計画実行・監視専門調査会(第27回)議事録

  • 日時:令和5年10月13日(金) 15:30~17:30
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  1. 開会
  2. 議題
    (1)今後の検討課題及び第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップについて
    (2)男女共同参画センターにおける業務及び運営についてのガイドライン作成検討ワーキング・グループの開催について
  3. 閉会

【配布資料】

資料1
女性活躍・男女共同参画に関する現状と課題 [PDF形式:7.3MB]別ウインドウで開きます
資料2
想定される検討項目 [PDF形式:110KB]別ウインドウで開きます
資料3
第5次男女共同参画基本計画 中間年フォローアップについて [PDF形式:233KB]別ウインドウで開きます
資料4
第5次男女共同参画基本計画における成果目標の達成状況 [PDF形式:550KB]別ウインドウで開きます
資料5
男女共同参画センターにおける業務及び運営についてのガイドライン作成検討ワーキング・グループの開催について(案) [PDF形式:173KB]別ウインドウで開きます
参考資料1
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:109KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料3
第5次男女共同参画基本計画(説明資料) [PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます

※資料4については、資料中、表記に誤りがあったため、令和5年11月7日付で修正しました別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
山田 昌弘  
中央大学文学部教授
委員   
石黒 不二代 
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役チーフエヴァンジェリスト
同    
大崎 麻子  
(特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
同    
佐々木 成江 
お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
治部 れんげ 
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
同    
白波瀬 佐和子  
東京大学大学院人文社会系研究科教授
同    
内藤 佐和子 
徳島市長
同    
山口 慎太郎  
東京大学大学院経済学研究科教授
同    
山本 勲   
慶應義塾大学商学部教授
内閣府  
加藤 鮎子  
特命担当大臣(男女共同参画)
同    
岡田 恵子  
男女共同参画局長
同    
小八木 大成  
大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
大森 崇利  
男女共同参画局総務課長
同    
上田 真由美  
男女共同参画局推進課長
同    
杉田 香子  
男女共同参画局推進課男女共同参画推進官
同    
松川 伸治  
男女共同参画局推進課積極措置政策調整官

