めての最終見解は今回ですので、今回初めて盛り込まれた指摘です。
フォローアップにつきましては、先ほど御説明しました民法の改正と暫定的特別措置について、2年以内に書面でフォローアップしたものを提出するようにといった勧告をいただいております。
今回の第6回に続いての報告ですが、2014年までに次回の報告を出すようにというようなことをいただいております。
こうしたCEDAWからの女子差別撤廃委員会からの勧告等を受けまして、まずはこういったことを周知することが大切だろうという考えで、内閣府としては9月14日に連携会議の下で「聞く会」というものを開催させていただきまして、150名を越えるNGO、あとはマスコミ関係の方をお招きして、今回の最終見解について御説明させていただいていろいろ御意見等を賜った次第です。
また、関係省庁、関係機関にこういった内容の勧告が出されたということを周知することが大切だという観点から、関係省庁、国会、裁判所、地方自治体等に、こういう勧告が出ましたという通知を出しております。
今回は概要で時間の関係もありまして、御説明させていただきましたが、勧告本体は和文、英文、あとは南野政府代表がしたステートメントは、グリーンのファイルの中の12番のところにととじさせていただきましたので、時間があるときにごらんいただければと思います。
今後ですけれども、各委員の方々、ワーキンググループ等を通じて基本計画の策定に向けて、いろいろ御議論を深めていただくと思うのですが、その場の議論におきまして、今回指摘されたCEDAWからの勧告も留意というか、心に留めて御議論を深めていただければというふうに考えております。
私の方からは、以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございました。今、御説明にございましたようにグリーンのファイルの12番に御説明をいただいた内容についても掲載されておりますので、また参考にしていただければと思います。
よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
続きまして、前回の専門調査会で委員からの御質問をいただいておりましたけれども、その回答について報告をお願いしたいと思います。
まずは質問票一覧の1番「男女共同参画担当委員」について、総務省から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 - 総務省(根上)
-
総務省行政評価局行政相談課行政相談企画官をやっております、根上と申します。よろしくお願いします。
本日急遽お配りした資料で、A-4の横で1枚紙で「男女共同参画担当委員(行政相談委員)」という資料がお手元にあるかと思います。これに基づきまして簡単に説明をさせていただきたいと思います。
御質問をいただきましたのは、男女共同参画担当委員についての役割や権限あるいは苦情の枠組みということであったかというふうに思います。簡単に資料にまとめてみました。
男女共同参画委員、御存じの方もいらっしゃると思いますが、総務省では国の行政全般につきましての苦情を受け付けましてあっせんをして、その解決を図る。そういう行政相談業務を実施しておりまして、それを全国の民間有識者の方に、業務の一部を委嘱しております。国民に身近な相談の受付窓口になっていただいているということです。行政相談委員制度と申しますが、そういう制度を設けております。
この男女共同参画担当委員というのは、その行政相談委員、今、全国の市町村に1名以上、全体で5,000名委嘱してございますけれども、その中で男女共同参画基本計画等の累次の閣議決定に基づきまして、この施策の苦情処理につきまして、中心的な役割を担っていただくということで、この施策につきましていろんな識見をお持ちの方を選びまして、行政相談委員の中から男女共同参画担当委員というものを、平成15年9月から指名してございます。
当初123名ということで、全国各都道府県当たり2名ないし3名、委嘱してございましてけれども、今年度189名に増やしまして、大体1都道府県当たり4名ないし5名ということで指名をしてございます。
行政相談委員の中には、各市町村のOBの方、あるいは各市町村地域でいろんな活動をされている方が委嘱されてございます。その中で男女共同参画の担当部署にいらした方々、あるいは男女共同参画センターの相談員をされている方、都道府県市町村の審議会、男女共同参画の計画審議会とか、懇話会の委員をされている方々の中から選ばせていただいているということで、この男女共同参画担当委員の方々は、自らこの施策に関する苦情や要望を受け付けるとともに、ほかの行政相談委員の指導支援をお願いしているということでございます。
その様子をイメージ図で表したものが、その図になってございます。
行政相談委員の業務といいますか、権限は、行政相談委員法で定めておりまして、国の行政機関等の苦情を受け付けて、助言をする。助言で足りない場合は、関係行政機関に通知をする。あるいは私どもの出先機関、各都道府県にございます、管区行政評価局、行政評価事務所の方にも通知いたしまして、そちらを通じて関係行政機関にあっせんをするというような仕組みで、苦情の受付から処理までを行うというのが、行政相談委員の基本的な業務でございます。
その中でも特に、男女共同参画施策に関するいろいろな情報を積極的に収集整理していただいて、あるいは自らも相談の受付処理をしていただくとともに、ほかの行政相談委員さんが企画します各種活動の支援、企画等への参加等をしていただいているということでございます。
こういう形で男女共同参画委員として活動していただいておりますけれど、御質問にもう一つございました。例えば基本法に基づく取組みに、誤解による反対運動があった場合の対応ということでございますが、基本的に先ほど言いましたように、行政相談委員の業務の範囲内で対応するということでございますので、各種行政の施策に対する苦情、あるいは反対の立場からの意見要望というのを受けた場合は、それを基本的に担当する部署に連絡をして、十分説明していただくというのがベースでございますけれども、先ほど言いましたように、積極的に情報収集をするということをやっていただいておりますので、御自身で、例えば、相談者の制度に対する認識が十分でない場合は御説明を差し上げて誤解を解くというような活動は行っているという状況でございます。
難しい問題になりますと、先ほど言いましたように、私どもの出先を通じて処理をするというような基本的な枠組みと仕組みになってございます。
以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。前回からの宿題がもう一つございますので、続けてお願いいたします。
質問票の2番の人権擁護委員について、法務省から御説明をお願いいたします。 - 法務省(河野)
-
法務省人権擁護局調査救済課法務専門官の河野でございます。
御質問に対して回答させていただきます。
お尋ねの内容としては、女性の人権ホットラインの担当相談員に対する研修の内容というお尋ねかと承知しております。法務省の人権擁護機関では、全国に法務局、地方法務局という組織がございますが、その職員を対象に人権担当職員実務研修というのを、毎年実施してございます。
この研修なんですが、法務局、地方法務局の人権擁護事務担当職員として、日常の業務遂行に必要な専門的知識、技能を習得させ、人権擁護事務の適正、迅速な処理を図るということを目的としております。この中で研修科目として相談実務という科目も設けておりまして、カウンセリング技法を含めた人権相談に関する研修を行っております。
人権擁護委員についてなんですけれども、こちらにつきましては、新任の委員に対する委嘱時研修を始めとする各種研修のほか、男女共同参画社会基本法の施行に伴う人権擁護機関の取組みの一環として、男女共同参画社会の理念、性別による差別的な取扱い、その他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって、人権が侵害された被害者の相談等に適切に対処するために必要な知識の取得を図ることを目的としました、男女共同参画問題研修を実施しておりますとともに、内閣府男女共同参画局主催の男女共同参画に関する苦情処理研修、これは平成16年度以降からなんですが、人権擁護委員を研修員として派遣させていただくこととしておりまして、人材育成及びその確保に努めているところでございます。
以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
ただいま御回答いただきました内容について、御質問はございますでしょうか。いずれも岡本委員の御質問だったと思いますが、よろしゅうございますか。 - 岡本委員
- ありがとうございます。
- 羽入会長
-
ほかの委員の方でいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
どうもありがとうございました。それでは、先に進めさせていただきます。
本日のフォローアップは、男女共同参画基本計画の第3分野、雇用等の分野における男女の均等な機会と採用の確保というのと、これも前回の積み残しだったんですけれど、第3の計画の推進について、関係府省からヒアリングを行ってまいります。
配付資料に基づいて説明をしていただきまして、それから委員の皆様から事前にいただいております質問に合わせて、回答をしていただくようにしたいと思います。
まず第3分野の雇用分野について、厚生労働省から御説明をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 - 厚生労働省(堀井)
-
厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課の堀井と申します。座って説明をさせていただきます。
本日はこのような形で施策を紹介させていただける場を設けていただきまして、あらかじめお目通しいただいて、いろいろな形で質問を寄せていただきましたこと、大変感謝を申し上げたいと思います。
それでは、まず施策の概要を御説明いたします。本日配付されている資料の様式2と書いてある縦長資料、この右肩に「厚生労働省作成」と書いた資料をお開きいただきたいと思います。表題は「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」ということで「分野名3.雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」というところでございます。
まず施策の概要でございます。
資料の「1 主な施策の取組状況及び評価」ということで、下の「○男女雇用機会均等の更なる推進」というところがございます。こちらに書かせていただいておりますが、前回の雇用機会均等法の改正の内容を御紹介させていただきました。
この改正自体は、平成18年3月に国会に提出され、6月15日に可決成立、21日に公布ということで、本格的には平成19年4月1日から改正法とともに、省令指針が施行されているということでございます。
そして「主な改正点」ということで書いてございますが、こちらの中にございます内容は、いずれも大きいのですが、特に御質問をいただいた関係で申しますと、「[1]の間接差別の禁止、[2]妊娠・出産等を理由とする解雇以外の不利益取り扱いの禁止、[3]セクシュアル・ハラスメントに関する事業主の雇用管理上の義務の強化」が盛り込まれているところでございます。
後ほど御質問の回答の中でも御紹介させていただきたいと思いますが、改正後の施行は各都道府県労働局の雇用均等室の方で行っているところでございます。
更には次の「○企業における女性の能力発揮のための積極的取組(ポジティブ・アクション)の推進」ということで書かせていただいております。
この資料の3ページをお開きいただきたいのですが、ポジティブ・アクションに取り組む企業の割合というのは、平成18年度20.7%と書いてございます。しかしながら、ここには書いていないのですが、平成15年度には29.5%ということで、取り組む企業の割合としては少なくなってしまっている。この理由自体は、明確にはこれというものは、私どもはつかみ切れていないのですが、一旦取り組んで中断している期間があってこういう状況になっているのか、あるいは景気の影響があるのか、いろいろ思うところがございます。
いずれにしても、ポジティブ・アクションは非常に重要なことでございますし、先ほど御紹介いただいたCEDAWの最終見解の中にもございますので、積極的に進めてまいりたいというふうに思っております。
1ページにお戻りいただきたいのですけれども、真ん中の下ぐらいに「○セクシュアル・ハラスメントに関する雇用管理の改善の推進」ということがございます。セクシュアル・ハラスメントの相談は非常に多くなってございますので、企業の取組みの改善を促すための自主点検票などの作成、あるいは具体的ノウハウを提供する実践講習などをやっているところでございますし、実際に企業に対する行政指導を行ったり、あるいはセクシュアル・ハラスメントの相談員を、雇用均等室に配置したりということをやっております。
次の「○男女間の賃金格差の解消」でございます。これも恐縮ですが1枚おめくりいただいて、3ページの真ん中ぐらいにグラフと国際比較を書かせていただいております。
