- 日時: 平成13年10月11日(木) 17:00~19:38
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 会長代理
- 八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
- 委員
- 猪口 邦子 上智大学教授
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 高橋 和之 東京大学教授
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道室記者
- 同
- 寺尾 美子 東京大学教授
- 同
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 松田 保彦 帝京大学教授
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 開会
- 択的夫婦別氏制度について(内閣府)
- その他
- 閉会
(配布資料)
- 資料1
- 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の円滑な施行について(平成13年10月3日男女共同参画会議決定)
- 資料2
-
男女共同参画会議における監視の実施方針(平成13年10月3日男女共同参画会議決定) [PDF形式:210KB]
- 資料3
-
男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視に関する平成13年度の活動方針について(平成13年10月3日男女共同参画会議決定) [PDF形式:2KB]
- 資料4
-
第3回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録 [PDF形式:78KB]
(議事内容)
- 岩男会長
-
ただいまから、男女共同参画会議基本問題専門調査会の第5回会合を開催させていただきます。本日は、皆様 大変お忙しい中を御参集いただきましてありがとうございました。
本日の議題は、お手元の議事次第にございますとおり「選択的夫婦別氏制度について」と「その他」とございます。
早速議事を進めさせていただきます。
まず「選択的夫婦別氏制度について」ですけれども、これまで3回審議を大変御熱心にしていただきました。専門調査会として は、一応中間的に意見を取りまとめるということにしたいと考えております。この件に関しましては、今月の3日に開催されまし た男女共同参画会議におきまして、森山法務大臣から次のような御発言がございました。「選択的夫婦別氏制度の導入の問 題は世間や国会議員の間でも関心が高い。したがって、男女共同参画会議が示す見解は極めて重要である。11日の基本問 題専門調査会において前向きな報告が出ることを期待します」と、こういう御発言がございました。
このようなご発言を踏まえて、本日の会合においては、中間的な取りまとめを行うことにしたいと考えております。
この件につきましては、前回の専門調査会、その開催直後に皆様方からいただきました御意見を取り入れたものを、先週委 員の方々にお配りをして、再度御意見をいただいております。お忙しい中、本当に御協力ありがとうございました。
本日は、そのいただきました御意見に原則として絞って議論をしていきたいと考えております。
それでは、a3の「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ(案)」をごらんいただきたいと思います。この資料は、皆 様方からいただきました御意見を踏まえて、私と事務局が御相談をして調整をし、作ったものでございます。
議論をする時間が限られておりますので、いただいた御意見のうち、本日御議論をいただきたい論点につきましては、各ペー ジの右側に【論点】として御意見を記載してございます。そのほかの御意見のうち、簡単な句読点であるとか字句の修正、より 正確を期すために加筆をしていただいたとか、そういったようなものにつきましては、各ページの左側に下線を引いて既に修正を させていただいております。
本日は、この右側の【論点】を中心に御議論をお願いしたい。特に左側のところでも、特段の御意見があれば、またそれは御 指摘をいただきたいと思います。
この「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ(案)」につきましては、本日の会合で、実質的に内容を固めたいと、こ のように考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。既に委員の中からも、そろそろほかのテーマに移ろうではない かという御提案もございます。
本日はセクションごとに区切りまして、それぞれの部分の論点等について事務局からまず簡潔に御説明をいただいて御議論 をしていただくと、こういうふうに考えております。それでは、まず事務局から御説明をお願いをいたします。 - 内閣府
-
(男女共同参画局村上推進課長) では、資料に沿って御説明をさせていただきます。
まず最初に、1ページの、前に「はじめに」とあった部分を、「これまでの経緯等」という表題に改めております。
それから、最初のパラグラフを氏の制度の導入から、戦後の改正に至るまでのところを、法律的な文言に沿う形で修正意見が 出ておりましたので、それに変えた形で書いてございます。
その次のパラグラフの冒頭で、戦後の改正以降の経緯についてもここに書いてございます。
それから、「国連婦人の十年」についても言及いたしております。「不便・不利益の解消を求める声が強まってきた」というとこ ろについて、何回かあった世論調査のことも言及してはどうかという修正意見が出ております。文言を若干変えたり、基本理念 が幾つかありますが、「基本理念の一つ」というのが正確な書き方だというような形で文言の修正がなされております。
2ページ目のパラグラフのところで、「平成13年、中央省庁再編に伴い」というところは、これはもともとは基本問題専門調査会 の話が出ていたわけですが、いきなり専門調査会が出るよりは、参画会議について言及した方がいいという趣旨の修正案が出 ておりましたので、それを書いております。
それから「もとより民法は法務省の所管」であることを付け加えているのと、個別問題として、この問題を取り上げるに至った経 緯をここで簡単に説明しています。事例の募集についての言及と、この「中間的取りまとめを行うこととした」ということを最後に 言及しているという形になっております。以上です。 - 岩男会長
- それでは「これまでの経緯等」、ここについて何か御意見がございますでしょうか。
- 猪口委員
- 非常に有益な修正がたくさん出ていたということがわかるのですが、この論点の方に書いてある、声が強まったと いうものを、これは住田さんですね。
- 住田委員
- はい。
- 猪口委員
- 簡単な文言なのですけれども、「求める意見が次第に有力になっていき」という文章が、「求める意見」というのが 少しどうか。「求める声」なんです、国語的にいうと。竹信さんに聞いた方がいいのか。
- 住田委員
- 「求める声」でいいです。
- 猪口委員
- 「有力」というのも、「求める声」が。
- 住田委員
- ここのところの「声が強まってきた」というのは一方的で裏づけがないように思われるのはよくないので、何かを入 れたいのですが。
- 猪口委員
- 世論調査からでいいわけですか。
- 住田委員
- そうですね。
- 猪口委員
- それはそれでいいのですね。
- 住田委員
- 一方的なものではないと、そういう趣旨でございます。
- 猪口委員
-
もう一つですが、これは御議論があるのかとは思うのですけれども、2ページのところ、「もとより民法は法務省の 所管であるが」と、これは事実なのですけれども、こういう表現を男女共同参画会議として使うかどうかです。そもそも行革の精 神に則れば、これはその省の所管だから、これはそっちのこととかということを超えた国家的最重要課題を、省庁のそういう所 管、縄張りを超えた高いところから議論しようというのが趣旨だったと思うのですね。ただ現実にはもちろん法務省の所管である ことは尊重しなければいけないということは私も十分理解しているのですが、全員がそれは了解していると思うので、わざわざ 男女共同参画会議のペーパーとして書くかどうかということについて少しどきっとするところはあったのですね。
もしそうだとすると、例えば「子育て両立支援はもとより厚生労働省の所管のことであるが」とか「男女別名簿のことはもとより これは文部科学省の所管のことである」とか、みんなそういうことを書かないといけない。その辺の整合性についてどうお考えに なるか、ほかの先生の御意見も少しお伺いしたい。 - 岩男会長
- 今の点について御意見がおありですか。
- 八代会長代理
- これはどういう趣旨で入ったのですか、もう一度。
- 古橋委員
- 今おっしゃったような意見があれば、私はそんなにこだわらなくても、とってもいいと思います。この会議の、各省 に対していちいち注意しなくてはいけないということではたまらないから、しっかりやってくださいという趣旨で書いてもらったと思 いますけれども。
- 岩男会長
- 要するに趣旨は法務省に対してしっかりやってくださいということなのです。
- 古橋委員
- しかし、何もここに書かなくても、しっかりやってもらわなくてはいけないので、削った方が。
- 猪口委員
- 支持する立場にあると考えて。
- 樋口委員
- それは法務省の所管でもあり、また、今まで継続的なことがあると思いますから、例えば世論調査及び要綱作成 など、法務省が今まで審議してきたところであるが、のようなことを入れるのだったら入れてもいいと思いますけれど、今、「所管 であるが」と言われると、私もどきっとしました。
- 猪口委員
- 「審議してきたものであるが」と言ってしまうと、今度そっちは今審議しないみたいな表現にもなってしまう。それか ら、この文言全体として、しっかりやってくれというよりは、本当はそちらの所管ですが、でもこちらも少し意見がありますみたい なニュアンスに読めるかと思いますので、この下線のところはとった方が。
- 岩男会長
- 1つには、なぜ、この専門調査会で取り上げたかという理由の説明なのです。○寺尾委員 基本法4条に「性別に よる固定的役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立的でない影響を及ぼす」制度や慣行を見直 すことが必要であるといわれています。そして、21条で参画会議にそれをモニターする権限があるという規定がありますね。あ れを出すとかた過ぎますか。それに基づいてやっているのだということで、はっきり言った方が、むしろ基本法を根づかせる上で はいいのかもしれないという気もするのですが、いかがでしょうか。
- 住田委員
-
それは3ページに書いてあるので、「はじめに」はあくまで導入なんですね。ですから、そこまで書いてしまうと個 別論に入ってしまうと思います。
「これまでの経緯等」の最初の「○」なのですが、歴史的なものを書いたのですけど、これは全部私が書いたものでして、しか も時間不足の中で書いてしまったので、少し書き過ぎの部分があるとすれば、どうぞ削っていただきたいというのが私の気持ち です。もしくは字句等については、岩男会長に最終的にお任せすると思うのですけれども。 - 岩男会長
- 特段の問題がなければ、基本的にこれで細かい修正をお任せいただくということで。
- 樋口委員
- 進行についてですけれども、こうやって【論点】のところに各委員の意見がありますよね。どれをとるとか、とらない とかというところまでやるのですか。
- 岩男会長
- そうです。ですからそちらをメインに、限られた時間の中でぜひお願いをしたいと思います。
- 住田委員
- 私としてはするっと入ってしまったのがかなりあるので、逆に心配になって、今も少し御意見いただきたいと思った ので、下線の部分も御意見をいただいた方がいいと思います。
- 坂東局長
- 【論点】の方は、「声が強まってきた。世論調査の結果でも」といきますか。
- 樋口委員
- 「強まって」でいいと思います。「世論調査の結果でも」と続ければ。
- 坂東局長
- そういうことにさせていただきます。
- 岩男会長
- それでは、1の御説明をお願いします。
- 内閣府
-
1の部分が、実は前回から大きく変わったポイントでございまして、男女共同参画社会基本法の成立について、まず 冒頭に言及して、このことを踏まえて議論をという趣旨で、最初にこれを大きく取り上げたということでございます。
下線が入っておりますところは、実質的平等は実現されていないと感じているものが多いという調査結果を引用して、現状を 具体的に示すという趣旨の修正でございます。
真ん中のパラグラフは、「衆議院及び参議院の本会議で」とあったのを「衆参両院」と簡単に書いておりまして、ここの2番目の パラグラフが、男女共同参画社会基本法の第4条の内容を言及して、「社会における制度又は慣行が、男女の社会における活 動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない」という規定、これが「基本理念の 一つ」であるということを言及しています。しかしながら、夫婦の97%において妻が改姓している、こういう事実の下で、事例募 集結果から明らかなように、夫婦同氏が強制される制度によって男女が様々な場面で不利益を被っている。これが男女共同参 画社会の形成の基本理念からも憂慮される。もとは実現を阻むものとなっているという表現だったのですが、それは強過ぎると いうことで、こういう形で修正しております。 - 岩男会長
- どうぞ。
- 樋口委員
- 今すっと通ってしまったのですけれど、目次のところで、岩男会長から修正が入っていて。
- 岩男会長
- それはそのセクションに来たときではどうでしょう。
- 樋口委員
- ただ、今のところと関係があるのです。一番最後の「○」ですが、「夫婦同氏が強制される制度によってとりわけ女性は様々な場面で不便・不利益を被っており」ということで、この文中だから、これですっと通してしまっていいのか、それとも募 集するとき、不便・不利益で御意見募集しましたね。だから、不便・不利益ということを生かすのか、目次の会長意見を生かすと したら、ここも「社会生活上の支障等について」とした方がいいのか、その辺、私どっちとも決めかねていますけど、疑問でした ので。
- 岩男会長
- 私がなぜ目次の方は変えたかと申しますと、不便・不利益だの、自分のことばかり言ってわがままではないか、 こういう意見があるものですから、それを踏まえて、「社会生活上の支障」と変えて、しかし文中は生かすものやら問題があると 指摘をしたところとか、余りそれが繰り返し目立たないようにしたというだけです。
