計画実行・監視専門調査会(第32回)議事録

  • 令和6年1月25日(木) 15:00~17:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  • 1.開会
  • 2.議題
    • (1)国際的な取組を踏まえた我が国の対応について
    • (2)企業における女性の採用・育成の強化について
  • 3.閉会

【配布資料】

資料1
国際的な取組を踏まえた我が国の対応、企業における女性の採用・育成の強化等について(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:231KB]別ウインドウで開きます
資料2
女性・平和・安全保障(WPS)に関する我が国の取組(外務省説明資料) [PDF形式:4.2MB] 別ウインドウで開きます
資料3
我が国のSDGs実施指針(外務省説明資料) [PDF形式:2.5MB]別ウインドウで開きます
資料4
女性活躍推進に係る取組について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:1.1MB]別ウインドウで開きます
資料5
企業における女性の採用・育成強化に関する経済産業省の施策(経済産業省説明資料) [PDF形式:1.0MB]別ウインドウで開きます
資料6
愛知県における女性の活躍に向けた企業の取組促進(愛知県説明資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
資料7
石黒委員提出資料 [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
資料8
井上委員提出資料 [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
参考資料1
「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024(女性版骨太の方針2024)」の策定に向けて(令和5年12月25日 第71回男女共同参画会議配布資料) [PDF形式:853KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について(令和5年12月14日 第30回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:307KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
想定される検討項目(令和5年10月13日 第27回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:108KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料5
女性版骨太の方針2023(概要)[PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます
参考資料6
第5次男女共同参画基本計画(説明資料)[PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
山田 昌弘  
 中央大学文学部教授
委員   
石黒 不二代 
 日本労働組合総連合会副事務局長
同    
大崎 麻子  
(特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
同    
小林 哲也
  小林総合法律事務所弁護士
同    
佐々木 成江 
 お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
白波瀬 佐和子
 東京大学大学院人文社会系研究科教授
同    
徳倉 康之  
 NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
同    
内藤 佐和子
  徳島市長
同    
山本 勲
  慶應義塾大学商学部教授
内閣府  
岡田 恵子  
 男女共同参画局長
同    
小八木 大成 
 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
大森 崇利  
 男女共同参画局総務課長
同    
池上 紗矢香
  男女共同参画局総務課調査室長
同    
中山 奈津美
  男女共同参画局推進課企画官
同    
片山 貴順
  男女共同参画局総務課長補佐
外務省  
古本 建彦  
 総合外交政策局女性参画推進室長
同    
有馬 孝典  
 国際協力局地球規模課題総括課長
厚生労働省
安藤 英樹  
 雇用環境・均等局雇用機会均等課長
経済産業省
相馬 知子  
 経済産業政策局経済社会政策室長
愛知県  
朝日 真   
 県民文化局男女共同参画推進課長

議事録

○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより第32回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
 申し訳ないのですが、私の研究室のルーターが壊れてしまいまして、サブの古いノートパソコンでやっておりますので、画面が映らないということを失礼させていただきます。よろしくお願いいたします。
 今回からは、昨年末に開催された男女共同参画会議における議論等も踏まえ、本年6月をめどに策定する「女性骨太の方針2024」に実効性のある対策を盛り込めるよう、取組の具体化に向けた議論を行ってまいりたいと思います。
 本日は、WPSやSDGsといった近年大きな動きがあった国際的な取組を踏まえた、国内の各ステークホルダーの対応、女性の採用、一旦離職した女性の再就職支援、就業継続・育成に資する取組、中小企業等における女性活躍を推進するための取組について議論していきたいと考えております。
 なお、非正規雇用労働者の正規化などの女性の経済的自立・所得向上に資する取組や、個々の両立支援策などについては、また日を改めて議論したいと考えております。
 それでは、議事に先立って、本日の議題に関するデータ等について、事務局より説明をお願いいたします。
 内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料1の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 内閣府でございます。
 では、資料1をご覧いただければと思います。
 まず議題(1)に関しまして、スライド1でありますけれども、基本計画との関係の観点から説明をさせていただきます。
 スライド2であります。
 WPSにつきましては、2000年に平和・安全保障の文脈に「女性」を関連づけた初めての安保理決議として1325号が採択されたところであります。2023年に第3次の行動計画が策定されております。
 計画などとの関係で申しますと、第5次男女共同参画基本計画において、WPS、国連安保理決議等を踏まえ、平和構築及び復興開発等のプロセスへの女性の参画を一層促進すると盛り込まれております。また、昨年の女性版骨太の方針においても、「第3次女性・平和・安全保障行動計画」に基づく取組を着実に実施していくということが盛り込まれているところであります。
 スライド3であります。
 SDGsにつきましては、昨年12月に実施指針が改定されたということでございます。
 SDGsにつきましては、第5次男女共同参画基本計画におきまして、SDGs達成に向けた取組を広範なステークホルダーと連携して推進・実施するということが盛り込まれているところであります。
 スライド4では、昨年、多くの国際会議がございましたけれども、そこにおきます論点を一覧にしたものでございます。
 スライド5をご覧ください。議題(2)についてでございます。
 スライド6でありますけれども、昨年12月に開催されました男女共同参画会議におきまして、総理から、赤字にしておりますけれども、企業等における女性の経済的自立・活躍推進に関して、人材の採用・育成の支援や、仕事と育児・介護の両立支援策を充実させていくとの発言がありました。
 スライド7であります。
 ここは、男女の時間格差から派生する構造的な課題をイメージ図として示したものでありますけれども、本日はこの中の赤枠で囲った部分を取り上げるということでお考えいただければと思います。
 スライド8であります。
 女性就業者数は、平成24年から令和4年までの10年間で約370万人増加しております。
 次でありますけれども、我が国の女性役員比率は過去10年間で徐々に上昇しておりますけれども、日本を除くG7諸国やOECD諸国の平均とのギャップは依然として大きいものがございます。
 スライド10であります。
 昨年末ですけれども、第5次男女共同参画基本計画の一部変更を行いました。「東証一部上場企業役員に占める女性の割合」が当初設定されておりましたけれども、市場再編を踏まえて目標を設定し直したということであります。
 スライド11であります。
 東証一部上場企業またはプライム市場上場企業で見ますと、女性役員が一人もいない企業は減少してきておりますけれども、2023年時点におきまして、まだ約1割の企業に女性役員が一人もいない状況にあるということでございます。
 スライド12であります。
 役職者に占める女性の割合を役職別に見ますと、上位の役職ほど女性の割合が低く、一番新しい数字では、係長級が24.1%、課長級が13.9%、部長級が8.2%ということになってございます。
 「執行役員又はそれに準じる役職者」における女性の割合を見てみますと、内閣府が調査したものでありますけれども、その割合は4.7%ということになってございます。
 次からは、昨年公表しました白書で紹介いたしました、21世紀職業財団の調査研究に基づくデータをお示ししております。女性全体の46.6%、総合職では約4割、一般職の約5割以上がいわゆるマミートラックの状況に陥っている。ただし、総合職について、過去に一皮むける経験がある場合には、キャリア展望がある人の割合が高いという結果が出ております。
 スライド15であります。
 そういったマミートラックを脱出できた理由を見ますと、「定時退社だけでなく、必要な時には残業するようにした」が最も多くなっているということであります。
 また、配偶者がお迎えをしている割合が高い女性は、自分がキャリアアップできているという思いが高いということであります。
 年齢階級別の正規雇用比率を見ますと、男性は台形を示しておりますけれども、女性はいわゆるL字カーブを描いているということであります。
 幾つか時系列で見てまいりますと、近年、若い世代を中心に大幅に上昇しておりまして、40代以降は正規雇用比率が上昇する傾向にございますけれども、役員を含めて見てみますと、上昇幅がさらに大きくなっているということでございます。
 出生コーホート別で見てみたいと思いますけれども、近年は20代後半における正規雇用比率のピークが上昇する傾向にありまして、その後、低下幅が縮小しているということでございます。
 スライド20は男性の数字でございます。
 スライド21を見ていただきますと、年々、第1子出産後も就業継続する女性は増加しておりまして、直近では、第1子出産前に有職者であられた約7割の方が就業を継続しているということであります。他方、3割以上は無職になっているということでございます。
 スライド22でございます。
 働き方で違いを見てみますと、正規の職員でも約2割は就業を継続できていないという状況にございます。第1子の出産後に就業継続できない女性は少なくないということであります。
 スライド23は、育児休業取得率の推移でございますが、女性と男性を見ますと、女性とは大きな差があるということでございます。
 スライド24を見ていただきますと、事業所規模の違い、また、産業によって男女ともに差が大きくなっております。
 非正規雇用労働者が現在の雇用形態に就いている理由を見ますと、女性は「自分の都合のよい時間に働きたいから」、「家計の補助・学費等を得たいから」という理由になっております。
 また、厚労省の調査で見てみますと、次のスライドでありますけれども、女性が「家庭の事情で正社員として働けないから」と回答している割合が男性と比べて大きいということになっております。
 短時間勤務制度や所定外労働の制限など勤務時間を制限する制度については、「女性のみ利用有り」という事業所が9割以上となってございます。
 スライド28は、末子を妊娠・出産された方は、「労働時間が短くなった」、「帰宅時間を配慮されるようになった」と答えた割合が高くなってございますが、男性は「特に変化はない」という答えが約7割となっております。
 中途採用について、リクルートの調査結果をお示しいたします。中途採用がうまくいっていると回答した企業ですけれども、うまくいっていないと回答した企業と比較しますと、「テレワーク導入など、働き方の柔軟性向上の工夫」、「地域限定社員の導入」といった回答が高くなっております。
 また、働き方から見たものでありますけれども、これは男女局の調査でありますが、どのような条件なら正規雇用労働者として働きたいかを尋ねますと、「仕事と育児・介護との両立について理解のある職場であれば」といった回答の割合が大きくなってきております。
 以上がデータでございます。
 スライド32であります。
 冒頭会長からお話がございましたけれども、本日御議論いただきたい論点を記してございます。1つ目のポツは議題(1)に関連するものでございます。2つ目と3つ目は議題(2)に関連するものでございます。
 内閣府からの説明は以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
まず、議題(1)「国際的な取組を踏まえた我が国の対応について」です。外務省の古本女性参画推進室長より、資料2の説明をお願いいたします。