議事録

○山田会長 皆様、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 定刻となりましたので、ただいまより第27回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
 本日は、加藤鮎子女性活躍・男女共同参画担当大臣に御出席いただく予定なのですが、公務の関係で後半からの出席と伺っておりますので、御了解いただければと思います。
 それでは、議事に入ります。
 まず議題「(1)今後の検討課題及び第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップについて」です。
 来年6月をめどとする女性版骨太の方針2024の策定に向けて検討すべき課題について議論を行いたいと思います。また、本年は令和2年12月に策定された第5次男女共同参画基本計画の中間年に当たり、成果目標のフォローアップを実施することとなっております。今後の検討課題と第5次計画中間年フォローアップの進め方や今後留意すべき点について議論をしていきたいと思います。
 まず内閣府の小八木大臣官房審議官より資料1~4の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○小八木大臣官房審議官 男女共同参画局の審議官の小八木と申します。よろしくお願いします。先生方におかれましては、これから半年余り、いろいろと御議論をいただくということとなりますが、どうかよろしくお願いいたします。
 私のほうからは、資料1から4を用いまして御説明をさせていただければと思っています。
 まず資料1につきましては、今のデータですね。女性が置かれている状況に関するデータについて御説明させていただきまして、それから、資料2、これが本題でございますけれども、「想定される検討項目」。これから御議論いただく項目ですね。これについて御説明させていただきます。資料3、4でフォローアップ。先ほど座長からも御紹介ございましたけれども、第5次男女共同参画基本計画におきましては、中間年フォローアップをするというようなことが定められております。これは初めてのことでございまして、こういったことに関して中間年フォローアップにつきましてどういうように進めていくのかというのを資料3、4でお諮りしたいと考えております。
 では、早速でございますけれども、資料1でございます。
 まず1枚おめくりいただければと思います。
 まず女性の就業の状況でございますが、370万人、10年間で増えているというような状況でございます。
 次でございますが、M字カーブの状況でございますが、昭和57年、平成14年、それから、令和4年と20年ごとの数字を掲げさせていただいておりますけれども、労働力率もその後、高くなっておりまして、カーブの底も以前よりかなり浅くなっているということ。それから、年齢階級も上昇しているというようなことがうかがえます。
 それから、次の次をお願いしたいと思います。
 一方で、M字カーブはかなり底が浅くなってはきているのですが、今度、L字カーブと我々は呼んでいるのですが、このブルーのところ、濃い青のところですが、L字を何か横に倒したような形になっているのでL字カーブと言っていますけれども、正規雇用、この率が低い。男性が緑、女性が青で表していますけれども、かなり開きがあるというようなことと、先ほどの台形型になってきたM字カーブ、こちらとの開きがかなりあるということで、正規雇用でない働き方、主として非正規で働いている方が多いというようなところで、これは出産時に退職、または働き方を変えまして、育児後に非正規で働くというケースが多いことを反映していると考えられるところでございます。
 続きまして、最近、いろいろ報道もされますけれども、男女間の賃金格差でございます。右側の図を見ていただきますと、OECDの平均が88.1%、日本は77.9%と分母が男性の賃金、分子が女性の賃金でございます。かなり開きがあるというようなことで、こういったところをどうしていくのかというのが一つの課題でございます。
 次、よろしくお願いします。
 そういったことの背景にあるものの一つとしまして、生活時間、こちらの男女差、これが結構大きいのではないかというのがこのグラフでございます。オレンジの折れ線グラフを見ていただきますと、イギリスから右側のところは1から2の間、これは男性の無償労働の時間を分母に、女性を分子に置いたものでございますけれども、1から2の間でございますが、韓国で4.4、日本はそれよりもさらに大きな数字、5.5ということで、男女間で無償労働時間、家事・育児、こういったものの時間の開きがかなり大きい。女性のほうに無償労働が偏っているというようなことを表しています。
 続きまして、それを時間帯別、横軸に時間帯を置いた形で見てみますと、緑のところが仕事の時間です。それから、オレンジ色と薄いオレンジ色、これが家事とか育児、こういったものの時間でございます。一目瞭然でございますけれども、下のところを見ていただきますと、有配偶でお子さんがいる家庭のところで見てみますと、緑の部分が左側で非常に小さくなっている。それを圧迫するようにオレンジのところがあるというような特徴を持ってございます。
 続きまして、それらの意識面でございますけれども、女性の8割以上、男性の7、8割が女性に家事・育児が集中しているというようなことが職業生活において女性の活躍が進まない理由と考えている。これは男女ほぼ同じような割合でこういった結果が表れている。分かってはいるというようなところであろうかと思います。
 続きまして、その構造、どういうようなことをもたらすのかということでございますが、一番下に時間格差がございます。それで働き方、両立ですね。こちらのほうが難しくなってきますというようなことで、それが登用の遅れですとか、あるいは先ほどのL字カーブといったところに影響を与えて、それが男女間の賃金格差、こういったところに結果として表れてきているというようなことがうかがえるところでございます。
 続きまして、今度、話が替わりまして役員の関係でございます。点で表していますけれども、G7諸国につきましては4割弱、女性の役員比率でございますけれども、それから、OECD諸国の平均で3割弱というような一方で、日本につきましてはTOPIX10014.9%、プライムで11.4%というような数字になっておりまして、かなりの開きがある。
 続きまして、これらはずっとそういうような状況だったのかというと、欧米の諸国でも15年ぐらい前は同じような状況だったというようなことで、ここでは逐一は書いておりませんけれども、それぞれ何らかの目標を立てるというような仕組みを作りまして、上げていったというような経緯がございます。
 続きまして、今の日本の傾向をそのまま伸ばしますと、いつ30%に届くことになるのかというのがこのグラフでございますけれども、今の傾向でそのまま推移しますと2042年というようなことで20年かかってしまうというようなスピード感でございます。
 続きまして、女性の役員が一人もいない企業というようなことで、プライム市場の中でどのぐらいあるかと申しますと2割弱というようなことでございます。
 次の次に移っていただきまして、では、それを支える、6月に定めました女性版の骨太でも我々はパイプラインというような言い方をしていたのですけれども、内部登用で役員に上がっているというようなところを整えていかないといけないというようなことで考えているわけでございますが、直近、まず係長で見ると24.1%が女性なのですが、課長クラスで13.9%、部長クラスになると8.2%というような割合となっておりまして、かなり少ないというような状況になっております。
 役員の関係あるいは管理職の関係、これを機関投資家がどのように見ているのか、どのように使っているのかというのが次のページになります。
 投資判断におきまして女性活躍情報を活用しているというような機関投資家等のグラフでございますけれども、6割強が活用されているということで、では、どういうような情報を活用しているのかというのがその下の棒グラフでして、女性役員比率というのが8割ぐらいに上っている。また、女性の管理職比率も65.4%というような非常に高い割合で女性の役員あるいは管理職というような企業の構造を見ておられるというようなところでございます。
 次とその次は、株式市場においても、女性の役員割合が高いところはパフォーマンスがいいというようなグラフでございます。
 次は意識の面でございます。若い世代の意識の変化というようなことで、人によってはまだまだだというような御意見もあろうかと思いますけれども、左下を見ていただきますと、両立コース、将来のパートナーに対する未婚男性の期待というようなことで、共働きがいいのだというようなのが青いグラフでございますが、かなり上がってきているというようなところで、これは女性についても同じ状況でございます。
 右上でございますけれども、いずれ管理職に就きたいと思っている女性の方というのが若い世代ほど高くなっているというようなところでございます。
 次のページでございますが、家事。今度は男性の家事・育児ということですが、家事につきましても育児につきましても、男性自身、若くなればなるほどスキルが高いというような自己認識を持っておられる。一方で、配偶者から見ても、やはり若い世代ほど配偶者、夫の家事に満足している、あるいは育児に満足しているというような結果が得られております。
 それから、家事・育児への考え方。次のページでございます。自分が率先して家事・育児をしないといけないというような考え方を持っている方というのは若い世代、20代では男女でほぼ同じになっておりますが、女性につきましては年齢が高いほど自分がと。それから、男性につきましてはそう思ってないというのが高い世代ほど高くなっているというようなことで、若い世代でかなり近接してきているというのは非常に特徴的な結果であろうかと思っております。
 どのような条件であれば正規雇用として働き続けたいかというのを女性に聞いたところでございます。濃いほうが有配偶、薄いほうが独身の女性でございます。有配偶の場合、両立系の選択肢を選んだ人というのが顕著に多いというような状況でございます。両立に関して理解のある職場ですとか、自分の家事・育児などの負担が軽くなればとか、働く時間を調整しやすい、融通が利く仕事であればというところが高くなっている。これが女性の意識のほうでございます。
 男性のほうでございますけれども、男性の育児休業というのが次のページでございますが、20代の約3割の男性が2か月以上育児休業を取得したいというように思っている一方で、実際どうなのかというのが右側のグラフでございますが、緑のグラフが男性でございます。実際には6割が1か月未満しか育休が取れてないというようなところで、希望と現実の間にギャップがあるというような状況でございます。
 それから、続きまして、育児の関係が続きますが、待機児童の数はかなり改善されてきているというようなことで、6年前、2万6000人を超えていたものが、令和5年は2,680人というようなことで、その後10分の1になっているというような状況でございますが、その一方で、次のページでございますが、放課後児童クラブ、こちらのほう、棒グラフを見ていただきますとサービス量自体は増えてきているのですけれども、緑の折れ線グラフを見ていただきますと、1万6000人ちょっとの方が利用できなかったというようなこととなっております。
 次のグラフでございます。働き方、両立というようなことで働き方の一つとしてテレワークというのがコロナ禍の中でかなり広がりを見せたというようなことでございますけれども、この推移がこちらのグラフでございます。増えております。ただ、コロナ禍に比べて今は若干減っているというようなことも聞こえてきているところでございます。
 それから、次のページでございますが、テレワークをした人とそれ以外の人の生活時間の差を取っているものでございます。右側が男性でございますが、家事・育児、オレンジ色のところですが、家事・育児というところが増えている。テレワークが進むことによって柔軟な働き方ということが進むことによって、家事・育児、先ほど時間格差というような課題があるということでしたけれども、こちらのほうの改善に寄与するというようなことが期待できるところでございます。
 次に地域の関係、話が替わりますけれども、10代、20代、若年女性、こちらの転出超過割合というのを見たときに、男性が黄色いグラフ、女性が緑のグラフでございますが、女性のほうが流出が激しくなっているというような辺り、地方の実情というのに即した形でいろいろと考えていかないといけないのではないかと思わせるところでございます。
 次、また話が替わりましてITの関係でございますけれども、いろいろとITが広がってくることによって社会もかなり変わってきたと実感している方々が多いと思いますが、では、そのIT技術者の中での女性の割合というのがこのグラフですと緑の19%というところで、2割弱というような状況で圧倒的に開きがあるという状況でございます。
 次のページで、デジタル分野の女性の年収でございます。左3本、左3つの塊がIT関係、右が会計と飲食というようなところでございますけれども、経験年数による給与の伸びというのがITの関係では非常に高いというようなことで、賃金格差の関係も先ほどございましたが、こういったところ、期待できるのではないかということで御紹介させていただきました。
 ITと関連して次の理工系でございます。右下でございますけれども、OECDにおける学習到達度の調査、こういったものがございますが、男性も女性も遜色なく、日本でほぼ同じ点数だと。OECDの平均よりもかなり高いというような状況があるにもかかわらず、左側でございますけれども、大学の学部にというようなことになりますと理学部が27.8%、工学部が15.8%というようなことで非常に顕著に低いというようなことで、IT技術者と同じような傾向を示しているということでございます。
 次のページも新聞なんかで報道されていますけれども、OECDのグラフでも数値でも日本は理工系、最も少ないというようなデータとなっております。ざっと駆け足で資料1の今の状況を説明させていただきました。
 本題の資料2でございますけれども、想定される検討項目ということを掲げさせていただいています。5つ掲げさせていただいていまして、1、2、これが課題として、たたき台としてここには提示させていただいているものでございます。3が中間年フォローアップの関係でございます。4が一応念のため掲げさせていただいたというような整理でございまして、これは別途、女性に対する暴力に関する専門調査会、こちらのほうで議論していただくものでございます。5としてその他とございますけれども、骨太のほうでもプライム市場上場企業の女性役員の目標値というのを立てておりますし、こういったところ、5次計の成果目標の一部見直しといったことも議論になってくると思いますので、この点、あらかじめ御了承いただければと思います。
 1、2につきまして御説明させていただきます。
 1は、6月に定めた骨太では女性の役員比率を高めていく、パイプラインを構築していくというようなことを掲げたわけでございますけれども、1年でできるものでもございません。これは持続的にやっていくということが必要なものでございます。
 一つの課題としまして、女性役員登用の目標達成に向けた取組として女性人材の採用・育成・登用・発掘の強化といったもの、こういったものがその後、重要になってくるのではないか。その採用の中には新規採用も含まれますが、中途採用、先ほどL字カーブを御説明しましたけれども、せっかくいろいろ能力を高められたというので、育児を契機に正規ではなく非正規の働きを選ばれたというのは本人にとっても社会にとってももったいないことでございますので、中途採用とかそういったことなんかも考えられるのではないかということでございます。
 それから、育成。ブランクがあったりとかいろいろ両立が難しかったりとかそういったこともございますので、例えばリーダーシップ研修とかそういったものも必要になってくるのではないかと。それから、登用ですね。それから、発掘というのは先ほど部長クラスで8.2%という数字がございましたけれども、いろいろとまた役員のほうでもまだ1割前後というような数字がございましたが、外部からの人材発掘とか、そういったことも当面は必要となってくるのではないかということでございます。当然内部から上がっていくというのを太くしていくというのが理想ではございますけれども、当面、そういった発掘ということも必要ではないかというようなことで掲げさせていただいています。
 それから、次に、それと裏腹のことでございますけれども、男性を含めた両立支援策の一層の充実、生涯にわたる健康への支援ということで、両立支援とかあるいはWell-beingといったところ、こちらを掲げさせていただいております。こういったことにとどまらず、女性の経済的自立に資する取組の推進といったこと、これが一つの大きな柱としてあるのではないかというのが1ポツでございます。
 それから、2ポツにつきましては、先ほど地域の関係、1枚だけではございましたけれども、地域の実情、雇用の状況ですとか、あるいは意識の状況ですとか、両立支援を支えるネットワークの状況ですとか、こういったものは地域によって大きく都市部と地方でかなりの違いがあると考えられるところでございます。
 一つは、仕組みとして国立女性教育会館、こちらのほうをNWECと呼んでおりますけれども、こちらの機能強化を行う。それで各地の男女共同参画センターを拠点化しまして、それをNWECのほうでサポートしていくというようなことが考えられるのではないか。それから、デジタル人材の育成とリスキリング、就労機会の創出というように書かせていただきましたけれども、雇用機会がないと流出していく。なかなか地域に魅力がない、あるいは住みづらいというようなことがございますので、雇用機会の創出というのも掲げさせていただいております。
 すみません、説明が長くなっておりますけれども、資料3に先ほどの3ポツの中間年フォローアップの主な考え方というのを書かせていただいています。
 資料3の1ポツに書いておりますのは基本計画、こちらのほうで中間年にフォローアップ及び点検・評価を実施するというように決めさせていただいているということで、骨太でもそれを確認的に書いております。
 それから、2ポツ、実際の進め方、では、どうするかということでございますけれども、計画策定時の数値とその目標値、こちらがございます。これが例えば策定時の数値が20%でしたと、それから、目標値が30%ですというときに、その差の2分の1以上、つまり、25%というようなところを一つの基準として、25%に至ってなければ進捗が芳しくないのではないかと。25%以上であれば順調に進んでいるのではないかというようなことで、特に25%未満のところを重点的に見ていくのかなというように考えております。
 こういったフォローアップについては全分野についてやるわけでございますけれども、3ポツ、省庁別ヒアリング、省庁からいろいろとお話を伺うというようなことにつきましては、こちらに掲げた分野、第2分野、雇用ですとか仕事、生活の調和ですとか、あるいは地域、科学技術・学術、生涯を通じた健康支援、それから、防災・復興、女性役員の登用状況といった辺りを中心にやっていくのかなと考えております。
 資料4は今のデータでございます。先ほどの目標値、それから、計画策定時の数値、それから、最新値というようなことで、先ほど申し上げた25%以上というのに当たるのがブルーの色づけをしたところでございます。
 第1分野につきましては政治とか行政とかですので、行政自らやっていくところでございますので、第2分野以降を見ていただきますと、例えば年次休暇取得の取得率というところが策定時男女計で56.3%だったのが最新値、58.3%と2%動いているのですけれども、目標値は70%というようなことでかなり乖離があるというようなところで、こういったところを重点的にやっていこうと。
 ほかにも第3分野がかなりブルーのところがないというようなことで、例えば農業委員会というのがこういった数字になって、目標20%なのですけれども、最新値で12.6%。ただ、中には栃木県の日光市さんのように45.5%になっているというようなところもございますので、そういったところの状況なんかも聞きながら進めていければなと思っているところでございます。
 それから、科学技術は先ほど御説明申し上げましたけれども、まだまだというようなところがございます。
 それから、第6分野以降はご覧いただければと思いますけれども、それぞれブルーがまだというようなところもございまして、こういったところを中心にフォローアップというか各省からもヒアリングしながら進めていけましたらと思っているところでございます。
 若干説明が長くなりましたけれども、私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から御意見を頂戴できればと思います。まずお一人当たり3分程度御意見をお願いして、また一通り終わりましたら御自由にお願いしたいと思います。
 石黒委員が多分今、いらっしゃいませんよね。16時から一時退室と伺っておりますので、石黒委員、またいらっしゃいましたらお願いしたいと思いますので、毎回申し訳ないですけれども、五十音順ということで、井上委員は今日御欠席なので、大崎委員からでよろしいでしょうか。

