計画実行・監視専門調査会(第34回)議事録

  • 日時:令和6年3月26日(木) 13:30~15:30
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  • 1.開会
  • 2.議題
    • (1)生涯にわたる女性の健康への支援について
    • (2)ひとり親家庭等の支援について
    • (3)女性の活躍推進に向けた公共調達に関する取組について
    • (4)政治分野における女性の参画拡大について
  • 3.閉会

【配布資料】

資料1
第34回計画実行・監視専門調査会の議題等について(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:5.1MB]別ウインドウで開きます
資料2
厚生労働省における女性の健康対策について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:2.6MB]別ウインドウで開きます
資料3
経済産業省における女性の健康支援について(経済産業省説明資料) [PDF形式:2.9MB]別ウインドウで開きます
資料4
ひとり親家庭等に関する施策・制度について(こども家庭庁説明資料) [PDF形式:3.3MB]別ウインドウで開きます
資料5
養育費の履行確保に向けた法務省の取組(法務省説明資料) [PDF形式:522KB]別ウインドウで開きます
資料6
公共調達の活用による女性の活躍促進について(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:1.0MB]別ウインドウで開きます
資料7
総合評価落札方式におけるWLB推進企業への加点措置に関する国土交通省の取組状況(国土交通省説明資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
資料8
政治分野における男女共同参画の状況(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:2.1MB]別ウインドウで開きます
資料9
多様な人材が参画し住民に開かれた地方議会の実現に向けた取組について(総務省説明資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
資料10
石黒委員提出資料 [PDF形式:279KB]別ウインドウで開きます
資料11
井上委員提出資料 [PDF形式:267KB]別ウインドウで開きます
参考資料1
「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024(女性版骨太の方針2024)」の策定に向けて(令和5年12月25日 第71回男女共同参画会議配布資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
参考資料2
第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について(令和5年12月14日 第30回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:326KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
想定される検討項目(令和5年10月13日 第27回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:112KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:108KB]別ウインドウで開きます
参考資料5
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料6
第5次男女共同参画基本計画(説明資料) [PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長 山田 昌弘 中央大学文学部教授
委員 石黒 不二代 ネットイヤーグループ株式会社代表取締役チーフエヴァンジェリスト
大崎 麻子 (特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
小林 哲也 小林総合法律事務所弁護士
佐々木 成江 お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
徳倉 康之 NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
内藤 佐和子 徳島市長
内閣府 岡田 恵子 男女共同参画局長
小八木 大成 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
大森 崇利 男女共同参画局総務課長
上田 真由美 男女共同参画局推進課長
池上 紗矢香 男女共同参画局総務課調査室長
松川 伸治 男女共同参画局推進課積極措置政策調整官
中山 奈津美 男女共同参画局推進課企画官
こども家庭庁 荻野 仁視 支援局 家庭福祉課 課長補佐
総務省 田中 聖也 自治行政局 行政課長
法務省 竹林 俊憲 民事局 民事法制管理官
直江 泰隆 大臣官房司法法制部付
廣瀬 智彦 民事局付
厚生労働省 鳥井 陽一 大臣官房審議官(健康、生活衛生、アルコール健康障害対策、業務移管担当)
大村 倫久 労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室長
千葉 裕子 雇用環境・均等局雇用機会均等課ハラスメント防止対策室長
経済産業省 井上 誠一郎 大臣官房審議官(経済産業政策局担当)
藤岡 雅美 商務・サービスグループヘルスケア産業課長補佐
国土交通省 林 正道 技術審議官
竹林 秀基 大臣官房技術調査課建設技術調整室長
三國谷 隆伸 大臣官房技術調査課建設技術調整室課長補佐

議事録

○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより第34回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
 今回も、6月をめどに策定する「女性版骨太の方針2024」に実効性のある対策を盛り込めるよう、取組の具体化に向けた議論を行ってまいりたいと思います。
 本日は、生涯にわたる女性の健康への支援、ひとり親家庭等の支援、そして、女性の活躍推進に向けた公共調達に関する取組、政治分野における女性の参画拡大について議論していきたいと思います。
 それでは、議事に先立って、本日の議題に関するデータ等について、事務局より説明を受けます。
 内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料1の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 内閣府男女共同参画局でございます。
 資料1に基づいて、本日の議題に関連しますデータを説明させていただきます。後ほど、議題ごとに各省庁さんから説明がございますが、その前に説明をさせていただきます。
 議題の1つ目は、「生涯にわたる女性の健康への支援について」でございます。
 スライド2を御覧いただきますと、男女で異なる健康課題としまして、特有の病気の患者の数を示したものであります。左が女性、右が男性であります。見ていただきますと、男性特有の病気は50代以降に多くなる傾向がありますが、女性特有の病気は20~50代などのいわゆる働く世代に多いことがお分かりいただけるかと思います。
 スライド3であります。
 こちらは、健康課題と仕事・家庭の両立についてであります。左は、健康上の問題で仕事、家事などへの影響がある方の数であります。右は、健康上の問題で普段の活動ができなかった日数であります。健康上の問題で影響がある人の割合は、全ての年代において女性のほうが高いという結果となっております。また、健康上の問題で普段の活動ができなかった日数も女性のほうが長い傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。
 次のスライド4であります。
 私ども男女共同参画局で実施しました調査の一部を御紹介させていただきますと、気になる症状についてどれぐらい対処できているかということと、昇進意欲、上の役職に就きたいかどうかという関係を見たものであります。男女ともに最も気になる症状に「十分に対処できている」とする方のほうが「十分に対処できていない」とする人よりも上の役職に就きたいと思っている割合が高いという傾向にございました。
 次は、議題(2)「ひとり親家庭等の支援について」でございます。
 スライド6を見ていただきますと、ひとり親世帯の状況として、およそ30年間で母子世帯は約1.4倍に増加しております。ひとり親世帯、特に母子世帯は就業率が高いのですけれども、平均年間就労収入が一般世帯と比べて低く、また、養育費を受け取っていない世帯が全体の約7割となっているという状況にあります。
 スライド7でございます。
 母子世帯になったときの母の年齢を見ますと、30代が約5割でありまして、次いで40代、20代となっております。末子が5歳以下で母子世帯になった割合が全体の6割を占めているということでございます。
 スライド8でございます。
 全世帯とひとり親世帯の等価可処分所得の分布を見たものでございます。下のグラフでありますけれども、ひとり親世帯の約半数が、等価可処分所得が赤い点線の貧困線以下となっているということが分かります。
 議題(3)「女性の活躍推進に向けた公共調達に関する取組について」でございます。
 スライド10でありますが、こちらは女性活躍推進法に基づきまして、えるぼしとかプラチナえるぼしなどのマークを取っている、そういった認定を取っている企業さんにつきまして、国及び独立行政法人が価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式及び企画競争)において加点評価をするというものでございます。女活法の施行後、取組が進捗しておりまして、国・独立行政法人など合わせまして2兆9964億円まで拡大してきているということでございます。
 加点評価の取組の実施状況を見てみますと、国の機関でありますけれども、これは令和3年でありますが、次のスライド11でありますけれども、前年度と比較しまして件数は増加しております。物品役務は、過去3年間の実施割合は約98%で推移しております。公共工事は微増でありまして、金額ベースで20%になっております。
 独立行政法人のほうは、下の表でありますけれども、取組を実施しました調達件数・金額ともに増加しておりまして、実施割合は全体で、金額ベースが上の欄でありますけれども、9割を上回っているという状況でございます。後半のこの議題のときに、また改めましてさらに説明をさせていただきます。
 議題の4つ目であります。「政治分野における女性の参画拡大について」であります。
 女性議員の比率でありますが、衆議院議員では10.4%、参議院では26.7%、都道府県議会では11.8%、市区町村議会では15.9%となっております。
 スライド14でありますけれども、他の諸国の女性議員の割合が3~4割になっています。一方で、日本は国際的に見ましても低い水準にございます。
 次のスライド15からは、先ほど日本全体での比率を申し上げましたけれども、見える化の一環といたしまして、地図上で表記をしていますものについて少し紹介をさせていただきます。ここのスライドでは、都道府県議会議員に占める女性の割合でございます。割合が高い県ほど濃い色で塗り潰してございます。
 次のスライド16でありますが、こちらは市区議会議員に占める女性の割合で、割合が高い都道府県を濃い色で塗っております。
 スライド17でありますが、町村議会議員に占める女性の割合も、高いものを濃く塗っているということであります。
 スライド18でありますが、こちらは女性議員がゼロの市区町村議会の割合で、こちらはゼロの自治体が少ないほど黒く塗り潰しているということでございまして、このような形で見える化を図ってございます。
 スライド19でありますが、こちらは「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」でございますけれども、国・地方公共団体が議員活動と家庭生活の両立支援のための体制整備とか、セクハラ等の防止に資する研修の実施などの施策を講ずるということも規定されております。5の「基本的施策」のところを御覧いただきますと、そうなってございます。
 最後に、本日御議論いただきたい論点としてまとめさせていただいております。
 議題(1)に関しましては、女性の健康課題などの捉え方、どう考えるか。また、仕事や家庭との両立に向けた取組としてどうあるべきかという点。議題(2)に関しては、ひとり親家庭等の実情に応じた支援の在り方としてどのようなものがあるか。議題(3)に関しましては、女性の活躍推進に向けた公共調達に関する取組をさらに進めるためにどうした方策が考えられるか。議題(4)に関しては、政治分野における女性の参画を阻む障壁とその解消に向けた取組として、どういったものを進めていくべきか。こういった論点で御議論いただければと考えております。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、議題(1)から(2)までについて、続けて説明を受け、その後、御意見、御質問を頂戴できればと思います。
 まず、議題(1)「生涯にわたる女性の健康への支援について」、厚生労働省の鳥井大臣官房審議官より資料2の説明をお願いいたします。