○古本女性参画推進室長 外務省の古本ですが、このセッションはたしか2つに分かれ、有馬と私と2人で順番にという話をさせていただいていたかと思います。
 先に有馬から話をさせていただいてもよろしいでしょうか。

○山田会長 では、有馬地球規模課題総括課長より、先に資料3の説明をお願いいたします。

○有馬地球規模課題総括課長 外務省地球規模課題総括課長の有馬でございます。
 それでは、2番目ということではありましたが、御指名がありましたので、まず私のほうから簡単に御説明申し上げます。
 お配りした資料についての御説明に入る前に、SDGs実施指針とは何かについて手短に御説明申し上げます。
 政府では、SDGsの達成に向け、総理を本部長、長官房長官及び外務大臣を副本部長として、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部を現行SDGsが立ち上がった直後の2016年に設置しております。
 SDGs推進本部では、まずSDGsを達成するための中長期的な国家戦略としてSDGs実施指針を策定することになっております。最初に2016年に作成いたしまして、その後、2019年に1回目の改定を行い、先月2023年12月に2回目の改定を行っております。
 今、投映をさせていただいているスライドは、初版、2019年版、2023年版を比較したものであります。細かくは申し上げませんけれども、この4年間で国際社会をめぐる環境は大きく変容していることを踏まえて、今回は初版、2019年版とは異なる大きな改定を行っております。
 次のスライドをお願いいたします。
 SDGs実施指針改定版の中身についてでございます。最初に、改定の趣旨として、我が国として人口減少や少子高齢化が加速する中で、SDGs達成に向けた取組を強化・加速するとともに、国際社会に最も効果的な形でさらに貢献していく必要がある旨、全体の趣旨として記述をしております。
 次に、現在の状況の分析として、日本の国内におけるSDGsの浸透及び取組の進展、直面する課題、国際社会における状況等について記述をしてございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 先ほど申し上げた、現在、我が国と国際社会がそれぞれ直面している課題等を踏まえた上で、実施に当たっての指針として5つの重点項目を掲げております。
 なお、今回の改定に際してはパブリックコメントを実施し、国民の皆様から広く御意見を募集してございます。その結果、119件の御意見が提出され、500を超える御指摘がありました。ジェンダー関連が最も多く、全体の2割近くを占めてございます。
 SDGs実施指針改定版についても、こうしたプロセスの中でいろいろな御意見を踏まえまして改定をしております。特に、「誰一人取り残さない」包摂社会の実現に向けて、人権の尊重、ジェンダーの平等は全ての目標において横断的に実現されるべきこと、これを十分に留意する、全ての目的に対して横断的に実現すべきものという点をしっかりと強調するような記述にしております。
 SDGs実施指針改定版の構成は先ほど御説明申し上げたとおりですけれども、この中でのジェンダー平等に係る記載について、次のスライドで御説明申し上げます。
 こちらにあるとおり、先ほども少し御紹介がありましたが、本文においては、直面する課題の一つとして、ジェンダー平等について記述をしております。OECDによる報告書で、OECD諸国の平均との比較において、ジェンダー平等に係る目標について課題があると指摘をされていることなどを掲げております。
 その上で、実施に当たっての取組として、女性登用の加速化を含む女性の活躍と経済成長の好循環の実現等を通じて、持続可能な経済・社会の実現につなげていくことを記述しております。
 また、かかる取組を進めるに当たっては、これまでのSDGs実施指針で強調されてきたとおり、人権の尊重とジェンダー平等は全ての目標において横断的に実現されるべきものであること、これに十分注意をする旨の記述をしております。
 次のスライドをお願いいたします。
 国際社会との連携・協働の取組として、女性・子供・若者の能力強化や紛争・災害下の教育機会の確保の観点も踏まえ、引き続き教育分野における取組を強力に推進することや、先ほど御指摘もありましたけれども、「女性・平和・安全保障(WPS)に関する行動計画」を踏まえ、WPSアジェンダの推進に向けた取組を強化する点についてもしっかりと記述をしてございます。
 また、別紙の形にはなりますが、多様なステークホルダー一つ一つについて期待される役割という項目がございます。その中での記述として、今回改定されたSDGs実施指針ではジェンダーという項目立てをしております。前回までのSDGs実施指針においてはジェンダーという項目はなかったわけでありますけれども、今回新たにジェンダーという項目を作りました。その中で、人権の保護、ジェンダー平等の実現、女性・女児のエンパワーメントを含め、SDGsの全ての目標の達成に向けた取組において、多様なステークホルダーがジェンダーの観点を共有することが重要であるということをしっかりと明記をしてございます。
 以上が、SDGs実施指針改定版の概要、そして、ジェンダー平等の全体の中での位置づけについての御説明でございます。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 では、続けて古本室長から資料2について御説明をお願いします。

○古本女性参画推進室長 外務省女性参画推進室長をしております古本です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 画面のほうは、私からパワポをアップさせていただきますので、少々お待ちください。
 それでは始めさせていただきます。ちょっと段取りが手間取ってしまいまして大変失礼いたしました。
 本日、私からは、ジェンダーに関する国際的な議論の中でも、特に最近、外務省が上川大臣の下、非常に力を入れております、「女性・平和・安全保障(WPS)に関する我が国の取組」ということで簡単に御説明をさせていただきます。
 そもそもWPSとは何かということでございます。これについては御承知の方もいらっしゃるかと思いますが、WPSというのは2000年にできました国連安全保障理事会の決議第1325号に基づいて形づくられている概念。そして、その後も関連の安保理決議が9本できておりまして、2019年まで合計10本の決議が採択されております。これらを総称して「WPSアジェンダ」などと呼んでおります。
 どういった特徴があるかといいますと、WPSの決議ができてくるまでは、単純に申し上げますと、女性・女児が支援・保護の対象としてのみ位置づけられていた中で、平和構築とか和平といった活動の中で、女性が参画することによってより効果が高まる、要するに女性の積極的な役割を認識し、位置づけたもの、それがWPSの決議になります。
 これが画期的な変革であったということで、その後も国際社会、特にジェンダーの分野で何度も取り上げられてきておりまして、今でも安全保障理事会では毎年10月にWPSに関する議論が行われるなど、WPSというものについては、もう四半世紀がたとうとしておりますけれども、ずっと引き続き展開されてきているというものになります。
 WPSについては、各国が行動計画を定めることになっております。日本の場合は2015年に第1次行動計画を策定いたしました。2019年に第2次、昨年の4月に第3次行動計画を策定し、今は第3次行動計画の実施中という状況になります。
 主な特徴ですけれども、5本の柱から成っております。WPSのそもそもの概念である女性の参画をうたったのがまず第1の柱。そして、性的及びジェンダーに基づく暴力への対応と防止が第2の柱。第3で、防災・災害対応、気候変動に関する女性の参画とジェンダーの主流化。ここが特に日本の行動計画では特徴的なものとされております。WPSというのは、紛争・平和構築の分野に関するものが主体とはされておりますけれども、日本は災害経験から、特に防災・災害対応に関するものを国別の行動計画に読み込んでいるというものになります。そして、4番は国内のWPSの促進のための取組。5番がモニタリング・評価になります。
 上川大臣は大臣に着任されてから、WPSを非常に熱心に推進してきております。大臣就任直後の国連ハイレベルウィークの際においては、ここの一番上にございますが、女性・平和・リーダーシップシンポジウムをはじめ、また、フォーカルポイント・ネットワーク ハイレベル・サイドイベント、これは閣僚級の会合になりますが、これにも出席されました。また、10月、11月、12月とそれぞれWPSに関するイベントなり、対話というものを開催してきております。
 また、先般報道にもありましたとおり、年明けの欧州訪問、米国への訪問においても、ウクライナの訪問も含めてWPSというものを非常に強く意識した議論なり意見聴取を行ってきておりまして、これからもWPSを念頭に置いた外交を展開していきたいということを大臣が強く思っているということであります。
 一つの例としてWPSの取組で特に挙げさせていただいておりますが、これは年末に行われましたWPSに関するパネルディスカッションです。12月13日に国連大学のほうで、午後2時40分から16時ということで1時間半にわたってWPSに関するパネルディスカッションを開催しました。
 第1部、第2部と分かれて開催しましたが、まず第1部では、WPSの行動計画について発表しつつ、日本においてWPSに関係する活動を行ってきている方々からその経験を聴取するということで、笹川平和財団、防衛省、JICA、NPO、元自衛官の方、そういった方々からこれまでの取組を聞き、さらに第2部で、この機に訪日されていらっしゃったバービアさんというジョージタウンのWPS研究所の所長、この方はWPSの世界的な権威として有名な方ですが、あとはUN Womenのアフリカの所長、在京のオーストラリア大使館の首席公使、そして、WPSの評価委員会の委員長をしている目黒上智大学名誉教授、この4人の方が登壇されてパネルディスカッションを行いました。
 詳細は時間がないために割愛させていただきますが、幾つか簡単に申し上げますと、特に気候変動なんかについて、日本の行動計画とも合致しますけれども、これは安全保障の問題であって、そういった文脈の中でもジェンダーの問題に取り組んでいく必要があるということは強く出てきたということがございますし、また、アフリカの経験から、やはり女性が和平プロセスに参加することがいかに重要であるかということが改めて提起されたということがございました。
 WPSについては以上になります。今日はどうもありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいま説明があった内容を踏まえて、今後、国内の各ステークホルダーがどのように対応していくべきかを中心に議論を行いたいと思います。
 御意見のある方は挙手をお願いしたいのですけれども、石黒委員が早めに退出とお聞きしていますので、まず石黒委員、何かありますでしょうか。