○大崎委員 分かりました。ありがとうございます。
 今期もどうぞよろしくお願いいたします。今期も私からは国際基準、グローバルスタンダードとのアライメントをどう進めていくのかという観点から、そういったことを中心に意見を述べさせていただきたいと考えています。
 具体的には女性差別撤廃条約、これは選択議定書への批准といいますか、そういったことも議論して検討していく必要があると思いますし、あとは最近大変話題のビジネスと人権に関する指導原則、この中でも性差別、男女間賃金格差、職場や企業におけるセクシャルハラスメント、性暴力というのは大変大きなアジェンダになっておりますので、そういったもの。それから、それと連動している女性のエンパワーメント、WEPs。それから、最後に、女性版骨太の方針2023に初めて反映された女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダです。こういった国際基準というものをどういうように国内施策に落とし込んでいくかということをぜひ検討していきたいと思っています。
 といいますのも、今までは多分こうした国際基準的なものと国内のものというのは別のマターというように捉えられていたと思うのですけれども、今、全くそういう時代ではございませんし、それは外交安全保障の観点からも、経済、ビジネスの観点からも、グローバルサプライチェーンを見ていても、いわゆる機関投資家、ESG市場の動きを見ていても、これはもう本当に日本が国際基準、しっかりと取り組んでいくことが今後の日本の企業を含めてサスティナビリティの非常に重要なポイントになっていくと思いますので、そういったところをしっかりと検討していくということをお願いできればと思います。
 あとは男女間賃金格差の情報開示の義務化というのは非常に大きくて、これは先般のビジネスと人権作業部会が日本で訪日ミッションして日本の企業の人権リスクに関する調査を行ったときの最終日の記者会見でステートメントを発表して、その際、タレント事務所の性加害の問題しか記者の方々、質問しておられませんでしたけれども、そのステートメントの中には日本のビジネスと人権上のリスク、最大のものの一つは女性に対する性差別ということをはっきり言っております。その中でそれを示すデータというのは男女間賃金格差だということを明示していて、国が男女間賃金格差の情報開示の義務化をしたことを大変評価するとも書いてあります。
 それをレバレッジにして、いかに労働市場におけるジェンダー不平等を解消していくのかと、そこに期待するということを書いてありますので、いかにこれを使うかということと、あとは地方の話もまた後でいいかと思うのですが、若年女性の流出の背景にはやはり地方の労働市場のジェンダー不平等というのがあって、私も最近、明日は仙台に行くのですが、そういったところに行くときには必ず、その地域のいわゆるフラッグシップな企業、銀行ですとか製造業の大手ですとか、そういったところの男女間賃金格差のデータを今、出してもらっています。
 でないと女性のエンパワーメントに関する支援、若い女性へのあらゆるエンパワーメント支援も含めて就労支援とかいろいろやっているのだけれども、やはり労働市場に手をつけなければ、その受皿がこんなにもギャップがあって不平等があるのだということは本当に大問題ですので、これからこのペイギャップ、本当に使えると思いますので、金融庁も最近、地方銀行のペイギャップが非常に大きいということで、しかも、女性の管理職、課長以上ではなくてそれ以下の人たちもカウントして水増しをしているというようなことも強く指摘しています。それぐらいこの法整備というのは非常に重要な意味を持つものですので、これをどういうように使っていくのかということもしっかりとこの調査会の中で議論していければと思っております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 小林委員は欠席されていると思いますので、すみません、佐々木委員、お願いできますでしょうか。

○佐々木委員 画面を共有させてもらいます。私のほうからはいつもながらですけれども、理系のほうの知見からいろいろお話しさせていただければと思います。先ほど理系分野に力を入れてくださるということだったのですけれども、理工系デジタル分野での女性の少なさとか給料の伸びのお話が出ていましたが、ジェンダーギャップ指数のいつも報告されているグローバルジェンダーギャップレポートの中で今年度、そのレポートの中のキーファインディングの中で国際的な労働市場におけるジェンダーギャップの拡大ということで、STEMの職業は報酬が高く、将来的に重要性や範囲が拡大すると予想される重要な職業だと報告されています。
 さらに、オンライン学習において成長が予想される上位10のテクノロジースキルの登録が女性がやはり少なくて進歩も遅い。AIやビッグデータのオンライン学習においては、男女を比べると女性33%ということで平等率が非常に低くなっている。全てのカテゴリーにおいて習熟度が上がると男女格差がどんどん広がるそうなのですけれども、ここで非常に面白い報告だと思いましたのが、女性がオンライン学習を始めた場合、男性よりも短期間で習熟レベルに達する。AIとかビッグデータの分野に関して、そういうデータが出ておりますので、積極的に、多分苦手意識というのが大きいと思いますけれども、始めてしまえば習熟度が高いというデータが出ております。
 さらに、日経CNBCのインタビューで世界経済フォーラムのマネージングディレクターの今後やらなくてはいけない3つのことの中の1つに、やはり政府も企業も女性のSTEM教育、STEMスキル、STEMキャリアに焦点を当てなければならないとおっしゃってくださっておりますので、今後とも日本でもまずSTEM分野の取組を積極的に行っていただきたいと思います。
 続いて、こちら、昨年度、この会議でも報告されたジェンダー統計の観点から性別欄の取扱いについてという資料なのですけれども、私も気づかなかったのですが、政策研究大学院大学の教授で日本性差医学・医療学会の副理事長でおられる片井先生から貴重な御意見をいただきました。
 こちらなのですけれども、新型コロナウイルス感染症の発生届に性別欄の選択肢にその他を追記したということになっています。しかしながら、この追記というのは非常に大きな問題があるらしくて、疾患を考える上で生物学的な性というのは診断上の必須項目になります。同じ基準値でも男女で異なることもあり、想定される疾患も異なります。健診データという今、医学情報を見る上でも男女という区別が欠かせない情報で、国際的に見ても医学データは男女2択になっているらしいです。なので、ここにその他というものをジェンダーの配慮から入れてしまうと生物学的な配慮というのは生物のほうなので、生物とジェンダー、分けて考えなくてはいけなくて、日本の医療レベルの低下にもつながってしまうということです。
 なので、やはり今後、ジェンダー統計の検討の際はしっかり性差医学のこういう専門家を入れていくべきだと思います。LGBTQ理解増進法というものも制定されて、間違った理解がちょっと進みがちで、大学の健診でも男女の項目を外している大学が出始めてきているそうです。これは早急な対応をしていっていただかないといけないと思います。
 なぜこんなことが起きてしまうのかというのですが、やはり医師の知識とか理解不足というものが大きくて、医学系の方に私も性差医学系のジェンダーイノベーションの話をことがあるのですけれども、知らないという医師の方が非常に多いです。性差医学の発展で、同じ疾患でも性差があって治療法が違ってくる。今まで男性を基準としているもので作られてきた治療法とか診断法をそのまま女性に当てはめてしまうと女性の健康にかなり大きな問題が起きてくるということなので、しっかり医学部においてでも性差医学のカリキュラムを入れていくべきだと思います。さらに女性の健康に関するナショナルセンター、設置されていきますけれども、性差医学、性差医療というのをしっかり入れていっていただきたいと思います。
 あともう一点、性暴力のところの検討課題があったのですけれども、ぜひ障害者の方たちへの対策というのを検討していただきたいと思います。女性の障害者というのは女性と障害者という2つの社会的に弱い立場というのを抱えることになります。そうすると、差別が大きくなってきて、これはインターセクショナリティという非常に重要な概念になってくるのですけれども、それに当てはまってきます。
 実際にこれは米CDCが行っている行動危険因子サーベイランスシステムのデータを用いて解析した結果なのですけれども、性暴力を受けたとか、男性でも女性でも障害がある方のほうが数字が高いのですが、障害のある女性のほうが男性よりもかなり大きく性被害を受けたとか同意のない性行為、未遂にしても既遂にしても障害がない女性と比べて非常に高くなってしまっています。
 日本においては同様なデータが出ていて、DPI女性障害者ネットワークというところが調査しているのですが、女性障害者の35%が性被害を受けた経験があると、かなり高くなっています。でも、これはアメリカのように国としてデータを持っているわけではないので、やはり国として障害者の性別情報、性被害のときにちゃんと障害者であるかどうかというところの性別情報も収集して解析をしていく必要があります。
 あと障害者の方たちへ起きている問題としては異性介助ですね。サポートする人の性別が違うこととか、あと婦人科系の診断、乳がんや子宮がんなどちゃんとサポートを受けられない。これは多分科学技術で解決していかなくては、テクノロジーのところで解決していく問題だと思うのですけれども、そういうことも視点に入れて検討していただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、白波瀬委員が途中から御入室ということなのですけれども、まだいらっしゃっていませんので、すみません、五十音順で治部委員、お願いできますでしょうか。