- 猪口委員
- ただ、不便はともかくとして、不利益というのは根本的概念ですよね。不利益を被っているということは法概念の下 ではかなり本質的な問題ではないかと思うのですね。不利益はとらない方がいいかと思っている。
- 岩男会長
- 不利益も、例えば 300円の判こを買わなくてはいけなくなったというような、それも確かに経済的不利益ではある のですね。だけど、そういうことを私たちは問題にしているのではありませんよということを言いたいわけです。
- 寺尾委員
- 「不便」をとってしまって、出だしは「不利益」だけにした方がよろしいのではないでしょうか。法律上の概念の不利 益と実際上の不利益は違うので、不便と並べてしまうと、そこが実際上の不利益になってしまう。
- 岩男会長
- では、これをもとのままにして「不便」だけをとると。
- 坂東局長
- はい。
- 岩男会長
- 今の基本法のところでは特に御意見がございますでしょうか。よろしければ、論点として挙げたものは特にありま せんので、「世論の変化について」というところに移っていただいて、また後で必要であれば戻ってもよろしいと思いますので。
- 内閣府
- 「世論の変化について」でございますが、2つ目のパラグラフで、「20歳代及び30歳代の若い世代においては、賛成 する者の割合が初めて過半数を占めるに至った」の後に、この世論調査の意味についてどう言及するかということについて、ま たさらにその次のパラグラフ、「このことは、選択的夫婦別氏制度の導入を認めることについて、国民の理解が進んだことを示す 極めて重要な変化であると考えられる」と書いてありますが、この関連で幾つか御意見が出ております。ここにそれぞれ書いて ございますので、御議論いただければと思います。
- 岩男会長
- 樋口委員。
- 樋口委員
-
この文言でなければいけないということではないのですけれど、せっかく世論調査でメディアもそう取り上げていま したし、一番鮮明だったことは、男女の差以上に年代の差が大きいことでした。ここに確かに20代及び30代の、特にまた岩男会 長が「若い世代」と吹き出しで入れてくださったので、若い世代がそれを願っているということが非常に鮮明になってよかったと は思うのですけれど、むしろ今回の世論調査の一番衝撃的なのは、親と子世代でこんなに違うのかということだったと思いま す。
ですから、あえて「現在の法律を改める必要はない」ということは変えた方がいいという方が、文言は別として4倍から5倍に達 していることはすごい違いだと思います。男女の性別による違いよりも、年代差、世代差による違いが大きく、前の文章には、こ れから結婚するというようなことが書いていたのですけれども、恐らく結婚すると決めつけるのはおかしいというような意味で削ら れたと思うのですけれども、年代としてという意味でなら、私は「これから婚姻を控え」、「意識し」とか、それぐらいなら入れてい いかと思ったのです。
それと何よりも本人たちが本格的少子化時代の子どもであると、そういう意味の当事者になってきているわけですね。完全に 長男、長女になってきている。そういう意味を込めて、「当事者である若い世代にとって、『選択的夫婦別姓』への希望が普遍化 していることを物語っている」ぐらい強く入れてもいいのではないかと思っています。 - 八代会長代理
- 私も樋口委員の御意見に賛成で、これは単なる世代間の価値観の違いというのはほかにもいっぱいあるわ けです。それだけでなくて、一方がまさに利害当事者であって、他方は利害が関係ない人たちであるということを強調する意味 があると思います。これは当たり前のようであって、価値観の違いだと簡単に済まされてしまうので、そこはぜひ強調する必要 があると思います。
- 岩男会長
- ほかに御意見ありますか。
- 竹信委員
- 樋口先生の御意見に賛成で、ユーザーなんですよ、若い世代というのは。ユーザーとは書けないでしょうけど、そ のことが鮮明になるような形でこの文言はいいと思います。
- 住田委員
- 私も基本的に賛成で、その趣旨を下に入れていたつもりなのですが、次の「○」ですが、ただ、ここで希望が普遍 化しているところまで言い切れるかどうかの用語がひっかかっておりますので、受け入れが広がっているとか、そういう趣旨のこ とにしていただいた方がよいと思います。
- 古橋委員
- 希望が強まっている。
- 樋口委員
- 広がっている。
- 住田委員
- そこはお任せしますけど、余りそこまで言い切れない段階だと思います。
- 岩男会長
-
私は抑制的に書きましたけど、その点は今の御意見のように、樋口委員のをメインにして修正を加えると、そうい う形にさせていただきたいと思います。
山口委員はよろしいですか。 - 山口委員
- 一言だけ申し上げます。私は印象が強いのは、とにかく夫婦別氏制度ということが先行してしまったと。それが最 初のころのつまずきだと思うのです。それで選択的なのだということが非常にわかりやすく広がったと。それが私10ポイント上 がった根拠だと思うので、全体に少し腰を引いた書き方だから、ここを私としては夫婦別氏制度は強制でないということを強調し た方がよい。そのことが一般的に広がったのです。もちろん若い人たちがこれからそういうところに直面するのだけれども、それ で私はこのように書いたのですが、皆様が、それは心配ないよ、上で書いてあるよ、と言えば、それはそれでいいのですが、私 はそのことを申し上げたかったのです。強制でないということが広がったと。つまり結婚をしている人たちがまだかなり圧倒的に 多いわけですから、夫の氏を名乗っている人たちが、その人たちの不安感というのはすごい大きかったわけです。それで私は 強制でないと、これが世論調査の10ポイント上げたのではないかということで書きました。
- 岩男会長
- 強制でないということを入れるとしたら、どう直したらよろしいですか。
- 山口委員
- 私はこの3行で書いてしまったのですが、確かに青年のことも配慮しなければなりませんが、もしでき得るならば、 住田先生書かれたのとうまくドッキングができないかと思ったのです。強制でないと、どこかに入らないかと。
- 古橋委員
- 「また」の前に、山口さんの意見をぽんと入れて、「年齢別に」というのは樋口先生の意見を入れるということでい いのではないですか。
- 山口委員
- そういうことを入れていただければと思いますが、御検討ください。
- 坂東局長
- 樋口先生の意見は、2つ目の「○」の分のところで付け加えて、これで一応皆さん完結ですね。今御議論は3つ目 の「○」のところに移っていますね。
- 山口委員
- そういうことです。
- 岩男会長
- 私のはおりますので。
- 山口委員
- つまり住田先生のは「青年層で大きく変化した」と言っている。私の方は、既に結婚していて夫の氏を名乗ってい る、その人たちが多いわけです。その人たちが非常に心配したわけですよ。それが選択的だというので、これは安心と、いいの ではないか、こういう世論になったと言っているので、これをドッキングできないかということでございます。
- 古橋委員
- そしたら、「このことは」ということでなくて、「また、このことは」としてもう一つ別のことを言うわけでしょう。
- 樋口委員
- 選択の自由。
- 住田委員
- 山口委員と私は違うことを言っているのです。理解が進むというのは他人事として一応頭ではわかったということ で、私の方はどちらかというと、もっと認容とか受容の世界のことを書いているわけです、国民全体として。私としては「理解が 進む」という言葉はここでは余り使いたくなかったのです。ただ、山口委員は「理解が進む」というのは、恐らく選択だということ がわかってきたと、そういうことだと思うのです。別のことをドッキングしていただければと思いますが。
- 山口委員
- すぐ修文ができなくて恐縮ですけど、そういう意味です、私のは。
- 岩男会長
- それでは、また案があればお出しいただきますし、そうでなければ、今の点をうまくドッキングをさせて、そういう形 で1つの「○」にするということにしましょう。
- 寺尾委員
- 少し戻るのですけど、今、樋口先生が御提案になったところなのですけれども、「本格的少子化時代の当事者で ある若い世代にとって」という部分が、私たちはここで議論しているからよくわかっていますけれど、これが婚姻の障害になって いるということが、ほかで書かれてないとすれば、これだけから読むのは難しいと思いますので、少し言葉を足された方がよろし いと思います。
- 樋口委員
- 文章はお任せします。そういう意味です。だけど、当事者なのだということです、若い世代が。
- 寺尾委員
- 婚姻の障害になっているという話は、不便・不利益のところには出てきていましたか。
- 樋口委員
- 出てきていますけれども、少し出方が弱いような気がしました。議論している人にはわかるのですけれども、確か に。
- 岩男会長
- 「少子化時代の当事者」という言葉自身も余り聞きなれない言葉ではないでしょうか。
- 樋口委員
- 「少子化の若い世代」。
- 古橋委員
- 本格的少子化時代を迎えて、これからそういう制度に直面する若い世代なのですね。
- 樋口委員
- そうですね。夫婦同氏制を強制する社会で、こっちも長男、こっちも長女となっているときに、同氏制度を強制され ると婚姻の妨げになっている。これは後から出てくるたくさんの問題なのですけれど。
- 古橋委員
- 婚姻の当事者なのか、「婚姻の」と入れればいいのか。
- 八代会長代理
- ここで少子化問題を入れるのは少し無理なのではないかと思います。今、古橋さんがおっしゃったように、こ れから婚姻を控えた当事者である若い世代にとってという方がまず無難ではないでしょうか。
- 樋口委員
- そのぐらいにしておきますか。
- 坂東局長
- 「これから婚姻を控えた当事者である若い世代」。
- 樋口委員
- それなら当事者でもいいでしょう。
- 古橋委員
- それでいいですよ。
- 岩男会長
- それで、ここは大丈夫ですか。
- 坂東局長
- この3つ目のパラグラフのところは、山口先生の御意見と住田先生の意見のドッキングはどこでやりますかね。
- 山口委員
- 「選択」ということと「選択的」というのと違うのですね。私はたしか選択のところ括弧したと思うのです。忘れてし まったけれども。
- 猪口委員
-
山口先生と住田先生のおっしゃっていることは違う内容で、どちらかというと、住田先生の内容は上の段のところ である程度カバーされているので、もし3番目のパラグラフを上の段の流れで書くのだったら、もとのままの方が何となくそのま ま、余り大して大きな論点のない、だけど、しっかりとそれを言うという流れになりますね。
そうではなくて、別の論点をここに出すというのであれば、山口先生の文章を工夫するということだと思うのですけれども、その 場合に強制でなくというのが一般の人にわかるかどうかというのがわからないのです。ですから望むならば、夫婦別氏制度を選 択できるようにするとか、もしそれを言うのだったら説明が必要になるかと思うのです。それをここでやるか、もう少し別のところ でやるか、それの選択だと思うのですね。ですから、これは世論の変化についてを書いているから、先ほど樋口先生から御指 摘いただいている、当事者世代でのというのがポイントなのですね。それと少し違う論点が入るので、それを読者がわかるよう に入れるのだったら説明しないとまずくて、そうでなければ、そのまますっと読めるようにしてしまうと。 - 住田委員
- この世論調査というのは人口の統計と同じで、その主体が経年的に完全に移っていくものですから、今まで増加 しているのは、さらに延長していく。この若い人が年取っても、同様な形に行くわけです。すなわち、趨勢が拡大するというような ことを入れたい。今回初めて変わったのでなく、この変化はこのまま持続し、かつ拡大するだろうという見通しを入れたかったの です。
- 猪口委員
- そしたら、この「趨勢」という表現を残す方がいいですね。
- 住田委員
- ですから今回は変化したけれど、初めて過半数に達したけれども、もっとこれから増えるのだから、先取りでも何 でもなく、当然の変化を入れた法改正だと言いたいのです。
- 八代会長代理
- これは代替ではなくて足したらだめなのですか、この原文に、住田さんの部分を。「このことが」がダブってし まいますけれども、「それ以外は重要な変化であると考える。なぜならば」というような意味ではだめなのですか。
- 樋口委員
- 「この傾向は」から付け足したらどうですか、逆に。
- 住田委員
- そこはお任せします。私はこの文を直すために作っただけですから。
- 岩男会長
- 「この傾向は」からを、そうすればダブらないと思いますね。
- 樋口委員
- いいと思います。
- 坂東局長
- 「この傾向は」をつけると。これを原文に。
- 岩男会長
- 原文に。
- 坂東局長
- 山口先生のはどうしましょうか。
- 山口委員
- 皆さんが賛成だから、私は非常に直観的な人間でして、強制でないということがわかったので、世論調査が10ポ イントよかったとみる、それだけの話です。
- 寺尾委員
- そのことはここにいらっしゃる方皆さん感じておられることだと思うのですけど、証明することは難しいと思うのです ね。それから、これをやるべきだという議論を必ずしも強めないと思うのですね。いかがでしょうか。
- 山口委員
- 5年前は、そういうことがあったのですよ。
- 寺尾委員
- つまり昔は誤解に基づいて反対が多かったけどという。
- 山口委員
- そういうことですね。
- 松田委員
- この統計を紹介する文脈で言うよりは、同氏を名乗るにせよ、別氏を名乗るにせよ、選択的夫婦別氏制が今一番 必要な、強制されるのでないという点をどこかで強調しておく方が良い。
- 岩男会長
- そうですね。それは後で何カ所か出てまいりますので。
- 松田委員
- この中に埋没させるよりはその方がいいと思います。
- 岩男会長
-
ではそういう形で。
では3の方に行って、先ほどの「不便」をとるということで。 - 内閣府
-
タイトルは今おっしゃったような形に変えることといたします。
最初のパラグラフでございますが、選択的夫婦別氏制度が導入されていないことによる不便・不利益に関して、前回お出しし たのは、事例をたくさん出していましたが、先生方の御指摘を踏まえ精選しました。
それから、職業生活上の不便・不利益と婚姻の妨げになっているということが大きなポイントでございますので、書き込んだ構 成にいたしております。
それから、御意見といたしましては、それぞれの「○」のところに見出しを付けてはいかがかというのが山口先生から出ており ます。
