計画実行・監視専門調査会(第30回)議事録

  • 日時:令和5年12月14日(木) 16:00~17:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  • 1.開会
  • 2.議題
    • (1)第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について
    • (2)独立行政法人国立女性教育会館及び男女共同参画センターの機能の強化及び施設の見直しについて
  • 3.閉会

【配布資料】

資料1
第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について [PDF形式:186KB]別ウインドウで開きます
資料2
独立行政法人国立女性教育会館及び男女共同参画センターの機能の強化及び施設の見直し [PDF形式:379KB] 別ウインドウで開きます
参考資料1
第5次男女共同参画基本計画における成果目標の達成状況 [PDF形式:849KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:73KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料4
第5次男女共同参画基本計画(説明資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
山田 昌弘  
 中央大学文学部教授
委員   
石黒 不二代 
 ネットイヤーグループ株式会社代表取締役チーフエヴァンジェリスト
同    
井上 久美枝 
 日本労働組合総連合会副事務局長
同    
大崎 麻子  
(特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
同    
小林 哲也
  小林総合法律事務所弁護士
同    
佐々木 成江 
 お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
徳倉 康之  
 NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
同    
内藤 佐和子
  徳島市長
同    
山口 慎太郎
  東京大学大学院経済学研究科教授
同    
山本 勲
  慶應義塾大学商学部教授
内閣府  
加藤 鮎子  
 特命担当大臣(男女共同参画)
同    
岡田 恵子  
 男女共同参画局長
同    
小八木 大成 
 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
大森 崇利  
 男女共同参画局総務課長
同    
上田 真由美
  男女共同参画局推進課長
同    
松川 伸治 
  男女共同参画局推進課積極措置政策調整官
同    
中山 奈津美 
 男女共同参画局推進課企画官

議事録

○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより第30回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
 本日は、加藤鮎子女性活躍・男女共同参画担当大臣に御出席いただいておりますので、御挨拶を頂戴したいと思います。
 それでは、加藤大臣、よろしくお願いいたします。

○加藤女性活躍・男女共同参画担当大臣 皆さん、こんにちは。女性活躍・男女共同参画担当大臣の加藤鮎子でございます。
 山田昌弘座長をはじめ、委員の皆様におかれましては、御多用の中、本調査会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 これまで、「第5次男女共同参画基本計画」の中間年フォローアップとしまして、計画に掲げた成果目標のうち、特に進捗状況が芳しくないものや重要と考えられるものに関し、施策の進捗状況や今後の取組について関係府省からヒアリングを行ってまいりました。委員の皆様からは毎回示唆に富んだ御意見をいただき、各府省にとっても今後の取組を考える上で大変参考になったものと思います。
 本日は、これまでの御議論の総括を行いたいと考えております。今後は、男女共同参画会議において私から中間年フォローアップ結果を御報告するとともに、皆様からいただいた御意見も踏まえ、来年の「女性版骨太の方針」に成果目標の達成に向けたさらなる強化策を盛り込むことができるよう、各府省における検討を促してまいりたいと思います。
 本日も、皆様の専門的なお立場から、ぜひ忌憚のない御意見をいただき、各府省の今後の取組を後押ししていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

○山田会長 加藤大臣、ありがとうございました。
 加藤大臣におかれましては、次の用務のため、ここで御退席されます。ありがとうございました。

(加藤大臣退室)