○治部委員 ありがとうございました。
 まず全体的に伺っていて広く現状分析というか日本の男女格差の現状ということは分かるのですけれども、明確になっていないのは政府の責任というところです。男女共同参画は非常に広い分野であらゆるところに及ぶのですけれども、民間企業が経営戦略ないしは人材戦略として責任を持って行うところと、あともちろん、地方政府、自治体が行うようなところもあるのですが、この会議体ではやはり中央政府がどのようなところに責任を持つかというところを明確にし、政府がやるべきことにもう少しフォーカスをして、そこをしっかり議論するほうがいいのではないかなとちょっと考えております。
 全体に伺ったことに全く何も異論はないのですが、常に内閣府の男女局で言われることが意識であるとか、性別役割分担意識、これ自体が根深い問題であることは事実ではあるのですが、民主主義国、自由に人々が生きていくことができるという状況においては、どう生きるか、保守的に生きるとか伝統的に生きるということも含めて個人の自由であるわけですね。ここに政府がどういうように突っ込む、何かの形で強制力を持って手を入れていくということをやろうとしているのか、そうではないのかということをもう少しクリアにしないと、ずっと意識とか機運の醸成という話が繰り返しになるのですが、それは一体何を政策としてやろうとしているのかということがいつもちょっと曖昧だなと思います。
 もう少し言いますと、もし本当に意識を変えようということであれば、それは曖昧なことではなくて恐らく初等中等教育に突っ込んでいくということになると思うのですが、そこはきっと文科省の学習指導要領との関連もあると思うので、より解像度の高い議論というものを期待したいと思います。
 また、先ほど大崎委員から労働の問題においては差別のことが海外からも指摘をされているということなのですが、これは厚生労働省の労働局、もう既にいろいろな会議体があるのですけれども、そういったところで議論されているものの中で例えば役員登用というようなことはインセンティブをどうつけていくかということになると思いますし、一方で、マタニティーハラスメントのような違法行為に関してはどういう罰則を出していくかといったような話、もっと具体的にしていかないと、単に企業の意識を変えるということではもうこれ以上、物事は進まないのではないかなと思います。
 ちなみに先日、アジア各国の機関投資家が集まる、特にESGの中でもジェンダーに関心のある機関投資家が集まる会議に行ってきました。こちらで岡田局長も講演をされていたのですけれども、同じテーブルに座っていた欧州のある金融のデータを扱っている会社の方が言っていたのは、日本の政府はもっと強制力を持つようなルールに突っ込んでほしいということを言っていました。政府が何に遠慮をしてやるべきことをならないのか不思議であるといったようなことが金融の関係者から出ているということが実態です。
 また、あるアメリカの機関投資家からは、ESG投資をやっていろいろスクリーニングをしていくときに日本の企業のみが極めて女性の登用が遅れているものですから、日本の企業だけがほかの欧米の企業とは違う基準でスクリーニングしていく必要があって困っているといったような声が聞こえておりますので、本来、こういうことは市場主義の人たちからこういう声が聞こえるというのはすごくおかしなことではないかなということになりますので、ぜひ日本の政府におかれましては、もっとグリップを利かせてやるべきことを突っ込んでいただきたいと思います。
 それから、先ほど佐々木先生からもありました理系の女性の話なのですが、私、今ちょうど本部が東工大になりまして、広報関係のサポートもしております。大学で今、入試改革をやっておりまして、どうやって今、13%しかいない学士課程の女性を増やすかということをやっているのですけれども、正直言いましても出願の段階で女子が極めて少ないので、大学の入試をただ触るということでは増やすことは難しいです。ここに関してやはり初等中等教育の段階でのジェンダーバイアスですとか教員のバイアスといったようなことに関して変えていかない限り難しいということになりますので、ぜひ文部科学省の高等教育の前のところとの連携を取った形で何かができたらと思っております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 白波瀬委員、入られたのですが、後のほうがよろしいでしょうかね。

○白波瀬委員 すみません、遅れまして。

○山田会長 今、順番にやっていますので。

○白波瀬委員 今、入りました。申し訳ないです。お願いいたします。

○山田会長 少し落ち着いてからまた御意見をお願いいたします。

○白波瀬委員 はい。

○山田会長 よろしくお願いします。
 徳倉委員は御欠席ということですので、内藤委員、よろしくお願いいたします。

○内藤委員 よろしくお願いいたします。
 私からは議論したい内容は2点、お伝えしたいなと思っています。
 一つは、前回からも申し上げておりますが、やはり地方からすると中小企業が多くてなかなか女性の給与だったりとか働き方が改善されづらいというところもあるので、稼げる女性デジタル人材の育成というものをまたさらに議論していきたいなと思っています。
 単純に女性デジタル人材の育成とかリスキリングという部分ではなくて、やはり私は稼げるというところにこだわりたいなというように思っていて、単純に自治体で女性のデジタル人材、育成しますというように何か言ってしまうと例えばデータ入力だったりとか簡単なホームページ作成だったりとかに安易に走ってしまうような傾向もあって、それだとやはり非正規の再生産になってしまうという気がしていて、結局、それが繰り返されるのであれば女性デジタル人材の育成と言ってもあまり意味がないなというように思っているので、そこの部分はきちんとある程度の稼ぎがあるというところをこだわっていきたいなと考えています。
 先ほど治部委員からも初等教育の重要性の話も出ておりましたが、例えば徳島市のほうでもこういう女子、小学校ではなくて中学校とか高校とかの女性のデジタル人材の育成に無料で教育の機会を与えますみたいなチラシを例えば作ったとして、校長先生の権限で、うちの学校ではこのチラシは配れませんというような学校が実際にありました。うちで言うと中学校15校あるのですけれども、3校、チラシが配られなかった学校が実際にあります。
 それはなぜかというと、男性にも機会を与えていないということが不平等だと。女性だけにこういうウェブとかデジタルのスキルを何で徳島市はそもそもそんなことをするのだというような話がありまして、やはりこういう女性のデジタル人材が少ないとかそういった現状をあまり理解されていない方もいらっしゃって、きちんと市役所としても男女共同参画センターの職員が今の現状だったりとかどうしてこういうことをするのかというようなことも含めて説明をしたのですけれども、やはり御理解いただけないまま、その3校の学校の子たちにはチラシが配られないままその講座がスタートしてしまったというようなことがありましたので、やはり校長先生とか教頭先生とか、その辺りの人材に対しての教育研修というものは徹底していかないと、その学校の子たちがその機会を知らないまま、もしかしたらその機会を知っていたら参加したかもしれない子たちに届けられないということは自治体としても防ぎたいと思っていますし、特に地方であればなかなか給与の話も含めてデジタル人材のほうが時間的にも自分の働きやすい時間帯で働けるだったりとか、給与的にも水準が高いという部分で、やはり地方創生にも資するものだと思っておりますので、そういったところの連携も含めてきちんとやっていきたいなと自治体としても思っております。
 あとはもう一点は、私も女性の首長でありますので、女性の政治参画についてお話を少ししたいと思います。今、女性の首長、55名おります。1,718自治体あって、知事も含めてですけれども、55名しかいないような状況で、やはり女性のほうが、これも以前にも議論にもありましたが、オンライン、SNSを含めてハラスメントを受けやすいというような状況もあります。先ほど治部委員のほうからも政府として何をやるのかとか、そういった議論をしなければいけないみたいなお話もありましたが、私ももう非常にそこは賛同するところでありまして、やはりこういう状況だよねということをみんな理解はしているけれども、実際、では、どういうことをやっていくのだったりとか、政府として自治体としてどういうことができるのだということをきちんと考えて実際に実行していくというプロセスが必要ではないかと思っています。
 やはり女性の政治家さん、少ないので、あと特に若い女性の政治家さんは少ないので、私もなかなかそういう相談をできるような、男性の同じような同年代の政治家さんは違う部分もあるので、そういうことも含めてロールモデルであったりとかいろいろなことを話ができる場であったり後進を育てる場であったり、そういったことも含めて考えて実行していかなければいけないと思っておりますので、そこも議論に含めていただければなと思います。
 以上です。お願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 順番から言うと山口委員なのですけれども、山口委員、私のところから入ってないように見えますが、いらっしゃいますでしょうか。いらっしゃいませんね。まだ入ってらっしゃらないので、では、山本委員、お願いできますでしょうか。