○石黒委員 ありがとうございます。
 申し訳ありません。後半は出られないので、私のほうから特に前半部分の今の観点からお話をしたいと思います。
 私からは、国際的な取組というと今のSDGsなどですけれども、企業においてはこれがESGという形で投資家とのコミュニケーションが今実施されています。後半の女性の管理職割合などとも共通しますので、企業の取組という意味での状況を幾つかお話ししたいと思います。
 後半の女性の管理職割合にも共通するのですが、私は10年ぐらい幾つかの企業の取締役をやっているのですけれども、企業はこれだけ全部ジェンダーのことを、ばらつきはあるものの、ここ数年、非常に熱心になってきたと思います。
 株式市場では、ISSとかグラスルイスなどの欧米の議決権行使助言会社というものがあり、この方針に基づいて各機関投資家、海外と国内大手が各社で企業の取組状態のモニタリングをしながらいろいろな意見を言ってくるのですね。海外投資家も、実は日本のほうがかなり女性の管理職割合は遅れているとは分かっているので、方針的には欧米と比べると緩いのですが、さすがにだんだん強くなっているという状況です。例えば、取締役に女性が1名もいない場合は代表取締役の再任に関してノーの票を入れる、株主総会の前にそういったような意見を出してくる投資家もおります。
 会社側も、機関投資家の持ち分が多い場合にはそういうものは考慮せざるを得ず、そういうものがドライビングフォースとなって、もちろん外からのプレッシャーだけではなく、自ら真摯に取り組んでいる企業も非常に多く見られます。
 一方で、社内の中の女性役員育成のための努力がされているかというと、これもばらつきがあるのですけれども、非常に熱心に、特にプライム市場の大企業はそういった取組をしていると思います。
 私が取締役を拝命している企業の例で話しますと、執行役員の一歩手前の役職に就く女性従業員全員にメンターをつけて、そのメンターは会社の社長と会長の場合もあって、そのコミュニケーションが年間10回以上とか、また、ウーマン・イニシアチブというような女性専門の育成会議のようなものもあって、そこで自分のキャリアとか自分の部門の成長戦略をプレゼンテーションさせて、外部取締役を含めたアドバイザリーが助言を行っていくというようなリーダーシップ能力の育成みたいな努力もされています。
 私は、この企業の役員をしていて以来、役員の人たちがジェンダーバイアスを持っていると感じたことは本当に一度もなくて、つまりやっている企業はあるということで、一方でまだまだという会社もたくさんあると思います。
 ちょっと長くなりますので、私は意見書を提出させてもらいますので、あとはその意見書をご覧いただきたいと思いますが、1点だけ、統合報告書に男女の賃金格差というか、男女の賃金の平均を書く欄があるのですね。これは恐らく、内閣府か経産省かどちらかが、もう公式が決まっていて、そこに当てはめて書くと会社全体の平均の格差になってしまうのですね。つまり、役職で女性がいないので賃金格差になるのですね。それはもちろん欄外には書けるのですけれども、これは外人投資家が見ると、そこの部分だけを見て、日本はこんなに賃金格差があるのかというふうに見えてしまうのですね。
 これは困るということを私が申し上げると、これは公式が決まっているので仕方がないので、欄外にこれはポジションにより違いがあると書いていますとおっしゃるのですけれども、外人の投資家、それから取締役から、最初直感的に見て、もう全然違うではないか、何をやっているんだというようなことになってしまっているので、そこはと書きっぷりが決められてしまっているということなので、一度考慮していただいたほうがいいのではないかなと思っています。
 以上で、あとは意見書をご覧いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、これからまた御意見、御質問、特に外交、SDGs関係に関しまして御意見がある方は挙手をお願いできますでしょうか。
 大崎委員、よろしくお願いします。

○大崎委員 ありがとうございます。
 今日は、御報告、ありがとうございました。
 北京行動綱領や女性差別撤廃条約などの国際的な合意事項、国際的な基準を日本の法律や政策に落とし込んでいくというのは、非常に重要な日本の男女共同参画政策における一つのテーマだと思うのですけれども、これまでのこの専門調査会を含む政府の男女共同参画に関連した議論では、国内と国際を分けて見てきたようなところがあったかと思います。でも、ここに来て、特にSDGs以降、国際的な合意事項を国内施策にしっかり落とし込んでいくことに関しての関心は至るところで高まっていますし、この専門調査会でもこのように外務省さんから御報告いただいたたり、それから、昨年の女性版骨太の方針にはWPSがしっかりと明記されたり、このように国内と国際を連動させていくというような流れになっているというのは非常に喜ばしいと思っております。
 何点かお聞きしたいこともあります。まずはSDGsの実施指針に関してです。ジェンダーがいろいろ入ったのは非常に大事だと思います。先ほどの御報告の中で、パブコメの中にジェンダーに関することが一番多かったとおっしゃっていました。それは大変すばらしいことだと思うのですが、逆に言えば、原案にジェンダー視点が欠けていた、非常に弱かったということかと思います。
 このテーマは、市民社会組織、女性団体からのインプットは非常に重要ですが、ほかの国はその重要性が分かっているので、こうした政策文書をつくるときには、女性団体、ジェンダーに関連した取組を行っているNPOなどの市民社会組織との対話であるとか、聴き取りであるとか、有識者委員会にそういった視点を持った人を入れる、専門性を持った人を入れるとか、そういったことがかなり普通に行われていると思うのですが、日本に関してはまだそうではないのかなと思いました。
 やはり、これからは文書をドラフトする段階で、最初からジェンダーの視点が入っていることが重要だと思いますので、省内でのジェンダー主流化を進めていっていただきたいなと思います。
 上川大臣が着任されてからすぐに、WPSの重要性やジェンダーの重要性を事あるごとにおっしゃっています。そういったことが省内でのジェンダーの視点の重要性に対する理解や優先順位の向上にこれから寄与していくのかなと思っています。
 私がお聞きしたいのは、ステークホルダーというところでのジェンダーについて御報告いただいたのですが、これが具体的にどういったことを意味しているのかということを教えていただきたいです。それが質問です。
 もう一つは、期待したいことなのですけれども、若年世代のエンゲージメント、ビジネスと人権、気候変動とジェンダー、それからWPS、特に自然災害とジェンダーというところは国内の施策でも重要なものとなっています。例えばビジネスと人権に関しては、日本の国内では経産省さんがリードされていますが、国連の人権基準というものが何なのかというようなことを、そういった会議に長年出席されてきているのは外務省さんですから、人権の国際基準とビジネスがどう連動するのかということも含めて、やはり一番知見を持っておられるのは外務省さんだと思うのです。
 ほかにも先ほど申し上げたようなテーマにおける知見をいかに日本の国内の施策に生かしていただけるのかというところで、内閣府男女局の皆さんのお力も必要なのだと思うのですけれども、外務省が持っている経験・知見をしっかりと日本の国内施策にも反映できるような政策議論の在り方といいますか、プロセスの在り方を検討していただきたいと思います。
 以上です。

○山田会長 大崎委員、ありがとうございました。
 ほかにありませんでしょうか。御質問、コメントでも結構ですけれども、挙手をお願いできればと思います。

○大崎委員 もう一つ、すみません。
 先ほど古本室長からもありましたけれども、WPS、日本の行動計画の特徴は自然災害が入っているということです。特に東日本大震災を含む過去の大規模自然災害の経験・教訓が行動計画に反映されているのですが、今また能登半島でこのような大震災、そして津波がございました。国レベルではガイドラインができたり、研修プログラムができたり、大変すばらしいのですが、それが地方自治体に浸透していないということがまた明らかになっていると思います。
 これは古本さんに対してではないのですけれども、自然災害が行動計画に入っているというのは国際的には非常に高く評価されているので、それを今後も国としていろいろなところで発信していくに当たっては、国レベルにとどまらずに、いかに自治体、地域社会にまでジェンダーの視点がある施策、備えというものを浸透させていくのかということもしっかりとこの専門調査会で議論すべきではないかと思います。

○山田会長 ありがとうございました。
 ほかにありませんでしょうか。
 内藤委員、お願いいたします。

○内藤委員 SDGsについて、少しだけ意見を申し上げさせていただきます。
 徳島市は今、内閣府がやられているSDGs未来都市に選定されているのですけれども、SDGs未来都市は地方自治体が応募するもので、基本的には環境・社会・経済の3側面について地方自治体としてどういうことをやっていくかということを内閣府のほうに宣言というか、こういう計画がありますということを言っていくのですけれども、徳島市は私が市長に就任したこともあって、ジェンダー、ダイバーシティ、パートナーシップ、そういったことも含めてプレゼンをさせていただいたのですが、そのときに経済がちょっと弱いよねというお話もいただいたのですが、私はジェンダーとかダイバーシティという視点はSDGs未来都市という部分に対してすごく重要なものだと思っていますし、地方自治体がそういうことを認識していくことが日本全体としてSDGsを推進していくためにはすごく必要なものだと思っておりますので、SDGs未来都市というものをまた30自治体ずつぐらいずっと選定をしていくのであれば、そういった側面も明記をしていただけると、自治体のほうでもそういったことを認識した上でいろいろな計画を立てていくのではないかと思いましたので、御参考までにお話をさせていただきました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにありませんでしょうか。
 特にありませんでしたら、今までの御意見、御質問等に関して、お答えできる範囲で結構ですので、外務省のほうから何かありますでしょうか。