まずグラフの方ですが、男性一般の平均賃金を100とした場合、最も新しい数字で女性の平均賃金は67.8と、長期的な傾向で見ると、格差は少なくなってきているということになりますが、しかしながら国際比較ということで、下のグラフをごらんいただきますと、ここに書いてあるアメリカ、イギリス、フランスがもう軒並み7割を超えている中で、我が国はやはり依然として低いということを言わざるを得ない状況でございます。
CEDAWの方からもそういった形の指摘を受けて、これは何とかしていきたいというふうに強く思っております。
既に行っている取組みとして、1ページ目のところにガイドラインの作成、周知・啓発と書かせていただいておりますが、今現在、研究会ということで開催をしているところでございまして、研究会についても年内ぐらいにとりまとめをして、引き続きどういう方策が効果的かということを進めてまいりたいと考えております。
そして、ページが飛んで恐縮ですが、4ページをお開きいただきたいと思います。「母性健康管理対策の推進」でございます。こちらは、根拠法令ということで、労働基準法、男女雇用機会均等法があるわけでございますが、こういう内容について、ホームページやパンフレット等のわかりやすい形で周知を行っているところでございます。
更に小さい・にございますが「母性健康管理サイト」というものを設けまして、よりすぐった情報の提供に努めているところでございます。
また、産業医、産業保健スタッフなどの母性健康管理に関する資質の向上を目的とした研修なども行っております。
2つ目の「○妊娠出産などを理由とする不利益取扱いへの対応の検討」ということで、こちらも法律に基づきまして、冒頭お話ししたような形で対応しておりまして、今、均等室で施行を行っているという状況でございます。
次に5ページに進ませていただきます。5ページは「女性の能力発揮の促進のための援助」の項目でございます。
まず1つ目、括弧でくくっております「在職中の女性に対する能力開発等の支援」ということで国として行っているものでございますが、女性と仕事の未来館におきまして、まず能力開発発揮事業というのを行っております。
これは主にセミナーが中心になりますが、能力発揮セミナー、起業セミナー、また健康に関するセミナーなども実施しているところでございます。
そしてこれらによって蓄積したノウハウを全国の女性関連施設の方々が、未来館にいらして研修を受けるということもございますので、こういう形での発信というものも、併せて行っているところでございます。
次に「再就職に向けた支援」という項目でございます。まず1つ、こちらの事業の御紹介です。「再就職希望者支援事業」というものを実施しておりまして、例えば子育てなどで一旦、労働市場から退いて再就職を希望する。ただ、すぐに仕事を探して、明日にでもというよりも、どちらかというと、最近の職場はどうなっているかとか、あるいはパソコンとかワープロとか、そういう技術が進んでいて自分は対応できるのか等最近は非常に職場環境も厳しいため、そういう悩みを抱えておられる女性の方が非常に多ございます。主にそういう女性の方に情報提供やセミナー開催などで、後押しをするというイメージの事業でございます。
次に、マザーズハローワーク事業でございます。これは今、申し上げた後押しの事業よりは、更に就職を具体的に見つけるというところまで踏み込んだ事業でございまして、全国にマザーズハローワーク、そしてマザーズサロンということで女性の方が来やすい形での施設を設けて、就職支援を行っているところでございます。
次に6ページをごらんいただきたいと思います。6ページは多様な就業ニーズを踏まえた雇用環境の整備という項目でございます。まず、1のところの1つ目の○でございますが「公正な処遇が図られた多様な働き方の普及」に向けてということでございます。
まず1つ、短時間正社員制度。こちらは勤務時間は短いですが、それ以外のお給料の決め方なども正社員とバランスをとった形で決まっている短時間正社員の制度で、これは医療現場も含めて、最近特に人気が高まっている制度です。
ただ、どういった形で導入したらいいかわからない、制度設計をしたらいいかわからないという声も多ございますので、この導入の手順などをまとめたマニュアルの作成、あるいは導入した事業所に対する助成金、そういったことで制度普及を図ってございます。
次にパートタイム労働対策ということで、こちらはパートタイム労働法の改正法が成立しまして、平成20年4月から本格施行しています。主な中身としましては、働き方の実態に応じて正社員との均衡のとれた待遇の確保、あるいは希望者の正社員への転換、そういった内容でございます。こういったものを軸に対応しているところでございます。
パートタイムについて、次の項を起こしておりますが、こういう均衡待遇に向けた取組みなどを行う事業主に対する助成金の支給、あるいは人事労務管理の専門家ということで、社会保険労務士の方とかいろんな資格を持った方がいらっしゃいます。こういった方を、都道府県労働局の雇用均等室にプランナーという形で置いて、その方々が実際に企業に赴いていろいろなアドバイスをする。そういうことをやっています。こういった対策も引き続き進めてまいりたいと思います。
また、御質問の中にも若干ございましたが、労働者派遣事業に関する施策ということで、これはそもそも派遣先にも均等法の規定、具体的には妊娠出産などを理由とする不利益取扱いの禁止などの規定が適用されると。
それから、セクハラ対策、母性健康管理対策が義務付けられていることを周知するというところも進めさせていただいております。
次に7ページでございますが、女性の起業支援対策の充実というところでございます。起業支援の専用サイトの設置、あるいは起業家向けのメンターを既に決めたということは、皆様御案内と思いますが、いろいろな形でアドバイスをしたり、心理的な支えになったり、そういう方々を紹介するサービスを行っております。
先ほどお話しした女性と仕事の未来館においても、起業ということに着目した事業を実施しています。
また、こういう雇用、起業以外の就業環境の整備として、在宅ワークの対策も講じております。具体的には在宅ワークの適正な実施のためのガイドラインというのを既に策定しておりまして、これは雇用均等室を中心に周知しているのですが、次に情報サイトということで、eラーニング、セミナー、相談といった形で比較的取り組みやすい形でのツールを提供するという形で考えております。
続きまして、いただいた質問に応じた形で御説明をしてまいりたいと思います。
内閣府で作成していただいた質問票があると思うんですが、適宜、こちらを引用しながら、御説明をしたいと思います。共通する内容については、まとめて回答させていただきたいと思います。
まず、質問票一覧の中の番号で申し上げますと、林委員からいただいた3番、鹿嶋委員からいただいた6番、岡本委員からいただいた7番の御質問でございます。
まず間接差別についてということでございまして、特に改正均等法で限定列挙されているが、この範囲が狭いのではないか。CEDAWの最終見解でも、指摘されているのではないかということ。それからこの間接差別について、施行後の状況はどうなっているかということ、その効果がどうかということなどの内容でした。
この間接差別の規定は、先ほどお話ししたように、平成19年4月から施行ということでそれ以降の状況ということでございます。そもそも、間接差別についての均等法7条について、都道府県労働局の雇用均等室に平成19年度に寄せられた問い合わせや相談の件数というのは、462件でございました。施行された初年度の問い合わせや相談件数が462件、そのうち労働者からの相談が22件、事業主からの相談が285件でございました。トータル462件、うち労働者22件、事業主285件でございます。
ちなみに労働者からの相談22件のうち、男女の別なんですが、女性、男性それぞれ11件ずつということで同じだったというふうに聞いております。
また平成20年度は100件、問い合わせ件数自体は減っているんですが、内訳を見てみますと、事業主からの相談件数が30件、労働者からが20件ということで、多分改正法が施行された後、これは大体通常の労働行政はそうなんですけれど、事業主からの制度についての問い合わせがすごく増えるという傾向にありますので、そういうこともあるのかもしれません。
いずれにしても20件の内訳としては女性が9件、男性が11件となっております。
なお、問い合わせと相談件数の中で、法違反ということで指導を行った事案については、平成19年度において5件、平成20年度において1件ということでございまして、これは我々が把握している範囲ですべて是正されたと聞いております。
具体的な間接差別についての不満、要件が3件で、ほかにあるのかとか、相談の中身は、という御質問があったんですが、指導の事例としては、例えば事業所の箇所数が1か所で、しかも今後建設が予定されている事業所も同じ町内であるにもかかわらず、募集に当たって転居を伴う転勤を要件としているような例がある。これはどういうことかというふうな問い合わせがありました。
あとは高校生を採用する場合、採用試験で一律に握力、背筋力、垂直跳び、反復横跳びを測定して、その結果で合否を決めているケースがあるという相談がありました。これについては、行政指導により是正をしたということでございます。
なお、紛争解決援助の事例というものはございません。また、訴訟の定義についてのお尋ねがあったんですが、これも厚生労働省では現時点では把握はしておりません。定義についてですが、これは、CEDAWの審議の場でも御質問があったんですが、そもそも性中立的なものであれば、どのような要件でも俎上に上り得る可能性があるという幅広い、広がりのある概念である。したがって間接差別に関する判例が存在しなかった我が国において、そもそもどういうものを間接差別としていわんとするかということについて、十分な社会的合意が形成されているという状況になかったということは、言えると思います。
均等法で間接差別について規定したときは、混乱を避けるという意味もございますし、あらかじめ対象となる範囲を明確にする必要があった。したがってそもそも合理的な理由がない場合に、間接差別として明らかに違法とされる措置として、公労使入っていただいた審議会におきまして、コンセンサスが得られた3つの措置を省令で定めたというのが、背景事情になっています。
しかしながら、この枠組みはそもそも、この省令の中で、間接差別として禁止をする措置を追加できるという法的枠組みとなっております。
したがいまして、これは平成18年の法改正のときに付帯決議もついたのですが、自動的に対象事項の追加の見直しを行うということにされていますので、私どももそういったことは、実態把握も含めて、適宜適切に対応していきたいというふうに考えています。
もう一つ、例えば均等法で書いてありますが、裁判になったときに違法とされ得るものというのは、当然間接差別としてあるわけで、そういったことも併せてパンフレットなどで周知をしておりますので、そういったことについては、この3つだけでもう終わりとかいうことでは理解していないということでございます。
次に、質問4番、加藤委員からいただいた御質問です。助言、指導、勧告、企業名公表について、どういうふうにして実施をしているのか。あとは均等室の働く人員の体制はどうなっているのかという御質問でございます。
これもまず数字の御紹介でございますが、先ほどお話ししたのは7条の間接差別についての件数でございましたが、均等法に基づく20年度の指導件数ということで申し上げますと、助言が1万3,578件、そして指導が6,620件、勧告が32件、企業名公表については0件ということでございます。
どの均等室だというお尋ねもあったので、勧告について御紹介させていただきますと、北海道、群馬、埼玉、愛知、滋賀、京都、香川、佐賀でございます。
人員の推移ということでの御質問ですが、御案内のように、国家公務員の定員状況というのは極めて厳しい状況で、毎年一定の人員合理化がかかっている状況です。その中にあって私どもは、増員要求などで定員の拡充に努めているところですが、残念ながら、定員の常勤職員については微減ということで、21年度は235名、20年度、19年度が236名という状況です。平成18年度が238名、17年度が240名という状況ですので、毎年1名、2名ずつ減っているという状況になっております。
しかしながら、均等室でなくてはできない仕事というのがありますので、そういったことについては、引き続き査定官庁にきっちり説明をして、体制の拡充に努めていきたいというふうに考えております。
続きまして、加藤委員から、同様に5番の質問ということで、相談体制の充実についての質問がございます。
こちらは都道府県単位の均等室で、非常に重要な役割を担っているというふうな御指摘がございまして、その状況はどうなっているのかということでございます。確かに今、均等法の話だけを御紹介させていただきましたが、育児介護休業法、パートタイム労働法、また、次世代育成支援対策推進法と、都道府県労働局、雇用均等室の業務内容が非常に拡充してきておりますし、その射程も広まってきております。
相談体制は非常に重要でございまして、相談を端緒に法違反が疑われる事案については、事業主に対して報告徴収を行い、実際そこで法違反があるということになった場合については、厳正な指導を行っているという状況でございます。また、相談者のニーズによっては、紛争解決援助、調停、そういったツールもあるというふうになっています。