○鳥井審議官 厚生労働省の鳥井でございます。
 それでは、スライドに基づいて説明させていただきます。
 1ページ目ですが、厚生労働省では、女性の健康の支援のため様々な施策を展開しております。まず、研究事業ということでございます。女性は心身の状態が人生の各段階に応じて大きく変化するという特性がありますので、それに着目した対策を講じる必要があるということで、厚生労働科学研究、AMED研究におきまして、研究事業を継続的にやっているところでございます。
 科学的根拠に基づいた政策立案が必要でございますので、国内外の科学的知見の収集・整理・分析、それから、各種調査研究を実施しているところでございます。今後も引き続き、女性ホルモンの状況がライフステージごとに劇的に変化するという特性を踏まえた取組等について、実態を把握した上で、生涯にわたり包括的に支援するための研究を行ってまいります。
 次をお願いします。
 これは情報提供の関係で、平成31年度から行っているものですけれども、ヘルスケアラボというホームページがございます。そこそこページビュー数がございます。月経の悩みとか妊娠・出産に関する疑問、様々な体調不良等のライフステージごとの健康に関する情報を整理して発信をしているということでございます。
 ここには、自分自身でチェックするポイントと、結果に応じて受診勧奨とか、あるいはライフステージごとの悩みに対する対策・対応はどういうものがあるかというものについての情報提供、普及啓発を行っております。
 次をお願いいたします。
 これは、時系列的に厚労省が進めております包括的な全体の対策でございます。1970年代から国民運動を行っておりますが、2000年度からは健康日本21ということで、科学的知見に基づいて目標を設定し、PDCAで回していくという取組をやっているということです。令和6年度、来年度から第3次の健康日本21を開始することになってございます。
 次をお願いいたします。
 これまでも男女別の目標などは設定しておりましたけれども、第3次においては女性の健康を項目立てして、少し分かりやすくしていくということをしております。ここには書いてございませんけれども、専門家に議論いただいた上で目標設定をしておりまして、若年女性の痩せの減少とか、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をしている女性の減少、それから、骨粗鬆症検診の受診率の向上等について、目標を設定して対策を推進していくということをこれからやっていきたいということでございます。
 次をお願いいたします。
 各論はそれぞれございますけれども、幾つかかいつまんでトピック的に御紹介いたします。1つはがん検診でございまして、がん検診は厚労省のほうで指針を定めておりまして、市町村で科学的根拠に基づいたがん検診が推進できるようにするということで、子宮頸がん検診、乳がん検診を含めた5つのがん種について、検査項目、対象者、受診間隔等を定めております。
 次をお願いします。
 がん検診は受診率向上が課題でございますので、新たなステージに入ったがん検診の総合事業ということで、市区町村が子宮頸がん検診、乳がん検診の初年度の対象者に対して受診料を軽減することのできるクーポン券を配布した場合に補助をするということを行っております。
 次をお願いします。
 次からは、働く女性にフォーカス当てた対策の御紹介でございます。「働く女性の心とからだの応援サイト」を設けておりまして、ここにおいて母性の健康管理や月経等に関するメール相談を行うとともに、事業所における具体的取組の好事例の掲載を行うなど、働く女性の健康管理に関する情報を企業や女性労働者等に対して提供するという取組をしております。
 次をお願いいたします。
 次は、産業医をはじめとする産業保健スタッフに対して知識向上の取組が必要だということでございまして、これは労働者健康安全機構が全国にございます産業保健総合支援センターにおいて、人事担当者や産業医等の産業保健スタッフ向けに、女性の健康課題の知見等に係る専門研修を行っております。これは令和4年度から開始しておりまして、今後も引き続き実施していく予定でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 次に、経済産業省経済産業政策局の井上審議官より、資料3の説明をお願いいたします。

○井上審議官 経済産業省の井上でございます。
 資料に沿って御説明させていただこうかと思います。資料3の2ページ目となりますので、そちらのスライドを映していただければと思います。
 まず、経産省が行っている施策の一つとして、フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金についてお話をさせていただければと思います。経産省の当初予算で計上しているものでございまして、この委員会でも何度か御説明させていただいたかもしれませんが、改めまして中身を御説明させていただきます。
 フェムテック企業、導入企業、医療機関、自治体等が連携をしていただきまして、妊娠・出産等のライフイベントと仕事の両立とか、ウェルビーイング実現に向けた実証事業につきまして、その事業の費用の一部を補助するというものでございます。
 詳細はちょっと飛ばしまして、下の補助内容のところでございますけれども、令和3年度から始めておりまして、事業費の3分の2以内の補助、上限500万円ということでございますけれども、取り組んでおります。採択件数につきましては、下にあるとおりでございますけれども、今年度につきましては18件の事業を採択して取り組んでいるところでございます。
 次のページをお開きいただければと思います。
 これは採択した事業の一例でございます。YStoryさんという会社さんを中心に、京都大学の医学部附属病院等々と連携をしながら、デジタルヘルスケアアプリ「HerLife」を使って、更年期症状が働く女性の方々にセルフケア提案などを行うという事業を支援対象とさせていただいたところでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 事業の効果でございます。こちらは、アンケート調査をとりまして、この実証事業に御参加いただきました女性の方に、フェムテックを利用する前と利用した後で、主観的なパフォーマンス、仕事上のパフォーマンスが、100が最大のパフォーマンスを上げているというところで、そこからどれぐらい下がっているかということです。これを活用する前には、回答していただいたものをまとめた平均値が59でございましたけれども、それが62ということで100に近づく形で、100には大分距離がございますけれども、上昇したという形で、効果もあるようだという形で効果も見ながら進めているところでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 こういった補助事業に加えまして、企業向けのセミナーなども昨年の11月に開催させていただきまして、ネットワーキングなども取り組んだということでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 あわせまして、経済産業省の建物の中ですけれども、「女性のヘルスケア・フェムテック展」を開催いたしまして、経済産業大臣も視察に来ていただきまして、一部報道などでも取り上げていただいたという形になっております。
 次のページにお進みいただければと思います。
 続きまして、2つ目の施策でございますけれども、私どもはもともとなでしこ銘柄という取組で、女性活躍に優れた上場企業を選定するという仕組みをやっております。今年1月のこの委員会でも御説明させていただいたと思いますので、詳細は割愛させていただきますけれども、今年度の選定の際に、女性の健康に関する選択肢を追加した形で、そこの部分をしっかり反映させた形で、認定基準にそういうのを追加したということでございます。具体的には右の下のところに下線を引っ張っておりますけれども、女性のキャリア継続に向けた健康課題に関する支援として取り組んでいらっしゃるかどうかというところを基準として入れたということでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 こういう形で、今年度も、先週となりますけれども、なでしこ銘柄27銘柄を選んだ形になってございますけれども、選ばれた企業さんの中で、女性の健康に関する施策に取り組んでいらっしゃる企業さんが結構ありますので、先進的な事例ということで、例えば熊谷組さんの妊活支援休暇制度を導入しましたとか、そういう取組を御紹介させていただいて発信に努めているところでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 次は、また別の施策、3つ目の施策となります。これも従来から取り組んでおりますけれども、「健康経営優良認定法人」という仕組みでございまして、大規模・中小企業等を調査しまして認定をさせていただいているということでございます。おかげさまで、御覧のとおり申請数も増えてきておりまして、認定数も増えているということで、徐々に取組が広がってきているのかなと考えているところでございます。
 10ページ目にお進みいただければと思います。
 今年度、女性の健康課題に関する問題の認知向上とか行動変容に関する取組、これまで選択必須とした調査項目につきまして両設問を必須という形にしたということでございまして、このような形で、こういう認定要件でも女性の健康をより意識したものにさせていただいているということでございます。
 次のページへお進みいただければと思います。
 11ページ目以降は、こちらは施策そのものではないのですけれども、最近、当省のほうで女性特有の健康課題による社会的な経済損失を分かりやすい形で推計しようということで、ラフな試算ではあるのですけれども、まとめさせていただいているので御説明させていただきます。
 まず、社会全体で年間約3.4兆円の経済損失あるのではないかという形で出させていただいております。具体的には、女性特有の課題として、月経随伴症、更年期症状、婦人科がんなど、あと不妊治療については男女双方でございますけれども、欠勤とかパフォーマンス低下等々を、いろいろな調査を組み合わせておりますので、かなりラフな試算ではございますけれども、出させていただいたということでございます。
 次のページは飛ばさせていただきまして、13ページ目でございます。
 女性特有の健康課題の支援策としましては、御説明の時間が5分ということでございましたので早口になりますが、理解促進、働き方の調整、積極投資が大事ということであります。
 最後、14ページ目でございますけれども、こういった取組を進めていくことで効果がどれくらいかというところでございます。先ほど損失が3.4兆円ということでございましたけれども、そのうち1.1兆円ぐらいは取り戻すことができるのではないかと。日本企業全体に導入できればということでございますけれども、そのような試算もさせていただいているところでございます。
 すみません。時間が超過いたしましたが、経済産業省は以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 続いて、議題(2)「ひとり親家庭等の支援について」、こども家庭庁支援局家庭福祉課の荻野課長補佐より資料4の説明をお願いいたします。

