第28回男女共同参画会議影響調査専門調査会

  • 日時: 平成16年3月24日(水) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室
  1. 出席者
    • 大澤 会長
      岡沢 会長代理
      浅地 委員
      大沢 委員
      君和田委員
      木村 委員
      佐藤 委員
      高尾 委員
      永瀬 委員
      林  委員
      福原 委員
      八代 委員
  2. 議事
    • (1) 論点整理取りまとめについて
    • (2) その他
  3. 議事内容
    大澤会長
    時間も参りましたので、ただいまから男女共同参画会議影響調査専門調査会の第28回会合を開催いたします。
     皆様におかれましては、お忙しい中御参加いただきまして大変ありがとうございます。
     お手元の議事次第に従って本日の審議を進めてまいります。本日は、論点整理の取りまとめに向けた議論をいただきたいと思っております。
     事務局から、本日の議論のため、各委員の御意見を踏まえた論点整理修正案を作成しております。まず、事務局から、3月1日の原案からの変更点について御説明をお願いします。
    事務局
    今回の論点整理案の取りまとめに当たりましては、委員の皆様に短時間で御検討をいただき、お返事をいただくようにというお願いを多々いたしまして申し訳ありませんでした。いろいろと御協力をいただきましてありがとうございます。
     3月1日以降、一つは、3月1日の各委員の御意見、その後出していただきました追加の御意見並びに各省庁からの意見を踏まえまして、本日の論点整理案を作成いたしております。変更点のみ順次御説明をさせていただきます。
     まず3ページでございます。3ページの下の方ですが、「就労」という言葉を「就業」に変更しております。この論点整理の全般にわたりまして、「就労」と「就業」という言葉が混在しておりましたので、「就業」に統一するようにという御指摘をいただき、修正をしております。
     語句の修正は、簡易なものは説明を省かせていただきます。
     次は5ページでございます。5ページの「現状と課題」の1の題名は「知的集約産業化が求める女性の就業形態の変化」でしたが、知的集約産業化が求めるとまで言うのは言い過ぎではないかという委員の追加の御指摘がありまして、このような文章で修文をさせていただいております。
     次に、「生産システムが中心であった時代から、知識、情報やアイデアの役割が大きくなる時代へと変化している」という形で文章を修文しております。これは、原案では「年功的な熟練等を要する生産システムから」と書いておりましたものを、それが全くなくなるわけではないだろうということで、表現をやわらげたものでございます。
     6ページの9行目でございます。「かえって家庭への負担を加重にし」という点を削除いたしております。前回、「家庭」と「家族」という言葉を両方使っているということ、この部分の表現がわかりにくいという観点から、ここのところは削除させていただきました。
     次に、7ページの下2行でございます。ここは、卒業後の進路で、科目ごと、学部ごとの進路状況がどうなっているかということを記述してございますが、ここの記述がいろいろなデータを引用しているために、文章として読むとわかりにくいという御指摘がありまして、特に、「正規と非正規を比較すると、人文系、自然科学系で非正規の率が高い」と書いてあると、自然科学系のところに工学も含まれるように読めてしまうが、実際には工学は含まれていないということがありまして、わかりにくい文章は削除いたしました。同じ専攻であっても、女性の非正規割合が高いという部分のみを残しているという整理をしております。
     8ページですが、真ん中のパラグラフの「(注)」の中で、「非正社員」という言葉が多くの企業で実際に使われていると書いておりましたが、多くの企業で実際には使われていないということから、「一般的に」という言葉に変更させていただいております。
     9ページですけれども、2番目のパラグラフで、「近年、厳しい経済情勢の下で企業が正社員の雇用」の後に「取り分け新卒採用」という文言を挿入しております。
     14ページの4パラグラフ目でございます。「子育て期に当たる男性雇用者が長時間労働を強いられていること」というものを、強いられている方もいらっしゃるのですが、本人がやっている場合もあるということで、「長時間労働にあること」という修文にしております。
     15ページの右上の方ですけれども、「また、パートタイム労働者と非正社員のうち、『正社員として働ける会社がなかったから』現在の就業形態に就いたとする労働者の割合を時系列で見ると、年々増加している」という一文を、前回の委員の御指摘により追加いたしております。なお、こちらにつきましては、資料38-2というデータを新たに追加しております。
     そのページの一番下でございます。「女性の労働力率がm字カーブを描いていることは既に見たが、大卒女性の有業率は40歳代以上でも高卒女性の有業率までは上昇しておらず、再就職する年齢層の有業率は学歴との逆相関が見られる。しかし、大卒女性でも潜在的有業率は40歳代までは80%強の高い水準を維持している」ということで、女性の学歴と再就職の率に逆相関が見られるという御指摘を前回いただきましたので、これも資料とともに追加をいたしております。
     次は19ページでございます。2番目の○印でございますが、次世代支援育成関係の記述がございます。最初の○印は4行だけ書いてあったのですか、もう少し詳しく、わかりやすくという御指摘が厚労省からございまして、下の○印に書き換えをしております。さらに、そのパラグラフの一番下ですが、「さらに、一定の有期雇用労働者への対象拡大、育児休業期間の延長等、より利用しやすい仕組みとするための育児・介護休業法の改正案が今通常国会に提出されているところである」、これは、以前は「政策の方向性」のところに書いてあったものを、「現状」の方に移動しております。
     次の20ページでございます。第2パラグラフの、「また、婚姻、妊娠、出産等をした有期雇用職員に対する雇用期間満了を理由とする雇い止めについても、契約が反復更新され、実質的に期間の定めのない雇用契約と認められる場合には解雇に当たるとして禁止される」という文言を追加しております。前回、委員から、契約終了による雇い止めという問題も起こっているという指摘に対応して記載したものでございます。
     そのページの一番下、「賃金その他処遇、雇用管理」の「現状」の中、「また、パートタイム労働者の賃金が一般労働者の賃金に比べて低いことが多く、そのようなパートタイム労働に女性が多く就いていることが、男女間の収入格差にも影響を与えている」という一文を追加しております。これは、「現状」のところで、賃金格差について、正社員の賃金格差を66.5と書いておりますが、実際には女性はパートタイム労働が多いために、そうしたものについての賃金格差もあわせて考慮しておくことが必要であるという委員の御指摘にこたえたものでございます。
     21ページでございます。「賃金制度」の中で新たに記述を追加しております。「これらの流れ」は、職務給や成果主義賃金を導入するなど、能力、成果を重視した賃金制度に転換する企業が多くなっているという流れのことでございますが、「これらの流れは、次に述べる二点が満たされれば、男女間格差の縮小に資すると期待される」ということで、「第一に、賃金制度そのものが公正・透明性であること。例えば、職務給は同一価値労働同一賃金原則を実現する賃金体系の一つとして期待されるが、職務の価値の測定基準が未確立であったり、女性が多く就いている職務に不利な測定基準である場合には問題となる。第二に、人事評価等賃金制度の運用が公正・透明であることである。例えば、賃金制度が中立的なものであっても、人事評価が女性に不利に行われるならば、賃金格差を発生させてしまう」という部分。この部分は、委員から、職務概念を確立して、職務評価や職務分析の制度の手法を開発することが重要であるという御指摘を踏まえて追加したものでございます。
     22ページの2番目の○印の「家族手当については」という記述、これは右ページの上のパラグラフを移動させていただきました。移動した上で、「諸手当の増額につながっている」という部分を「支給の要因の一つになっているとの指摘がある」という文章に改めさせていただきました。この部分は、諸手当の増額につながっているというデータが統計上取れないという厚生労働省からの指摘がありまして、確かに統計上は、全体で見ると諸手当の減額につながっていたものですから、「支給の要因の一つになっているとの指摘がある」という文言に改めております。
     23ページの下から2つ目の○印につきましては、25ページに移動させていただきました。
     次に、24ページの1番目の○印の一番下の部分に追加しております。「均等法改正時の国会の附帯決議には、男女双方に対する差別を禁止するいわゆる『性差別禁止法』の実現を目指すことが盛り込まれていたところである」という一文を追加しております。これは、委員からの、均等法を両性の適用法律にするという論点を書き込んでほしいという御意見にこたえたものでございます。
     次の25ページの右側の上でございますが、ポジティブ・アクションの記載の中で、もう少し具体的に何をやっているかという内容を記載してほしいという厚生労働省からの申し入れがありまして、「さらに」以下の事業内容を追加しております。
     25ページの2番目の○印につきましては、23ページから移動したものでございます。
     その次の○印は、左側のページから移動したものでございます。
     26ページでございます。新たに文言を書き加えております。これは、前回3月1日に出した案の中では、住友電工男女差別訴訟の事柄についての記載を落としていたということに対して、委員から、記載すべきという御意見がございました。この御意見を踏まえまして、住友電工男女別訴訟の内容とするインプリケーションの部分を、まず「また、」ということで書きまして、参考として、男女差別訴訟の和解の内容について書き込んだという整理をいたしております。「また、コース別雇用管理が事実上の男女別の雇用管理として運用されてきた結果生じている、男女労働者間の事実上の格差を解消するための、企業の積極的取組みが不可欠であることから、企業に対する促進施策を積極的に展開することが必要ではないか」といたしまして、参考としては、「住友電工男女差別訴訟においては、会社と原告間の訴訟については、改正均等法施行前の差別について、昇格と解決金で和解した。また、国と原告間の訴訟については、企業が実質的に性別で雇用を管理していないかに、国が十分な注意を払うことや、男女格差について紛争があった場合、国が積極的に調停を行うことなどが和解条項に盛り込まれた」としております。
