- 日時:令和6年4⽉25⽇(⽊) 15︓00〜17︓00
- 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
- 1.開会
-
2.議題
- (1)⼥性のさらなる所得向上に向けた取組について
- (2)公務員の働き⽅改⾰・⼥性活躍の状況について
- (3)⼥性の視点に⽴った令和6年能登半島地震に係る対応について
- 3.閉会
【配布資料】
- 資料1
-
第35回計画実行・監視専門調査会の議題等について(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:5.1MB]
- 資料2
-
男女間賃金差異に関する取組について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:2.6MB]
- 資料3
-
特定事業主における女性活躍推進法に基づく職員の男女間給与差異の公表について(内閣府男女共同参画説明資料) [PDF形式:2.9MB]
- 資料4
-
女性の視点も踏まえた社会保障制度について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:3.3MB]
- 資料5
-
厚生労働省が行うリ・スキリング支援策について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:522KB]
- 資料6
-
女性のリカレント教育に関する取組(文部科学省説明資料) [PDF形式:1.0MB]
- 資料7
-
リスキリング・女性起業家支援施策について(経済産業省説明資料) [PDF形式:1.2MB]
- 資料8
-
国家公務員の女性活躍・働き方改革について(内閣人事局説明資料) [PDF形式:2.1MB]
- 資料9
-
地方公共団体における女性活躍推進に向けた取組状況等について(総務省説明資料) [PDF形式:1.2MB]
- 資料10
-
女性の視点に立った令和6年能登半島地震に係る対応(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:267KB]
- 資料11
-
井上委員提出資料 [PDF形式:240KB]
- 参考資料1
-
「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024(女性版骨太の方針2024)」の策定に向けて(令和5年12月25日 第71回男女共同参画会議配布資料) [PDF形式:1.2MB]
- 参考資料2
-
第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について(令和5年12月14日 第30回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:326KB]
- 参考資料3
-
想定される検討項目(令和5年10月13日 第27回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:112KB]
- 参考資料4
-
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:108KB]
- 参考資料5
-
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]
- 参考資料6
-
第5次男女共同参画基本計画(説明資料) [PDF形式:1.7MB]
【出席者】
会長 | 山田 昌弘 | 中央大学文学部教授 |
委員 | 石黒 不二代 | ネットイヤーグループ株式会社代表取締役チーフエヴァンジェリスト |
同 | 大崎 麻子 | (特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授 |
同 | 小林 哲也 | 小林総合法律事務所弁護士 |
同 | 白波瀬 佐和子 | 東京大学特任教授 |
同 | 徳倉 康之 | NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長 |
同 | 山口 慎太郎 | 東京大学大学院経済学研究科教授 |
同 | 山本 勲 | 慶應義塾大学商学部教授 |
内閣府 | 岡田 恵子 | 男女共同参画局長 |
同 | 小八木 大成 | 大臣官房審議官(男女共同参画局担当) |
同 | 大森 崇利 | 男女共同参画局総務課長 |
同 | 上田 真由美 | 男女共同参画局推進課長 |
同 | 松川 伸治 | 男女共同参画局推進課積極措置政策調整官 |
同 | 中山 奈津美 | 男女共同参画局推進課企画官 |
同 | 片山 貴順 | 男女共同参画局総務課長補佐 |
内閣人事局 | 横田 美香 | 内閣官房内閣人事局内閣審議官 |
総務省 | 小池 信之 | 自治行政局公務員部長 |
文部科学省 | 淵上 孝 | 大臣官房審議官(総合教育政策担当) |
同 | 安里 賀奈子 | 総合教育政策局 男女共同参画共生社会学習・安全課長 |
厚生労働省 | 宮本 悦子 | 大臣官房審議官(雇用環境、均等担当) |
同 | 千葉 裕子 | 雇用機会均等課ハラスメント防止対策室長 |
同 | 芦田 雅嗣 | 年金局年金課 年金制度改革推進官 |
同 | 倉吉 紘子 | 大臣官房企画官 |
同 | 小林 知広 | 保険局保険課 課長補佐 |
同 | 金久 保樹 | 労働基準局賃金課 係長 |
同 | 松瀬 貴裕 | 人材開発統括官付参事官(人材開発政策担当) |
経済産業省 | 相馬 知子 | 経済産業政策局経済社会政策室長 |
議事録
○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより第35回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
初めに、当調査会の内藤佐和子委員が4月17日をもって退任され、後任として、新潟県津南町長の桑原悠委員が4月18日付で就任されましたのでお知らせいたします。
なお、今回は公務の御都合により御欠席とのことですので、次回御出席いただいた際に御挨拶をお願いする予定です。
それでは、今回も6月をめどに作成する「女性版骨太の方針2024」に実効性のある対策を盛り込めるよう、取組の具体化に向けた議論を行ってまいりたいと思います。
本日は、女性のさらなる所得向上に向けた取組、公務員の働き方改革・女性活躍の状況、女性の視点に立った令和6年能登半島地震に係る対応について議論していきたいと考えております。
議事に先立って、本日の議題に関するデータ等につきまして、事務局より説明を受けます。
内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料1の説明をお願いいたします。
○岡田男女共同参画局長 内閣府でございます。
資料1を御覧ください。議題について御説明申し上げます。
2ページでございます。
男女の時間格差から派生する構造的課題をイメージ図として示したものでございますけれども、男女間での無償労働時間の大きな偏りを起点にして、そこから派生する課題を簡略化した図でありますけれども、今日御議論いただくのは赤枠の部分の対応策ということでお考えいただければと思います。
次のスライド3であります。
給与の男女間格差でありますけれども、正社員同士、非正規雇用労働者同士で比較いたしましても、男女間に差があるということでございます。男女間の賃金格差は、OECD諸国と比較しても大きい状況にあるということであります。
次のスライド4では、女性就業者数の推移を示しておりますけれども、女性就業者数は2012年から2023年までの11年間で約393万人増加ということでございます。
次のスライド5でございます。
正規雇用比率を見ますと、男性は20代後半から50代までは7割を超えていますけれども女性は年齢の上昇とともにL字カーブを描いてございます。
次のスライド6であります。
女性の正規雇用比率を見ていただきますと、近年、若い世代を中心に大幅に上昇しております。また、40代以降では正規雇用比率が上昇する傾向にもございます。赤枠で囲ったとおりでございます。
次のスライド7であります。
非正規就業について幾つかグラフを用意させていただいております。就業構造基本調査によりまして、就業調整をしている非正規雇用の女性の数・割合を見たものでございます。所得階級が50~99万円の方、100~149万円の方について、有配偶の非正規雇用女性では59.1%の方が就業調整をしているということでございます。次のスライド8と併せて、いずれの年齢階級でも同様の傾向であるということでございます。
スライド10でございます。
こちらは就業分野の偏りであります。産業別の就業者数を見ていただきますと、情報通信業における女性比率は29.5%、インターネット付随サービス業は26.9%、赤枠で囲ったところでありますけれども、左端の全産業の平均よりも低くなっております。
次のスライド11で、IT技術者における男女比率を見てみますと、女性の割合は20%にとどまっているということであります。
次のスライド12は、デジタル分野の人材の年収を見たものでございます。デジタル分野を見てみますと、経験年数に比例して順調に年収は伸びているということでございます。
職業訓練に目を向けていきます。スライド13であります。
公共職業訓練におけるIT分野での女性受講者数及び比率は、ほかの分野と比較しても遜色がありません。
一方で、スライド14でありますけれども、求職者支援訓練のほうではIT分野での女性受講者数及び女性比率は、ほかの分野と比較して低くなっているところでございます。
次のスライド3枚は、デジタル人材育成プランを載せたものでございます。
スライド18は、リスキリングでございます。リスキリングに取り組んでいない理由を民間の調査から見てみますと、リスキリングに取り組めない理由として、女性は「家事・子育てが忙しいから」が一番多くなっておりまして、男性は「仕事で忙しいから」というのが最も多くなっているということであります。
スライド19は、起業家に占める女性の割合の推移を示したものでございます。
スライド20からは、公務員のグラフをお見せいたします。
次のスライド21は、国家公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合の推移でございます。
次のスライド22は、各役職段階に占める女性の割合の推移であります。
次のスライド23は、国際比較を見たものでありますけれども、役職段階別の女性割合を見ますと、日本は諸外国と比べまして著しく低いことが分かります。
次に、地方公務員でありますけれども、採用試験からの採用者に占める女性の割合の推移がこのスライド24で、次は都道府県を見た場合の各役職段階に占める女性の割合の推移であります。
次のスライド26は、市区町村職員の各役職段階に占める女性の割合の推移となっております。
ここからは、令和6年能登半島地震に係る対応について御説明申し上げます。
次のスライド28では、第5次男女共同参画基本計画に何が盛り込まれているかということであります。第8分野、防災・復興、環境における男女共同参画の推進ということで、以下のことが盛り込まれているところでございます。
令和6年能登半島地震に関しては、スライド29でありますけれども、1月1日にガイドラインに基づく取組を進めるように要請いたしまして、1月5日から男女共同参画局職員を現地の対策本部に派遣いたしました。各都道府県にポスターなど、周知をしていただくように依頼したり、相談窓口の周知を依頼したりしてございます。応急仮設住宅・復興住宅チェックシートにつきましても、周知・活用の依頼をしているということでございます。引き続き、石川県の関係部局と密に情報共有して、ニーズに応じて支援をしていくことを予定してございます。
最後に、本日御議論いただきたい論点でございます。先ほど会長からお話がありましたけれども、まず、女性のさらなる所得向上に向けた環境づくりのための取組としてどのようなものがあるか、また、公務員の働き方改革・女性活躍をさらに進めるための新たな視点についての御示唆を賜ればと考えております。令和6年能登半島地震に係る対応から得られる知見と今後の課題につきましても、御議論いただければと考えております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。
議題(1)「女性のさらなる所得向上に向けた取組について」、「見える化」等による男女間賃金格差の是正、社会保障制度、リスキリングの推進、女性起業家への支援という観点から議論を行いたいと思います。
まず、厚生労働省の宮本大臣官房審議官より、男女間賃金格差の是正について、資料2の説明をお願いいたします。
○宮本審議官 厚生労働省の大臣官房審議官の宮本でございます。
資料に基づきまして御説明申し上げます。