これも御質問でございましたが、地方分権の議論があって、いろいろと労働局、厚生局について議論があったりしたんですが、基本的に私どもは一番大事なこととして、均等室を頼っていただいている労働者の方、事業主の方、そういった方々で身近な権利救済機関としてどうやっていけば、今後、更にこの効果を十分に発揮できるのかというのを、不断に考えていきたい。更にそういったことが、後退することのないようにと考えているところです。
ちなみに、先ほど均等法で相談件数が2万5,000件余りというふうに御紹介させていただきましたが、これを均等法、育児介護休業法、パートタイム労働法ということで全部をなべて見ますと、大体9万件ぐらいの御相談があるという状況でございます。
次に御質問の8番ですが、これも鹿嶋委員から、まさに今お話にございましたが、都道府県労働局のブロック化の構想が出ていたけれども、今後どうなるのかという質問でございます。
御指摘いただいたブロック化については、昨年の12月の地方分権改革推進委員会の第2次勧告におきまして、都道府県労働局のブロック化及び地方厚生局との統合が勧告されたという点の御指摘だと思います。
当時聞いていたスケジュールでは、本年中に地方分権の改革推進計画を閣議決定する。そして今年度中に、新分権一括法案を国会に提出するという状況でございます。
そして続きまして、9番目の鹿嶋委員からいただいた御質問です。企業名の公表についての実施例ということで、これはCEDAWのときもそういう御質問があったと思うんですが、今まで企業名を公表した事案というのはございません。
これは結果的に均等室が粘り強く指導して、その事案については法違反が是正されているので、そういう事態に至らないということでございます。
次に10番目の御質問で、これも鹿嶋委員からいただいたもので、コース別雇用管理と雇用管理区分の関連でございます。雇用管理区分、コース別雇用管理について、複数の委員から御質問をいただきましたので、後ほどまたちょっと長く答弁をさせていただこうかと思います。
まずここで鹿嶋委員からいただいた、総合職の女性比率についてのデータでございます。既にいろんな場で、厚生労働省として御説明させていただいているかもしれないのですが、基本的にコース別の男女分布のデータですとか、雇用管理の関連のデータなんですが、正直申し上げて、各企業によって、本当にいろんなパターンがございます。政府としての統一的な統計で調べるということがなかなかできないという状況でございます。
ということで統計ではないんですが、行政として把握した数値でいつも御紹介させていただいておりますのが、若干古いんですけれど、都道府県労働局が計画的に指導を行ってコース別雇用管理を行っている企業に赴いて、123社の状況を調べた結果がございます。その中で、総合職のコースというのがあって、男女別の配置数を確認できたのが、123社のうち、111社ございます。そこで総合職に占める女性の割合をとってみたとき、6%であったという状況でございます。ただ、やはり統計ではないので、そういう前提で把握をする必要があろうと。そもそもコース別雇用管理を行っている企業だろうということで訪問した上で把握をしたところでございますので、そこは注意が必要だと考えています。
次に10番目、これも鹿嶋委員からいただいたものです。採用時の面接で女子学生を一般職に誘導するケースが後を絶たないというのを御存じでしょうかというケースです。
確かに都道府県労働局の均等室では、女子学生から、採用についてこういう問題があったという相談も数多く寄せられています。そういう状況の中で、もしこういう形で故意的に誘導するケースがあるとしたら、これは言語道断のケースであるというふうに考えています。
コース別雇用管理について、我々が一番注意しないといけないと考えているのが、雇用管理区分を設けることについては、一定程度企業の雇用管理上、合理性はあるものの、これが事実上男女別の雇用管理をするためのものということで、形式上設けられているということになれば、これは問題だというふうに考えています。
したがって適正に運用されるということが何よりも重要というふうに考えていますので、そういうコース別の雇用管理を導入する場合の留意点というのを、いろんな形で事業主の方に周知をする。そして相談などで私どものところへ来ていただき、こうした事案を把握した場合については、事業主に対して事情をきっちり聞いて、法違反については、引き続き均等室で行政指導をしていきたいというふうに考えております。
実際こういう問題が発生した後のみならず、企業の採用担当者の方を対象として、いろんな形で会議をやっていたり、あと求人説明会などを労働局全体としていろいろやっております。職業安定行政でいろいろやっている場なども借りて、雇用均等法に基づく男女の均等なルールの説明というのをさせていただいているところでございます。
次にコース別雇用管理のところですが、10番で鹿嶋委員からも御指摘をいただき、あとは11番で岡本委員からも御指摘をいただき、12番で林委員からも御指摘をいただきましたので、ちょっと長目ですけれど説明をさせていただきます。
そもそもコース別の雇用管理、あるいは雇用管理区分、こういったもので差別を見るというのはどうなんだろう。そういった趣旨の御質問ではないかというふうに思います。
そもそも均等法の考え方なんですが、職種あるいは雇用形態の区分で、ほかの区分に属している労働者の方と異なる雇用管理が予定されて、そのように実際に運用されているのを雇用管理区分ということでとらえて、差別の有無の判断に当たっては、同一の雇用管理区分内で、男女の比較を行っているという状況でございます。
そもそもこの理由なんですが、性別による差別があったかどうかというのを判断する場合には、やはり同様の条件にある別の性の人との比較が必要になると思われます。
そういうところで考えたときに、我が国の企業では、長期的な観点から人事制度が設計されたり、あるいは運用されていることが多いということが1つ。
2点目としては、ある一時点で何をやっているかと。外見的にその一時点で切って見たときに同じようなことをやっているというふうに見えるかもしれない。だけどその一時点の職務内容というよりも、むしろ職種とか雇用形態の区分で人材をどう育てていくか。そういう仕組みを設定するという雇用管理が、広く行われているんじゃないか。
そういう実態を踏まえまして、まず1つ目のポイントなんですが、そもそも募集採用をするときに、雇用管理区分ごとに男女で均等な機会を与えなければいけないという旨を明らかにして、それぞれの雇用管理区分ごとの門戸が、男女に対して均等に開かれているというのを確保した上で、次の配置、昇進などに当たっては、それぞれの雇用管理区分において、男女に差別的な取扱いをしてはならないという考え方にしているということでございます。
具体例を出すと、企業によって違う名称だったり、違うパターンもあるので、非常に誤解を招きやすいのですが、あえて言わせていただきますと、専門的な知識を活用するために、法務部分で一定の専門職の人を雇って、その人はこういう処遇にする。一方、営業で雇うとか、あるいは事務補助的、あるいは企画立案とかいろんな形で雇って、それぞれの職務内容に求められている能力にかんがみて、教育訓練のメニューを構築したり、あるいは処遇を変えてみたり、そういうやり方を企業が行う。そういうための雇用管理というのは、一定の合理性があるだろう。
しかしながら、そもそも、その1つの雇用区分にの中で、男女で差別があると、それはもう大問題なので、ある区分に入るのが男女均等に機会が開かれている、更に言えば、その区分に入った後に、昇進ですとか教育訓練とかいろんなところで男女の差がない。こういうことが確保されるということが必要というふうに考えているわけでございます。
これは18年の均等法の改正のときも、審議会で議論が行われて、形式上その区分が設定されていれさえいれば、それが差別的な取扱いであるかどうかという判断をするに当たりまして、異なる雇用管理区分に在籍する労働者の間での比較が行われないといった誤解を与えないようにするために、指針の見直しをするなどの対応を講じておりまして、いずれにしても、先ほどお話ししたような形で、入口のところで男女差別がないか、入ってから差別がないかというところはきちんと見ていく。そこを雇用均等室の方で、引き続き、行政指導を進めていくとされたところでございます。
実際、今のところで、雇用管理区分のところの同一か否というところの判断として私どもが示しております考え方としては、ちょっと引用する形で読ませていただきますと「雇用管理区分が同一か否かについては、当該区分に属する労働者の従事する職務の内容、転勤を含めた人事異動の幅や頻度などについて、同一区分に属さない労働者との間に、客観的、合理的な違いが存在しているか否かにより判断されるものである。
その判断に当たっては、単なる形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して行う必要がある」というふうにされているところでございます。
したがってここのところについては、引き続きそういう実態がある中身かどうかというのを見ながらやっていきたい。そういう意味では、先ほど鹿嶋委員からお話があったように、女子学生が来たからということで、本当に形式だけに流れてしまって、そもそも前提として一般職とほか何々職の間で区分を設ける合理性があるかどうかというところの議論がありますけれども、男女差別をするために設けられているものがある場合は、そこは徹底的に指導していくということだろうというふうに考えております。
また質問の項目に戻らせていただきます。13番で岡本委員からいただいた御質問で、ワーク・ライフ・バランスの施策の実施状況で、勤続年数が伸びている企業事例はあるかというお尋ねでございました。
例えばこの導入で何年というふうなわかりやすい統計的な形でのデータというのは、私どもでは把握していないのですが、ただ、平成20年4月に仕事と生活の調和に関する専門調査会でとりまとめされました、企業が仕事と生活の調和に取り組むメリットによりますと、やはり労働者のニーズに答えたきめ細かい短時間制度を設けたことで、子どもを持つ女性労働者の定着率が向上したというふうな事例が、紹介されております。
また、同じ調査になりますが、両立支援策が企業業績に与えるプラス面を聞いたところ、51.3%の企業がやはり優秀な人材がやめなくて済む。51.3%、半分以上の企業が回答しているという状況ですので、これは勤続年数の伸長に、プラスの効果があるというふうに考えているところであります。
次に14番の項目でございます。これも岡本委員からいただいた御質問でございまして、相談の中でセクハラ被害、妊娠出産が非常に多い。均等室の相談、援助、調停などで圧倒的に多い。こういう非常にダメージが大きいものについての防止策ということでございます。これはもう本当に御指摘のとおりであると思います。したがって、我々としては特にセクハラとか妊娠、出産、こういった不利益取扱いについて、均等法などの根拠法令がございますので、そういう浸透を図って、併せて均等室の周知を図っていくということが重要なのかなと考えています。
行政指導につきましても、今、やっているような形を更に強めて、違反事例については、対処したいというふうに考えています。
次に15番ということで、これは伊藤委員から御質問をいただいた、男性のセクハラの訴えについてでございます。これのデータということですが、男性労働者からのセクハラの相談件数で私どもで把握している数が、平成20年度で621件、平成19年度で517件でございました。
次に16番、岡本委員からいただいた内容で、これは前段のところでございますが、平成18年3月のILO100号条約の適用についての勧告ということで、同一価値労働、同一賃金の実現に向けた客観的な職務評価の促進ということでございます。この進捗状況についてのお尋ねということでございます。
確かに御指摘の客観的な職務評価というのは、性別などによる差別なしに賃金を決定するための非常に重要な方法の一つであると考えています。ただ、具体的に、こういう制度を導入するかどうかというのは、基本的に、ほかのどんな賃金制度でもそうなんですが、個別の企業における労使の議論というのが非常に重要で、そういう議論を踏まえてなされるのが大事かなと考えております。
もう一つ、御説明をしておきたいのが、我が国の企業で、今どういうふうに人材育成をやっているかというのを考えますと、採用した後、この担当職務とはっきり決め込まないで、採用した後に幅広く職務経験を積ませるというふうなことが、よく見られる。
そういう状況の中で、どうやって給料を決めているかというところなんですが、職務で幾らという形より、むしろ各労働者の方々の職務遂行能力の水準で決めていくという、いわば労働者の職能資格みたいなものを決めて、職能給に応じて賃金が決まっていくという、職能給が中心になることが多いのではないか。
こういう制度のもとで考えたときに、人事評価で能力が上がったというふうに判断されると、職能資格が上がって賃金に反映されるということにもなりますので、ここで男女の賃金格差の話を考えますと、今、申し上げたような我が国の雇用慣行にかんがみて、職務評価という手法よりは、むしろ賃金決定に影響を与えていくような人事評価も含めた雇用管理のいろんな局面、あるいは能力開発をするツールの一つである、配置、業務の与え方が非常に重要になってくる。