     27ページの一番下の○印の一番下ですけれども、パートタイム労働者と有期雇用のフルタイム社員との比較をすることもいいのではないかという部分につきましては、表現を正確なものに改めるということで、28ページの一番上の3行のような書きぶりに改めております。
     28ページの3番目の○印の一番下の3行ですが、こちらは、年金部会の指摘について、年金部会の指摘どおりの正確な表現にしてほしいという申し入れがありまして、表現を適正化したものでございます。
     その次の○印、28ページから29ページに向けてですが、この中では、「正社員の雇用機会が得られないため、非正社員として就業している者も多い」という点を付け加えさせていただきました。これは前回、委員から、このようなものも多いという御指摘があったものを踏まえたものでございます。
     29ページの一番下でございますけれども、65歳までの定年の引上げや継続雇用制度の導入等を定めた高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正案につきましての問題点でございますが、働いている「女性の」とありましたものを「男女の」、それから、「結果として新卒採用や子育て後の女性の再就職の機会を減じることがないように注視が必要と考える」としておりましたものを、「子育て後の女性の」という記載を削って、「男女の」という形で改めました。これは、女性のみを取り出して高年齢者と比較することはかえっておかしいのではないかという指摘がありまして、「男女の」という形で表現を改めたものでございます。
     次に31ページでございます。「起業・自営業」の部分でございますが、31ページのイの「現状」の中で、「資金の充実」を「資金の調達」としました。これは、前回、委員の指摘によるものですが、改めました。
     次に33ページでございます。33ページの上の○印の中で、「金融機関の女性職員の生活経験は」とありましたものを、「女性の生活経験」という言葉はあまり適切ではないだろうということで、「金融機関の女性職員の登用が、女性企業家のビジネスモデルの理解に資する一つの方策であると考えられる」という文言に書き直しております。これも前回の委員の御指摘によるものでございます。
     次は38ページでございます。ここは、在宅ワークについて、仕事の時間調整やマッチングについての記載でございます。厚生労働省の方から、さらに詳しく、わかりやすく文章を改めるべきということで、表現を適正化して追加しているものでございます。
     次が40ページでございます。npoの課題についての記載でございますが、従来の記載では、npoについての考え方が、構成者間でも意見が分かれているということと、最低賃金法についての考え方が分かれているということと、2点を一緒に書いておりました。これがわかりにくいという御意見がございまして、まず、npo等においては、雇用者と被雇用者の区別が不明確なのではないかという問題があると。その中で、例えば、最低賃金法については、当然のことながら、雇用者であれば法の適用を受けて、被雇用者であれば法の適用は受けないということをきちんと書いた上で、次に、働き方や給料について構成者間でも意見が分かれる場合もあるという点について記載する形で、記載を2つに分けております。
     次に41ページでございます。「雇用と自営の中間的な形態の就業者」の部分について、「個人自営業者であっても、一つの企業と専属の委託業務契約や請負契約を交わし、常駐に近い形で就業するといった労働者性の強い従属的契約労働者(ディペンデントコントラクター)」という記載をしておりましたが、ここの部分につきまして、厚生労働省から、「労働者」というとあくまでも労働者になってしまうという御指摘がございまして、「労働者性の強い従属的契約労働者」という言葉は誤解を招くのでやめてほしいという御指摘により、「ディペンデントコントラクター」という用語に統一させていただいております。
     43ページでございます。「公務員」の部分でございます。冒頭に、地方公務員について、「今回は特に検討を行っていないが、地方公務員についても女性職員が多く働いており、今後、地方公共団体においても同様の検討が期待される」という文言を追加させていただいております。これは、前回の委員の意見によるものでございます。
     それから、 (1)の「就業形態」の1行目でございますが、「終身雇用」という用語を「長期継続」と、これも前回の委員の御指摘により改めさせていただいております。
     次に44ページでございます。非常勤の事務補助職員の記載につきまして、「12か月を超えて更新はできない」と書いておりましたが、正確な用語に改めさせていただきました。「任用予定期間は発令日の属する会計年度の範囲内で定めることとされている」という記載といたしております。
     次に47ページの一番下の行でございます。「次世代育成支援対策法に基づき、地方公共団体による『地域行動計画』、各企業等による『一般事業主行動計画』に加えて、国及び地方公共団体も職員を雇用する立場から、『特定事業主行動計画』を策定することとなっている」という一文を追加させていただきました。これは、従来、それ以下の部分しか書いていなかったために、わかりにくいということで、よりきちんと記載を加えた方がいいという御意見がありまして加えたものでございます。
     さらに、「特定事業主行動計画省庁等研究会」の検討の中で、休暇等の取得例を提案するとともに、「育児のための休暇取得プログラム(パパプログラム)」というものの提言がされているという点についても記載を追加したものでございます。
     その2つ下の○印でございます。育児休業取得者の中で、「同じ部署の他の職員の負担増となる場合には取得をためらわせ、また取得しにくい雰囲気を生じているのではないか」という部分、これは前回の委員の御指摘により追加をさせていただきました。
     次の○印でございますが、「特定事業主行動計画関係省庁等研究会」の検討の内容、これもさらに表現を適正化して詳しく書き込んだものでございます。
     次に50ページ、「政策等の方向性」でございます。50ページの1、「総論」では、以前の案ではタイトルをつけてありませんでしたので、タイトルを、 (1)、 (2)、 (3)という形で題名を追加しております。
     (1)の部分につきましては、やや表現がわかりにくい部分がありましたので、事務局で修文した部分が一部ございます。「『共稼ぎ』世帯数は『片稼ぎ』世帯数を上回り、既に主流となっている」という部分を追加している等の点でございます。
     50ページの一番下のパラグラフでございますが、個人単位化は家族の役割を否定しようとするものではなく、男女が就業と育児・介護、その他の行動をバランスをとって行っていくということが重要であるという点。それから、少子化対策が重要であるという点についても追加いたしております。これは、前回の委員の御指摘の中で、個人単位化の一方で児童への配慮等が必要である、という御指摘を踏まえて追加したものでございます。
     次の51ページでございますが、ディペンデントコントラクターの用語は、先ほど御説明した形で、「ディペンデントコントラクター」という用語で整理をいたしております。
     その下の部分でございますが、労働法制と社会保障制度ということで書いておりましたが、社会保障につきましては、次の (3)に内容を移動して整理し直すという形で、ここでは、主には労働法制についての記載を中心に書いております。
     次の52ページでございます。 (3)「個人単位の社会保障制度の構築」という項目といたしまして、前の案では最後にありましたものを、ここの総論の中の<3>ということで位置付けを変えて記載しております。さらに、前ページの記載について、書き込めるものはこの (3)に書き込んでいるという整理をしております。
     次に、54ページの一番下のイの部分でございます。就業形態の多様化につきまして、前回の案では、どちらかというとプラス面ばかりが前面に出すぎているのではないかという御指摘、それから、非正規がいいということではなくて、不安定労働者が増えて二極化することへの懸念もきちんと書き込むべきではないかという委員何名かの御指摘もございまして、このような記述を追加しております。就業形態の多様化は、上述のようにプラスの評価ができる一方、正社員とパートタイム労働者等と非正規社員の二極化、階層化の懸念もあるという記載でございます。
     それから、その3行下でございますが、「また、正社員を希望しながらやむなく非正規社員となる者の数が増加しないよう注視していく必要があるのではないか」という記述も加えております。
     その下の「同一価値労働同一賃金の実施」の項の後段でございます。こちらは、先ほど21ページの方で御説明しましたように、職務給を導入している場合には、職務評価の手法の開発を進めることや、職務価値の測定基準を確立すること、賃金決定基準を明確化し、賃金表を整備することなどが重要であること。それから、人事評価制度の整備が必要であることを書き加えております。
     次の「パートタイム労働法及び指針の普及等」の部分でございますが、3行目の「将来的には、」という文言を削除しております。これは、委員からの追加意見で、「パートタイム労働法により強制力を高めたルールとすることも検討する必要がある」は、「将来的には」というまでのものではなくて、もう少し早くやっていただくことが必要なのではないかという御指摘を踏まえたものでございます。
     次のコース別雇用管理の記載ですが、これは厚生労働省から、均等法の一部でもあるので、均等法の記述の中に移動してほしいという意見がありまして、58ページの中にそのまま移してございます。
     次の56ページのウの<2>もコース別雇用管理の記載でございますので、58ページに移動しております。
     56ページの (2)の一番下の段、「なお、この際、少子化対策の観点から、子育てへの企業及び政府による経済的支援は、今後一層重要となることに配慮が必要である」という点も、前回、委員からの御指摘で、家族手当、住宅手当といったものを個人単位の制度に変更するのであれば、少子化対策、子育てへの配慮等が必要であるという御指摘を踏まえたものでございます。
     さらに、57ページの右側でございますが、「配偶者以外の家族手当に振り替える」と書いてありました部分を、「子どもへの家族手当に振り替える」ということで、表現をわかりやすく、さらに「子どもへ」と重点化することを書き直したものでございます。
     57ページの (3)のアの部分、「賃金格差の解消」につきましては、厚生労働省から、表現をもう少し充実してほしいということで、3行ほど書き込みをしております。イの「ポジティブ・アクション」についても、同じように表現を書き込んでおります。