○山田会長 それでは、早速、議題(1)、第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について御議論いただきます。
 前回の専門調査会まで、複数回にわたり、5次計画の中間年フォローアップとして御議論いただいてきたところです。
 事務局において議論の結果を取りまとめましたので、内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料1の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○岡田男女共同参画局長 内閣府男女共同参画局でございます。
 それでは、資料1をご覧いただければと存じます。
 この中間年フォローアップをするということにつきましては、10月13日の調査会でも説明させていただきましたけれども、中間年フォローアップについては第5次の男女共同参画基本計画にも盛り込まれておりまして、また、今年の6月に政府決定いたしました女性版骨太の方針にも盛り込まれてございます。この位置づけに基づきまして作業を進めてまいりました。
 2ポツをご覧ください。
 全ての成果目標について最新値を把握いたしまして、計画策定時の数値から目標値との差の2分の1以上に達しているかを基本に、その基準に未達である成果目標等につきまして、目標達成に向けた課題や今後の対応方針等に係りますフォローアップシートを作成いたしまして、それらはこれまでの専門調査会の資料として提出をさせていただいております。
 3ポツでございます。
 先ほどの大臣の挨拶にもありましたけれども、これまで第27~29回の専門調査会におきまして省庁別のヒアリングなどを実施いたしました。
 第27回ではフォローアップについて説明をさせていただきまして、第28回では「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」、「生涯を通じた健康支援」、「科学技術・学術における男女共同参画の推進」、第29回では「地域における男女共同参画の推進」、「防災・復興、環境問題における男女共同参画の推進」、「企業における女性登用の加速化」について、それぞれ先生方からも多数のコメントをいただいたところであります。
 今申し上げましたように、各回での御意見は既に議事録として記録をさせていただいているわけでありますけれども、4ポツはそれぞれの項目について主な意見を整理したものでございます。これを踏まえまして、計画期間内に取り組むべき事項について、関係省庁において必要な検討を進めてまいります。
 まず、「企業における女性登用の加速化」ということでは、女性役員への企業内部からの登用を加速化するための施策の強化、地方や中小企業における役員を含めた女性の登用を推進する施策、育成のための研修の充実、女性活躍推進に取り組む企業に対する経済的なインセンティブの付与といった御意見がありました。
 また、「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」という観点では、賃金差異の情報開示について、また、データベースについて活用につながるような工夫や改善、女性に対しても研修の実施や経験機会の提供を行っていくような環境整備、また、中間管理職層の残業時間などの把握といった、男女ともに活躍できる働き方の見直しといった御意見をいただきました。
 「地域における男女共同参画の推進」ということでは、地方の若年女性の流出の背景にあると考えられる状況の改善に向けた取組、地方公共団体の長などの地域のリーダー層や意思決定層に対する意識啓発や研修の充実、また、地域の実情に応じた取組を後押しするためのデータの整理、また、そこに書かせていただいたような御意見をいただきました。
 「科学技術・学術における男女共同参画の推進」ということでは、理系分野への進路選択の支援となります職業における将来の具体的な活躍イメージを持つことができるような取組を推進する、児童・生徒、保護者、教員を含めた意識啓発、各地の教育委員会や男女共同参画センターと連携した取組の推進といった御意見を頂戴いたしました。
 「生涯を通じた健康支援」ということでは、女性特有の疾患等の女性の健康課題について必要な知識を得ることのできる機会を充実すること、性差医療に取り組む体制の確保を含めたナショナルセンター機能の構築といった御意見を頂戴しております。
 「防災・復興、環境問題における男女共同参画の推進」ということでは、防災分野における地域のリーダー層や意識決定層に対する意識啓発や研修の充実、女性参画の取組状況、ガイドラインの活用状況を可視化するようなデータについて効果的な活用方策について、あるいは経済的インセンティブ付与や表彰、また、地域ごとの人口規模を踏まえた登用のための施策といったことについての御意見を頂戴したところでございます。
 私からの説明は以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、お一人当たり3分程度で御意見を順に頂戴できればと思います。既に資料に記載されている内容であっても、改めて強調していきたいことなどについても御発言いただければありがたいと思います。
 また五十音順でお願いしたいと思うのですけれども、石黒委員、よろしいでしょうか。

○石黒委員 全体的に達成できていないのにはそれぞれの理由があると思うのですけれども、私が問題意識を持っているのは、「企業における女性登用の加速化」というところです。私も複数の上場企業の役員をやらせていただいていて、そこで必ずいわゆる女性登用ということの議題が出てくるのですけれども、各企業によって取組方にばらつきが見られるのですね。
 私のやっている中で三井物産さんなんかは、メンター制度から、課題解決に向けたプレゼンテーションから、もう相当な力を入れて女性登用に関して、女性の意識を上げること、全体の文化を変えていくことなど、非常にたくさんの施策をやっている企業と、例えば「女性管理職になってほしい」と言うと、女性のほうが「ちょっと私は管理職は」みたいな、それで終わってしまっている企業などもあり、雇用のための加速化の施策がまだ十分でない。一方で、ある企業は私が見るに十分であるというときに、こういう施策があるのだよということを共有していただくと、まだまだ遅れている企業の中にも気づきが出てくるのかなと思いました。
 これは一例にすぎないのですけれども、そういう施策の共有みたいなものを内閣府というか、政府のほうで積極的にしていただけたら、こういったものがもっと加速するのではないか。そもそも上場企業役員に占める女性の割合の目標が私は少な過ぎると思っています。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、井上委員、よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、井上委員、よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、大崎委員、よろしくお願いいたします。

