男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成18年2月1日(水)
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    大橋 光博 西京銀行頭取
    久保 公子 財団法人市川房枝記念会事務局長
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    五條 満義 東京農業大学助教授
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会事業本部長
    住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
    高橋 紘士 立教大学教授
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    寺尾 美子 東京大学教授
    平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
    室伏 きみ子 お茶の水女子大学教授

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)男女共同参画基本計画(第2次)について
    • (2)審議会等における女性委員の割合の新たな目標設定について
    • (3)女性の再チャレンジ支援プランについて
    • (4)その他
  3. 閉会

(配布資料)

資料1-1
男女共同参画基本計画(第2次)のポイント [PDF形式:41KB] 別ウインドウで開きます
資料1-2
男女共同参画基本計画(第2次)(概要) [PDF形式:190KB] 別ウインドウで開きます
資料1-3
男女共同参画基本計画(第2次)
参考
[ジェンダー・フリーについて」(平成18年1月31日付け事務連絡) [PDF形式:226KB] 別ウインドウで開きます
資料2-1
国の審議会等における女性委員割合の目標について [PDF形式:3610KB] 別ウインドウで開きます
資料2-2
新たな目標設定に関する検討事項  [PDF形式:147KB] 別ウインドウで開きます
資料3-1
女性の再チャレンジ支援プラン(概要) [PDF形式:53KB] 別ウインドウで開きます
資料3-2
女性の再チャレンジ支援プラン [PDF形式:43KB] 別ウインドウで開きます
資料4
GEMの試算 [PDF形式:604KB] 別ウインドウで開きます
資料5
男女共同参画に関する調査(平成15年6月経済産業省)
 男女共同参画研究会報告「女性の活躍と企業業績」(経済産業省ホームページにリンク)
 (概要/ 本文/ 参考資料)
岩男会長
それでは、定刻を少し過ぎておりますので、ただいまから「基本問題専門調査会」の第25回会合を開催させていただきます。
 本日は大変お忙しい中、また、お足元の悪いところをお出ましいただきまして、ありがとうございました。まだ、遅れてお見えになる方もございますようですけれども、あらかじめ河野委員と高橋委員からは、小一時間遅れて来られると伺っておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは、始めに名取局長からごあいさつをお願いいたします。
名取局長
男女共同参画局の名取でございます。
 皆様本当にお忙しいところお集まりくださいまして、どうもありがとうございます。
 まず、第2次男女共同参画基本計画につきましては、お手元にございますけれども、お陰様で、昨年12月27日に閣議決定をすることができました。本当にどうもありがとうございました。
 後ほど御説明いたしますけれども、新しい計画には、主な内容といたしましては、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大、女性の再就職、起業等の支援、働き方の見直しを含めた仕事と家庭・地域生活の両立支援、科学技術ですとか防災など、新たな分野への取組み等を盛り込んでおります。
 また、「社会的性別」(ジェンダー)については、明確な定義を置いて使用するとともに、不適切な例を示すことにより、正しい理解の促進に取り組むこととしております。
 更に今回の基本計画には、数値目標を多く盛り込んでおりまして、取組みの成果をできるだけ目に見える形で示すことができるようにいたしました。
 また、国の審議会等における女性委員の参画状況につきましては、平成17年9月末現在で、女性委員割合が30.9%となりまして、平成17年度末までの、できるだけ早い時期に30%という目標を達成いたしました。
 この目標達成の実績を踏まえまして、現在の目標の期限であります今年度末までに、新たな目標を設定する必要がございます。本日は、議題(2)におきまして「審議会等における女性委員の割合の新たな目標設定について」御審議いただきたいと考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。
岩男会長
どうもありがとうございました。
 それでは、お手元の議事次第に従いまして、本日の審議を進めてまいりたいと思います。 まず、議題「(1)男女共同参画基本計画(第2次)について」事務局から御説明をお願いいたします。
定塚推進課長
それでは、資料1-1、1-2、1-3、及びその後についております参考によりまして、説明をさせていただきます。
 まず資料1-1は、今回の計画で新しく盛り込みました事項及び重要な事項のポイントでございます。後ほどごらんいただければと存じます。
 資料1-2、こちらは「男女共同参画基本計画(第2次)概要」でございまして、こちらに従いまして説明をさせていただきます。
 まず、概要の左ページの2の(1)というところに、今回の「男女共同参画基本計画(第2次)の構成」ということが書いてございます。第1次計画につきましては、今年度までのものでございまして、第2次計画につきましては、ここにありますとおり施策の基本的方向というものは、今後15年間、すなわち平成32年(西暦2020年)まで、具体的施策については、今後5年間、平成22年(西暦2010年度末)までのものということで計画を立てているものでございます。この間のものについて、各省の男女共同参画に関する施策を網羅したものが基本計画でございます。
 2ページ以降は、第2部ということで、従来の第1次計画では、11の重点目標を指示しておりましたが、今回のものでは1分野増やして、12分野ということで書いております。
 まず、第1分野につきましては「1.政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」ということでございまして、政策・方針決定過程への女性の参画の促進について、国が率先して取組を進める。また、地方公共団体、企業、民間団体等に対しても、広く呼びかけて、その取組を促進するという章でございます。
 (1)では、国の政策・方針決定過程への参画で「施策の基本的方向」の1行目にありますとおり、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待するということを、今回この計画におきまして盛り込みまして、閣議決定としまして初めてきちんと位置づけたというものでございます。
 「具体的施策」としては「ア 女性国家公務員の採用・登用等の促進」ということで、採用、登用、職域拡大、能力開発、育児休業取得等の環境整備を行うこと及び、イでございますが、本日の議論とも関係します「イ 国の審議会等委員への女性の参画の促進」ということで、1つ目は参画の拡大について新たな目標設定を検討する。まさにこの専門調査会で御議論いただくものでございます。
 2番目のポツは、審議会の女性委員の比率、人数等を定期的に調査・分析・公表しつつ、計画的に取組を進めるなどを記載しております。
 (2)は、地方公共団体の取組でございまして、地方公共団体においても、アとして地方公務員の採用・登用、イとして審議会等委員への女性の参画に関する取組について、国が支援することなどでございます。
 (3)は、企業、教育・研究機関、その他各種機関・団体等、民間団体におきましても、ポジティブ・アクション等を通じて、「2020・30」という目標に向かって、自主的に取り組んでいただくということを奨励するということでございます。
 (4)は、調査の実施、情報・資料の収集、提供ということで、女性の参画や女性の人材に関して調査を行ったり、情報提供することでございます。
 「具体的施策」の中では、アとしてポジティブ・アクションについて、具体的な措置のモデルの開発を進めて、成果の普及を図ること。
 また、イとして、女性の人材に関する情報の収集・整備・提供でございます。現在でも行っておりますけれども、更により広いシステムの構築を検討することなどを記述しております。
 次の3ページ目に、第2分野でございますが、「2.男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」でございます。
 (1)では、社会制度・慣行につきまして、男女の社会における活動の選択に中立的に働くようにというような視点から、必要に応じて見直しを行うということで「具体的施策」の中では、税制や社会保障制度等についての検討などについて書いてございます。
 また、一番下のポツでは、選択的夫婦別氏制度についての記述もございます。
 (2)は、国民的広がりを持った広報・啓発活動の展開ということでございまして、男女共同参画に関する認識を深めて、定着させるための広報・啓発活動を積極的に展開すること。その際、男性にとっての意義と責任、男性の参画というものを重視して、広報・啓発活動を行うことなどでございます。
 「具体的施策」の一番目のポツには、男女共同参画の理念や「社会的性別」(ジェンダー)の視点の定義について誤解の解消に努め、わかりやすい広報・啓発活動を進めるということを書いてございまして、「社会的性別」(ジェンダー)の視点という言葉をめぐって、計画策定までにさまざまな議論がございました。
 そうした議論の過程の中で、右側の注、*が付いているところでございますが「『社会的性別』(ジェンダー)の視点」ということで、ジェンダーというものについて、きちんと定義づけて、正しい理解を促進する。それとともに不適切な事例については、併せて示すということで、注は1.と2.を書いてございます。
 注の1.でございますけれども、人間には生まれついての生物学的な性別、セックスがある一方で、社会通念、慣習の中には、社会によってつくり上げられた「男性像」や「女性像」というものがあり、こうしたものを「社会的性別」(ジェンダー)というんだということを、まず書いてございます。こうした「社会的性別」は、それ自体がいいもの、悪いものということではなくて、中立的な意味のものであって、国際的にも使われている用語であります。
 また、「社会的性別」(ジェンダー)の視点とは、「社会的性別」が性差別や性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが実は社会的につくられているものであるということを意識していこうとする目的のものであるということが書いてあります。
 また、「社会的性別」(ジェンダー)の視点でとらえられる対象は、すべてが見直すべきものということではなくて、勿論見直すべきものがある一方で、見直す必要がないものもあるということでございます。
 2.でございますが、「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、ここに書かれているようなことを行うということは、極めて非常識である。あるいは男女共同参画の趣旨から導き出されるものではないということが書いてございます。
 元に戻っていただきまして(3)は、法律・制度の理解促進、苦情処理等のことでございます。
 (4)は、調査研究、情報の収集・整備ということで、性別データの把握のことなどが書いてございます。
 次の4ページの第3分野は「3.雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」でございます。
 (1)につきましては、現在、雇用機会均等法の改正案が今国会に提出される予定ということで、これを踏まえて、更に行政指導等を進めていくこと。
 特出すべきは(3)のイでございまして「再就職に向けた支援」ということで、「女性の再チャレンジ支援プラン」を踏まえて、再就職に向けた支援を充実すること。また、企業の取組みを促すことなどを盛り込んでおります。
 (4)におきましては、パートタイム労働者や派遣労働者など、多様な働き方をする労働者について、公正な処遇が図られるべきこと。 また、総合的な対策を推進することなどを記述しています。
 (5)が起業支援ということで、新たに項目立てをしておりまして、女性を含めた起業支援策の充実を図ることを記述しております。こちらの方も再チャレンジということに関連しまして、上の再就職と並んで起業支援ということを進めてまいりたいと考えております。
 次のページの第4分野は「4.活気ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立」でございまして、こちらの(1)は「あらゆる場における意識と行動の変革」で、食育のことなども記述してございます。