むしろ、そういったところで、女性だからということで差別をされることがないようにすることが有効なのではないかというふうに考えております。
ただ、いろいろ賃金制度も変わってきているところでございますので、企業における職務評価の事例なども収集しているところでございます。また引き続き、いろいろな形で研究に努めていきたいというふうに考えております。
16のところの後段で、2007年のパート労働法の改正審議で、職務分析の手法や比較を行うための指標について情報収集し、事業主へ情報提供することが盛り込まれたことについての進捗というお尋ねでありますが、国会の付帯決議も踏まえまして、平成20年度、私どもで均衡の取れた賃金制度の推進事業ということで、国内外における職務評価に関する事例と情報の収集を行いました。
やはりいろいろなパターンがあって、なかなか単純なものではないなという状況だったんですが、これを踏まえまして、平成21年度につきましては、職務評価制度の導入マニュアルの作成とか、事業主の方が職務評価を一体どういうものだということがイメージできるような、試行ツールの開発をしようということで、これは今、事業を実施しているところでございます。成果はまだ出ていないのですが、そういう取組みをさせていただいております。
続きまして、17です。
林委員からいただきました、100号条約の関係で、労基法第4条との関係のお尋ねでございます。これも基本的に私どもとしましては、ILOの100号条約自体、同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬という考え方は、性別による差別なしに定められる報酬ということで定義がされているところでございます。基本的にはこの男女同一賃金の原則について定めた労働基準法第4条が、この考え方を反映しているものということで、基準法4条の改正の必要はないという考え方に立っているところでございます。
続きまして18番、石川委員からいただいたお尋ねです。妊娠出産を理由とした不利益取扱いの訴えの数。そのうち解決をした率というお尋ねなんですが、平成20年度、均等室で新たに実施した紛争解決援助のうち、妊娠出産などを理由とする不利益取扱いに関するものの数ですが、まず都道府県労働局長による紛争解決援助、これは申し立ての受理件数が257件ございました。
それで、20年度中に援助を終了した事案が254件ありまして、このうち解決率といいますか、労働局長による助言、指導、勧告を行った結果、解決したものが約8割ということになっております。
次に機会均等調停会議の調停の方ですが、これも平成20年度、申請受理件数が13件ございました。20年度中に調停を終了した事案が12件あるんですが、このうち約6割が調停案を双方受託し、解決しているという状況でございます。
次に19番ということで伊藤委員からいただいた、いわゆる育休切りです。これもデータの紹介をいろいろさせていただきます。育児休業に関する解雇などの不利益取扱いについてですが、労働者からの相談件数です。18年度から御紹介をしますと、18年度が722件、19年度が882件、そして20年度が1,262件ということで、増加をしているという状況です。
ただ、御注意いただきたいのが、これは労働者からの相談のあった件数全部を立ち上げていますので、必ずしも法違反が認められないケースもあるという状況です。ちなみに法違反が認められたケースがどれくらいあったのかという状況ですが、18年度が29件、19年度は35件、20年度が53件という状況でございました。
相談者の中には、なかなかお名前をおっしゃらないような方もいらっしゃいますし、事業主と相談するのは好まないという方もいらっしゃいます。我々としては、労働者の方の権利救済というのを考えていきたいのですが、基本的には当事者の御意向というのも尊重するということで考えておりまして、このような結果になっております。
続きまして、22番でございます。坂本委員からの御質問で、こちらはマザーズハローワークを利用した後の再就職者の勤続状況ということでございますが、申し訳ございません。職場定着の重要性というのは認識しているんですが、こういうデータは取っていないということで、御理解をいただければというふうに思います。
続きまして、23番、林委員からの御質問です。健康保険、年金に関するもので、保険証を失職した後、取り上げず、雇用主の責任で次の制度に加入する手続きはとれないかというような御趣旨でございます。
制度の紹介からで恐縮ですが、公的な医療保険、年金制度におきましては、基本的には正規、非正規というくくりではなく、適用事業所に雇用される常用的な雇用関係という要件設定で健保・厚生年金の加入要件というのを決めております。それ以外の方は、国民健康保険と国民年金という形で、我々としては、切れ目のない保障ということで体系を考えているところでございます。
確かに退職などで加入する制度を移動する場合というのがあるんですが、これは現時点被保険者に対して情報提供などをして、円滑に制度間の移動をお願いするということでやっています。
ちょっと細かい話ですが、医療保険制度につきましては、被保険者資格の喪失時におきまして、各保険者で被保険者に適切な情報提供を行うということ。あるいは離職者についての適正な適用の徹底をしたり、あるいは年金制度では、退職者に対して届け出の勧奨を行った上で、なお届け出のない人には職権で適用を行うという形で、未加入者を生じさせないための取組みは、やっている状況でございます。
先ほど被保険者証の回収のお話があったんですが、仮に資格喪失後に、従前の被保険者証を医療機関に提示して受診を続けたというケースの場合は、制度上、その後になって資格の喪失が明らかになった時点でさかのぼって過誤調整をするという形になるわけです。それは結局失職後、回収していないと過誤調整という形で上がってくるものの件数がすごく増えてしまうということもあって、事務が煩雑化することとの関係で、どう調整するのかという課題があるというふうに認識しています。
事業主の責任で次の制度にという御指摘もあったんですが、被保険者の方が資格喪失後、次にどの制度に行くかというのが、その時点で明らかであればいいんですけれども、そうでない場合に、事業者が一律に把握をするというのは困難な事例もあるということがありまして、そこのところをどういうふうにしてクリアしていくかという課題があると思います。
次に24番、岡本委員からの御質問ですが、パート・有期・派遣の均等待遇の御質問、新卒者の非正規雇用化の御質問と多岐にわたる御質問をいただいております。
御指摘のように、補正予算などでも非正規対策ということでいろいろ講じているところですが、特に新卒者の非正規雇用化の実態に対してということで、既にフリーターなどの正規雇用化プランを推進しているという状況で、学校卒業後に正社員になれなかった場合でも、正規雇用化を支援するためのいろいろなツールを用意しているという状況でございます。
基本的に、若い方の正規雇用化の促進のためには、企業で一生懸命取り組んでいただくということも重要というふうに考えていますので、雇用対策法の改正で若い人の能力を正当に評価するための募集方法の改善などを通じた若者の雇用機会の確保、こういったことなどについて、事業主に対する努力義務を設けたということもございます。
続きまして、25番、岡本委員からですが、これはパートであることを理由とした差別的取扱いの改善状況はどうかということです。パート法がだんだん定着をして、各企業でも取り組んでいただいているというふうに考えています。現状だけ御紹介させていただきますと、平成20年度均等室で8,900件、是正指導を実施したという状況になっておりますので、引き続きこういった形での対策をやっていきたいと思います。
26番、岡本委員からですが、いわゆる育休切り、あるいは妊娠・出産を理由とする形のものについては、昨年3月16日に各都道府県労働局あてに通知を出しまして、行政指導の徹底、労働者への相談の丁寧な対応、そういったことを指示しています。詳細の説明は省略しますが、先般成立した改正育児介護休業法の中でも、指導の徹底に資するような形で対応策を入れたという状況でございます。
27番、フリーターの定義の関係でございます。フリーターは、平成20年170万人という形で推計されています。これはあくまでも推計ですが、5年連続で減少という傾向にはございます。ただ、フリーターの定義としては、雇用者のうちパート・アルバイトの方、完全失業者のうち探している仕事がパート・アルバイトの方、そして非労働力人口のうち、希望する仕事がパート・アルバイトの方で、現在、家事も通学もしていない方というふうにくくっていて、派遣とか請負は御指摘のように定義に入っていないのですが、派遣については、特定労働者派遣ということで派遣元に常時雇用されている方もいれば、一般労働者派遣ということで、派遣元にその登録を行う働き方もあるということで、形態がさまざまなので、として、フリーターの定義に入れにくいということでございます。ただ、そういった方々について対応策というのは、引き続き努めてまいる所存です。
あとは起業支援の関係で、これで最後の御質問だと思います。平成18年「働く女性の実情」で、女性の起業ということで、分析をさせていただいています。これは毎年毎年という形ではないものなのですが、そういう分析があります。
また、自営業者の動向につきましては、労働力調査と就業構造基本調査というのがありまして、この分析で自営業者の動きですとか、開業分野などについての把握を行っているという状況でございます。あとは、平成18年に21世紀職業財団に委託をして実態把握をしています。
家事との両立についてですが、平成18年のアンケートでは、起業時、起業する場合の問題ということで、家事とか育児などの両立が難しいというのを挙げた方というのは、6.7%ということで、余り数はいらっしゃらなかった。しかしながら、起業という形で働くことを選んだ目的を、家事とか子育てなどとの両立をしながら柔軟な働き方をするためとした方が、実際それが達成されているかというふうな形で見たデータがあるんですけれど、それは62.3%が「十分・ある程度されている」ということで、ほかに自分の能力を発揮するためにやった方などからすると達成する割合が低くなっているという状況があります。
ただ、先ほど御紹介したような形でのeラーニングとかそういう施策がありますので、引き続きやっていきたいと思っております。 - 羽入会長
-
どうも御丁寧に一つひとつお答えいただきまして、ありがとうございました。
御質問、御意見をどうぞ。
まとめていきたいと思います。まず佐藤委員、山田委員、林委員、岡本委員、大熊委員と五條委員、そこまでで質問を簡潔にお願いします。 - 佐藤委員
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僕は追加だけで、2つ。1つは、雇用均等室の業務量が増えています。ここはやはり人を増やさないとだめだと思います。常勤を増やさないと、とてもやっていけないだろうということが1つです。
2番目で雇用管理区分についての質問がありました。雇用管理区分即男女差別だという理解がまだあります。
実は雇用管理区分というのは、一般的な人事制度です。例えば専門職と管理職も雇用管理区分です。総合職とか一般職しか余り思い浮かべないのですけれど、企業内でキャリアを分ける、あるいはキャリアごとに処遇を分ける。これが雇用管理区分です。例えば運転手とか専門職の処遇を変えていますね。これも雇用管理区分です。
ですから雇用管理区分は、実はたくさんある。海外にもあります。普通は、デュアルキャリアといいます。問題になるのは、雇用管理区分が合理的であるかということと、次にそれが男女差別になっているかいないかということです。
例えばデュアルキャリアも実は、専門職はみんな女性で、管理職は男性であるとすると、これはもしかすると男女差別になっている可能性があります。ですから、雇用管理制度は海外にもあるし、日本にもあります。問題なのは、その中で合理的な設定であるかということと、もう一つは男女差別になっているかということです。企業としては雇用管理区分をなくせと言われると、すごく抵抗があります。男女差別になるような雇用管理区分をなくす。そうしたときに今の雇・児局で出している指針が、適切かどうかという議論をした方がいいと思います。 - 羽入会長
- ありがとうございます。山田委員。
- 山田委員
-
ちょうど雇用管理区分があります。これは単純な質問で、総合職ばかり注目されるんですけれど、一般職の男女比率というのはどうなっているんでしょうか。つまり一般職で男性がゼロだったら、これは明らかに差別だろうと思いますし、たとえ総合職で男女が半々になったとしても、一般職が100%女性でしたら差別になると思います。
正確な統計はないという中で、一般職の男性比率はどれくらいだったか教えてください。 - 羽入会長
- 次は林委員。
- 林委員
-
日本の労基法4条というのは、1947年にできて、世界で一番古い男女平等賃金法だと労働法の教科書に書いてありますが、世界で一番古い歴史があるにもかかわらず、先進国最大の賃金格差を残しているということは、機能していないということだと思います。どこが問題なのかということに切り込んでほしいと思います。