     58ページの上から5行目につきましては、「なお、厚生労働省においては、現在、ポジティブ・アクションの効果的な推進方策について、有識者による研究会を開催し、検討を行っているところであり、この検討の結果に期待したい」という文言を書き込んでおります。
     次のコース別雇用管理は、先ほどの55ページから移動したものでございます。
     (4)の「仕事と家庭が両立できる環境の整備」の部分につきましても、従来は比較的簡単に書いておりましたものを、もう少し充実して記載してほしいという厚生労働省からの要望がありまして、書き加えたものでございます。その中で、保育サービスと育児休業は、従来は一緒に書いてありましたが、別々の項目として整理し直して表現を充実したものでございます。
     59ページのエでございますが、「両立に資する社会環境づくり」という題名にしておりましたが、題名と内容がそぐわないということで、なかなか適切な題名もなかったものですから、「その他」という形で題名を改めております。内容につきましては、pta関係行事のことだけ書いてありましたが、「学校における保護者会や」という点についても、委員の指摘を受けて追加しております。
     61ページでございます。「投資、融資等の円滑な資金供給」という部分で、先ほどと同様に、「金融機関における女性職員の登用が」という形で、「生活経験は」という言葉は削除しております。
     63ページのオとカでございます。ここは、在宅ワークについての能力開発の支援、情報整備につきまして、表現を充実して適正化しているものでございます。
     65ページでございますが、 (4)の「雇用と自営の中間的な形態の就業者」につきまして、まず一つは「ディペンデントコントラクター」という用語の整理。それから、イとウという形で、イについては、雇用者である者について、疑似雇用的なものであるものについては、「雇用者として扱うよう適切に指導する」という記述。ウでは、雇用者ではない者について、就業形態についてのガイドラインの制定等による契約ルールの適正化をすべきではないかという記載といたしまして、疑似雇用的な雇用者への指導と、そうではない者への新しいルールづくりという部分をかき分けて記載し直しております。
     次に66ページでございます。上から3行目、「地方公務員についても、女性職員が多く働いており、国家公務員と同様にその能力発揮は重要な課題となっている」という部分、これは前回の委員の御指摘によりまして、地方公務員についてもぜひ検討が期待されることを書き込むようにという御指摘により追加したものでございます。
     次の (1)のアの後段の3行につきましては、「育児のための部分休業は、1日につき2時間を上限としているが、個々人のライフスタイルの状況等に応じ、柔軟な短時間勤務が可能となる制度を導入することとしてはどうか」というものを、前回の委員の御指摘により追加したものでございます。
     次の67ページの一番上の部分、「結婚、出産より退職した職員を含め、再就業希望者に向けた制度の周知を行う」、これも委員の御指摘を踏まえて追加したものでございます。
     次の (3)の「諸手当の見直し」の中で、「配偶者以外の」を「子どもへの」ということで明確化したものでございます。
     次の68ページのア、6行目でございます。「例えば、部分休業、介護休暇、産前産後休暇取得者を」という部分は、表現があいまいであったものをきちんと書き込んだという表現の適正化でございます。
     最後の69ページの5「社会保障等のセーフティネット」は、先ほど御説明したように、総論の (3)、52ページに移行して書き直したものでございます。
     修正点につきましては以上でございます。
    大澤会長
    どうもありがとうございました。事務局におかれては大変な御苦労がございましたし、また、委員の皆さんお忙しい中、時間がない中で御検討をいただきまして、大変ありがとうございました。
     御質問や御意見、どこからでも結構だと思いますが、いかがでしょうか。
    林委員
    用語の統一をされた中の一つで、従来、労働者性が強い従属契約労働者とあったものが、すべて「ディペンデントコントラクター」という表現に変えられているのですけれども、これは、このディペンデントコントラクターという言葉が、もう既に十分通用しているのか。私のイメージでは、コントラクターという中にあいまいなものを残しすぎるというか、むしろ、従属的契約労働従事者というイメージであればいいと思うけれども、それとは少し違うなという気がします。よくわからないのでお尋ねします。
    定塚参事官
    このあたりは、ぜひ、私どももあまり知見がないものですから、各委員の御意見もいただきたいと思います。「労働」という言葉を使いますと、「労働」という言葉を使ったとたんに労働者である、したがって、労働法規が適用される労働者であるべきであるという考え方が一つありますので、労働者性が強いものは、たとえ形式上は労働契約でなかったとしても、労働者と見なして労働法制を適用しようというのが労働法上の考え方であるということです。そういう意味で、「労働者性が強い」とか「労働者」という言葉を入れると、ここで記載しようとしているディペンデントコントラクター、つまり労働者ではないけれども、自営と中間的なものということを記述しているわけですが、それと、本当は労働者だけれども、疑似的に労働者ではないと雇用主がしている場合とが混同されてしまうおそれがあるということで、ディペンデントコントラクターという言葉を使っていますが、その用語がいいのかどうか。
    林委員
    「労働者」と言えば、そういうことがあるかなと私も思います。しかし、労働者ではなくても、これは労働に従事している人のことを指していると思います。労働者性が強いかどうかは問わず。
    大澤会長
    「労働」まではいいけど、「者」を入れてしまうとね。
    林委員
    「者」を入れないで、「労働従事者」とすれば。
     どうも、「コントラクター」で、我々が思っている、いわゆる就業者ということを表せるのかなということがよくわからない。
    大澤会長
    まず、「ディペンデントコントラクター」という言葉がどれだけこなれた、あるいは、確立した言葉であるのかということがありますね。
    八代委員
    そもそも英語に「インディペンデントコントラクター」という言葉はあっても、「ディペンデントコントラクター」という言葉があるものでしょうか。
    大澤会長
    これは、厚生労働省では当たり前のようにお使いになっているということでしょうか。
    定塚参事官
    いえ、厚生労働省でも検討が進んでおりませんので、そういう意味では、この記述は非常に新しい記述です。
     以前、樋口先生がこの調査会でヒアリングに来られた際に、樋口先生のお言葉として「ディペンデントコントラクター」という言葉を使っておられました。
    林委員
    私の中では契約のイメージが強くて、就業にかかわってそこに従事している人を示す言葉としては、なじみがほとんどないです。
    佐藤委員
    八代先生が言われるように、一般的に使われていないと思います。使われているのはインディペンデントですよね。
     これは、リクルートのワークス研究所が5~6年前にレポートを出したときに、僕もメンバーに入っていたのですが、新しくつくった。多分その報告書に書いたのが最初だと思います。ですから、一般的には使われていないので。
     厚生労働省が、労働者というとエンプロイ(雇用者)だと誤解されるということであれば、働いている人という意味で「就業者」と使うか。就業者には役員などみんな入っているので、「就業者」として括弧して、一般的には落としてしまう手もあります。ここでディペンデントコントラクターをはやらせるということであれば入れるという考えもありますが、英語にもないと思いますので。
    福原委員
    これは建設的な意見ではないですが、何か対案があったらということはないのですが、国立国語研究所で、官庁がやたらと新語の英語などいろいろなカタカナを入れることに対して、かなり神経質です。専門でやっていらっしゃる方々はよくわかっている場合もありますが、この場合は、専門でやっていらっしゃる方々もわかっていないような気がします。それで、やたらとカタカナ語を使ってしまうのはどうかと思うので、何とかみんなで知恵を絞って、これに当たる日本語をつくりだすべきではないでしょうか。
    大澤会長
    今の佐藤委員の御指摘は、「従属的契約就業者」ですよね。
    佐藤委員
    それで十分に納得できると思います。
    大澤会長
    あるいは、コントラクターという語感を生かすのであれば、「受注者」という言葉もあるでしょう。しかし、「就業」と言った方が包括的ですよね。
    林委員
    佐藤先生がおっしゃった「従属的契約就業者」という言い方、または「契約労働従事者」、どちらかという形ですね。
    福原委員
    「労働従事者」と言ってしまうとまずい。
    佐藤委員
    「労働」を入れるとまずいですね。
    林委員
    「労働」は入れない方がいいですか。
    福原委員
    入れない方がいいです。
    林委員
    やはりその方がいいですね。
    福原委員
    「労働」という文字を使うことによって、労働法規がすべて引っかかってくるということですから。
    林委員
    「者」がなくても入りますか。
    福原委員
    「者」がなくても入ります。
    八代委員
    そうなると、「家事労働」はどうなるのかということもありますね。
    大澤会長
    労働ということには、自営業も、従業者も、失業者まで入っているわけですから、どこまでそこに神経質になるかということがあります。ただ、「労働者」と「者」がついてしまうとね。
    林委員
    それは、私も先ほどの説明と同じようにね。
    福原委員
    「就業」でちっとも差し支えないのではないですか。何らかの仕事をしているということですから。
    大澤会長
    正確にするためということもありますが、この案にはまだ全体的にカタカナ語が多いですね。なるべく日本語に置き換えたいと私自身も思っていますので。
    佐藤委員
    35ページの「在宅ワーク」なんていうのはどうするんですかね。
    大澤会長
    これは仕方がないのではないでしょうか。
    福原委員
    カタカナ語でも、例えば「フルタイム」とか「パート」、「アルバイト」はいいと思いますが、そうではない目新しいものはできるだけ日本語に置き換えないと、意味が伝わらないと思います。
    大澤会長