まず、1ページでございます。
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、私どもはこれを「女活法」と言っておりますけれども、平成27年に時限ということで制定されております。これに基づきまして、概要のところにございますが、民間企業、国・地方公共団体がそれぞれ職場の女性の活躍に関する情報の把握、課題の分析を実施する、事業主行動計画の策定・公表をする、女性の活躍に関する情報を公表することが義務づけられてございます。
右のほうにございますけれども、常用労働者101人以上の一般事業主及び全ての特定事業主については、(1)から(3)全てにつきまして義務がかかっているということでございます。
賃金につきましては、次のページで詳しく御説明しますけれども、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主につきましては3項目を公表することが必要とされています。
まず1点目が「男女の賃金の差異」ということで、必ず公表してくださいという項目になってございます。2点目が「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」ということで、その下の青枠にございます項目のうちから1つ以上。3点目といたしまして、「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の各種項目から1つ以上ということで、計3つ以上公表するということで、男女の賃金の差異はそのうちの1つということで公表が義務づけられてございます。
具体的な手法でございますけれども、3ページになります。こちらにつきましては、趣旨等を書いてございますが、依然として男女の賃金の差異が大きいという状況を踏まえまして、その是正に向けて、令和4年7月に女活法に基づく情報公表項目に「男女の賃金の差異」の公表を追加したということでございます。
公表のイメージでございますけれども、そちらに枠がございますように、「男女の賃金の差異」は男性労働者の平均賃金に対する女性労働者の平均賃金を割合(パーセント)で示すというふうになってございます。全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者の区分での公表が必要となってございます。
4ページでございます。
「説明欄の活用について」という記載がございますけれども、301人以上の規模の全ての企業につきましては、先ほど申し上げましたような形で公表していただくことになりますけれども、数字だけでは自社の状況を説明し切れない場合がございます。
具体的には、下のほうに幾つかございますけれども、例えば女性活躍を推進するという観点から、女性の新卒の採用を強化した結果、前年と比べて相対的に賃金水準が低い若い女性労働者が増えて、男女間賃金格差が前事業年度よりも拡大したといった事情がございますので、説明欄を有効に活用していただくことが望ましいというふうにしてございます。
そちらにございますけれども、求職者等に対して比較可能な企業情報を提供するという目的からは、「男女の賃金の差異」は全ての事業主が共通の計算方法で数値を公表する必要がございますけれども、数字だけでは伝え切れない実情を説明するために、より詳細な情報や補足的な情報を公表することを可能としてございます。
5ページ、情報の公表状況でございます。こちらは、1月30日の労政審に提出した資料でございます。下のほうにございますが、令和6年1月19日時点でございますけれども、義務対象企業1万7370社のうち、女性の活躍推進企業データベース、これは厚労省が運用しているデータベースでございますけれども、これに加えまして、厚労省が把握した1万4577社の公表数値の平均値を示したものでございます。公表につきましては、女活データベースではなくて、企業のホームページ等での公表が可能となっておりますので、このようなことになってございます。
6ページからは、男女の賃金の差異の状況についてデータを御用意してございます。男女の賃金の差異は長期的には縮小傾向にございます。左のグラフに示しているとおりでございます。一般労働者よりも、一般労働者のうちの正社員・正職員のほうが格差が少ないという状況でございます。
右が男女間賃金格差の要因でございます。令和5年のものをベースといたしますと、役職によるものが9.7%ポイント、勤続年数によるものが3.7%ポイントということで、男女間賃金格差の要因としては、役職、勤続年数によるものが大きいという状況が見てとれるところでございます。
7ページは、管理職に占める女性割合の状況でございます。役職別管理職等に占める女性の割合は徐々に上昇しておりますけれども、右のほうを見ていただきますと、国際的にはまだまだ低い水準ということが見てとれると思います。
8ページは、勤続年数についてのデータでございます。女性の一般労働者の就業継続は進んでおりますけれども、平均勤続年数は男性よりもいまだに低いという状況でございます。令和5年度の平均勤続年数は、男性13.8年に対しまして女性は9.9年という状況でございます。
9ページは、男女の賃金の差異の解消に向けてでございます。左のほうに「主な男女の賃金の差異の要因」ということで、先ほど御説明したとおりでございますけれども、大きな要因としては役職、勤続年数でございます。この解消に向けまして厚生労働省として考えておりますのは、女性の管理職比率の向上が必要だということがまず1点目でございます。
具体的には、女性活躍推進法による行動計画の策定、情報公表等の企業による取組の強化、女性の活躍推進企業データベースの活用促進、個々の女性労働者のキャリア形成支援を考えてございます。
こちらにつきまして、少し資料が飛んでしまいますけれども、12ページと13ページの資料で具体的に御説明したいと思います。
厚生労働省におきましては、民間企業における女性活躍促進事業を実施してございます。令和6年につきましては1.9億円でございまして、大きく2つございます。
1つは、個別訪問・オンラインによるコンサルティングでございまして、男女の賃金差異の要因分析とか目標の達成に向けた手順などにつきまして、個別企業の雇用管理状況に応じたコンサルティング等を実施してございます。
もう一つは、L字カーブの解消のための啓発事業で、1つは学生のうちから啓発をするということで、大学生などを対象としまして女活データベースの活用方法に対するガイダンスを行ったり、また、大学などのキャリアセンターなどの要請を受けまして出前講座を実施したりしてございます。さらに、SNSの活用とか、インフルエンサーとのコラボなどを活用して、学生への直接的な働きかけを行うこととしてございます。
もう一つ、アンコンシャス・バイアス解消啓発事業ということで、女性労働者自身、管理職を含む男性、企業の経営者や人事労務担当者に対するアンコンシャス・バイアス解消のためのセミナーを実施してまいりたいと考えてございます。
13ページ、女活データベースの活用の促進・機能強化についてでございます。左が女活データベースの掲載の例でございまして、右のほうに、細かくて恐縮でございますけれども、事業の概要が書いてございます。
1つ目の■にございますけれども、多くの企業が男女の賃金の差異をデータベース上で公表するように周知、それから登録勧奨などを行ってまいります。
2つ目が、大学とかキャリアセンターとの連携や学生向けのイベント開催などを活用いたしまして周知・啓発を進める。また、データベースの機能強化を進めていきたいと思ってございます。
3つ目でございますけれども、他社の規範となるような取組を行う企業の事例を収集・取りまとめを行って、企業向けに発信していきたいと考えております。
お戻りいただきまして9ページでございます。
勤続年数につきましては、女性の継続就業率の向上が必要だと考えてございます。そのためには、仕事と育児・介護を両立しやすい職場環境の整備が必要ということで、1つ目の矢羽根でございますけれども、育児・介護休業法の見直しによる両立支援に関する取組の強化、男性の育児休業取得促進、共働き・共育ての推進、次世代育成支援対策推進法による行動計画策定・情報公表等の企業における取組の強化を考えてございまして、これらにつきましては、現在、育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法の改正法案を国会に提出しておりまして、御審議を頂戴しているところでございます。法律が成立しましたら、その施行に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。それから、両立支援等助成金を通じた事業主への支援等を考えてございます。
10ページでございます。「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」の概要ということで、現在、厚生労働省で開催しております検討会について御紹介させていただきます。
趣旨としましては、そちらに書いてございますように、令和元年に女活法が成立しました。様々な取組を進めておりますけれども、依然として男女間の賃金の差異がある。それから、女性管理職の割合も国際的に見ると水準が低いという課題がございます。
それから、女活法が失効するということがございますので、雇用の分野における女性活躍推進等に関する現状や論点を整理して、その方向性について検討を行うということでございまして、2月29日から順次開催しているところでございます。令和6年夏頃に検討結果を取りまとめる予定としてございますので、御参加いただいております有識者の先生方の知見をいただきながら、具体的な方向性について検討してまいりたいと考えてございます。
それから、資料にはございませんけれども、昨日、矢田総理補佐官を座長とします「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」が設置されまして、第1回会合が開催されました。主な検討課題として、男女間の賃金格差などが含まれております。
総理からも、女性活躍に向けた取組は産業ごとの状況にばらつきが見られ、まずは男女差が大きい大企業を中心に、各産業の特性や事情など、関係省庁が力を合わせて産業横断的に検証し、産業ごとの推進方策を実行する必要があるとの御発言があったところでございます。我々といたしましても、男女間賃金差異の是正に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと思ってございます。
私からの説明は以上となります。
○山田会長 ありがとうございました。
次に、内閣府男女共同参画局より、公務部門の男女間賃金格差の公表について、資料3の説明をお願いいたします。
○岡田男女共同参画局長 内閣府でございます。
特定事業主における女活法でありますけれども、この部門につきましては、内閣官房、総務省と共管で内閣府が担当しておりますので説明させていただきます。
先ほど厚労省からお話にありました、矢田総理補佐官を座長とする「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」に関しましては、ほかの関係行政機関等と協力し、女性活躍推進法の公務部門を所管します立場から必要な作業・検討等を行っていくことになるかと存じております。
上田課長から説明させていただきます。
○上田課長 内閣府男女共同参画局推進課長の上田でございます。
資料3につきまして、公務部門の職員の男女間給与差異の公表につきまして御説明をさせていただきます。
1ページ目につきましては、先ほどの厚生労働省からの御説明の内容と重複しておりますので、割愛させていただきます。
2ページを御覧ください。こちらは、公務部門の特定事業主における女活法に基づく給与の差異の公表について、概要を記したものとなっております。
一番上にございますとおり、公務部門につきましても女活法に基づく情報公表、状況把握・分析の必須項目として「職員の給与の男女の差異」が追加をされているところでございます。
公表方法につきまして、右側に国の機関における公表様式も掲載させていただいております。一番上の「全職員に係る情報」につきましては、民間の企業のほうと基本的に同じような項目を公表している内容となっております。男性職員の給与の平均に対する女性職員の給与の平均を割合で示しておりまして、いわゆる正職員に当たります「任期の定めのない常勤職員」、それ以外の職員となる「任期の定めのない常勤職員以外の職員」、また、「全職員」の区分で公表を行っております。
さらに、公務部門におきましては、任期の定めのない常勤職員につきましては、右側の様式にもございますとおり、役職段階別、勤続年数別による職員の給与の差異についても併せて公表させていただいているところとなっております。
これにつきましては、公務部門では登用の状況とか勤続年数の違いによりまして男女の差が生じることが見込まれていたため、こういった形のものも併せて公表することにさせていただいているところでございます。