 (2)は、農山漁村における「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」ということで、農協等の女性役員や農業委員等の参画目標の設定と達成のことなどでございます。
 (3)は「女性の経済的地位の向上と就業条件・環境の整備」ということで、家族経営協定の締結の促進等のことがございます。
 (4)は「女性が住みやすく活動しやすい環境づくり」でございます。
 (5)は、高齢者ということになっております。
 次のページの第5分野は「5.男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援」でございまして、(1)では「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」ということで、両立に関しての意識啓発、制度の定着促進、及び働き続けやすい環境の整備ということで、男女ともに働き方を見直すことなどを記述しております。
 (2)につきましては、専業主婦家庭も含めた多様なライフスタイルに対応した子育て支援策の充実。
 (3)につきましては、家庭、地域に男女の共同参画、特に男性についても参画を促進することなどを記述しております。
 次のページの第6分野でございます。「6.高齢者等が安心して暮らせる条件の整備」ということで、(1)は高齢者が男女ともに社会参画を円滑に行っていけるような支援を行うこと。
 (2)は、介護体制でございます。とかく従来は、介護の負担が女性に集中していたわけでございますが、介護体制の構築を進めていくこと。
 (3)は、所得保障でございます。
 (4)は、障害者でございます。
 (5)は、高齢者及び障害者の自立のための社会基盤というものでございます。
 次のページの第7分野でございますが「7.女性に対するあらゆる暴力の根絶」。こちらの項目は、第1次計画と比べまして、かなり法制度の体制、定着が進んだ項目でございまして、全面的に書き直しをしてございます。
 まず(1)では、暴力の予防ということに焦点を当てまして、暴力を予防すること。広報啓発活動を一層推進すること。また、加害者についての再犯防止を図ることなどを記述しております。
 (2)は、配偶者暴力防止対策で、配偶者暴力防止法を踏まえて、自立支援等の施策を進めること。
 (3)は、性犯罪の対策の推進でございます。
 (4)は、売買春対策でございます。
 (5)は、人身取引対策でございます。
 (6)は、セクシュアル・ハラスメント防止対策でございます。
 (7)は、ストーカー行為への対策の推進でございます。
 次の10ページは「8.生涯を通じた女性の健康支援」ということで、(1)につきましては、男女ともにその健康状態に応じて、生涯を通じて健康保持増進できること。特に、女性については、人生の各ステージに対応した適切な健康の保持増進ができるよう、対策の推進を図ることということでございます。
 (2)は「妊娠・出産等に関する健康支援」ということで、この中には、学校における適切な性教育を推進することも記述してございます。
 (3)は、エイズや性感染症、薬物、喫煙、飲酒対策等でございます。
 次のページの第9分野は「9.メディアにおける男女共同参画の推進」でございまして、(1)は、女性の人権を尊重した表現の推進のために、メディアが自主的に人権を尊重した表現や固定的な性別役割分担にとらわれることのない表現を行うこと。 また、メディアにおける男女共同参画を促進すること等を記述しております。
 (2)については、国の行政機関が作成する広報・出版物等において、性差別につながらない表現を促進することでございます。
 次の12ページは「10.男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」でございます。
 「(1)男女平等を推進する教育・学習」ということで、教育のあらゆる場面において、男女平等の理念を推進していくことなどを記述してございます。
 この中の「具体的施策」のエのところでは「教育関係者の意識啓発」のことなども記述してございます。
 右側の(2)でございますが「多様な選択を可能にする教育・学習機会の充実」ということで、女性のエンパワーメントに寄与するために「ア 生涯学習の推進」や「イ エンパワーメントのための女性教育・学習活動の充実」など、及び進路・就職指導において、役割分担にとらわれないような進路・就職指導の在り方等について記述をしております。 次のページは、11分野の国際分野でございます。「11.地球社会の『平等・開発・平和』への貢献」ということで、(1)では、国際的な規範や条約、基準等を国内に積極的に取り入れることを書いております。
 (2)については、政府開発援助(ODA)の分野におきまして、「ジェンダーと開発イニシアティブ」に基づいて、男女共同参画の視点に立ってODAを進めていくこと、ジェンダー平等を進めていくことなどを記述しております。
 次のページの第12分野は、最後の分野でございます。こちらの分野が、今回第2次計画で新たにつけ加えた分野でございまして、内容としては4つの分野に分かれております。 まず「(1)科学技術」でございまして、女性研究者の採用機会の確保や勤務環境の充実、政策・決定過程への女性の参画割合を高めることなどを記述しております。
 「(2)防災(災害復興を含む)」につきましては、男女のニーズを把握して、防災対策を進めることなどを記述しております。
 「(3)地域おこし、まちづくり、観光」は、女性の進出がかなり進んでいる分野ではありますが、更に政策・方針決定過程へ女性の参画を拡大すること。また、女性が参画した地域づくりの優良事例を普及することなどを記述しています。
 最後の「(4)環境」につきましては、女性の高い関心、知識や経験がより広く生かされるように、政策・方針決定過程への女性の参画を拡大することなどを記述しております。 最後のページは「第3部 計画の推進」でございまして、計画を推進するための体制や、その他の事項を記述しております。
 「3.女性のチャレンジ支援」ということで、3つのチャレンジ、上へのチャレンジ、横へのチャレンジ、再チャレンジを進めることなどを記述してございます。
 本体の方は、資料1-3の冊子がございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 参考の方で2つお配りしてありますが、上の方「府共第54号」というものが、昨日付で発出しました、男女共同参画局長名の各都道府県知事あての通知でございます。
 次の「『ジェンダー・フリー』について」という事務連絡でございまして、この事務連絡の3ページ目を見ていただきますと、ジェンダー・フリーという言葉につきましては、この用語をめぐる誤解や混乱を解消するために、地方公共団体においても、今後はこの用語を使用しないことが適切と考えていますということで、国だけではなくて、地方公共団体においてもジェンダー・フリーという用語は使わない方が適切であるということを、示させていただいております。 以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見がございましたら、どうぞ御発言いただきたいと思います。
 住田委員、どうぞ。
住田委員
今回の基本計画をこうやってまとめていただくに当たりましては、特にジェンダーという用語がある意味では大きな問題になりましたけれども、大臣始め皆様の御努力によって、誤解を解いて、広く啓発を進める上でも大事な用語が残って、きちんと計画に盛り込まれており、私ども心から喜んでおります。皆様方の御苦労に対しては、心から感謝したいと思います。どうもありがとうございました。
 これから大臣始め皆様方が、このためにいろいろ動かれると思いますが、私どももできる限りお手伝いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
岩男会長
ほかに御意見がございましたら、お願いいたします。
 大変事務方が御苦労なさって、昨年のうちに閣議決定ができたと。本当に御苦労様でございまして、御努力に感謝したいと思います。
名取局長
ありがとうございます。
岩男会長
ほかにいかがでしょうか。室伏委員、どうぞ。
室伏委員
遅れてまいりまして、申し訳ございませんでした。
 科学技術の領域についての記載を入れていただきまして、ありがとうございました。私たちは、科学技術分野で活躍する女性の割合が非常に少ないということを普段から感じております。若い人たちにも啓発活動などをしておりますけれども、このような形で第2次基本計画に中に入れていただくということで、国を挙げて女性研究者を支援するという姿勢が明らかになったと思いますので、本当に嬉しくと思っております。ありがとうございました。
岩男会長
いかがでございましょうか。御自由に御発言いただいて結構でございます。 久保委員、どうぞ。
久保委員
先ほど住田委員の方からジェンダーという言葉をめぐって、大変いろいろな問題があって、その中で非常によくやっていただいてという御発言でしたが、新聞報道等で多少わかっておりますが、この場にいらっしゃる皆様は、具体的にどの程度御存じなのか、それを知る必要がもしあるのであれば、伺わせていただくのがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
岩男会長
そうですね。今後、基本計画についても、いろんな場面で委員の皆様方はお話になったり、御説明になるような機会があると思います。そのためにも、先ほどから御苦労という言葉で表現をいたしましたけれども、お差し支えのない範囲で、どういうところが問題になったのか。そして、今後、私たちとしては、ある意味では基本でないところで大変に大きく取り上げられ、そして大変大きな労力、エネルギー、時間を費やさなければならないようになったわけで、今後どういうことに気をつけていかなければいけないのか。一人ひとり関係者として啓発活動をする上でも、その辺りを少し理解しておいた方がよろしいと思いますので、御説明いただければと思います。
定塚推進課長
この計画をまとめるに当たっては、経緯としては、5月に中間整理というものをまとめまして、その後、国民からの意見募集、パブリック・コメント及び公聴会を行いました。その場面で、まず多くの意見が寄せられたということがございまして、その意見及び当時の自民党の意見を踏まえて、7月には答申をまとめていただいて、参画会議の方から政府に答申をいただいたということがございます。 答申の過程では、ジェンダーという言葉が課題として残っておりまして、ジェンダーという言葉について、引き続き基本計画の専門調査会で議論を行うということになっておりましたので、9月~10月にかけて、基本計画専門調査会でジェンダーという言葉について御議論いただいて、まとめていただいております。
 それらを踏まえまして、政府として最終的な計画案を、我々と各省庁との間で調整をして、最終的には12月に与党、自民党及び公明党にお示しをして、自民党と公明党それぞれの御意見をいただいて、それを調整しながら最終的に閣議決定を27日に行ったというものでございます。
 特に問題となった論点としましては、一番大きかったのは、先ほど御説明しましたジェンダーという言葉でございまして、特にジェンダー・フリーという言葉で、概要の3ページの2に書かれたような男女同室着替えや同室宿泊、混合騎馬戦等が行われていると。男性と女性を同一視するような教育が行われているという批判がかなりございました。こうした発達段階を踏まえない同室着替え、同室宿泊、混合騎馬戦等は確かに不適当であるということでございますので、それはきちんと不適当という形で書いて、適当な、まさに正しいジェンダーという視点を広報啓発していくということによって、むしろこうした誤解や混乱も解消しようという立場に立って、このような注をきちんと加えていくということ。また猪口大臣が率先して、全国各地でこの内容を広めると、きちんと正しい理解を広めるということで、ジェンダーの視点に注を付けるということにしたわけでございます。
 また、3ページの(1)の一番下、選択的夫婦別氏制度につきましても、さまざまな御意見がございました。これは進めるべきという御意見、逆に進めるべきでないという御意見が両論ございまして、政府の立場としては、あくまでも選択的夫婦別氏制度につきまして、国民に広くお知らせをして議論をしていただくという趣旨でございましたので、その旨の文言として最終的に固めました。
原田審議官
若干、ジェンダーとジェンダー・フリーに関しての議論を補足いたしますと、先ほど定塚課長から説明しましたように、概要版の3ページの*マークの2ポツのところに記述がありますとおり、さまざまな現場での問題事例は、ジェンダー・フリーということで行われているケースがあると。かつジェンダーという言葉とジェンダー・フリーという言葉は、必ずしも明確に区分けされないでいる場合もあり得るということで、議論の過程ではそういう混乱を引き起こしている一番大もとにジェンダーという言葉、概念があるとすれば、それを見直すべきではないかという議論も一時あったわけであります。
 勿論私どもとしては、ジェンダーという概念、あるいは言葉が1ポツにありますとおり、男女共同参画行政を進めていく上で大変重要な概念であり言葉であるということを、説明いたしました。その上でジェンダーの正しい理解を深めていく、広げていくということは、大変重要なことでありますので、それを1ポツにきちんと明確な定義を置いて説明し、かつ2ポツで、そういった混乱あるいは誤解を引き起こしているジェンダー・フリーという用語の使用については、男女行政、男女共同参画社会の目指すところとは違うんだということをはっきりしていこうということでございます。