    テレビに出たら、「ライフコース」という言葉を使わないでくれと言われました。カタカナで通じるか通じないか、「ライフコース」あたりがボーダーラインらしいです。「ライフスタイル」はいいらしいけど、「コース」とするとわからない人が出てくると。
    福原委員
    新聞社ではいかがですか。
    君和田委員
    この間、一回そういうことが出ましたよね。この中のものであれば、「セーフティネット」が入っていたのではないかと思います。それは経済用語で随分使われましたけれども、一般の人に「セーフティネット」と言っても、恐らくわかりにくいのだろうと思います。ですから、「ディペンデントコントラクター」は論外という感じがあります。
    福原委員
    厚労省を説得しないといけないですね。
    定塚参事官
    先ほど申し上げましたように、「ディペンデントコントラクター」という用語自体、多分厚生労働省でも使ったことがないと思います。ここに書いてあることは全く新しいことで、この調査会で出てきたことですので、そういう意味では、先ほど佐藤先生が言われたような用語を、きちんとこういうものだよということを書いて、定義をして使えば、それはそれで日本語の方が恐らくはよろしいのかと思います。
    君和田委員
    「アクション・プログラム」とかありますよね。
    福原委員
    あれも全部言い換えが出ていたはずですよ。アクション・プログラムは「行動計画」とか。この中のものを言換え集と照合したら、かなり引っかかってくるものがあると思います。
    佐藤委員
    15ページの上から3行目以降のところですが、内容についてではなく、資料の41ページの38-2。実はこれは平成6年と平成11年では比較できません。これはカテゴリーが大幅に変わってしまっていて、多分、昔は「その他パート」の中に、いわゆる臨時日雇いに近いものが入っていたので、ちょっと御検討いただければと思います。
     もう一つは図のところで、「パートタイマー」のところで、「正社員として働く理由がなかった」が26.2%になっていますよね。これは 9.0と17.2を足しているけど、それはおかしい。「短時間パート」の中で 仕事がなかったと言っている人が9.0%、「その他パート」の中で17.2%ですから、比率同士を足してしまうのはまずい。計算できるかどうかはわかりませんが、もとの実数に戻さないと。全体の実数の中で何%ということなので。
    大澤会長
    今のところですが、これは5年おきの総合実態調査ですから、「年々」と書くと、毎年調査をしているようにも受け取られませんか。
    佐藤委員
    それもありますね。
    大澤会長
    「次第に」とか「類似の調査を経て」とか。
    佐藤委員
    本文中、非正社員の種類はパートだけですよね。パート就業実態の個人調査では比較できますので、そちらの方がいいと思います。同じ結果が出ていますので。
    定塚参事官
    わかりました。調査自体は違うものに差し替えて、表現も考え直させていただきます。
    佐藤委員
    もう一つ。55ページの真ん中のところで、これも別に内容がどうということではないのですが、「公正・透明な賃金制度を整備すること、特に」としてずっと書いてあります。「職務給を導入している場合は」と書いてあって、長い文章ですが、後ろの「賃金決定基準の明確化」というところも全部「職務給」にかかってきています。確かに職務給にも当てはまるわけですが、ほかの賃金体系にも当てはまります。職務給をどう定義するかですが、仕事だけで給与を払うということは国際的になくなってきています。仕事要素を入れる賃金制度にしていくのが最近の動きですが、そういう動きからすると、これだけ読むと職務給を入れろと読まれるかと思いますが、それはどうかと。
     提案は、職務給の場合は、職務評価の手法や職務解釈を見直すこと。その前に、「他の賃金制度も含めて賃金決定基準を明確化」でもいいかと。少し変な文章ですが。つまり、いろいろな賃金体系のつくり方があるが、大事なことは、透明性をきちんとしていくことだと言った方がいいかなというのが提案です。
    大澤会長
    そうすると文章がもっと長くなるので、「公正・透明な賃金制度を整備する」が全部にかかりますよね。だから、「整備すること。具体的には」として、一般論なので、「決定基準を明確化し、賃金表を整備する」と後ろの方を先に出して、次に「職務給の場合」と限定した導入をしている場合には、「手法の開発、価値の測定基準を確立すること」というように2つのセンテンスに分けて、一般論を前に出し、職務給に特化したものを後ろという解決はいかがでしょうか。
    佐藤委員
    そうしていただければと思います。
     ついでに、33ページの下から3行目、「(p)」が残っていますが。
    事務局
    これは、来年度予算の通過を前提に措置されるものなのでpを付けていますが、昨日予算が通ったので、これは取れることになります。
    佐藤委員
    あと、28ページの、パートで働いて労働時間が30時間を超えていても厚生年金に入れないというところ。僕も、この内容について反対するわけではないのですが、労働基準法で言うと、労働時間の通算の規定がありますが、実際上は意味がなくなっていますよね。兼業をやれるように、それはなくした方がいいのではないかという議論があるわけです。労働時間を通算して厚生年金に加入できるようにする、今度は時間管理を一層きちんとやれということになってくると、残業をどちらで払うかといった問題があり、実際上は兼業が難しくなるということもあるなということだけです。
     厚生年金だけ通算で加入できるようにして、時間管理の方は、形式上は通算しろとなっているが、それはやりませんということを考えられているのか。一方で、通算はやめて、兼業をやりやすくしろという議論もあるので。
     それだけです。
    大澤会長
    何か修文することはありますか。
    佐藤委員
    いえ、いいです。単に、結構難しいなと思っただけです。
    八代委員
    関連して、同じ28ページで、パートタイム、フルタイムという概念が、短時間労働者か雇用保障のない労働者かということでいつも混乱するのですが、ここでは、27ページの最後のところに、フルタイムというのは、通常、雇用に期限の定めのない正社員を想定していることをきちんと書いているのですが、その後で、それがまた、例外的かもしれませんが、有期雇用のパートと有期契約のフルタイムという、やや矛盾したことを言っているので、できれば、この意図を生かすためには、28ページの一番上ですが、有期雇用の短時間労働者と正規の時間働く労働者との比較というように、きちんと使い分けていただいた方がありがたいと思います。つまり、フルタイムは雇用保障があり、パートタイムは雇用保障がないという方に、この問題では統一した方がわかりやすいのではないかと思います。
    定塚参事官
    27ページの一番下の記載ですが、これにつきましては、まず現行制度を、パートタイム労働法としては、パートタイム労働者と期限の定めのないフルタイムとを比較して、その均衡を見ることとしていますが、それだけではなくて、まさに今おっしゃった有期のフルタイムの方とも比較できることが重要なのではないかという記述になっております。
    八代委員
    ですから、有期のフルタイムとは何ですかということで、それは、週40時間働く、3年契約、5年契約の人という意味ですよね。
    定塚参事官
    そうですね。1年契約なり、2年契約なり。
    八代委員
    そうですけど、パートタイムというのはもともと有期の中の1年というイメージが強いかもしれませんが、パートタイムだってもともとは有期ですから、有期契約のパートタイムと有期契約のフルタイムというのは、何を比較しているのかがよくわからない。
    大澤会長
    「有期契約のパートタイム」の「有期契約の」を取ったら、文意は不正確になるのでしょうか。
    定塚参事官
    パートの前の「有期」を落としても、パートの中にも無期の方がいらっしゃいますので。
    大澤会長
    そうですね。ごくわずかですけど、いるんですよね。
    八代委員
    パートの中の無期というのは、短時間労働者で正社員の人ですよね。
    定塚参事官
    はい。
    八代委員
    ですから、それが問題なので、「パート」というときに、昔からある短時間労働者という意味と、いわゆる雇用保障がないという意味が常に混在しているので、読む方から見れば非常にわかりにくいです。ですから、ここをきちんと識別して書いた方がいいのではないかということです。だから、パートというのは、雇用保障がない労働者と定義した上で、その中で、改めて短時間労働者というように最後のパラグラフは限定したらまずいですか。
    佐藤委員
    これは、定塚さんが説明されたように、現行法は、通常の労働者より時間が短い人はみんなパートですね。法律上はそうなっていまして、その人と通常の労働者を比較する。通常の労働者は、行政解釈で、いわゆる正規型の労働者と言っています。ですから、正規労働者と、その人よりも時間が短い人を比較するということになっています。
     そうすると、いわゆる正規型社員がどんどん減っていって、例えば1年契約の40時間働く契約社員がどんどんできていますけれども、そのときに、時間が短いパートと、今の現行法で比較できる通常の労働者と同じ仕事に就いている人がいなくなってしまっているわけです。仕事に就いている人は、1年契約のフルタイムの、例えば販売員。これと比較するような法律になっていないんです。ですから、そこを比較できるようにした方がいいのではないかという趣旨です。
    八代委員
    趣旨は全く賛成で、表現の問題です。
    佐藤委員
    そうすると、初めの方の、パートタイムを通常の短時間の人としか言っていませんので、28ページのところも、会長が言われたように「有期契約」を取ってはだめですか。つまり、パートタイム労働法で言う短時間の人と有期契約のフルを比較する。比較対象のところを広げるとしたらどうですか。
    定塚参事官
    そうすると、新たな問題が発生するのですが、有期契約ではない無期のパートの人を、有期のフルの人と比較していいのか。つまり、無期の短時間正社員の方もいらっしゃるかもしれないわけですね。無期の人でありながら有期の人と比較することが、今度は逆に適切なのかという問題があります。
    佐藤委員
    厳密に言うとそれが出てくるということですね。
    定塚参事官
    はい。
     ですので、確かにわかりにくいので、むしろ、27ページの「パートタイム労働者」と裸で書いている部分について、「パートタイム労働者(有期契約の者、無期契約の者を含む)」と書いておくとか、そういう整理はできると思いますが。