○山本委員 慶應大学の山本でございます。
 事務局の資料、御説明を拝見してとても網羅的でいいなと思ったのですが、一つ気になったのは、時間格差を強調されていて、無償労働時間で男女間の格差がある。無償労働のほうに焦点を当てていて、それはとても大事だとは思うのですけれども、ただ、無償労働の男女間格差をどう是正していこうかと考えたときに、やはり先ほど治部委員も言われていたように意識を変えるというアプローチがあると思うのですが、それをすべきなのかどうかというのもあるし、また、それをやるにしてもなかなか難しいのではないかというようなことも、これは内藤委員も学校の問題ということで挙げられていましたが、そういうのを考えると、無償労働の男女間格差は裏返せば有償労働の男女間格差でもあるので、やはり労働市場あるいは企業での職場というところに焦点を当てる、そのほうが政策的にはアプローチしやすいのではないかなと思います。
 恐らくこれまでも男女共同参画の政策で強調されているとは思うのですけれども、やはり改めて男性の働き方を変えていかなければいけないと。労働供給側の要因、行動を見るとやはりこれは事務局の資料にもありましたけれども、硬直的な正規の働き方というところが問題になっている。硬直的かつ長時間の働き方ですね。そこを是正することで、やはり女性に正規就業を選んでもらうということがアプローチとしては常套手段なのかなと感じました。
 特に今、とても大企業中心にWell-beingが大事だということが言われていて、健康経営とか人的資本経営というのがかなり盛り上がってきていて、つまり、今までの働き方だとやはり男性の正社員も決してWell-beingが高いわけではないのだということで、持続可能な働き方にしていかなければいけないというようにかなり変わってきているので、実はそういう変化、Well-beingを重視するような経営というのは女性活躍とも親和的だと思うので、やはりそこはもっともっと強調していくべきなのかなと感じました。
 そのときに、やはり大企業ではかなりそうした動きが進んではいるのですけれども、中小企業ですね。こちらでの動きが鈍い。恐らくそれが地方での働き方にも問題があるというところにつながってくるとは思うのですけれども、地方に注目すると中小企業での働き方というところを何とか是正していくというような検討を是非すべきかなというように思いました。
 一方で、企業側からすると恐らく正規で働きたいという女性が増えてきたとしても、やはりスキルが残念ながら求めているものがないというような見方もするかもしれないと思います。そういう意味では、やはり多様、複雑なタスクをこなせるようなリスキリングというのを強調すべきで、それを事務局の資料でも強調されていたと思いますが、それがデジタル人材だけでいいのかということですね。
 先ほど内藤委員からもありましたけれども、デジタル人材はもちろんリスキリングがやりやすいのかもしれないのですが、必ずしもデジタルだけではなくて、やはり男性の正規雇用が多めにやっているような複雑な高度なタスクをこなせるような、いわゆるドメイン知識ですね。ビジネスの現場での知識を身につけていく。そこがやはり非正規雇用で働く人には少なくて、なぜ少ないのかというと、特には企業の中ではOJTが少ないというところがあると思うので、企業の中でのキャリア形成のところで非正規でもドメイン知識を身につけさせるようなOJTをさせるような何か仕掛けをつくっていくとか、そういったようなところも大事なのかなと。
 それから、もう一つはデジタルという意味では、デジタル人材をつくるというだけではなくて、AIとかロボットとか新しいツールを使えば、むしろ働きやすくなる。テレワークなんてまさにその最たるものだと思うのですけれども、労働経済学の最近の研究で、AIとかを使うことでむしろスキルの低い人たちの生産性が上がって格差というのが縮小する傾向すらあるというような研究結果も出てきていまして、そういうことを考えると、スキルのところだけではなくて、女性が働きやすくなるような形でテクノロジーを使っていく。そういう検討あるいはそこを強調するということもしてもいいのかなと感じました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 まだ石黒委員、お戻りではないので、白波瀬委員、大丈夫でしょうか。

○白波瀬委員 大丈夫というか、どうかよろしくお願いいたします。本日は遅れまして申し訳ありません。
 報告を聞いていないので、前もって資料は送っていただいていますけれども、少しだけということで。やはりこのジェンダーの問題は長きにわたってまだこの程度かというのが正直な、皆さんも含めてではないかと思います。女性の、女性のということだったのですけれども、あるいはこういう言い方をしたら大変山本先生に何か失礼なところもあるかもしれない。やはり無償か有償かではなくてケア労働というところで、無償も有償になるというところもあるので、足元のところで時間の使い方で明らかに見えるように、これだけの分断が進んでいるというところでは、どこに外圧を当て続けて、その効果をどこで見ながら修正しながら継続的に変えていくのかという、もう本当にここに尽きるような気がいたします。
 そういう意味で、今は本当にかなり分布のところで違っているという初歩的なところなのですけれども、仕事の中身を含めてやはりかなり早い時期からという話もありましたが、少なくとも私は、今は本当にトランジションというか過渡期にありますので、我々のような年寄りは、年寄りと言ってはいけないのですが、やはり50代でもそうだと思うのだが、まだ覚悟をしてというか、働くところの想定自体が物すごく違ったところでここまで来た人たちが多いと思うのですね。そこの中で急に上がることの良し悪しもある。ただ、それをしないと次に続かない。
 ただ、続かないのだけれども、続いていただく。少なくとも40代前の人たち以外はあまり自分の属性に関わりなくというところで徹底的にリーダーになることも含めて、やはり意識的にどういうジェンダーであって国籍であっても競争していただくというようなイコールな選択を与えてあげるということが重要ではないかと思いますので、そのための確認をしていただく。
 それで教育という話がありましたけれども、本当に進路指導を含めてすごく見えにくい部分があるのですね。ここの見えにくい部分で非常にバイアスされたジェンダーもまだ根強く残っているというところがありますので、そこも同時進行でいろいろなところで入れていただきながら、政策効果という点では残念ながらなかなか見えない部分だから、そこは変わらないからしようがないのよねではなくて、変わらなくてもずっと入れ続けていただき、政策効果もずっとしっかり報告していただくということは絶対忘れないでやっていただきたいなと。何かいろいろ政権が代わったりとか何か状況が変わると、次、これこれという形になってしまいがちなのですけれども、それぐらいやはりこれからの日本の競争力も含めて過渡期にありますので、そこの覚悟が結構国レベルでもいろいろなステークホルダーの部分でお願いしたいとすごく感じ、何か大ざっぱな話なのですが、最初のほうなどはそう思います。
 最後に1点、ちょっと労働のところが中心なのですけれども、やはり個人的にジャニーズJr.のこの問題についてはものすごく根も深いし、ものすごく深刻だし、これは大人世代の責任でもあると思います。これは逆の立場であります。男性の男性、女性のといって今度は男性のとこうなります。でも、この功罪が明らかに出たというか顕在化した部分というのは、今のこの男女共同を考えるに当たって、やはりもう一度、この深刻さについては改めて確認しなくてはいけないのではないかなとすごく感じておりますので、それは被害者が本当に女の子だけではなくて男の子だという事実については、にかかわらずというところで本当に男女共同参画局の責任はますます重くなっているというような感じを持っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 あと石黒委員がまだ戻られていないので、座長の私から述べさせていただくのですけれども、ちょっと時間が長くなりましたので、ここで5分ぐらい休息をいただきまして石黒委員、私、そして、その後は自由に討論ということでよろしいでしょうか。今、37分ですので、申し訳ないのですが、4243分には始めたいと思いますので、5分休憩、取らせてください。では、またよろしくお願いいたします。