○大崎委員 これまでの論点を整理していただきましてありがとうございました。私から何点かコメントさせていただきます。
 石黒委員と井上委員と同様に、「企業における女性登用の加速化」のところに私も関心がございます。登用というと、どうしても数合わせになってしまいます。登用と同じぐらい重要な施策が定着、リテンションということになりますので、管理職とか役員に到達するための施策としての定着率の向上ということと、それから、就任してからもやはり男性中心的なやり方でのマネジメントの職ということになりますと、役員の職に就いてから苦労される女性はたくさんいると聞いています。
 ですので、「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」というところとも関連してくると思うのですけれども、こうした登用が進んでいくためにも、それから、登用された女性がしっかりと力を発揮できるようにするためにも、柔軟な働き方というものを制度としても実態としても徹底させていくことですとか、それから、PMSとか更年期の症状が女性が登用されるに当たって躊躇した大きな理由になっているという調査も出てきておりますので、女性特有の健康問題へのサポートですとか、役員に登用されても、役員会をこれまでやってきたのは男性ですから、確固たるオールド・ボーイズ・ネットワークがあるところで排除されがちだったり、意見を言いにくかったり、力を発揮しにくいこともある。そういうことを考えますと、定着させるためにはどうするかというところでの施策をしっかりやっていくことが必要だと思います。
 「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」のところでは、残業時間のことのみ書いてありますけれども、それだけではなくて、転勤とか時短勤務の利用の状況に男女の偏りがどれぐらいあるかを把握することとか、そういったことを見ていかなければ、登用だけでは実態を伴わない形での無理なやり方をされてしまうことを危惧しております。総合的な施策をちゃんとやりますと、男女間賃金格差の解消にもつながっていきますので、シームレスに見ていくということが必要かと思います。
 あとは、井上委員がおっしゃいましたとおり、男女間賃金格差の中でも、組織内の正規雇用の中での格差というものも問題なのですけれども、やはり非正規の方が多いというところでの格差をどういうふうに見ていくのかという議論がもっと必要だと思います。
 最後に、基礎自治体レベルにおける男女別データの収集、ジェンダー統計の生産と活用を推進していくのが、地方の市町村レベルでジェンダー平等推進施策を進めていく、ジェンダー主流化を進めていく上では必須だと感じておりますので、データのことも入れていただいているのは、実態に即した施策かなと思っております。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、小林委員、お願いできますでしょうか。

○小林委員 今までの省庁ヒアリングにおいて、各省庁でいろいろ頑張っていただいているという印象を受けました。
 ただ、その中で全体を通しての話ですけれども、取り巻く状況、特に男性に対する啓発的なものをこれからどうやっていくのか。特に、私もそうですけれども、中学校で技術・家庭という授業があって、男性と女性の役割分担を前提とした授業を受けているのですよね。ですから、今の40代以上と聞いていますけれども、40代以上の男性に幼少の時代に植えつけられた意識をどう変えていくのか。先ほどオールド・ボーイズ・ネットワークの話も出ましたけれども、そういうところをどうやっていくのかというのをさらに工夫していただければと思っています。
 それと、各省庁で頑張っているのはもちろんですけれども、やはり内閣府のほうで統一的にどういうふうにしたらいいのかということをさらに進めていただければと思います。
 個別の問題につきましては、私も企業についてのところが気になるのですが、確かに2025年までに1人、2030年までに30%という目標設定はされたのですが、これはあくまでも有価証券上場規程なのですね。有価証券上場規程というのは何かというと、これから上場していこうという企業が一番よく見るところであって、もちろん各企業も見ているとは思いますけれども、そうすると、現在のプライムにいる企業に対してはガバナンス・コードにどうやって入れていくか。改訂されたところなので、すぐ入れるというわけにはいかないかもしれませんけれども、その辺りを何とかプッシュできないかと考えている次第であります。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、佐々木委員、お願いできますでしょうか。