また、企業についても先ほど御説明がございましたけれども、公務部門につきましても、右側の様式の一番下に【説明欄】がございますけれども、各特定事業主の実情に応じてさらに詳細な情報や補足的な情報、差異に係る背景事情の説明などを併せて記載し、また公表することが可能となっております。
3ページ目を御覧ください。
各機関の公表状況についてでございます。国の機関につきまして、立法・司法、行政機関、全てで公表済みとなっております。
地方公共団体につきまして、約3,300事業主のうち2,300事業主で公表済みということになっております。
職員の給与の差異の公表につきましては、3ページ目の資料の下の部分にございますとおり、2023年の女性版骨太の方針におきまして、各機関において公表された男女の差異の状況について、内閣府において一覧性・検索性を確保したサイトの整備を行いまして、「見える化」を図るとされていたところでございます。これを受けて、ちょうど今月初めに「見える化」のためのサイトをオープンしているところでございます。
4ページ目を御覧ください。
女活法の「見える化」サイトの給与の差異のページです。左上のトップのページから右側の水色のバナーをクリックしていただきますと、給与の差異のサイトに飛ぶ形になっております。
右下に掲載させていただいておりますが、例えば国の機関ですと、それぞれの個別の機関を幾つか選んでその結果を表示することもできますし、全ての機関を選んで表示することもでき、検索をしたり、比較をしたりすることができるようなサイトとなっております。
5ページ目を御覧ください。
左側が、先ほどのページで3つの機関を選んで検索結果が画面に表示されたものについて記載させていただいているものとなっております。画面上で見ていただきますと、もう少し大きい形で御覧いただけるようになっております。
右側にございますのは、検索した結果とは別に、国の機関全体といった形で、公表情報の一覧についてもダウンロードできるような形になっております。こういったものを活用して差異の公表、また、それを踏まえた今後の対応をさらに進めていきたいと考えております。
6ページ目を御覧ください。
こちらも、先ほどの厚生労働省の御説明と重なる部分がございますが、女活法が令和8年3月に期限を迎える等のことを踏まえまして、公務部門における法の施行状況、職業生活における女性の活用状況の変化等を踏まえまして、さらなる女性活躍の推進に向けた課題の洗い出し、見直しについて検討するために、関係府省連絡会議・幹事会を開催させていただいているところとなっております。
構成といたしましては、連絡会議といたしまして、内閣府男女局のほか、内閣官房内閣人事局、総務省自治行政局、オブザーバーといたしまして厚生労働省雇用環境・均等局、人事院人材局に御協力をいただいております。局長級の連絡会議の下に課長級の幹事会を設けまして、こういった構成で検討を今後進めてまいる予定でございます。
今後の進め方といたしましては、4月から6月、また夏にかけまして、施行状況のフォローアップや有識者の方へのヒアリング、見直し方針の検討を行いまして、年末頃までに最終的な取りまとめという形で考えて予定をしているところでございます。
資料3の説明は以上となっております。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、厚生労働省年金局年金課の芦田年金制度改革推進官より、女性の視点も踏まえた社会保障制度について、資料4の説明をお願いいたします。
○芦田推進官 厚生労働省年金局の芦田と申します。本日はよろしくお願いいたします。
早速ですけれども、資料の1ページ目を御覧ください。
こちらは、「女性版骨太の方針2023」での関連する記載内容でございます。記載のとおり、黒字のところでございますけれども、「いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに取り組む。さらに、106万円・130万円の壁について、被用者が新たに106万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせないための当面の対応を本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む」となっております。こちらを受けまして、被用者保険の適用拡大、最賃の引上げ、年収の壁対応について、今の取組状況を御説明したいと思います。
2ページ目を御覧ください。
まず、被用者保険の適用拡大につきましては、社会保障と税の一体改革以降、適用拡大の取組を進めてきております。制度改正を重ねておりまして、直近ですと2020年に法改正を行っております。
現在の適用の要件といたしましては、企業規模で言いますと100人超の企業において週労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上、これは年収換算ですと106万円となりますけれども、こういった短時間労働者の方々については被用者保険を適用するという制度になっておりまして、前回の法改正で、今年の10月からは50人超の企業までさらに拡大をするというふうになっております。
今後についてですけれども、3ページ目を御覧ください。
こちらは、昨年12月に閣議決定をされました「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について」でございまして、いろいろと書いてありますけれども、前のページで御説明をいたしました企業規模要件の関係で言いますと、この閣議決定に先立って、全世代型社会保障構築会議の報告書において、こうした企業規模要件については早急に撤廃の実現を図るべきと指摘をされておりますが、こうしたことを踏まえまして、今年、2024年末の結論に向けて引き続き検討すると決まっておりまして、こうした点を含めまして、引き続きこの制度の見直しについて検討を進めていくというような状況になっております。
4ページ目を御覧ください。
最低賃金の関係になってまいります。最低賃金につきましては、昨年目標としておりました全国加重平均1,000円を達成したところでございます。今後は、公労使の三者構成の最低賃金審議会での議論の積み重ねによりまして、2030年代半ばまでに全国加重平均が1,500円となることを目指して取り組んでまいりたいと考えております。
5ページ目を御覧ください。
年収の壁への対応についてでございます。女性版骨太の方針の内容も踏まえまして、昨年10月より「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施しております。こちらについて、昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」におきましても、こういったパッケージについて着実に実行する、また、制度の見直しにも取り組んでいくということが決まっております。
6ページ目を御覧ください。
こちらがそのパッケージの概要でございます。106万円の壁への対応といたしましては、キャリアアップ助成金という助成金がございますけれども、こちらのほうにコースを新設いたしまして、短時間労働者が被用者保険の適用による手取りの収入減少を意識せず働くことができるように、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して労働者1人当たり最大50万円の支援を行っております。
また、130万円の壁への対応につきましては、被扶養者の認定基準が130万円となっておりますけれども、労働時間の延長などに伴いまして一時的に収入の変動があったとしても、直ちに被扶養者認定から外れる必要はないという運用につきまして、事業主が証明書を出すことによって、こういった認定の判断に際して迅速な判断を行えるようにするという取組を行っています。
3つ目、右下でございますけれども、企業独自の配偶者手当の支給につきまして、一定の年収を基準にして支給しているケースがありますので、こちらについても見直しを促進していくという取組を行っております。
7ページ目を御覧ください。
106万円の壁への対応として挙げましたキャリアアップ助成金につきまして、計画件数といたしましては6,784件、3月19日時点で受理しておりまして、人数ベースで言いますと20万人ぐらいの方が令和5年度から7年度までの間に取組を予定しているということになっております。
最後に、8ページ目を御覧ください。
制度の見直しについて、現在、適用拡大とか年収の壁への対応を含め、多岐にわたる論点につきまして、次期年金制度改正に向けた議論を社会保障審議会年金部会のほうで進めているところでございます。こちらは、本年末の年金部会での取りまとめに向けて議論を進めているところでございまして、引き続き、女性版骨太の方針で記載された点につきましても議論を丁寧に進めてまいりたいと思います。
私からの説明は以上です。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、厚生労働省人材開発統括官付参事官(人材開発政策担当)の松瀬参事官より、リスキリング支援について、資料5の説明をお願いいたします。
○松瀬参事官 人材開発統括官付の松瀬でございます。
資料5について御説明をさせていただきます。
まず2ページ目をお願いいたします。
当省のリスキリング施策の主なものを御説明します。1つ目がハロートレーニング、公的職業訓練でございます。左上に公共職業訓練の離職者向けとありますけれども、これはハローワークの求職者の中で、主に雇用保険受給者の方々に対して行う訓練でございます。
ブルーグレーの色がついている表に、一番左から国、都道府県、民間教育訓練機関とありますけれども、国のポリテクセンターや都道府県の能開校では主にものづくりの訓練、民間におきましてはものづくり以外の事務系統の訓練をやっております。
右上に行きますと、今度は求職者支援訓練というのがありますが、これはハローワークの求職者のうち雇用保険を受給できない方々を主な対象にしておるところでございます。ブルーグレーの色がついている表を御覧いただければと思いますが、こちらはものづくりではなくて、民間教育訓練機関が実施する介護とか事務等の訓練をやっているものでございます。
右下に数字が並んでいる表がございますけれども、公共職業訓練の離職者訓練は年度で10万人超の受講者がおります。一番下の細長い表が求職者支援訓練の実績ですけれども、これが令和4年度は4万人でございます。したがいまして、離職者向けの職業訓練は年間14万人超ということで実施しております。
3ページ目を御覧ください。
2つ目の大きなリスキリングの柱は、教育訓練給付でございます。最初に御説明いたしました職業訓練はハローワークの求職者、失業者に対して実施する訓練で、これに対しまして教育訓練給付は、柱書きのところにありますように、労働者が主体的に厚生労働大臣指定講座の中から選んで、それを修了した場合に費用の一部を支給するというものでございます。欄が3つありますけれども、一番左の専門実践教育訓練給付が講座の内容も高度であって、高い給付率となっております。
2つ目の欄の支給要件のところを御覧いただければと思います。在職者、これは雇用保険のもちろん被保険者でございますけれども、その在職者または離職されて1年以内の方がこの教育訓練給付を利用することができるということでございます。
また、「離職後1年以内」の後に続く括弧書きを御覧いただければと思いますけれども、妊娠、出産、育児等で対象期間が空いてしまった方は、離職後1年以内ではなくて、最大20年以内利用できるということでございますので、例えば結婚退職された方が子育てを終えて、そろそろ労働市場に戻ろうかというときに、またこれが利用できるというものでございます。これが女性にとってのメリットになるのではなかろうか思います。
次のページをお願いいたします。
教育訓練給付の指定講座の概要でございます。様々な分野から様々な講座が指定されていることが一覧で分かると思いますけれども、特に中ほどの「医療・社会福祉・保健衛生関係」の中で介護福祉士とか看護師、保育士というものがありますけれども、これは教育訓練給付の中で利用度の高い、利用者数の多い講座となっておりますので御紹介します。
5ページ目を御覧ください。
今度は、3つ目の柱の人材開発支援助成金でございます。これは、事業主が雇用している労働者に対して職業訓練を実施した場合に、その経費の一部等を助成するというものでございます。これは企業向けの助成金でございます。
下に表がございますけれども、下2つ、③人の投資促進コース、④事業展開等リスキリング支援コースは、令和4年度以降、人への投資の一連の施策が始まりまして新設したコースでございまして、これは経費助成率が非常に高くなっております。
最後、6ページ目を御覧ください。