 一口で言えば、一部にある誤解あるいは混乱を正しつつ、正しいジェンダーの理解を進めていくということが議論の中で必要不可欠ということになりまして、こういった結論といたしているいうことです。
大橋委員
そういう意味では、実は各都道府県に出されます「『ジェンダー・フリー』について」というペーパーの中で、一番最後の2の注意書きのところに、ジェンダー・フリーについては云々で、この用語は使用しないとばちっと書いてあるので、これだと、これしか書いていないものですから、ジェンダーという言葉そのものも否定しているような印象を与えるんです。ジェンダーという言葉自身は、国際的にも一般的に使われる言葉ですから、ジェンダーという言葉を使うことについては、誤解を招かないためにも、むしろもっと肯定的に書いてもらった方がいいのではないかと。
 つまり、今、審議官から説明された内容があれば、あのときの議論でも、ジェンダー・フリーという言葉も大事だという意見もありましたね。
名取局長
それは1と2に明確に書いておりまして、1の方を見ていただきますと「1.基本計画においては、以下のとおり、「社会的性別」(ジェンダー)の視点について明確な定義が示されて使用される」と書いてありまして、章を見ていただきますと「具体的施策」のところに「○わかりやすい広報・啓発活動の推進」とあります。これは、先ほど定塚が御説明したところです。
 次に「○多様な媒体を通じた広報・啓発活動の推進」とございまして、ここでは「男女共同参画に関する認識を深め、社会的性別の視点を定着させ、職場・家庭・地域における様々な慣習・慣行の見直しを進めること等を目的として、広報・啓発活動を展開する」としております。ですから、今のような御意見は確かにあり得ると思いまして、ジェンダー・フリーであれば、そこだけ書けばよろしいんですが、きちっと1でここまで書いたというのは、こういうふうなことです。
大橋委員
つまり、私は思うんですけれども、ジェンダー・フリーという言葉も本当は悪くないんです。あのとき内永さんが言われたように、フリーというのは非常に持つ意味が広いので、日本はその言葉を制限的に扱っていると国だと国際的に思われると、ジェンダー・フリーという言葉も国際的には、要するにおかしな言葉ではないんです。随分そういう議論があったと思います。ただ、誤解されているところというのが非常に強調されて、確かに事例はよくないわけです。だから、そういうところばかりにすごく焦点が当たって言われているので、そのとき議論が確かにありましたけれども、だから、もう少し地方公共団体にぼんと出されるときに、そういう経緯がある程度、これはほかに補足説明みたいなものは何か出るんですか。
定塚推進課長
地方公共団体には、今、大臣が筆頭で全国を歩いて説明していて、正しいジェンダーとジェンダー平等は推進すべきだということを、語っていただいています。
住田委員
ちょっと私から補足をさせていただきたいと思います。 ジェンダーの本来の私たちが使っていた用語は、社会的・文化的に形成された性別ということだったわけで、それが全く最初の原案だったと記憶しています。よろしいですね。文化的性別ということを書くことに対しては、やはりそれなりに誤解を生じるとか、ひっかかりがあるとかという御意見があったやに私は伺っておりまして、男女共同参画を言うときに、いろんな伝統的な行事、ひな祭りとか、そういうものに対しての文化的なものをどうするかというと、そこまで踏み込まないとこちらでは書いてあるわけなのですが、それが入ることに対して、難色を示される御意見があったと聞いております。ですから、微妙なところでの対立とか誤解、そういうものが残っていることは事実ですので、ジェンダーの話をするときには、そういうことも含めて御説明する必要があるだろうと思います。 私は、結果的にジェンダーという言葉をわかりやすくするために、短くなったこと、結果としては大賛成なんですけれども、やはり文化的という言葉にひっかかりがあるという現実だけは、皆様には御理解いただいておいた方がいいかなと思いました。
岩男会長
私は、大橋委員がおっしゃることは非常によくわかります。といいますのは、ここに例示されていることは、男女共同参画とはもともと関係ないことなんですよ。しかし、もともと関係ないところで問題にされたことが非常にわかりやすい例なものですから、否定的なメッセージとして伝わりやすくなり過ぎてしまったという御懸念だと私は思います。
 確かにジェンダーについて議論をいたしましたときにも、この事例は落とすというのが私たち委員の最終的なコンセンサスだったんですけれども、いろいろ紆余曲折があったに違いなくて、こういう形で入ったわけです。
 ですから、注文をつければ、例えば国際的にも使われているというだけではなくて、国際的にも広くと一言入れてほしかったとか、いろいろ内心はあるわけでして、その辺はこれからの御説明のときにも、できるだけ私たちのそういう気持ちが伝わるような形で御説明をいただければと思います。
 と同時に、ジェンダーを毛嫌いなさっておられる方がいらっしゃるわけですけれども、そういう方の誤解を解くことも必要だと思います。つまり、国によって、社会によって、ジェンダーの使い方が違うから、そんなものはおかしいという御議論ですけれども、それは定義からみてもおかしいんです。つまり、社会文化的に形成されたということは、社会や文化が違えば、当然それぞれの社会でのジェンダーの内容は違ってくるわけですから。そういう誤解は時間をかけながら正していただかないと困ると思います。その辺りも見据えながら、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
名取局長
政府も努力しますけれども、是非皆様方もよろしくお願いいたします。
坂本委員
ジェンダー・フリーの濫用というか、誤解を解くという事例を挙げていただいたことに対して、実は子育てをしているお母さんたちは、学校のこととかが出ているので、これでとてもわかりやすくなったとおっしゃったんです。ジェンダー・フリーという言葉で、行き過ぎたやり方というのが進んでいっているような印象をあの論争の中で持っていた方もやはりいらっしゃって、それとは違うことなんですときちっと書いてくれたことで、逆に一般の人にとっては、わかりやすくなったという回答が多かったので、とても身近な内容になっているのではないかと私は思いました。ちまたの御反応というところです。
岩男会長
五條委員と辻村委員から、お手が挙がっていたと思いますので、どうぞ。
五條委員
基本計画のことをめぐって、年末に閣議決定されたということもあって、いよいよ基本計画の推進に向けた局面にもう既に入っているということで、私も先月1月に農村に出掛けた中でも、閣議決定されたことを前提にして、どう普及、推進しようかという呼びかけをするような場面もあえてつくるようにしてきました。
 そういう中で、基本計画の普及、推進について、当面差し当たって、推進する際に共通の素材になるものというのが非常に大事だと思うんですが、今日出ているようないろいろな資料に加えて、やはり大事なことは、閣議決定後にどういう報道がされているか。具体的に言えば、一般紙などで、特にこれについて新聞記事で取り上げられたものとして、主だったものはどういうものがあるのか、あるいは特集などが組まれたものがあるのかどうかということについて、教えていただきたいです。
 それから、各委員の先生方でもそれぞれいろんな分野のことに関連されているので、それぞれの業界紙などでどんな報道がされたか。主だったものがもしあれば、情報として教えていただきたい。
 そういうことを共有することが、結果的にこれから課題を普及していく上で、非常に大事な材料になるのではないか。今のジェンダーやジェンダー・フリーの言葉のことをめぐっても、特にどういう報道がされているかということも新聞記事などであれば、是非教えていただきたいということです。
 ちなみに農業関係では、唯一の農業関係の日刊紙で、12月28日の3面で、こういう計画が閣議決定されたということの情報と、1月の初めのころだったと思いますが、論説で農林水産分野でどういうことが基本計画で挙がったかということが、ちゃんと書かれた新聞が出ました。特に、女性の固定資産の形成の問題が書かれたことが大事だと、論説の中でちゃんと言われたということが、私としては非常に印象深かったし、そういうことが記事で言われたということは、非常に良かったことであります。
 そんなことで、これをめぐる新聞記事などについて、情報を共有化できればと思います。○岩男会長 今の点は、事務局にお願いをしておきたいと思います。
名取局長
はい。
岩男会長
それでは、辻村委員どうぞ。
辻村委員
恐縮でございます。
 ジェンダーという言葉が今回の基本計画に残ったということは、非常に重視したいと思います。一般には、ジェンダー・フリーというものについての誤った見解といいますか、誤解から、最近ではだんだんとジェンダーという言葉の使用をめぐっても、一種言葉狩り的な傾向が出ておりまして、これは学術分野についても影響を与えつつあるということで、大変危惧しているところでございます。
 先ほどジェンダーという言葉は、既に国際的にも広く定着という言葉がございましたけれども、これは学術用語として定着し、かつジェンダーをめぐる学問というものが世界的に確立されているわけで、今後ますますジェンダー教育が必要になってきている。日本はこれに対して、非常に遅れをとっている。そういう状況にあるにもかかわらず、ジェンダー・フリーに関する誤解を理由として、この誤解というのもかなり恣意的な意図があったかもしれませんし、誤解をしたことについて、どこに責任があったかということは、ここではあえて申しませんけれども、学術分野についてのジェンダーの語使用抑制の傾向というものが表れてきているとすると、これは大変ゆゆしき問題だと思いますので、この点については、この委員会でも今後検討しなければいけないと思います。
 一言申しますと、日本学術会議の方でも学術分野への制約傾向といいますか、そういった問題について非常に重視して、委員会を立ち上げて、今後検討しようと考えているところでございます。一言追加させていただきました。
岩男会長
では、桜井委員の御質問でおしまいにしたいと思います。
桜井委員
五條委員の意見と重なるところもあるんですけれども、やはり内閣府というか国がこういう計画をつくって、それが地方にどう浸透していくかということなんですけれども、例えば地方の女性議員の集まりなどに行きましても、あれは一体どうなったのということで、閣議決定ということさえ知らないんです。つい1週間前の話なんですけれども、十分な情報が入っていないという状況でございます。
 私どもは、男女共同参画センターで仕事をしていますから、私はたまたま委員をさせていただいて情報がきますので、これを基に男女共同参画センターで働く職員には、今こういうふうな定義づけというか、新たなこういうことができてということは、ちゃんと伝えてはおりますが、なかなか現場に情報が伝わりにくいと。
 そして、今度、神奈川県でやっていただけますね。そういう情報も都道府県、政令市経由できて、そういうものがあるのね、では行きましょう、声かけましょうということになりますけれども、なかなかそこから先に、更に出ていかないので、どういうふうに現場に届けるのかということを、これまで以上に私どもも含めて、やっていかなければいけないのかと思っております。
 内閣府としては、例えば「『ジェンダー・フリー』について」という事務連絡をおつくりになって、これを更にわかりやすい形でリーフレットではないですけれども、あるいは概要というか、ポイントをまとめたようなものをお出しになるような御予定があるのかどうか。
 この計画が閣議決定された中身について、どういう形で普及をお図りになるのかということを伺いたいと思います。
岩男会長
それでは、今日のメインの議題の(2)に移りますけれども、その議題の御説明を定塚課長からいただくときに、ただいまのことも含めて、一言お答えいただければと思います。
 「(2)審議会等における女性委員の割合の新たな目標設定について」という議題に移りたいと思います。
定塚推進課長
では、資料2-1と2-2ということで、御説明を申し上げたいと思いますが、最初に今の桜井委員のことについて御回答申し上げますと、概要については作成中でございまして、なるべく早くつくりたいと思います。
 周知につきましては、今のところは先ほど御紹介がありました、各県及び市町村の職員及び議会議員と、女性センター等の職員向けに全国10ブロックで研修会を行う。それには大臣が直接行ってお話をするという予定でございまして、これは大体4月中ぐらいに全国行脚して終わるということにしたいと思っています。情報の周知につきましては、これから女性センター長会議等もありますので、そうした場でもよくお知らせをしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 資料2-1の方でございます。本日は、国の審議会の女性委員割合の目標について御議論いただくということでございまして、おおむね今回と次回ということで御検討いただければと考えております。
 資料2-1の方は、基本的な資料でございます。
 まず1ページの表紙でございますが「1.経緯」ということで、これまで平成12年8月に定められた30%という目標がございました。この目標に基づきまして、審議会の女性委員の登用を進めてきたわけでございますが、昨年9月30日現在の調査で、女性委員割合が30.9%ということになりまして、目標期限より半年早く30%の目標を達成したというところでございます。したがいまして、この目標を今後どうするかということを御議論いただきたい。