○佐々木委員 私のほうは、特に科学技術のところについてお話をさせていただければと思います。数値を今見ていたのですけれども、なぜか理系の科学技術分野の最新値の年代が古いのです。2019年とか2020年になっています。男女共同参画白書を最近見ていて、数値が載っていると思ったのですけれども、そのデータを見ると全部2019年になっていて、毎年更新されていないというところがあります。ここは、我々は統計を取ろうとしても取れないところなので、ぜひ統計は最新のものを出していただければと思います。
 最近の流れなのですけれども、どうしても若手支援というか、大学に入ってもらう、理系に女性が進学してもらうというところに力を入れてあるのですけれども、そこの部分もちろん力を入れなくてはいけないのですが、その後のキャリアアップしていく、科学者、教員がどう増えていくかというところにもう少し力を入れていただきたいと思います。こちらのほうがかなり難しい問題になってくると思いますので、その施策をどういうふうに入れるかというところをしっかり考えていただきたい。
 特に、今年の女性版骨太に文言は入っているのですが、研究者の若手支援の対象が40歳未満となってしまっているので、40歳未満というところに力を入れられると、どうしてもライフイベントがその年代に重なる女性は落とされてしまって、大学に就職ができないということになってしまいますので、女性の年齢制限については早急に外していただければと思います。
 また、ナショナルセンターの機能の構築のところで、性差医療を入れていただき、ありがとうございます。今、性差医療や性差医学がアメリカでどうやって発展してきたかということを調べているのですけれども、女性の健康に関するナショナルセンターの中で女性医師に関する支援という機能も持たせています。これは重要な気がします。
 アメリカだと医学部の学生の半数が女性なのですけれども、医学部長や学部長に占める女性の割合は18%になっています。医学界の女性は、燃え尽き症候群、メンタルヘルスの問題、介護上の葛藤、指導的役割における女性の過小評価など、これはアメリカで起きていることです。多分、日本ではもっと強く起きていると思いますので、女性医師に対する支援が重要です。なぜこれをしているかというと、女性医師は女性の医療に対する意識も高いということが理由にあげられています。
 また、性差医学に関する授業を医学部の大学のカリキュラムに入れていただくことも重要です。今までの男性を基準とした治療とか診断がそのまま女性に当てはめられることは女性の健康に大きく響きます。ぜひ、医学部のカリキュラムの中に性差医学というものを早く入れていただければと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 治部委員と白波瀬委員はあらかじめ御欠席と伺っているのですけれども、いらっしゃっていないようですね。
 ありがとうございます。
 続きまして、徳倉委員、お願いできますでしょうか。