今現在、賃金格差についての研究をやっているということだそうですが、今お話に出ている雇用管理区分など、何が問題があって賃金格差がこれだけ縮まらないのか。現状認識を、端的に伺いたいと思います。
それから日本の場合、「セクシュアル・ハラスメント」だとか「間接差別」といった人権法の体系の中で非常に重要な概念が、雇用均等法の中にしかありません。その意味で、厚労省が今やっていらっしゃることは、人権の分野のフロントランナーだと思いますから、是非、そこの取組みをしっかりやっていただきたい。
将来必ず日本に、国内人権機構ができるための人権擁護法がつくられ、その人権擁護法の総則規程の中に間接差別を入れるべきだと、私は思っていますので、そのときにこの基本計画の中で言っている間接差別と、大きな法体系のものが矛盾がないようにしていただきたいと思います。
最後に1つだけ、冒頭に、CEDAWの日本政府報告書審査について、内閣府から御報告ありがとうございました。前回のこの専門調査会と今回の間に起こった大きな出来事は、新しい内閣が発足したということで、福島大臣の仕事ぶりに私も大変期待しております。
CEDAWの政府報告書審査その他、国連に出している文書の中では、大臣の肩書きは、Minister of State for Gender Equality & Social Affairsなので、直訳すると「ジェンダー平等及び社会問題担当大臣」という大変格好いい名前なのですけれど、新聞報道では、いつも「福島少子化相」としか出てこないことが多いのがとても残念です。
私はロースクールの授業で学生に小渕優子大臣の時代に、「日本には男女共同参画担当大臣がいますがどなたですか」と質問しても、学生は1人も答えられないんです。そのくらい新聞には「少子化担当相」しか出てこない。ですので、是非、男女局の方で福島大臣は男女共同参画担当大臣ですということを積極的に言っていただきたいと思います。 - 羽入会長
- ありがとうございました。岡本委員。
- 岡本委員
-
本当にたくさん質問に丁寧に答えていただきまして、ありがとうございます。雇用管理区分について、1点申し上げたいんですけれども、先ほど御説明のあった資料は多分この資料だと思います。これを見ても、やはり例えば昨年度の総合職の採用に占める女性の割合が1割未満である企業が半分以上あるということであったり、既にいわゆる一般職と総合職を導入している企業の85%ぐらいが、女性の総合職が1割しかいないとか、そういった数値が事実出ていると思うんです。
更に一般職でいうと、例えば5,000人以上の企業では、9割の一般職が女性であるという数字も、ここでは123社でしかないわけですけれども、この数字だけを見ても雇用管理区分というものが、いわゆる差別というか、そういった状況を生んでいるのかということは、見てとれるのかなというふうに、私自身は思っています。
佐藤先生がおっしゃったように、雇用管理区分制度そのものを否定するわけではありませんけれども、どういう状況が今問題になっているのか。長い間そういう制度を導入している企業は多いと思いますので、もう少しきちんとした統計を、とっていただいて、そういったことに対する読み取り方というか、そういったものも研究していかないと、なかなか雇用管理区分による男女差別の問題はなくなっていかないのではないかと思います。
それから、パート法についても、均等待遇がパート法によって可能になるというのは、約5%しかいないというような、雇用形態の実態があります。中部地方の経営者団体が調べた調査結果でも、パート法が出来ても6割だったでしょうか、影響はないという数字が、統計として発表されていました。せっかくパート法ができて均等待遇を進めていこうというときに、何も変わらないんだというような企業側の受け止めになっているという事です。マイナスの影響も2割ぐらいあった。よくなるというのは余りなかったというのが記憶にあります。
是非、パートも含めた雇用管理の考え方というか、それは引き続き検討していただきたいと思います。
たくさんの御質問に、どうもありがとうございました。 - 羽入会長
- あとは加藤委員、五條委員、大熊委員。
- 大熊委員
-
単純な質問です。縦長の資料の中の3ページ目に、男女間賃金格差の国際比較というのがあります。これがわずか4つの国しか載っていなくて、多分ここに北欧4か国、5か国を入れるとすれば、もっと差が出るので、もっとたくさんの国でこういうグラフはつくっていただきたいなと思います。
それから、総合職などの女性の格差の話が論じられるんですけれども、この間のNHKテレビでも『派遣のオスカル』という連続ドラマがあったように、派遣という感じで明らかな格差が持ち込まれている問題についても、あらかじめ質問もしないで今、言って恐縮なんですけれども、視野を広げておいていただきたいというお願いです。 - 羽入会長
- ありがとうございました。あとは五條委員。
- 五條委員
-
業を起こす方の起業の方の男女別の実態把握に向けての統計の整備に関連してなんですけれど、この部分に少し焦点を絞って、女性の起業に当たっての相談対応でどういう相談内容が実際増えているか、あるいは主流を占めてきたか、その点をお聞きしたいというのが1点です。もう1点、この後も経産省さんの方から女性の起業についての支援の方法が出てくるかと思います。厚労省さんの説明の中にもありましたけれども、方法ではなく支援の分野で近年頻度が高くなっているようなもの、あるいは行政としても特に支援を図っている分野を教えていただきたいと思います。
背景としては、例えば農林水産業の女性起業の関係では、全体の数はまだ少ないものの、デイサービス、配食とか介護や高齢者対策に関連する分野に進出し始めている女性起業という部分が非常に注目されています。
男女共同参画の視点からいくと、女性のチャレンジ支援ということだけではなく、女性起業を進めることによって、社会的なニーズが強くなりつつある事業への参入ということがより一層支援できるのではないかということで、そうした女性起業を支援する際の、支援の内容、分野について、行政としてどんな点をとらえているか、教えていただきたいと思います。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
たくさんの質問が再度出ましたけれども、お答えできるものから手短にお願いいたします。 - 厚生労働省(堀井)
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林委員から賃金格差ですとか、起業の観点でいろいろ御質問をいただきました。ちょっと早口だったんですが、ガイドラインの改訂ではなくて、賃金格差についての研究会を今やっているということです。
いろんな企業の賃金制度などを実際に調べたり、それで分析をしたりしている状況ですので、申し訳ないんですけれども、今時点で端的にこれが理由というのは、もう少々お待ちいただければというふうに思います。ただ、いずれにしても研究結果を、今後の対策に生かしていきたいというふうに考えています
山田委員から御質問がありました、一般職の男性の割合ですが、20年4月に採用になった方で、一般職の女性の割合が92.8%というデータが手元にあります。逆に言いますと7.2%が男性だということになります。確かにそういう意味では、割合的に見ますと非常に差があるので、ここら辺の実態の部分は、切り込んでいく必要があるのかなというふうに考えています。
岡本委員からの統計的な部分は、御要望ということでお伺いさせていただこうと思います。
パート法についての御指摘も、基本的に改正パート法はすべてのパートタイム労働者に適用になるけれども、実は5%という推計部分は、要は通常の労働者と全く同じような形で適用される基準がある等のなので、内容と周知を引き続き、いろんな方のお知恵を借りながらやっていきたいというふうに考えています。
大熊委員から派遣のお話がありました。派遣については、確かに先ほどちょっと簡単な御説明しかしなかったんですが、パンフレットですとかホームページとかそういったもので派遣先にもちゃんと労働条件について担っていただくことがあるんだという周知をしていますが、ほかにもいろんな説明会ですとかそういったところで、事業主に対して周知をするというのは、本当に必要なことだと思いますので、それはやってきたいというふうに考えています。
五條委員から御質問のあった起業の部分で、これはいずれも18年の白書からの引用でデータ的に古いところは恐縮なのですが、支援の分野に関連してなんですけれど、起業時に必要とするサービスについて聞いた調査があります。それを見ますと、男女ともに一番割合として高いのは、やはり低金利の融資ですとか、税制の優遇措置についてのお尋ねが多くなっています。
あとは大体男女同じような傾向なんですが、家賃補助ですとかインキュベーション施設などハード面の支援についてのお尋ねも、多くなっています。あとは起業家同士の情報交換の場ですとか、専門家、先輩起業家の方々の支援が受けられる相談窓口についてのお尋ねが多くなっていますので、そういう部分をひとつ今後支援をしていくということ。最近の状況ではないのですが、光を当てていくというのはあるのかもしれないというふうに考えます。
もう一つ、分野についてですが、女性はサービス業が、我々の18年調査では多くなっていて、特に一般消費者を主な顧客とするものが2割近くで一番多くなっています。次いで企業とか官公庁を顧客とするサービス業、それに医療、福祉、教育学習支援というのが次いでいまして、大体その4割強がサービス分野ということになっています。
ちなみに男性の場合は、建設業が17%で一番多くて、次いで卸売業ということで、ちょっとここで男女の違いがあるのかもしれません。古いデータで恐縮ですが、以上です。 - 羽入会長
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ありがとうございます。大変簡潔にお答えいただきまして、ありがとうございます。
委員の皆様から御意見も含まれていたり示唆もあったと思いますので、恐縮ですけれども御配慮いただきまして、今後御検討いただければと思います。厚労省の方、どうもありがとうございました。
次に第3分野ですが「(4)多様な就業ニーズを踏まえた雇用環境の整備」ということで、総務省から御説明をいただきます。それから「(5)企業支援と雇用以外の就業環境の整備について」、経済産業省から続けて御説明をいただきたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。 - 総務省(片淵)
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総務省の片淵と申します。資料2-(1)総務省作成と書いた1枚ものがありますので、それをごらんいただければと思います。事務局の方からなるべく手短にと言われていますので、簡単に御説明をしたいと思います。
(4)多様な就業ニーズを踏まえた雇用環境の整備という項目の中に「テレワークの普及促進」というのが入っておりまして、テレワークの普及促進につきましては、各省と連携してやっているのですが、総務省の取組みについて、簡単に御説明をしたいと思います。
テレワークについては、仕事と家庭の両立に資するということで進めているわけなんですが、大きく3つほどやっております。1つが「テレワーク普及促進のための実証実験」ということで、この中の一つは、まだ経験をしていない企業に簡単に、無料でシステムをお貸ししますのでやってみませんかというような体験の事業でありますとか、それから「先進的な技術・高度なネットワーク環境を利用したモデル実験」ということで、例えば医療機関で実際に昨年度やっていただいたのですが、育児期の女性の医師の方に、これは診療というよりも、症例の検索とか調べものとかをやっていただくような実験などをやったところでございます。
(2)「テレワーク推進フォーラム」ということで、産学官共同で普及促進を図っていきましょうということで、行政、学識経験者、それから労使団体の方にも入っていただいていますけれども、普及活動をやっているところです。
(3)ということで、これは税制の関係ですけれど、テレワーク環境整備税制ということで、固定資産税の軽減措置を実施しているところです。
2番目、今度の方向性、検討課題ということで「就業人口に占めるテレワーカー比率は年々上昇しているところであるが」については、下の方の3のところで参考データということで、国土交通省さんでやっているテレワーク率というのがありまして、毎週8時間以上テレワークをしているというざっくりとした定義でやっているものですが、例年上昇しているということから、引き続き、育児期等における両立支援ということで、適正な情報セキュリティの下で普及をやっていくということで、総務省としては取組みを進めていく予定です。
資料は付けていないのですが、最近の調査で若干教育支援の関係のデータがあるので御紹介だけしますと、ウェブ調査で今年やったものですが、これは今年やったものなんですが、1つは育児期にテレワークを使ったという方で、効果がどうありましたかというので、例えば育児期の就業継続とか育児の時間の確保ということについて、メリットを感じたという方が8割あった。どちらとも言えないという方が、残りの2割程度で、デメリットがあったというのは2%ぐらいいらっしゃいました。ほかにも収入の確保でありますとか、育児の質、肉体的疲労の減少、精神的負荷の減少ということで、それぞれ6割程度の方がメリットがあったというふうなアンケートの調査があります。