○有馬地球規模課題総括課長 外務省の有馬でございます。
 大崎委員、内藤委員、ありがとうございました。
 簡単に申し上げさせていただきますと、SDGsの作成のプロセスにおいて、SDGs推進円卓会議というのがございまして、その中に市民社会の方々を含めて様々なステークホルダーの方々にお入りいただくような形で、議論を重ねながらつくってきたというプロセスであり、15名おられますけれども、市民社会から来られている方が、そういう分類分けは難しいところがありますけれども、8~9名の方々は市民社会を代表されて来られていて、15名のうち8名は女性の方々で構成されております。
 その中でいろいろ議論を重ねながら作りました上でパブコメにかけ、さらに様々な意見をいただきながら、できるだけたくさんの方々の実感に近いものを作り上げていくというプロセスを半年近くやってきております。
 パブコメで女性に関する御意見をたくさんいただいたということ自体が原案が遅れているということを示しているという御指摘は、パブコメというものの位置づけを含め、なかなか厳しい御指摘として受け止めさせていただきますが、引き続き、今回の御指摘も踏まえながらプロセス全体の反省も踏まえて引き続きしっかりやっていきたいということかと思っております。
 それから、ステークホルダーのところにジェンダーが新しく加わったことの意味ですが、ステークホルダーの部分については、もともとこれは政府自身の実施指針でございまして、当然ですが、ステークホルダーを含む国民の方々に政府がこういう施策をこういう考え方に基づいてしていくということを述べている文書でございますので、基本的には様々なステークホルダーの方々に政府の立場からああせよこうせよと言う立場にもちろんないわけですが、同時に、これまでの実施指針の中でも、政府に限らず、日本国が一丸となって物事を進めていくという観点から、ステークホルダーの方々に期待される役割として、あるいはその分野についてどのような取組が政府主導を超えて社会全体として取り組んでいかなければいけないかというようなことをあえて触れさせていただくこととしてきており、今回もそのようなものとして書いております。
 したがって、ジェンダーと書かれているところは、若干整理学の問題はありますけれども、国連のメジャーグループにもジェンダーがありますので、それに倣うような形で1つ立てて、ジェンダーについていろいろな各ステークホルダーが期待されている役割はこういうことであるということを明記させていただいたということです。
 それから、大崎委員からは、外交的な議論、国際的な議論をしっかり国内にも流し込んでいくという面においての外務省の役割の重要性ということも御指摘をいただいたと理解をしております。まさにおっしゃるとおりでございまして、今回の実施指針を作るプロセスにおいても、先ほど1回目、2回目のものと3回目のものが随分考え方が違う、大きく変えたということを申し上げましたけれども、今回、新しい資本主義という成長戦略、社会・経済・持続可能性ということがキーワードになっている我々自身の戦略と、国際社会全体における持続的な発展をめぐる取組というこの二つを一つ文書の中で、しっかりと連携をするような形での記述は、多分政府の文書としては今回初めてということなのだと思います。
 まさに、私どもといたしましても、SDGsは、ジェンダーの問題も含めまして、国内の成長戦略と国際社会全体の持続可能性を確保するという取組がまさに裏表の形で進められていくべきものという考えを極めて強くしておりまして、今後、実施指針も含めて、2030年、さらに2030年を超えていろいろな取組が行われていく中で、今御指摘いただいたような視点を念頭に置きながら、しっかり頑張っていきたいと思っております。
 それから、内藤委員から地方自治体の取組、地方自治体発でのジェンダー、ダイバーシティの取組を国全体の方向性の中にもう少し流れとして生かしていくべきというような御指摘があったかと理解をしておりますが、SDGsの今回の実施指針においても、まさにいろいろな方からお話をお聞きする中で、地方での取組と、我が国としてのSDGsの推進の関連について、1行半だけ読み上げさせていただきますが、「地方レベルにおけるSDGsの幅広い浸透と推進は我が国における大きな特色となっている」と書いてございます。
 先ほど申し上げた推進円卓会議の中でも指摘がございましたけれども、諸外国と比較した上での我が国のSDGsの推進の大きな特色として、先ほど未来都市の話をいただきましたけれども、まさに地方の方々、現場の方々が率先して地方創生の旗印として広く位置づけて取り組んでおられるということは極めて大きな特色となっているというような実感がございますし、まさに表現を今申し上げたような形で実施指針の中にも書いてございます。
 その中において、内藤委員がおっしゃるとおり、ジェンダー、ダイバーシティの話を未来都市構想の中にしっかり入れ込んでいくという御視点は、私は今お聞きしまして改めて重要だと思いますので、内閣の担当部局とも、今いただいたお話を踏まえてしっかりやり取りしながら取り組んでいきたいと思っております。
 簡単でございますが、以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 ほかになければ、ここで議題(1)「国際的な取組を踏まえた国の対応について」の意見交換を終了いたしたいと思います。よろしいでしょうか。

○大森総務課長 事務局のほうから発表させていただきます。男女局総務課長でございます。
 先ほど大崎委員からお話のあった、WPS、能登の地震の関係でございますけれども、国内自治体に届いているのかという点でございます。
 これに関しては、発災当日に被災自治体に対して御指摘のガイドラインを含めた取組を行うよう自治体に要請するとともに、要請だけではなくて、政府で男女共同参画を担当する職員を派遣して、避難所支援に入る自治体の職員の方に対して現場で活用できるチェックシートを説明したり、避難所における物資の環境に関しても男女共同参画の視点が入るように様々な調整させていただいているところでございます。
 現在、自治体へ趣旨が届くかどうかという点についても、オンゴーイングでやっておることでございますので、現在やっている対応がまとまれば、個別に御説明するか、専門調査会で御説明するのか、それは後の話になりますけれども、また御説明していきたいと思います。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。

○大崎委員 今の課長がお答えいただいたことに関して、ちょっといいですか。
 どうもありがとうございました。男女局からも職員の方を派遣してくださっているというのは大変すばらしいことだと思います。しかも、男女局のほうで、ガイドラインとか研修を実行しているか、していないかというデータも、各自治体について取っていただいています。それもすばらしいと思います。
 実際に、やっていないという自治体が物すごく多いという実態が分かっていますので、今回起こったときに、多分そこもやってなかったと思いますから、このように職員の方を派遣してくださるというのは大変すばらしいと思いますので、もう少したってから、実態がどうだったかということはぜひまたこの専門調査会でも御報告いただいて、今後の施策、特に自治体レベルで浸透させていく上にはどういうことが必要なのかといったこともこの場で議論できるといいかと思います。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。古本室長、お願いいたします。

○古本女性参画推進室長 先ほど有馬のほうからもお答えいたしましたけれども、特に人権フォーラムに関する議論について、国内にも外務省にはフォーカルポイントとして知見があるのだから生かしていくべきであるという御指摘について、私のほうからも少しだけ補足をさせていただければと思います。
 例えば、先ほど発表させていただきましたWPSについてですけれども、これもまさに外務省が、例えばWPSについてはフォーカルポイント・ネットワークというものがありまして、国連、UN Womenを事務局として様々な議論が動いておりますけれども、例えばそういうWPSを動かすに当たっても、昨年の年末にも関係省庁との連絡会議みたいなものを開催して、今どういったことが議論になっているか、関係省庁ではどういった取組が行われるのか、行われ得るのかみたいな情報共有はしておりますし、そもそも第3次の行動計画をつくったときにも市民社会の皆様との対話というセッションを設けさせていただいたということがございます。
 人権フォーラムというのは、まさに御指摘のとおり外務省だけで完結するような話題ではなくて、様々な分野が関わってくるものですから、例えばこれから3月に行われる女性の分野での人権フォーラムであるCSWというのがありますけれども、こういったフォーラムにも伝統的に関係省庁が一緒になって日本の代表団を組んで、できるだけ議論を日本政府全体として漏らさないようにというように心がけてきているところではあります。
 ただ、そうは言いながらも、このように御指摘をいただいているということは、まだまだ外務省も関係省庁との情報共有、もしくは日本の国内、地方自治体へのさらなる浸透などの面でさらに課題があるということと私も理解しておりますので、今回の御指摘もしっかりと受け止めつつ、これからも頑張って取り組んでいきたいと思います。どうもありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、これで「国際的な取組を踏まえた我が国の対応について」の意見交換を終了したいと思います。
 ここで5分ほど休憩時間としたいと思いますので、今3時間50分ですので、55分をめどに再開いたしたいと思います。よろしくお願いします。

(休  憩)

○山田会長 皆様、お戻りと思いますので、これから続きをさせていただきます。
 それでは、続きまして議事に入りたいと思います。議題(2)「企業における女性の採用・育成の強化について」です。
 厚生労働省の安藤雇用機会均等課長より、資料4の説明をお願いいたします。