 なお、第2次基本計画においても、先ほど御紹介したように、新たな目標設定を検討するということにしておりまして、現在の目標の期限である年度末までに新しい目標を設定する必要があると考えております。
 資料を1枚おめくりいただきたいと思います。こちらの資料は、11月に公表しました最新の「国の審議会等における女性委員の参画状況調べ」でございます。
 1ページおめくりいただきますと、2ページ目に総括的なことが載っておりますが、2の(1)でございます。国の審議会等委員は合計で1,792 人のうち、女性は554 名で、30.9%でございます。
 女性委員を含む審議会は、104 のうち103 。
 女性委員の占める割合が30%の審議会は76で、全体の73.1%でございます。
 また(6)でございますが、会長が女性の審議会は、104 のうち2となっております。 4ページ目をごらんいただきますと、過去の推移がグラフになってございます。見ていただければわかりますけれども、昭和50年の2.4 %から、目標を設定して、それに向けて努力をしてきたという成果が実りまして30%。特に、平成11年、12年辺りからの増加が著しいところでございます。
 次の5ページは、30%以上の審議会の一覧。
 6ページは、30%未満の審議会の一覧。
 7ページでございますが、府省庁別の女性委員の参画状況ということで、各府省庁別に何%になっているか、割合が書いてございます。30%を達成しているところも多いわけでございますが、中にはまだかなり低いという省庁もありまして、多少ばらつきがございます。
 また、表5では委員の種類別ということで「職務指定」。この職の方をということで、法律あるいはその他で指定されている職の委員は、合計で53名おりまして、このうち女性委員は2人だけということになっています。
 また「団体推薦」。特定の団体からの推薦をお願いしている委員につきましては、80人。こちらの方は11人、13.8%ということで、職務指定や団体推薦については、女性委員の参画がなかなか難しい状況が表れております。
 次の8ページでございます。以上のデータは、国の審議会等の本委員のデータでございますが、こちらのページは専門委員ということで、専門委員、臨時委員等の女性委員の割合でございます。
 こちらの方は、平成17年9月末で全体で9,039 人。本委員が1,700 人程度でしたので、専門委員の方がかなり人数が多くなっておりまして、この中では女性は1,165 人、割合としては、12.9%となっております。
 「2.府省庁別参画状況」は、以下でございます。専門委員の場合は、かなり人数が多いということ、また高い専門性が求められる場合も多いということなどから、割合が低くなっておるものと思われます。
 次の9ページが、冒頭お話しました現在の目標でございます。形としては、男女共同参画推進本部決定ということで、関係閣僚がすべて入った推進本部における決定という形で、この目標を定めております。今回についても、最終的には男女共同参画推進本部決定という形で、目標を定めたいと思っております。
 内容としては、このときに20%を達成したので、それを踏まえて、17年度末までのできるだけ早い時期に、ナイロビ将来戦略勧告で示された国際的な目標である30%を達成するよう、鋭意努めるものとする。なお、臨時委員、特別委員、専門委員等についても、女性の積極的な登用に努めることとする。こうした取組みを計画的に進めるため、女性委員の人数、比率等を定期的に調査・分析・公表することとしております。
 次の10ページの資料は、今までの資料の次の資料でございますが、前回のこの専門調査会の方で御質問がありました、審議会等委員の兼職の状況でございます。女性委員について、兼職を除いた総数というものを調査いたしましたところ、420 人ということでございまして、このうち2つの審議会を兼職している女性委員の方が64人、3つが20人、4つが10人ということで、兼職の割合、ポストで見ますと41.2%でございました。
 なお、これと同じ時期の男女計の調査というものがございませんので、約一年前の調査のデータを参考ということで掲げております。こちらの方は、男女計でございまして、1,132 人。うち兼職委員がここに書かれているとおりで、兼職割合は33.5%ということでございまして、やはり若干女性委員の方が兼職割合が高いという状況になっております。
 次のページの資料は、審議会等委員の女性の登用についての数値目標の過去からの変遷でございます。昭和52年から、当時は婦人問題企画推進本部決定という名称でございますが、そのような形で逐次目標を改定してきたというものでございまして、次の12ページの方に、よりわかりやすい形でグラフとしてお示ししております。
 こちらのグラフで、横の方向に矢印が入ったものが目標でございまして、直近のものは平成12年に、17年度末まで30%という目標を掲げて、30%を無事達成したというものでございます。
 次の13ページの資料は、地方公共団体における目標設定の状況と、実際の女性委員の比率でございます。都道府県及び政令指定都市について掲げてございますが「都道府県政令都市」名の右側に書いてある「目標値」が、各都道府県で設定をしている目標値でございます。30%としているところ、あるいは40%、50%としているところ、33.3%、3分の1としているところ、あるいは35%としているところなど、さまざまな目標設定がございます。基本的には30%以上ということで、すべて構成されております。
 実際の比率は一番右端にございまして、これはかなり各県のばらつきが激しくなっております。一番高いのは、鳥取県でございまして、42.3%となっております。一方で、一番低いのは東京都でございまして、21.7%となっております。合計で見ると、29.8%という数値となっております。ただし、こちらの数値の方は、昨年4月1日現在でございまして、御紹介した国のデータの方は、9月30日現在でございますので、約半年の差があるということを御承知置きいただきたいと思います。
 次のページは、諸外国の取組み例ということで、幾つかわかっている例について御紹介しています。
 まず、韓国でございますが、各種の委員会の女性の登用について、従来の目標率は30%でございますが、これを2002年に実現したということで、その後の計画で40%に引き上げて、2007年までの実現を目指しているということでございます。
 EUでございますが、EUでは欧州委員会の中の組織の1つである専門委員会や専門家グループについて、男女それぞれ少なくとも40%という目標を設定して、加盟国について、男女それぞれの候補者を提示するように要請をしております。
 また、パネル、諮問委員会、フェローシップ・プログラムにおいて、目標値を設定していると聞いております。
 ドイツにおいては、クォータ制ということで、法律に基づいて割り当てポストを、それぞれについて女性1名、男性1名を指名推薦するということを義務づけているという情報がございます。
 その他、北欧等においても、以前から40%という目標設定をしていると伺っております。 次のページでございます。こちらも前回の調査会で、委員の方から御要望があった資料でございまして、女性委員が増加したことによる効用、効果というものは、どのようなものであるかという点について、各府省に問い合わせをした結果をとりまとめたものでございます。現在ある103 の審議会すべてについて照会をしまして、すべてについて回答をいただきました。
 このうち46審議会について、効用があったという回答がございまして、主な意見としては、下に書かれたとおりでございます。おおむね、幅広い意見、視点から議論が行えるとか、バランスのとれた答申を行えるようになったとか、議論に厚みをもたらした、さまざまな立場からの意見をいただいたというようなものがございました。
 女性(働く女性・主婦)としての視点からの意見をいただけたということ、女性ならではの視点や経験・体験からの問題点の提議。議論が活性化していく。主婦としての立場からの発言。女性研究者の活躍促進のための取組みに関する情報が得られやすくなった。生活・文化・芸術に関する貴重が意見が増えた等でございます。
 次のページでございますが、消費者や国民の目線に立った意見が増えたということで、消費者、利用者の視点、一般消費者の視点で、率直な発言をされることから、議論が活性化している。生産者サイドの意見に偏りがちな議論の方向を修正できた。国民の目線に立った議論、一般消費者としての視点、全国民的な視点に立った議論、各種基本計画の内容の幅が広がった、わかりやすく親しみやすくなった等の意見がございます。
 また「その他」としては、会議の雰囲気が和やかになったとか、女性委員を登用することによって、専門分野の女性の人材育成への効果ということも生まれている等の御回答がありました。
 また、特に効用がないと回答しているのは、全審議会中44審議会ございました。効用が不明、特定が困難が4審議会。審議会発足当初から増加していないという回答等は、9審議会でございます。
 効用は特にないとする理由としては、特に男女の性別による差違は見られない。あるいは法施行型の審議会なので、具体的な効用は特にない等のものがございました。
 次のページの資料でございますが、先ほどの資料と同時に「女性委員の登用に当たって苦労している点」について尋ねましたところ、全審議会103 審議会中、88の審議会が登用に当たって苦労しているという回答がございました。
 主な意見としては、審議内容に関しての知識・経験を有する専門家が少ない。これは75の審議会が回答しています。また、女性専門家は少ないので、審議会については、上限が4という兼職制限規定がございまして、こうした規定に触れたり、多忙ということで断られてしまう。あるいは団体推薦委員、職務指定委員について、女性委員の就任が難しい。情報が少ない。公募制を導入しているけれども、応募者は男性が多い。一定以上の知見を有して、自分自身の意見を表明できる女性がなかなか見つからない。また、それぞれの分科会に、本委員
 から選定された分科会長、代理を置いているため、本委員のうち大部分について分科会長等を務めるだけの権威ある人材を登用していく必要があるが、座長にふさわしい専門家がなかなかいないといったような意見がございました。
 また「その他」の意見としては、消費者サイドの男性委員の確保が長期的な課題であるということ。また、女性専門家が少ないこと等から、女性委員登用に時間と労力がかかるということで、比率の縛りが過度にきつくなると、委員としてふさわしくない方を委嘱せざるを得なくなるという懸念がある等の意見もございました。
 次のページは「審議会等委員への公募制の導入状況」でございます。こちらも前回御要望があった資料でございます。全部の審議会の中で、委員公募制という形で導入をしているのは、3つの審議会でございまして、いずれも農林水産省の審議会でございます。
 まず「1.食料・農業・農村政策審議会」でございますが、こちらの方は、プレスリリース等によって、意見・提言を1,200 字以内でまとめて提出する。選考委員会において、選考するということで、こちらに書いてありますとおり、男女それぞれが公募から採用されています。
 また「消費・安全分科会臨時委員」というものにつきましては、専門分野の専門知見を有する方を公募しているということで、登用実績としては、男性のみでございました。
 また「2.農林物資規格調査会」も、小論文を提出するということで、次のページのとおり、登用実績は女性だけでございました。
 最後が「3.水産政策審議会」です。こちらも意見・提言を出すというもので、男女ともに採用されているというような状況でございます。
 引き続きまして、資料2-2を説明させていただきます。
 こちらは、本日御検討いただきたい事項ということで、用意しておりまして、上の囲みの中は、先ほど御紹介しました現在の目標を書いてございます。
 下が検討事項でございまして、まずA目標値について。現在の目標値は30%でございますが、これをどうするかと。簡単に言えば、維持するのか、上げるのかということで、上げる場合に数値をどうするかということで、例としては3分の1、35%、40%などと書いてございます。
 Bが目標を設定した場合の期限でございまして、今後5年間、10年間、15年間ということで、5年間の場合は2010年、10年間は2015年、15年間ですと2020年ということでございます。ちなみに2020年ということですと、指導的地位に占める女性の割合が30%という年度とちょうど同じということになっております。
 これらについて、御意見をいただきたいと思っております。以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 それでは、新たな数値目標に関する検討を始める前に、ただいまの御説明につきまして、何か御質問がございましたら、それについて5分ぐらい時間をとりたいと思います。よろしいですか。特にございませんか。
 寺尾委員、どうぞ。
寺尾委員
13ページのところに「地方公共団体における目標設定の状況と女性委員比率」という一覧表がありますが、右から2つ目の欄を見まして、引き算をすると、女性が全くいない審議会というのが、それなりにあるということがわかりますね。例えば、その内訳を知りたいと思ったときに、どこかに行くと資料が得られるのでしょうか。