○荻野課長補佐 こども家庭庁でございます。
 資料4に基づきまして御説明させていただきます。
 早速ですけれども、3ページを御覧いただければと思っております。
 こちらが、先ほど男女局様のほうから御説明がございましたけれども、私どものほうで調査をしています全国ひとり親世帯等調査の抜粋になっております。母子家庭・父子家庭の現状でございますけれども、世帯数につきましては母子家庭120万世帯、父子家庭は15万世帯という形になっております。3ポツの就業状況については、母子家庭、父子家庭ともに8割を超えているという形になっているところでございます。
 一方、就業状況のうちパート・アルバイト等というところについては、母子家庭のほうでは38.8%という形になっております。さらに、年間の収入は、母子家庭のほうが父子家庭よりも収入が低いという形になっておるというところがまずは現状としてあるところでございます。
 続きまして、データの関係の資料をつけさせていただいておりますけれども、少し飛ばしていただきまして7ページを御覧いただければと思っております。
 7ページは、養育費と親子交流の状況という形になっております。こちらも同じ調査から取っているのですけれども、養育費の取り決めをしているというところが、母子家庭ですと46.7%あり、現在も実際に養育費を受給しているというところについては28.1%という形になっておりまして、養育費の受領率の向上が課題になっているところでございます。
 親子交流につきましては、取り決めをしているとか、現在行っているというところについては3割程度という形になっております。引き続き、養育費や親子交流の実施の向上を図っていきたいと考えております。
 8ページ、9ページは、養育費の受領率の達成目標を男女局や法務省と共に作らせていただいたところで御紹介させていただければと思っております。
 10ページを御覧いただければと思っております。
 こちらは表題が「こどもの貧困率の推移」となっておるのですけれども、上に黄色い折れ線グラフをつけておりますけれども、こちらが日本のひとり親世帯の相対的貧困率の推移という形になっておるところでございます。相対的貧困率は最新の数字ですと44.5%という形になっておりまして、ひとり親家庭への支援の必要性がこちらからも現れているところでございます。
 12ページを御覧いただければと思います。
 こちらは、こども家庭庁の方でひとり親家庭の自立支援策の体系をどのように考えているかという資料になりますけれども、4つの柱で取り組んでいるところでございます。子育て・生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済的支援というような形でそれぞれ取り組んでいるところでございます。
 各種の施策につきましては、参考資料にも事業の内容をおつけしておりますので、そちらの中身を御覧いただければと思っております。
 最後になりますけれども、最近の取組といたしまして15ページを御覧いただければと思います。
 「『加速化プラン』による施策の充実」という表題になっておりますけれども、こちらは令和5年12月22日に閣議決定されましたこども未来戦略に基づきまして、こどもの貧困やひとり親家庭の支援の施策の充実も盛り込ませていただいたという資料になっております。
 まず、スライドの真ん中にございますのが「ひとり親の就業支援・自立支援の強化」でございまして、これは資格取得を目指すひとり親家庭に対しまして給付金について、それの対象資格の拡大とか給付割合の拡充というものを盛り込ませていただいたところでございます。
 「児童扶養手当の拡充」については、児童扶養手当の所得制限を見直しまして、満額を受給できる所得とか、一部額を受給できる所得を少し上げさせていただいて、充実を図ったところでございます。また、多子加算の増額というところで、子供が3人以上いらっしゃる家庭への支援というところにも取り組んでいるところでございます。
 さらに、その下の「児童扶養手当の受給に連動した支援策の要件緩和」というものになりますけれども、ひとり親家庭への各種施策につきましては、児童扶養手当をもらっているような水準の所得である家庭に対して支援をする施策がございます。ひとり親家庭の方が所得が上がり、児童扶養手当を受給しなくなった場合、さらにほかのひとり親家庭への支援策も受けられない、そういうことにもなってしまうというところですけれども、今回の見直しでは、ひとり親家庭の所得が上がって児童扶養手当の受給対象から外れたということになっても、給付金や貸付という各種施策を1年間をめどに利用可能にするということを盛り込ませていただいたところでございます。
 最後に、「養育費確保支援の強化」でございまして、養育費の取り決め等の相談に乗る弁護士費用への補助というところも新しく盛り込ませていただいたところでございます。
 こうした内容を令和6年度の予算案に盛り込ませていただいたところでございまして、こども家庭庁としてはひとり親家庭への支援に取り組んでまいりたいというところでございます。
 以上になります。よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございました。
 続いて、法務省民事局の竹林民事法制管理官より、資料5の説明をお願いいたします。

○竹林管理官 法務省民事局の竹林でございます。
 私どもからは、養育費の履行確保に向けた取組について御説明をさせていただきます。
 スライドをお願いいたします。
 父母の離婚に直面する子の利益を確保するためには、養育費の取り決めや支払いを確保することが重要です。しかし、現状では、養育費の取り決め率、受領率はいずれも低い値にとどまっています。女性版骨太の方針2023では、まずは2031年に全体の養育費受領率を40%とし、養育費の取り決めをしている場合の受領率を70%とすることを目指すこととされております。
 法務省では、この目標を達成すべく取組を行っております。まず、周知・広報の取組について御説明をさせていただきます。資料の下段の左上を御覧ください。
 法務省では、養育費の取り決め方法等を解説するとともに、合意書のひな形を掲載したパンフレットを作成しております。これを市町村において離婚届書と同時に交付し、離婚を考えている父母に幅広く提供することとしております。また、養育費の重要性や取り決め方法を様々な場面に即して分かりやすく解説した動画の公開も行っております。
 次に、法務省が行っている調査研究について御説明をさせていただきます。資料の左下を御覧ください。
 令和3・4年度には、養育費の不払い解消に向けて、複数の自治体と協力して実証的な調査研究を実施いたしました。具体的には、離婚届書のチェック欄において「養育費の取り決めをしている」にチェックをしていない父母に積極的に声をかけて、必要に応じて相談支援窓口につなぐなど、部署間連携によるプッシュ型支援を行うといった取組や、自治体職員の同席の下で弁護士によるオンライン法律相談を実施するといった取組を行いました。こうした取組は、おおむね利用者から好意的に受け止められ、実際の養育費の回収が実現した例もございます。この調査研究の結果につきましては、養育費等の支援事業を所管するこども家庭庁等の関係府省庁にも情報提供するなどして、協力・連携を図っております。
 続いて、資料の右上を御覧ください。
 令和4・5年度には、離婚後養育講座に関する調査研究を実施しております。離婚を考えている父母は、自らの今後の生活のことで手いっぱいとなり、離婚後の子の養育について十分な知識を得ることなく離婚に至る場合があるということなどが指摘されております。
 そこで、法律や心理学の専門家の協力を得て、離婚時に知っておいていただきたい情報をまとめた離婚後養育講座の動画等を作成し、複数の自治体において効果を検証する実証的な調査研究を実施したところでございます。現在、報告書の取りまとめ中ですが、こうした取組が多くの自治体において行われるよう、関係府省庁と連携してまいりたいと考えております。
 最後に、養育費の履行確保に向けた法制度の見直しについて御説明をさせていただきます。資料の右下を御覧ください。
 離婚後の子の養育の在り方をめぐる法制度につきましては、令和3年2月に法制審議会に諮問されてから約3年間にわたって議論が行われ、本年2月、法務大臣に答申がされました。これを受けて、法務省ではこの3月に民法等改正法案を国会に提出させていただいております。
 改正法案には、養育費の履行確保に向けた方策として、養育費債権に先取特権と呼ばれる優先権を付与すること、養育費の取り決めをしていない場合にも一定額の養育費の請求を可能とする法定養育費制度を導入すること、養育に関する裁判手続の負担軽減に向けた制度を設けること、などの改正項目が盛り込まれてございます。
 改正法が成立した場合には、こうした改正項目の趣旨が正しく理解され、養育費の履行確保が適切に図られるよう、関係省庁と連携して周知・広報等にも取り組んでまいりたいと考えております。
 法務省からは以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明のあった内容について議論を行いたいと思います。時間の関係で、委員の皆様からお一人当たり3分以内で御意見、御質問を順に頂戴できればと思います。
 石黒委員はもう退室なさっていますでしょうか。
 では、大崎委員からお願いできますでしょうか。

○大崎委員 ありがとうございます。
 私、先週、先々週と、第68回国連女性の地位委員会に日本代表として出席してまいりました。その2週間の議論の中で、データ、つまりエビデンスに基づく政策策定の重要性というものが、議論においても、文書においても非常に強調されていました。つまり、男女別データとジェンダー統計の活用・分析、そして、女性が直面する問題を点で捉えるのではなくて、生涯を通じたライフコースという観点から長い時間軸で捉えていくことが必要だ、そのためにはどういうデータを集めるのか、追跡調査も含めてどういう調査を行うかというようなことが活発に議論されていました。
 ですので、この専門調査会でも毎回本当に多様なデータをお示しいただいておりまして、これは大変重要なことだと思っておりますので、まずは感謝申し上げたいと思います。
 女性の健康に関しても、最初にお示しいただいたデータは、ジェンダー、ライフコースの両方の観点から重要なデータだと思いました。特に、経産省さんが非常に今熱心に取り組んでおられますけれども、健康の問題が昇進意欲にも直結していることを考えますと、企業における女性登用の促進、ひいては男女間賃金格差の縮小においても、健康の問題というのは女性の福祉にとどまらず、これはもう経営課題として非常に重要な施策であるということが分かると思いますので、この辺りをしっかりと今年の骨太の方針にも示していく。企業の経営課題として女性の健康の問題というのが一つあるのだという、その周知を徹底していくことが重要かなと思っています。その辺りもぜひ、経産省さんから企業への働きかけということです。
 既にいろいろなことをおやりになっているのですけれども、これを大企業とか健康経営やウェルビーイング経営に関心があるところだけではなくて、多くの中小企業、地方の企業も含めて、これが経営課題として非常に重要な施策であるということをどういうふうに周知していくのかという辺りで、何か施策といいますか、こういうものを強調していくのが重要だということがあったら教えていただきたいと思いました。
 もう一つ、ひとり親家庭等の実情に応じた支援の在り方というところですけれども、住まいに関する支援でどのようなことを行っているのかというのをぜひお伺いしたいです。住居、住まいというのは生活基盤の安定であったり、子供の心身の健康にも非常に重要です。ところが、離婚とか別居で突然住まいを失うシングルマザー、プレシングルマザーが非常に多くいる上に、シングルマザーが住居を取得するというのは非常に困難であるということも承知しております。
 ですので、様々な生活再建とか経済的自立や就労に向けた支援、それから、母子の健康に関する支援を行っておられると思うのですが、住まい、住居というのも非常に重要な施策だと考えておりますので、この辺りはどのようなことをなさっているのかということをぜひお伺いしたいです。よろしくお願いします。