2番目のパラグラフでは、竹信先生から、混乱を生じる要因としては、旧姓を使う本人も大変ですし、職場の管理者も同じよう に、保険の手続などで苦労しているという事例もあるという趣旨から、こういうことを挿入したらどうかという御意見が出ておりま す。
3番目のパラグラフのところでは、これは形式的に離婚届を出したり、あるいはそもそも婚姻届すら提出していない、これは事 実婚の説明ですけれども、こういう説明をしなければ事実婚一般のことと誤解されるおそれもあるという意見もあったりしました ので、これは説明を加えた方がいいのではないかということです。
それから、「これにより」ということで、法律婚制度の形骸化を一部招いているほか、実際に「法律上の権利を享受できないと いう新たな不便・不利益が生じている」というのを加えてはいかがというような御意見が出ております。
次の6ページ目でございますが、「改姓を契機に夫の親から『家』の嫁としての扱いを受けたとするもの」、この辺は感じ方の問 題なので削除してはという議論と、「『家の嫁』で従属的な立場を強いられた」ということで書いた方がわかりやすいのではない という修正案も出ております。
それから、女性だけでなくて男性も苦労している場面があるというのをはっきり書くということで、下線を引いたようになっており ます。
一番下のパラグラフですが、不便・不利益の軽減に政府も努めてはおりますが、今後、旧姓の通称使用の範囲が拡大したと しても、通称名と戸籍名の使い分けに伴う混乱はなお存在しますし、次に述べるような、改姓が強制されることによる憲法上の 問題も指摘されていて、夫婦同氏制度であることによって生じている問題の根本的解決にはならないと。これは憲法上の問題 をクリアするには通称使用を拡大しても根本的な解決にならないという趣旨で書いています。
これに関しまして、住田委員から、例えば「判決文などの公的書類で、戸籍名と違う通称使用には限界がある」ということを はっきり書いてはいかがという御意見と、岩男会長から、「憲法学の立場からは」と書いて、このような文言の修正をしてはどう かという御意見が出ております。
以上でございます。 - 岩男会長
- ありがとうございました。それでは、まず山口委員からの見出しを付けるという話は。
- 山口委員
-
最初の経過などは長く書くよりは「○」印で段落ごとに書くことはいいと思うのですが、全体を通して何が残るかと いうと、不便はとるということですが、何が不利益かという、そこは私は強調したい。大きく見出しを付けた方がわかりやすいの ではないかということで、私はこの4項目付けた。ただ、後で憲法の問題が出てくるので、それをどうするかという話があります が、それで私は「○」印で、ここは見出しを付けるとわかりやすいなということが1つ。
ただ、私は不利益のところはせめて見出しがゴジックくらいではっきりわかるようにしたらいいのではないかと。皆様どうお考え になられるか、少しほかの項目と違うと思ったので、そういう提案をさせていただきました。 - 住田委員
- 私のところについて、弁明も含めて申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
- 岩男会長
- はい。
- 住田委員
-
まず3つ目のパラグラフですが、事実婚について書き加えた方がいいということです。実際にこういう事例が極めて 多いので、御存じない方に対してわかっていただくために書き込む必要があるだろうと。今の法律婚制度というのはこういう意 味で形としておかしなことになっているのです。私自身は個人の選択を尊重し、別に法律婚でも事実婚でもいいと思っているの ですが、反対をされる方にとってはこれはゆゆしい問題だととらえられる方もいらっしゃるかもしれないしということで、「法律婚制 度の形骸化を一部招いている」のだということを入れてみてはいかがと思ったのですが、そこは御判断をお任せします。
次の6ページのパラグラフ、ここは岩男先生が落とした方がいいとおっしゃるなら私もそれでも構わないかと思います。逆に「家 の嫁」としての扱いが実際何なのだろうと言われて、しっかり書いてしまうと、従属的立場で男尊女卑的なものとしか言いようが ないわけですので、余りこれをあらわに書くのは不適当だと言われたら、私は岩男先生の説に乗りますが、もし、これを残すの だったら、これではわからないと思って書き加えたにすぎません。
それから、次の通称の部分については、私の考えている通称と一般的に言われている通称との概念の違いがあるかもしれな いので申し上げたいと思うのですが、通称という形で戸籍に通称の記載をするという案も当然あるわけです。それを一般的な通 称というのであれば、私はそれは通称ではなく、少なくとも戸籍法改正に基づいての法律的裏づけのある氏だと思います。戸籍 法上の呼称上の氏と言ってもいいと思うのですけれども。ここで今言われているのは、法改正をしない社会的受容としての通称 使用で賄えるというのであれば、こういう問題があるということは残るということで限界があることを1つ書いておいた方がいいの ではないかと思ったわけです。法改正をしなかったら、判決文や起訴状、そういう公的な文書、しかも長期間保存すべき文書で は、この人誰だというときに戸籍でたどれないというような制度はあってはならないと思っております。そういう意味で、限界があ ることはきちんと書いておくべきではないかというのがここに入れた趣旨でございます。
あとタイトルとして、全部入れた方がいいかどうかという山口委員の御意見については、要するにのみ込みがいいかどうかだ けの、そういう判断ではないかという気がしまして、思っている方向は同じですので、ほかの方々の感覚にお待ちしたいと思っ ております。私自身はどちらかというと、ここは書いてもいいかというのが本音です。 - 山口委員
- 6ページの住田委員が書かれた「改姓を契機に夫の家から『家の嫁』として、従属的立場を強いられたとするもの や』に修正」ということ、私これは賛成です。なぜならば、本当に地方へ行きますと、特に農家なのですが、自分の名前を呼ばれ たことがないと。「うちの嫁、嫁」と、本当にこういう慣習が根強いのです。だから私はこれは入れておいた方がよい。都会だけ見 ているとわからない。これは広く根強い農村だとかそういうところを考えると入れておいた方がいい。私は支持します。
- 住田委員
- 私も1つ申し上げます。いろんな相談を受けた1つの例ですが、夫の親から妻の親に「今度お嬢様をいただくことに なりまして」という言い方をしたわけです。そのときに、妻の親が、結婚して名前を変え、あなたにあげるつもりはないと反発して しまったのです。結局破談はしませんでしたが、籍を入れない、届けを出さないという漫画のような、しかし非常にぎくしゃくした 関係になりました。これはまさにこういう感覚だったのだと思うのですね。自分のものにする、従属立場、自分の下に入るとい う、そういう感覚ですね。ただ、これを書いていいかどうか皆様の御意見をお待ちします。
- 樋口委員
-
私は介護を通して家族制度を見ておりますと、まさに姓を名乗り、その嫁になっている者に介護責任が来るという ことははっきり存在します。それから一部の地域では、葬式に嫁側の親戚は席次とか焼香順も違うとか、日常茶飯のまさに男 女共同参画社会基本法の第4条にあるようなことですね。社会慣習上の問題は、ほとんど婚姻上の夫と妻との、特に夫の姓を 名乗った嫁の側への差別的な事例が多くあります。いまだに結婚式の披露宴で夫が表口から入って、妻は裏口から入ってと か、これは何十年前のことでなくて今の現実なのですね。
もちろん選択的別姓によって、それがすぐ変わるというものでもないのですけれど、改姓して姓を名乗れば「うちの嫁」という所 有意識、介護に自分の実家へ行けば、舅、姑があんたどっちのものなのだと問われるというようなことがあります。こうしたこと がおかしいと明言できなければ、男女共同参画社会基本法の意味はないと思います。
ここから先は会長にお任せしますけれど、必要とあれば、現実の女性の従属的立場を知らせる。証拠があるかといったら、事 例を出せばいいのだと思います。 - 岩男会長
- 基本的には私は従属的立場を強いられたというものが入ればわかると思いますので、入れていいのではないかと 思います。
- 古橋委員
- 私は入れて、できるだけはっきり書いた方がいいと。これは何もこういう意見があったわけですから、意見があった のは事実なのだから、何ら問題はないのではないか。こういう意見がありましたと、ここへすぐ出せるわけでしょう。こういう意見 がありましたという証拠は、だから全然問題ないのではないですか。
- 寺尾委員
- 1点だけ、また揚げ足をとるようなのですが、少し気になりますのは、この事例はたしか結婚したときには姓を変え てなくて、途中で姓を変えたら、突然向こうの態度が変わったという話ですね。
- 岩男会長
- 変わったという話です。
- 寺尾委員
- でも、それを知らないで普通に読むと、結婚して姓を変えたらこうなったと読めますね。そうすると結婚したことに よってなったのか、改姓がひどいのかわからないのではないかと思うかもしれないですから、そこまで書いていられないというの もあろうかと思いますが。
- 岩男会長
- ですから一般的な例として問題がないような形でということで、あの事例だけをここへ出しますと誤解を招くので、 あれだけを説明するわけにいきません。ですから住田委員のような修文で通せば比較的問題が少ないのではないかと私は思 いますが、よろしゅうございますか、そんなことで。
- 住田委員
- 夫の親からです。
- 岩男会長
- 親族、家族からなのです。
- 住田委員
- 親族ですね。
- 寺尾委員
- 親族ですよね。
- 岩男会長
- それから住田委員の長期間保存されるというのはいいのですが。
- 住田委員
- ここは長過ぎますから、こういう趣旨を入れるとして、限界があるのでわかるのだったら、それでも結構かと思いま す。
- 岩男会長
- それから判決文というのは余り多くの人に関係がないので、もう少し一般的な例をいただけると、より使いやすい のですが。
- 住田委員
- わかりました。裁判官が一番いいかと書いただけなので、裁判官の書く公文書として。
- 岩男会長
- それから、一番下のところは、実は文章が長いということもあって、それと、根本的解決にはならないだけではなく て、その解決のためにはこうしなければいけないということまで付け加えておいた方がいいのではないだろうかという、そういう 趣旨で書いたのですけれども。
- 猪口委員
- これは高橋先生は特に。
- 高橋委員
- 憲法上問題があることはそのとおりですけれども、原文の方と論点で書かれているのを比べると、論点で書かれ ている方がより積極的な形で書かれている感じがするので、私としてはこちらの方がわかりよいし、いいのではないかという感 じがするのですけれども。
- 岩男会長
- 古橋委員は。
- 古橋委員
- この法律というのは「民法において」と書けないのですか。
- 猪口委員
-
私もそういうように感じておりまして、先ほど戸籍法であるとか、そういうことのレベルではなくて、民法改正という ことが基本的な目的になるわけだから、それについて解釈の余地のない表現をきちんと使うことが重要ではないかと思っている のですけれども、ですから「法律において」ということを書くのであれば、「民法」と書かなければだめであって、そうでなければ、 根本解決にならないということを言っていく。根本解決にならないのだから、何をどうやっても根本解決にはならないと、法律の 趣旨としては通らないと持っていく方がいいかと思うのです。ですから法律について書いてもいいのですが、そしたら「民法改 正」ということを書かなければならないと。でも、そこまで書くと大変かもしれないと思うので、根本解決にならないのだということ を言っていく必要があるかと思うのですが、どうでしょうか。
原文のところは結構工夫してあると思うのです。もう少し強く言いたいだろうけれども、強く言ったら、それを書かなければなら ないわけだから、そういう意味ではすごく工夫してあるのです。だけど「根本解決にならない」と書き切っているわけだから、専門 家が読めば、何を意味しているかがわかるということですね。 - 岩男会長
- ほかに御意見がございますでしょうか。
- 高橋委員
- 逆に言えば、「法律において」と書いておけば、専門家が見れば何かということがわかるとも言えるわけですね。 根本的に解決にならないというよりは、根本的解決するためにはいいのではないかというのは、先ほど私が言った趣旨です。
- 坂東局長
- この法律は民法ですか、それとも個別法ですか、それとも。
- 高橋委員
- それは私の頭の中で民法だと思っていますけれども、それ以外の方法が考え出されれば、それはそれでいいか と思います。
- 古橋委員
- 個別にいっぱい今ある不利益の問題を個別法でみんな書いてあるものを全部洗い出して、その部分を一括法で 直せという議論が強いのです。しかし、私は民法ということの改正をぴしっと言っておく必要があるということと、憲法上、問題の 根本的解決にならないというようなことをはっきり言っておいた方がいいのではないかという気がしておるのですけれども。
- 住田委員
- 竹信委員の前のページの2つ目のパラグラフの件なのですが、混乱があるのは本人のみならず、職場の管理者 よりもっと広いものがあると思いますので、本人のみならず、周囲・社会にも混乱が生じたという事例がと。
- 岩男会長
- 周囲。
- 住田委員
- 「周囲・社会」。関係する人は皆さん巻き込まれる可能性があるわけですので。
- 岩男会長
- 私も「周囲」と直した方がいいと思っておりましたので。
- 坂東局長
- 職場の管理者を。
- 住田委員
- 職場の管理者を落として「周囲・社会」にしてしまう。
- 竹信委員
- 対システム上ということなのですよね。氏というのを保っているだけでなくて。
- 住田委員
- そうです。だから社会が困るのだという、氏というのは本人以外にも社会のものでもあるという、そういう観点で す。
- 坂東局長
- 「周囲・社会に困難が生じた」と。
- 八代会長代理
-
5ページ目の一番下の「○」ですが、ここで少し気になるだけなのですが、まず上段の問題は今回の改正で は解決できないわけですね。つまりこの上段の長男、長女等の婚姻の問題は今回の改正では見捨てられたわけですね、この 部分は。なぜ長男、長女が婚姻の妨げになっているかというと、名前を継ぐ子どものどっちかがいなくなるという問題は、2人の 子どもの氏を変えなければ解決できないけど、それは今回の改正では結局先送りされたわけです。だから、その区別は、書く 必要もないのかもしれないですけど、少し気になった点です。