これは、学ぶというものではなくて、労働者のキャリア形成を支援するための施策でございまして、キャリアコンサルティングを無料でいろいろなところで受けられるための仕掛けでございます。
中ほどのダークブルーの枠取りがされております「キャリア形成・リスキリング推進事業」というのがありますけれども、これは全国47都道府県に1つずつ拠点があります。ここで各労働者はキャリアコンサルティングを無料で受けられるのですけれども、この枠の右上から矢印が伸びておりまして、「キャリアコンサルタントの常駐、巡回派遣」とあります。これは各都道府県に所在するハローワークを巡回して、そのハローワークにおいても無料のキャリアコンサルティングを受けることができる。こういう取組をやっているというものでございます。
説明は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
次に、文部科学省の淵上大臣官房審議官より、リカレント教育について、資料6の説明をお願いいたします。
○淵上審議官 文部科学省でございます。よろしくお願いいたします。
文部科学省の取組としては大きく2つございます。1つ目は男女問わない一般的なリカレントの推進、2つ目はとりわけ女性に特化したリカレントということで、順に御説明申し上げます。
めくっていただきまして、一般的な男女を問わないリカレントでございますけれども、令和2年度以降、大学や専門学校などのリソースを生かしながらカリキュラムの開発を進めております。大学はとりわけ研究機関でもございますので、イノベーション創造のための知と人材の育成といったことを比較的中心に行っていただいております。
専門学校につきましては、実践力ということで、即戦力としての人材育成の観点からのプログラム開発を行っているということで、中段にございますが、令和2年から4年度までで207プログラムを開発して、7,000人ぐらいが受講したということでございます。このプログラムの中には、女性をターゲットとした日本女子大学のプログラムなどもございます。
ただ、こうした取組は一つ一つの大学や専門学校での取組にとどまっておりますので、課題にございますように、職に結びつきにくい、社会人学生の広がりが少ないといったことがございましたので、点での取組を面に広げていこうということで、地域の軸と産業界の軸の2軸で広がりを持たせた事業を新たに展開しております。
次のページでございます。
上段のほうが地域との連携でございます。地域の産官学、金融機関、こうしたところが一体となってプラットフォームをつくって、3つ目のポツにございます、地域の産業ニーズと大学の資源をマッチするという取組を進めているところでございます。これが1つ目の軸。
もう一つの軸が、中段以下でございますが、新時代の産学協働体制構築に向けた調査研究事業ということで、赤字でございます労働人口が多い産業、主として300万人以上ぐらいの産業を10業種ぐらい選んで、その業種で必要とされているスキル、ニーズはどういうものかというのを抽出した上で、大学のリソースとマッチングしていこうという取組を進めているという状況でございます。
3ページ目でございます。
ここからが女性に特化した取組でございます。女性に対するリカレント教育の取組。これも2つのフェーズがございまして、1つは第4次の男女共同参画基本計画を踏まえて、④にございます再就職希望者を含む社会人の就労キャリアアップ、キャリア転換、こうしたことを念頭に、女性のキャリア形成、再就職支援を行うようなモデル事業の構築を行っておりました。
具体的には、4ページにございますが、左側にございますように、公益財団法人とか大学などにお願いをしていろいろなプログラムを開発してもらってきました。
右の概要にございますように、十分な学びの経験を積めなかった女性に対して再教育のプログラムを提供したり、あるいはキャリアチェンジ、3つ目ですと正規雇用や無期雇用への転換を進められるようなキャリア形成に資するプログラムの開発を進めてきたということでございます。
5ページ目からでございますが、第5次の男女共同基本計画を踏まえまして、これが指導的地位に占める女性の割合をより意識したものになっているということから、私どもの事業でも、下段にございますように、指導的立場に就くに際して必要となる体系的な学習機会の提供ということでプログラム開発を行っております。その際、大学独自でやるのではなくて、女性関係団体とか企業などと連携しながらやっていただくことを必須化してございます。
6ページ目が今年度の予算でございます。具体的には、次の7ページでございます。
京都女子大学を中心として、「ウィミンズカレッジ連携マネジメント力基礎プログラム」ということで、左下の実施内容のところでございますが、大学、企業、女性団体が協働して、マネジメント力養成の視点から講座を提供していくということで、右側にございますように、各大学のリソース、女性団体のリソース、企業のリソース、こうしたものを総合的に提供することによって、指導的な立場にある女性を育成しようということでございます。
最後の9ページでございます。
この取組の効果といたしまして、①講座満足度97.1%に加えまして、⑤マネジメントに対する自信ということで、受講前は全ての受講生がマネジメントについて自信がなかったという状況でございましたが、右にございますように、「かなり自信がついた」が14.3%、「自信がついた」が71.4%で、かなり多くの受講者がマネジメントについての自信をつけているという状況が見てとれます。
今後、こうした取組をさらに深めつつ、加えて広げていくことが課題かなと思っておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
簡単ですが、以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、経済産業省経済産業政策局の相馬経済社会政策室長より、リスキリングの推進・女性起業家への支援について、資料7の説明をお願いいたします。
○相馬室長 経済産業省経済社会政策室長、相馬と申します。
資料7について御説明申し上げます。
3ページ、まず、リスキリングの支援策について御説明申し上げます。経済産業省におきましても、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を行っておりまして、こちらの事業では補助事業者を通じまして、在職されている方のキャリア相談から、リスキリング、転職までを一体的に支援することで、企業間・産業間の労働移動の円滑化とリスキリングを一体的に促進するというところが特徴になっております。
こちらの事業は、後ろの参考資料を後ほど御覧いただきたいのですが、10ページのところにございまして、2023年6月に一次公募を採択しております。その後、段階的に何回か公募を行っておりまして、それぞれ公募での採択事業が段階的に行われているといった特徴がございます。
スライドを戻っていきまして、4ページ目をお願いいたします。
予算規模はこちらに書かれているとおりになりますが、これまで107件に対して交付を決定しておりまして、先ほど申し上げましたとおり、順次サービスを提供しているといった状況でございます。
段階的でしたり、リスキリング自体が数か月かかるところもありまして、現時点では公表できるまとまった数字がない状況ではあるのですが、概要ということで申し上げますと、4月中旬時点で支援開始をしている人数が2万1000人ぐらいいらっしゃいまして、転職活動を実際に開始している方も9,000人ぐらいいらっしゃるような状況になっております。
講座ですけれども、こちらにありますとおり様々な講座がございまして、統計とかデータ分析、プログラミングといったITやデジタルの分野もございますし、人事・労務とかマーケティング、ビジネススキル、医療・介護など、様々な分野にわたっているものになります。
一次から三次の公募の交付決定している事業者は、東京とか大阪に本社を置く企業が8割ぐらいを占めてはいるものの、そういった企業は全国に支社を置く企業も多いですし、またオンラインでキャリア相談とか講座の提供を行っている事業者も多いため、全国各地の個人に対して支援を提供できるような体制となっております。
2024年3月末時点で集計できたアンケートの結果によりますと、実際にサービス登録している方のうち6割ぐらいが女性になっておりまして、年齢を見ましても20代、30代、40代、50代、60代が同じような割合となっておりまして、幅広い方に活用されているといった状況になっております。現在の雇用形態も、正社員、派遣労働者、パートタイム労働者と幅広い状況になっております。
この後、こちらの事業を継続していきますので、データとかそういうところの分析については引き続き進めてまいりたいと考えおります。
事業者の中で、もちろん男女問わず様々なところを受講できるのですけれども、女性に特化した講座を行っているところもございまして、女性対象の事例として1つ御紹介をさせていただきます。5ページになります。
こちらの会社は、20代から40代の女性に向けまして、職場復帰とか育休中の女性をターゲットにITに関するリスキリングの講座を提供しているというもので、在宅勤務が可能な業種への転職を支援する、そんな内容になっております。
リスキリングについては以上となります。
続きまして、女性起業家について御説明申し上げます。資料は6ページになります。
先ほどもございましたが、スタートアップの起業家に占める女性の割合は非常に少なくなっておりまして、女性起業家支援を経済産業省におきましても総合的に推進しております。
左側に女性起業家が抱える問題がございますが、様々な段階にあるスタートアップとか起業家の方々に対して、右側にありますとおり、ロールモデルの創出、支援のネットワークの構築、マッチングの場の提供、金融面での支援といったことを行っております。
本日、その中でも②の女性起業家支援の全国ネットワークに関して御説明を申し上げたいと思います。
スライドの8ページをお願いいたします。
こちらは、2020年度から開始しました女性起業家支援ネットワークの「わたしの起業応援団」というものがあるのですけれども、こちらにつきまして、全国どこにいても支援が受けられるように、地域ごとに一貫して支援できるような体制の拡充を本年度予定しております。
具体的には、女性起業家支援に関するノウハウの共有とか、いろいろなネットワークのイベントを日本全国の地域ごとに行いまして、地域に密着した支援機関が支援をしながら、相談に乗ったり、メンタリングを行っていく事業になっております。
下に地域ネットワークのイメージがございますが、こういったネットワークを、例えば北海道とか東北といった形で、それぞれの地域に密着した形で支援を行っていく。そんなところを予定しているものになります。
経済産業省からは以上となります。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、ただいま説明のあった内容について議論を行いたいと思います。委員の皆様から、時間が押してきて申し訳ないのですけれども、お一人2分以内で御意見、御質問を順に頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
まず、石黒委員、お願いいたします。
○石黒委員 ありがとうございます。
2つぐらいあります。まず、もうずっと議論している106万円・130万円の壁ですけれども、これを法制化された当時の事情は理解できるのですが、これを法制化したことにより現在の労働市場のゆがみが形成されていると思います。今、丁寧な御説明あったのですけれども、一体何年議論しているのかなというのが私の率直な思いです。
昨日も地方自治体の40%が消滅するというような報道もあったのですが、従来の家族の概念というのは既に過去のものとなっていて、労働力の需要側と供給側の差が鮮明になってきていると思います。とにかく女性は働きたいという人が多数を占めている。それに対して対策がこれだけ遅れていることが日本経済に与える影響は非常に大きいということを、再度鑑みていただきたいなと思っています。
法律を変えることによりネガティブな影響を受ける法人とか人のことを考えて、ある意味では緩やかな移行と計画はずっと取っているようにも思えるのですね。ただ、移行が遅れることによるネガティブな影響のほうがよほど大きいということを再認識したいと思っています。結局、ビジネスというものは、守る期間が長くなれば長くなるほど、後々の損害が大きくなるものである。
労働提供側には、ある程度の移行期間を与えるとか、リスキリングの提供を与えるということは必要かと思いますが、法人側は、淘汰されるべくは淘汰されるという視点に、本当にビジネスの原則に立ち返って法制度の確立を急いでほしいと思います。
もう一つは、私の専門のデジタルです。今回、デジタル人材のことの御説明を受けたのですが、私の視点からすると定義が非常に曖昧だと思うのですね。デジタル人材というのが開発者なのか、その中でもアプリケーション開発、システム開発、さらにどのITのレイヤーなのか、SEなのか、PMなのか、プログラマーなのか、AIなどの特定分野なのか、デジタルマーケティングなのかというようなことを、透明性を持って議論をしていただくことが成長につながると思うのですね。