○山田会長 大崎委員、ありがとうございました。
 続きまして、小林委員、お願いできますでしょうか。

○小林委員 御説明ありがとうございました。
 まず、女性の健康支援のほうですが、経産省さんの経済損失の試算というのは非常に分かりやすく説得力があると思いましたが、これをどのように各企業の施策につなげられるのか。御説明の中ではポジティブ・インパクトということが出てきましたけれども、その好事例等をどのように紹介していけるのか。仮説は仮説ですけれども、好事例によって各社がそのようなところに着目できればいいなと思いました。
 それから、ひとり親家庭についてですが、母子家庭と父子家庭において、母子家庭のほうが全体収入はかなり少なくなっているというのは、数字的に見ると、正規労働者が半数を切っているというところだと思うのですね。そうすると、その原因は何だろうと考えたときに、就業場所の制度が未整備であるということが大きな問題として残っているのではないか。その辺も並行して、正規就業、安定した労働環境へとつなげるような施策が取れないかなと思いました。
 あと、養育費なのですが、我々日常的にもやる話なのですが、結局、一番大きいのは子の福祉、子供にとってどうかという問題だと思うので、そうすると、もう男女関係なく支払い確保をしなければいけないということが望まれるわけです。
 法務省さんの説明で、履行確保についての新制度の御説明がありましたけれども、今までも財産開示制度というようなものはいろいろあるわけですが、強制執行について一つあるのは手続の簡易化。例えば、公正証書で決めがあればそのまま執行できるわけですけれども、何もなければ最初から家庭裁判所へ持ち込んで調停を経て、さらに審判まで持っていくという話になって、かなり時間のかかる話になってしまいますので、その辺の軽減策を、大変申し訳ないのですが、法案まで追っかけていないものですから教えていただければと思います。
 もう一つあるのは、法定養育費も新制度として法案に入っているようですが、法定養育費と現在家庭裁判所で使っている養育費の算定表の関係がどうなっているのか。決して養育費の算定表が十分なものとは思っておりませんが、その辺り、法定養育費のほうではどのように制度設計されているのかを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 画面を共有させてください。
 女性の健康に関して、少し意見をさせていただきます。
 先ほど厚生労働省の方から、女性の健康促進としてホームページ等を使って情報提供というお話があったのですけれども、やはり教育にどうやって盛り込んでいくかということも重要だと思います。
 「まるっと!女性の健康教育プログラム」を厚生労働省科学研究班が既に作られており、このようなホームページがありまして、小児期から青春期、性成熟期、更年期、老年期にかけて、それぞれの冊子が作られています。
 例えばレベル1:5~8歳までのものに関しましては、冊子やその解説動画と復習動画もあり、教育指導案もしっかり公開されています。せっかく厚生労働省のほうで作られているのであれば、文科省と連携して教育に盛り込んでいくべきかと思うのですが、連携をされているか分からないのでお聞きできればと思います。
 また、先ほど、産業医とか産業保健の方々に女性の健康に関する教育をしていくと説明がありましたが、日本性差医学・医療学会のほうで、性差医学・医療認定医や指導医のための研修制度がもう始まっておりまして、動画セミナーもあります。できれば、こういうものを使って性差の医学・医療に関しても産業医の方たちに教育を進めていっていただければ助かります。
 こちらは、最近、マッキンゼーのほうから出たレポートになります。先ほど経産省のほうからも、女性特有の健康に関する経済損失の話がありましたけれども、同様な内容が書かれていますこちらのレポートでは、2040年までに女性の健康格差の解消に向けた投資により、世界経済が年間1兆ドル増加する可能性があると報告されています。
 今回、経産省のレポートが新聞に出たとき、経済喪失のことが割と大きめに取り上げられていました。しかし、経済損失のほうを強調してしまうと、女性が参画することで損失があるのかというイメージがつきやすいので、できれば後ろのほうで報告したポジティブ・インパクト、女性の健康格差を解消すればポジティブ・インパクトでこれだけ経済効果がある、そちらのほうを強調してみんなに伝えるようにしてもらったほうがいいかなと思います。
 また、女性の健康は、性と生殖に関する健康のみを含むように簡略化されてしまっているのですけれども、先ほどから話していますように、男女で起こる病気でも、女性に異なる影響を与える、または女性に不釣り合いに影響を与える病気というものも見ていく必要があります。
 このような女性の健康状態に関する報告不足とデータ欠落が非常に問題です。先ほど厚生労働省の方からAMEDのお話がありましたけれども、もっと基礎生物学的なところでも、女性の健康データを使ったデータが少ないので、そういう研究を促進するように科研費などにそういう項目を入れていただいたり、あと、女性の健康に関する投資が増えるような施策を経産省のほうで考えていただければと思います。
 女性の健康状態の改善は経済的な成果のことを強調していましたが、やはり何よりも健康の公平性と包括性の問題であるということを念頭に置きながら進めていっていただければと思います。
 また、ひとり親のほうですが、先ほどの資料で常勤の割合が少ないというのが問題の根本ではないかと思うのですが、離婚する前からもう常勤ではないということですか。また、そうだとすると、いつ辞めているのか。結婚とか出産で辞めないようにしていくということも、ひとり親の貧困に対応するために重要なのかなと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、徳倉委員、お願いできますでしょうか。

○徳倉委員 ありがとうございます。
 幾つか項目がかぶっておりますので、かぶっているところは簡単に申し上げさせていただきます。
 まず、内閣府の男女局さんのほうでデータを取っていただいて、これは今後活用されるということ、また拡散していくということで、非常に期待をしています。これまで、こういった具体的なデータが少なかったものを、ずっとこれまで要望していたのがこういうふうに形になって出てきているのは非常にポジティブなことだと思います。非常にありがたいと思っております。
 続いて、経産省さんのほうからも健康経営に関する項目で出てきていて、これをポジティブ・インパクトということで計算上は出てきているのですけれども、これは先生方からもお話がありましたけれども、どういうふうに企業のほうに広げていくのか。こういうふうにポジティブ・インパクトがある、人を大切にし、就労継続をしやすくし、抱えている従業員の健康を維持していくということは、結果的には、例えばもろもろの社会保障といいますか、医療にかかる費用を使わないということです。こういったものにも手を加えながら、企業側に何かインセンティブがあるような形のグランドデザインを描いていかないと、企業側もなかなか手をつけていかない部分があるのかなと思います。そこは一つコメントとして述べさせていただきます。
 続いて、ひとり親に関してです。これは、十数年前にマイナンバーカードができるときに、少子化のタスクフォースに私は選ばれて、そのときから養育費についてどういうふうなやり方があるのかというのをかなり議論した記憶がございます。実はやっと法改正がこれからなされていくということで、小林先生がおっしゃっていましたが、家事の中で親権を含め養育費をどういうふうに調整するのかというのは非常に時間がかかっているということと、先ほど小林先生も御専門でおっしゃられていましたが、強制執行する際に非常にハードルが高い。その中で、今回法律が改正をされて、その辺も柔軟になるといいなと期待しているのですけれども、そもそも養育費を支払う意思がない人が非常に多いという現状がある中で、翻って、資料4の8ページ、これが令和5年4月に発表していただいたものですけれども、達成目標というところの太字で書いてある最初のところですが、これが出たとき、私も以前言ったかも分かりませんが、「希望する全てのひとり親世帯が養育費を受領できるように」の「希望する全ての」というのは、これは希望するしないにかかわらず、子の福祉に関わるので、ここはもう希望しているとか、していないとかは関係なく、養育費をどういうふうに捻出をし、確保するのかという具体的な議論がさらに必要かなと思います。
 それでいくと、取り決めをしているところで7割、取り決めの有無にかかわらず4割というのは非常に低いのではないかなと。やはり、取り決めをするしないにかかわらず、その子が、両親が離れてしまう結果になったとしても、それ以外の部分できちっと差がなく育ちや学びを得られるような機会を国が担保するために法律を強くして、お金をどう確保していくのか。これは今までも議論されていると思いますけれども、この法改正を機に、さらにそれを強くしていく感覚をぜひ持っていきたいなと思っております。
 以上になります。

○山田会長 ありがとうございました。
 最後は私からの質問です。まず、ひとり親に関しては、私、家族社会学を専門としていますので、ひとり親と母子・父子世帯というのはイコールではなくて、私は15年ほど前に離婚経験者の質問紙調査、アンケート調査をしたときに、日本では若い人、40未満の人の半分ぐらいは、離婚後、親元に帰っているというデータを出しました。また、私は同じく15年ぐらい前に、そこで世帯内ひとり親、私は時々パラサイトシングルになぞらえてパラサイトディボースと呼んでいるのですけれども、親と同居しているひとり親世帯の経済状況を調べたことがあるのです。母親のさらに親が収入や資産や住宅があるので、本人の収入はとても低い、だからいいのかという問題があると思います。そういう意味で、世帯内のひとり親に対するアプローチはなされているのかというのが一つお聞きしたい点でございます。
 第2点は、これは私がこれから調査しようと思っているのですけれども、飲食を伴った接客業に従事するひとり親の方がかなり多く、そして、特にコロナ禍において相当困ったというお話も聞きました。つまり、通常の時間に保育等が利用できない夜職の方が多いわけですけれども、そういう方へのアプローチがなされているのかというのがお聞きしたい点でございます。
 あと、健康に関しては、私はいろいろなところで同じことを言っているのですけれども、いわゆる企業に勤めている人の健康が中心であって、アルバイトやパート・フリーランス・自営業の方へのアプローチはどうなっているかというのは、もしあればお聞かせいただければと思っております。
 私からは以上です。
 これまでの御意見、御質問等について、説明いただいた省庁の方からここでもし答えられることがありましたら手短にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 どなたからでも構わないのですが。
 竹林管理官、よろしくお願いします。