    佐藤委員
    そうすると、もとの方がいいのかな。
     基本的には、「通常の労働者」は正規だけではなくて有期でフルで働いている人まで拡張しろということですね。比較対象の通常労働者を広げるということで書けばいいのかな。趣旨はそうですよね。
    八代委員
    わかりました。
    林委員
    それで質問ですが、そういうように比較の対象を、いわゆる通常の労働者としては正規だと。基本は、パート法ではそうである。それを、有期のフルまで拡大することによって、ここでは、働きに応じた処遇の考え方の浸透につながるという意味でそれを拡大したいという書き方ですよね。私から見ると、それは拡大することでパートタイム労働者の大きな利益につながるのか、つながらないのかといえば、どんどんつながりにくくなってくるという気がします。つまり、正社員はどんどん減っていきますよね。そこに有期のフルタイム社員がいるから、その人と比べていきましょうということになるわけです。いわば水準がやや低く、安く雇われている人と比較をしていきましょうということになると、プラスになるのか、マイナスになるか、あまりいい方向ではないような気がしますが、どこか間違っていますか。
    八代委員
    林委員がおっしゃった点が一番大事な点でして、私は意見は全く反対ですけど、それは何と何とを比較するかであって、別に有期契約のフルタイム社員というのは決して賃金は高くないはずです。年功ではありませんけど。ですから、賃金の低いパートと比べれば、はるかに条件はいい。ただ、その上に雇用保障を持っている正社員と比べれば、確かに条件は悪いですから、3つのタイプがあって、その一番いい人と比べて悪いからだめだということではなくて、今の多様な働き方の中では、一番低いところを少しでも上げていくことは、当然、パートタイム社員の向上につながるのではないか。どっちから見るかということですよね。すべてを公務員のような人たちの働き方にしてしまうことは非現実的であり、それは無理な話だと思いますし、望ましくもないのではないか。その辺は価値判断ですが。
    永瀬委員
    そうしますと、有期のフルタイムと無期のフルタイムの比較がどこにも書いてないんですね。例えばヨーロッパの法律は、私もよく知りませんけれども、そういう比較を入れるときには、今度は、有期フルタイムの人が最悪の処遇になったりしていると思います。パートに関しては均衡処遇が入っていますけれども、均衡処遇がない有期のフルタイムについては最悪になっていたりしますので。
    八代委員
    なぜ最悪ですか。
    永瀬委員
    テンポラリーワーカーということで、パートの方がかえって均衡処遇が明確に入っていると、むしろ待遇がいいように思います。ヨーロッパなどでは、フルタイムの有期が最悪の処遇になっており、その人たちをどのように掌握するかということが一つのテーマだったように思われます。そうすると、フルタイムの有期と、フルタイムの無期の間の処遇をどうするかということを何も入れずに議論していいのかなということは、私も林委員と同じような感想を持ちますけど、ヨーロッパのことに詳しい方、いかがでしょうか。
    大澤会長
    職種が違えば、一概に有期フルタイムが最悪とは言えないのではないかと思います。
     ただ、ここでの課題に限定しますと、林委員の御懸念はもっともだと思いますが、原文の方がむしろその懸念が避けられるように書かれています。つまり、職務が同一の正社員は存在しない。そういう人はいないから、均衡なんて考えなくていいとどんどんなっていくことに対して、いや、そうではない、有期契約でフルタイムの人がいて、もう少しいい処遇をもらっているではないかと。せめてその人たちと比べろとなる。だから、均衡なんか考えなくてもいいとならないようにという趣旨ですよね。それが伝わるように書いてあればいいのではないかと思いますので、今、削除線が引いてある原文のどこかを生かせないかと思いながら見ていました。
    佐藤委員
    厚生労働省は、これはこうした方がいいという議論ではどういうことでしたか。永瀬先生が言われたことは、それは問題ではないという意味ではないけれども、基本的には、フル・パートの比較の問題と、その処遇をどうするかということと、雇用契約に定めがある人、ない人をどうするかは、別の議論です。これも大事ですが、また別に立てないと。ここに全部入れてしまうというのは難しいと思います。ここは、時間の長短ということをメインにした方がよくて、日本の場合、フルとパートといったときに問題になるのは、フルというのは正社員を想定しているというところを、少し広げた方がいいかなと思っています。それでこう書いていただいたわけです。
    定塚参事官
    一つは、先ほど申し上げたように、無期のパートまで有期のフルタイムと比較する必要があるのかという点がありましたので、そういう意味で、有期のパートを有期のフルタイムという形で。
    佐藤委員
    それを言うと、現行法の中にもあるんですよ。だから、そこは想定していないと思っていて、無期の中では、事実上、例えば育児とか介護のときの短時間勤務で出てきている人たちは、基本的には時間比例でやっているので、それは議論しなくて平気ではないかと思いますけど。
    大沢委員
    今、契約の中でも、パートの中で有期雇用の人が増えています。この全体の中では正社員をどう定義するかは難しいのですが、ある程度安定した職業プランが立てられるような多様な働き方が増えることが望ましいということを前提に考えると、ここで言っている有期・無期と書いてしまうことよって、むしろ有期を増やす可能性が多いのではないかと思います。もう既に時代が有期の方向に向かっていますので、不安定就労が多い中で、有期契約のパートタイム労働者を増やして、臨時労働者との間での均衡を図っていくことが、将来的な男女共同参画社会の形成にプラスに働くとは思えないので、ここら辺は非常に重要なところかなと思います。では、対案としてどう書けばいいのかということですが、ここだけで直してしまうのは、ちょっと難しいかなと思いました。
     おっしゃっている意味は皆さんの議論の中でよくわかったのですが、有期契約のフルタイム社員というのは正社員のことではなくて、要するに、派遣とか臨時社員の中での均衡を図りなさいということになっているわけですよね。この均衡処遇もそうですが、確かに、パートタイム労働者の労働条件を上げていって多様な就業形態が選べるようになることは重要だと思いますが、ここら辺では、もっといい処遇の仕事で働き方が選べるような選択肢を拡大していこうというトーンで議論されることだと思います。
     八代先生がおっしゃった、正社員とパートが何を想定されているのかというところは、この全体の報告書の中では明らかには書かれていないのではないかと思います。そのあいまいさがここに残っていて、その中で法制度をつくってしまうと、逆に非正規を増やすインセンティブになっていくような気がしました。うまくまとめられませんが。
    八代委員
    私は単に統計上の概念を言っただけのつもりだったのですが、その背後に非常に大きな問題が指摘されたようです。
     ただ、今、大沢委員が言われた点で疑問があるのは、いい仕事は雇用保障がある仕事だと、単に1対1に結びつけていいものかどうか。特に男女共同参画の視点から。というのは、たとえ雇用が保障されていても辞めざるを得ない状況があるわけで、そこに男女に格差があるわけですよね。男性なら、基本的に経済的条件で動けばいいから、雇用が保障されていれば自ら辞めることはないけれども、女性の場合は、いろいろな理由で辞めざるを得ない場合が現にあるわけで、そういうときに、雇用保障を厳格にすることが本当に女性にとっていいのかどうか。
     それは逆に言えば、中途採用機会を狭めるということになるわけですから、男性だけで考えたときに通じる議論と、女性も含めたときに考えた議論を一緒にしていいのかどうかということです。これは、男性だって、今はどんどん、教育とかいろいろな形で動きたいと思っているときに、雇用保障はいい面と悪い面が必ずあるわけですから、一概に雇用保障がある仕事がいい仕事だと考えることは、私は前から公務員的だと考えているわけです。
    大澤会長
    ちょっとまとめさせていただきますと、比較の対象になる正社員がいるのに、それはそっちのけにして臨時だけで比べろと思っている委員は一人もいない。むしろ、均衡処遇ということを、もっといろいろなケースに適用されるように広げていきたいということが共通認識と考えていいですよね。だとすれば、やはり削除線がついている原文のところをちょっと生かすとすると、「しかし」の後ろに、「パートタイム労働者と職務が同一の正社員が存在しない場合には、」を生かして、その後に「均衡を考慮しなくてよいのだろうか」というように書いて、その後、「均衡を考慮するに当たっては」と、この下線の部分を生かして、つまり、比較対象になる正社員がいない場合でも、やはり均衡ということを考えたいという意図が伝わるのではないかと思いますが、そのようなことでどうでしょうか。先方は何とおっしゃるでしょうね。
    定塚参事官
    御趣旨を踏まえて、どのような形に修文するか、各委員にも御相談しながら決めさせていただきたいと思います。
    林委員
    ここで、「職務が同一の社員が存在しない場合」が問題になってきたわけですよね。だから、職務が違っても、職務価値が同じであればというこの考え方を、それがすべてではないにしても、その考え方は大事にするような記述を残したいと思います。
    大澤会長
    それは、現行のパートタイム労働法やその指針に残念ながら入っていないので、そこまでをここに書くのはちょっと無理で、むしろ、別の箇所に、同一価値労働同一賃金のことを書いていますから。
    林委員
    そうですね。その意味で「職務」という言葉をあえて別のところには入れてもらいたいという主張をしたのですが。
    大澤会長
    なるほど。
    佐藤委員
    現行の指針でも、同じ仕事に就いている人がいなくても、基本的には、パートについても、仕事内容とか貢献に応じて処遇しろと言っているわけですから、それは事実上、職務価値において処遇するということと一緒ですよ。だから、それは指針だからということはあるかもわかりませんけど。
    大澤会長
    そうすると、指針は、「職務が同一の正社員が存在しない場合」というのは、むしろ狭く解釈しているということになるのかしら。
    佐藤委員
    あそこの同一処遇決定方式のところは、職務が同じ人がいない場合は、パートが従事している職務内容とか貢献に応じて、ちゃんと評価の仕組みをつくってくださいという書き方です。
    大澤会長
    なるほど。
     でも、存在しない場合に均衡を考慮しなくていいということにはならないのではないかというぐらいは、全く問題ないですね。
    佐藤委員