ITというのは、長年仕事をしていかないと分かりにくい業界であって、特に新規参入者が理解するためには、ひいては、その参入を後押しするためにも、IT業界の例えば業界マップとか、今後成長が見込まれる業種などをしっかり研究して、どの業種、どの職種を選べば、またリスキリングをすれば、どれだけのリワードが得られるものなのかなどの情報提供をしてほしいと思います。
企業側も、明確にどのスキルとどの資格を取ることが必須であるということを明確にして、例えば入社すればどのような教育が受けられるかなどの情報を透明性を持って公開することがマッチングの精度を上げることにつながり、ひいては、デジタル人材の増加につながると思いますので、これをもう少し解像度を細かくしてさらに推進していただきたいなという感想を持ちました。
以上になります。ありがとうございます。
○山田会長ありがとうございます。
続きまして、大崎委員、お願いできますでしょうか。
○大崎委員 ありがとうございます。
男女間賃金格差の情報開示の義務化というのは、非常に重要な施策だと思っておりますので、政府全体でその取組を拡充しようとしていらっしゃる様子が伝わってきて、そのことに関しては高く評価したいと考えております。
その上で、4点コメントがございます。
1点目は、ペイギャップの公表の対象企業は現行では従業員301人以上ですけれども、それを101人以上に拡大するという議論があったかと思うのですが、それが現状どのようになっているか。これは質問です。
2つ目は、女活法の情報公表項目の1と2に当たる部分ですけれども、公表項目の必須項目として、役員に占める女性割合とか男女別の育休取得率など、男女間賃金格差の要因に直結するようなデータも含めることを検討してはどうかというのが2点目です。
3点目ですが、平均残業時間というのがあると思いますけれども、それを男女別で出していただきたいと思います。平均残業時間と育休取得率、願わくば、これはまだ入っていないですけれども、時短勤務制度の利用率を男女別で出しますと、その企業の雇用制度、慣行におけるジェンダーバイアスが明確に可視化されますので、そういったことも検討してはどうかと思います。
4点目ですけれども、厚労省さんが御説明いただいた資料の中で、いろいろな要因が男女間賃金格差にあると御説明がありました。その解決策として、働きやすさのところの拡充は非常に注力されていると思うのですけれども、働きがいとかフェアネスの部分で、評価の問題です。
男女間賃金格差の要因として一般的に挙がってくるのは、評価における基準が曖昧であるとか、評価のプロセスが不透明であるとか、アンコンシャス・バイアスが作用しやすいということが長らく議論されてきているわけです。ですので、透明性が高くて、アンコンシャス・バイアスが作用しないような評価の仕組みを一生懸命つくって導入して、運用している企業もありますので、そうした企業を、大企業、中小企業を含めてグッドプラクティスをぜひ収集して明示していただきたいと思います。
評価の問題は本当に大きいと思うので、先ほど御説明あった佐藤先生が座長をされている検討会でも、評価という側面に関してはしっかり議論していただくといいのではないかと思います。
以上です。ありがとうございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、小林委員、お願いできますでしょうか。
○小林委員 ありがとうございます。
まず、男女間の賃金格差について。これまでも公表とか好事例の紹介とかいろいろなことが出ているわけですが、昨日のニュースで出ていた、先ほど御紹介のあった女性活躍推進プロジェクトチームがどのような短期的な賃金格差の解消策を出すのだろうかというのを期待しているとこです。極端なことを言えば、公務員について人勧で女性だけ上げろなんていうことができるのかどうかとか、労働団体としてもそのようなことを言うのはなかなか難しいだろうと思うので、プロジェクトチームを組んだ以上は何らかの新しいアイデアが出てくるのかなと思って期待をしております。
それから、リカレント教育についてですが、私は法科大学院の設置審のメンバーでもあったのですが、その当時、日本の大卒ではなくて、諸外国並みに院卒をベースにしたいというところがあったのですが、私学の経営の立場からいっても、少子化の現状からするとリカレント教育の方向へ向かうということは可能性としてはあると思っています。
そうすると、今度はそこへリカレント教育を受けようというインセンティブとしてどのようなことができるのか。現在ある教育訓練給付金ではなくて、対象講座以外の奨学金、特に社会人大学院の院卒資格へつなげるような奨学金は考えられているのかということ。
もう一つは、社会人大学院の受入れが一時はどんと増えたのですが、最近は横ばいから減少傾向と聞いておりますので、その辺りとの関係でリカレント教育をどのように構築していくのだろうというのを質問したいところであります。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、白波瀬委員、お願いできますでしょうか。
○白波瀬委員 ありがとうございます。
毎回いろいろなデータを見せていただきまして大変ありがたいのですけれども、少し整理というか、限られたところでの議論をする際に、会議全体としてどういう構成で進められるのかという根本的なところで一言申し上げたいと考えています。
データというのは基礎になりまして、環境というか、どういうふうになっていますかという現状と、それをどう説明するのかというような、大きく2つの流れがあると思うのですけれども、できれば、このいっぱいのデータに対する感想というよりも、もう少しポイントを絞った形で、次の中間なり、何をしていくのかという優先順位を決める際の議論というのもあったらいいのではないかと考えた次第です。つまり、賃金格差は随分長い課題でもございますし、専門家自体もいろいろな見解もあり、より突っ込んだ議論も必要かと思いますので、そういう意味では、現在いる専門家とうまく連携しながら、積極的に公表するというのも重要かなと一つ考えています。
2つ目は簡単にです。いっぱい質問があるのだけれども、いろいろなことを各省がやられているのですが、実際にどれぐらい周知されているのかということについて、自らアクセスする方については行動が行くわけですけれども、少し全体像が見えにくいので、周知されたことについてということと、効果をどういう形で測っておられるのかということについても、もう少し突っ込んだ議論が限定的でもいいのであると大変よろしいかと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、徳倉委員、お願いできますでしょうか。
○徳倉委員 ありがとうございます。徳倉でございます。
各省庁の皆さん、詳細なデータをいただきましてありがとうございます。その点、私は民間におります立場から、幾つか重複するものもありますけれども、簡単にお話ししたいと思います。
まず、現場で働いていたり、企業経営をしていたり、また、そういう関係者と話をする中で、一番インパクトがあるのが自分たちの情報を公表しないといけないという行動に出るときに、経営者をはじめ皆さんは非常に大きなインパクトがあります。
その点でいきますと、例えば私のメインで活動している男性の育休なども、1,000名以上で公表となった瞬間に、昨年、私もイクメンプロジェクトに参加していますけれども、1,000名以上の企業だと40数パーセント、一気に男性の育休が進んでいった。
こういうものが女活法の中でも、先ほど大崎さんのほうからもお話があって、実は私もここを聞きたいなと思ったのが、令和4年7月の101人から300名のときには選択制で公表だったものを、これを一刻も早く、私のイメージとしてはもう義務化していく、301名以上と変わらずということにしていくほうが、最終的には、先ほど石黒さんもおっしゃいましたけれども、ビジネス上においてもどの企業が就職先に選ばれるか、選ばれないか、そういう淘汰の仕方もきちっとしていくという意味では、何か罰則をつけるというよりも、どんどん持っている情報を公表していく、ここが非常に大事なポイントかなと思います。
その公表の中で、幾つか公表されているもののデータでこういうデータを入れていただきたいのが、実は有給休暇の取得率との関連性というのも男女比も含めてぜひ出していただきたい。
有給休暇は全ての労働者が等しく与えられる休暇でありまして、育休や介護休暇は対象者でなければ取ることができない。そうなってくると、その企業自身が働き方改革を含め制度を変えていく中で等しく有給休暇が取れる組織になっていれば、そこに対してプラスアルファの様々な施策が有効にできているかという、これは一つ大きく指標としては分かっている。これはもう既に2020年頃から公表になっているデータですので、そういうものを合わせていきながら出していくと、先ほど白波瀬先生もおっしゃいましたけれども、公表する際のインパクトが非常に大きくなるので、既にある情報を組み合わせて出していくという努力をぜひしていただければなと思います。
あと、IT人材のところで、私はIT分野の経営者ではありませんけれども、大学院等に所属していて感じるのは、小学校、中学校、高校、大学もそうですけれども、そういうところからそういうスキルを持って進んでいこうとするときに、学生だけにその情報を与えるのではなくて、教員サイドにもしっかりと情報提供していきながら、そういう教員を育成していく。
また、そこが難しければ、例えば男女局が中心になってオンラインでそういうものを提供していく。ここの人材を育成するのは時間がかかりますけれども、教員がいて子供たちがいてとなると2世代遅れてしまうので、ここは一括的にやっていくという覚悟を持って省庁で連携をして育てていく仕組みをぜひ考えていただければなと思います。
以上になります。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、山口委員、お願いできますでしょうか。
○山口委員 ありがとうございます。
各省庁の皆様、御説明ありがとうございました。3点申し上げたいと思います。
1つ目は、男女間格差一般についての総論的なところになるのですが、その大きな違いに時間格差ということが指摘されていたように思います。その背景に、男性の家事・育児時間の女性に対する短さというのが言われていたように記憶します。
その中で、働きやすさを高めるような取組をして、女性が仕事をしやすくというような発想でいろいろな政策がつくられてくると思うのですが、むしろ男性のほうがより家事・育児をできるようにしていくような取組が今後必要になってくるのではないかと思っています。
既に育休ではクオーター制というのがあって、男性しか取れない枠があるのですが、こういった考え方を病児休業とか時短勤務についても拡大していくというのを検討してはいかがでしょうか。
2つ目の点は、男女間賃金格差の情報公開についてです。数字だけだとその中身が分からなくて、どこに問題があるのか、そもそもこれは問題なのか、問題ではないのかというところが分からないので、説明欄の利用を促しているという御説明がありました。それも一つのやり方かなとは思うのですが、その説明が正しいのかどうかということ自体も数字にバックアップされていることがより望ましいと思いましたので、途中の御説明の資料にあったような勤続年数、大卒比率、年齢などを調整した場合はどうなるのかといった示し方のガイドラインとかフォーマットの例みたいなものがあればよいのかなと思いました。
全ての企業でそういったものを義務づけてしまうと、なかなか対応できないのかなと思うのですが、こういったことが望ましいですよというようなガイドラインを示せば、少なくとも大企業は採用していくことが難しくなくて、どんどん賃金格差の中身について公開が進んでいけばいいのかなと感じております。
3点目は、厚労省年金局の御説明に対するコメントと質問です。被用者保険の適用拡大については、非常によい方向性だと思っています。これは、女性の問題に限らず、多くの働く方にとってプラスの変化だと思っています。
一方で、取組について質問させていただきたいと思います。1つは年収の壁についてです。これに対して、年収の壁を越えるための取組ということで3年間の時限的な措置がなされていらっしゃるようですが、これまでのところどのような成果が上がっていると感じていらっしゃるのか。何か数字があれば、そこも伺いたいですし、3年という時限的な措置が終わった後、3年後はどういうふうにしていく計画になっているのかをお聞かせいただければと思います。