 実際のところ、非常に興味があります。
 自治体にお尋ねになるときに、効用ということで素直に書いてきてくださっているところは、それ以上意地悪なことを聞かないのが礼儀なのかもしれませんけれども、なぜそういう効用があるのがわかっていたのに、今までしなかったんですかとか、踏み込んで聞けると、もっといろんなことがわかっていいなと思いました。
大橋委員
私は13ページが非常に重要なページだと思うんですが、首都である東京がびりだというのは、世界の首都比較をすると、無残な数字になるのではないかと思います。逆にそれを是非していただきたいです。これは、知事のリーダーシップが非常に高いところがなっている。片山知事だから鳥取県が1位になっているんです。だから、トップがその気になったら、こういうのは一気に変わるんです。だから、トップが全くその気ではないと逆になるのではないかと思います。ですから、日本の恥ではなくて、世界の恥です。だから、首都比較というのをして、そういう表をつくってください。
寺尾委員
こういうふうなものが表に出せるのならば、出した方がいいと思います。
岩男会長
これは出しても、構わないのではないのではないですかね。
大橋委員
これを出したら、非常にいいと思います。
寺尾委員
出すのが一番、いいことだと思います。
大橋委員
東京都はびりですね。世界で恥ずかしいです。人材が一番多いのが、東京都ですからね。東京都の人材はいっぱいおられるではないですか。ここの人材がいないからというのには、当たらないんです。本当に情けないです。
定塚推進課長
この資料自体は、既に先月末に公表をしております。
寺尾委員
それと、ここに行くと面白い資料が見られますと言って、それなりの方たちにテークノートしていただくことが大事ですね。
岩男会長
もう一つ伺いたいのは、公募は3審議会だけで、そのデータをいただいているんですけれども、応募者のデータというのが入っていないんです。つまり公募をしたときに、男性、女性がそれぞれが、どのぐらい応募されたのか。結果だけがここに出てきておりますけれども、応募に関する情報もいずれ教えていただければと思います。よろしいでしょうか。
久保委員
2つ簡単によろしいですか。
 7ページの表5のところですが、去年9月で職務指定と団体推薦がこのパーセントですから、今もってそうなんですが、大変だったとは思うんですが、どのぐらいの比率で上がってきているのか。その推移はどのようになっているのでしょうか。
 14ページに諸外国の取組例とありますが、これは設定値でありまして、実際にこの目標を立てて、その結果の実数はどうなっているのでしょうか。
定塚推進課長
前者の7ページの職務指定と団体推薦の推移というのはございますので、次回きちんと数値を出そうと思います。去年のデータも手元にありませんので、またお見せいたします。
 ただ、国の場合の職務指定、団体推薦は、しばらく前にこの人数をかなり落としたということがございまして、それ以前はもっと人数自体が非常に多かったんです。全体に与える影響も大きかったんですが、今、全体に占める割合が非常に少なくなっていると。一方で、地方の方ではまだかなり残っているという状況と伺っています。
岩男会長
よろしいでしょうか。
 それでは、目標設定について議論を行いたいと思います。現在の目標は、審議会の本委員について、17年度末までに30%を達成することとされているという、先ほどの御説明のとおりなんですけれども、次期の目標において数値をどうするのか。それと当然連動するんですけれども、達成期限をどうするのか。対象の範囲というものもあると思います。例えば、今、専門委員は努力目標になっていて、数値目標にはなっていないわけですけれども、そういったことについて、どういうふうにしていくのか。つまり、本委員以外の扱い方をどうするかということなんですけれども、そういった点につきまして、御自由に御意見をいただきたいと思います。
 冒頭に私がこういうことを申し上げるのはあれかもしれませんけれども、審議会を減らす方向で、国の方針があるという状況が1つあります。
 そして、これは委員を何%、女性を何%とすることは、言わばゼロサムゲームなんですね。ですから、女性が増えれば男性が減るということを意味する。そういうこと踏まえて、議論をしなければいけないということなんだろうと思います。
 そのぐらいにしておきまして、後は御自由に御議論いただければと思います。辻村委員、どうぞ。
辻村委員
前回発言させていただいた内容と同じでございまして、恐縮でございますが、この問題を検討するに当たって確認させていただきたいのですが、今回の基本計画にもあります、平成15年度の本部決定である指導的地位に女性が占める割合30%という概念規定と、審議会等の女性割合の目標との関係を、どのように考えたらいいのかということです。「ナイロビ勧告の国際水準を踏まえ」という形で、チャレンジ支援策で30%という数字が出てきたと思いますけれども、ナイロビ勧告と全く同じではなかったと思います。ナイロビ勧告の場合は、御承知のように、政府、政党、労働組合、職業団体、その他の団体の中で30%にしなさいという話で、本部決定の方はそれを踏まえて、民間に先駆けて政府でするんだということだったと思うんですけれども、指導的役割というものと審議会というのは、ある程度重なっているとは思うんですけれども、本質的に違う部分があると理解してよろしいですか。
 前回も公募ということが出ておりましたけれども、民意の多様性を確保するといいますか、そういう多様な意見を確保するということに主眼があるとすれば、選出母体は有権者男女50%比率ということで、よろしいでしょうか。
 これに対して、専門委員などは専門性を前提といたしますので、50%ではないということでよろしいですか。
 指導的地位の場合も、国会議員などは、有権者の資格というのは国民の資格ですから50%母体でいいのですけれども、例えば裁判官などは、司法試験に合格した人が基本になりますから、選出母体はもう初めから24%ぐらいしかないということで、それぞれ違います。
 繰り返しですが、指導的地位に30%というのと審議会の30%とは、直接結び付かない、あるいは全く同視されるものではないと考えてよろしいですね。
岩男会長
いかがでしょうか。私は、一応切り離して議論をしたいと思うんですけれども、それはどうぞ御自由に御意見をいただきたいと思います。
辻村委員
そうでないと、40とか50とかという議論は、ある意味できないことになってしまいますね。そこはよろしいですか。
岩男会長
もう既に30%を達成しておりますしね。
辻村委員
わかりました。
岩男会長
議論しやすいところといいましょうか、対象の範囲をどうするかという辺りで、まず御意見をいただきましょうか。審議会の本委員だけでよろしいでしょうか。
 もう一つ、私が疑問に思うのは、審議会でない委員会、例えば国家公安委員会などというのは、その1つなんですけれども、入っていないわけですね。そういう会議でこういうところに入ってこないものに、どういうものがあるんだろうかという、その辺りを少しはっきりさせる必要があるのではないかと思います。
辻村委員
その前提で、ここでいう国の審議会等というのは、国家行政組織法の8条委員会と内閣府設置法の37条、54条のものだけに限っているという理解でよろしいんですね。
岩男会長
今のところは、そういうことですね。
住田委員
対象は、本委員と専門委員という趣旨でいいわけですね。
岩男会長
はい。
住田委員
30%の指導的地位の目標のときに、それなりに説得性を持たせるための論拠としてナイロビを出したわけですが、それはあくまで1995年の目標で、日本はそれに25年遅れる2020年であったということから、非常に控え目な目標設定であったので、それに縛られる必要はないということを、まず言わなければいけないと思います。
 その上で、この審議会の委員というのは、意思決定過程そのものであって、管理職であるとか、国会議員とか、実務に携わる立場ではないという意味からも、比較的早目に目標を立てて、それに対して先導的に推進しやすいと。だから、これを30%に先駆けて、更に高い目標を設定することもよろしいのではないかという裏づけ的な理由を挙げておいた方がいいと思います。それで専門委員と切り離すというふうにした方がいいと思います。
 まず、切り離すことを前提にお話をして、そして今後どうするかというときに、やはり数字というのは、何らかの裏づけ的な理由が必要だと思いますので、先ほどお話がありました14ページの諸外国の取組例で、諸外国の実際の数字というのを挙げていただいて、よその国はこのぐらいあるのに、日本はまだここしかいっていない。だから、こういうふうな目標を設定するんだという論拠が1つあれば、非常に説得性を持って推進しやすいのではないかなと気がいたしました。
 ですから、例えば、よその国が現実にもう40%にいっているのであれば、日本も40%を目標にしても全くおかしくないし、よその国がまだ35%ぐらいであれば、日本もまだ30~35をとりあえず当面の目標としようと。そういうような国際的な流れに合わせるという形で、私としては御提案したいと思います。
 できれば諸外国の取組例として、現実の数字をできる限りのもので結構ですので、一度御調査いただいて、それを基にしてのお話をさせていただければと思います。これが本委員に関してです。
 専門委員に関して目標設定をするかどうかということですが、私はこちらの方が実は必要だと思います。専門性のあるものが多くて、女性専門家が少ないというのが、本委員においても言われていますが、専門委員に関してはもっと言われていることなんです。これは、研究者で現場で頑張っていらっしゃる女性研究者が、特に自然科学系は多いと思うんですけれども、それなりのポストに処遇されていない現実を反映しているということもあります。だから、専門性の高い方が少ないんだと逆に言われてしまうんですけれども、やはりそういうところで専門委員を増やすということになると、女性も処遇しようということに、きっとなると思います。
 ましてや、今年の総合科学技術会議の基本計画でも女性研究者の登用というのを、数値目標で挙げたわけですから、やはり男女共同参画会議もそれにリンクして、専門委員に関しても、それにふさわしい数値目標を設定すべきであろうと思います。
 ただ、そのときに人材がいないと言われることについて、どう答えるか、それは分野ごとにかなり違うと思いますので、たしか農業系とか生物科学、医科学系は、比較的女性の委員、研究者も多いわけですから、それはそれに合わせていくべきだと思います。自然科学系でも、非常に少ない分野もまたあると思います。そこに対しては、それほど無理のない数字ということで、少し色合いを変えていいのではないか。その代わりに、人文科学、社会科学系に関して言えば、ちゃんと高めの数字を設定してもよろしいのではないかという気がいたします。以上です。
岩男会長
ほかにいかがでしょうか。室伏委員、どうぞ。
室伏委員
専門委員の目標値を設定するということは、私も賛成です。
 今、住田委員がおっしゃったような、分野によって少し数値を変えるというのは、どうかなという気がいたします。といいますのは、例えば、工学系などで非常に女性の研究者が少ない、女性の技術者が少ないという状況があるわけですけれども、これは女性がポストに就けない、あるいは働きにくいという状況によるものです。でも、困難な状況にある女性たちを励ますことによって、そういった方々がいろいろなところで活躍できるようになるわけですので、現在少ない分野でも、できるだけの人たちを引き出すような努力をした方がよろしいのではないかと思います。
岩男会長
鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
本委員の方は、男女どちらかが4割を下回らないというのがありますから、4割でいいと思うんですが、5割は何となく結果の平等を志向しているというような、あらぬ誤解も生むので、5割については、私はいかがなものかと思います。4割を長期目標にして、ここの例にあるように、例えば2020年で4割でいいと思います。
 問題は専門委員で、専門委員の数値目標というのは、今12.9%ですが、どういう目標がいいのか。4割というのは、現実的な対応として、果たして達成可能かどうかとなってくると、むしろ専門委員は数値目標を決めずに、現状の数字を示しておいて、いわゆる本委員をこれだけ引き上げる中で、更に専門委員も、いわゆる女性の登用が必要であるというふうな文章にしておいた方がいいのかなという気がするんですが、その数値を専門委員はどのぐらいにするかの根拠が、なかなか難しいのではないかなという感じがします。私はどちらでもこだわりませんけれども、納得性のある、説得性のある数値目標が決まれば、専門委員はそれでいいと思いますね。
岩男会長
要するに、現在が数値目標を決めていない状況です。だから、引き続き、言わば現状と余り変わらないような結論にするのか、それともせめてどのぐらいと決めるのか。
鹿嶋委員
3割ですかね。
岩男会長
3割というか、それに準じてですね。それは、いつまでかということとも連動しますので、その辺をどうするか。
 先ほど御意見があったように、分野によって少し柔軟性を持たせるか。そうすると、低い方にいってしまうでしょうから、下限を決めてはっきり明示した方がいいという御意見もあるでしょうし、そこら辺はどういうふうにしたらいいですかね。
鹿嶋委員