それから、育児、生む経験をしていなくてテレワーク未経験の方に、育児期にテレワーク制度があれば、利用しますかと聞くと、94%の方が利用したいというふうな声もいただいています。
それからほかの制度、同じ対象の方に聞いたときに、短時間勤務制度とかフレックスタイム制度をやりますとか、事業所内託児施設の設置・運営ということと比較して、テレワークの方がすぐれている点がありますかと聞いたところ、大体9割以上の方が何らかのメリットを感じているというふうな状況になっています。
これについては介護期について利用された方等々にもお聞きしているんですけれど、大体同じような傾向が出ているところです。
資料の方に戻っていただいて、1枚めくっていただいて、ページの裏側に自営型の在宅就業ということも進めているのですが、同じことが書いてありますので、ここの説明は省略をさせていただきます。 以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。それでは続きまして、経済産業省から御説明をお願いいたします。
- 経済産業省(松井)
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経済産業省の経済社会政策室の松井でございます。恐れ入りますが、着席しての御報告、御了解ください。
まず経済産業省の資料としては資料2(3)というものと資料(3)[1]~[3]までございます。時間も限られておりますので、質問中心に、手短に報告させていただきます。
まず資料2(3)をご覧ください。1ページ目は女性起業家に対する支援として、「創業塾」による支援、2ページ目としまして、起業支援の充実として、「起業家支援資金」、及び3ページ目に「新創業融資制度」について書かせていただいております。
これらにつきましては、資料2-3(1)というところでまとめて報告させていただきます。横長の資料2-(3)[1]というのをご覧いただけますでしょうか。
こちらを開いていただきますと、4ページ目ですが、まず子育て世代の女性を中心に、高い起業ニーズがあるということを示しております。具体的には、左の図(自己雇用女性の比率)では赤い折れ線が女性起業家の比率を示していますが、比率が若干ですが上昇しています。次の5ページ目「女性の起業支援の必要性」ということで、男性の場合、30~34歳を頂点としまして、だんだん年をとるに従って起業の開始が少なくなっておりますが、女性の場合は30~59歳くらいまで、ほぼ一様に15%前後ということで、子育て世代の女性の方々に起業ニーズが高いものと思っております。
支援の方向としましては、「起業における知識やノウハウの習得」や「金融支援」などを必要としているということで、こちらは5ページの右の方になりますが、起業前の希望者に聞いたアンケートによると、「相談窓口」、「セミナー」、「コンサルティング」、「債務保証制度」などを支援してほしいという結果になっております。
逆に、起業後の方にお聞きすると、「コンサルティング」とか「情報提供」、「交流」とか「仕事と家庭の両立」、こういったことを支援してほしいという結果になっております。
6ページ目を開いていただきたいのですが、こちらが経済産業省で行っております創業支援事業でございます。「創業塾」は、創業に向けて具体的なアクションを起こそうとする方を対象とした事業です。「経営革新塾」というものも実施しており、こちらは、創業された方が、新事業展開を目指す際の支援をしております。
次の7ページでございますけれども、「創業塾」の中で、女性向けの「女性創業塾」を実施しております。こちらは、平成13年から20年までの累計8年間で、全国で298回開催させていただいておりまして、9,644名の方が参加されております。
具体的な事例として、岡山県の商工会議所で行われた女性創業塾のカリキュラムの例を7ページで紹介させていただいております。1日目に「女性が創業するために必要な心構え」、5日目に「女性経営者からの応援メッセージ」など女性向けに、特色あるカリキュラムで実施しているところです。
次の8ページをお開きください。8ページは金融支援です。上段の「女性、若者/シニア起業家支援資金」というのは、「女性」や「30歳未満の若者」、更に「55歳以上のシニア」に対して、設備資金や長期運転資金を低利で融資する制度ということでございます。こちらの利用実績が、国民金融公庫の実績で、女性が4万2,000件、2,114億円、中小公庫が女性76件で43億円の実績となっております。
その下は、「新創業融資制度」でございますが、こちらは上の「起業家支援資金」を御利用いただいている方で、更に設備資金とか運転資金が必要な方に、無担保無保証で低利融資をさせていただくという制度でございます。
続きまして、事前にいただいておりますご質問にお答えする形で報告させていただきたいと思います。
4ページ目、20番、帯野委員からの御質問で、社会人基礎力の女子学生向けプログラムの推進についてのお尋ねでございます。
社会人プログラムについては、昨今の若者が育つ環境や起業活動を取り巻く環境、大学を取り巻く環境、こういったものの変化に伴いまして、社会人として職場や地域社会で活躍するために必要な基礎的な能力を社会人基礎力と定義づけまして、これを意識的に育成していくことを目的としております。
具体的には、全国の大学を対象に、社会人基礎力の育成に有効なカリキュラムの開発や育成事例の発表などを行う「社会人基礎力育成グランプリ」の開催などを実施しております。
今年3月に行われた「社会人基礎力育成グランプリ」では、今年3月に行われたグランプリは参加40校中3校が女子大でございました。
女性向けのプログラムにつきましては、現在のところ、特に女子学生向けというところではなくて、短大、大学院も含めて、広く男女を問わず、全国の学生、大学を中心にした事業を展開しているということでございまして、これらの取組みを引き続きやっていきたいと思っております。
続きまして6ページ、28番、帯野委員からのご質問でございます。創業に必要な実践的能力開発を習得する際のプログラムについての御質問です。女性塾を受けられた方のうちで、創業に成功した人はどれくらいいるのか。また、実践的能力とはどのような能力ととらえているかということでございます。
これにつきまして、創業塾を受講いただいた方にアンケートをとっており、平成18年度、19年度に受講いただいた方のアンケート結果によりますと、男女全体の開業率が、23.8%でございました。それを男女別で見ると、男性が21.3%で、女性が26.6%となっております。
また、この調査では、男女別調査とはなっておりませんが、創業時に生じた問題点としては、「マーケティングに関すること」及び「資金調達に関すること」。また、創業後に発生した問題として、「売上の確保」、「利益の確保」、こういったことを挙げている方が多くなっており、それらに対処する能力が必要だと思っております。
そういった問題点も含めまして、創業塾のプログラムを構築して、能力向上するよう努めているところでございます。
更に、女性が創業する場合、子育てが課題になるということが想定されますので、「子育てしながらの開業」、「ワーク・ライフ・バランス」、「女性起業家による体験談」などをテーマとした講義も、女性塾の中に入れ、開催しているということでございます。
続きまして、同じページ、質問ナンバー29、伊藤委員からの御質問で、企業融資制度の広報活動についてと、次のナンバー30、帯野委員からの融資実績の分析についての御質問、更に次のページ34番の帯野委員、女性の事業者数などの数字の実態について、まとめてお答えさせていただきます。
まず、企業融資制度の広報活動に関しましては、日本政策金融公庫が主体としてやっておりまして、日本政策金融公庫が運営する「創業支援センター」や「ビジネスサポートプラザ」などのセミナーを開催しており、その中で融資制度の案内をしております。
ちなみに平成20年度は、創業支援セミナー54回、女性起業家を対象とした創業支援セミナーは3回開催しており、その際、融資制度のチラシを配付しております。
また、経済産業省のホームページでも紹介するとともに、各種パンフレットを作成して配付しているということでございます。女性塾の中でも、融資制度を紹介させていただいています。その際は、日本政策金融公庫の方が、時間を設けて融資制度について説明しております。
また、融資実績の分析につきましては、経済産業省としましては、先ほどの横長の資料にあります女性の利用件数と金額に関する以外のものは、日本政策金融公庫から特に分析資料の提供は受けておりません。
なお、融資実績から債務不履行、返済不履行の実績は、「女性、若者/シニア起業家資金」を利用したものとして把握できるものを対象といたしますと、「無い」と聞いております。
女性起業者の実態、事業数につきましては、経済産業省としてはデータはとっておりませんが、先ほどの厚生労働省のお答えの中でもありましたとおり、就業構造基本調査等でとれるということでございまして、そちらの方を見ていただければと思います。
続きまして7ページ目、32番、五條委員からのご質問で、商工業の自営業者の家庭従業者に関してのご質問でございます。資料につきましては、資料2-3[2]をつけさせていただいています。こちらは、少し古いものになりますが、平成13年度に「自営中小企業者の家族の労働と健康に関する調査」といったものを行っております。
また、中小企業庁では、中小企業実態基本調査を実施しておりまして、この基本調査の中で、家族従業者の把握について努めております。
ちなみに、中小企業実態調査によりますと、これは中小企業のサンプルの推計データになりますが、平成20年度で家族従業者は、約84万人となっております。
自営中小企業に携わる女性の労働条件については、平成13年度の調査に戻りますが、この調査の結果では、「労働時間の短縮」とか「休日の機会の増加」などについては全般的には改善されている一方で、「経営に役立つ情報」とか、「ITに関する能力」などさまざまなニーズが存在するということが明らかになっております。
そういった面も含めまして、商工業者の自営業者の家族従業者の実態に応じまして、商工会や商工会議所などが実施している経営に関する相談やセミナー、また商業会議所等で実施している各種研修活動などに反映されるように努めているということでございます。
続きまして、ご質問の最後となりますが、33番伊藤委員からのご質問でございます。女性がもたらす経済効果についてのデータがあるかということと、女性が活躍している企業と業績についての研究成果についてでございます。
まず、1つ目の女性の労働がもたらす経済効果についてのデータでございますけれども、こちらは私どもが所管しております独立行政法人経済産業研究所の研究成果等も調べてみたのですが、特には無いということでした。
2つ目の企業と業績についての研究成果でございますけれども、これは資料2-3[3]という資料をご覧いただきたいのですが「女性の活躍と企業業績」、こちらも少し古いデータですが、平成15年にとりまとめたものです。結果だけ申しますと、この資料の3ページ目「おわりに」というところをごらんいただきたいのですが、4つございまして、1つは「女性が活躍し企業業績も高めるためには、単純に女性を増やそうとするのではなく、企業風土を変えていくことが基本である」。2つ目として「均等施策は女性の活躍と企業業績向上を両立させうる」。3つ目としては「ワーク・ライフ・バランス施策は社会全体で推進すべきである」。4つ目として「女性の就労に中立的な諸制度の整備が最重要である」ということをとりまとめています。
経済産業省からの報告は、以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
あと、内閣府から再就職に向けた支援に関する質問についての回答をお願いします。 - 内閣府(大西)
-
内閣府でございます。質問票の21番の坂本委員からの御質問でございます。「今年3月NPOにおける女性の再チャレンジの実情等に関する調査報告書が出され、有望な分野として認識・報告されたと理解しているが、この結果から今後、NPOにおける男女共同参画を推進をどのように扱っていくか」についてでございます。
女性の再チャレンジとNPOについての調査報告書では、NPOにおける女性の活動実態について調査を実施いたしました。また、昨年10月に基本問題専門調査会がとりまとめた地域における男女共同参画推進の今後のあり方について、この中でもNPOが課題解決型の男女共同参画を推進する第2ステージにおいて果たす役割が、今後ますます重要というふうに位置付けております。
NPOに期待する役割としては、例えばNPOで活動する女性が一層増えることや、女性のNPO代表者が増えることなどによって、活躍の場が広がっていくこと。また、活動内容において、固定的な性別役割分担意識にとらわれず、さまざまな活動の場が広がっていくことなどが考えられます。
更に男女共同参画センター等の働きかけによりまして、NPOを始めとするさまざまな主体と男女共同参画センター等が連携協働し、男女共同参画の視点を取り入れた活動の場が広がっていくことによって、男女共同参画社会の実現を推進していくということが重要であると考えております。