それから、より重要なのは後段なのですけど、私はむしろ住田委員がおっしゃっているように、「法律婚制度の形骸化を招いて いる」というところで切れないかどうか。つまり反対側の立場で考えますと、結婚届を出さないのだったら法律上の権利を享受で きないのは当たり前のことであって、出さなくて権利を主張するのはいかにもひどいではないかと。だから出さないなら、むしろ それがなぜ障害になるかというと、まさに法律婚制度の形骸化を招くことの社会的な不利益が生じるのであって、というような 反論が出ないかどうかということが少し気になったのですけれども。 - 樋口委員
- その方がいいと思います。
- 八代会長代理
- どうでしょうか。
- 岩男会長
- それではよろしいですか。
- 坂東局長
- 「法律婚制度の形骸化を一部招いている」でおしまいですね。
- 八代会長代理
- 一部でなくて「招いている」。
- 坂東局長
- 「一部」もとる。
- 樋口委員
- 数は絶対わからないものでしょうか。
- 岩男会長
- 届けないのですから、わからないのではないですか。
- 樋口委員
- ではペーパー離婚の数は。
- 住田委員
- この暗数は物すごいものがあります。
- 樋口委員
- 物すごいものがあるという感じはわかるわけですね。
- 住田委員
- はい。周囲にたくさんありますから。
- 岩男会長
- それでは6ページのところは、原文の。
- 樋口委員
- 会長が「法律」とおっしゃったのは、民法を必ずしも意識していらっしゃらないわけですか。今言った個別法の積み 重ねでということも考える。
- 岩男会長
- 民法もとにかく必要なものはすべてという、法律家でないものですから、とにかく所要のというので、「所要の措 置」というのは全部カバーするのかと、非常に常識的に。
- 住田委員
- 「所要の措置」というのは恐らく通称を認めることなのだと思いますが、私が問題にしているのは、しかし、その人 は誰かというときに、戸籍なりきちんとしたもので、その人が特定できるような原簿がないと困るのです。たとえほかの制度で通 称を使ってもそれと結びつきができないということは制度上大きな欠陥だろうと思うのですね。ですから、問題の解決としては、 物すごく大きな禍根を残すことになるということを私は限界があるということで言いたかったのですが。
- 岩男会長
- 戸籍法も変えて。
- 住田委員
- ですから戸籍に通称名でもいいですから書くのであったら、これはぎりぎり改正だと思う。それは大きな法改正 で、それは民法改正とほとんど同じレベルの問題だと思うのですね。ですからいろんな個別法で使えますというようなことをして も、戸籍を変えない限りは私は大きな穴が残る制度になるだろうと思います。
- 高橋委員
- 根本的解決ということでは両者は同じで、根本的解決するためには通称制をとってもだめなわけですから、いずれ にしても民法の改正は必要になるのだけれども、民法だけではないのだろうと。そういう意味で、特にここで「民法」と言わなけ ればいけないのか、言った方がいいというのであれば、「民法等」といっておやりになるという手もあるかと思うのですけれども、 法律においてということで、私自身の読み方としては根本的解決ということが非常に重要ではないかと。根本的解決にならない というよりは、根本的解決のためにはこうすべきだという書き方の方が、私の好みの問題ですけれども、好きなものですから、こ ちらの方がいいかと思ったのです、固執はいたしません。
- 松田委員
- 選択的夫婦別氏制を法律で定めることをしないで通称でやっていることは根本的解決にならないということを言お うとしているのだと思うのですね。ですから、冒頭にその部分を入れておけば、根本的解決をするには法律改正をしなければな らないということになるのではないでしょうか。ただ、このまま通称使用の問題点だけを言うか、あるいはそれを現に存在するも のと割り切って、別な文脈で法律上の措置が必要であるというよりは、むしろそれを両方一緒にまとめて言うとすれば、今のよう に通称使用という考え方を推し進めれば、それは氏の選択を当事者の自由にまかせる制度をしっかり法律で定めることになる と思うのです。通称使用を行っていることが根本的解決にならない。そういうようにつなげれば、今おっしゃったことが大体みんな 盛り込まれるのではないかと思います。文章の細かい表現は少し工夫が必要かもしれません。
- 猪口委員
-
今のここの局面で重要なことは、解釈の余地を残さないということだと思うのです。ですからあとは文言をどうする かということだけなので、民法改正が必要であるという線ですよね。それ以外の選択が少なくとも法制度として適切でないし、専 門調査会としての考えとしてもそれはよくないと、そういう線で合意したと思うのですね。ですから、あとはそういった別の解釈の 余地を与えない文言がどうあるべきかということに集中して考える方が私はいいと思うのです。
少し局長さんの方に伺いたいですけれども、あるいは推進課長さんに伺いたいですけれども、この原文の形、これで十分に誤 解の余地がないかどうか、そこが肝心なのですよ。そうであれば、それでこの間の議論が文章化しているということだと思うの ですね。もし変更するのであれば、私は「民法」ということを入れないととても不安だということですね。 - 古橋委員
- 高橋先生がおっしゃるように、「問題の根本的解決のためには」ということが入っているから、それは当然民法だよ ということがわかるようにはっきり書いておいた方がいいのかなということです。
- 岩男会長
- そこを高橋委員が御提案になったように、「民法等」という書き方はまずいと。
- 寺尾委員
- 私法の分野では、民法というのは憲法なのですね。ですから民法に従って全部制度ができているわけで、ですか ら「等」は要らないのです。民法が変われば、それに合わせてみんな変わらなければいけないわけですから、「等」を入れるとい うのは専門的な観点からもおかしいと思います。だから逆に民法だけは変えないでほしいというのはそういう意味なのです。
- 松田委員
- 民法を変えればみんな変わるわけですね。
- 住田委員
- ですから戸籍法だけ変えるというのは法律改正としては適切でないのですね。
- 岩男会長
- そうしましたら、もとの原文のようにいたしましょうか。
- 古橋委員
- ここで特に「憲法上の問題点も指摘されており」ということを書いたのは、今までここで不利益ということだけだと、 そんなことは個別法で直せばいいのではないかという意見もあるでしょうから、ここのところで憲法上の問題点はあるのですよと いうことを書いてはどうか。原文でいいのかという気がいたしますけど、これは皆様方のご意見で。
- 岩男会長
- こういうことをここへ書いてくださいと私どもお願いをしておりまして、それをまたさらに直しているのですけれども、 ただ、もう少し前向きにという、全く高橋先生と同じような意味で書き直したということですので、原文でよろしければそれで結構 でございますから、それで憲法上の問題につながっていくという、そういうことで。
- 古橋委員
- 「法律において」というところだけ、「民法に所要の措置を講ずることが望ましい」と書いていただければ、私は全く それで結構です。「法律において」というところを「民法に」。
- 岩男会長
- 「民法において所要の措置が」。
- 古橋委員
- ええ。
- 岩男会長
- そのようにさせていただきます。
- 樋口委員
- 「望ましい」だから穏やかですよ。
- 猪口委員
- その場合でも「根本的解決にならない」は必要ですね。そう言った上で、したがって、民法における民法改正が必 要であるというように、もし変えるのだったらそう書く。
- 岩男会長
- 根本的解決のためにはこれが必要だと言っているのですから、同じことですよ。
- 猪口委員
- そうですか。
- 岩男会長
- 山口委員から御指摘のあった、見出しを付けるというお話で、1つはここだけ見出しが付いてしまうので、少しそこ はいかがか。
- 山口委員
- これは私の提案ですから、皆様がここだけは突出してしまうとか。
- 樋口委員
- わかりいいです、見出し付けた方が。
- 竹信委員
- ほかに問題がないのだったら、付けた方が明らかに読みやすいと。
- 古橋委員
- それは竹信さんにやってもらう。
- 樋口委員
- 「『家』制度の残滓によるもの」とか短くすればいいではないですか。
- 竹信委員
- そうですね。
- 古橋委員
- 「『家』制度の残滓」でもいい。
- 樋口委員
- 残滓だけでもいい。
- 岩男会長
- そうしましょうか。これで全部つきますか、まだ残っていますか。
- 竹信委員
- 最初は増大する不利益という形ですよね。その次が、「まず」というのは、本人も社会も混乱という、こういうことだ と思うのです。次は「婚姻の妨げにも」、それで最後が「家」制度の残滓というのはちょっと、何ていうのですか。従属を入れるの だったら、「家」制度が入った方がいいのですね。
- 樋口委員
- 「家」制度入った方がいい。
- 竹信委員
- 「家」制度の残るひずみとか。
- 樋口委員
- 3番には婚姻の妨げ、少子化を助長と。
- 竹信委員
- そういうことでいいと思います。
- 山口委員
- キーワードだからよいと思います。
- 樋口委員
- それと根本的な分け方なのですけれど、この「○」というスタイルは変えないのですか。というのは、何かこれを取 り出して言うときに、1.2.とかa bcとか、イ.ロ.ハ.でもア.イ.ウ.エ.オ.でもいいのですけれど、その方が説明するとき も言いやすいのですけれど、どうしても「○」でいくものなのですか。
- 坂東局長
- 順番をつけると、軽重が問われるのではないかと、1番が一番大事、2番目は、3番目はというようなことが、誤解 されないように「○」の方がいいか。ア.イ.ウ.エ.オ.
- 岩男会長
- でも若干あるのではないか。
- 坂東局長
- イ.の1番なんていう。
- 古橋委員
- 3の次は(1)、(2)になって、その次はア.イ.ウ.エ.オ.になって、その次は(ア)になって、その次がa b cに なり、というのが政府における文章の書き方の基準ではないですか。
- 樋口委員
- 3番目の「○」でございますが、なんていうのがすごく言いにくいですね。説明するときに。
- 山口委員
- 役所としては「○」印でスマートにきれいに、大事なものが入っていればいいという感じだと思うのだけれど、読む 立場から言うと、例えば樋口先生のところで出された答申だって、一番最初に目玉が書かれているのですよ。
- 樋口委員
- そうですね。
- 山口委員
- ぱっと入ったとき、不利益、何が不利益か、こうこうだ。それから理由を付ける。こういう感じというのは強弱つける のは大事ではないか。つまり経過のパラグラフを書くのと違うと少し思ったものですから、これは非常に好みがあるとは思いま す。
- 猪口委員
- 番号とかそういうのを付けると全部包括されている場合はいいですけれども、ほかにも要因あるかもしれないです ね。1.2.3.4.と振ったら、何となくその4点だけかという感じは少しあるのですね。「○」であれば、少なくともそのとき念頭に 入ったものは書いていますという感じだからオープンエンドな感じになるかと。
- 樋口委員
- それなら「○」でいいと思います。
- 猪口委員
- 中間報告だから、最終のとき考えれば。
- 樋口委員
- はい。
- 寺尾委員
- せっかく5ページやっているので、先ほど「不便」をとりましたね。でも地の文章の方には「不便・不利益」と出てい るので「不便」をとった方がよい場所では「不便」をとられた方がいいかもしれません。
- 岩男会長
- そのように連動して変えるつもりです。
- 寺尾委員
- 「不便」が先にあると「不便」の方が軽いので、「不利益」がもっと軽く扱われてしまいそう。
- 坂東局長
- 6ページの住田先生の意見の部分は、この判決文等の部分においてはのところを切って、「戸籍名と異なる通称 使用に限界があることは明らかで、また、」と。
- 樋口委員
- 「判決文等」というのはとってもいいでしょう。
- 住田委員
- 説明として書いただけで。
- 樋口委員
- 言われたら説明する。「長期間保存される公的書類」。
- 坂東局長
- 公的書類でいいのではないでしょうか。
- 住田委員
- それで入れた方がよければどうぞ。私の心としては説明のつもりです。
- 坂東局長
- 「法的書類においては」まで消すかなと思っていたのですが、「公的書類は」を残しておいた方がいいですか。
- 住田委員
- はい。
- 岩男会長
- そんなことで、4のところに移りたいと思います。
- 内閣府
- 4の「憲法上の問題点について」ですが、最初のパラグラフです。憲法とのかかわりのところに「及び近時の人権概 念の拡大・進展と人権意識の高まり」を入れてはどうかという修正意見が出ております。
- 住田委員
-
これは後から入れたので、もし文脈として続けるなら最後のポツに入れて、次が「及び」だと思います。何でこれを 入れたかの趣旨だけ申し上げますと、憲法上は一応ghq案に則って、夫又は妻ということで形式的には男女平等であることは 間違いないので、余りずっと不平等だったという言い方はしたくないのです。しかし今回、高橋委員から男女平等の問題、24条 の問題等もあるということが出てまいりましたので、その中身として、人権意識として、氏や呼称に関してかなり変わってきたの ではないかということを入れた方が今の改正の機運になり得るのではないかと思います。1つの例として63年の最高裁判例を 入れてみたわけです。
意識として変わってきている。概念としてもいろいろ進展しているということを入れたらいかがと。そこで、ぜひ高橋委員の御解 説と、もっとふさわしいことがあれば別のことをお願いしたいかと思います。 - 岩男会長
- 憲法上の問題点のところにこれを入れるのがふさわしいかどうかということもあると思うのですね。
- 住田委員
- ただ、憲法の人権概念自体がこういう最高裁判例に見られるように、極めて変わったというのでなくして、今。
- 岩男会長
- 一般的な見地でなくて憲法の。
- 住田委員
- そうです。
- 岩男会長
- わかりました。
- 住田委員
- ですから改正するときには違うのだということを言った方が説得力が強くなるのではないかと思いまして、63年の 格好の判例を出していただいているものですから、これは今までの人権概念をさらに拡充したものではないかという気持ちを込 めて、そのタイトル的な意味で最初にもこれを入れておいた方がよろしいのではないかということです。
- 岩男会長
- 高橋委員、何か御意見がおありでしょうか。
- 高橋委員
- 入れることについては私も結構かと思うのですけど、この形だと何か文章がすっきりしないので。
- 住田委員
- 少なくとも接続詞は完璧におかしいです。
- 高橋委員
- むしろ今のような趣旨であれば、「憲法」の前に「近時の人権概念の拡大・進展と人権意識の高まりの中で」憲法 とのかかわりにおいても問題が生じてくる、そうした方が.