ポジティブ・アクションというのは、もともとゴール・アンド・タイムテーブルですから、だからゴールが必要だということから言えば、目標を決めるのが正当なる手段でしょうけれども、目標数値の設定の根拠が難しいのかなと思います。何割がいいのか。例えば、12.9%を3割としていいのか。ただ、本委員の方は4割にしておいて、その意味では、今後どうするのかといったような調整はあると思います。
辻村委員
むしろ根拠の方で、先ほどのナイロビではありませんけれども、指導的役割といいますか、何か専門的な学識経験者としての立場が、大体3割ぐらいあった方が望ましいという形での設定は、可能ではないかなと思います。
 ただ、現状を見ますと、女性研究者が11%ぐらいで、大学の女性委員も16%ぐらいというのが現状ですから、厳しいかなという気はするんですけれども、でも、何年か先の目標であれば、むしろ指導的地位30%というのを、こちらに適用していくという考え方、根拠を挙げるとすれば、そういう考え方もあるかもしれないと思います。
岩男会長員
室伏委員、どうぞ。
室伏委員
5年という期間を設定するとしたら、30%は無理だと思います。ですから、期間を長く設定して、10年にすればと思います。
岩男会長
今の話は、2020年のことですね。
辻村委員
2020年です。
室伏委員
そのくら長い期間ですと、多分30%何とかいくかなという気もいたしますので、期間と設定数字を少し考え合わせながら、決めていったらよいかと思います。
岩男会長
そうですね。
 いかがでしょうか。住田委員、どうぞ。
住田委員
長期間であれば、30%は全く当然のことだと思うんですが、私は、今、立場として助手辺りにいらっしゃる方が、専門委員になるということをするためには、やはり短期的にある程度の目標数字は立てておいた方がいいと思います。そのためにも、無理のない数字を少しずつ上げていくという形で、その分野に受け入れられるような数字を細かく見ても構わないのではないかと思います。
 たしか総合科学技術会議では、分野で分けたんです。かなりいろんな異論があったんですけれども、それでもやっているという現実からすると、男女共同参画もその考え方を反映してよろしいのではないかと思います。
 私、細かい数字を忘れてしまったんですけれども、フォローしていただけますか。
塩満調査課長
総合科学技術会議の答申では、採用の数値目標を5年間の中で、各研究組織ごとに、自然科学系全体として25%などとしております。住田先生にも御参画いただいた、総合科学技術会議基本政策専門調査会の報告の中で設定されています。
 正確には、今日お手元にお配りしている「男女共同参画基本計画(第2次)」の123 ページの10行目ぐらいに、女性研究者の採用の促進を図るために、目標値を各研究組織ごとに決めることを期待するということで、自然科学系全体として25%、理学系20%、工学系15%、農学系30%、保健系30%としています。これは採用割合についてですけれども、5年目ということではなくて、5年間のいつ達成してもよいということで、各研究組織ごとに目標値を設定して、達成のための努力を行うことについて記述しています。これは総合学技術会議の第3期科学技術基本計画に係る答申でも、同様の記述がなされてあります。
塩満調査課長
この数値は、18年度からの採用の目標値で、若い方、助手も含まれています。
岩男会長
専門委員は、現状を踏まえると、無理ではないかと思います。無理な数値を入れて実現しないというよりも、到達できるようなもので5年後は実現しておいて、2020年に30%に確実にいくという方がいいのではないかしらと思います。鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
もう一つ聞きたいんですけれども、専門委員というのは、前提として肩書は何かあるんですか。
岩男会長
あると思います。
鹿嶋委員
助手でもいいとなれば、たくさんいるわけですね。しかし一方で、専門委員として寄与する場合の肩書が必要であるとなると、数値目標を挙げても、なかなか難しいと思います。そういうものは、どうなんですか。
岩男会長
肩書は要らないでしょう。
住田委員
これは、もう鶏、卵の議論になるとかと思うんですけれども、まず先にしかるべきポストに就いていることが必要で、そうなったときに、初めて国の審議会の委員にふさわしいという考え方が学会の中に自然科学系も社会科学系も同様にあると思います。
 だから、目標があれば女性をポストに就けて、そして、またそういうところに出そうという、逆のインセンティブになり得ると思いますので、採用目標を立てたのであれば、その後、実績を踏まえた上でのプラスアルファ、5年とか、10年とかのときには、このぐらいの目標という形で、これとリンクした言い方ができるのではないかなと、私としては考えたわけなんです。勿論高い目標を掲げてもいいんですけれども、無理なものに関して、現場が反発されるようなことも困るかなというのが、私の感じでした。
岩男会長
鹿嶋委員の御質問なんですけれども、資格みたいなものは、特に決められて明示されたものはないわけですね。
名取局長
ただ、一般的にいえますことは、御案内のとおり、審議会がものすごく絞られました。ですから、実質的な審議が専門委員会に任されている部分もあって、本当の権威が専門委員の方に入って、かなり専門的に突っ込んだ議論をするということも、現実なんです。
 だから、例えばそこがまだまだ未熟な実績しかない方を、採用せざるを得ないということになると、かなり反発はあるだろうなという気はいたします。それぞれの省にもよりますし、それぞれの審議会、専門委員会のでき方にもよりますので、一概には言えません。○塩満推進課長 専門委員の数と日本全体の女性研究者の数を比較しますと、例えば、自然科学系の女性研究者だけで、大体8万人近くいますので、そういう意味では潜在的プールから考えて、その中から選択するということについては、人材が1,000 人いないか、あるいは2,000 人いないかというと、数としてのそういうことでは必ずしもない状況です。そういう意味で、御参考の数値を述べさせていただきました。
岩男会長
どうぞ。
定塚推進課長
最初に私が御説明しておけばよかったんですけれども、目標値を設定する手続なんでございますが、この調査会の方で2回御議論をいただいて、基本的には御意見をちょうだいしてと。その後、推進本部決定という形で、各省庁の閣僚が入った会議で決定をするということになると、当然その前に各省庁全部の合意をいただくということが必要なんでございます。
 今回アンケートを取った段階でも、各省庁から非常に厳しい御意見、本委員を上げることについても、かなり努力をしていて、これ以上無理であるという、非常に悲鳴に近いような声が浴びせられておりまして、まして専門委員ということになると、これはもう大変なリアクションがあるということを、一応お伝えはしておきます。その上で、各省庁調整をして、最終的に結論を出すという手続とさせていただきたいと思います。
 今回御議論いただきまして、本日の御意見を大体踏まえまして、我々も各省庁の意見をまた聞きまして、その意見も返しながら、次回また御議論いただくということにいたしたいと思っております。
岩男会長
そうですね。特に5年というタームで考えると、目標値を出すとしても、実現可能な、余り無理のないような、納得の得られるようなものにせざるを得ないと考えておりますけれども、今の段階では御自由にいろんな御意見をいただきたいと思います。
 また、仮に説得力を持つ数値目標を決めるとしても、なぜそういうものが必要であるのか。なぜ女性が入っていることに意味があるのかということが、説得力を持たないといけないので、その辺りの御意見をいただければと思います。
久保委員
今、岩男先生のおっしゃったことなんですけれども、例えば、本委員か専門委員のどちらにしても、現在いる男性の委員の方は、100 %期待される働きをしておられるのかどうなのか。今、女性に非常に厳しい発言が続いておりますが、その辺はどのように考えればよいのでしょうか。
岩男会長
それは、性別で決するものではありませんが、やはり文句がつかない女性を増やすということですね。
久保委員
それは間違いないことではあります。
大橋委員
基本スタンスは、参画会議ですから、我々は大胆に提言を出していけばいいと思います。しかも、ここは調査会ですね。ここから出すわけですね。ここのところでブレーキをかけてしまいますと、どうせいろいろなところでブレーキがかかるわけですから、さっきおっしゃったように悲鳴が出るわけですから、もう少し大胆に、フリーに出していけばいいと思います。
 さっきのお話で、助手クラス、講師クラスなら不適格者といって、男性でも全くのフリーの人なども入っているはずです。未熟でいいんです。素人でいいんです。おか目八目というのがあって、おか目が入ったほうが、専門委員会のレベルが上がるということがあるわけです。裁判制度も変わるわけですね。広く国民から聞くという時代ですから、余りそこを制限的にやらない方がいいと、私は思います。もう少しやわらかく、大胆に出していくということです。
岩男会長
ここで数値目標の結論を出したときに、こういうことをつけ加えられるかどうかわからないんですけれども、私としては、女性の場合に、非常勤講師をしておられる方、要するに専任の職がない方でも、非常に見識のある方があるわけです。ですから、そこの柔軟性といいますか、資格というんでしょうか、対象者を選定するときの柔軟性を何らかの形でつけ加えて提言できないかと思っておりました。
 桜井委員、どうぞ。
桜井委員
もしそうだとすると、余り低い目標値ですと、周りにいるだれかというか、同じような探し方しかしないのではないかと思います。
 12ページの表を見ても、なだらかにパーセンテージが増えていくわけではなく、あるときからカーブが割合立ってきたというところがありまして、これはやはり21世紀というか、こういう時代に少しカーブが立つという形になってきたのではないかと思います。
 ですから、専門委員のところは、最初の昭和50年のカーブを想定して、余り遠慮する必要はないのではないかと思います。今までの進み方よりは、速度は期待できるのではないかと思います。
岩男会長
私がもう一つ教えていただきたいと思いますのは、具体的な選定の仕方なんです。例えば、私が本委員をある審議会でしている場合に、専門委員に適当な方があったら、是非教えてくださいというようなことを頼まれて、何人かのお名前をお出ししたことがあります。ですから、そういうやり方が一般的なのかなと思ったりもするんですけれども、実際にはどういうふうにしておられるのか。要するに、御相談を受けたときに提供できるような人材のプールとか、そういうものを持っている必要があるわけですね。だから、その辺も充実する必要があります。普通は、どういうふうにしておられるんですか。
定塚推進課長
私どもの局の方で、各審議会の女性委員名簿というものをとりまとめておりまして、およそその審議会でやっていらっしゃる女性委員の方の名簿をつくっていると。それを各省庁に提供しているというのが1つです。
 もう一つは、女性人材データベースということで、審議会委員とはなっておられない方でも、人材となるべき方というのを各都道府県から情報を集めて、データベースにしていると。それも一般公開はしていませんが、各省庁に御提供しているということがございます。ただ、必ずしも人材データベースが十分なものかというと、やや不十分なものかと反省はしているところでございまして、そうした努力も必要なのかなと思います。
岩男会長
辻村委員、どうぞ。
辻村委員
今お話に出ました審議会の委員の名簿というのは、大変興味深く拝見するのでありますけれども、やはり同じ方がたくさんなされるという傾向は、どうしてもありますね。専門委員の場合は、兼職している人が多いのですが、余り多過ぎますと、いろんなところから同じ人が出ていて、数合わせではないかという非難をどうしても浴びてしまいますので、有能な人であっても、ある程度兼職を制限しなければいけない面というのがありますね。
 そうしますと、今度は人材発掘の面で問題があるということで、同じような人にならない、新しい人材開発の方法というものを編み出さなければいけないという気がいたしましております。
 その1つの例としては、例えば、今回学術会議は、初めて20%、42名女性会員が増えました。その20%の人たちが、みんな審議会に入っているかというと、全然入っていない人もたくさんいらっしゃると思います。大学で女性の教員を増やす方法というものをいつも考えていると、そもそも女性研究者がいないというのが逃げ道、逃げ口上で使われているんですが、学会レベル、学会登録者で業績を上げている方々がいないかという探し方をしますと、かなりいらっしゃるんです。
 だから、狭い視野で見ているから人材がいないという話になるんですけれども、少し学会レベルであるとか、あるいは業績であるとか、いろんなところで母数を広げて、パイを広げていって、一度見直してみるというのは、必要かなという感じを持っております。よろしくお願いしたいと思います。
岩男会長
住田委員、どうぞ。
住田委員
審議会という意思決定過程の、更に意思決定過程としての会長とか副会長、会長代理に対しても、是非女性の数字をこれからとっていただいて、30%が目標だったら、3回に1回でも結構だと思います。一応そういうことをやっていただいた方が、よろしいのではないか。数が増えたら、あとは質をも追求するということをお願いしたいと思います。
岩男会長
会長は2名と出ておりますけれども、会長代理は入っていないですね。
 河野委員、どうぞ。
河野委員
遅れてまいりましたのに、申し訳ありません。