    そう思います。
    大澤会長
    では、文章についてはまた詰めていただくとして、趣旨ははっきりしたと思います。
     15ページですけれども、下の方に、大卒・高卒云々ということが出てまいりますね。これはデータも含めて補充していただいたところですけれども、こういう逆相関はほかの国で見られるのかどうか。どうですか、大沢委員。
    大沢委員
    ないです。
    大澤会長
    普通は、高学歴の人の就業率が高いですよね。だから、これは日本の特殊な異様な状況、いかに人的資源を生かしていないかということなので。
    大沢委員
    それと、さっきの正社員の雇用保障と関係があるように思います。やはりここの部分は、柔軟な働き方といいますか、正社員の働き方の考え方が硬直的すぎて、あまりに強い雇用保障があるがゆえに、男性をそこで縛りつけて、女性の働き方をさらに、辞めざるを得ないか、辞めたいか、自発的・非自発的にかかわらず辞めさせているということが、この資料43の背後にあるように思います。
     そこは、私も今、永瀬さんなどとも一緒に、国際比較の中で非典型労働者のことをずっと見ているのですが、諸外国で言うパートタイムは、正社員の常用パートと有期のパートと両方あって、比較的常用パートも多い。その人たちは、育児期に常用パートに移ることによって経験を蓄積していっているのですが、日本は、そこがなくて辞めてしまって、後になってパートで参入するという特殊構造を描いていると思います。そこから言うと、やはりこの調査会でも、男性の雇用保障のあり方と、硬直的すぎる働き方が議論されて、そこに正社員の働き方の柔軟性が出てこないと、男性もいずれは辞めていくようになっていき、次世代育成支援のような、男性を巻き込んだ男女共同参画とか、個人単位の制度がつくれないのではないかと思います。
     ですから、先ほどの文言とは外れますが、やはり重要な点として、すべてにあることは、正社員の働き方が問題であるということだと思います。そこを聖域にしておくと、やはり人的資源の活用は、これから知識・サービス経済化になってきたときに難しいということがあらわれているのだと思いますし、この資料43について言えば、これは日本の大きな問題になっている点だと思います。
     さらに言うと、出生率を、女性の働き方によって比べてみると、在宅で働いている人と専業主婦と外で雇用者として働いている人と、年齢層を比較的同じにしても、出生率は、雇用者のみが低い。その他のところでは、在宅勤務の人の出生率が高い。ということは、少子化の鍵は働き方にあると思います。それはただパート就労だけではなくて、在宅就労のようなことも含めて、あまりコストをかけずに、子どもと仕事が両立できるような就業形態というところで、女性は仕事と育児の両立をしていると思いますので、少子化問題と女性の活用の問題をあわせるのであれば、やはり働き方が重要かなと思います。
     そういう点で、諸外国ではそういった傾向が見られないという点も触れてもいいのではないかと思います。
    大澤会長
    これは、簡単に補充できるような資料がありますか。「逆相関が見られる。」の後ろに「しかし、」がちょうどついているから、その後ろに「諸外国ではこのような傾向は見られないし、我が国の大卒女性でも潜在的有業率は」と続ければいいのですが。諸外国ではこのような傾向は見られないということのバックデータが欲しいのですが、お勧めのバックデータはありますか。
    大沢委員
    永瀬さん、御存じですか。私が読んだ本では、4か国比較がありますが。
    永瀬委員
    グラフでパーッと出ているものが、oecdか何かにありましたね。
    大澤会長
    ちょっと古いけど、メアリー・ブリントンのものには、日米比較ではあったような気がするけど、あの本は93年ですからね。
    大沢委員
    ウェッツェルのものはどうですか。あれはちょっと複雑な分析をしていますが、高学齢女性ほど継続就業する確率が高いと。
    大澤会長
    継続就業とかいうように細かくなくてもいいんです。要するに、学歴別の有業率があればいいです。
    大沢委員
    それは、女性労働の実情でも触れられていませんか。
    大澤会長
    そうでしたか。
    大沢委員
    再就職のということになると、分析が必要ですけど。
    大澤会長
    再就職とか、そんな細かくしなくてもいいです。
    大沢委員
    平成13年だったと思いますが、触れられています。
    大澤会長
    では、そのバックデータも含めて検討していただけますか。ここはとても大事なので。日本が女性の人的資源を全く活用できていないということを示すのに。
    定塚参事官
    はい、わかりました。
    林委員
    高学歴の大卒の女性の方が、パートナーの収入が高いということですよね。
    大澤会長
    もちろんそれと関連しています。
    林委員
    そのことと、その賃金体系が世帯主賃金であるということとの関係で出てくるんでしょうね、これは。
    大澤会長
    もちろんそうです。あるけれども、諸外国では、やはり高学歴カップルで、夫の給料が高くても妻も働いているんです。日本はそうではない。ここに問題があります。
    大沢委員
    若い世代で、関連が弱くはなっています。
    定塚参事官
    若い世代の就業率は、もちろん高学歴の方が高いので、結局、再就職の方だけ低くなっている。それは、適した職がなかなかないからではないかということだと思います。
    永瀬委員
    別のところでよろしいですか。
    大澤会長
    どうぞ。
    永瀬委員
    16ページで、これはただ事実のことですけれども、母子世帯は、結婚、出産、育児等による退職後の再就職が困難というのは、実は、再就職はしているけれども、生計維持が可能な再就職は困難だということかなと。8割ぐらいが働いていて、労働力率は最も高いと思いますけど。
    大澤会長
    86%ぐらいです。
    永瀬委員
    そうでしたか。
     だから、再就職ができないのではなくて、生計が維持できるぐらい良好な仕事に就くことがひどく困難ということではないかと思います。
    大澤会長
    「既に見たように」の後ろに「一般に」と入れれば。
    定塚参事官
    ここは、一般のことだけ。
    永瀬委員
    一般のことで、そして母子世帯に行っているということですか。
    定塚参事官
    はい。「世帯は厳しいと考えられる」と。
    永瀬委員
    もう一つは、20ページのところで、育児休業で、有期契約者について、繰り返し雇われている人は解雇できないということが加わっているのですが、ここは、「影響を及ぼす制度・慣行とその課題」の中で書いてあるので、そういう積極的な面よりも、例えば育児休業が実際はほとんど取れないとか、そういう消極的な面の方が大きいように思います。
     18ページの○印の2つ目のところに、育児休業については、明記していない、存在を知らない、職場の雰囲気として取りにくい場合があるとあるのですけれども、やはり有期雇用で取れないということもあるという方が大きいのではないか。だから、こういう言い回しをすれば拡大提供されるという積極的な面よりも、消極的な面の方が大きいのではないかと思うのですが。
    定塚参事官
    前回、御指摘があって、有期職員についてそういうデータがあれば記載できるだろうと思って調べたのですが、有期職員についてそういうものが増えているというデータがありませんでした。一般的なデータとしては、このページの一番上に書いてありますけれども、均等室の援助事例については、妊娠・出産を理由にした解雇等の事例が8割だということで、かなり多いことはわかるのですが、それが有期の方なのか、無期の方なのかというのは、区分がされていないためにわかりませんでした。そういうした意味で、書くことが難しいと。
    永瀬委員
    厳密な制度としての有期雇用者の育児休業のカバレッジというのは、たしか条件が違っていましたよね。
    佐藤委員
    現行法だと、基本的には有期は外れている。基本的には、働き続けることを前提に雇っている人が、育児で辞めなければいけないものを、辞めなくても続けられるようにするというのが育児・介護休業法の趣旨なので、有期で限られて雇っている人は、長期の継続を想定していないので、育児・介護休業法の適用外だという考え方です。ですから、有期は基本的には現行法は外れます。
     しかし、通達か指針で、事実上、常用雇用者と見なせるような契約を繰り返している人については、通常労働者と同じだと見なして育児休業が取れる。これは指針か何かだったと思いますが、それが現行法です。
     今回の育児・介護休業法の改正が今国会にかかっていて、繰り返して無期と見なせる有期ではなくて、有期契約だけれども、一定の範囲に限って適用拡大するというのが、今、法律で改正がかかっているという状況です。
    林委員
    今、永瀬先生が言われたことで考えるならば、むしろ18ページのところに、有期を繰り返している労働者については育児休業も適用可能であるが、事実上、そういうことを知らない、あるいは、取られていないという実態にあるということになると思います。それが根拠になるのが、今、ここの下線で示された、解雇はできないという解釈ですね。
    大澤会長
    今のところはよろしいでしょうか。結局、修文はなしでよろしいと。
    永瀬委員
    18ページの○印の2番目のところには入れる必要はないですか。
    大澤会長
    2番目の○印のところに、有期の適用がどうなっているかをちょっと書くということですか。
    永瀬委員
    日本の育児休業制度は、もともとそういう身分があって、企業もオーケーと言ってくれて、そして初めて育児休業給付が下りてきます。だから、出産・育児による就業不能に対して雇用保険が何かしてくれるというのは、企業もオーケー、育児休業を取っていいですよと言って初めて雇用保険からの適用が下りるのですけれども、そうではない人たちが実はたくさんいて、例えば、今日お配りくださったものは、資料の28ページを見ますと、出産1年前に有職だった人の3人に1人ぐらいはパートやアルバイトであって、その後、出産したために無職になる人たちの中の、やはり5人に2人ぐらいがパートやアルバイトであるわけです。こういう人たちについて、例えば、子どもを育てるので働けなくなったということに関して、何らかの雇用保険みたいなものが出てくるというわけではなくて、育児休業を取って今後も続けますよということをやって初めて育児休業給付が出てくるので、ある意味では、条件が恵まれた一部の人にしか出ていないというのが実態で、一番条件が恵まれていないところは出ていないということがあると思います。