- 住田委員
- ありがとうございます。
- 古橋委員
- 「近時の人権概念の拡大」というのは憲法上のかかわりなのだから、内包概念だから前の方へ持っていった方 が、今、高橋先生がおっしゃったようにした方がいいのではないですか。
- 岩男会長
- ほかに御意見がございますか。
- 内閣府
-
説明を続けさせていただきます。
「憲法学の立場からの指摘もあり」というのを加えたのと、2番目の「○」は、高橋先生が判例との関係もよく考えられて読み やすく修文していただいたものでございます。
3番目の「○」につきましては、原文、不平等であってと書いてあったのをよりわかやすく解説を加えていただいたのではない かと考えられます。以上でございます。 - 岩男会長
- 何か御意見ございますでしょうか。この修文でよろしければ、もうこれで確認というか御承認いただいたということ で。
- 高橋委員
- 固執はしませんけれども、3つ目の「○」で最後から2行目、「実質的には男女に不平等な効果を及ぼして」、「不 平等」という言葉で差別がというニュアンスがあると言えばあるのですけれども、私の感覚としてはもう少し、不平等な効果が出 ているのは当たり前というか当然のことというので97%ですから、単に不平等だというと、そういう不均衡というか、数字の上で 非常に違いが出ているというだけの意味にもとれますから、もう少し明確に「差別」だという趣旨を出した方がいいかもしれない という感じはするのです。ですから実質的には「男女に対する差別的な効果を」というような。
- 岩男会長
- そうですね。
- 高橋委員
- とした方が、きつくなりますけれども、明確にはなるのではないか。多少ぼやかした方がいいというならば、このま まで結構ですけれども。
- 住田委員
- 高橋先生の「差別」という言葉が出てくるのは非常に意味が大きいと思います。ぜひ残していただきたいと。
- 岩男会長
- ぜひ、今のような修文にさせていただいたらどうですか。
- 坂東局長
- 男女でなくて「女性に差別的な効果」ですね。
- 住田委員
- 一種の間接差別的に読めますね。
- 八代会長代理
- 2%ということは男性にも差別的なんです。ですから「実質的には差別的な効果」という方がいいのではない かと思います。
- 岩男会長
- 「男女」をとってしまって。
- 八代会長代理
- はい。
- 岩男会長
- それでは、次の8ページの「家族の関係について」というところをまず御説明ください。
- 内閣府
-
「家族の関係について」ですが、最初のところの下線ですが、これは世論調査の結果を引用して、「別個の問題であ ると考える者の割合は、過半数に達している」というように修正しています。
2番目のパラグラフですが、「例えば」以降で、離婚とか家族の崩壊の原因は別だということを付け加えている修正案が入って ございます。
3番目が、原文に対する差し替えの案が岩男先生から出ていまして、「家族の一体感にとって最も大切なことは、同氏という 形式ではなく、愛情や思いやりといった実質であると考える。今日、夫婦は対等なパートナーとして互いに尊重し合うことによっ て、深い理解と愛情が育まれるものと考える。そして、それぞれの夫婦の希望によって、同氏か別氏かを選択することを認める ような、多様な生き方を認め合う社会であることが望ましいと考える」で、先ほど選択的夫婦別氏制の意味がまだ十分に理解さ れてないかもしれないというようなことは、ここではっきりと書かれることによってわかりやすくなるかと思われます。
あと全体の構成を少しこういうように改正したらという意味で、住田先生の意見が出ております。 - 住田委員
-
私もまた御説明させていただきます。この4つの「○」は、当初のものを入れ替えて少し語句の修正を入れており まして、最初の「○」につきましては、たしか反対意見、危惧がありですか、元のを忘れたのですけど、全く別個であるというよう な形で断定的に言い切っていたものだったのです、当初の案文は。そういうのを理由づけもなしに、いきなり冒頭に持ってくるの もどうかと思いまして、反対意見はこうありますと。しかしながらということで理由づけを幾つか並べてみて、そして最後にこう いったものではないでしょうかというような気持ちで、こういう構成を変えたものです。
今回の案文は、世論調査の結果をそのまま持ってきまして、その次に「ないか」という考え方という反対論を書いて、それに対 して2つ目のパラグラフの3行目に、それは「必ずしも妥当でない」と言い切ってあるのですね。私はこういう書き方が物すごく ひっかかるのです。右の方は、2番目に実際の具体例を出してきているというところがわかりやすいのではないかということだっ たのですけれども、ただ、中身としては言っていることは同じですので、修文でいろいろ直していただく分には私は全くこだわり ません。 - 古橋委員
- 5が「家族の関係について」という大きな見出しですから、急に世論調査を出すよりも、ここは私は構成を変えた方 がいいと思います。
- 岩男会長
- この構成を変えて、住田委員が御提案になっているような構成にするということで、何か御意見ございますか。よ ければ、住田委員が御提案のような順番にしたいと思います。
- 樋口委員
- 私は法律の専門家ではありませんので、民法が私法の中の憲法だなんて今日初めて知りまして非常に勉強にな りました。全体としてよく修文していただいて、もともと余り異論はなかったのですけど、ただ5の部分は原文では弱いと思いま した。私が入れた修文は、2の中で生かしていただいているのですけれど、私も「必ずしも妥当でない」というのは生かしたので すけれども、「がある」の方がいいと思うのです。「考え方がある。しかし」という形で、現行法においても、この下線の部分は文 章の中身は別として意味は加えていただいたと思うのです。それでも元の文章の、例えば一般的に婚姻による改姓したもの、 親とのきずなが弱まるとか強まるとかというのは、気をつけて書かなければならないことで、今はどこをどうしたらいいかうまく言 えない部分もあるのですけれど、住田委員の言われた「理由となっている」、「しかしながら」と、これは続けた方がよくないです か、「○」としては。
- 住田委員
- これは前の構成を変えて、接続詞だけを変えたので2つの文になっているだけです。
- 樋口委員
- 2番目の「○」を続けて、これは反論があるけれど、その中に、例えば、現行制度の下においても離婚の増加など あるのですから、アメリカやイギリスほどではなくても、日本だって離婚は増加しています。そのことは実例に入れた方がよく て、住田さんの1と2を一緒にした中に入れ込んでいただけたらと思います。
- 岩男会長
- 樋口委員の御指摘、離婚の増加というのは、これはいいということで、その原文の方に織り込んでしまったのです けど。
- 樋口委員
- ありがとうございます。
- 岩男会長
- そうするとどこに住田委員の1と2をコンバインするという。
- 樋口委員
- そうですね。そしてその中に「○」、「例えば」以下を入れ込んで、家族の崩壊というのは、本当に現代のもたらす さまざまなほかの原因がいっぱいあるので、教育の問題もあるかもしれないし、価値観の多様化の問題もあるかもしれないし、 ここで理屈言い出すときりがないから、現実に数字で実証できるものを、例えば「離婚の増加」云々というようなことを入れたらと 思うのです。
- 猪口委員
- 最初に世論調査のことを言うのはそんなにまずいですか。私これは結構重要な指摘ではないか。客観的事実で すものね。
- 樋口委員
- そうですね。
- 猪口委員
-
ですから住田先生の御趣旨はすごく賛成なのだけど、まずはこうだと。これは実態でしょう。だから証明になるか ら、それを書いた方がいいのではないかと思うのです。
それで次の「○」で、ここが断定的だとおっしゃるわけですね。「考え方は、必ずしも妥当でない」と言っていることは。 - 住田委員
- ここの前、個々の問題であると書いてあったのです。それが物すごいひっかかったので順番変えたのです。
- 猪口委員
-
そうしたら最初の「○」はここである程度残しておいて、語句の修文があるかどうかわからないけれども、内容とし ては残すのが私はいいと思うのです。それで次の「○」のところで「家族の崩壊をもたらすのではないかという考え方をする人も いる」と。だから、それは結局、住田先生の「○」1をここに入れ込んでいるという感じなのですよ。まず実態はこうで、それは一 体感と違う、関係ないことなのだということをまず言って、2番目に、でも「選択制が崩壊をもたらすという考え方をする人もいる」 ぐらいで、でも、それは違うということを、原文でも似たようなことを言っているのだけれども、表現を変えるのだったら、それは表 現を変えてもいいけれども、そういう構成の方が私ははっきりすると思うのです。
それで、最後の3のところは、どうするか、また議論で。 - 岩男会長
- 順番についてまず決めたいと思いますけれども、どちらがよろしいでしょうか。住田委員の順番と。
- 松田委員
- 夫婦別姓の問題というのは、その底に、一体家族はどうあるべきかという問題と密接に関連している。それをどこ かで言わなければならないけれど、私なりに考えると、まずとりあえず法律で姓を強制するということを外して、一切の予断を抱 かずに家族のあり方をこれから探っていくことなのですから、私は最後の会長が言われた部分が一番重要だと思うのです。だ から、これをどううまく持っていくか。だから世論調査が先であれ、反論を先に出すにせよ、一番最後の、今一番必要とされてい るのは心と心の結びつきなのだよと。何かで強制されるということを、かえってそれのリアクションで今家族崩壊が起こっている のだよという、そこへ持っていくように構成できれば私は一番いいと思うので、どちらでもその効果が出れば構わないと思いま す。
- 岩男会長
- どうぞ、寺尾委員。
- 寺尾委員
- この場で思いついたので大変申し訳ないのですが、6番との関係でも、5の部分については、やっと若い世代を中 心に一体感が弱まるということはないという人の方が強くなっているわけですね。若い世代が、主にこの制度のユーザーであっ て、若い世代が少子化問題も抱えているわけですよね。その若い世代において、別氏制度に対する理解も深まったけれども、 若い世代は別氏にすることによって一体感が弱まると思っていないという、ここが大事だと思うのです。つまり個人主義になって いるからそうなっているのではなくて、一体感が弱まると思っていなから別氏制度でもいいのではないか。逆に言うと家族の一 体感は若い世代も大事だと考えているのだと。そちらの方を注目して、そこの部分に一番変化があらわれてきて、それは6にも もしかするといくかもしれないという方向で考えるような書き方をするのも1つの手かと思うのですが、いかがでしょうか。
- 岩男会長
- つまり世論調査のところをもう少し若い世代のことが書いてあるところをもっと丁寧な説明にするというような形で。
- 寺尾委員
- 若い世代が別氏制度に対して理解を示しているわけですよね。しかし、それは個人主義によるのですが、家族な どどうでもいいと思って、そう言っているのではなくて、家族が大事だと思っている。
- 岩男会長
- 家族が大事だと思っている若い世代であってもという。
- 寺尾委員
- 別氏になっても、その一体感が弱まると思ってないわけですね。ファミリーバリューは決して低くなっているわけで はないということではないでしょうか。ユーザーをこれから大事にしていきましょうということが大切なのではと思います。
- 岩男会長
- どうでしょう。猪口委員、さっき手を挙げていらしたけど。
- 猪口委員
-
5と6は、もし5に最初に世論調査を持ってきたら6もそうしなければいけないのか、それを伺いたかったのです。私 はこれは中間報告だし、私たちの考えを書いているわけだから、何か併せて書く必要はないので、最初に5の方は世論調査を 持ってきて、6の方はまた別にするというのもいいかと思ったのですが、もちろん八代先生のおっしゃった、そういう考え方も十分 私は理解します。
仮にもし世論調査をこのまま持ってくるのだとしたら、文言を、52%を先に持ってくるべきなのですよ。両者に影響がないと思う と答えた割合が52%であり過半数に達していると。さらに解説でも付ければいいのですね。つまり、それは若い世代の間でとり わけ一体感と余り関係がないというように考える。 - 八代会長代理
- それはgood news とbad newsをどっちを先に書くかという話ですけど。○猪口委員 八代先生のやり方ならま た逆ですよね。普通のやり方でやるのだったらgood news をまず書いて、まずは2行でも頭に入れていただいて。
- 樋口委員
- 手元にないので確認ですが、私も関係なかったと思いますけれど、子どもへの影響についての世代差というのは 余りなかったですね。
- 岩男会長
- あれはそんなに大きくなかったのではないかと思うのです。
- 住田委員
- 子どもに関する点の世論調査は微妙で難しいですね。今回のは。
- 岩男会長
- 全般的にね。
- 寺尾委員