○徳倉委員 徳倉でございます。よろしくお願いいたします。
 幾つかもう出ているものは省きながら端的に申し上げたいと思います。
 「企業における女性等への加速化」というところでいきますと、地方に私は住んでおりますので、地域のリーディングカンパニーとして金融機関というのは一つ固定されていますけれども、金融機関は全国一律の構造の中で、もちろん取り組みやすい、取り組みにくいという地域差が出てきますけれども、地域のリーディングカンパニーをそれぞれの地域に分けて、産業構造は、もちろん製造が強いとか、サービス業が強いとか、その地域の特徴はもちろん出てくると思いますが、この辺の差異がある程度見えてきたほうがいいのではないかなと思うので、今は各地域の金融機関ということにはなっていますけれども、今後、ここの部分を幅広にするようなものは検討の余地がないかなというのが一つあります。
 もう一点が上場企業のというところでありますけれども、上場も今で言うとプライムというところに限定をしていて、スタンダードを含めると非常に数値が悪いというのも承知しておりますけれども、今後の流れとしてそのスタンダードの部分をどうしていくのかというところや、新興企業などをどうしていくのか、新興市場をどうしていくのかというところもやはり触れていったほうがいいのではないかなと思っております。
 続いて、「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」、いわゆるワーク・ライフ・バランスというところでいきますと、様々数字が公表されることによって、私も地方大学にも籍を置いていますので、この公表されているデータを基に若い人たち、もしくは転職市場においては非常にこれが有意に働いている。これをどういうふうに広げていくのかというところをもう少し具体的に、賃金だけではなくて、先ほど大崎さんもおっしゃっていましたけれども、転勤がどうなのか、出張の日数はどうなのか、そういうところの比較的企業が出しやすい数字をどんどん公表していく流れを、ここで内閣が旗を振っていく部分は大事かなと思います。
 最後になりますけれども、「地域における男女共同参画の推進」に向けてですけれども、ちょっと重なるところあるのですが、書きぶりということで、先日、山田先生も少しおっしゃっていましたけれども、一番上の「地方の若年女性の流出の背景」と言うと、地方に住んでいると、何かこれがすごく悪いみたいに感じてしまうのですよね。人がどう移動するのかというのはもちろん個人の自由があって、自分の人生の最適解をどう選んでいくのかということなると、この流出がもし国としてそぐわないと思うのであれば、しっかりとここには、今まで古来というか、ここ近年あった男性を主体とした雇用や慣習を中心にと、はっきり書いたほうがいいのではないかなと私は地方に住んでいて非常に思う。だから、地方公共団体の首長をはじめリーダー層に研修も必要だし、地方の中小企業における役員を含めた女性の登用推進施策が必要なのだというふうな、主語・述語ではないですけれども、そこから下りてきているのだというところが、この最初が少しぼやけてるような、これは地方にいると、外に出ていく女性がよくないのだみたいに捉えられないように、逃げ場をなくすような書き方をしていただきたいなと思います。
 最後に1点、科学技術におけるところなのですが、もちろん書かれていることは全てとても大事なのですが、やはり教える先生の意識をどう変えるかというのが一丁目一番地に来るのですね。今、中学生と小学生の2人がいますけれども、ジェンダーの意識は先生によって非常に違います。
 ですので、教育委員会を通じてというところで、教員の意識の変革をどういうふうにアップデートしていくのか。悪いものを直すというよりは、OSのバージョンアップをするようなイメージで、教員の意識をどうバージョンアップをしていくのか、今の時代に合わせていくのかというような書きぶりで、みんなバージョンアップをするのですよというような感じに持っていけるほうが動きやすいのかなと感じました。
 以上になります。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、内藤委員、お願いできますでしょうか。

○内藤委員 ありがとうございます。
 私のほうからも「企業における女性登用の加速化」の話を少ししたいなと思ったのですが、私は地方に住んでいますので、プライムとかそういった上場企業というよりは、どちらかというと地方の中小企業の役員や、女性の登用というところをデータとして徳島市としてももう少し詳細に調べたいと思っています。
 ここでも「地域における男女共同参画の推進」の中で、「地方公共団体の長等の地域のリーダー層や意思決定層に対する意識啓発や研修の充実」というところがありますが、ここで女性のリーダー層が中小企業にも多いということで、例えば子育て支援をやっている率が高いといったエビデンスを示した上で、ほかの地方公共団体にそれを広げていくというような施策をぜひ内閣府さんのほうと一緒にできればなと思っております。
 地方で言うと、上場企業というよりは中小企業が実質9割ぐらいを占めていますし、雇用環境、まちづくりの環境を考えると、中小企業での働き方が皆さんのワーク・ライフ・バランスを左右すると言っても過言ではないと思いますので、そうした部分でもデータを取って、共有して、きちんとフィードバックして、そういったことをやるような企業さんをどんどん増やしていきたいなと思っています。
 徳島市としてはダイバーシティ認定企業というような取組もやっていますし、それは女性の登用だけではなくて、障害者とかいろいろな方が働きやすい環境をどうつくっていくかというのを皆さんで共有して、そういった企業を増やしていこうというような取組ですけれども、そういった場にももちろん地域の金融機関などにもお越しいただいていますし、そういった取組が各地で広がるように、内閣府さんと一緒になって、いわゆる地方公共団体の首長さんは、オールド・ボーイズ・ネットワークという言葉が先ほどからも出てきておりますが、そういった方たちが非常に多いですし、女性も少ないというところもありますので、なかなかそういう話題にもならないので、前回の会議でも申し上げましたが、そういった研修なども含めて、市長会、町村長会などとも連携しながらやっていければなと思っています。
 以上となります。