     さっきの正規と非正規の格差についてはいろいろなところで書いていて、基本的には、正規の人には社会保障でいろいろなカバレッジがあるけど、非正規の人にはあまりないということが育児休業においてもあるわけですけれども、そういうことがほとんど記述されていないのではないか。それは、最初から自分で有期を選んだということなのか、それとも、有期の人であっても、それなりに働いてごはんを食べていて、それが、働けなくなったときに、正規であれば様々な保護の仕組みがあるけれども、非正規であればそれがない。その格差が実態としてあることをどこにも記述していなくていいのかどうかということです。
    佐藤委員
    今の点で、子育て期間中の所得保障をどうするかということで、現行法上、雇用保険から出すこと自体もおかしいわけです。
    大澤会長
    そうですね。
    佐藤委員
    だから、そこを見直さないと。永瀬さんが言われた子育て期間中の所得保障をどうするかということについて、そこまで雇用保険を適用するということはまずあり得ない。逆に、なぜ今雇用保険から出しているのかということもあるわけで、企業としては、休業を認めるということはあり得ると思いますが、その後の所得保障は、どういう形で働いている、働いていないは関係なく、ユニバーサリーで出すということが本当は筋だろうと思います。しかし、いろいろないきさつで、所得保障のところは雇用保険から出すという形にしてしまったわけです。
    永瀬委員
    それは国によっていろいろで、児童手当をユニバーサルに出すほかに、やはり働けなくなったという事由で、一定期間だけ雇用保険から出しているという国はあります。
    佐藤委員
    ですけど、有期の人たちかどうかは別にして、例えば自営業の人までは雇用保険でとはやっていないはずです。そういう意味です。
    永瀬委員
    そうですね。
    佐藤委員
    たくさんそういう人たちもいるわけだから。
    永瀬委員
    でも、非正規の人は、雇用保険に入っていても育児休業が取れなければだめなわけですよね。
    佐藤委員
    そうです。
    大澤会長
    そうしましたら、18ページの下から2番目の○印のところには、有期雇用労働者について、適用がどうなっているか簡潔に触れるということですね。そうでないと、19ページの下から6行目ぐらいのところに、「有期への対象拡大」ということが突然出てくるとわかりにくいから、今は適用になっていないというようなことを、18ページに少し書くということでよろしいでしょうか。
    大沢委員
    永瀬さん、雇用形態間に差があるということですか。
    永瀬委員
    そうです。ありがたいこの制度でカバーされている人は少ないということです。
    佐藤委員
    それはそうですね。
    大澤会長
    50ページを御覧いただいて、共稼ぎ世帯と片稼ぎ世帯の下線部分があります。まず、資料17-2と書いてありますが、16-2ですよね。途中で資料番号がずれましたから。グラフは01年で終わっているので、「主流となっている」と言い切ってしまえるかどうか微妙なところですが。「主流」という言葉には、主流、傍流というような、やや価値判断も入るので、「多数になっている」ぐらいでやめておいた方がいいのか、それとも03年ぐらいまでデータを足して、はっきりこうなっていれば主流と言えるのか。
    八代委員
    あるいは、自営業を加えて、「圧倒的である」とするかですね。
    大澤会長
    そうですね。
     一番簡単なのは、「主流」を「多数」に置き換えることだと思います。
    定塚参事官
    よろしければ、そのようにさせていただきます。
    大澤会長
    あとは、52ページの社会保障のところです。 (3)の<1>、「第2号被保険者となり、給付の際は2階部分も給付される」と、いきなり「2階」と言っても理解していただけるのか。むしろ、<2>の方には、「1階部分(基礎年金部分)」となっているので、「2階部分(報酬比例部分)」とした方がよろしいような気がします。
    福島委員
    さっきの50ページの部分は、「既に主流となっている」ではなくて、「既に世帯数は『片稼ぎ』世帯数を上回っている」でいいのではないでしょうか。「主流」というのは、ちょっと引っかかりますね。
    大澤会長
    ほかにいかがでしょうか。
    木村委員
    44ページの1番目の○印、「また、各省庁において」のところですが、「定員法の適用は受けない」という一文があります。これは、定員法の適用を受けないために、就業条件がどう違うかということをインプリケーションとして含まれているのですが、含まれた意味がわからないです。
    浅地委員
    僕が質問したところだと思います。
    定塚参事官
    その上の部分に、定数管理のこと等も「短時間」のところで記載しておりますので、念のために記載したという程度でございます。
    木村委員
    では、なくてもいいわけですか。ここに引きずられてしまうんです。今はむしろ削減されている方向ですよね。定員法の適用を受けないということが、この大きな流れの中でどういう意味があるのでしょうか。
    定塚参事官
    定員法の適用があると、定数を管理して、厳密に人数が管理されるということですので、定員法の適用を受けないと、人数が柔軟に移動できるのかなという程度の記載ですので、気になるようでしたら削除しても差し支えないと思います。
    佐藤委員
    「また、各省庁において」というところに、「定員法の適用外として」とか「非常勤の」を前に入れてしまう。
    木村委員
    私が一番こだわっているのは、定員法の適用を受けるか受けないかで処遇に決定的な差があって、その差がここの報告書の論旨と適合する場合には絶対に入れるべきだし、もう少し説明を入れるべきだけれども、関係がないのであれば、目立つように「定員法の適用は受けない」と強く書く意味はどこにあるかということです。
    佐藤委員
    確かにね。
    浅地委員
    私が質問した趣旨は、実態はどうなのですかと。法律と、それから規制緩和などに向かうことで。トレンドとしては、法律は法律としてあるけれども、裁量の部分で雇っている部分もあるんですかということを聞いたら、こういう形になったわけです。これは、質問からは離れている部分だと思いますけど。
    林委員
    定員法の適用を受けないがゆえに、人間としてではなくて、物件費として扱われているという状況なんですよね。
    木村委員
    今は委託する場合も物件費だから、物件費が人間かどうかというのは、それはちょっと違う気がします。
    定塚参事官
    もし、御異論がなければ、削除させていただきますが。
    大澤会長
    削除して構わないでしょう。
     ほかにいかがでしょうか。
    君和田委員
    関係ないことでもよろしいですか。
    大澤会長
    どうぞ。
    君和田委員
    この論点整理の前提に含まれている話だと思いますが、労働組合が、女性の職場進出という問題に関してどのようなかかわりをしているかということは、かなり微妙な問題があって、林さんがいらっしゃるので非常に言いにくいことですけれども、例えば家族手当の問題なども、家族手当の見直し、電産型脱出というのは、流れとしてそうなっていると思うのですが、それに代わるものとして、ここは生活面への影響を勘案することが求められる。これは、哲学としては、また電産型に戻れということを言っているのだと思いますが、それは別にして、今の労働組合は、昔と違った形になっていまして、これだけリストラとか賃金カットという問題が出ていますと、そちらにエネルギーを注がなければいけないという極めて同情すべき点もありますが、時にこういう女性の職場進出のネックにもなりかねない部分があると思います。
     私のところでは、昨年、組合と会社でアクション・プログラムに合意して、ようやくスタートしましたけれども、それなどは少し進んだ方かなと自負していますが。多くの組合は、今の厳しい雇用条件闘争みたいなものにエネルギーを注いで、ここまでは行かないということになると、単に家族手当だけではなくて、非正社員の問題にしても、組合との合意が成立しないといろいろなことができないとなると、非正社員を増やすとか、先ほどの、退職金に跳ね返るから、跳ね返らない部分を増やしていくとかいうことも、結局、組合との合意ができないと事がなかなか進まないという問題が多くあるわけですね。
     ですから、この論点整理の前提には、もちろん組合を巻き込んだ形が一つイメージされているとは思いますけれども、そういったものに対する啓蒙と言うといやらしいですが、もう少し労使が一緒になってやる形の運動ですか、この論点整理は論点整理としてよろしいと思いますが、何かができたらと思っております。
     福原さんのところなどは一番進んでいる形になっていると思いますけれども、ほとんどのところがそこまで進んでいないだろうと思います。ですから、現在の権益を守るということになってしまうと、それが女性を排除する形に働く局面が結構あるだろうと思います。
    大澤会長
    林さん、何かありますか。
    林委員
    御指摘いただいてありがたいというか、恥ずかしいというか、何とも言い難いですけど、おっしゃるように、労働組合の方が企業の動きよりもむしろ遅れているかなということは、実情としてはあると思います。ただ、方針的には、家族手当などによる男女の賃金格差が生まれる大きな要因になっているというデータは取りまして、それを見直していく。大きな賃金ダウンにはならないような配分の問題を考えて見直していくという方針を持っておりまして、そういうことで、幾つかのところは進んでいるところもありますけれども、全体としては、今の春季生活闘争の中間的な要求の中身を見ましても、決して上がっているとは言えないという状況があります。
     したがって、お話しいただいたように、こういうことを進めていくのは労働組合も巻き込まなければならないとおっしゃっていただいたことは、私も受けとめてさらに進めなければといいますか、応援団になっていただきたいと、個人的な心境はそういうところにございます。むしろ、資生堂の取組みなどについて、私どもの集会とかシンポジウムに来ていただいて説明をしていただいて、それぞれの企業の中に所属する女性たちが問題提起ができるようにという努力をしている段階です。
    君和田委員
    一言申し上げておきますが、私が申し上げる組合というのは、女性も入っているということです。男だけではない。実は、そこが大変な問題があって、女性自身が、時に自らを排除する方向に動くこともある。これは私の会社ではないのですが、そのように聞きました。