○竹林管理官 法務省でございます。
 小林委員と徳倉委員から、養育費の強制執行手続について御質問をいただきましたので、お答えさせていただきます。
 まず、小林委員から御質問いただきました養育費の関係です。現行法では確かに公正証書等の作成が必要となるのですけれども、先ほど資料上で、養育費債権に先取特権を付与するという御説明をさせていただきました。このことによりまして、当事者間の合意さえあれば、金額等が特定できる限り、それを根拠として担保権実行の手続で債権執行等をすることができるようにするというものでございます。
 続きまして、法定養育費制度についての御質問もいただきました。この点につきましては、当事者間の合意がない場合にも一定程度の養育費を請求できるようにするという制度ですけれども、あくまでも当事者間の合意ができるまでの補充的なものと位置づけてございますので、養育費算定表との関係のお話もございましたけれども、相手方の収入状況等も考慮せずに支払い義務を発生させるものですので、金額的には少し低めの金額になるということを想定しております。法律の制定後に、法務省令で具体的内容を定めることになっております。
 また、徳倉委員から強制執行を容易にするという趣旨の御発言をいただいたかと思いますけれども、そのような見直しもしております。これまでは民事執行の手続の中で、例えば相手方の財産状況を知りたいというような申立てと、最終的に差押え等をして養育費を実現するという手続は、それぞれ別個の申立てをしていただく必要があったのですけれども、財産開示の手続の申立てをされた場合については執行の手続まで流れていくような形で、いわゆるワンストップ化をさせていただいてございまして、手続を容易にする、使いやすくするという見直しをさせていただいております。
 法務省からは以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、こども家庭庁の荻野さん、よろしくお願いします。

○荻野課長補佐 御質問をいただきましてありがとうございます。
 まず、大崎先生のほうから、住まいに関する支援がどのようなものがあるかという御質問をいただいたところでございます。こちらは、今回おつけしました資料にも載せているのですけれども、例えば母子生活支援施設というものがございまして、こちらは福祉事務所のほうで母子保護を実施するとした母子が利用できる施設ですけれども、今回、そういう方以外にも、生活の再建とか生活の立ち上げのため、母子生活支援施設を活用するという事業を来年度予算に盛り込んだところでございます。
 ほかにも、資料の31ページとか32ページに一定程度就業を続けた場合に償還を免除する貸付金、月額上限は4万円としていますけれども、そういうような支援もあります。
 もう一つ、こちらは償還免除はないのですけれども、住宅資金の貸付金、そういうところの関係の施策をこども家庭庁のほうでは御用意させていただいているところでございます。
 それ以外にも、住まいの関係というところで各省庁で対応しているところかと承知しております。
 続きまして、小林先生から、企業へのアプローチでのひとり親家庭の雇用の促進というのが大事なのではないかというような御指摘がございました。今回、こども未来戦略のほうにも、ひとり親家庭の方の雇い入れ等の取組を行う企業への補助も盛り込んでいると承知しております。
 続きまして、佐々木先生から、離婚前後での働いている状況がどのようなものかということです。母子家庭になる前は不就業という方が2割ぐらいおり、それが母子家庭になった後は不就業の割合が10%に減るという形になっております。
 さらに、就業している方の内訳ですけれども、母子家庭になる前ですと35%程度が正規職員ですけれども、母子家庭になった後はそれが48%という形で上がっているというところです。
 ひとり親家庭の就業支援というところで、正規社員の方を増やすとか、あるいは資格を取っていただいたりして就業を増やすとか、就業支援が柱だと思っておりますので、引き続き取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
 データはこども家庭庁のひとり親家庭のホームページに載っておりますので、お時間があるときに御覧いただければと思います。
 最後に、山田先生からいただいた親元にいるひとり親家庭というところの御質問ですけれども、施策として、親元にいらっしゃるひとり親家庭を特出しして何か支援するという形は、そこまでないのかなと思っていますけれども、ひとり親家庭施策全般の中でそういう方に対する支援もやっているようなところでございます。
 もう一つ、コロナ禍で、夜間で働かざるを得ないというひとり親家庭につきましても、こちらもひとり親家庭特有のものというよりかは、子育てと仕事の両立を夜間も含めて対応するということで、全体の中で取り組んでいくという状況だと認識しております。
 以上でございま

○山田会長 ありがとうございます。
 井上審議官、お願いできますでしょうか。

○井上審議官 経済産業省でございます。
 何人かの先生方から幾つかの御質問をいただきましたので、先生方の御質問に直接のお答えになるかどうかは分からないのですけれども、説明させていただきたいと思います。必要であれば、さらに再質問をいただければと思います。
 まず、大崎先生から、中小企業へのアプローチの重要性について御指摘をいただきました。それにつきましては、先生がおっしゃったとおり、女性の登用を中小企業のところも併せて促進することが大事だと思っておりますので、1月のこの委員会でもお話しさせていただいたかもしれませんが、来年度の税制改正の中で賃上げ税制を経産省は要望させていただいておるのですけれども、賃上げ税制は賃上げの促進なのですが、加点措置として、これは厚労省さんですけれども、えるぼしの一部につきまして取得されている企業につきましては税制上のメリットをさらに拡充するという上乗せ措置を講じたもので税制改正を出させていただいております。そういった意味では、中小企業へのアプローチが難しいのは御指摘のとおりですけれども、しっかり取り組んでいきたいと思います。
 あと、特に健康経営というところに関して言いますと、今日の御説明中でも中小企業の認定数は着実に上がっておりまして、もちろん中小企業全体は300万社もいらっしゃいますので、なかなか難しい課題でハードルが高いと思っておりますけれども、ただ、しっかりこの認定数も増やしていく。申請数もおかげさまで増えてきておりますので、先行事例をさらにできるだけ普及・広報を図って、中小企業の中での女性の健康経営への対応とか女性登用の機運醸成に取り組んでいきたいと思います。
 続きまして、小林先生と佐々木先生から、今回資料として出させていただいた経済損失について御意見、御質問を頂戴いたしました。
 まず、佐々木先生から、ネガティブなインパクトよりはポジティブなインパクトを強調したほうがいいではないかというお話もいただきまして、私どもとしてはポジティブのほうもしっかり宣伝していきたいと思います。
 一方、中小企業の経営者さんへの対応を考えると、なかなか自分の経営課題として取り上げていただけていない可能性が高いかな、残念ながらそういう中小業者さんが多いという実情もあるかなと思っておりまして、まず、女性の健康課題に対応しないことがこれだけのデメリットになっています、損失になっていますということを、どちらかというと、よりよいものよりはダメージになっていますよというほうが経営者さんに刺さるケースもあるものですから、そういった意味では私どもとしては使い分けをしていきたいと思っております。
 確かに、ネガティブなところを強調し過ぎると逆の効果、副作用があるのではないかという御指摘をおっしゃっていただいて、なるほどなと思いましたので、そこら辺につきましても今日の御指摘を踏まえてよく考えながら、両方の数字をうまく使って、中小企業さんへの普及も含めて取り組んでまいりたいなと思います。
 ほかにも幾つか御指摘をいただいたかと思いますけれども、取りあえず私からは以上とさせていただきます。ありがとうございました。 ○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、説明いただいた省庁の皆様におかれましては、御対応いただきありがとうございました。ここで御退出いただいて結構です。ありがとうございました。
 開始から1時間程度経過いたしましたので、5分ほど休息いたしたいと思います。45分頃をめどに再開したいと思います。よろしくお願いいたします。

(休  憩)

○山田会長 それでは、会議を再開いたしたいと思います。
 次に、議題(3)から(4)までについて、続けて説明を受け、その後に御意見、御質問を頂戴いただければと思います。
 まず、議題(3)「女性の活躍推進に向けた公共調達に関する取組について」、内閣府男女共同参画局より資料6の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 男女共同参画局でございます。
 資料6でありますけれども、最初のほうは先ほど資料1として説明させていただいた内容でございます。女活法に基づきまして、国及び独法等が価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式及び企画競争)において、えるぼし認定とかプラチナえるぼし認定を取得されている企業について加点評価をするというものでございます。
 以降、担当課長から説明をさせていただきます。

○上田課長 内閣府男女共同参画局推進課長の上田でございます。
 それでは、次のスライド2になります。
 こちらも、冒頭の説明でも岡田局長から説明をしておりますけれども、国の機関のこれまでの推移ということで、全体で見ましても、物品役務、公共工事等で見ましても、これまでに比べますと、対象となる調達の中での割合につきましては、金額とか件数は若干のぶれがございますけれども、全体としては増えてきていると思っております。特に、物品役務のほうは割合としても高い状況となっております。
 独立行政法人につきましても、調達の件数、金額ともに増加をしてきておりまして、令和3年度の実施割合を金額ベースで見ますと9割ということになっております。
 3ページ目でございますけれども、国の各機関につきまして、物品役務と公共工事全体を合わせた形でのそれぞれの取組状況についてグラフにしたものとなっております。令和3年度におきましては、取組が可能となる、対象となる調達のありました全28機関のうち、100%を下回っている機関が12機関という形になっております。100%実施しているのが16機関で、100%ではないのですけれども9割を超えているということで、100%に近いような取組をしていただいているところが23機関となっております。
 4ページ目でございますけれども、全体の内訳としまして、物品役務につきまして各機関を見ますと、令和3年度の対象となる調達のあった全28機関のうち、実施率が100%を下回っている機関が12機関、逆に16機関については100%できているということで、物品役務についてはかなり取組が進んでいる状況ではないかと考えております。
 5ページ目のスライドが、公共工事のほうとなっております。公共工事につきましては、令和3年度において対象となる調達があった14機関のうち、100%を下回っている機関が7機関で、100%と90%超えているような機関が9機関ということで、実態として進んでいるところと今後さらに取組を進める必要があるところが両方あるという状況と考えております。
 男女局としましては、実施要領等で実際の加点の例をお示ししたり、定期的なフォローアップを今後も行いまして、この取組をさらに進めていけるようにしたいと考えております。
 説明につきましては以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、国土交通省の林技術審議官より、資料7の説明をお願いいたします。