○安藤雇用機会均等課長 厚生労働省雇用環境・均等局の雇用機会均等課長の安藤でございます。本日はこうした機会をいただきましてありがとうございます。
 まず、資料を共有させていただきます。
 本日は、女性の採用・育成の強化ということでお題をいただいております。こちらのほうにつきまして、私どもは先生方御承知のとおり女性活躍推進法というものをツールに取り組んでおるところでございますので、女性活躍推進に係る取組というような形で御説明を差し上げたいと思っております。
 まず、表紙をめくりまして1ページ目でございます。
 こちらの法律の枠組みにつきましては、最後の参考資料のほうにつけておりますが、行動計画をつくっていただく、今、101人以上雇用されている企業においては義務づけという形になっております。そこにつきましては、行動計画についてはその旨を都道府県労働局長に提出していただくという立てつけになっておりますが、行動計画の策定・届出率は全国で98.4%という形になっております。ですので、義務づけの企業さんではもう既に行動計画をつくっていただいていると御認識していただければと思います。
 2つ目のところでございます。こちらの女性活躍推進法につきましては、女性活躍の状況に応じて優良な企業に対しては認定をしております。そちらに書いています「えるぼし認定」というような形で、通常のえるぼしですと3段階、それに加えて、令和元年の法改正で「プラチナえるぼし」を追加させていただいて、この4つ全部が全国で2,403社、特にプラチナについては43社というような形になっておるところでございます。
 これは、いろいろな企業さんにお伺いすると、全ての要件を満たすのがなかなか難しいのですよねといったお話で、例えば大企業さんの悩みとしては、やはり管理職の比率のところがネックになるので3段階目になかなか行きづらいとか、プラチナが取りづらいといったお声を聞く一方で、中小の企業さんは、トップの方が女性活躍ということについて御関心を持たれて会社の方針とされている場合は、比較的プラチナえるぼしを取っていただいているという傾向も見えているのかなと思っております。
 この辺については、後ほど説明いたしますけれども、いろいろなツールを使ってこういったものを取っていただき、これを各会社で名刺とか求人票に表示をしていただくことによって、求職者へのアピールということを通じて、人手不足というのが今言われておりますので、そうした中でぜひ優秀な人材の獲得のツールとしても活用できるといったようなメリットも含めて周知をしていかないといけないと考えておるところでございます。
 3点目、女性活躍データベースの掲載状況となっております。現在、データベースの掲載数につきましては、2万8922社については女性活躍の状況を公表していただいておりまして、行動計画については3万9561社の企業において公表していただいているという状況でございます。
 こちらから、令和6年度の予算案に盛り込まれている事業についての御紹介でございます。まず、こちらのほうは、先ほど最後に御説明いたしました女性活躍推進のデータベースの経費というような形で1.8億円お願いしておるところでございます。特に、男女間賃金差異の公表というのが令和4年7月から始まっておりますけれども、そういったものにも活用していただいておりまして、今、男女間賃金差異については説明欄の活用を推奨しておりまして、どういう形で男女間賃金差異が起きているのかということを分析しながらやっていただいているということでございます。
 次に、民間企業における女性活躍促進事業という形で、1点目は、例えば男女間賃金差異の手順とかについて、個別訪問・コンサルティングをやるというのが一つの事業の柱となっております。もう一つの事業の柱としてはL字カーブの解消という形で、学生さん向けの啓発事業、あと、アンコンシャス・バイアスの啓発事業という形で意識面の事業もやらせていただいております。こちらのほうも令和6年度については1.9億円という形になっております。
 次に、当然ながら女性の方が健康で継続して就業していただくことが重要でございますので、健康面の事業として母性健康管理等推進支援事業をやっております。こちらのほうにつきましても、私どものほうで母性健康管理等に関する周知啓発の専用サイトをつくっております。実際は令和5年度から取り組んでいるのですけれども、母性健康管理だけではなくて、例えば生理休暇などの健康課題についても少し深掘りしたような形で特集のページをつくるなど、もう少しプラスアルファのところを掲載面で非常に努力をさせていただいているというものでございます。
 次に、当然ながらこれは男性、女性にかかわらず、安心して働ける職場環境づくりが重要でございます。そうした観点で、総合的ハラスメント防止対策事業という形で、令和6年度の当初予算案におきましては6.7億円というような形でお願いをさせていただいておるところでございます。具体的な内容といたしましては、例えば、都道府県労働局の経費や、個別の委託事業、周知の委託事業だとか、もろもろ合わせた形でやらせていただいておるものでございます。
 最近の話題としては、就活ハラスメントに加えてカスタマーハラスメント、この辺について、例えば、令和5年度にシンポジウムを開催するなどの対応をさせていただいておるところでございます。また、カスタマーハラスメントのメール相談等といったこと。あと、令和6年度においては、業種別のカスタマーハラスメントの取組支援というような形で、業種別のハラスメントの手引みたいなものを最終ゴールに、それぞれの業界で活用していただき、また業界団体等を通じて個別の企業さんで見ていただけるようなものをつくってまいりたいと考えておるところでございます。
 最後に、こちらは経産省さんからお話があろうかと思いますけれども、一言だけ申し上げると、冒頭申し上げたとおり、えるぼしというものに引っかけた形で今回拡充が認められたという形で、次期通常国会において所要の税制の法案が通りましたらこういった形のメリットができますので、こういったメリットがあるということも踏まえて、えるぼしの普及・啓発に努めたいと考えております。
 あと、参考資料でございますが、それぞれ現状とか法律の概要ですので説明は割愛いたしますが、また意見交換等で先生方の御意見を聞かせていただければと思います。
 本日は貴重な機会をありがとうございます。
○山田会長 ありがとうございました。
 続いて、経済産業省の相馬経済社会政策室長より、資料5の説明をお願いいたします。

○相馬経済社会政策室長 経済産業省経済社会政策室長、相馬と申します。
 資料の投映をいたします。
 時間に限りもありますのと、資料に関連する政策を全般的に記載しておるのですが、既に御説明済みのものもございますので、ポイントを絞って御説明をさせていただきたいと思います。
 こちらは、なでしこ銘柄になりますが、こちらは以前にも御紹介しておりますので全般的な説明はいたしませんが、今年から、女性の企業での活躍に非常に重要と思われる「共働き・共育て」という点を拡充した審査を行って、3月に公表の予定になっております。
 3ページ目、女性リーダーの育成ですが、こちらも8期目になりますが、従来より取り組んでいる内容になっております。
 賃上げ税制ですが、先ほど厚生労働省のほうからもございましたが、来年度の税制改正で女性活躍とか子育ての両立といったところを積極的に行っている企業に対して、賃上げを実施した場合の上乗せの税制を今準備しているところになります。
 次に、経済産業省の補助金についてです。こちらも、くるみんとかえるぼしといった、女性活躍、子育て支援に積極的な企業につきましては、補助金の際に加点をするというような取組を始めております。
 メンタリングについてですけれども、女性がよくメンターがいないとかロールモデルがいないというようなお話がありますが、そちらに対して昨年度事業を行ったものになります。
 今年度は、事業自体は行っていないのですが、次のページから、企業が我々のメンタリングを通じてできたネットワークを使って自主的なメンタリングのプログラムを始めたりしている事例を載せておりますので、こちらも御参照ください。
 また、中小企業といったところにも活用いただける、女性を含めた多様性の診断ツールとかリーフレットも公表しまして、こちらの周知啓発活動は引き続き行っているものになります。
 最後に、女性が継続的に働き続けるために重要となってくる健康というところにつきまして、数枚のスライドで御説明をさせていただきます。
 こちらは、健康経営に取り組む企業に対して、認定とか銘柄の選定というところを経済産業省として行っております。大企業、中小企業ということでそれなりの数になるのですけれども、その中に、3の下のところに女性の健康課題ということで、評価の項目の中に女性の観点を入れ込んでおります。
 こういったところに入れますと、先ほど中小企業で1万7000、大企業3,500といった数の企業がありましたが、そういったところで項目に入れているというようなこともあるかと思うのですけれども、様々な取組を進めるところも増えてきておりまして、例えば婦人科検診に取り組んでいるといった企業も増えております。
 この評価項目については定期的に見直しを行っておりまして、例えば令和4年度につきましては、女性に対する健康の施策というところの選択肢を広げて、事例のような形で見せたり、いろいろな取組ができるようにというところで改定を行っております。
 また、令和5年度につきましては、女性の健康課題をさらに取り組んでいくということで、従来、選択の項目にしていたものを大企業については必須化する取組を行いまして、企業の中で女性の健康に関する認知向上のための取組と、実際の行動変容を行う取組の両方に取り組んで、初めて認定が受けられるといった改定を行っております。このように、企業に対して女性の健康に関する取組を引き続き促しているものになります。
 経済産業省からの御報告は以上となります。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 本日は、自治体における具体的な取組の事例についても御紹介いただくため、愛知県に御参加いただいております。
 愛知県の朝日男女共同参画推進課長より、資料6の説明をお願いいたします。

○朝日男女共同参画推進課長 愛知県の男女共同参画推進課長の朝日と申します。よろしくお願いします。
 資料を共有させていただきます。
 本日は、愛知県における金融機関と連携した中小企業への働きかけの取組について説明をということでしたので、その辺りについて説明をさせていただきます。
 まず1ページになりますけれども、愛知県では、県内企業の女性活躍促進に向けた取組の一つとして、女性の活躍に取り組む企業を知事が認証するあいち女性輝きカンパニー認証制度を設けております。こうした認証制度につきましてはほかの都道府県でも設けていると承知しておりますけれども、本県では2015年度から制度を設けておりまして、制度の概要はご覧いただいている資料のとおりでございます。
 2ページをお願いいたします。
 近年、その認証数は増えてきておりまして、トータルで1,400社近くになってきておりますけれども、特に2021年度から大きく増えております。認証企業の8割近くが中小企業となっておりまして、業種別では建設業と製造業で認証数の約半分を占めております。
 3ページをお願いいたします。
 近年、認証数が増えてきた要因として大きいのは、本県が実施している女性の活躍プロモーション事業があると考えております。このプロモーション事業につきましては、あいち女性輝きカンパニーの中から、中小企業への働きかけに御協力いただける企業を募集いたしまして委嘱させていただいているものでございますけれども、現在251社にお願いをしておりまして、毎年、資料の右下の写真にありますとおり知事から委嘱状を企業様のほうにはお渡しさせていただいております。
 4ページをお願いいたします。
 このプロモーションリーダーに幾つかの金融機関も御協力いただいておりまして、認証企業が輝きカンパニーを知ったきっかけとしては、金融機関からの紹介が最も多くなっております。現状では、その大部分が名古屋市に本社がある名古屋銀行様の御協力をいただいております。昨年度は、名古屋銀行様の多大な御協力に対しまして知事から感謝状も贈らせていただいております。
 名古屋銀行様では、これまで取引先拡大のための営業におきまして、輝きカンパニーの認証を話のきっかけに活用していただいてきたということでございまして、近年は銀行として取引先企業の健康経営の促進にも力を入れているということで、女性の活躍は内容がリンクする部分も非常に多く、関心を示される企業には輝きカンパニーの認証制度を勧めていただいていると聞いております。
 県といたしましては、こうした取組は大変ありがたく、また効果的であるため、近年は地域の信用金庫様などにも同様の取組をしていただけないか、働きかけをしておりまして、少しずつ効果が出てきているところでございます。
 最後、5ページになりますけれども、中小企業へのこうしたアプローチは、金融機関や民間企業のお力を借りることが、我々役所がやるよりも非常に有効であると考えておりますので、こうした流れを引き続き継続・拡大してまいりたいと考えております。
 説明は以上になります。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、これから委員の皆様からお一人当たり3分以内で御意見、御質問を頂戴できればと思うのですけれども、内藤委員が早めに所用で御退出ということですので、内藤委員からお願いできますでしょうか。