     ですから、その辺が難しくて、家族手当の見直しのところに「一時的な措置として」という言葉が入っているので、これでよろしいのだと思いますが、「子どもへの家族手当に振り替え」ということで、子どもだけなぜ残すかというのは、組合との交渉のときには、かなり哲学的なというか、原則的な交渉をやるわけですね。そうすると、奥さんは切る、子どもは残す、この理屈は何なのかということが必ず出てくる話なので、この辺はちょっと中途半端ではあるのだろうと思いますが、組合交渉というのは、合意しないとできないという問題が多々ありますので、ぜひ組合を巻き込んだ形の運動にしていただきたいと思います。
    福原委員
    こういうことを社会に発信しますね。そうすると、もちろん経営者も、時代から取り残されてはいけないので、経営のやり方とか哲学を変えざるを得ないわけです。そうすると、組合の方々も勉強していただかないと時代後れの組合になってしまうので、そういう組合はだんだん支持を得られないことになってくるのではないかと思います。これは極めて理想的な話だけど、実態的には、組合を指令して何か支えるということはできないわけですから、そういう社会の空気をつくっていくということがこの目的であるのではないですか。
    大澤会長
    ありがとうございました。ちょうど時間が来てしまいました。
     一部調整が残っている部分があります。データの差し替え、データの補充、その文言についての関係省庁等の調整等が残っておりますが、中身についてはおおむね御了解いただけたと思っております。
     微調整部分の確認はよろしいですね。
    定塚参事官
    また事務的に調整して御連絡を差し上げたいと考えております。
    大澤会長
    というわけですので、表現も含めて、残りの部分の扱いについては私にあずからせていただきますと幸いでございます。
    永瀬委員
    ちょっとよろしいでしょうか。
     50ページの下のところに、家族の再生産ということをどう考えるのかということを前回入れていただいたと思いますが、実は、私、ここの場で本当に議論していないことと思っていることがあります。それは何かというと、個人単位化といったときに、全員が働くということを通じて、例えば、年金とか失業とかのカバレッジを受けるのであれば、それは個人単位化ができます。あるいは、全員が子どもを持ったとしても、介護があったとしても、必ず働ける制度をつくった上で、そういう形で働くことを通じてカバレッジを受けるという形をすれば、個人単位化ができると思います。けれども、そうでなければ、例えば無償労働に対して、何らかの社会権を与えるような形の個人単位化ということがもう一つ可能であって、一番古い形は、この世帯主タイプだと思います。その世帯主タイプから脱して個人単位化ということが書いてあるのですけれども、では、具体的にどういう個人単位化をするのかということの方向はいろいろあり得ると思います。でも、そこは何も書かれていないし、あまり話し合われてもいなかったと思います。
     今回の年金の3号の問題ですが、3号に限って分割するという案は、私はとても変だと思っていまして、かえって、3号になった人が、働きに出ようと思ったときに、自分の年金が減ってしまう、分割されている場合が一番いいと。特に離婚しようと思ったら、なるべく3号にとどまっていた方がいいというわけのわからない制度だと思っています。離婚する場合には仕事に出た方がいいわけですが、そうすると自分の年金給が減ってしまう。静かに3号をやりながら、いつかはと。そういう変な制度でしょう。そこをしっかり考えないで、どのようにするのかということが本当は何も話し合われていないで、個人単位化と言いすぎている。
     では、どういう個人単位化にするか。どうすればみんなが幸せに暮らしていけるのかということを、だれもきちんと話していないと思います。それをしないで、個人単位化と号令のように書いても、例えば家族が持ちにくくなる、子どもが持ちにくくなる、みんなが独身で働いていけばどうにか給与をもらっていける、そういう社会に向かってしまうのではないかという意味で、私は、家族や児童の配慮をちゃんと入れてくださいとお願いしたところ、こういう形で入ったのですけれども、私が入れてほしいのは、社会的にどういう形で配慮するのかということです。
     だから、もしも個人単位化に進むのであれば、そういうことはもっと社会的な配慮が必要で、その配慮については、多分いろいろ議論が分かれると思います。みんなが働き続けながら子どもが育てられるような制度がいいと思う人と、そうではなくて、子どもは家庭で育てるけれども、その人たちには何らかの休業補償のようなお金が来る方がいいと考える人、いろいろいて議論は分かれると思いますが、そのことについての話があまりされていなくて、ただ個人単位化という号令がかけられすぎていると私は思って、入れてくださいとお願いしました。それで一応入りましたけれども、ここのところは、もっときちんと議論されるべきではないかと考えます。
    大澤会長
    御指摘ありがとうございます。一応、02年12月の我々の報告書の中では、年金に則して個人単位化について、少なくとも3つの定義を示しております。その中で、どれが正しい個人単位化であるというところまでは言い切っておりませんが、個人単位化と一言で言っても、その解釈は、例えば年金制度に則して、お手元に02年12月の報告書がありますので、25ページから27ページにかけてのところを見ていただきますと、個人単位化と一口に言っても、こういう考え方があるのではないか、a、b、cということで一応議論はしてございます。でも、今、御指摘のように、年金制度以外のところで、税についても、あるいは、ほかの社会保険制度についても、個人単位化とは何であるのかということはまだ議論しておりませんので、今後の課題になってくるかなと思います。
     この50ページの文案の限りでは、永瀬委員はよろしいでしょうか。
    永瀬委員
    例えば、「片稼ぎ世帯を前提とした制度・制度運用から、個人単位の制度・制度運用に変更し」、何と入れたらいいのかよくわからないのですけれども、今まで無償で行われていた部分をどうするのかということに対する社会的な配慮が伴って初めて個人単位化が可能だと思いますが、そこをあまり書き込まないで、ただ個人単位化といっても、できないのではないかと思うわけで、そこには、ただ単に家族の役割を否定しないというだけではなくて、社会的な配慮を追加する必要があると思います。
    大澤会長
    これは、恐らく、人によって、完全に社会的な配慮のない個人単位化で行くべきだと、マーケットオリエンテッドな解釈でいけばそうなるでしょうし、むしろ、社会的な配慮がきちんとついていることによって、本当の意味での個人単位化ができると考える方と、分かれるような気がします。御指摘のように、今まであまり議論がされていない中では、直ちに社会的配慮があってこその個人単位と今日書き込めるとは思わないのですが、「ワーク・ライフ・バランスを取っていくことができる社会を目指すものである」というあたりに、それがにじんでいると思っていただきたいと思います。
     あるいは、このような文章であればいいのではないかという御提案があれば。どう考えても、今日、明日中ですよね。
    定塚参事官
    この部分は、前回の報告書を踏まえて、特にそれを補足するような形で書いたものでございまして、委員が御指摘のようにそのときに配慮として何が要るのかという議論はしなければいけないかもしれませんが、そこを今書き込むことはなかなか難しい。つまり、配慮するということは、政策的に支出も伴うものでしょうし、そういうことをいきなりここに書き込むことは、これ以上はなかなか難しいかなと思っております。
     むしろ、これから議論をしていく中で、税制とかそういったものについても、どういうものが個人単位化なのか、それに際して何が必要なのかというものを議論していっていただくことにしていただければ大変ありがたいと思います。
    大澤会長
    それで御一任をいただければ幸いでございます。
     それでは、私が今後事務局と確認しながら、各省と最終的に確認をしてまいります。また、事務局から各委員に個別に連絡を取らせていただく場合もあるかもしれませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
     この論点整理については、今月中に取りまとめ、パブリックコメントに付し、来月の男女共同参画会議に私から報告したいと思っております。これらの結果を受け、次回調査会では、最終報告の取りまとめに向けた議論を行いたいと考えております。
     最後に、大事なことが、この論点整理の題名について、事務局から別紙のとおり4つの案をお示ししております。
    定塚参事官
    こういう4つの題名が書いた1枚紙が入っているかと思います。一番重要な題名をまだつけていません。
    大澤会長
    呼びやすいのは短いことですが。
     「ライフスタイルの選択」というのは、この専門調査会のグランドテーマなので、これは維持したいと思いますね。
    佐藤委員
    入れた方がいいですね。
    大澤会長
    そうすると、<3>か<4>になりますが。
    定塚参事官
    正確に言えば、ちょっと長いのですが、<4>が正確です。
    大澤会長
    長いですが、これが一番正確ですね。
    永瀬委員
    私は<4>がわかりやすいと思います。
    佐藤委員
    わかりやすいですよね。
    大澤会長
    「雇用・就業制度」と言ってしまうと、何だか、どこまでが制度で、どこからが慣行かとなりますから。
     では、<4>「『ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行』についての論点整理」に決めたいと思います。どうもありがとうございます。
     最後に、事務局から、今後のスケジュール等連絡事項の説明をお願いいたします。
    定塚参事官
    資料2として、「最終取りまとめに向けた今後の進め方(案)」という1枚紙が入っているかと思います。
     本日いただいた議論を踏まえまして、3月中にできるかどうかやや微妙ですが、取りまとめをして、パブリックコメントという形でとりあえず公表したいと思っております。パブリックコメントは、5月中旬ぐらいまでの1か月半ぐらい意見をいただきますと同時に、4月の参画会議には、ここの論点整理という形で報告を行っていただきます。そういった結果も踏まえて、報告書の原案を、ほとんど論点整理と一緒になるかと思いますけれども、作成いたしまして、6月にもう一度専門調査会を開いて報告書の取りまとめをするというスケジュールとさせていただきたいと思います。
    大澤会長
    よろしいでしょうか。
     それでは、これで「影響調査専門調査会」の第28回会合を終わります。本日はどうもありがとうございました。

(以上)