○山田会長 ありがとうございます。
 山口委員、お願いできますでしょうか。

○山口委員 ありがとうございます。
 最初の資料の段階で重要な論点を主に押さえられていると感じましたし、既に委員の皆様から不足している点についてコメントがありまして、それらについてはもう全て強く同意するところなので、私からは短く1点お話ししたいと思います。
 労働市場における、あるいは企業における女性の登用とか男女共同参画についてですが、これと表裏一体のものとして男性の家庭における活躍というのが既に指摘されているわけです。もちろん家事・育児時間というのは別のところで統計を取るものですし、直接企業が働きかけるものではないかもしれないのですが、その前提条件として早く家に帰ってこられているのかということが重要かなと思いますので、男性の育休取得率とか男性の残業時間についてもきちんと注目していくことが、ひいては最終的に女性の労働市場における活躍につながってくるのかなと思っていますので、その点は強調しておきたいところだと感じました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 山本委員、よろしいですか。

○山本委員 3分ぐらい前に入りました。遅くなりましてすみません。

○山田会長 御準備はよろしいですか。私の後にしますか。

○山本委員 すみません。後でもよろしいですか。ちょっとキャッチアップしたいと思います。

○山田会長 では、私のほうが先にお話しさせていただきます。
 やはり皆さんもおっしゃっているのですけれども、確かに地域とか農業というものにおける女性の活躍というものをたくさん書き込んでいただいて、その点は本当に評価しているのですけれども、数字に表れにくいような団体等での女性排除はあるのではないか。それをどう数字で表して進めていくのかというのが必要ではないかと思ったのは、ご覧になった方も多いと思いますけれども、社会学者として地域問題を専門としておりますので、先日NHKの農業危機の番組を見ていたときに、今後の牧畜を考える会で若い人たちが話し合っているのですけれども、全員男性だったということが私はすごく気になりました。やはり家族農業でやっていると、牧畜でも家族の代表者として男性が出てきて、そういう人たちだけで将来を話し合うということがもし行われるとしたら、やはり何か手だてを考えなくてはいけないかなと思いました。
 前回も申し上げましたけれども、JCとか、あと私、先日、四国の地方で過疎地の活性化の団体に招かれて講演もしてきたのですけれども、そこでもやはり中心となって活動している人は、高齢者も多いのですけれども、ほとんど男性だったということがありますので、何か数字に表れにくいリーダー層というものが男性中心、オールドではない人もいますけれども、いわゆるオールド・ボーイズ・ネットワークみたいなもので構成されている、それが再生産されているというところがあるのではないか。それに対してどういうアプローチをしたらいいのかというのを、今後考えていかなければいけないかなと思っております。
 お先に話させていただきました。
 山本委員、よろしいでしょうか。