○林審議官 国土交通省の大臣官房技術審議官、林でございます。
 公共調達におけるワーク・ライフ・バランス推進企業への総合評価落札方式への加点について、補足説明をさせていただきたいと思います。
 今ほどの内閣府の資料にもありましたけれども、物品についてはそこそこの数字にはなっておりますが、公共工事については数字が上がっていないということで、これについての私どもの取組について説明をさせていただきたいと思います。
 国土交通省としましても、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むことは重要だと思っておりまして、公共調達の側面からも企業の取組を後押ししたいと思っております。このため、建設業の特殊性もあるので、業界とコミュニケーションを取りながら、どのような進め方が効果的なのかということを検討を進めているところでございます。
 2ページを御覧いただければと思います。
 建設業は「地域の守り手」と言われますように、公共工事、直轄工事の大半を占める一般土木においては、その約9割は地域に根差した中小企業、C等級のところに向けた発注となっております。国土交通省には、地方支分部局が全国に約400弱、現場の事務所がございまして、それぞれ地域を地盤とする中堅のゼネコンに発注をしているということになっています。
 C等級という企業は、従業員の数が100人以下というところも多い、そういった企業でございまして、100人規模ということですので、年間に3人とか4人程度しか採用しないという企業が大半になっております。こういった企業につきましては、直轄工事だけで経営しているようなところもありまして、年間に数件受注をして経営をしている、そういった企業も多いわけでございます。
 公共事業といいますか、建設事業でございますので、全国どこからでも参入できるという様なものではなくて、地域に密着して、地域流動性が低いといいますか、その地域でしかできない。現場代理人を用意して、材料を調達して、人を調達して、様々な舗装であったり、コンクリートであったり、型枠工であったり、専門業者の方々を集めてみんなで事業をしていく。そういった特殊性もあるかと思っております。
 3億円以下の工事が大半ということでございますけれども、公共工事の総合評価の1点というものが、入札価格が3億円の場合ですと200万弱ぐらいという形になりますので、苦労して工事した結果の利益の部分で、200万円の部分が利益になるのか、なしにするのか、1点の重みが非常に大きい、そういった状況になっているということを御理解いただければと思います。
 次の3ページ、4ページで、まず4ページを御覧いただければと思います。
 建設業の現状としては、今55歳以上の人数が36%、4割弱という状況で、非常に高齢化が進んでいるという状況になります。そして、29歳以下が1割、若者が1割程度しかいない。こういういびつな年齢構成となっている。こういった中で、どの企業も担い手確保が今最大の課題になっています。男性、女性を問わず、とにかく担い手を確保していくことが最重要課題になっているということであります。
 そういう中で様々に取組をしているということでございますが、3ページに戻っていただきたいと思うのですけれども、採用しようと思ったときに、工業高校の男女比を見ていただきたいのですけれども、平成元年の段階では46万人に対して2万4000人という割合でありましたが、平成30年においても、多少率は改善していますけれども、女性の卒業生は2万6000人で相変わらず少ないということで、男女比を見ても、10分の1まではいきませんけれども、相当の差がある。こういう中で、いかに女性の方々にも入ってきていただくかということが重要な課題になっているということでございます。
 数人しか雇用しないというときに、女性の少ないパイというか、ほとんどいないパイの奪い合いや、努力で解決できるような状況なのか、運よく採れたところだけが入札で得をすることになって不公平感が出てくるのではないか。そんなところについても配慮する必要があると思っているということでございます。
 また、先ほどの年齢構成のところでも御覧いただいたように、雇用サポートのところについても、育児をする年代の方々の構成比は、人数としても非常に少ないという状況になっておりますので、ここについても波はある、当たり外れがあるというか、そういうことによって不公平感みたいなものが出てこないだろうか。こういったことへも配慮していく必要があるのではないかと思っております。
 ユースエール、若手雇用促進についても様々進めているところでありますけれども、5ページを御覧いただければと思います。建設業は、労働時間も他産業に比べてもまだまだ多いという中で働き方改革を進めている中で、ユースエールといったものにも取り組んでいきたいと思っております。適正工期とか、週休2日工事の対象拡大を進めているけれども、全体としての取組状況がまだ十分追いついていないのかなと思っております。
 最後に、7ページを御覧いただければと思います。
 こうした状況の中、私どもも進めていく必要があると思っていまして、平成30年からは、大手ゼネコンに該当するA等級の発注について加点対象としてきております。さらに、本年1月からB等級のところまで企業の拡大をしてきたところでございます。今後は、全ての公共工事、コンサルタント業務まで対象を拡大するということで、業界団体には周知をしている状況でございまして、認定の取得に向けての準備を進めていただいているということであります。
 毎年のように水害が起きていますし、今回、能登地震なんかも起きて、地震がどこで起きても分からないような中で、地域の守り手として建設事業は大事な存在であって、今後とも持続的に雇用を確保していかなければいけないと考えております。そういう中で、担い手の確保は最大の課題と思っています。女性の方々にもぜひ参画いただいて、地域の安全・安心に一緒に取り組んでいきたいと思っております。
 環境改善なんかもしておりますので、ぜひ実効性のあるやり方で、不公平感のないようなやり方で、努力した企業がちゃんと報われるような、そういったやり方で男女参画が進んでいくように柔軟な対応もしていきたいと思っていますので、引き続き御指導いただければと思います。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、議題(4)「政治分野における女性の参画拡大について」、内閣府男女共同参画局より資料8の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 資料8を御覧ください。
 冒頭の資料と一部重なっておりますけれども、スライド1はいつも示させていただいておりますが、ジェンダー・ギャップ指数であります。ここでしばしば指摘されますのは、経済分野と政治分野の参画が他国に比べるとまだ遅いということが指摘をされているところでございます。
 スライド2は先ほど説明させていただいたものでございます。
 スライド3以降は、担当課長から説明させていただきます。

○上田課長 それでは、スライド3以降を御説明させていただきます。
 スライド3が、首長に占める女性の割合、女性ゼロ議会について表にまとめているものになっております。都道府県知事、市区町村長の女性割合につきましては、それぞれ4.3%、2.5%という状況となっております。
 また、女性ゼロ議会につきましては、都道府県議会、特別区議会につきましては、ゼロ議会はゼロということで、ないという状況になっております。一方で、市議会や町村議会は、それぞれ女性ゼロ議会の数が24あるいは233というような現状となっております。
 次のスライド4につきましては、冒頭の説明で取り上げておりますので、省略をさせていただきます。
 スライド5でございます。
 こちらが、令和5年の統一地方選挙の議会議員選挙における女性の比率でございます。都道府県議会や政令指定都市の議会、市議会、区議会、町村議会、それぞれにつきまして候補者と当選者の平成31年と令和5年を見ますと、総じて割合は増えているところで、候補者全体ですと平成31年が16.0%であったものが令和5年は19.2%、当選者につきましては、平成31年には16.3%であったものが令和5年には19.9%ということで、割合が高まっているところでございます。
 次のスライド6につきましては、こちらも冒頭で説明をさせていただいておりますので省略をさせていただきます。
 スライド7でございます。
 こちらが、女性の政治参画への障壁等に関する調査で、内閣府の男女局で実施をしたものでございます。中ほどの部分を御覧いただきますと、地方の議会議員の方とか立候補を断念した方に行っているアンケートでございますが、議員活動を行う上での課題についてお尋ねしましたところ、特に男女の差が大きい項目は、黄色くマーカーをさせていただいておりますとおり、「性別による差別やセクシャルハラスメントを受けることがある」という項目と、「議員活動と家庭生活との両立が難しい」というところになっております。女性が34.8%であるのに対して男性は2.2%、両立につきましては女性が33.7%であるのに対して男性は13.7%というような調査結果となっております。
 次のスライド8になります。
 こうした障壁調査の結果も受けまして、同じ障壁調査の中で、有権者や支援者、議員等からハラスメントを受けたかというような質問も併せて調査をさせていただいておりますけれども、それに対しましては全体では42.3%、男性は32.5%、女性の57.6%がいずれかのハラスメント行為を受けたというような回答の結果となっております。
 同じ調査で、そのための取組としましては、研修を行うことが有効であると回答いただいた割合も高くなっているところでございます。
 また、こうした状況と、令和3年6月に政治分野の男女共同参画推進法が改正をされまして、先ほどのスライドにもございましたけれども、内閣府を含みます関係行政機関がそれぞれ適切に役割分担をいたしまして積極的に取り組むということや、セクシャルハラスメントやマタニティーハラスメント等の発生の防止に資するため、研修の実施等の必要な施策を講じるといったような規定が追加をされたところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、令和3年秋に内閣府男女局におきまして専用の投稿サイトを開設いたしまして、議員活動や選挙活動において実際に受けたハラスメントについての事例の調査を実施いたしました。
 スライド9になります。
 その調査におきまして、1,324件の事例が寄せられたところとなっております。この1,324件の事例を基に、ハラスメントを防止するための研修教材、動画も作成したところでございます。実際にハラスメント行為のみを示すということではなくて、ストーリー仕立てにしまして、ハラスメントが発生する動機とか人間関係といった背景についても描いた上で、問題点を解説するといった内容となってございます。
 これにつきましては、3番にございますとおり、衆議院、参議院の事務局、都道府県議会、市町村の議会等に通知を発出いたしまして情報提供を実施しておりますほか、ハラスメント防止のための研修の実施状況と併せまして、この教材の活用状況についても定期的にフォローアップをさせていただいているところでございます。
 スライド10になります。
 続きまして、地方議会における両立支援に係る会議規則の整備状況についてでございます。こちらの資料の2段落目にございますとおり、「第5次男女共同基本計画」におきまして、政治分野における女性の参画拡大に向けまして地方議会の取組を進めるために、全ての市区町村議会において出産が欠席事由として明文化されるよう要請していくことや、産前・産後期間にも配慮した会議規則の整備、育児・介護等の欠席事由としての明文化が促進されるよう要請をしていくといったところがうたわれたところでございます。
 これを受けまして、令和3年1月に女性活躍担当大臣から三議長会に対しまして、標準会議規則の改正の検討を要請いたしました。その後、令和3年に、各議長会が標準会議規則を改正いただいたという状況となっております。
 これを受けまして、各地方議会におきまして会議規則の改正が行われておりまして、スライド11になりますけれども、左側が都道府県議会になりますが、一番右側のところにございますとおり、育児、家族の介護を欠席事由として明文化している議会の割合が令和2年度から増加をしているという形で、2023年は全体の約9割となっているところでございます。
 右側の市区町村議会につきましても、本人の出産を欠席事由として明文化している議会の割合が9割を超えておりますとともに、育児や家族の介護のほか、本人の疾病や配偶者の出産、家族の看護についても増加をしておりまして、いずれも全体の8割という状況となっております。
 最後のスライド12でございますが、こちらは冒頭の説明とも一部重複しておりますけれども、男女局のほうで行っております政治参画マップ等の男女共同参画の推進に向けました見える化の取組を御紹介させていただいております。
 説明につきましては以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 次に、総務省自治行政局の田中行政課長より、資料9の説明をお願いいたします。