 専門委員について、民間の研究者等も入る可能性もあるわけですね。私は、同じ教育を受けて、同じ仕事の経験を積んだ男女であれば、全く関係ないと思っておるので、同じ経験をした方々が、たくさんになってくれば同等のパーセンテージだと思うんですが、今、問題なのは、教育の現場もそうだし、仕事の現場でも経験を積んでいないということだと思います。
 だから、専門委員というのが、まずどのぐらい経験が必要かということと、逆にいろいろ分野によって違うと思うんですけれども、経験しているということが国民に対して、説得力というか、その辺りにすごく大きなぶれがあるような、今コンセンサスがとれていないような気がするんです。ですので、専門委員の方々の中で、経験をどのぐらい積んでいないとできない分野なのかということを考えると、やはり数値目標は非常に厳しいし、今アウトプットを求められる委員会になってきているし、特に専門はそうだと思うので、そこできっちりした方を人選するということになってくると思います。
 これは、本当に一民間人の発想なんですけれども、そこでもポジティブ・アクション的なことを考えていくと、やり方としては、準会員的な方で、若い非常勤の方でもその分野にたけていて、ずっとやってきていたら、役職に関係なく送り出そうというような形にした方が、実は本人が入りやすいんです。
 よく企業でやっているのが、本当の管理職ではなくて、資格はないんだけれども、役付きという方がいて、でも管理職会議には出すんです。そうすると、通常の管理職と一緒に、要するにまだ何とか補佐ですがというような形で入ってきても、いい意見を言えば、みんな認めてしまうので、次の年に昇格するんです。そんな民間レベルのことを考えると、本人も気負いなく来て、好きに勝手に言えて、周りも若くて経験はないかもしれないけれども、でも、ウエルカムねという状況をつくるとなると、本当は何か一工夫必要なのではないかというのが、経験が足りない人たちを送り出す、今の知恵ではないかなと思います。そんなことできないかもしれないんですけれども、やはり周りは厳しいと思うので、それなりのものが必要なんだろうなと感じました。以上です。
岩男会長
鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
内閣府ではないですけれども、私は昔ある省の局長さんに審議会とか、専門委員を含めて、なぜ肩書にこだわるんですかと聞いたんです。実際にこだわっているんです。そうしたら、その局長いわく、要するに男性で審議会の委員などになる人は、立派な肩書が付き、かつマスコミの露出度も高い人が来ると。そういうときに、女性の方は全く肩書のない人が委員として入ったのでは、おじけづいてなかなか発言できないというようなことを聞いたんですが、そういう考え方もあるのかなと思っています。
 私は、専門委員で審議会の数値目標を決めることは決して反対はしません。ただ、1つは、どういうふうな根拠のある数値目標が立てられるのか。余り高い目標だと、ハードルが高いと飛ぶ気がしませんので、だから、これはどの程度までやるのかなということです。 もう一つは、専門委員というのは、やはり基本計画に書いてあるジェンダーの、男女共同参画社会の形成を阻害するようになったら、ジェンダー問題でもあって、なかなか難しさがあるということで、本委員は「2020・40」でいいんですけれども、専門委員については、数値目標の設定が2020にしても、40ではまだ説得性はないと思います。では、何割がいいのか。根拠さえあれば、私は目標を掲げてもいいと思います。それを是非お聞きしたいと思います。
岩男会長
ちょっと時間が押しておりまして、本日いろいろ御意見をいただきましたけれども、これを踏まえまして、もう一回3月に御議論をいただくということにしたいと思います。今どうしてもこれだけは言っておきたいという御意見がございましたら、お手をお挙げいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、議題(3)に移らせていただきたいと思います。女性の再チャレンジ支援プランについて事務局から御説明をお願いいたします。
定塚推進課長
資料3-1と3-2をごらんいただければと思います。
 昨年12月26日、それ以前にこちらの調査会でも御意見をちょうだいいたしましたけれども、女性の再チャレンジにつきまして、再チャレンジ支援プランという形で、関係省庁の政策の方向性について、プランをとりまとめましたので、御紹介をいたします。
 資料3-1が概要、3-2が本体でございます。概要の方をごらんいただきたいと思います。
 女性の再チャレンジということについては、左側に書いてありますけれども、働きたくても働いていないという女性の数は、25歳~54歳で、約264万人もいらっしゃると、大変なボリュームでございます。
 また、子どもを産んでも働き続けたいという就業継続を希望する方もかなり増えてきておりますが、現時点では、実際には7割の方が子どもを産むと離職しているという現状があるということ。
 また、高学歴の女性ほど、再就職率が低いというような現状がございます。
 一方、起業につきまして、女性の起業の希望者数というものも、かなりの数を占めまして、年間50万~60万人の方が起業を希望していらっしゃるという状況がございます。
 しかし、一方で問題点として、働きたいけれども、どこから始めたらいいかわからないということ。また、希望する仕事に就けない。働き続けるのが難しいといったような問題点がありまして、これらを解決するために、国として関係府省を挙げて、再チャレンジを支援する施策を講じようとするものでございます。
 「1.地域におけるネットワークの構築等による再チャレンジ支援」ということで、地域ごとに気軽に相談できる窓口、具体的には男女共同参画センターや女性センターなどを想定しておりますが、こうした窓口に相談に行けば、地域の各種支援機関、ハローワークであるとか、経産省の出先機関であるとか、そういった支援機関を紹介してもらえる。あるいはまだ支援機関に行くほどに至っていない方については、引き続き相談をしていく等の、とにかく気軽に相談できる窓口というものを設置するということが1点でございます。これについては、内閣府で来年度予算として、幾つかの府県でモデル事業を実施したいと考えております。
 また「2.学習・能力開発支援」ということで、復帰されるまでのブランクについて、キャリアのスキルアップを図るということで、女性のキャリア形成を支援するような学習相談、研修等のモデル事業。あるいは国立女性教育会館における各種の研究、情報提供等。専修学校における再就職を視野に入れた能力開発講座。放送大学を通じてのキャリアアップ等を、文部科学省が中心でございますが、各種能力開発支援を行っていくということでございます。
 「3.再就職支援」ということで、企業等への再就職の支援でございます。厚生労働省の施策としては、再就職希望者を登録しておいて、この方々に支援を行うという事業。また、マザーズハローワークということで、子育て女性へのきめ細やかな支援サービスを実施するような施策を進めていくということ。在宅就業者の再就職支援。公共職業訓練での時間の配慮等がございます。
 また、文科省施策としては、研究者の出産・育児等による研究中断からの復帰を支援する施策。
 厚生労働省及び内閣府で予定しておりますが、経済界・労働界への働きかけや、企業における好事例の顕彰・普及、求人年齢の条件の緩和促進の企業への働きかけ等。
 経済産業省、中小企業庁でございますが、中小企業における両立のための、ベストプラクティスマニュアルの作成等の事業を考えております。
 「4.起業支援」については、厚生労働省及び経済産業省におきまして、各種の起業支援の情報提供、支援及び助成措置等を考えております。
 最後「5.国における総合的な情報提供・調査等」ということで、再チャレンジ支援をしたい方が、サイトを見て情報を集めるということができるように、男女共同参画局のホームページの中で、再チャレンジ用のコーナーというものを設けて、情報提供を行っていく。あるいは長期的な女性のライフプラン、人生設計を立てるための支援、調査を行っていくということを考えております。
 こうしたプランについては、当然のことながら、子育て応援プラン等、少子化対策と連携をしまして、子育て中の女性の利用しやすさということに配慮をして、施策を実施していきたいと考えております。
 このプランについての来年度予算額は、ここに掲げたとおりでございまして、各省庁で来年度具体的に実施していく。と同時に、来年度このプランについて、更に引き続き検討を進め、見直すべきところは見直していくと考えております。以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。
 ただいまの御説明を踏まえて、何か御意見がございましたら、どうぞ御発言いただきたいと思います。室伏委員、どうぞ。
室伏委員
優れた研究者が円滑に復帰するということですが、これはなかなか難しいことなんです。私たちも大学単位で、職を離れてまた戻ってくる人たちに、研究の機会を提供したり、あるいはラボで多少実験をするような機会を提供したりというようなことをやっておりますけれども、特に実験系の場合には、なかなか難しい問題がございます。できればすっかり離れないで、少しずつでも続けていながら、再度アクティブな場所に復帰できるような、そういう施策を考えていただけると良いのではないかと思います。
 いつも私は、少子化問題とか、女性が働きやすい状況を作ろう、子育てをしながらやっていけるようにしようといった提案を見るたびに思うことがあります。小児医療の問題についての記載が欠けていることが多いのです。つまり、今、小児科はお金がもうからないということで、いろいろな病院から消えていってしまうような小児医療の危機的な状況があって、母親が子どもを育てるときに、病気になった子どもを、医療の現場できちんと治療をしてもらえないかもしれないというような不安が、かなり大きいというのが現状だと思います。
 ですから、安心して子どもを育てるためには、出産のときの費用を国が補助しましょうというようなことで終わるのではなくて、生まれてきた子どもが安全でよい環境で、なお安心して治療や保護を受けられるような、そういう環境を備えることが大事だと思います。 ですから、現在のそういった小児医療の問題を取り上げていただきたいと思います。
 今、我が国の高齢者医療は、非常に進んでおりまして、かなりの医療費がそちらにかけておりますけれども、子どもたちに対しては、特別な計らいがあまりされていないと思います。ですから、女性が子どもを安心して育てられる、そして、なおかつ能力を発揮できるという社会をつくるために、小児医療の問題を、どこかに入れていただければと思っています。以上です。
岩男会長
大変重要なポイントだと思うんですが、厚生労働省の施策の中に、小児科と産科のお医者さんの問題に対する施策というのが盛り込まれていて、予算が計上されていたと思っております。きちんと御存じの方からお答えいただいた方がいいかもしれませんけれども、ただ、十分かどうかという問題は勿論あると思いますし、そういう不安を抱えているお母様方がいらっしゃるというのも事実ですので、その辺りを併せて、再チャレンジができるように持っていくということは、非常に大事だと思います。
住田委員
それに関連しまして、やはり病時保育、病後時保育の問題といいますのは、医療機関と保育機関との連携というのが非常に重要なことでして、私はベビーシッター協会にいるときに、医療行為というものを余りにも厳格に扱い過ぎたことによって、保育園やベビーシッターが柔軟に、そういうお子さんに対応できないのではないかと思うことがございました。
 今回、東京地裁でたん吸引に関して、保育園がそういうような対応をすべきだというような判決が出たということは非常に象徴的だと思っておりますので、そういうふうな安心して子どもを預けられるような施設については、なお検討をお願いしたいと思っております。
岩男会長
どうぞ。
塩満調査課長
ちょっと補足いたします。小児科・産科医療については、基本計画の中にも、厚生労働省の方で小児科・産科医療確保対策ということで、施策を進められていると伺っております。また、研究者と同じ問題があるのですけれども、小児科医の多くが女性医師ということで、やはり育児と医療の継続が難しいということもあり、女性医師人材バンクというものを、厚生労働省が平成18年度から整備し、今おっしゃったようなことに対する対応を進めると伺っております。また、詳細は後ほど先生にお届けさせていただきたいと思います。
 もう一つは、研究者の復帰支援なのですが、予算的には確かに再チャレンジに書いてありますような、一旦辞められた方に対する対応だけなのですが、これと併せて、日本学術振興会の方で、育児を続けながら、研究できるような両立支援制度も整備すると伺っておりますので、これにつきましても、また先生方に資料を提供させていただきたいと思います。以上、補足でございます。
岩男会長
鹿嶋委員、どうぞ。
鹿嶋委員
マザーズハローワークで聞きたいんですけれども、これは限定的だと思います。全国に何か所ぐらいつくるのかということと、子どものいない人も、ここを訪ねられるのかとあるところで聞かれたんですが。
定塚推進課長
これは、たしか全国で12か所と聞いております。子どものいない人も大丈夫と伺っております。
岩男会長
ファーザーはだめなんですか。
定塚推進課長