(休  憩)

○山田会長 皆様、お戻りになりましたでしょうか。ありがとうございます。そろそろ時間になりましたので再開させていただきます。
 石黒委員が45分に戻るということですので、すみませんが、私が先に意見を述べさせていただきたいと思います。
 一つはざっくりしたもので、これはもう白波瀬委員がおっしゃったのとほとんど同じなのですけれども、私、2004年から男女共同参画の専門委員を19年続けてきておりまして、暴力部会に回ったりいろいろするのですが、毎年毎年、目標があるのだが、まだ届かないねというのがもう20年近く、私、そばで見ておりまして、やはりここは何かエッジを利かせる方策、治部委員がおっしゃったように政府が本当に強力に進めるといったようなことをしないとやはり進まないのではないかと。先ほども20代女性は管理職になる意欲は前の世代よりも高いというのはあったのですけれども、今までの昇進ルートだと彼女たちが管理職になったり役員になったりするにはさらに20年、30年かかってしまうということがありますので、ぜひそういうことも具体的には多分いろいろな方策はあると思うのですが、全般的にそういうエッジを利かせるような手法というのを是非取っていただきたいというのがまず一つでございます。
 あと細かいというか、私が部分的に申し上げたいのは、やはりワーク・ライフ・バランスとか管理職比率とかばらばらに言われていますけれども、何度も申し上げたのですが、中間管理職のワーク・ライフ・バランスはどうなっているのだろうなというのが私の関心でありまして、管理職でなければワーク・ライフ・バランスはやっているのだが、課長とか部長になってしまうともうワーク・ライフ・バランスどころではないといったような状況があるのではないか。
 私、10年くらい前にある外資系企業にお話を聞きに行ったのですけれども、外国人の部長さん等は夕方5時になればみんな当たり前のように帰ってしまうという風土があるわけですね。だから、日本では一般の社員はワーク・ライフ・バランスは整っているけれども、実は管理職のワーク・ライフ・バランスがなかなかうまくいかないといったようなところがあるのではないか。となりますと、課長とか係長とか部長クラスの労働時間はどういうように変わってきたのかとか、もちろん国家公務員も含めてですけれども、そういうデータがあればまた積極的に中間管理職のワーク・ライフ・バランスを進められるようにできるのではないかと思っていますので、もしそういうデータが無いのだったらしようがないですが、あればそういうデータを出してもらいたいというのが一つでございます。
 あと第2点は地方。やはり内藤委員がおっしゃったように地方は非常に遅れていると思っております。地方かつ中小企業は相当遅れていると思っております。私は御存じのように社会学者なので地方に特に結婚活動、婚活をしている若者たちにインタビュー調査をたくさん行っているわけですけれども、やはりコネ採用が多くて嫌になってしまうとか、女性は全部一般職だとか、男性は全部正社員だが女性はパートしか採らない、非正規雇用しか採らないとか、まだそういう中小企業がたくさんあります。
 先ほどのデータを見ても、役員比率等はプライムとかTOPIX100とか、そういう企業ほど高く、全部の上場企業だと少し低くなる。では、上場企業ではない企業の役員比率や管理職比率はどうなのだろうな。特に地方の状況はまた違うと思いますので、是非そこを取ってもらいたいというのと、あとやはり政治参加に関しても内藤委員、いらっしゃいますけれども、この前の地方選挙で確かに東京23区ではもう5割とかそれに近い地方議員比率のところが多くなりましたけれども、やはり地方議会では国よりも低いという地方議会はまだまだ多くありますので、ぜひ地域別に都市規模別の委員比率とかそういうものも含めて出してもらえたらありがたいと思っております。
 というのも私、御存じのように少子化を研究しておりますので、少子化を見てみますと、最近、私、これをいろいろなところで発言してます。本会議でも言いましたけれども、ここ20年で東京23区は子供の数が何と減ってないのですね。しかし、秋田県とかはもう50%以上減っているし、合計特殊出生率が高いと言われる富山県とか沖縄県でさえも子供の数は減っている。つまり、母数となる若い女性が先ほどもデータにありましたけれども、東京に流入しているというのは、やはり東京のほうがまだ女性差別が少なく働きやすく、そこで共働きが今しやすくなっていますので、正社員同士の共働きが20年前に比べればしやすくなっていますので東京23区は子供の数がほとんど減らないで推移しているということがあると思います。
 そのために地方において男女共同参画をいかに進めていくか、これを中心にやっていくという、中心かどうかは分かりませんが、拠点というように言われていますけれども、では、その上がどういうこと、もともと文科省の管轄ですので、もしかしたら企業とかそういう関係は弱いかもしれませんので、ぜひNWECなりセンターを中心とするのでしたら、いわゆる地方の女性の仕事上でのエンパワーメントというのを注力するような施策が必要になってくるのではないかと思います。
 石黒委員、まだ入ってないですかね。では、もう少し言いますと、さらに、これは言おうかどうか迷ったのですが、私、白波瀬さんも一緒なのですけれども、東京都の社会保障審議会の委員もやっておりまして、そこで東京都の医師会長の人が発言して、NHKで海外に出稼ぎに行く若者たちという「クローズアップ現代」がやっている。それを見て、看護資格を持っている人がオーストラリア、ニュージーランドに行くと月60万、80万円で働くことができる。つまり、医師会長ですので、看護師や介護士の待遇をもっともっと上げないとみんな海外に逃げてしまうぞというようにすごく危機感を持って語られていたのが分かります。
 もちろん、テレワークとかそういう環境も必要でしょうけれども、かなり多くの女性は介護、ケア労働やサービス労働で働いているわけですから、そういう主に女性が働いているような職場の賃上げ等もしていかないと、もちろん全体の賃金格差も縮まりませんし、地方の女性が東京に逃げるというのだったら、まだ国内でいいのですが、さらにそれが海外に優秀な女性が行ってしまうということにならないかというのは私、非常に懸念しておりますので、ぜひそういう懸念も含めて御検討いただければありがたいと思います。
 以上です。ありがとうございます。
 石黒委員、戻ってらっしゃいましたか。

○石黒委員 戻りました。すみません、ちょっと仕事でどうしても抜けなくてはいけなくて、申し訳ございませんでした。

○山田会長 大丈夫でしょうか。

○石黒委員 大丈夫です。

○山田会長 では、石黒委員、お願いいたします。

○石黒委員 意見ですか。

○山田会長 1人3分というか5分ぐらいでも結構です。

○石黒委員 了解しました。
 先ほどの御説明、皆さん、何を言われたかちょっとよく分かってないので重複した意見だったら申し訳ないのですけれども、3つばかりありまして、一つは理工系が少ないというところがありましたよね。聞こえますでしょうか。

○山田会長 大丈夫です。聞こえています。

○石黒委員 分かりました。
 理工系が特に工学部、少ない理由というのは前々から言われているのですけれども、女性が数学などの理系科目ができるにもかかわらず、理工系を選ばない理由ですが、アメリカでも比較的同じ傾向があります。ところが、アメリカのほうは大体大学だと中堅どころでやはり30%ぐらいは工学部でも女性の割合があるということで、日本との開きが大きいと思います。
 一つ、女性で理工系に行くのは例えば医者だとか、それから、あとはもちろん薬学系というのはあるのですけれども、何か端的に言うと手に職系です。医者も手に職なわけですよ。イメージがつきやすい職業というのはよく選ばれるのだけれども、やはりエンジニアとか、また、理科系でも最近は、マテリアルなどの技術的、半導体のマテリアルとか注目されていて、これは理学部ですが、アメリカの大学では結構選ばれているのですね。
 ですから、そういう今後出てくる技術に対しての職のイメージというのがあまりないので、そういうところをきちんと大学のときに御説明をいただいて、むしろ、大学に入る前に御説明をいただいて、そこの辺りを増やしていかないといけないと思います。技術者がだんだん経験を積めばお給料が高くなるからこれがいいスポットであるという御説明だったので、それはそのとおりなのですけれども、それよりも、技術職はもう明らかにものすごく高い給与なのです。デマンドとサプライがもうほとんど破綻する状態なので、いわゆる求人が多いにもかかわらずその数が少ないという意味ではすごくお給料が上がるところだと思いますので、先ほど海外に看護の人たちが行くというお話が出ていましたが、IT系では完璧に海外のほうが圧倒的に3倍、4倍で高いのですね。ですから、そういうものもあるので、ぜひ理工系の女性を増やすための手段というのをいろいろ職のイメージというのをつけたほうがいいなというように思います。