○田中課長 総務省でございます。よろしくお願いします。
 まず1ページを御覧いただければと思います。
 一昨年、令和4年12月に、第33次地方制度調査会で、まさしく女性を含めまして多様な人材が参画し、住民に開かれた地方議会の実現に向けた対応方策に関する答申の取りまとめが行われております。
 問題意識としましては、先ほど男女局さんからお話がありましたことと重なりますが、女性議員の割合が少ない。都道府県、市、町村それぞれを調べておりますが、1割から2割の間ぐらいである。こういう状況を踏まえまして、議員の構成が性別の面を含めて多様性を欠いているということが住民から見て議会の魅力を失わせていて、それが最近指摘されております地方議員のなり手不足の原因になっているのではないか、こういう分析がされております。
 対応としまして2から5まで掲げておりまして、順次、別のペーパーで御説明申し上げますが、地方議会に対する働きかけや、国においては制度改正、経済界への働きかけなどの様々な取組が盛り込まれているところでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 まず、地方議会に対する働きかけでありまして、まずは多様な人材が参画する地方議会の実現に向けた各議会自身の取組が何よりも重要だろうということで、助言通知を発出させていただいているところでございます。
 黄色のところを御覧いただきますと、1つ目のところでありますが、会議規則において欠席事由として育児・介護等の取扱いを明確化する、旧姓使用を認める、議員活動を行う上でのハラスメント防止のための研修や相談体制の整備などを行うことが考えられるということを助言しております。
 それから、ワーク・ライフ・バランスの話も出ましたけれども、参画しやすい環境を整備するという観点から、会議運営上の工夫として、休日・夜間議会や通年会期制の活用によりまして柔軟に会議日程を設定するなどの取組を参考にすることが考えられるということを示しています。
 それから、議員の住所について、議会のウェブサイトで住所が地番まで含めて公表されているケースが多いと思いますけれども、こういった点についても個人情報への配慮が必要との指摘もありますので、住所全体ではなくて一部の公表とすることを選択できるようにすることとか、自宅ではなくて事務所や議会事務局を選択できるようにすることなど、こういった取組を御紹介しております。
 それから、議会の発信の強化も大事であろうということでありまして、その中では、幾つかの議会で行われています女性議会とか子供議会とか、そういう模擬議会の取組などについても御紹介を申し上げているところでございます。
 次のページをお願いします。
 国の取組としましては、地方自治法の改正を昨年の通常国会で行っておりまして、その中で地方議会の役割、議員の職務についての規定の明確化を、これは地方議会関係者の強い要望を受けまして行っているものでございまして、「普通地方公共団体に議会を置く」とのみ規定されていましたけれども、多様な方々の参画を促進する観点から、地方議会の役割や議員の職務についてより明確な規定を置くという改正を行ったところでございます。
 2つ目でありますが、デジタルツールの活用ということであります。行政機関の手続については、既にデジタル手続法でオンライン化が可能になっておりますが、住民と議会、あるいは議会と国会の間などについてはデジタル手続法の射程の外になっておりましたので、請願書の手続、国会に対する意見書の提出、そういったものについてもオンライン化ができるような法的な措置を講じたということでございます。
 4ページに行っていただければと思います。
 次は、国として行いました経済団体への要請活動であります。今申し上げた答申とか、あるいは地方自治法の審議でも同じような問題意識が示されましたので、こういうことを踏まえまして、当時の尾身副大臣、それから3つの議長会の会長さんと連携をしまして、日本経済団体連合会、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、全国商工会連合会に対しまして、地方議員に立候補するための環境整備について要請活動を行っております。具体的には、就業規則において立候補に伴う休暇制度を設けることとか、立候補した方に対する不利益な取扱いをしないようにすることなどについて要請活動を行ってきた。あるいは、議員との兼業・副業を可能にしていただくということについても要請活動を行ったところでございます。
 5ページをお願いします。
 地方議会活性化シンポジウムを毎年行っておりまして、各議会の取組事例の共有とか意見交換を行っているところでございます。昨年につきましても、11月に「将来の地方議会を担うのは誰か?」と銘打ちまして、御覧のとおりのシンポジウム開催をしているということでございます。
 次のページをお願いいたします。
 地方議会のオンラインの活用でございます。これはそれぞれ議会の考え方があろうかと思いますが、委員会につきましては、地方自治法上、条例で開催方法を定められることになっておりますので、オンラインで出席をする、あるいはオンラインで開催することは可能であるということは明確にお示しをしているところでございます。
 スライドを飛んでいただきまして9ページまで行っていただきまして、実際にどれぐらい活用されているかということでございます。オンライン出席をするためには、まず条例などの改正を行う必要がありますが、そういう制度的な対応を行っているという団体が全体のうちの17%ぐらいとなっております。実際にオンラインで開催をした、オンライン出席を行ったという団体は、全団体の6%ぐらいというのが現状でございます。
 技術的な点も含めて様々な課題の指摘もありますので、そういった点につきましては丁寧に、Q&Aということで様々な団体の取組を御紹介するなどして、お役に立てるような助言も行っているところでございます。
 総務省から以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に関して、御意見、御質問のある方は、時間の関係もありますので挙手でお願いできますでしょうか。どなたからでも結構です。
 では、山田から少し質問させていただきます。私、10年前に委員をしていたときに、いわゆるアファーマティブアクションに関する調査研究を始めるという話を聞いたことがあるのですけれども、その点に関しては今どのようになっているのかというのを1つお聞きしたいなと思います。
 以上です。
 ほかにありますでしょうか。
 内藤委員、お願いいたします。

○内藤委員 ありがとうございます。遅れまして申し訳ございません。
 私からは、政治分野の女性の参画についてお話をさせていただきます。
 先ほど、ハラスメントや、家事とか家庭との両立が難しいという、議員になりづらいような状況の説明があったのですけれども、私のほうからはプライバシーの確保について、これは項目の中にもありましたが、少しお話をさせていただきたいと思います。
 実際、徳島市で何が起こったかというと、私自身の変なポスター、情報を求む、ウォンテッドみたいなポスターが徳島市内だけではなくて徳島県内中に貼られました。すごく変な、睨んでいるような顔をしたポスターを作られて、それが県内中に貼られてしまったということもありました。これは、徳島の場合の特異な例ではあるのですけれども、ほかにも、うその書き込みとか、こういったものはSNSでは情報開示などもできますが、例えば誹謗中傷やビラで、うその情報を全戸配付される。プライバシーも含めて、あることないことを流されるというような状況が徳島市内、県内では発生しました。これは私の事例ですが、そういった誹謗中傷とか、家族のことも含めてのプライバシーの問題はすごくゆゆしき問題であると、私自身は本当に経験上感じました。
 SNSなどでは誹謗中傷対策などもありますが、実際に、事実ではない情報、状況を例えばビラで全戸配付されたことに対してのペナルティーみたいなものが、もちろん裁判などをすれば確保はできるのですけれども、個人として、市として、それに対して裁判をするのかということも考えないといけないということが時間、お金も含めてすごくコストになってくるので、その部分に対しては国が規制なのか、どういう形であるのか分からないですが、そういう制度や法整備をしていかないと、これは女性に限らずですが、これから特に若い人が立候補するのはすごくしんどいなと思ってしまうように私自身は感じました。
 こういった状況が徳島で続くのであれば、私は若い女性、特にお母さんたちに対して、立候補を個人的には勧めてきたのですが、今の状況を見ているとちょっと難しい部分もあるなというような現実をきちんとお話ししているので、そういう話を聞くと、立候補したくないなという人もたくさんいます。そういう意味で、そういった部分を守るような制度は必要なのかなと感じました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、佐々木委員、お願いできますでしょうか。

○佐々木委員 まず、公共調達のところです。えるぼしとかくるみんが入っていると加点していくということですけれども、国土交通省の方もおっしゃっていたように、中小企業とか業種によってえるぼしとかくるみんが取れない。地方は中小企業が多いので、そこを加点にしていくというのは全体に波及しないのではないかなと思います。あと、加点の割合もそこまで高くないので、公共調達にすごく影響している加点なのかというところもちょっと疑念があります。
 公共調達前の状況で加点をしていくのではなく、これはカナダの例ですけれども、1986年に雇用公平法というのができて、それを基に連邦契約事業者プログラムというのが制定されました。こちらは、連邦政府が1契約20万ドル以上の契約を締結すると、100人以上を雇用している事業者に対して雇用公平を実現するための義務を課していくというものです。
 事業者は、業種とか人数を使った雇用可能人口比率というものを使って、それぞれの企業で数値目標を立てなければいけません。数値目標を設定させて計画させて、指針を策定、モニタリングを行う必要もあります。これは、研究プロジェクトなどの契約を締結する大学も対象になっていて、そのために女性研究者比率が向上したという報告もあります。カナダの例のような公共調達事業に対するやり方を少し検討してみるといいのではないかなと思います。
 また、政治のところですけれども、これはクオーター制をするしかないのではないかなと思います。韓国は日本と一緒だったのですけれども、ぐっと伸びているところは、ここでクオーター制を入れた時期と一致しています。いろいろなところでセクハラの話とか、先ほどの内藤委員がおっしゃったようなことはやはりマイノリティー側に起きがちなので、ここは数を増やすしかないと思います。そこが根本的な気がしています。
 また、女性の健康のところでも、アメリカで改善されてきた歴史を見ていくと、女性議員がすごく頑張っているのですね。当事者意識は非常に重要だと思うので、多様な人がしっかり議会の中に入っていくことがとても重要で、根本的な解決につながるのではないかなと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 小林委員、お願いいたします。