○事務局です。
 内藤委員は既に退出をされております。

○山田会長 申し訳ございませんでした。退出されているということです。
 では、順番にお願いいたしたいと思います。大崎委員、よろしくお願いいたします。

○大崎委員 ありがとうございます。ちょっと後に回していただいてよろしいですか。考えがまとまっていないので、整理します。

○山田会長 分かりました。
 では、小林委員、御準備は大丈夫でしょうか。

○小林委員 ありがとうございます。
 一部のほうで出てきたマミートラックの問題であるとか、男女の賃金格差の問題につながるところなのですが、結局、女性のために何かをしなさいという呼びかけが今は主流のように感じるのですね。だけれども、受入れ側というか、今までの体制がどう変わっていくのか、みんなの意識はどのように変えられるのかということを考えたときに、マミートラック解消がマミートラックという言葉ではなくて、ペアレントトラックみたいな形で、男性も育休をきっちり取っていく、それが当たり前の世の中だというふうにしないと、いつまでたっても賃金格差と言われるようなことがある。
 その意味で、これは厚労省さんに質問になるかもしれませんが、有給について5日間の強制というか義務化ができているわけですから、そうしますと、育休についても子育て重視という問題も含めてある程度義務化ができないのかということは関心を持っているところなので、私自身はそれをやるべきだと思っているのですが、それで例えば国際競争力が落ちるとか何とかという心配は、逆に言えば今までおかしいのだということの認識を持った上で取り組めないのかなと思っていますので、ぜひ厚労省さんに質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 佐々木委員、御準備は大丈夫でしょうか。

○佐々木委員 大丈夫です。
 ちょっとお伺いしたいことが、先ほど母性健康管理というお話が厚生労働省の方からあったと思うのですけれども、ここは母性でなければいけないのか、女性だと駄目なのか。女性の健康でも母になることという生殖系関係に限定されたイメージになるので、変えたほうがいいのではないかなと思いました。一方、経産省からは、不妊の治療は最初女性の健康の設問に入っていたものを、男性も対象になるとのことで「仕事と治療の両立支援」に変更したというお話がありました。。このように、女性だけでなくて、もっとダイバーシティを考えた健康管理というような、男性も女性もマイノリティーの方もいる、そういうところ全部を踏まえた健康管理というところを入れていくのが重要ではないかなと思いました。
 資料を共有させていただきます。
 科学技術分野に関する話題になりますが、我々はよく大学の女性研究者の話をするのですが、企業のほうにいる女性研究者・技術者割合の方が非常に低くなっています。日本全体の女性研究者割合は17.5%とOECDで最下位なのですが、職種別でみると大学のほうはだんだん30%に達してきているのですけれども、企業は12.2%しかありません。絶対数も企業の研究者数のほうが多いので、17.5%という数値は企業の数値にかなり引っ張られています。大学のほうは文科省が担当してくれているのですけれど、企業における女性研究者とか技術者の割合の辺りはどこの省庁が担当して支援してくださっているのかお教えください。
 また、こちらのグラフは2020年の日本の数値ですが、企業はほぼ全部自然科学研究者というと自然科学の人たちばかりなのですが、大学のほうの研究者の中には人文系もいれており、文系を除いて理系だけで補正してしまうと、大学は15.9%に下がります。ちなみに、他の国の値は理系の分野がメインになっています。
 企業が低いのは、日本だけではなくて、どの国でも女性研究者割合は企業がかなり低い、大学より全然低いというのは世界的な傾向です。今、女性の理系の進学者を増やす施策が積極的に行われており、それは企業からの声が大きいと言うのですけれども、果たして企業に入れた後にちゃんとキャリアアップできるような状態があるのか。大学よりも企業のほうが女性研究者・技術者の育成支援体制が遅れているのではないかと思っています。
 また、先ほどの厚生労働省の資料の女性の活躍推進企業データベースの中にはちゃんと技術職の割合を提示する項目がありました。技術職は多分低いはずなので、こういう項目をつけていただくことでそれぞれの会社のデータがちゃんと取れるように工夫をしてくださっていて、ありがたいと思っています。
 さらに、大学も法人であり企業と見なされるので、女性の活躍推進企業データベースも大学も登録するべきなのですが、今登録している数があまり多くありません。また、えるぼしを取得している大学が1か所しかありません。
 公共的な入札にくるみんとかプラチナくるみん、えるぼしとかも関わってくる、あと税制の控除という流れがあります。また、「男女共同参画や人材育成視点に立った競争的研究費制度の整備に係る共通指針」の中にも、研究機関の採択の際にくるみんとかえるぼし等の活用と書いてあるので、ぜひ大学においても女活法を積極的に適用した変革していただけるといいなと思います。
 これは最近知ったのですけれども、女性医師の働き方というのがちょっと特殊な感じでキャリアを継続しにくい環境になっています。理系に女性は進みましょうというと、優秀な成績を持っている女子高生は医学部に行くのですね。そのため、今後ますます女性の医師が増えていくことになります。以前、子供を産んで辞めてしまうからということで医学部入試で点数の補正をされてしまい、女子の入学が不利だったという不正が生じていましたが、その様な不正はなくなり、ちゃんと女性が行きたいところに行けるようになっています。しかし、働く環境が変わっていないと、結局、そこで女性医師が辞めてしまうと医師不足という問題に直面していくと思います。働く環境を変えていかなければいけないというところで、厚生労働省と文科省の取組として、2024年から「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に医師の働き方改革の趣旨や関連する法令に関する講義が入れられるようになったらしいです。これはすばらしい取組だと思います。
 これは医学部だけではなく、今の働き方というのはおかしいのだというのをちゃんと医学部以外の大学の学部の中で一般教育の中に入れてくというのはいいかもしれないと思いました。知らないまま、若い人たちが企業に入社してしまうと、それが当たり前だって思ってしまうので、教育の中に入れていくといいのではないかなと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、白波瀬委員、ありますでしょうか。

○白波瀬委員 よろしくお願いいたします。
 たくさんのデータを見せていただいて大変ありがとうございました。今の御報告について1つあります。
 いろいろな事業が展開されている、いろいろな事業がアウトソーシングのもとで展開されている、ことはわかりました。そこでこれだけの費用を使って展開されているので、その効果について確認したいところです。効果測定というのはまずいつの時点かというのが問題になりますが、やりっ放しではなくて、それを行ってどうなったのかという点が重要です。その効果というのは、実際にどういう形のどの時点のということも考慮しなければなりません。効果というかたちで見えにくいところがあることも理解できますが、実施をされたらそれによってどんな兆しがみえているのか、を捉えることは重要だと思います。実際に若い女性がどれぐらい使っていて、どれだけ参考になったのか、アンコンシャス・バイアスがどれくらい変わったのかをみるのはなかなか難しいとは思いますが、少なくとも状況報告(ある時点ではまだ効果としてはみえない、とか含め)スピーディーにお教えいただけると大変ありがたいと思います。
 あと1点だけなのですけれども、ここでの議論は、前のデータもそうですけれども、マクロなところの話とミクロなところの個人の処遇や経歴がどうなったか、という話が若干ごっちゃになっている。ですから、データをたくさん見せてもらうのはありがたいのですけれども、何に対する(対象)についてのデータなのか、ということをもう少し整理して見せていただけると、わかやすく、各省庁がそれぞれの対策を検討する際にも活用しやすいのではないか、という印象を持ちました。以上、ここでの質問は、評価というか、効果の話です。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、山本委員、ありますでしょうか。

○山本委員 ありがとうございます。慶應大学の山本でございます。
 いろいろ御説明をいただいて、女性活躍推進法の下での施策や、様々な表彰とか、とても大事なことだと思うのですけれども、女性登用が進まない根本的な理由の一つに、私はやはり日本的雇用慣行の下での働き方というのがあると思います。そこを変えていかないと、根本的には変わっていきにくいのかなと思っています。つまり、女性に特化するというよりは男性の働き方を変えることが大事で、それを進めていくような施策が求められる。もう既にされていますけれども、さらに進めることが大事だと感じています。
 働き方という意味では、やはり長時間労働の是正というところで、長時間労働というのは女性登用の大きな障壁になると思います。
 それと、御説明いただいた資料1の15ページのマミートラックを脱出できた理由で、必要なときに残業ができるようにしたという答えが一番多かったというのが、かなり今の日本の女性雇用の問題点を象徴しているなと思うのです。つまり、残業ができる人が登用されるというのが今の姿になっている。そうではなくて、残業は必要がないから性別によらず誰でも登用されるというような姿を目指すべきだと思うのですね。残業が前提になっていると、そもそも女性が正規雇用や、あるいは管理職や上のポジションを目指さない。希望しなくなってしまうので、そこは是正していく必要があろうかと思います。
 そういう意味では、働き方改革関連法が施行されて、またコロナの影響もあって、残業時間そのものは日本でかなり短くはなったのですけれども、長時間労働者比率を国際比較すると、日本ではまだまだ男性を中心に高いのですね。日本の中で見ると、企業規模によって違っていて、中小企業、特に100人未満の企業で長時間労働者比率が高くなっているので、そこを変えていく必要もあろうかと思います。
 そういう意味では、私はさらなる長時間労働の是正の取組が必要だと思っていまして、働き方改革関連法が施行されてもう5年になろうとしています。この4月からは一部の職種にあった適用猶予がなくなるので、そういう意味ではそろそろ次のさらなる例えば残業の上限規制の強化というところを検討してもいいのかなと思っています。
 それだけではなくて、柔軟な働き方の推進なども大事ですし、多様な人材が活用できるような働き方改革もさらに進めていく必要がある。その中でも、働き方改革関連法では努力義務にとどまっている勤務間インターバル制度の義務化もそろそろ本格的に検討したほうがいいのではないかなと思います。それによって残業時間は短くなりますし、たとえ短期的に残業をしても、健康に支障が生じないような休息が取れるということで、働きやすさが増すのなと思います。
 それから、働き方という意味では、日本的雇用慣行はメンバーシップ型と言われていますけれども、長期雇用の下で育成をしていって、いろいろな業務を行う人が評価されてしまうので、今、それを改めて、ジョブ型雇用を増やすべきだというような流れが出てきていますので、そちらのほうが女性活躍推進には親和的だと思いますので、そこを後押しするようなことを男女共同参画の政策として行うことも大事なのかなと思っています。
 最後に、経産省さんの御説明で、企業横断的なメンタリングプログラムを御紹介されていましたけれども、特に中小企業でノウハウがないので、企業横断的な取組を行うことはとても有用だと思うのですけれども、先ほどの資料では大企業の企業横断が例として出ていたと思うのですけれども、中小企業にもそこを広めていくような施策はされているのかということを質問させていただければと思います。
 以上になります。