以上でございます。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、今回もまたまとめて御質問をいただきたいと思います。
山田委員、佐藤委員、桜井委員、岡本委員、五條委員、伊藤委員、大熊委員。山田委員からお願いします。 - 山田委員
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起業について質問したいと思うんですけれども、私は、起業を奨励し過ぎることには、かなり疑問を持っている人間であります。起業に関しては、成功した例はよく紹介されるんですけれども、失敗した例というのがどうなるかというのは、なかなか紹介されない。女性の例ではないですが、私はフリーター等が専門ですので、フリーター等も調査しています。ある県でいわゆるフリーター起業に関してサポートしている人のヒアリングをしたところ、ほとんどが1年以内に倒産か廃業か、ほぼ廃業状態であるというようなことがありました。つまりフリーター転じて借金を背負ったフリーター、自己破産したフリーターに転じてしまっているという状況があります。
そういう状況をどれくらい把握していらっしゃるのか。つまり成功例は幾らでも出せると思うんですけれども、例えば女性の起業創業塾とあったとしても、1年以内で続いている率は何%ぐらいであるとか、更にもっと言ってしまえば、生活できるお金を稼いでいる起業というのはどれくらいあるのでしょうか。
私の知り合いで主婦で起業をしているという人にも何人か、お話を聞いたことがあるんですけれど、結局生活費は夫のサラリーマン収入で得ていて、言ってしまえば趣味・小遣い稼ぎ程度の額しか稼げないケースが、私が調べた限りではほとんどだったんです。
勿論、失敗することが悪いことだとは思いません。それは教育効果があるということもあるとは思いますが、そういう把握はしているのかということと。
起業を勧めるときに、失敗をしたらこうなるというのも含めて、きちんと情報を提示しているのかということもお聞きしたいです。 - 羽入会長
- ありがとうございます。では、佐藤委員。
- 佐藤委員
-
基本的には同じなんですけれど。男女は関係ないです。日本ではデータはないです。海外で言うと、起業して、大体36か月で倒産などで大体半分になるんです。だから起業というのはすごくリスクが高い。
ところが日本は、山田さんが言われたように、起業するよりも実はやめる方が難しいのです。リスクを取って始めるため、やめられなくなってしまうんです。実はやめ方を起業の講習でやらないといけない。ところが日本はやっていないんです。起業をバラ色としてしか描いていない。
起業は非常に大事なんですけれども、もう一度起業できるような企業のたたみ方が重要です。男性も同じなんですけれど、ここの判断ができるような教育をやらないと、起業は非常にリスクが高いことを教えていないんです。 - 羽入会長
- ありがとうございます。では、桜井委員。
- 桜井委員
-
私はテレワークについて伺いたいと思います。テレワークもやはり悩ましい働き方だなと、そういう面があるかと思います。
1つお聞きしたいのが、テレワークに携わっている方の男女比がどのくらいか。それからどんな業種、先ほどお医者さんが、女性の医師がやっていらっしゃるということもありましたけれども、私のイメージでは入力作業ですとかそういうのが多いのではないかと思います。その業種というか、どんな分野で働いてどんなテレワークをやっていらっしゃるかということ。
それから、収入が平均どのくらいかということをお聞かせいただけませんでしょうか。両立支援のために、こちらでもテレワークは普及促進を図るというふうにあるんですけれども、男女の両立支援ではなくて、女性が家事もそして収入も得るということを、家庭の中で両方とも引き受けてしまうような、強制力ではないですけれども、そちらを促すのではないかというような見方もありますので、是非、今申し上げたことをお聞かせいただきたいと思います。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
そちらから手が挙がった方、順番に行きたいと思います。五條委員。 - 五條委員
-
私からも起業のことについて、お聞きしたいいんですけれど。
今日お出しいただいた、自営女性のことを引用されてお話しいただきました。この内容に関連してなんですが、女性の方が求めている要望として、税制上の優遇措置というのがありました。これは何をイメージされているのかというのを、経済産業省さんとしてはどういうふうに把握されているかということを、お聞きしたいと思います。
ちなみに、農山漁村分野で非常に問題になってきた、古くて新しい課題として、女性が起業をしても、その税務申告をその人が主体的にやろうとしても、なかなか認められないという問題があります。必ずおやじさんの方に合算されて、合算所得で取った方が税金は高くは取れますから。そういう構造になっていて、なかなか起業した場合の税制上の問題というのが課題になっているんですけれど、そうした種類の話題なのか、または税金を優遇して欲しいという、全く別の次元の課題なのか。
もう一点、簡潔にですが、自営業における家族従事者のことについて、今日質問をさせていただいたわけですが、そうした家族従事者、特に女性が何か相談をしたいと思った場合に、行政が対応しているような、行政が支援をしているような相談窓口があるかどうか。あるいはそういう方々の声を吸収するような場というのが、あるかどうか。これは農山漁村分野の農林水産業女性とも関連する課題なので、現場段階へ行くと、自営業者共通の話題として、こういうことをどういうふうに行政で相談に対応していけるのか。その点について、実態をお聞きしたいというふうに思います。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
帯野委員、お待たせしました。 - 帯野委員
- 私は先ほどの答えで聞き逃したかもしれませんが、まず融資実績の分析です。返済不履行は、聞いていないというふうにお答えいただいたような気がしたのですが。
- 経済産業省(松井)
- なかったということでございます。
- 帯野委員
-
先ほど2人の委員からもございましたように、倒産がなかった、返済不履行がゼロだったというのはちょっと信じ難いのですが、やはり起業して倒産というのは、リスクが高いというより、あって当然の話であって、むしろ一旦倒産はしたんだけれども、再チャレンジができた。再チャレンジができるような仕組みづくりというのが、大切だと思いますので、そういう意味でも、ここら辺りの実績の分析、厚労省の方の企業融資の方からというふうに、さっきお答えになったのかもしれないのですが、やはり、この辺りの融資実績の分析というのは非常に大切だと思います。
同じく34番の私の質問にも、多分お答えいただいたと思うのですが、基礎データです。起業がまず職種別、産業別、それから年齢別、規模別、何よりも地域別、このあたりの基礎データがなければ、なかなか女性の起業の特性というものが浮かび上がらないと思うので、経産省、厚労省、どちらでも構わないのですが、この基礎データを是非分析をして、特に経年変化です。この辺りを是非取っておく必要があるのかなと思いますので、質問とお願いでございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。岡本委員。
- 岡本委員
-
テレワークについて質問させていただきます。先ほど桜井委員の発言には全く同感で、テレワークを進めていくことは、有効的ではあると思いますけれども、むしろ女性がテレワークを選んで、子育てとか介護というものを結果的に女性だけがやってしまうという状況になりはしないかという心配な面があるということで、男女比がわかればということが1つです。
もう一つは、雇用型といわゆる請負型の人数割合がわかれば教えていただきたいと思います。これは厚労省の方にも関係するのかもしれませんけれども、特に請負型の場合は、請負ということで最低賃金が適用されないという中で、ノルマをどんどん追求する中で、最低賃金を大きく下回るという状況があるわけです。こういったことについての対応を何か研究されているのでしょうか。
いわゆる雇用型においても、長時間労働への懸念というものが否めないわけです。今のように情報機器が発達している中で言えば、在宅といえども時間管理というものができる可能性があります。そうしたことへの研究というんでしょうか、そうしたことについて、何か今、検討なりされていることがあれば教えていただきたいと思います。 - 羽入会長
- あと、伊藤委員。
- 伊藤委員
-
伺いたいことの1つは、お二人の委員がおっしゃったテレワークの男女比です。育児期のテレワークにメリットを感じる割合が、80%というお話がありましたけれども、男女別のデータがないと困る。恐らく女性が多いのではないかと思うんですけれども、男性で育児期のテレワークでメリットを感じている人がどれくらいいるのかということも、本当は問われないといけないと思ったことが1つです。
もう一つ、先ほど経産省から出していただいた、何年か前に実施された女性の活躍と企業業績のデータですけれども、女性の活躍が可能な企業、比率ではなく、女性率ではなくて、女性の活躍が可能な企業ほど業績が高いというふうに読んでよろしいんだろうと思うんです。これはすごく重要なデータだろうと思います。
同じように昨年、たしかEUでマッキンゼーがやった調査で同じような結果が出ているんです。やはり女性が活躍できる企業ほど業績がよくなって、それはダイバーシティの問題とかいろんな経営戦略上の問題もあるんだろうと思いますし、あるいはCSRなんかの問題もあるのかもしれません。
女性が活躍の可能性を持っている、その企業が、力を発揮するというのは、ある種女性の社会経済的な貢献の可能性を可視化するという問題だと思うんです。前の方の議論で女性の雇用の問題が出ていましたけれども、やはり企業風土において、女性がある種企業効率にとってプラスかマイナスかということについてほとんど考えないまま、古い習慣で女性を排除する仕組みできたわけです。必要なのは、女性の活躍が可能性を持っているということを可視化することだろうというふうに思うんです。それはあらゆる分野においてだろうと思うんですけれど。
そういう意味では、こういう調査を積極的に広報していただくことが大切です。ほかにも探してみるとあると思うんです。起業の問題もそうなのかもしれないと思います。女性の活躍が持っている可能性を、できるだけ表現していくということがないと、風土は変わっていかないのではないかと思います。
もう一点、これは五條委員が先ほどから言っておられることで、なかなか隔靴掻痒で、うまくコミュニケーションができていない部分だと思います。これは経産省もお答えにくいところなのかなと思っているんですが、やはり商工自営業の女性の賃金の問題の課題というのは、すごく大きいと思います。それは農林水産業のいわゆる家族経営協定においても、賃金問題はクリアできない問題ですね。
先ほど五條委員がおっしゃいましたけれども、経営協定を結びながら、やはり賃金についての保障は大変低い割合でしかしていない。多分恐らくそれよりひどい状態になっているのが、商工業の女性の実態ではないかと思うんです。
これは、税金の問題も含めて、経営上の難しい問題だろうと思うんです。その辺のところを経産省はどんなふうに考えておられるのか、お答えにくいかもしれませんけれども、聞いてみたいと思います。 - 羽入会長
- ありがとうございます。それではどちらからでも結構ですが、総務省からお答えいただいてもよろしいですか。
- 総務省(片淵)
-
総務省です。テレワーク関係で幾つか御質問をいただいたので、可能な範囲で御説明をしたいと思います。
幾つかデータのことについて質問を受けたのですが、先ほど御紹介した育児期におけるテレワークの効果等ということで、ウェブ調査については、サンプル数が大体200件ぐらいだったと思うんです。男女比が手元にないのですが、女性の方が多かったということで、これは育児をやられる女性が多いということが、いいかどうかということになると思いますけど、事実としてはそういうことでございます。
先ほど資料で御説明いたしましたように、国土交通省さんの方で、テレワーク人口実態調査ということで、かなり大きなサンプル数をとってやっているものがあります。済みません、こちらの方のデータは詳細なものが手元にはないのですが、今ある範囲で言いますと、男女比率というよりも、雇用型のテレワーカーの比率ということで、男性の雇用労働者の中でテレワークをやっている方が20.6%、女性の方が12.5%。自営の男性の中でテレワークをやっている方が29.0%、女性の方が18.4%ということのデータはあります。
ただ、これも在宅とかモバイルワーカーとかいろいろ入ったものでございますので、この辺の詳細はちょっと今、手元にありませんので、我々を通じてなり、事務局を通じてなり、国土交通省の方に確認してあれば、御提供したいと思います。
収入とかについても、今は手元にはございませんで、申し訳ありません。
テレワークについて幾つか懸念というか、これは我々も承知しておりまして、自営型については賃金が低くなるのではないかというふうなことでありまして、これは言われているのは耳にしております。ただ、自営の場合は結局契約ですので、そこをどういうふうにやっていくのかというのは、なかなか難しいところもありまして、今、具体的に何か考えているということは、少なくとも私の承知している範囲ではございません。