- 今の20代、30代は、子どものことについてまで体験するには至ってないわけですよね。ある意味、実験世代が子 どもも大丈夫だと思うようになるのは40歳ぐらいになってからの話だと思うのですが。
- 岩男会長
- ないのです。
- 内閣府
- 参考資料の9ページに少し載っておりますのでごらんいただければ。
- 樋口委員
- この調査、時系列的に見た傾向として、それも変わっていくということがあるということが言えればね。
- 住田委員
- ですから5番は、ある意味で全然心配してないです。若い年代が変わっていますから。
- 岩男会長
- まだ先も長いので、6がかなり大きな問題になっているので、どうしましょう。
- 樋口委員
- 5は、会長修文のとおりでいいと思うし、「○」の3つ目は、ここを強調していただく。それと多様性ということを、さっ き山口委員おっしゃっていましたけれど、ここで何とかうまく入れるわけにいきませんか。これはあくまでも選択的であるという。
- 岩男会長
- それを踏まえて、同氏か別氏かを選択することを認めるようなという、誰にでも誤解のないように書いたのですけ れど。
- 樋口委員
- さっきの山口委員のお話はそれでいきませんか、だめですか。
- 山口委員
- それはおさめましょう。
- 古橋委員
- 「選択することを認めるような」とここで書いてあるから。
- 岩男会長
- それでは、あと順番についてはつながりをどうするかということで先へ進ませていただくということでよろしいでしょ うか。後で時間があれば戻るということにしたいと思いますが、それでは6の「子どもへの影響について」お願いいたします。
- 内閣府
-
6の「子どもへの影響について」ですが、住田先生から意見が出ておりまして、「丁寧に趣旨を繰り返すべきではな いか」とか、「第三の理由が説得力があり、最初にもっていってはどうか」というのは、先ほどおっしゃっておられた別個の問題で あるというところよりも、先に3番目の具体的な例があった方がわかりやすいのではないかというような御趣旨もあるやに承って おりまして、具体的に書いてある方がわかりやすいというのをどうお考えになるかということでございます。
それから、懸念については、「ではないだろうか」というのを「懸念については」と修正させていただいております。
子どもについてのことが追加の文章で岩男先生から修正案が示されております。
以上です。 - 岩男会長
- 修正案というか、子どものことは心配が多いものですから一言付け加えてと、そういう意味です。私たちもちゃんと 考えていますよと、そういうことを言いたかっただけです。いかがでしょう。
- 山口委員
- ここの番号で、「第一に」、「第二に」、「第三に」と入っているのね。さっきは1.2.3.はやめるという話だったけ ど。
- 住田委員
-
それがまた少し強い調子を与えてしまっているのではないかと。ですから、これは「第一」、「第二」、「第三」をや めていただきたいということをどこかに書いていたのですが。それとまず第一の中身として「丁寧に趣旨を繰り返すべきではない か」というのは、別個の問題であると突き放したもののように受け止められるので、もう少し理由づけも入れるべきでないかとい うことです。時間なかったので私書けませんでしたけど、ここは一番丁寧にすべき部分ではないかと思っています。
次に、氏が違っている関係であっても、十分にやっているのだということ、これは説得力がある話です。外孫であろうが内孫で あろうが、かわいいものはかわいいというところはすぐにわかっていただけるのではないかということで、実感的に理由づけにな り得るのではないかと思いますので、これを持ってきまして、先ほどの愛情とかそういうようなものをもう一遍最後に繰り返して いればいいのではないかというのが大ざっぱな感覚です。 - 岩男会長
- そうすると世論調査を冒頭には持ってこないということですね。
- 住田委員
- 5で持ってこなかったのは6もかなり意識したからということで、反対意見に対しては、一番最後の御理解をいただ けるようなことをすれば払拭されていくのではないかということで締めればよろしいのではないかという気はいたします。
- 岩男会長
- そうすると3番目の「○」をトップに持っていくということで、あとはそのままずらしていくということで説明は別としま して、丁寧な書き込みをするということにして、順番についてはそういうことで。
- 猪口委員
- 世論調査を「第二」のという「第二」はとるのだけれども、第二のところに入れ込むのはだめですか。要するにこうい う理解が広まるにつれ、偏見は解消されていくと考えられる。
- 岩男会長
- そうですね。今の御意見どうでしょうか。私はよろしいと思います。
- 住田委員
- ですから懸念があることはあるとしても、世論調査を下に持ってきて、それに対してと広報活動等で払拭していくと いう流れにしていただければと思います。
- 猪口委員
- そうすると「第三」が一番先に来ますよね。「第二」で世論調査を埋め込んだものが次ですよね。「第一」が繰り返 しの部分も出てくるので3番に持ってくるということですよね。順序というのはそうなんですか。
- 住田委員
- はい。
- 猪口委員
- それから、岩男先生の追加のところはすごくすてきなのですけれども、ただ1つ思いましたのは、要するに、では そうでない親は、子どもに対して正面から向き合わないというのかとか、そういう反論が出るとどうかなと思ったので、若干の修 文で切り抜けられるかと思いますが、自分たちばかりがいい親だと言わない方がいいわけで。
- 岩男会長
- 要するに問題をちゃんと認識してますというだけなので。
- 猪口委員
- 「最も重要な課題である」と言ってしまって、重要なことは、もとより国民共通の理解であるか、重要な課題である みたいな。
- 岩男会長
- 「極めて」とかね。
- 猪口委員
- 極めてぐらい、そうですね。続く文章は少し修文を。
- 岩男会長
- 今、御指摘のところをよく考え直すことにいたします。
- 樋口委員
- 個性的なとか多様的な生き方、別姓などするといじめの対象になるみたいな言い方は、むしろ「政府がその趣旨 や意義について適切に広報活動を行うこと」の中に含まれていいのかもしれないけど、「教育の場」とか。
- 岩男会長
- 「教育の場」というのも1つ入れた方がいいですね。
- 樋口委員
- 「多様性を認めるような教育の場」は入れたほうがいいですね。「いじめ」という言葉は入れなくてもいいと思います けれど。1つこういうことはない方がいいと思ったのは、別姓にしないと石頭だ、化石だなんていう、そういう決めつけには絶対つ ながらならないということを確認したい。別姓であろうと、同姓であろうと、子どもに対して正面から向き合うの。夫婦同姓でも男 女平等でやっていく夫婦は幾らでもいるのでということを忘れないような書き方にしていただきたい。
- 岩男会長
- そうですね。それで私も少しそこを気にしたものですから、同氏というのを、あと1カ所どこか付け加えたと思うので すね。つまり私たちは別氏と言っているだけでなくて、そうでないと人間ではないみたいな言い方をしているわけでは決してない のであって、どちらでも御希望によってということですから。
- 八代会長代理
- その趣旨であれば、岩男先生の文章のように、「互いの個性を尊重しあう親は、同氏・別氏にかかわらず」と いうようなことを入れたらどうでしょうか。
- 岩男会長
-
そうですね。ありがとうございました。
この住田委員の「丁寧に趣旨を繰り返すべきではないか」とおっしゃっているところで、どのくらいにしたらよいか。 - 住田委員
- 要するに「述べたように」と書いただけで、あと理由なしで、別個の問題であると言い切ることに対するのみ込み悪 さだけです。
- 岩男会長
- 簡単に1行ぐらい書き加える。
- 住田委員
- どこかで入れるとしても理由がないといきなりの結論は乱暴だろうと思います。
- 岩男会長
- そうすると、次は「その他」ですか。
- 内閣府
- 次の7の「その他」でございますが、ここは余り変わっておりませんで、前、トルコとかインドを引用しておりましたが、 各国についてすべて調査しているわけではございませんので、サミット構成国というような、主要な先進諸国では強制している 国はないということだけにとどめました。以上です。
- 岩男会長
- ここについて何か御意見ございますか。
- 住田委員
- 「みる」が漢字になったり平仮名になったりしていますが、2つ目のパラグラフ。
- 寺尾委員
- 「その他」というのは最後のところだって入れられますよね。国際的な変化を受けてというところに書いてありまし たし、まさに「その他」の初めのところは物すごく大事な話ですよね。「その他」に入れておいていいのでしょうか。
- 岩男会長
- これをもっと前にもってくるということですか。
- 寺尾委員
- 例えば憲法のところ、先ほどの実際上差別的効果を生んでいるところに書く方がよろしいのではないでしょうか。 根本論というか、べき論をしているところなので。
- 岩男会長
- そうすると具体的には。
- 寺尾委員
- 「その他」の2つ目の「○」は、7ページの一番初めの「○」の後に入れることができると思いますし、3番目の「○」 のところに「その他」の初めの方の「○」をドッキングさせることはできるのではないかと思います。
- 岩男会長
- ごめんなさい、どこにですか。
- 寺尾委員
- 結局この97%という数字が示していることの「その他」の1番目の「○」の書いてあるところは97%という数字の解 釈だと思うのですね。こういう解釈に立つから、憲法上大きな問題だということだろうと思うのです。私もここでにわかに、どうやっ て括ったらいいか考えられないのですが、一緒にできる話ではないかと思います。
- 岩男会長
- これの97%としている最後のパラグラフの後ですかね。あるいは「夫婦の圧倒的多数について妻が改姓している という」ここがダブるのですね。ですからそのあたりを切って続けるか、あるいは別のパラグラフとして。
- 猪口委員
- 私、また逆の考えで、最初の「その他」の「○」はとってもいいのではないかと実は思うのですけど。つまり、先ほ ど嫁のところで「従属的な」ということを入れますよね。「男は仕事、女は家庭」と、こういうことを別姓の問題と結びつけていくと いうことでなくて、もう少し淡々とした全体の書きぶりをそのまま踏襲した方がいいのではないかと思うのですね。既に「従属的」 とか書きましたので、趣旨としては入っていると思うので、そうではなくて、要するに2番目の「○」がとても重要なのですよ。「そ の他」扱いで、この1つの「○」だけで書くことで少しインパクトがあるのではないかと思うのですけど、いかがですか。
- 岩男会長
- なるほど、1つだけですか。
- 八代会長代理
- だけど、それを「その他」というのですか。私はむしろこれは非常に重要だという、猪口委員のおっしゃるのは そのとおりで、「まとめ」に持ってきたらどうか。つまりこれは憲法だけの問題ではないと思うのですね。
- 猪口委員
- どっちの「○」ですか。
- 八代会長代理
- 下の「○」です。
- 猪口委員
- 「その他」で入れるぐらいでちょうどいいのだけど、それをぱっと目立つように入れるという。
- 八代会長代理
- 「○」1つですか。
- 猪口委員
- 「○」1つです。
- 樋口委員
- 第1番目の「○」なのですけれど、これはここの中での議論にあったという意味ですか。それとも不便・不利益の中 に多かった意見ということですか。
- 岩男会長
- これはどこから出てきたのですか。
- 樋口委員
- とってもいいのではないか。
- 松田委員
- これは7ページのここで言った中立的になってないことの説明なのですね。○岩男会長 そうなのです。
- 樋口委員
- これはないのでいいのではないか。
- 岩男会長
- オーバーラップしているので。
- 松田委員
- だからなくてもいいのかもしれませんね。
- 岩男会長
- 上の「○」はとるということで。
- 樋口委員
- 従属的という立場が入ったから。
- 猪口委員
- 従属的と入っていた。
- 岩男会長
- そうですね。さて問題は残りの1つの「○」をどこか持っていくか。
- 猪口委員
- それは「その他」ですよ、先生。
- 岩男会長
- 「その他」で1つ。
- 猪口委員
- ええ、そうですよ。そこは目立つようにする。これは残していただきたい。○岩男会長 「その他」という言葉がいい ですか。
- 樋口委員
- 「国際的」という言葉。
- 猪口委員
- そういうことに配慮することがだめだという人はたくさんいるのだから。
- 岩男会長
- そうですか。
- 猪口委員
- そうですよ。
- 岩男会長
- 諸外国の動向なんていうのはだめですか。
- 猪口委員
- かえって、逆効果になるかもしれませんね。
- 樋口委員
- 「その他」はとった方がいいのではないか。
- 住田委員
- これは改姓は外圧なんですけど、日本の場合は。この場合だけは逆ですね。○猪口委員 この場合は民族性や 文化の経緯に非常に深く根ざしているわけだから、外国事例は参考にならないと。ただ、実態として先進国でこれを法で強制し たのはないというのはとても重要な指摘です。知らない人も多いと思うのです。