○山田会長 よろしいでしょうか。

○石黒委員 まだあるのですけれども、いいですか。すみません。

○山田会長 もちろん、どうぞ。

○石黒委員 あとは取締役というところなのですけれども、これもよくずっと議論されてきたのですが、やはり取締役ということで今は外部取締役に女性をという流れがほとんどだと思うのですね。それはやはり外部のほうが採用がしやすいので、内部からのプロモーションというと、どうしてもいわゆるコーポレートラダーを上がっていくというのが今までの経験上、その母数がまた全然足りないのですよね。
 ですけれども、外部が多い弊害というのもあって、今、外部取締役の候補があまりいないにもかかわらず外部を増やそうとしているので、例えば報道などを見ていると、部長職ぐらいまで外部取締役の採用があるということを聞きます。私、それは流石に、いいことではないと思っていて、部長職をやっていた人では、外部取締役のスペック的にはもう全然足りないと思います。ガバナンスの理解などは、部長職ですとなかなかそこの経験も少ないので、今は、無理に外部取締役を増やす状況になっているのだけれども、本来は内部の登用が進んできて、内部で経験を積んだ人が内部でも、また、その人たちが、外部取締役をするというものでなくてはいけないのですが、それが逆転になっていて、反対に内部の雇用というのが取りあえず外部で取締役の数を埋めておけば、というそういう傾向にあるということの是正が必要だと思います。
 あともう一つです。ちょっと名前は忘れてしまったのですけれども、子供の学校が終わった後に何とかクラブでしたか。

○山田会長 学童保育ですね。

○石黒委員 学童保育ですね。あれをあまり助長してはいけないと思います。私は前々から主張しているのですけれども、時間外労働があるため、そこのところまで学童保育の時間を延ばすというのは、やるべきではないと思っています。女性の家事の負担だけではなくて、本当に長時間労働をした後で、また6時以降、7時、8時に迎えに行って、それで女性中心に育児をやるのは女性の体がもたないと思うのですね。
 前もお話ししたのですけれども、アメリカでは6時以降開いている保育所は全くなくて、女性だけでなく、本当に全員が迎えに行って、6時以降を家庭の時間にするというのが少なくともシリコンバレーでは行われているので、今後、AIの進歩などからいろいろ職業の内容が変わってくるはずで、そうすると、労働時間が評価される時代というのは終わってくると思うのですね。もちろん、労働時間を確保しなければいけない職業は一部ありますけれども、今後、労働の中身も変わってくるので、いわゆる時間評価、時間が長いから評価されるという評価軸というのをなくしていくべきだというように思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 あと20分ぐらい時間がありますので、追加の意見、もしくは今の皆様の意見を聴いての御感想でも結構ですので、20分ぐらい議論したいと思うのですけれども、お手を挙げるというか挙手のボタンを押していただくと分かりやすいので、どなたからでも結構ですのでよろしくお願いします。
 大崎委員、よろしくお願いします。では、大崎委員、治部委員の順番でお願いします。

○大崎委員 ありがとうございます。
 本当に委員の皆様からいろいろな非常に重要なポイントが出たと思います。この専門調査会では男女共同参画、ジェンダー平等の推進というのを男女共同参画の担当のところがやるべきものというのもたくさんあるのですが、やはり今、重要なのはジェンダー主流化ですので、いかにほかの関連省庁がこのジェンダーの視点というものを主流化した上で様々な施策を考えていくかということだと思いますので、ぜひいろいろな省庁の方々から御報告いただきたいなというように思います。
 例えば地方創生に関しても、地方の女性の流出というのはNWECとか男女センターが何かやってどうにかなるという問題ではないので、やはり国の地方創生戦略であったりとか各地の地方創生戦略、政策というところにどういうように男女別データを見て、若年女性の流出の背景に何があるのかということを踏まえた上での戦略になっているかどうか、それをぜひ御報告いただきたいです。
 それから、金融庁。金融庁は先ほど申し上げたとおり、人的資本情報というところから地銀のペイギャップの情報を集めて非常に厳しい指摘、今、出しています。なので、この人的資本情報に関する調査をして、このペイギャップというのが地方でどうなのかということをぜひどのように分析されたのかということ。私、報道ベースでしか分からない、Bloombergが報道していたのですけれども、それはぜひ報告していただきたいです。
 あと外務省。先ほど申し上げたWPS、女性・平和・安全保障、これはこの間の女性版骨太の方針にも入りましたし、あとちょうど第3次国内行動計画というものが策定されまして、その中ではWPSの関連省庁、つまり、防衛省とか法務省、警察庁などのキャパシティービルディングとか政策のジェンダー主流化というのは非常に強くうたっています。なので、外務省からもぜひそれをどういうように進めていくのかということを御報告いただきたいです。
 次に経産省。先ほど申し上げたビジネスと人権。これはガイドラインを出していたにもかかわらず、今回のタレント事務所の問題での企業の右往左往ぶりを見ますと、やはりビジネスと人権がちゃんと理解されていなかったということが明白で、この中で先ほど申し上げたとおり、国連の訪日ミッションからもジェンダーの問題、男女間賃金格差、それから、セクハラというものが日本は禁止する法律がないので、その法整備の不備だったりとか、そういったことを指摘されていますので、このビジネスと人権という観点から経産省としてどういうようにこれから取り組むのか、ジェンダー視点からということを御報告いただきたいです。そんな感じでぜひ主流化というところを意識して調査会というものを企画、構成していただけるとありがたいなと思います。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、治部委員、石黒委員の順番でお願いいたします。

○治部委員 ありがとうございます。
 山田座長、石黒委員、お二人からやはり6時以降はファミリータイムなのではないかという当たり前のことではあるのですが、改めて大事な御指摘がありまして、私もここに追加したいと思います。
 これは働き方改革という形で政府もやっていましたし、もう少し長いところで言うと厚生労働省マターであるかなというように思うのですけれども、私の友人でよく情報交換をしている、例えば名ばかり管理職の訴訟等々で勝っている労働裁判にとても強い圷由美子先生という弁護士の方がいらっしゃるのですが、彼女が以前から生活時間ということで提唱されています。要するに6時を過ぎるようなところ、保育園とか学童をお迎えに行くようなところは人の人間として生きる権利として確保されるべきであるということを言っていて、これは当たり前のようで先進国の日本でまだ実現できていません。私は正直言って、この会議体自体も結構夜に遅い時間に御連絡をいただくことについて、これは私が嫌だとかではなくて、私はただ受けるだけなのですが、内閣府の男女局の方の働き方も常々すごく心配に思っておりました。
 ですので、そんなに丁寧に御連絡いただかなくてもいいし、場合によっては事前の説明とかはなくてもいいと思います。まず事務局であるとか、今日、傍聴にいらっしゃったような皆さん自身の働き方を人間的なものにしていただきたいと思いますし、こういったことに関して今、人事院も取り組んでいると思うのですが、霞が関の希望者がすごくいなくなってきているということも聞きますので、そういったことについてまず皆さん自身がどのように働き方を変えることができるかということもぜひこの調査会の中で伺いたいと思っております。
 それから、先ほど大崎委員もお話をされておりました芸能事務所とテレビの問題なのですけれども、私もテレビ局の番組審議会委員等々もやっているのですが、あの問題に関して実はテレビ局の動きが非常に遅かったです。どちらかというとスポンサーになるような企業、グローバルな有名な企業のほうがビジネスと人権に関して敏感に動きというよりも、海外機関投資家からの圧力を恐れてそのように動かかざるを得なくなる形で、ジャニーズのタレントさんを使わないとかCM、引き上げるというような話があってからテレビが動いたというような認識を私のほうでは持っております。
 テレビ局というのは本来、電波法で外資規制が入っていて、市場に変な形ではさらされない。公共の電波であり、公共の報道であるから市場的なものから守るということで守られていたはずのセクターが市場から守られていたからこそガバナンスが利かずにこんなところまで来てしまったという、そういう問題があります。この問題は第一義的には総務省マターであるかと思いますので、多分経産省に加えて総務省もこういった課題に関してこれからどういうような形で取り組んでいくのか。テレビ報道というのは表現の自由との関連で政府があまり口を出すことは好ましくないというようなことはもちろんよく理解しているのですけれども、そういった本来自由を守られるべきとされていたメディアが最もお粗末な対応をしたということで、これはちょっと政府が出てきてもいいのではないかなと思っていますので、ぜひどこかのタイミングでお話を伺いたいと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、石黒委員、お願いできますでしょうか。