それから雇用型で、これも時間管理が難しいとか、長時間労働になるとか、あとは健康面で問題になるのではないかとか、そういうふうなことの御指摘を受けました。雇用管理の関係については、厚生労働省さんの方で就業規則のあり方、具体的な雇用管理のあり方について、どういうふうに留意をしていくのかということについて、我々も参加をして有識者の方にも入っていただいて、ガイドラインとか、具体的な就業規則の定め方などもつくっております。それから、テレワークに限って言えば、全国で5か所、これは厚労省さんが設置しておりますけれども、雇用管理についての相談のコーナーというか、そういうところも設けておりまして、そういうところで周知をしているという状況であります。
引き続きテレワーカーは今はどんどん技術が発達していまして、いろんな形も増えてきております。いろいろな問題もあると思いますので、その辺はよく把握をして、厚労省さん、国土交通省さんも含めて、関係府省と連携し、よりいい形で進むようにやっていきたいというふうに思っております。
以上です。 - 羽入会長
-
ありがとうございます。
それでは、経産省からお願いします。 - 経済産業省(松井)
-
まず先ほど山田委員から御質問がありました失敗例でございますけれども、今のところ、創業塾を経験された方が、どれぐらい失敗されたか、そこら辺はつかんでおりません。今後、追跡調査のアンケートでつかむように努力したいと思います。
また、失敗例をカリキュラムに組み込んでいるかどうか。これも組み込んでいないようでございますので、ここら辺につきましては、今後のカリキュラムの構成につきまして、入れていくようにということで検討させたいと思っております。
それから、暮らしていけるようなお金を稼いでいるのかどうかということでございますけれども、先ほどの追跡調査によりますと、全数は答えていただいていないんですけれども、売上につきましてまず500万円以下の売り上げの事業者が17%、1,000万円以下が15.5%、2,000万円以下が9.1%、3,000万円以下が4.9%ということで、3,000万円以下の売上の方が、かなり多いということでございます。それで食っていけるかどうか、そこまではちょっと判断はできないんですけれど。
続きまして五條委員からの御質問でございますけれども、家族従事者に関係しての税制についてでございますけれども、この13年に行いました調査では、これ以上深掘りした調査はしておりませんので、これ以上の細かいことについては、つかめておりません。この辺は今後の税制改正の要求等、いろいろ考えていきたいと思っております。
また自営業者における家族従業者の相談窓口でございますけれども、経済産業省関係の窓口としましては、商工会とか商工会議所ということでございまして、そちらの方に御相談いただくということでございます。
続きまして帯野委員からの御質問で、返済不履行が全くなかったということは信じられないということですけれども、一応金融公庫から報告されている例としてはゼロということで報告されておりまして、我々としてもそれ以上はつかめていないということでございます。
更に分析でございますけれども、これにつきましても金融公庫の方に、こちらから要請はしているんですけれども、今のところ、先ほど申し上げました融資の金額と件数だけしか出ておりません。これは金融公庫との今後の調整次第で出していただけるかどうか、ここら辺も検討したいと思っております。
伊藤委員からの御質問ですね。女性の活躍の可能性について。こういった調査は平成15年に行って以降、まだ行っていないんですけれども、確かにこういった調査を行って、女性が活躍できる企業というのは業績が伸びる。ここら辺はワーク・ライフ・バランスの考え方もいろいろ重要だと思っておりますので、私どもだけでなく、経済産業省が所管しております経済産業研究所、そこら辺でいろいろ研究をしておりまして、有意なデータが出ましたら、また報告させていただこうと思っております。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。
- 佐藤委員
- 今の話は結局、仕事と生活の専門調査会で出した報告書でレビューをしています。ほかにもいろいろ調査がありますので見てください。
- 伊藤委員
- はい。
- 佐藤委員
- 専門調査会でやっています。
- 伊藤委員
- 見てはいるんです。
- 佐藤委員
- 経産省はやっていないかもしれないです。
- 羽入会長
-
それから総務省、経済産業省の皆さん、どうもありがとうございました。皆さん、御質問をいただきましてありがとうございました。
もう一つ、実はフォローアップに関して第3部、前回積み残しましたものがございますので、恐縮ですが、そこまで進めたいと思います。計画の推進というところでございます。これを内閣府から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 内閣府(大西)
-
それでは資料4の御説明と、合わせて、質問35の回答をさせていただきます。
資料4、国内本部機構の組織の普及評価についての取り組み状況です。
まず1点目ですが、男女共同参画会議のもとに4つの専門調査会を設置し、それぞれ検討テーマに即した有識者の方に委員として入っていただき、意見が反映されるように努めています。
2点目として、推進本部で平成13年度以降、審議会の女性の登用の促進や女性の参画加速プログラムについて決定しております。
3、4、5点目は、行政関係では男女共同推進本部のもとに男女共同参画担当官会議を設置し、それから府省内に男女共同参画推進本部、それから法務、環境、防衛については府省内に課長級の会議を設置するなど、行政関係で、それぞれ男女共同参画に関する組織を設置しております。
6点目以降国際関係ですが、CEDAWの報告書を作成し、女子差別撤廃委員会に提出し、8月には最終見解が報告されております。
7点目では、JICAが実施する開発途上国の男女共同参画に関する研修に協力し途上国の国内本部機構の整備を支援をしております。
8点目ではAPEC男女共同参画担当者ネットワーク会合等々の国際会議で、情報発信を行っております。下から4つ目の9点目では、東アジアの担当大臣会合の開催を呼びかけ、第1回会合を主催し、2回、3回に出席しました。
10、11点目につきましては、各種国際交流、国内の情報提供、一番下のところは、英文冊子の発行等を通じ、海外に情報発信を行っております。
最後の○のところでは、予算を、17年度からは予算の使用実績調査も含めまして、男女関係予算としてとりまとめました。
今後の方向性としては、国際基準、ネットワークづくり、今後の情報発信、男女センターの役割などについて検討課題と考えております。
3ページ目でございますが、国と地方、NPO等との連携についての取組み状況でございます。連携会議では、4つの小委員会でいろいろな団体からの御意見を聞いて、取組みを進めております。
2点目は総理大臣表彰で、さまざまな顕彰をしております。
3点目は、女性のチャレンジ賞表彰で、さまざまな団体、グループを表彰しております。
4点目は宣言都市の奨励事業、サミット、全国会議などの場を通じて啓発などの取組みをしております。
最後のところでは婦人の地位委員会の出席やCEDAWの報告に関して、連携会議の聞く会などの開催で、NGOとの意見交換をしております。
今後の課題としては、推進対策の充実、市町村との連携、センターの役割、連携会議や地域版の連携会議のネットワークの活用などについて、今後の方向性として考えております。
4ページ、5ページは、それぞれ実績のデータなので、省略させていただきます。
それから質問35番、鹿嶋委員の御質問の回答でございます。女性の再チャレンジは、求人のミスマッチが目立つが、内閣府でウェブサイト以外に取り組んでいるものはあるのかという御質問でございます。
18年に改定した女性の再チャレンジ支援プランに基づき、府省と連携して取り組んでいるところでございますが、内閣府ではウェブサイト以外に、昨年度は再チャレンジのパンフレットの作成、再チャレンジの女性の事例の調査、NPOにおける女性の再チャレンジの調査を実施いたしました。
今年度は再チャレンジの新たな事業は行っておりませんが、昨年度作成したパンフレットや調査の結果の周知を図ってまいりたいと思っております。
以上でございます。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
ただいまの御報告について御質問、鹿嶋委員、よろしいですか。
それでは大変慌ただしくて恐縮でございました。フォローアップヒアリングは、終了させていただきたいと思います。皆様、御協力をありがとうございました。
あと1点、8月の末29日に行われましたNWECフォーラムのワークショップ出展の結果について、内閣府から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 内閣府(大西)
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資料6でございます。NWECフォーラムの概要でございます。
8月29日にNWEC主催のフォーラムがありまして、鹿嶋会長代理がコーディネーターとなり、ワークショップを実施しました。ワークショップに48名が参加し、4つのテーマで、さまざまなことを話し合っていただきました。
参加者の主な意見では、4つのグループのうち女性活躍推進法グループでは、条約のモニター、選択議定書についてなどについての御議論が出されました。
2点目の、地域のグループでは、意識の問題や定年退職後の男性の地域の参画、コミュニティの場の形成などの御意見をいただきました。
3点目、生活困難への対応のグループについては、経済的自立を促す教育や貧困による教育機会の喪失を防ぐ相談体制、母子世帯の支援等々の意見が出されました。
ワーク・ライフ・バランスのグループでは、教育啓発、企業の意識、労働条件、格差、ワークシェアリングなど、さまざまな事柄について御意見をいただきました。
以上でございます。 - 羽入会長
- ありがとうございます。鹿嶋先生、コメントを。
- 鹿嶋会長代理
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4テーマです。各テーマ3グループ、1グループ、7~8人ぐらいのメンバーを予定していたのですが、ワーク・ライフ・バランスと地域の問題については、グループ構成ができましたが、女性活躍推進法及び生活困難については、3グループは作れませんでした。やはり この集まっていただいた48人というのは、大学の研究者、それから地域をかなり熱心にやっている人たちが多くて、ここに挙げたようにかなり専門的な意見の集約ができたというふうに思っております。
女性活躍推進法は1グループだったんですが、このワークショップは国際女性の地位協会の山下さんが入っておりまして、CEDAWの女性差別撤廃委員会の最終意見ということで、選択議定書の批准とか、そこに書いてあるようなことが、結論としてかなり多くなっております。
翌日は、今年が女性差別撤廃条約国連採択30年ということで、コーディネーターは山下さん、パネリストは私と赤松良子さん、残念ながら森山真弓さんは、ちょうど選挙にぶつかって来られなかったんですけれども、いろいろディスカッションをしました。そこでも、ここに書いてあるようなことがいろいろ話されました。
今年は基本計画の改定ということを念頭に置いたワークショップでしたが、こういうテーマで毎回ワークショップを出展して、いろんなテーマで議論をしていただくのも意義があると感じました。
以上でございます。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
何か御質問がおありになりましたら。よろしいですか。
最後ですけれど、資料7に議事録がございます。7月31日に行われました第46回の調査会の議事録でございます。事前にお目通しいただいているかと思いますが、これを御承認いただけますでしょうか。
ありがとうございました。
それでは通常どおり速やかに公開することにいたします。
以上が議事でございました。
事務局から御連絡をお願いします。 - 大西企画官
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次回についてのご案内でございます。10月16日金曜日、3時から5時半、同じ会場、こちら永田町合同庁舎会議室での開催となります。
次回はフォローアップ4回目といたしまして、5分野の職業生活と家庭地域生活の両立の支援についてと、8分野の生涯を通じた女性の健康支援についてを予定しております。よろしくお願いいたします。 - 羽入会長
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ありがとうございます。
厚生労働省、経済産業省、最後までおつき合いいただきましてありがとうございます。
今回の先生方から提案されました質問や御意見は、更に今後、さまざまな議論の中でも、私どもも展開していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いたします。
本日は長時間でございましたけれども、御協力いただきまして、大変ありがとうございました。お疲れ様でございました。
(以上)