- 岩男会長
- この指摘は重要だというのはみんなそう思っていると思うのですね。ですから1つはスタイルの問題というか。
- 猪口委員
- そうですね。
- 古橋委員
- 憲法上の問題を一番最後に入れるか、もし「その他」を外すというなら。私は「その他」でもいいのではないかとい う気がしますけれども。
- 岩男会長
- 何も見出しを付けずに。
- 古橋委員
- これだけ目立つから。
- 樋口委員
- 諸外国の法制についてではいけませんか。
- 古橋委員
- それだっていいですよ、諸外国の法制について。
- 樋口委員
- 最後だからいいではないですか。
- 寺尾委員
- 私も猪口先生の意見に賛成です。
- 岩男会長
- では「その他」で。
- 寺尾委員
- 「諸外国」の云々と書くともっと書かなければいけないですよね。実は民法とか憲法とかみんな諸外国から来てい るわけですけど、これらの制度はわが国に定着し、我々のものになっているわけです。そういう足場に立って外国の姿は参考と して眺めるという姿勢で宜しいかと思います。
- 岩男会長
- では「その他」で1つ残すということで。
- 内閣府
-
「まとめ」でございますが、これは前回の議論を踏まえてかなりすっきりと書いております。専門調査会での立場で、 正確に書くとこうなるという形で、「夫婦が同氏か別氏かを選択できる選択的夫婦別氏制度の導入が望ましいと考える」と。そ れをきちんと書いて、夫婦の氏一般ではなくて、婚姻に際する夫婦の氏のということがあるので、「婚姻に際する」という文言を 入れております。
結論のメインは、「当専門調査会としては、選択的夫婦別氏制度を導入する民法改正が進められることを心から期待するもの である」という文言にしております。
それから、もっとこういう趣旨を入れたらいいのではという住田先生から、「少子高齢社会を目前にして、我が国の社会を維持・ 発展させるためには、高齢者とともに、女性の労働力の活用は喫緊の課題であり、その職業生活を送る上で支障となるべきも のはできるだけ除去すべきであろう」という趣旨が入れられないかという御意見が出ております。 - 八代会長代理
- 私も場所はともかくとして、住田委員がおっしゃったような点は入れないと、少子化への対応というときに、人 さまざまであって、別姓入れたら子どもは産まないのかと言われても困るので、少子化の対応というのは別に子どもを産むだけ でなくて、まさに「女性の活用」という面もあるのだということを、説明がないとそこはわからないと思うのですね。
- 岩男会長
- これは「まとめ」に入れるか、私はもっと前の方に入れた方がいいように思うのですけど。
- 八代会長代理
- 場所はともかく、どこかで言っておけば、それをまた引用できますから、ここではいいのでしょうけど、少子化 を最初に。
- 岩男会長
- 最初に出てきたのはどこでしたか。
- 八代会長代理
- 最初に樋口委員のことを言えば、ついにここまで出てこなかった可能性がありますが。
- 岩男会長
- 3ページの最初のパラグラフで初めて出てきているのですか、「少子高齢化の進展」というような言い方で。
- 八代会長代理
- ただ、「まとめ」しか読まない場合もありますから、説明してもいいような気もするのですけど、もう少し簡単に して。
- 住田委員
- 簡単にして結構なのですが、要するに趣旨として入れたかったのは、この時代、今までもずっと夫婦別氏制度は 言われてきたけど、さらに今少子高齢化の中で女性が職業を持つという必要性が、これは日本の国策であるとまで言ってもい いと思っていまして、ですから後押しになる理由ではないかと。淡々と事実として必要ではないかという気持ちで書いているの ですが。
- 樋口委員
- ここ数年の男女共同参画会議に至る動き、子育て支援の問題みんな含めて、日本政府は、好みの女像を変えて きているのですよ。例えば、第3号被保険者的の主婦モデルが、渋々ながらかもしれませんが、人口論、経済の状況に押され て、やっと両立型の女性に変えたのだということを、この「まとめ」のファーストパラグラフの後に住田委員の3行目、「我が国は 諸外国でも例を見ないほど少子化高齢社会を目前にして、我が国の社会を維持・発展させるためには、高齢者とともに、女性 の労働力の活用は喫緊の課題であり」、云々云々というのを入れたらどうですか。私は入れるのは賛成。
- 住田委員
- 特にここら辺を入れていただきたい。
- 樋口委員
- それを入れてはっきりし、もう少し前というお話もございますけど、まとめは重要ですから。ずっとやってきて、3号 被保険者の問題もあるし、そういう問題は日本政府が暮らしの構造改革を進めるプロセスと思います。
- 住田委員
- 年金でも同じことを言っています。
- 古橋委員
- 4行目のところに、「このことは、少子化への対応の観点から婚姻の妨げをできるだけ取り除くことにもつながるも のである」と、それをとって住田さんの文を全部入れてもいいのですよ。私はそれが一番いいのではないか。
- 樋口委員
- その方がすっきりする。
- 古橋委員
- 「婚姻の妨げをできるだけ取り除くことにもつながるものである」。
- 岩男会長
- 「婚姻の妨げ」は残しておいた方がいいように思います。
- 坂東局長
- 「少子化への対応の観点から」の部分を除いて、「このことは婚姻の妨げをできるだけ取り除くことにもつながるも のであり、また、我が国において、諸外国でも例を見ないほどの~できるだけ除去すべきである」。
- 岩男会長
- 私も活用というのはね。だから参画。
- 古橋委員
- 女性が労働に参加すること。
- 坂東局長
- 女性の労働力の発揮は喫緊の課題、能力の発揮。
- 樋口委員
- 社会における女性の能力の発揮。
- 猪口委員
- 能力を生かしていくこと。
- 坂東局長
- 能力を生かすことが喫緊の課題である。
- 岩男会長
- それでいいのではないですか。
- 岩男会長
-
5のところですか。
それではもとへ戻りまして8ページ。この世論調査から入るかどうかということ、まず順番を決めていただいて。 - 坂東局長
- 一応これは「選択的夫婦別氏制度を導入することが家族の一体感を弱め、ひいては夫婦の不仲、離婚の増加、 家族の崩壊をもたらすものではないかとの危惧があり、反対意見の主要な理由となっている」というのから入るとということでよ ろしいですか。
- 猪口委員
- 「危惧があり」は必要ですか。「もたらすのではないかという反対意見」、危惧があるというと客観的危惧があるこ とを認めてしまう。
- 古橋委員
- 危惧があるという。
- 住田委員
- との反対意見があると。しかしながら。
- 猪口委員
- 「危惧」をとって、ないかとの反対意見が。
- 山口委員
- 逆に言えば、反対意見だということをはっきりした方がいいですか。「という危惧もある」ということの言い方もあると 思いますけれども。
- 古橋委員
- 「危惧もある」でもいいですね。
- 岩男会長
- 「危惧もある」だけの方がいいのではないでしょうか。
- 住田委員
- 次は懸念なのです、子どもは。
- 樋口委員
- 危惧もある、懸念もある。
- 住田委員
- 子どもは懸念としてある。
- 樋口委員
- このままでいいのではないですか。「考え方がある」で、もとの文章で。
- 八代会長代理
- どこのもとですか。
- 樋口委員
- もとって、2番目の「○」のこと。
- 山口委員
- 考え方というより意見ですよね。
- 樋口委員
- 考え方でも意見でもいいです。「意見がある」。
- 古橋委員
- 「意見もある」でいいではないですか。
- 岩男会長
- 「意見もある」で。
- 樋口委員
- ここで切って、それで反論していけばいい。
- 坂東局長
-
「しかしながら、実質的に一体感が失われている場合もあるだろう」。また、さらにの後で、「夫婦別氏制の現行法 下においても離婚は増加傾向にあり、離婚の増加や家族の崩壊は、同氏・別氏制度と関係なく、家族の対応の欠如が別の原 因によってもたされると考えられる」と。あとはまたもとへ戻って、「さらに、氏を同じくすることにより、夫婦の一体感を強めようと する夫婦がいるかもしれないが、逆に互いの氏を尊重することによって、2人の間の信頼かを深めようとする夫婦もいると考えら れる」。
その次の「○」はそのまま付けて、最後の3つ目が、岩男先生の案。 - 樋口委員
- 3番目と岩男意見とダブりませんか。もう少し直した方がいいのではないですか。
- 坂東局長
- 失礼しました。3番目というのは論点のところの上から3つ目です。「世論調査の結果では」こうこうなっていると紹 介して、世論調査の後は差し替え案です。住田先生の4つ目の「○」で岩男先生のはかなり重なるので。
- 八代会長代理
- これはどっちかなのでしょう、もともと。
- 岩男会長
- ええ。
- 坂東局長
- そうです。重なるので、こちらの方をどちらか消していただいて。
- 猪口委員
- 「選択するならば」という方がわかりがいいですね、住田先生の4番目の「○」は。
- 住田委員
- 4番目の「○」の一文は非常にわかりにくいので、どっちにしても修文が必要だと思っていましたから、岩男先生の をお使いになって、「愛情や思いやりといった実質によって保たれる夫婦が」というのは非常に長いですね。「ことによって」でい いでしょう。
- 猪口委員
- 住田先生の4番目の「○」の4行目、「何よりも、夫婦が希望するならば別氏を選択することを認めるような」、これ が重要なのではないですか。先ほど山口先生のおっしゃったこと、この文章入った方が絶対いいですね。
- 住田委員
- そうですね。
- 猪口委員
- 「何よりも、夫婦が希望するならば」というのがわかりやすい話ですよね。
- 岩男会長
- ですから別氏を選択することだけではなくて、夫婦の希望によって同氏か別氏かを選択できると言った方が、私た ちは片一方だけしか考えてないということではないので。
- 住田委員
- 4つ目の「○」の最初の3行は日本語としてこなれていないので、岩男先生のこの書き方の方がわかりやすいだ ろうという感じがしまして、それであと今おっしゃったこの部分をもう一つ入れるということですね。
- 岩男会長
- 私が出しているのに差し替える。
- 坂東局長
- では読んでみてよろしいですか。「当専門調査会は、家族の一体感(絆)にとって最も大切なことは、同氏という形 式ではなく、愛情や思いやりといった実質であると考える。今日、夫婦は対等なパートナーとして互いに尊重し合うことによっ て、深い理解と愛情が育まれるものと考える。そして」、その後はどちらですか、住田案、岩男先生のところ。「何よりも、夫婦が 希望するならば別氏を選択することを認めるような、多様な生き方を認め合う社会であることが望まれる」ということですけれど。
- 樋口委員
- それは同氏か別氏かが入った方がいいのではないか。
- 岩男会長
- その方がいいかということなので。
- 坂東局長
- こちらはそのまま岩男先生の案でということですね。
- 住田委員
- すいませんけれども、「考える」が、結びとして3回続くのだけはやめていただければと。
- 岩男会長
- これは「望ましい」ですね。
- 古橋委員
- 家族の関係の最初の方の若い世代のことをもう少し書くというのはどう書くのか。若い世代が過半数に達している ということについての解釈。
- 岩男会長
- そうでしたね。
- 坂東局長
- 「今回の世論調査の結果では」というのを。
- 樋口委員
- ここに入れるのですよね。
- 古橋委員
- 第1の「○」は入れるのだけど、それについての解釈を、さっき寺尾さんだっけ、言ったのは。
- 寺尾委員
- 初めの線の引いてある数字を挙げた後に、しかも重要な点は別氏制度についての許容性が高くなっている世代 においてこの意見が強くなっているということですね。そしてそのことは、したがって、これから結婚しようという若い世代が、家 族の一体感というのを大事に考えている。でも別氏制度は別にそれを損なうものではないと考えているから、それに賛成してい るわけです。若い世代はそう考えているのであるから、ある意味この別氏制度を導入しても家族の一体感は心配ないということ ですね。
- 古橋委員
- と考える、それはまさに。
- 樋口委員
- 考えられる。
- 寺尾委員
- 考えられる。みんながそう思っていれば、そうなるわけですね。家族の一体感と同氏制度というのが大事だとみん なが思っていれば、そういう社会だと別氏制度を導入すれば、確かに一体感は損なわれるかもしれませんけど、若い世代はま さにそう思ってないからこそということは指摘しておいた方がいいのではないかと思います。
- 岩男会長
- おっしゃることは非常によくわかるので、どういう文章にして入れるかという、そこのところですが。
- 寺尾委員
- 先ほどの家族の崩壊をもたらすものでないと考える。つまり実質が大事なのだということを言った後にその話を入 れるというのも1つの可能性かと思いますが。
- 坂東局長
- これではだめですか、「影響がないと答えた者の割合は、別氏を選択する者の割合が高い男性の20歳代、女性 の20歳代、30歳代でそれぞれ高くなっている」。
- 山口委員
- もう一度、おっしゃってください。