もう一個質問したいのが、最低賃金を引き上げることによって女性の所得が増えていくのだというようなイメージをされていたと思うのですが、一方で、最低賃金が上がっても労働時間を減らすことによって調整が行われたということが指摘されていたように思います。これを踏まえると、最低賃金が上がっても必ずしも壁の問題は解決しないのではないかと懸念しています。
同時に、最低賃金引上げで雇用や経済に対してどういう影響があるかというのは、私の専門の労働経済学の中でもいろいろな議論があって、国とか産業によって違うのではないかということが言われているのですが、これに対して最低賃金引上げの影響の評価はどのように行っていくのか、特に女性の雇用に対して悪影響がないのかといった点についてどうお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
山本委員、お願いできますでしょうか。
○山本委員 ありがとうございます。
各省庁の方の御説明、とても勉強になりました。ありがとうございました。
私の印象としては、全体的にリスキリングなど労働供給者側への取組が多いのかなと思いまして、もう少し労働需要側、あるいは働き方や、職場環境への注目が必要なのではないかという印象を持ちました。
例えば、情報通信産業は所得が高い、一方で女性比率が低い、そこに注目をして、そこでの女性比率を高めていくという着眼点はとてもいいと思うのですけれども、そのアプローチとしてITスキルの習得とかリスキリングというところに焦点を当てていますけれども、それに加えて、そうした業界あるいは職種でどういう働き方になっているのだろうか。性別に関わりなく誰でも働きやすい職場になっているのか。端的に言えば、長時間労働になっていないのか、硬直的な、柔軟でない働き方になっていないのかといったところを確認して、もし支障があるのであれば、そこを改善するような働きかけをできないのかといった観点から検討していくことも必要なのかなと思いました。
それに関連して、女活法に基づく情報開示はとても望ましいと思うのですけれども、ほかの先生方も言われていましたが、賃金格差への注目は大事なのですけれども、そこだけではなくて、賃金格差というのは最終的なアウトカムだと思いますので、もう少し手前のところで、働き方、その中でも残業時間とか休暇の取得率の状況を改善しないと、女性の活躍推進は企業でなかなか進まないと思いますので、その状況に注目する。全ての企業は開示していないと思いますけれども、開示している企業のデータなどを使って分析をすることも必要ですし、場合によってはそうした項目を開示の必須項目に変えていくことも大事だと思います。
それに関連して、今、人的資本経営での開示というのも始まっていて、そことの兼ね合いです。企業からすると、いろいろな法律に基づいて開示するというところで、人的資本経営での開示というのは男女別のものは少ないのですけれども、そこを全て男女別にするとか、うまく連携していくと相乗効果が出てくるのかなと思いました。
最後に、データベースの公開もとてもいいと思うのですけれども、私が見る限り、最新データを更新して公開しているだけのように見えまして、今後蓄積していく上で過去のデータもぜひ残していってほしい。そうすることで、どういう改善があったのかという変化も見ることができるので、もうそうなっていればいいと思うのですけれども、そうなってなければそうした取組をしていただければと思いました。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
最後に私から、もう時間がありませんので、質問というよりもコメントですけれども、石黒委員や山口委員が指摘いただいたように、年金制度で家族の中で扶養者と被扶養者をそもそも分断して分けるという考え方自体がもう限界に達しているのではないかなという気がいたします。
私も20年ぐらい前から、いろいろな審議会や研究会等の委員をさせていただいているのですが、同じことを言っているのですけれども、一歩前進している、雇用保険の範囲を広げたと言うのですけれども、そろそろ少しずつという彌縫策がもう限界に来て、根本的に考え方を変えなくてはいけないような時期に来ているのではないかと思います。
私の周りでも、賃金が上がったから労働時間を減らさなければという人たちを何人もヒアリングしたことがございます。あと、少し前ですけれども、ある企業の社長さんが、ボーナスをあげようとしたら、非正規雇用の社員にボーナスは要らないと言われたということもお聞きしたことがあります。
あとは賃金格差です。もちろん賃金格差の公表は重要なのですが、正規社員や非正規社員の間の格差、正規社員の中でも総合職と一般職の間の格差、ある企業では総合職は9割男性、女性1割、一般職10割女性、ある地方でヒアリングしたときは、男性は全員正規社員だけれども、女性は全員契約社員というようなところがあるので、正社員同士、非正社員同士を比べるのではなくて、例えば、各企業における正規雇用、非正規雇用の男女比を比較する。そういう公表をさせるといったことがないと、なかなか実効性がないのかなという気もいたしております。もちろん正社員の中での男女差を縮めるのは当然ですけれども、そちらの職種の男女差を縮めるほうもやってほしいなと思っています。
ありがとうございます。
これまでの御意見、御質問について、説明していただいた省庁からありますでしょうか。時間が限られておりますので、手短にお願いしたいと思います。
どなたからでもお願いします。
○芦田推進官 厚生労働省年金局の芦田です。
山田会長、石黒委員、山口委員から、年金制度や年収の壁につきまして御意見、御指摘をいただきまして、誠にありがとうございました。
まず、当面の対応としての「年収の壁・支援強化パッケージ」についてですけれども、こちらはまさにまずしっかり御活用いただくことが大事ということで、政府を挙げて周知・広報に取り組んでまいりました。
それの成果ということもあるかもしれませんけれども、キャリアアップ助成金については、3月19日時点の計画ベースで言いますと、対象となる労働者の方は約20万人となっておりまして、こちらは一定程度、活用の取組が進んできているものと考えております。
その先の制度そのものにつきましては、まさに御意見もいただいたように、様々な御意見、御議論があるところでございますけれども、引き続きしっかりと議論を深めてまいりたいと考えております。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
ほかに省庁の皆様、ありませんでしょうか。
宮本様、お願いします。
○宮本審議官 厚生労働省の審議官です。
いろいろな先生方に御指摘いただきありがとうございました。お答えさせていただきます。
まず、大崎先生から賃金格差につきまして、301人以上ですけれども、それを101人以上にする議論はどうなっているかということでございます。先ほど御説明いたしました検討会におきまして議題として認識されていると考えておりますけれども、まだ具体的には検討されておりませんので、今後検討されていくと考えてございます。
それから、男性の育休取得について女活法の枠組みで公表してはどうかという御指摘がございました。それから、残業時間についても御指摘ございました。こちらにつきましては、現在、育児・介護休業法の改正法案の中で、男性の育休取得率につきましては対象企業を1,000人超から300人超に拡大するということをしてございますので、そちらで対応していきたいと考えてございます。
それから、残業時間についてでございます。残業時間につきましては、次世代法で、一般事業主行動計画で各企業が自主的に取り組むというふうにこれまでしておりましたけれども、こちらにつきまして、今回、企業ごとに数値目標を設定してくださいということを盛り込んでございます。その中で残業時間についても盛り込んでいただくことになってございますので、男女別ということではございませんけれども、企業全体として残業を減らしていくという方向になるのではないかと思ってございます。
それから、透明性のある評価ということについて、好事例を収集して明示してはどうかという御指摘がございました。こちらについては収集した事例については、ホームページで公表しております。
それから、小林先生のほうから矢田補佐官のチームに期待しているということでございまして、私どももしっかりとこのチームの活動に協力して、議論をして参加していきたいと考えてございます。
それから、有給休暇の取得率、それから、様々公表に盛り込んではどうかという御示唆をいただきました。今すぐには応えることは難しいのですけれども、有益な御示唆をいただきましたので承っておきます。
それから、山口先生のほうから、男性の家事時間を増やすことが大事ではないかという御指摘がございました。こちらにつきましてはまさにおっしゃるとおりでございまして、これまでは育児といいますと女性がやるものだという意識が強く、例えば企業におけます両立支援につきましても、女性が両立できるという観点が強かったのですけれども、今回、共働き・共育てという視点を盛り込んでございまして、男性も女性も両立できる職場を目指すということで様々な改正内容を盛り込んでございますので、そちらをしっかりと進めてまいりたいと思ってございます。
ちょっと漏れているかもしれませんが、私からは以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
3人の方からお手が挙がっているので、まず、淵上審議官からお願いできますでしょうか。
○淵上審議官 文部科学省でございます。
小林先生から、大学院の奨学金の御質問がございました。社会人用の特別な奨学金というものをつくっているわけではないのですけれども、全体のデータで申し上げますと、学部レベルの社会人学生は2.6%ぐらいしかいないのですけれども、大学院の社会人学生は17%ぐらいいるというのが実情でございます。
大学院の方々には貸与型の奨学金が学生支援機構から出されますので、社会人の方も当然対象になるということと、優秀な大学院の修了者には返還免除制度がございます。修士レベルですと大体3割、博士レベルです45%が全面もしくは半面という支援がございますので、社会の経験を生かして優秀な修了生になればそういう支援が受けられるということでございます。
それから、お話がありましたように、これからの私学経営として社会人の方を受け入れるというのは非常に大事だと思いますので、先ほど少し申し上げました、正規の学生か、パートタイムかはいろいろあると思うのですけれども、地域のニーズに即して本当に必要とされるリカレントの事業を構成するといったことを目指して今やっているという状況でございます。
最後、徳倉先生から、学校の先生方への周知ということもございました。資料6の6ページに、今日は御説明しませんでしたけれども、私どもとしては学校の先生になぜ管理職が少ないのかとか、あるいは幼児期の子供たちに対する先生方へのアンコンシャス・バイアスの払拭、このような取組もしているところでございますので、引き続き関係府省と連携して進めてまいりたいと思っております。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、厚生労働省、金久保さん、お願いできますでしょうか。
○金久保係長 厚生労働省労働基準局賃金課の金久保と申します。よろしくお願いいたします。
最低賃金の関係を担当しておりまして、山口先生から最低賃金の関係で雇用・経済への影響や、女性の雇用の関係について御質問がありましたので御回答申し上げます。
経済の関係への影響でいきますと、直近、弊省のところでも最低賃金の引上げが、特にパート従業員の方の下のほう、全体の50%以下ぐらいの賃金の方々の賃上げにつながるというような分析をしているところでございます。ただ、女性の雇用の関係のところは、正直ぴったりはまるようなデータはございません。
ただ、毎年の最低賃金審議におきましては、雇用の状況、有効求人倍率や、あとは企業の支払い能力に関するデータにつきましても併せて提出して、厚労省の審議会で議論いただいているところでございます。
引き続き、大きな影響が出ない範囲の中で、毎年の審議で確認していきたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、経済産業省、相馬さん、お願いできますでしょうか。
○相馬室長 経済産業省、相馬です。
白波瀬先生より、施策の効果に関する御質問があったかと存じますが、今日御説明しましたリスキリングの事業につきまして簡単に御説明申し上げます。
経産省の事業は、キャリア相談からリスキリング、転職支援と、1年後のフォローアップまでセットになっているような事業になりまして、今のところ対象者の転職の応募者動機、転職の結果、雇用形態がどう変わったか、給与がどうなったか、そういったデータを取得していく予定でおります。
データがまとまるのにはもう少し時間がかかるかと思っておりますが、御指摘なども踏まえまして効果という点はしっかり見てまいりたいと考えております。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