○小林委員 ありがとうございます。
 まず、公共調達のほうですが、Cランクという中小の事業者が多いというのは分かりますし、かなり御苦労されているのもよく分かるのですが、そこを進めないと、結局、国が共同参画に取り組まない企業を容認しているという誤解のメッセージになりかねないので、そこだけは御注意いただきたいなと思います。
 それから、政治分野の参画拡大についてですが、非常に不思議なのは、人口の半分が女性なのですから、その半分の意見を酌み上げようとしないというのが私なんかは理解できないところではあるのです。
 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の第3条は、「国及び地方公共団体の責務」ということで、必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有すると規定されているのです。先ほど研修等は9条で、こういうことをやっていますよというのがあったのですが、政党だけではなくて、具体的施策としてどのようなことに取り組まれていらっしゃるのか。私なんかは、例えば政党交付金の傾斜配分は検討する必要があるのではないかと思うのですが、その辺についてどうなっているのか、御質問をしたいということです。
 もう一つは、先ほど出ていたオンライン出席について、家事や育児等の両立を考えたとき、オンライン出席というのは重要だと思うのですが、理由として、本会議については出席と規定されているから現場にいなければいけないのだという解説なのですが、ここ自体は解釈で十分変えられるところなので、ここに書かれている出席という規定以外の理由はどのようなものを考えられているのか、その点を教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 大崎委員、お願いいたします。

○大崎委員 ありがとうございます。
 公共調達のほうでは、1点だけ質問があります。
 内閣府さんからお示ししていただいた公共調達に関する資料の6ページ目の公共工事のところです。それが、国交省さんは非常に少ないということで、いろいろな事業者の特殊性について先ほどお話しいただいたと思うのですけれども、例えば農水省が地方で行う公共工事もいろいろとあると思うのですが、それを請け負っている事業者さんと、国交省で出している公共事業の公共工事を担う事業者さんは、全然違うタイプの事業者さんなのでしょうか。だから、これだけ差があるのか。それだけ、国交省さんが出している公共事業の公共工事を請け負う事業者さんは、本当に特殊性が高いということなのでしょうかというのが1点目です。
 もう一つは、政治分野における女性の参画ですけれども、政治分野における女性の参画といったときに、重要なのは2つの柱だというのが国際的な議論の流れだと思っています。1つは議員や首長を増やすことです。これは今日いろいろお話をいただきました。もう一つの柱が、女性が有権者として、主権者として政治に関心を持って、選挙を含む政治プロセスに主体的に関わることを後押しする。これが2つ目の柱で、これはもう国際的には当たり前になっています。
 私自身も、女性の政治参加の促進の一環として、国連機関で草の根の女性や少女たちに対する有権者教育、政治教育をたくさん手がけました。現在も、UN Womenとか、EUとか、各国政府の政治分野における女性の参画の取組を検索すると、そうしたものがたくさん出てきます。
 日本の取組は、議員、首長を増やすことに注力しているのだけれども、女性の有権者教育という側面が弱いのではないかと感じています。つまり、一人一人の女性が、選挙というのは人気投票ではなくて、自分を代弁してくれる、自分を代表してくれる人を選ぶプロセスであるということをしっかり理解したり、どういう基準で自分の代表者を選ぶのか、例えば立候補者にどういう質問をしてみればいいのか、そういったことを学んだり、あとは自分が投票した人が当選した場合は、いかにその人をその後もちゃんとサポートしていくか、その人の仕事ぶりをどうチェックしていくか、それがもう政治プロセスへの参画ということになりますので、そういったトレーニングというのをやっているのですね。
 議員、首長を増やすというのももちろん重要ですけれども、女性のアジェンダというものを進めていく議員や首長をサポートする女性有権者、有権者の半分以上は女性ですから、そういった人たちが増えて、そういう土台がつくられていかないと、どんなに議員を増やそうとしても政治そのものは変わらないと思うのですね。そこが日本の場合は欠けているのではないかと思うのですが、どのように捉えていらっしゃるか。
 政治参画の領域でも、議員になる人たちだけのデータではなくて、有権者で男性と女性で政治の捉え方がどう違うか、選挙に対しての関わり方がどう違うか、そういったデータをもっと集めていただいて、それをベースに有権者に対する政治教育というか、そういう意味での女性の政治参加をやっていくことが非常に重要だと思いますので、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、これまでの御意見、御質問等について、説明いただいた省庁から何かありますでしょうか。
 林審議官、よろしくお願いいたします。

○林審議官 国土交通省です。
 佐々木委員、小林委員、大崎委員からお話をいただきまして、ありがとうございます。
 佐々木委員からは、加点に対する影響というお話もありました。Cクラスの企業にとって、この1点というものは物すごく大きな影響があると思っていまして、ものすごいインセンティブにもなりますし、逆の面で公平性というところでは、大きなデメリットにもなりうるところもありますので、ここについては慎重にやっていかなければいけないなと思います。
 これを上手に使っていくためには、地域に合わせた柔軟な対応が求められるのかなと思っていまして、今のままの形ですとちょっと厳しいかなと思いますので、先生も御指摘いただいたように、計画を立てるみたいなところを使っていくということも検討したいと思います。
 ただ、調達した後に義務というのも、そこはその企業にとってどうなのか、その辺りも業界の意見も聞きながら進めていきたいと思います。100人規模という線が引かれると、業界の中の100人を超えるところと99人とか98人というところで不公平感もあったりするので、同じ競争ができるような仕組みみたいなものを考えていきたいなと思っています。
 そういう意味で、小林先生からもお話がありましたように、これでいいのだというメッセージには決してならないように、私どもも女性に参画していただいて業界全体が持続的に成り立っていくようにしたいと思っていますので、誤ったメッセージにならないようにしっかり改善しながら制度をうまく使っていきたいと思っています。
 大崎委員から御指摘がありました、農水省はどうなっているのだろうかというところは、正直勉強不足でして、どうなっているのかは分かりません。その辺りも含めて勉強しながら、よりよい形にしていきたいと思いますので、引き続き御指導をいただければと思います。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、上田課長、お願いできますでしょうか。

○上田課長 ありがとうございます。
 最初に、座長からお話をいただきましたアファーマティブアクションの関係ですけれども、御質問に対する直接のお答えになっているかはあれですが、各国の政治への女性参画について、それぞれの各国においてどのような制度とか仕組みでやっているかということについての調査を令和元年度に男女局のほうでやっておりまして、それを取りまとめて公表したり、周知啓発などに活用させていただいているところとなっております。
 あと、佐々木先生のほうから、えるぼし、くるみんだと中小の方はなかなか活用が難しいというお話がございました。そういった観点ももちろんあると思うのですが、一方で、女活法のえるぼし認定以外にも、中小企業として行動計画の策定をすることによって、それを実際に入札に参加していただくときの加点の一つの項目にしていただくことができますので、先ほど先生から御指摘をいただいた例なども勉強しながら、どういったことができるかというのを考えていきたいなと思っております。
 同じように御指摘いただきました、実際に加点の取組があったことによってどれぐらいの影響があるかというところにつきましては、データとして全体としてどうなのかというのは持ち合わせていないのですが、担当課としても自分たちがいろいろ事業を調達する機会は多々ありまして、同じ事業に参画される業者さんですと、提案していただく内容とか質がかなり近接しているような例もありまして、そういう場合は加点がされるかされないかで最後の結果が変わってくるところはあるのかなというのは、担当としてそういったところは感じているところでございます。
 大崎先生のほうから、主権者教育のお話もございました。女性の政治参画を進めていく上で、立候補される方々も、それぞれの地域とか支援者の方々、先ほどの障壁調査の中でも有権者の方も含めたハラスメントという話も出ていましたところもございますので、今後、こういった調査を行う際には、どういったことができるかというのを検討させていただきたいと考えております。
 簡単で恐縮でございますが、以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、田中行政課長、お願いいたします。

○田中課長 議会のオンライン出席についてお尋ねをいただきました。
 国会の場合には、本会議、委員会、どちらもオンライン出席は可能になっておりませんけれども、地方議会につきましては、地方自治法の規定で委員会については条例で定めることができるとなっていますので、オンライン出席は可能であるとなっておりますが、出席というのは国会法などの解釈において「現に議場にいる」と解されておりますので、この条文のままでオンライン出席は可能という解釈を示すのはなかなか難しいかなと思います。
 先ほど御紹介しました地方制度調査会でも、法改正をして本会議へのオンライン出席を認めるべきなのかどうかということについては議論をしていただいたことがございますが、結論としましては、国会における対応も参考にしまして丁寧な検討を進めるべきだということで、結論は得られなかったということでございます。
 一番の議論のポイントは、議員は税であるとか条例を決めるというお立場でございますので、議員本人による自由な意思表明は疑義が生じる余地がない形で行われる必要があるというところが議論の中心だったと認識をしてございます。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 これまで説明いただいた省庁の皆様におかれましては、御対応いただきありがとうございました。
 それでは、時間になりましたので、意見交換を終了したいと思います。
 なお、石黒委員、井上委員より、書面により意見が提出されたため、事務局から出席者に送付しておりますので御確認いただければと思います。提出のあった意見書については、会議資料として内閣府男女共同参画局ホームページにて公開いたします。
 関係府省におかれましては、本日の議論も参考にしながら、今後の取組について検討を深めていただければとお願い申し上げます。
 次回のテーマと出席省庁については、事務局において調整をお願いいたします。
 最後に、事務局から何かありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 男女共同参画局でございます。
 今日もいろいろありがとうございました。
 冒頭会長からお話がありましたように、6月を目途として作成する女性版骨太の方針に実効性のある対策を盛り込むことができますように、今日いただきました先生からの御指摘などを踏まえて検討してまいりたいと考えております。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 時間を少しオーバーしまして申し訳ございませんでした。
 それでは、本日の会議は以上となりますが、委員の皆様はこのままお残りください。どうもありがとうございます。お疲れさまでした。