○山田会長 ありがとうございます。
 大崎委員、よろしいでしょうか。

○大崎委員 ありがとうございます。
 えるぼし認定制度に関してです。これから、税制上、それから公共調達とか補助金でメリットを拡充していくということですので、私も白波瀬委員と同様に、いま一度この認定制度の効果をしっかりと検証していただきたいなと思っております。
 まずは、何をもって女性が活躍できる環境としているのかということと、それをどのような指標で測るのかということを見直していただくいい機会ではないかなと思います。
 えるぼしとかくるみんは、企業はみんな一生懸命取っていますよね。すごくメリットがあると思って認定を取っていらっしゃるのだと思うのです。ところが、先ほどの御報告の中では、マミートラックの状況に陥っている状況とか、短時間勤務制度の利用者も女性のみといったことがまだまだ続いていると。それから、残業をすることでステップアップできたみたいなことになってしまっているというのは、本質的な意味での女性活躍推進とはちょっと違う、望ましい状況ではないと思います。
 なので、女性にとって本当に働きがいがあって、フェアに評価されるフェアな職場なのかという女性労働者の視点も大事にした指標の設け方といいますか、そういう視点が大事だと思います。
 私は、都市部でも、地方でも若い女性、20代、30代の女性と接することが非常に多いです。そういった方々の中には、えるぼしとかくるみんを取っているから就職したという人は結構います。指標として使っている。ところが、入ってみたら、時短を取っているのは女性ばかりだし、性別で職務とか役割が完全に固定化されているし、やはり男性優位だし、ここで活躍し続けられるとはとても思えないみたいな声がすごく多いです。
 そういった女性の声も含めて、これは本当に女性活躍推進になっているのかという効果検証を行っていただきたいです。例えば、プラチナえるぼしを取っているところには銀行が入っていると思いますけれども、そこは男女間の賃金差異は大きいですし、職務や役割が非常に固定化されている。取得している企業には地銀も入っていますが、地銀の職務の固定化の実態も明らかになっています。それで女性が活躍できる職場だと言えるのかという本質的な問いをベースに見直していただきたいなと思います。
 男女間賃金差異の最大の要因は、何度も出ていますけれども、ケアワークの女性への責任の偏りということになっていますから、それを解消していくには、男性の育休の取得率だけではなくて取得期間や、時短勤務の利用者、テレワークの利用者の男女比率、そういうことを含めて男性にとっても柔軟な働き方になっているのか。女性だけに特化した指標、データではなくて、男女がどうなのかというところをしっかりと見極めていくような、そういう制度になっていくといいなと思います。
 それにプラスして、女性の健康はすごく重要なトピックだと思います。PMSや更年期が理由で昇進するのをやめたことを考えたことがあるみたいな人はすごく多いというデータがあると聞いていますので、女性の健康に対する施策も重要な指標になるかもしれません。女性にとってどうなのかという観点、それから、女性だけではなくて男女ともにケアワークや家庭と仕事を両立し得るような環境になっているのかというところから、いま一度見直していただけないかと思います。多くの女性たちがこれを参考にして職場を選んでいますので、そういったことに対する責任をしっかりと果たしていく必要があるかと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 最後、私からなのですが、今の大崎委員の発言を聞いていまして、私のところのゼミ生から、男女平等のベンチャー・中小企業はとても残業が多くて大変だけれども、大企業の一般職に受かった、両方受かったのだけれども、どっちがいいですかという質問をされたことがありました。つまり、女性だけにそういう選択を強いるような状況は是正していく必要があるなと感じました。
 あと、私からの質問ですけれども、企業のほうはそういう形でアプローチしているのですけれども、経済団体のほうはどうなっているのか。私は最近、経済団体等に講演等で呼ばれることも多いのですけれども、国レベルもそうですし、地方レベル、商工会とか、法人会とか、JCとか、ロータリークラブが経済団体と言えるかどうかは分かりませんが、そういうところのいわゆる男女共同参画、女性比率はとても少ないような気がいたしまして、そういう経済団体へのアプローチはあるのかということを経産省に、あと地方ではどうかということを愛知県さんにお聞きしたいなと思っております。
 あとはハラスメント関係なのですけれども、ハラスメントはもちろん暴力部会でやるのですが、カスタマーハラスメントに注目していただいた点はすごくいいと思いますけれども、カスタマーハラスメントというと販売の場面を思い浮かべるかもしれませんが、これもかつて私の大学院のゼミに看護師さんが聴講に来ていたときに、患者から看護師や医療職へのハラスメントがすごくて、逆の場合はすごく取り上げられるのだけれども、患者さんから看護師さん、医療スタッフへのハラスメントはほとんど取り上げられないけれども横行しているみたいな話も聞きましたので、ぜひこちらのほうも含めて検討していただければありがたいと思います。
 それでは、これまでの御意見、御質問等について、厚生労働省、経済産業省、愛知県のほうから、もし御回答できることがありましたらよろしくお願いいたします。
 安藤さん、よろしくお願いします。