最後に、上田課長、お願いできますでしょうか。
○上田課長 御指摘をありがとうございます。大崎先生、徳倉先生、山口先生、山本先生、座長の山田先生から、賃金の差異のところについて、情報の公表の項目とか、今後どのように取り組んでいくのかといったところについて様々な御指摘をいただいております。
先ほど申し上げました関係省庁と協力をしてこれから進めていく連絡会議の中で、公務部門につきましても、実態として今どういう項目について各機関が公表しているのかということや、それから、それも踏まえた上で登用はどのような状況になっているのかということをよく見ました上で、女性の活躍につなげていくためにはさらにどういった項目について拡充する必要があるのかとか、女活法自体は情報公表ももちろんございますが、その前に状況の把握をするための項目などもありますので、その辺りも全体として現在抱えている課題に対して何が必要なのかということをよく話し合ってまいりたいと考えております。
白波瀬先生のほうから、それぞれの施策についてどのように周知されているのかといった御指摘もいただきました。女活法の情報公表というのは、職業生活の選択に資するために行っているものとなっておりますので、こういった情報をきちんとこれから公務員を志望する方に届けていくことが非常に大事だと考えております。
その点については、正直、まだ改善が必要なところがあると考えておりまして、志望者の方に直接届けるために、そういったところに近い機関とか、何かやり方をもう少し工夫することも、ほかの省庁の御協力もいただきながらぜひ考えていきたいと思っております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
大崎委員のほうから、チャットのほうに。
○大崎委員 既に評価に関しては好事例をホームページで公表しているという御回答をいただいたので、それがどこにあるかということです。アンコンシャス・バイアスが作用しない評価の仕組みが私は重要だと思っていますので、それに類する好事例が出ているというふうに教えていただきましたので、そのホームページをぜひ教えていただきたいです。
○山田会長 もしよろしければ、チャットのほうにURLを書き込んでいただければありがたいと思うのですけれども、大丈夫でしょうか。よろしいでしょうか。
あと、白波瀬議員、何か。
○白波瀬委員 すごく大きなことを言ったのですけれども、評価というのは、最終的な評価ということよりも積極的に見直しをするということなのですね。これは最初の段階で限定的にこの事業のということなので、それについて数値的にそれが低いから駄目とか、高いからよかったというわけではなくて、これが次にどうつながるかという、かなり中長期的な位置づけというのもありますので、最終的な目標として評価ではないし、どうこの結果を読むかというのも、読むほうのトレーニングも必要だと思うのですけれども、その点は誤解がないようにお願いいたします。
○山田会長 ありがとうございました。
説明いただいた省庁の皆様におかれましては、御対応いただきありがとうございました。
ここで御退出いただいて結構でございます。
議題の区切りとなりましたので、時間が迫っているのですが、4分ほど休憩を取りたいと思います。4時35分に始めたいと思いますので、3~4分の間にお戻りいただくようお願いいたします。
(休 憩)
○山田会長 お戻りになった方が多いと思いますので、会議を再開いたします。
次に、議題(2)、(3)について、続けて説明を受け、その後に御意見、御質問を頂戴できればと思います。
まず、議題(2)「公務員の働き方改革・女性活躍の状況について」、内閣官房内閣人事局の横田内閣審議官より資料8の説明をお願いいたします。
○横田審議官 内閣人事局の横田でございます。
私から、国家公務員の女性活躍・働き方改革の今実施している取組を中心に御説明いたしたいと思います。
1ページめくっていただきまして、最初のページでございます。
国家公務員に関しましては、女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針を平成26年10月に策定しておりまして、適宜改正しながら進めてまいりました。各省庁においては、この指針に基づいてそれぞれ取組計画を策定して推進するという仕組みになっております。
国家公務員に関しましても、時間の制約などの有無にかかわらず、あらゆる職員が活躍できる職場環境の整備、さらに公務のサステナビリティ維持のために時間生産性と職員のエンゲージメント(自発的な貢献意欲)の向上を目的としまして進めています。
改革としましては2つございまして、1つは「ワークライフバランス推進のための働き方改革」、もう一つが「女性の活躍推進のための改革」になっております。
「ワークライフバランス推進のための働き方改革」としましては、まず業務効率化・デジタル化の推進ということで、いろいろな業務の効率化を進めていくこと。
そして、勤務時間管理のシステム化と勤務時間管理の徹底ということで、共通のシステムなども導入いたしましてちゃんと把握し、縮減の対策をやっていくということでございます。そして、必要に応じて適切な人員配置をしていくということでございます。
3点目としましては、マネジメント改革ということで、業務・勤務時間管理や部下のやりがい向上・人材育成・キャリア支援を含む管理職のマネジメント力を向上していくということでございます。特に管理職のマネジメント研修や、先ほども評価の話がありましたけれども、マネジメントの適切さをきちんと評価する仕組みの検討、あるいは職員のエンゲージメントや職場環境調査をすることによって、さらにPDCAを回していくことを実施しております。
4点目でございますが、仕事と生活の両立支援ということで、男性の育児への参画促進、フレックスタイム制などの働く時間の柔軟化、そして、転勤に関する配慮などを実施しているところでございます。
2つ目の柱の「女性の活躍推進のための改革」でございますが、1つは女性の採用の拡大について、実効性のある広報活動をしていく。そして、中途採用についても、女性の採用を進めています。
2点目が女性の登用目標達成に向けた計画的な育成ということで、人事管理の見直し、管理職の意識改革、女性職員のキャリアの形成支援、女性職員が抱える悩みや心配の相談ができるような体制づくり、こういったことも進めています。
この方針も、各省庁の計画に関しても、公表してフォローアップをしていくということで、職場環境の調査や職員アンケート調査も踏まえながらPDCAを回しているところでございます。
次の2ページでございます。
これは冒頭、男女局さんのほうからも説明がございましたけれども、女性国家公務員の採用状況でございます。年々増えていっておりますが、今、成果目標として、女性の割合を、採用者全体については35%以上、総合職試験からの採用者も35%、この辺りは既に達成している状況でございます。
1点、技術系区分からの採用者については、目標が令和7年度までに30%のところ、まだ達成していないという状況でございますけれども、力を入れていかなければいけないと考えております。
3ページ目は、女性国家公務員の登用の状況でございます。これは既に説明がございましたが、女性の割合はそれぞれの役職において向上していますが、目標にはまだ達していないということで、これも引き続き各省庁に対応していただくように人事局としても働きかけをしているところでございます。
次の4ページでございます。先ほどの対策の中で幾つかピックアップをして説明をさせていただきたいと思います。
男性職員の育児に伴う休暇・休業の取得状況でございます。これは、生活と仕事の両立支援ということでの柱の一つとして取り組んでおります。こども未来戦略が令和5年12月に閣議決定されまして、そこで男性の育児休業取得率に関しまして目標を引き上げております。国家公務員と地方公務員もそうですけれども、公務員に関しては2025年に1週間以上の取得率を85%、2030年に2週間以上の取得率に関して85%という目標を掲げたところでございます。
それと、先ほど御紹介しました国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針、そして、国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針におきまして、男性職員が「男の産休」と呼ばれています配偶者出産休暇・育児参加休暇を合計5日以上、子供が生まれて1年以内に育児に伴う休暇・休業を1か月以上をめどに取得することを目指すという目標を掲げているところでございます。
今、状況がどうなのかということでございますが、下の左側でございます。育児休業取得状況を男女別に数字を出しておりますけれども、一般職の男性国家公務員に関しましては令和4年度で72.5%まで来ているということでございます。
そして、男の産休の取得状況でございますけれども、令和4年度の数字で、5日以上の使用率が86.6%でございます。
一番下に、令和3年度のデータではございますけれども、1か月以上の育児休業も含めて育児に伴う休暇・休業の取得の状況としましては、1か月以上で85.0%まで来ているということでございます。1か月未満も含めると、ほぼ全員、97.5%まで来ています。平均取得日数としては53日という状況になっております。
次の5ページをお願いいたします。
1ページ目でも紹介いたしましたけれども、女性活躍・両立支援の関係の取組の例をここに挙げてございます。
女性職員のキャリア形成支援ということでは、いろいろな部署で活躍されている女性職員の事例などを展開いたしまして皆さんに見ていただくということだとか、人事管理、セミナーなどもしております。柔軟な働き方についても促進をしています。
管理職の意識改革としましては、そのための研修も力を入れてやっているところでございます。具体的には、新任管理職向けの必修の研修において、ワークライフバランスに係るマネジメントを取り上げております。
男性の家事・育児参加の促進では、「共育て」ということで、男女共に子育てに参画するためのハンドブックなどを作りまして周知・啓発をしているところでございます。
働き方改革の推進に関しましても、環境づくりをしていくということで、特に両立支援の制度を分かりやすくまとめて発信をして、周知をすることにも取り組んでございます。
次の6ページは、柔軟な働き方の推進ということで、テレワーク、フレックスタイム制の組合せによって、場所と時間にとらわれずに柔軟に働くことを可能とする環境を整備していこうということで進めております。
テレワークに関しましては、ガイドラインを策定しましてそれぞれ示しているということでございます。フレックスタイム制についても、運用上のポイントをまとめて周知をしていくということでございます。
各省庁もそれぞれ対策を進めておりまして、その結果を内閣人事局とやり取りすることによって進めていくという体制を取ってございます。
簡単でございますけれども、以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
次に、総務省自治行政局の小池公務員部長より、資料9の説明をお願いいたします。
○小池部長 総務省公務員部の小池でございます。よろしくお願いいたします。
めくっていただきまして、目次です。女性職員の採用・登用拡大に向けた取組状況、働き方改革の取組状況について説明させていただきます。
めくっていただきまして、まず採用・登用のことですけれども、1枚目は採用・登用の状況でございます。下の青い線が都道府県の採用者に占める女性の割合ですけれども、こちらは2017年から年々増加しておりまして、2022年には成果目標の40%を超える成果が見られております。オレンジ色の線は市区町村ですけれども、こちらは50%を超えているところでございます。
めくっていただきまして、次が各役職段階に占める女性の割合でございます。【現状と課題】のところにありますように、各役職段階に占める女性の割合については、全体で見れば上昇傾向にありますけれども、それぞれ下のグラフのところに書いてございます成果目標はまだ未達成となっております。
各役職段階での成果目標の達成のためには、その下の【取組】のところに少し書いてございますが、一層の取組が必要となると考えております。
めくっていただきまして、男性職員の育児休業の取得の現状でございます。2025年の目標につきましては、先ほど内人局からも御説明がありましたけれども、地方公務員のほうもそれを目指して進めておるところですが、グラフの中の48.6と書いてあるところは、地方公務員の首長部局等に属する職員については48.6%まで来てきておりますけれども、地方公務員全体で見ますと、黒い線、31.8%となっております。中でも一番下の都道府県が低くなっておりますが、都道府県は警察官とか学校の先生といった職種もかなりいらっしゃいますので、その辺りの底上げが課題だと認識しております。