現在、両立支援ハローワークという名前で展開しておりまして、その結果、男性も女性も両方来て、しかも子どものいない人も来て、全く普通のハローワークと変わらなくなってしまったというところで、そのハローワークにマザーへの機能をきちんと付けようというのが、今回の目的でございまして、特に意味しているのは、子育てするということなので、子供連れで来る人への対策を講じようということでございます。
 そういう意味で、子供連れでない人も利用できるけれども、主体としては子ども連れの方ということで、恐らく子ども連れのファーザーも対象になるとは思います。
岩男会長
桜井委員、どうぞ。
桜井委員
厚生労働省の方で、母子家庭等の母親のための自立支援といいますか、就業支援の方にかなり予算をお付けになって、各地の母子、寡婦でやっている社団に受皿というような形で、今てこ入れをしていて、そこで就業支援事業をやらせるというようなところを始めとして、かなり予算が付いているんですけれども、この中にはそういったものは入っていないということでしょうか。
 そういったところとの接点といいますか、私どものところの再就職講座なども、今、母子家庭の母親、あるいは経済的に困難を伴う女性のための就業支援事業というところの事業が大変厚くなっているんです。その辺は、どこで見たらよろしいでしょうか。
定塚推進課長
この再チャレンジ支援プラン自体は、いわゆる両立支援のうち、やはり特に一旦辞めて、再就職する方の対策が今までなかったので、これを集めてこようという発想に立っておりますので、今おっしゃった母子家庭ということですと、むしろ再チャレンジだけではなくて、広く両立支援施策ということでとらえておりまして、計画の方にはかなり記述しております。
桜井委員
そうしましたら、ここに書いてある予算とは別立てで、それがあるということで解釈してよろしいでしょうか。
定塚推進課長
はい。
桜井委員
もう一つ、モデル地域を指定してとか、あるいはモデル事業として、平成18年度から幾つかやっていくというような御説明があったかと思うんですけれども、どういうふうにモデル地域というのをお決めになっているんでしょうか。
 これから決められるんでしょうか。それとも、どこか手を挙げれば、カウンターパートになる可能性があるんでしょうか。いろいろな事業がありまして、一緒にやりたいNPOも出てくるだろうし、一緒にやりたい男女共同参画センターも出てくるんではないかと思うんです。そういったところは、何か募集をかけるんでしょうか。それとも決まっているんでしょうか。
定塚推進課長
これについては、既に募集を各県と政令指定都市の方にかけておりまして、既に〆切をしております。ただ、選定はこれからでございます。
桜井委員
というようなことで、私のようなところにも情報が余り来ないという状況だと思うんです。ですから、大変もったいないと思っております。あら、そうだったのみたいな感じです。それで、どこの女性センターに行っても、やはりこういう状況だろうと思っております。何とかしてもらいたいと。
 例えば、NPOでも随分力が付いているNPOもあって、カウンターパートになり得るところもかなり出てきていると思うんです。そういうところを使わない手はないと思いますし、私たちのところも是非これまで蓄積したものを使ってやっていただければと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
岩男会長
今の御意見をテークノートしていただいて、今後に生かしていただければと思います。
 それでは、河野委員、五條委員でおしまいにしたいと思います。
河野委員
今、企業で主にキャリアを継続しようとする人たちをサポートしているのが仕事なんですが、こういう時代ですので、いろんな事情から辞めざるを得ない10年選手も多くおりまして、私は、今、ここを拝見していて一番思ったのが、安心して辞められる状況というのもすごく重要だと思っています。
 ただ、企業を離れてしまいますと、再雇用という形で同じ会社に入るという一つの手もありますが、やはりそこでいろいろな価値観の変化とか、事情や環境の変化で、また働くのは確実だけれども、今のところではないという人もたくさんいるわけです。
 そういう方々を対象にした場合に、辞める前とか、生む前が重要なので、その方々のどこでサポートできるのだろうかというのが1つ。要するに現役の人たちということで、将来こういうところにトライする、アプライする現役の人たち。
 もう一つは、やはり若いころから、特に女性の場合は、生き方の提示だと思うので、学校教育が大変重要だと思うんですけれども、特に理系の場合です。中長期で考えると、やはり学校教育の中でというのが重要だと思うんですが、特にこの中は、現在の再チャレンジなのでないのかと思うんですが、何か情報の発信等はされないのでしょうか。
定塚推進課長
前者の御指摘ですが、辞める前の方の支援、相談、どこに行くのかと、我々もそこまで考えたことはございませんで、具体的にはライフプランニング支援や再チャレンジ支援に関する調査の実施ということで、辞める前に辞めた後、それから再就職といったことも考えてライフプランを立てましょうといったことを支援しましょうということで調査研究は予定しているんですけれども、現時点でどこの窓口に行ってということまではまだ準備はできていません。
河野委員
私のとらえ方だったかもしれないです。ここは生涯のキャリアやライフについてということで、プライベートのライフとか子どもとかだけでもないと思ってよろしいですね。
定塚推進課長
おっしゃるとおりでございます。
河野委員
わかりました。
岩男会長
五條委員お願いします。
五條委員
高校とか専門学校を卒業した後、就職をしたり、子育てをしたりして、その後にかなり年限を経てから、短大や大学に女性の方で入ってくるケースというのが、今、着実に出てきているんです。
 私の大学でもそういう人が着実に増えているわけですが、その方々が学習なり能力を開発して、その後の雇用をどういうふうにするかというのが、また固有の課題として出てきていると思います。
 特に、今、一般的な学生の就職活動が非常に早期になってきている。それで就職を決めてから翌年の3月に卒業するというような状況になっているわけですが、例えばマザーズハローワークなどで相談をした場合でも、一般的には途中からですから、中途採用の求人情報が主流でしょうから、必ずしも翌年の4月から採用してくれる企業というのは必ずしも多くないと考えられます。
 そういう中で、今の資料の中にも専門学校で一定の再チャレンジに向けた学習や能力開発の支援をする講座を設けると。そういうことは勿論非常に大事なことなんですが、専門学校に限らず、大学でも短大でも専門学校でも学習あるいは能力開発をした後の雇用に対する支援をどういうふうにしていくのか、そういう再チャレンジ型の新規学卒者に対する支援ということについて、そういう切り口での対応というのが出せないだろうかということなんです。
 具体的に言えば、そういう方々を対象にした企業の合同説明会なんかがあれば、もっと就職に向けて一旦大学に入ろうかとか、そういう経路を考える人が増えてくるんじゃないかということなんです。
岩男会長
済みません、まだ御意見があるかもしれませんけれども、最後の議題、4のその他に移らせていただきたいと思います。事務局から御説明をお願いしたいと思います。
日下部推進官
それでは、資料4、5、6と3つございますので、簡単に御説明させていただきます。
 資料4ですけれども、前回の委員会のときに、GEMで日本の数字はどういった数字を上げれば、一体どこら辺まで数字は上がるんだろうかというような御議論があったかと思います。
 そこで、ちょっと試算してみたものでございます。基本的にGEMの構成要素は国会議員の女性割合、管理職の女性割合、専門職の女性割合、それから男女間の所得格差、それから所得水準といったものを所定の計算式に入れて算出しているものでございます。
 上の四角の中の表ですが、左側の2005年GEM、0.534 というのは、今の現状でございます。国会議員は9.3 %、管理職は9.7 %、所得格差は0.46と。専門職の場合は5割に近いので省いております。
 女性割合を30%にしたらどうなるかということで、国会議員の女性割合だけを30%にすると、国会議員の数は217 人になるということですけれども、GEMは0.7 になるという見方です。管理職についてだけを30%にすると、GEMは0.615 になると。所得格差をノルウェー並みの0.75にするとGEMは0.608 になると。
 右側の50%も同じような見方です。次に、下の●のところをごらんになっていただければと思いますけれども、他の要素は現状のままとして、国会議員の女性割合だけを50%にした場合、日本のGEMというのは、0.757 ということで15位ぐらいになると。アメリカが12位でドイツが9位ですから、そういったところにも届かないという状況です。
 管理職の女性割合が30%で、国会議員の女性割合を32%にすると、ほかの要素は一定ですけれども、GEMはアメリカ並みの12位になるということす。ちなみに日本もHDIは11位ですから、大体その程度と同じぐらいの順位にはなると。
 管理職の女性割合を30%、国会議員を50%にすれば、日本のGEMは0.838 ということで4位まで上がっていくと。
 管理職50%、国会議員も50%にすれば、ほかの要素は一定としても2位になると。
 1位になるためには、更に所得格差をなくせばノルウェーを超えて1位になるということが、単純な試算ですが、そういう状況でございます。
 次のページには、これも前回の会議で御指摘があったかと思いますけれども、GEMの主な構成要素の順位がどのぐらいになっているか、構成要素別にわかりたいというお話があったと思います。
 日本は、若干見にくいんですが、GEMで言えば、43位が日本でございます。若干太字にしてありますけれども、これで見ますと、国会議員の女性割合はGEMの発表されている80か国の中では65位と。管理職の女性割合で行けば73位と。専門職で言えば28位と。所得格差で言えば50位という状況でございます。
 全体的に低いんですけれども、43位にいられるのは、経済水準、所得が高いからというのが、そのほかの理由としてあります。
 ちなみに、1位のノルウェーの方をごらんになっていただきますと、国会議員の割合も2位で、専門職が1位、女性の所得費も3位ということで、管理職を除いて非常に高い水準にあるということでございます。
 ちなみに、50%に近ければ近いほどいい順位ということにしていますので、女性の割合が50%を超えると、また順位が下がっていくところでございます。これが、GEMの簡単な試算でございます。
 続きまして、資料5につきましては、前回、経済産業省で調査で「女性の活躍と企業の業績」について行ったものがあるので、共通理解として配付された方がいいのではないかということで配付したものでございます。
 エッセンスは、一番最後の23ページ及び24ページの下線を引いているところを見ていただくとわかりやすいかと思いますが、基本的にはアンケート調査とデータ分析という2つの調査の結果導き出されたものです。
 23ページの方をごらんになっていただきますと、下線が引いてあるところですけれども、この調査では女性が活躍して企業業績を高めるためには、単に女性を増やすのではなく、企業風土が大切であるということを述べております。
 次の24ページをごらんになっていただきますと、均等施策は女性の活躍と企業の業績を類比させると。それから、ワーク・ライフ・バランスは、社会全体で推進すべきであると。これは1つの企業のみで取り入れるのではなくて、社会全体で取り入れるべきだということであります。
 それから、女性の就労に中立的な制度の整備が重要であるといったことを、この報告書では調査しているということでございます。
 もう一つ、資料6でございますけれども、これは既に皆様の方にお配りして御確認いただいているかと思いますけれども、前回の議事録ということで、この議事録は今後公表していきたいと考えております。
 また、本日の議事要旨についても後日公表ということを考えていきたいと思っております。以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。ちょっと時間が超過しておりますが、何か今の御説明について御質問等はございますでしょうか。どうぞ。
大橋委員
資料5の23ページの企業風土を変えなければだめというのはだめなんですよ。企業風土を変えるということは何もやらないということですから、私は実際にやっていて、企業風土待ちなんていうことはできないんです。トップのリーダーシップが、まず第一だと。厚労省も同じことを言っていますよ。企業風土の改革を待つなんていうのは、百年河清を俟つのと一緒です。やっている立場からいいますと、民間の人は皆、リーダーでやっていない人は同じ思いです。要するに、そういうのは逃げなんです。
岩男会長
ありがとうございました。非常に大事な御指摘を最後にしっかりおっしゃっていただきました。
 それから、先ほどの数値は、ほかの国が努力をしないという前提で日本の順位がどうなるかですね。
日下部委員
単純に数字を動かしただけということでございます。
岩男会長
それは、ちょっと難しい前提だと思います。
 それでは、少し時間を超過いたしましたけれども、本日の基本問題専門調査会を終わりにしたいと思います。
 次回は、3月に開催することになっておりますので、事務局からまた御連絡が行くと思いますが、今日、第1回で御議論いただきました、先ほどの数値目標その他について御議論いただくことになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(以上)