○安藤雇用機会均等課長 多岐にわたる御指摘をありがとうございました。
 多岐にわたる御指摘ですので全部をお答えできるかというのは心もとないですし、私が担当している部分と担当していない部分もありますので、オール厚労省で受け止めないといけない部分については若干意気込みだけの部分になりますけれども、取り急ぎ回答させていただきます。
 発言順で回答させていただきます。まず小林委員から、育休について義務化できないのか。今、年次有給休暇が5日間、計画年休という形で義務化されているということにパラフレーズで、そういうことができないかという御質問をいただきました。
 これはなかなか難しい問題があって、そもそも年休の場合はフルで100%賃金が保障されるのに対して、育児休業に対しては手当というところになっていきます。その経済的な保障をどう考えるのか。当然ながら子供ファーストという中で、そういった手当についても我々は今後改善をしていこうというような形で考えてはおりますけれども、そこをまずどういうふうに考えるのかというところで、この2つは一緒に論じられないのかなと考えております。
 一方で、育児休業を義務化しないにしても積極的に取っていただく、これはもう論を待たずにやるべき話でございまして、こちらにつきましては育児・介護休業法を改正いたしまして、令和4年より、個別の対象者の方に対して、やはりなかなか声を上げづらいというのがありますので、例えば会社としてその方にアプローチをして、こういう制度があるけれども使ってみないかといった意向確認をすること。
 あと、昨年の4月より1,001人以上の企業については、男性の育児休業取得率について公表していただくというような形にしております。
 また、次に開催されます通常国会におきましても、育児・介護に関してはこういった側面を強化して、より男性の方に取っていただいて、女性だけに一方的に不利益にならないような仕組みについては引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、佐々木委員より「母性健康管理」という言葉の定義について御指摘をいただきました。この点についてどう考えるのかというのはなかなか難しい問題かなと思っております。と申しますのも、佐々木委員より「女性」という言葉を使ったほうがいいのではないかというお話をいただきましたけれども、例えばマイノリティーの方ということをお話しされておられましたけれども、仮に女性から男性に転換をされていて、性機能が残っていらっしゃる方は自認としては男性という形になっています。そういった方に女性の保護規定なのでというところで言うと、そこもまた考えないといけないところがあるのかなと。
 また、私が捉え間違いをしているかもしれませんけれども、そもそも母性健康管理の母性というのは何かというと、もともとこの制度が妊娠中の女性の労働者に対する措置という形で始まっているので母性健康管理と言っているだけであって、母性健康管理に例えば生理休暇が含まれるという概念で使うつもりはありませんので、それを冒頭の例示として出したというところについては御理解をいただければと思っております。
 次に、私どもが運営しておるデータベースに全大学の登録を進めるべきではないかという御意見、御示唆いただきました。今いただいた御意見も含めまして、また文科省さんとお話をする機会があれば、何らかの連携ができないかというのも含めて考えてみたいと思っております。
 次に、白波瀬委員より、事業の説明があったけれども、費用対効果についてどのように考えていくのか、この辺についてはしっかりやっていきなさいというような御指摘をいただいたと思っております。
 従前より、予算の執行面というところで言うと、御承知のとおり行政事業レビューというものがございまして、アウトカム指標、アウトプット指標というような形でやっておるのですけれども、恐らくそういうものではなくて、施策全体を節目節目でどういう形で判断できるのかということを、発信力を強めてもう少し分かりやすい形で、これは大崎委員の御意見ともかぶりますけれども、それをどういう視点でやっていくのかということについては引き続き検討させていただきたいと思いますし、今取り組んでおるものについては引き続きしっかり説明責任を果たしていく方向で頑張っていきたいと思っております。
 山本委員より、残業規制の話がございました。御指摘の観点はごもっともだと思います。ただ、私は労働基準局の担当者でないので、残業規制上限の是非については、本日、回答を差し控えさせていただきたいと思います。
 一方で、勤務間インターバルにつきましては、私どもは周知というところから始めております。周知に加えて、例えばインターバルに関して導入する場合のコンサル経費とか、そもそも勤務間インターバルというのを知らない人がまだ世の中に多いと思っておりますので、まずはそこから取り組んでいるということに御理解を賜ればと思います。
 大崎委員より、若干白波瀬委員とかぶりますが、えるぼしについて、こちらのほうは具体的なコメントもあったかと思います。認定制度の効果検証という話も含めて御意見をいただいたと思います。また、実際に短時間勤務を使うのはほとんどが女性だという問題も意識しないといけないということに加えて、プラチナえるぼしを取っているところでも男女間賃金差異の公表値が低い企業さんもある。そういったことも含めてちゃんと検証すべきだという御意見をいただきました。言っておられる御趣旨は理解しました。
 私どもも、どういう形であれば女性活躍というのを表彰できるかというのは常に追っていかないといけない。また、世の中の女性や企業さんにとって分かりやすい形で発信していかないといけないという責務は負っておると思います。
 ですので、引き続きこうした点について御意見をいただければと思いつつも、1点だけ、私どもは男女間賃金差異の公表値が低い場合、確かに男性を100とした場合、女性の賃金割合が100というのが望ましいとは思いますけれども、低いから駄目だというよりかは、低いからこそ分析をした上で、例えば女性のデータベースの説明欄を使って分析をしていただいて、取り組むという努力も重要なのかなと思っております。ですので、そういった仕掛けも含めて、言い方は悪いのですけれども、国が企業さんの自主的な努力をそがないような形でプロモートしていくことも重要かなと思っておりますので、その点だけ付言させていただきます。
 あと、女性の健康に対する御指摘、ありがとうございました。この点は、私どももまだ正直に言うと足りていなかった部分もあろうかと思っております。例えば労働基準法に生理休暇という制度がございますけれども、世の中的に認知度も低かったりしております。こういった点につきましては、いろいろな方の御意見を聞きながらいい方向に進められたらいいと思っておりますので、引き続き意見交換をさせていただければと思います。
 最後に、山田先生より、当省への御質問ではなかったとは思いますけれども、経済団体への対応という話で申しますと、当然ながら厚労省のほうでも、例えば育児・介護休業法とか雇用機会均等法を改正した場合、例えば経済団体、私どもは経団連さん、日本商工会議所さん、全国中小企業団体中央会さんに説明会を設けたり、周知の依頼という形でお付き合いをさせていただいたり、もともと制度をつくる時点で、御承知のとおり労政審というところで意見交換をさせていただいております。
 そういった形でやらせていただくと同時に、地方レベルということで言いますと、私どもは都道府県労働局という組織がございますので、そういった組織を通じまして、地域の商工会議所さんなどと意見交換をさせていただき、また、いろいろな制度改正では御協力をいただいている関係でございます。
 ハラスメントについて最後に付言をさせていただきますと、看護師、医療のお話を先生のほうからしていただいて本当にありがとうございます。看護師の話につきましては、私どもはどうしてもハラスメント一般をやっておりますけれども、これを所管している、例えば私どもの厚生労働省ですと医政局では、看護師のハラスメント対策が重要なので、そういった規制面からも何とかやっていかないといけないという動きがあったり、介護は私どもの老健局でございますけれども、カスハラ対応のマニュアルを作成しております。こういった動きもありますので、ハラスメント全体を考えるという立場で、どうすれば女性労働者をはじめ、全ての方が安心・安全に職場で過ごせるかというのは引き続き考えていきたいと思っております。
 長くなって恐縮でございますが、以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
では、相馬さん、お願いいたします。

○相馬経済社会政策室長 ありがとうございます。
 いただいた御質問につきまして、経済産業省のほうから御回答いたします。
 まず、山本委員に御指摘いただきましたメンタリングの件です。大企業が多いということで、昨年度やったものは試行的なところもございましたので、一旦大企業を対象にしておりまして、それのノウハウをまとめたノウハウ集のようなものをつくっておりまして、そちらについては中小企業なども含めて引き続き周知をしていきたい。
 あと、メンタリングではないのですが、WILという女性リーダー育成の研修がございまして、今年で8期目になりまして、参加者は今年の方も入れると全部で270名を超える方がいらっしゃって、既に役員登用されている方もいらっしゃいます。
 今年、これまでの参加者の方の中のネットワークということでアルムナイを設置するという動きがございまして、2月に入りまして設置集会みたいなことがあるのですが、そういった中で女性同士のネットワークとか、その中には中小企業の方もいらっしゃるので、そういったところをキーにしまして、女性同士、キーになる方のネットワークづくりとかメンタリングというところには引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目、山田座長のほうから経済団体のお話がございましたが、先ほど厚労省の方からもありましたけれども、経済団体自身の男女比率とか役職員というところにつきましては、今年度の女性版の骨太の方針でも商工会議所ごとの役職者の男女比率に関して公表していくことになっておりまして、開示を求めております。開示することで低いということが分かりますので、今は都道府県別の開示になっておりますけれども、引き続き取組を促していきたいと考えております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 愛知県さんのほうから何かありますでしょうか。

○朝日男女共同参画推進課長 愛知県から1点、経済団体への地方での働きかけという点で、おっしゃるとおり、経済団体で、うちですとあいち女性輝きカンパニーになっていただいているのはまだ少ない状況にあります。
 現時点で我々がやっている取組としては、2022年度から中小企業向けのセミナー、意見交換会を市町村単位でやっているのですけれども、そこに必ず商工会議所、商工会さんに入っていただいて一緒に意見交換をする。意見交換会やセミナーの開催に当たっては、本県に厚労省から来ていただいている女性の副知事がいるのですけれども、必ず行っていただいて、商工会議所や商工会のトップの方とお話ししていただいて、輝きカンパニー等への働きかけ、女性が活躍できるような職場環境の整備をお願いしているという状況にありますので、そういった点は今後もしっかり進めていきたいと考えております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。

○岡田男女共同参画局長 内閣府でございます。
 1点、先ほど佐々木先生から、企業での女性の理系の職員が少ないのではないかというお話をいただきましたので、私どもがやっております取組を、以前も報告させていただきましたけれども、少し紹介させていただきます。

○上田推進課長 男女共同参画局推進課長の上田でございます。
 企業も含め女子生徒等の理工系への進路選択を促進する取組につきましては、文科省さんと連携をさせていただきながら、また経済団体にもいろいろと御協力をいただきながら幾つか事業を行っております。
 例えば、「夏のリコチャレ」という形で、夏休み期間を中心に、実際の理工系分野の仕事についての体験活動や、理工系の企業で実際に働いている方々の様々な経験談などを聞いていただいたりすることにより、将来についての具体的なイメージを持っていただく事業や、また、全国的に・世界的に活躍されていらっしゃる理工系分野のロールモデルの方に全国様々なところで御講演をいただきまして、次に続く若者を育てていただくといった事業、また、各地域での女性の理工系のロールモデルの方々につきましても、令和4年度から新規事業ということで、実際の仕事の様子や、どういった過程を経て理工系の分野を選んだのかといったお話をしていただく事業を行わせていただいております。
 さらに、理工チャレンジと呼んでおります、この事業全体を進めるに当たって、どういったことが進めるに当たっての阻害要因になっているのか、さらに進めるためにはどうしたらよいかということについても考えていく必要があるため、調査研究についても毎年行っているところとなっております。
 年末までの専門調査会でも、教育委員会との連携についてなど、御指摘をいただいているところとなっておりますので、今後も関係者も含めて、さらに取組が進められるようにどういったことができるかを考えていきたいと思っております。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。

○佐々木委員 違います。理系進学のほうではなく、就職した後の話です。

○上田推進課長 就職した後の育成ということですね。

○佐々木委員 そうです。理系進学のほうは力を入れているのはもちろんそうなのですけれども、その人たちがキャリアアップしていくときに、大学のほうでも教員になっていくのが大変なのですが、それよりも企業の中でキャリアアップしていくほうがより難しいわけで、大学のほうは文科省が担当になって教員とかを増やすことをやっている。ただ、企業のほうの女性技術者とか、今の10%しかないところのフォローはどこの省庁がしているのかという質問です。

○上田推進課長 技術者の方だけではないのですけれども、女性全体として技術職あるいは事務職の方も含めまして管理職への登用というところは厚生労働省さんにおいて行っていただいていまして、もちろん内閣府とも連携しながらという形になりますけれども、その先のまたさらに役員の登用をどう進めるかというところは、内閣府を含めまして、もちろん先ほどお話がありましたように、経産省さん、金融庁さんとも連携をさせていただきながら行っているというところになります。全体としてはそういった形になっております。

○佐々木委員 特別な支援が必要だと思うので、事務職はすごく割合が多くて、技術職は本当に難しいところなので、担当省庁をつけていったほうがいいのではないかなと思いました。

○上田推進課長 今後とも関係省庁と相談しながら進めたいと思います。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 そろそろ本当に時間になりましたので、ここで意見交換会を終了したいと思います。
 石黒委員、井上委員より、書面による意見が提出されたため、事務局から出席者に送付しておりますので、御確認いただければと思います。
 提出のあった意見書につきましては、会議資料として内閣府男女共同参画局ホームページで公開いたします。
 関係府省におかれましては、本日の議論も参考にしながら、今後の取組について検討を深めていただければと思います。
 次回取り上げるテーマと出席省庁については、事務局において調整をお願いしております。
 最後に、事務局から何かありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 ありがとうございます。
 次回につきましては、また追って連絡をさせていただきます。本日はありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 私のルータートラブル等がありまして、また、司会の不手際がありまして、申し訳ございませんでした。
 それでは、本日の会議は以上となります。皆様、お疲れさまでした。