- 坂東局長
- 「選択別氏制度を支持する割合が高い男性の20歳代、女性の20歳代、30歳代でそれぞれ高くなっている」と。
- 八代会長代理
- 男性、女性と書き分ける必要があるのですか。男性の30歳代が少し有意ではないというだけなのでしょう。 そうすると20歳代、30歳代と言った方がいいのではないかと思うのです。
- 坂東局長
- 「選択夫婦別氏を支持する若い世代で高くなっている」。
- 住田委員
- 極端になるかどうか後でお調べいただきたいのですけど、「選択的夫婦別氏制度の賛成意見と相関関係にあり、 今後も増加するものとみられる」みたいなことを入れてもいいのではないか、そこまでは言えないですか。
- 岩男会長
- 実際にクロスとってないと思うのです。
- 住田委員
- ただ、過去に比べて、導入の賛成意見が若いところが増えてきたという趨勢はありますね。それと相関関係はな いですか。
- 岩男会長
- 相関があるかどうかわからないけれども、同じ傾向であるということを言うことはできるのですけれども、相関があ るとは言ってはいけないと思うのですね。つまり実際に計算してないから。
- 寺尾委員
- つまり、中高齢層は自分中心主義と若い人を見るかもしれないけど、そうではないのだと。若い世代もまさに家族 が大事だと考えていて、これを入れても家族制度が揺るがないと思っているから賛成しているのだということを、わかっていただ いた方がいいと思うのですね。
- 岩男会長
- 最後に寺尾さんがおっしゃった、これらの若い世代も家族を重要と考えているということは一言書き加えた方がい いのではないでしょうか。それはほかの家族をどう思うかというような世論調査のデータが別個でありますから、そっちは若い世 代も、みんな家族大事と言っているので、それは全く問題ないと思うのですね。
- 坂東局長
- 今の「影響がないと答えた者」というだけだと、家族を大事にしているというところまで読めますか。
- 岩男会長
- 読めないから、それは一言加える必要がありますね。
- 坂東局長
- ここまでは淡々と言えると思うのですね。「影響がない答えた者の割合は、選択的夫婦別氏を支持する割合が高 い若い世代において高い」と。
- 岩男会長
- 「なお、これらの」。
- 坂東局長
- 「なお」以下は。
- 岩男会長
- これらの若い世代を、寺尾さんがおっしゃった家族の一体感。
- 坂東局長
- 世論調査からは直接言えるわけではない。
- 岩男会長
- 家族が大事だとは言えるのだと思うのです。違う世論調査を持ってくる。別のあなたにとって何が大切かというほ かの世論調査いっぱいありますね。あれは世代にかかわりなく家族が大事だと言っているのですね。
- 寺尾委員
- 少し考えたのですけど、「それぞれ高くなっている」の後につけ加える文章として、言葉をもう少し吟味する必要が あると思いますけど、趣旨としては、「別氏制度の許容度が高い若い世代においても、家族も……」、すいません、忘れてしまい ました。もう一回、書いてから申し上げます。
- 岩男会長
- ほかに、今、事務局で確認を必要とするところがありますか。寺尾委員が書いておられる間に。
- 坂東局長
- あと詰まってないのとしては、9ページのところの「選択的夫婦別氏の導入は不仲や離婚とは別個の問題である」 の形容詞のところ、前のところのどこをとりますか。どの部分を。同氏という形式ではなし、愛情や思いやりといった実質である と。
- 住田委員
- 愛情とかいうキーワードを入れていただく方がずっとすんなりと入りやすい。
- 坂東局長
- 夫婦別氏制度の導入は、不仲や離婚をもたらすものではなく、家族の一体感にとって最も大切なことは、同氏とい う形式ではなく、愛情や思いやりといった実質であり、別個の問題である。
- 岩男会長
- 「実質であり、不仲や離婚とは別個の問題である」ですか。
- 坂東局長
- 「家族の一体感にとって最も大切なことは、同氏という形式ではなく、愛情や思いやりといった実質であり、不仲や 離婚とは別個の問題である」。
- 岩男会長
-
それでいいのではないでしょうか。
「『5 家族の関係について』で述べたように」というのは、これは「述べたように」で、大事なことだからということであるのだか ら、もし心配だったら、もう一遍、家族のところに戻って読んでくださいという意味が。 - 坂東局長
- ありますから、「述べたように」と入れます。また繰り返していると言われるかもしれないけど。
- 岩男会長
- 住田委員が矢印をお入れになったところに入れる。
- 坂東局長
-
一体感は、形式ではなく、愛情や思いやりといった実質であり、選択的夫婦別氏制度の導入や、不仲や離婚とは 別個の問題である。
あと決まってないところは。 - 岩男会長
- 今、寺尾委員から。
- 寺尾委員
- 少し考えてみたのですけれども、「○」の数字を書いた後、それぞれがなくなるのでしょうか。高くなっているという ことを言った後に、今回の世論調査で示された若い世代の別氏制度への高い許容度、あるいは他の世代と比べても高いと入 れてもいいですが、高い許容度は、若い世代が別氏制度が家族の一体感を弱めるものではないと受けとめていると推察される とか、あるいは先ほどの「高い許容度は、若い世代が家族の一体感の問題と、氏の制度との相関を強くはとらえていないことを 示すと考えられる」とか、若い世代の意識をきちんと書いた方が、その次、実質が大事であって、形式ではないという話につな がりやすくもあるかなと思ったのですが、順番についての修文がどうなったか、覚えてないので、もしかすると前後が違うのかも しれませんが。
- 岩男会長
- 2つおっしゃったうち、私は前の方を少し文言を変える必要があるかもしれませんけれども、相関云々よりも前の方 がいいのではないかと思いますけれども。
- 古橋委員
- 相関となると証明しなくてはいけませんよ。
- 岩男会長
- もう一遍おっしゃってくださいませんか。
- 寺尾委員
- 「今回の世論調査で示された若い世代における別氏制度へのより高い許容度は」とか、言葉を工夫する必要があ ると思いますが、「若い世代が、別氏制度が家族の一体感を弱めるものではないと受けとめていることを推測させる」とか、そう いうような表現。
- 坂東局長
- 示すものと思われるとかそのようなことですね。
- 寺尾委員
- はい。
- 岩男会長
- 支持とか何かそういうようなことですか。
- 八代会長代理
- ただ、原文でもある意味で同じことを言っているので、原文にむしろ今のおっしゃったようなことを入れた上 で、その傾向は特に若い世代では一層強いという方がすっきりすると思うのです。原文は非常に客観的にしか書いてないの で、そこに寺尾さんがおっしゃったような許容度の高さというのですか、それを入れた上で、それは別に若い世代だけではない 話なのでしょう、逆に言いますと。
- 寺尾委員
- これは私の考えかもしれないのですが、お年寄り世代が、さっきユーザーの話がありましたけれども、ユーザーを 規制しているところの問題点をもう少しちゃんと言った方がいいというスタンスで、41と52をどう見るかなのですが、41もいるので はないかと言うかもしれないですね。若い世代では、その数字は資料に出ていませんけれども、数字はもっといいのではないか と思うのですね。だから若い世代は、つまり別氏制度を支持している人たち、特に若い世代は、そのことが家族の一体感を傷つ けないと思っているから支持していると推察できると思うのです。つまり形式より実質だと彼らはより強く考えているのだというこ とを言うと、安心もするでしょうし、そこのところ結びつけた方が私はいいと思うのです。若い世代において、この数字も、別氏制 度の支持率も高いのだ。それには関係があるのだということをちゃんと踏まえておいた方がというだけのことです。
- 岩男会長
- 寺尾委員が今御提案になったような修文、若干字句の修正はあるかもしれませんけれども、それを付け加えるこ とについて、皆さんの御意見を伺いたいと思いますけれども。
- 住田委員
-
若い世代がこういうように高率であることに対してのプラスの評価として何が言えるかというと、これからのユー ザーであるということと、これからの社会を作っていく方々が、そういう前向きなことであるので、だから今後もそういった世の中 に変わっていく兆しであるというようなことがあるので、そこら辺をどううまく織り込めるかということだろうと思うのですね。
ですからお年寄りの考え方はそれはそれで結構ですけど、これから社会を作る方々の多数意見であるというところを強調でき れば十分ではないか。それが20代、30代の意味合いなのだろうと思っているのですが、今いい文章を考えつかないのですが。 - 坂東局長
- 私はとても心配なのは、おっしゃる気持ちはすごくわかるし、そうだろうと思うのですけれども、世論調査からは客 観的には言えないのですよね。
- 寺尾委員
- なぜですか、と聞いてないからですよ。なぜ、支持するのですか、というのを聞いてないから、そこを聞けば入れた わけですよね。
- 坂東局長
- そこのところはわからないのですよ。だから推察されるということを書いてもいいものだろうか。
- 古橋委員
- 今、住田さんがおっしゃったように、客観的にこれからのユーザーと社会の中心になる人たちがこういうことを希望 していることについて注目する必要があるということにすれば、それは客観的な事実ですからね。
- 樋口委員
- 恐らく寺尾委員がおっしゃりたかったことは、その人たちも一体感を大事にしているのだということをおっしゃりたい ので、それはとてもよくわかります。しかし、それをこの調査からだけ言うのは、仮に言うとすれば、「このことは別氏制に支持が 高い若い世代においても、夫婦の一体感が重視されていることがうかがえる」とか、その程度しか言えないのですよ。
- 岩男会長
- 「うかがえる」のというのさえ。
- 樋口委員
- 言うとしてもうかがえるであって。ただ、若い世代についての配慮というか、若い世代への考察というのが反対意 見の中に余りないのですね。世代間でこんなに変わってきているということをあえて無視しているのか、知らないことを言ってな いから、それをこちらが強調するのはとってもいいことだと思うのです。
- 岩男会長
- そうだと思いますね。
- 寺尾委員
- 折衷案みたいなものですけど、「別氏制度を支持する率が高い若い世代ほど、これが影響を及ばないと考えてい る」なら間違いではないですよね。
- 山口委員
- 少しいろいろな字句がいり込みすぎたのではないか。もっと素直に読んで、影響がないと答えた者の割合は、男性の20歳代、高くなっていると。この結果は、これからの将来担う者にとって注目するところであるとか、そういうようなことを少し 書き添えて、それでいいのではないかと思うのです。かえって無理して引っ張ってくると、私はこの世論調査は足りないと思うか ら、そのような一言でどうなのか。見逃すことはできないとか、注目に値するとか、そんなようなことで決着をつけたらどうでしょう か。
- 坂東局長
- ありがとうございます。30分超過しましたが。
- 岩男会長
- どうもありがとうございました。
- 古橋委員
- あとは会長と会長代理にお任せいたしますから。
- 岩男会長
- 八代先生と御相談して細かい文言は若干修正が入るかもしれません。
- 古橋委員
- この内容は発表されるのですか。
- 坂東局長
- 恐らくこの会議に引き続いて結論の部分については説明をしますが、あすできるだけ作業しまして、御相談をし て、来週にはまとめることができると思います。
- 岩男会長
-
きちんと修文したものを、皆様方にでき次第お送りするということで、そして、また説明用の概要は、前にも作られ ておりましたけれども、この内容に沿って事務局でお作りいただくというようなことでお任せをしたいと思います。もちろん私たち もそれに目を通させていただきますけれども。
次回の専門調査会については、まだ皆様方の日程を調整していただいていないわけですけれども、内容につきましては、第1 回のときの宿題みたいなものもまだ残っておりましたし、その他いろいろ御希望もあるかとも思いますので、また御相談をさせて いただくという、そういうことでよろしゅうございますでしょうか。
事務局の方で御説明。 - 坂東局長
-
資料1と2は、10月3日の第4回男女共同参画会議で決定をされた、それぞれの専門調査会からの報告がこれで 意見になったわけです。資料1は「『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』の円滑な施行について」。
資料2は、古橋先生から御説明していただいた方がいいと思いますが。 - 古橋委員
- これは読んでいただければわかる。
- 坂東局長
- 監視の実施方針と、13年度は「国の審議会等委員への女性の参画の促進」、「女性国家公務員の採用・登用等 の促進」及び「仕事と子育ての両立支援策の方針についてに係る施策」を監視をするということです。
- 岩男会長
-
それでは、特に御発言がなければ、これで本日の基本問題専門調査会の第5回会合を終わらせていただきま す。
どうも大変皆様ありがとうございました。
(以上)