○山本委員 先ほどは失礼しました。
 資料を拝見しまして、とてもよくまとまっていると思いました。
 地域のところで私はコメントがありまして、地域のリーディングカンパニーとして各地域の金融機関の女性活躍などが大事だと、そのとおりだと思うのですけれども、リーディングカンパニーだけでなくて、地域で人手不足がすごく進行していますので、なかなか人が集まりにくい。そういう中で、働き方を積極的に変えたり、健康経営に取り組んだり、そういう企業こそ人が集まりやすくなってきて、逆にその地域のそういうことを意識していない企業は人がより採れなくなくなる。そうなると、結果的に優れた企業が1ついると、周りの企業がそこに追随する形で、そうしないと人が採れないのでということで、波及効果が地方こそ起きやすいと思うのですね。
 そういう意味で、リーディングカンパニーも大事なのですけれども、もう少し規模の小さいところも波及効果を期待して、どこかの企業でもいいので進めていって、それが周りに広がっていって、地域全体、日本全体に女性が働きやすい就業環境ができてくるというのが望ましい姿なのかなと思いますので、その点が起きるように政策としても誘導していくことが大事かなと思います。
 私からは以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、中間年フォローアップにつきましては、本日いただいた御意見も踏まえて事務局において最終的に資料を調整し、年内に開催される男女共同参画会議に報告していただくことといたします。
 申し訳ないです。間違えました。
 今の御意見、御質問について内閣府のほうから何かありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 先生方、ありがとうございました。
 会長から今お話があったように、フォローアップとして先生方にいただきました御指摘は、それはそれで整理をいたしますけれども、今日先生方から頂戴いたしましたものは、また年明け以降、冒頭大臣から御挨拶をさせていただきましたけれども、来年の女性版骨太の方針に向けて本格的に議論してまいりますので、そのときの大きな視点というか、検討の視点ということで受け止めさせていただいて検討していきたいと思います。
 また、先生方から、ここは今後考えていかないといけないという論点、こういったことがあるのではないかといった新しい御指摘をいただければ、私どももまたデータを探したりしていきたいと思います。
 例えば、施策の共有、いろいろな企業での横展開というようなことがあると思いますので、そこは私どもも考えていきたいと思いますし、年明け以降、考えさせていただきたいと思います。データも御指摘いただきましたけれども、取っていきたいと思います。
 1点、目標の数字の把握なのですけれども、目標をつくったときにどの統計を使って把握するかということを決めているものですから、毎年、年次の統計ではないものも中にはある場合に、最新値といいましても少し前の数字を使っているものもございますけれども、統計によって最新値を常に把握していきたいと思いますので、また御指摘いただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。先走りましてすみません。
 それでは、中間年のフォローアップにつきましては、本日いただいた御意見も踏まえて事務局において最終的に資料を調整し、年内に開催される男女共同参画会議に報告していただくこととします。ありがとうございました。
 続きまして、議題(2)、独立行政法人国立女性教育会館及び男女共同参画センターの機能の強化及び施設の見直しについて、事務局から現在の検討状況について報告していただきます。
 独立行政法人国立女性教育会館、いわゆるヌエック及び男女共同参画センターの機能強化については、本専門調査会の下にワーキング・グループを設置して検討を行い、本年4月に報告書を取りまとめたところです。
 現在、その内容を実現していくために政府において調整を進めているとのことですので、小八木大臣官房審議官より御報告をお願いします。よろしくお願いします。

○小八木大臣官房審議官 資料2をご覧いただければと思います。1枚紙でございます。
 今座長からございましたように、専門調査会の下に置かれましたワーキング・グループのほうで報告書をいただきまして、それに盛り込まれた施策、取組を今深めているところでございます。
 まず、「機能の強化」と書いておりますところの1点目の矢羽根でございますが、これは各地に置かれました男女共同参画センターの機能強化の方向性でございます。現在、都道府県・市町村で合計356施設の男女共同参画センターが置かれておりまして、それぞれ熱心に男女共同参画の施策の推進に取り組んでおられるところと伺っております。
 各センターがそれぞれの地域・分野において横断的に女性活躍の基盤を強化していくために、各地域の実情に応じてきめ細やかに進められるよう、先ほどもそのデータをというお話もございましたけれども、男女共同参画センターが関係者相互間の連携と協働の促進に必要な施策を推進する拠点機能を担うといったことを明確にしていこうと考えてございます。各地域でそれぞれの目的に応じて男女共同参画の課題に取り組まれている機関がございますので、そういった知見を総合していくところのハブになっていければということでございます。
 続きましての矢羽根でございますけれども、ヌネック、女性教育会館についてでございます。現在、国立女性教育会館として50年近く取り組んでこられたということでございまして、これを見直しの方向性としては2点、太字にしてございますけれども、ナショナルセンター、センターオブセンターズという2点のことで機能強化をしていく。
 ナショナルセンターとしては、人材の育成とか調査研究、広報・啓発について、全体のハブ機能を果たしていけるようにということでございます。
 センターオブセンターズは、男女共同参画センターをバックアップしていく。各地に置かれているものを、それぞれ体力が大から小までいろいろございますので、バックアップ機能を強化していくということでございます。よく司令塔と間違って表現されますけれども、各地の男女共同参画センター自体は自治事務として各地方自治体に置かれていますので、司令塔ではなくて、あくまでもバックアップということで考えてございます。
 4月のワーキング・グループの報告に沿った形で、現在、こういったことで検討を進めているところでございます。
 一番下に「施設の見直し」と書かせていただいておりますけれども、現在、ヌエックの建物は築約50年ということで老朽化がかなり進んでおりまして、毎年修繕費をかけながら運営しているということで、ハードがソフトを圧迫しているという状況でございます。先ほど御説明したような機能強化を進めていくに当たりまして、ハードからソフトへの転換を目指していきたいと考えてございます。
 私からの説明としては以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、今回は御質問、コメント等がある方は挙手をお願いできればと思います。
 小林委員、お願いいたします。