次のページを御覧いただきまして、総務省における取組でございます。地方公共団体に対して、女性の積極的な採用、女性の管理職登用、仕事と家庭の両立支援、それぞれガイドブックを作りまして、こういったものを配布して地方公共団体に対して情報提供をしております。
左から、女性職員の活躍推進のためのガイドブック、仕事と妊娠・出産・育児等を両立させるという両立支援パスポート、女性公務員のワークスタイルの事例集、こういったものを紹介して、自治体のほうに活用いただくように促しております。
下から2段目、女性活躍・働き方改革に関する専門家の派遣を行っておりまして、大学の先生など専門家を自治体に派遣をしまして、専門的な立場から助言や情報提供を行っていただいております。
一番下は、自治大学校において、女性向けの幹部登用研修などをはじめとする女性活躍・働き方改革に関する講義の実施などを行っておるところでございます。
次のページは、ガイドブックの中から具体的な取組例を3点紹介しております。個別の紹介は省略させていただきますが、女性職員が、例えば経験がどうしても足りなくなるとか経験年数が少ないといったことを補うための工夫をそれぞれの自治体でやっているということを紹介させていただいております。
めくっていただきまして、次に働き方改革に関する取組状況です。
まず、時間外勤務の状況でございます。折れ線グラフにあるのが、左側の年間の状況を見ますと、民間労働者と比べても高い水準にございまして、令和2年には一旦下がっておりますが、3年、4年は高い水準で推移をしております。コロナの時期でしたので、そういう特殊要素はあるとは思いますけれども、やはりこの対策は必要であると考えております。
次のページは、時間外勤務が月45時間を超えるような職員の状況でございます。一番右の令和4年のところを御覧いただきますと、45時間を超える職員が5%、100時間を超える職員がさらに0.4%という状況でございますので、全体としては約20人に1人が超えているという状況になってございます。
次のページを御覧いただきまして、時間外勤務の上限規制制度がございまして、一番上のポツのところにありますが、地方公務員については、その業務の性質上、公務のために臨時の必要がある場合には時間外勤務を命ずることが可能であるという制度になっておりますけれども、だからこそ、いろいろな必要となるような措置を取らなくてはいけないということで、項目だけ御紹介しますと、適切な勤務時間の把握をしてください、他律的部署の指定は厳格にやってください、時間外勤務の要因の整理・分析・検証等を行ってくださいということ。
次のページに行きまして、健康確保措置を実効的に運用してください、ストレスチェックもやってください。それから、3番目のところにありますような、人事委員会が労働基準監督機関として、人事委員会がないところは首長さんになりますけれども、適切にやってくださいということをお願いしております。
次のページに行きまして、最後にテレワークの推進についてです。下の段のテレワークの導入状況のところを御覧いただきますと、都道府県・政令市では全団体で導入されていますが、市区町村では60%ほどにとどまっておりまして、まだ約4割の団体が未導入となっております。
次のページを御覧いただきまして、導入していない理由は、窓口業務に従事している職員が多い、情報セキュリティの確保に不安があるといったことがございます。
これに関しては、総務省といたしましては3つの支援策をやっております。1つは財政支援ということで、こういった導入に係る経費について特別交付税措置をしている。情報提供としては、テレワークの手引とか導入事例集を配布しております。人的支援として、専門家の無料のアドバイスも行っておるところでございまして、こういったところで取組の底上げを図っていきたいと考えております。
説明は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、議題(3)「女性の視点に立った令和6年能登半島地震に係る対応について」、内閣府男女共同参画局より資料10の説明をお願いいたします。
○大森課長 簡単に御説明申し上げます。
2ページに行ってください。
これまでの男女局の取組ですけれども、元日の当日にガイドラインに基づく取組を進めるように要請をして、5日に男女局の職員を派遣して、1.5次避難所の開設・運営等に取り組んでいる。17日には啓発ポスターの周知を行っており、29日にはDV相談窓口の周知を行っているということでございまして、現在は短期的な派遣に移行しているということでございます。
次をお願いします。
内閣府が作成したチェックシートとポスターでございます。プライバシー、トイレといった項目についてチェックをお願いして、DVなどの啓発もしているということでございます。
次をお願いします。
加藤大臣が2月10日に行った被災地の視察でございます。コミュニティーセンター、それから馳知事と意見交換をいたしました。男女共同参画に基づいた避難所運営が行われているかの状況把握、それから、チェックシートの活用などをお願いしたということでございます。
次の5ページで、根上院長という、御自身のクリニックや避難所において被災した女性の支援に取り組まれている医師の方とも意見交換をしたということでございます。
最後の6ページになります。
このような取組をしておるのですけれども、現状の認識として、避難所の運営管理や避難生活の環境整備に、女性の視点に立った取組がまだなされていない例もあったと評価してございます。
これに対しては、自治体職員などを対象に、今後、今回の災害対応について調査を行う予定でございまして、平常時からあらゆる防災・復興施策に女性の視点を反映できるようにということを目指してまいりたいということでございます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明に対して、時間が限られておりますので、委員の皆さん、挙手をお願いします。
大崎委員、お願いします。
○大崎委員 ありがとうございます。2点あります。
公務員の働き方改革について、連合の井上委員が文書で提出されているコメントを引用したいのですけれども、臨時・非常勤職員の9割を占めている会計年度任用職員は、女性割合が全体の約8割であるという点です。これを私は大変重く受け止めています。ですので、この専門調査会でも、会計年度任用職員の雇用の安定、処遇改善について、しっかり取り上げていただきたいというのが1点目です。
2点目は、能登半島に関して御報告いただきました。これは画面共有をさせてください。避難所運営など緊急フェーズでのジェンダー視点の主流化はとても重要なので、国として周知・啓発してくださっていることは大変ありがたいと思います。
一方、中長期的な復興フェーズにおけるジェンダー主流化というのも、男女共同参画政策の観点からも、外務省が率先して旗振りをしている日本のWPS、女性・平和・安全保障の行動計画においても、その観点からも明確に位置づけられていますので、そのために必要なのはまずは男女別データ、ジェンダー統計に基づく調査と分析、そして、女性の参画が不可欠だというのは国際的にも共有されているところだと思います。
ですが、復興におけるジェンダー視点の主流化に関する行政の動きは、残念ながらまだ鈍いなと感じておりますけれども、そこはまさに市民社会が大きな役割を果たしております。
こちらの資料でお示ししているとおり、能登の女性ネットワーク、石川県のほくりくみらい基金というところが主体となって、災害とジェンダーの第一人者である静岡大学の池田先生とか、民間の団体がサポートする形でヒアリング調査を行っていまして、それに基づく提言・報告書も取りまとめております。
次のステップとして、県の復興計画にしっかりと女性の声、ジェンダー視点を反映すべく緊急提言を発出すると聞いていますので、ぜひこういう市民社会の取組と連動する形で、国も災害復興におけるジェンダー主流化を加速していただきたいと考えております。
市民社会との協働というのが、国際的なジェンダー主流化の議論でも、WPSの観点からも非常に重要視されていますので、よろしくお願いいたします。
資料は後ほど別途提出させていただきます。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続いて、白波瀬委員、お願いします。
○白波瀬委員 何度もすみません。1点だけ、能登半島のことです。
少し気になっているのですけれども、能登半島はインフラにかなり時間がかかっているという例もありますように、高齢化が進んでおります。生理用品の配布その他、非常に重要ではあるのですけれども、やはり高齢女性、それと認知が進んでいる者という、今までの復興なり防災とは状況がちょっと違ったところがあるかもしれませんので、今後、大きな意味のジェンダー主流化、ライフステージの後半も含めたというところで、情報共有も含めて、その辺りの活動も意識をして展開していいただけるといいのではないかと常々考えていますので、よろしくお願いいたします。
○山田会長 ありがとうございます。
では、山田から2点、もう時間がないのでコメントとして言わせていただきます。
大崎委員、井上委員が文書に示されたように、公務員の中での会計年度職員、いわゆる出向なり、非正規の職員の人が果たして育休とかを取れているのだろうか。つまり、制度的には取れるのでしょうけれども、正規で任期がない人は育休を取れるけれども、2~3年で辞めてしまう人は育休を取れないということになっていないのだろうか、つまり、取れる人と取れない人の格差が広がっているのかもしれないというのが提案の一つです。
能登半島に関しましては、私は先日、実は現地調査に行ってまいりまして、接客業や飲食業を経営している人とお話をしました。そこでは母子家庭をたくさん雇っている。旅館の仲居さんが多いですけれども、そういう人たちへの支援が薄いのではないか。それで、どんどん流出してしまっているといった声も聞かれたので、そういう立場が弱い接客・飲食業に就いている女性のことについても、今後よろしくお願いいたします。
ほかにありませんでしょうか。
では、時間が限られておりますが、ただいまの御意見、御質問に対して説明していただいた省庁から何かありますでしょうか。
○横田審議官 大崎委員、山田会長からもいただきましたけれども、国家公務員の会計年度任用職員の状況ということです。今日御指摘いただきましたので、先ほど育休が取れているのかどうかというお話がありましたけれども、その辺りの実態なども把握しながら、どういうところの課題があるのかというのをよく研究させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山田会長 ありがとうございます。
小池部長、お願いいたします。
○小池部長 総務省でございます。
会計年度任用職員の処遇につきましては、例えば勤勉手当について今年度から出せるようにという制度改正をしたりと、処遇の改善については努めております。
そのほか、育休の状況についてもある程度は調べておりますけれども、引き続きどういう状況か確認をしていきたいと思っております。
○山田会長 ありがとうございます。
ほかにありませんでしょうか。
○大森課長 内閣府から。
先ほどいただいた能登の震災でございますけれども、まず、秋以降、予算も取って進める調査においては、ジェンダー統計、参画の話は頭に置きながらやっていきたいと考えてございます。
それから、NPOとの連携、母子家庭といった問題でございますけれども、現在、女性活躍推進交付金の中で、石川県に対して寄り添い支援という形で、たまり場の相談窓口の措置をさせていただいてございます。そういったNPOを活用した居場所あるいは相談といったことは現在の復旧のフェーズでもさせていただきまして、復興については基金とか、商工の雇用創出の部分は我々だけではなかなか難しいところもあるのでございますけれども、そういったところは雇用部門とも連携しながらやっていきたいと考えてございます。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、時間になりましたので、意見交換を終了したいと思います。
先ほど大崎委員が言及なされましたが、井上委員より書面による意見が提出されたため、事務局から出席者に送付しておりますので、御確認いただければと思います。提出のあった意見書については、ホームページにて公開する予定でございます。
関係府省におかれましては、本日の議論も参考にしながら、今後の取組について検討を深めていただければと思います。
次回のテーマと出席省庁については、事務局において調整をお願いいたします。
最後に、事務局から何かありますでしょうか。
○岡田男女共同参画局長 本日もいろいろ御指摘ありがとうございました。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、本日の会議は以上となります。
皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。