○石黒委員 今の大崎委員とか治部委員の意見に関連して、私、この前、新聞に書いたのですけれども、うちの会社の失敗例として、例えば副業とか時短とか、いわゆる育児とかに関連する人が時間どおり来なくていいとか、週休3日でも全部選べるという制度を初めから作ってあったにもかかわらず、間接部門に行かずに営業をずっとしたいという女性がいて、その人が結局運用がやはりそれについていっていなくて、営業として残ったのですが、その人の上長に当たる人が、やはり大手顧客を彼女に任せるのが怖いと。大手顧客が離れるのが怖いと。なぜなら、残業ができないからということを勝手にやってしまったのですよね。中小の顧客をあてがわれることになり、それで営業の数字がいかず、もう本当に泣きながら辞めていったということがありました。
 それは何でお客さんにうちは残業しないというように言えなかったのということなのですけれども、同じようなことが霞が関でもあって、以前お話ししたかもしれないのですが、残業したい人はすればいいのですよ。残業したくない人がせずにいられる制度というのが私はいいと思っていて、本当に霞が関の働き方は私もずっと委員をやらせていただいているけれども、かなりブラックだというように思います。そういう働き方を是正したほうがいいですともう前からお話はしているのですけれども、当時の経産相の枝野大臣が石黒さんのところはお客さんに残業しないと言えますかと言って、いやいや、言うべきではないですかと。うちのお客さんは永田町なのですよとおっしゃったのですね。これは明らかにそういう働き方、永田町がそういう働き方。それに合わせて官僚が働くということなので、これは例えば大崎委員、各省庁が担当している人権とかということを一度いろいろなレポートを出していただいたらどうかという御提言で、それはすごくいいと思うのですけれども、各省庁の女性の割合とか女性の管理職の割合とか、省庁別に一度出していただいたらどうかなというように思います。いかがでしょうか。

○山田会長 ありがとうございます。
 そうですね。省庁別プラス先ほど私が申し上げたように係長、管理職別の実労働時間というのを一緒に出してもらえるとありがたいなと思います。

○石黒委員 やはり官公庁というか省庁はみんなの働き方のお手本になるべきところなので、ここから直していくことがやはり民間が率先してやる気が出るというか、やらなくてはいけないというように思うと思うので、まずは霞が関からというように思います。

○山田会長 ありがとうございます。
 大崎委員、お願いいたします。

○大崎委員 すみません、短くします。こども家庭庁にもぜひ御報告いただきたいです。というのは、こども家庭庁で今、取りまとめられているこども大綱の策定に向けた中間整理、こういうのを見ていますと、本当にジェンダー視点という言葉をしっかり使って、各地で子供たちの意見を聴く。そのときにしっかりとジェンダー視点も踏まえた上で男の子も女の子も多様な性の子たちもということだと思うのですが、非常によくできていて、この政策自体もすばらしいと思いますし、それを地方に展開していって、地方で子供たちの意見を聴く、それを政策に反映していけるようにするというのはどういうようにやるのかというようなことも含めて、どういうことをお考えなのか、何かモデルがあるのか、そういったこともぜひ教えていただきたいです。
 それはやはり本当に教育機関ももちろん重要なのですけれども、子供たちの意見を聴くという姿勢が地域社会で広がっていくと、結構おじいちゃん、おばあちゃんは孫の言うことなら聞きますし、あとSDGsのこと、今の子供たち、ものすごく学んでいるので、大変すばらしいことを言うのですよね。なので、それがやはり地域社会を変えていくきっかけにもなっていくと思いますので、こども家庭庁には頑張ってほしいですし、どういった方向性でおやりになるのか、ぜひ報告していただいて我々もサポートしていければいいのではないかと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにお手を挙げてらっしゃる方がいらっしゃいませんので、御議論のほうはこれで、意見交換の時間を終了したいと思います。本日いただいた御意見も踏まえ、事務局にて今後検討すべき課題について整理した上で、今後の本調査会において様々な問題について議論してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
 また、5次計画の中間年フォローアップにつきましては、次回以降、関係省庁からのヒアリングを行っていければと思います。取り上げるテーマと出席省庁については事務局において調整をお願いします。
 次に、議題(2)に移りたいと思います。「男女共同参画センターにおける業務及び運営についてのガイドライン作成検討ワーキング・グループの開催について」です。
 昨年12月から今年4月にかけて当調査会の下に独立行政法人国立女性教育会館及び男女共同参画センターの機能強化に関するワーキング・グループが開催されました。そこで取りまとめられた報告書に基づいて男女共同参画センターの機能強化を図るため、その業務及び運営に関わるガイドラインの作成について検討を行うワーキング・グループを新たに立ち上げることになりました。
 内閣府の岡田男女共同参画局長より資料5に沿って新しいワーキング・グループの運営方針や構成員について御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○岡田男女共同参画局長 男女共同参画局、岡田でございます。
 本日もまた先生方から貴重な御意見を幅広い分野について賜りましてありがとうございます。先ほど座長からお話もありましたけれども、座長と御相談しまして、また今後の専門調査会でどんな課題についてそれぞれ議論していくかということを御相談させていただきたく存じます。
 資料5に沿いまして説明させていただきたく存じます。今年の6月に決定させていただきました女性活躍・男女共同参画の重点方針2023では、地域のニーズに応じた取組の推進ということでNWEC及び男女共同参画センターの機能強化が盛り込まれておりました。この重点方針に基づいてNWECの主管を内閣府へ移管するということですとか、この法人及び男女共同参画センターの機能強化を図るための所要の法案について、令和6年通常国会への提出を目指すということとされております。
 男女共同参画センターの機能強化につきましては、先ほど座長からお話もありましたが、4月にまとめていただいたワーキング・グループの報告書がございます。そこの報告書におきまして、機能強化に関する施策、取組が整理されておりまして、地方公共団体が各地域のニーズを踏まえて必要な対応を取ることを期待するということも記載されております。このワーキング・グループの報告書を踏まえまして、男女共同参画センターの業務及び運営についてのガイドラインの作成、すなわち地方公共団体に参考としていただけるような手引の在り方を検討していただきますために、調査会の下にワーキング・グループを新たに開催していただいてはどうかということでございます。
 構成員は別紙のとおりでございます。有識者の先生方に加えまして男女共同参画センターを所管するなど地方の男女共同参画の推進の担い手でいらっしゃいます地方公共団体の職員からなっていただくことを考えてございます。
 私からの説明は以上でございます。

○山田会長 御説明ありがとうございます。
 それでは、ワーキング・グループにつきましては資料5のとおり、開催することとしてよろしいでしょうか。特に御意義がありませんでしたので、そのとおりに開催させていただきます。長い時間、ありがとうございました。
 最後に、加藤鮎子女性活躍・男女共同参画担当大臣が御出席されていますので、一言御挨拶をいただければありがたく存じます。よろしくお願いいたします。

○加藤女性活躍・男女共同参画担当大臣 女性活躍・男女共同参画担当大臣の加藤鮎子でございます。
 山田昌弘座長はじめ委員の皆様方におかれましては、御多用の中、本調査会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。本日は途中からではございますが、参加をさせていただきました。貴重な御意見を賜り、本当にありがとうございます。また、男女局や永田町、霞が関の働き方自体も含めて御意見を賜りましてありがたく承りました。
 本調査会の役割は、まず第5次男女共同参画基本計画に掲げられた目標の達成に向けて、各府省の取組を強力に進めていただくことになります。また、それとともに各府省が計画実行に向けて毎年度、重点的に取り組む事項を決定する重点方針、いわゆる女性版骨太の方針の策定に向けた議論を行っていただいております。本調査会における議論は来年6月をめどに策定する女性版骨太の方針2024に直結するものでありまして、委員の皆様方からの御意見は大変重要なものと考えております。
 男女共同参画は全ての人が生きがいを感じられる多様性を尊重する社会の実現、我が国の経済社会の持続的発展において不可欠な要素であります。現在、政府におきましては経済対策の検討が進められておりますが、先般、岸田総理から所得向上と地方の成長の実現、また、人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動と推進、そして、国民の皆様の安心・安全の確保などが重視すべき柱として示されております。女性活躍・男女共同参画の推進は、まさにこれらに応え得る重要な要素でありまして、こうした観点からも取組を強力に推進していく必要があると考えております。
 来年の女性版骨太の方針が、岸田内閣が進める新しい資本主義の中の中核であります女性の経済的自立を持続可能な形で一層進化させるための強力な指針とすることができるよう、今後も企業における女性の登用拡大、両立支援の一層の推進、地方における男女共同参画・女性活躍の加速化など幅広い観点から御議論いただき、ぜひ様々な御示唆を賜りたいと考えております。
 今後の委員の皆様のお力添えを改めまして心よりお願いを申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。引き続きの御議論、どうぞよろしくお願いいたします。

○山田会長 加藤大臣、ありがとうございました。本当に日本社会の将来は女性活躍・男女共同参画にかかっていると思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 それでは、特になければ本日の議題は終了いたしましたので、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 事務局のほうから御連絡、ありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 今日はありがとうございました。私どもからの御連絡、特にございません。いつも本当にありがとうございます。次回以降も引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の会議は以上となります。皆様、どうもお疲れ様でした。