○小林委員 専門調査会のほうの結果をよく読んでなくて、分かっていないで質問で申し訳ないのですけれども、ナショナルセンターのところで、施設の見直しでハードからソフトへと書いてあるのですが、これは支援、バックアップということなので、例えばZoomのようなものでウェブでつないで何らかのことをやっていくのかというのが一つ。
 もう一つ、これは独法ですから予算関係は運営費交付金になると思うのですが、運営費交付金がヌエックに出された後に、各地に対する支援は、金銭的な支援はなく、単なるさっき言ったようなウェブでの支援が中心になっていくのか、そこが分からなかったので教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 質問をまとめたいと思いますので、井上委員、お願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。井上です。
 私も今、小林委員が質問されたのと同じところですけれども、先ほどハードがソフトを圧迫しているという御説明がありました。どんなふうに圧迫をしているのかというところと、ハードからソフトへの転換はどういうふうに目指していくのかというところを教えていただきたいというのが一つ。
 それから、ナショナルセンターとして、地方自治体を取りまとめるナショナルセンターになるというような理解をするのですが、実際に地域にいて、地域の男女共同参画センターはなかなか地域の人に知られていないというところをすごく感じているのですね。それを今後どうやってこれを発展させていくのか、その辺がなかなか見えないなというところがあります。独法として今後いろいろ展開していくというところであれば、その辺のところも課題になってくると思うので、その辺りも教えていただけたらと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにありませんでしょうか。
 私は30数年前から利用させていただいて、ヌエックの企画実行委員とか運営委員なども何度か務めさせていただいたのですけれども、地方から各地で活動している女性関係の団体が対面で集まって意見交換をする、そこで元気をもらって帰っていくという機能が私にとっては非常に前向きに見えたので、今までの機能も保ったまま新しい機能を強化していくという方向に行くようにしていただければ、私としてもありがたいと思っております。よろしいでしょうか。
 では、内閣府のほうから御質問等についてコメントをお願いいたします。

○小八木大臣官房審議官 御質問、御意見、どうもありがとうございます。
 小林先生、井上先生のオンラインなのか、ハードからソフトへの転換というのは具体的にどういうことなのかということでございますけれども、小林先生のおっしゃるとおり、オンラインでということのウエートを上げていくのかなと。コロナを契機にオンラインの会議が一般的になってきて、本日のこの会議もオンラインでございますけれども、そういったものが増えてきたということで、そういったものをうまく活用しながら、顔を合わせたものだけではなくて、例えば企業さんとか、地域の方々とか、そういったところに届くようなコンテンツをつくっていくということで、一つはオンラインの会議に転換していくということ。
 それから、どういうふうに支援するのか、お金なのかということでございますけれども、お金というよりは、今申し上げたように、コンテンツをつくるとか、あるいは先ほどもフォローアップのときにございましたけれども、データを何らかの形で整理していくとか、そういった形で地域のそれぞれで取り組んでおられるセンターをバックアップしていくという方向なのかなと考えてございます。
 最後に、山田座長からございましたけれども、意見交換をする機会、顔を合わせてということも含んでいるのだと思いますけれども、これはオンラインオンリーでやっていくというよりは、ハイブリッドの形でやっていくことが、そこでできていく人間関係も非常に重要だと思いますので、そういったことも大切にしていくのかなと考えてございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、時間になりましたので、この議題はここまでとさせていただきます。
 最後に、事務局から何かありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 今日もありがとうございました。
 特にございませんが、フォローアップでは多数の御指摘をいただきまして、また本日も加えて何を今後やっていけばいいのかという御指摘をいただきました。年明け以降もどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議は以上となります。皆様お疲れさまでございました。