- 日時: 平成19年1月29日(月 )10:00~12:30
- 場所: 内閣府3階特別会議室
- 出席者
- 会長
- 岩井 宜子 専修大学法科大学院教授・副院長
- 会長代理
- 原 ひろ子 城西国際大学大学院客員教授、お茶の水女子大学名誉教授
- 委員
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 大津 恵子 前女性の家HELPディレクター
- 同
- 神津 カンナ 作家
- 同
- 後藤 弘子 千葉大学大学院教授
- 同
- 戸谷 久子 千葉県総合企画部男女共同参画課長
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 平川 和子 東京フェミニストセラピィセンター所長
- 同
- 前田 雅英 首都大学東京都市教養学部長(法学系教授)
- 同
- 山田 昌弘 東京学芸大学教授
- 議題次第
- 1 開会
- 2 「配偶者からの暴力の被害者の自立支援等に関する調査」結果について(報告)
- 3 配偶者暴力防止法及び関連する施策に関する課題について3
- 4 その他
- 5 閉会
-
(配布資料)
- 資料1
- 配偶者からの暴力の被害者の自立支援等に関する調査結果<概要>
- 資料2
-
配偶者暴力防止法及び関連する施策に関する意見募集結果の概要 [PDF形式:205KB]
- 資料3
-
補足資料(内閣府 [PDF形式:●●●KB]
、文部科学省、最高裁判所 [PDF形式:39KB]
)
- 資料4
- 第40回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事録(案)
- 概要
- ○被害者に対する安全確保の問題について、自由討議が行われた。
- ○配偶者暴力防止法及び関連する施策に関する課題のうち、保護命令関係と被害者の保護自立支援関係について、自由討議が行われた。
(被害者の安全確保について)
- ○保護命令が発令されたからといって、被害者の安全が確保されたとはいえない。加害者が警察に月1回出頭するなどして、犯罪を予防することはできないか。
- ○探偵を利用して被害者の居場所を探索し、被害者が危険にさらされるようなケースが起こっている。このような場合について、保護命令とリンクして考えることはできないか。
- ○加害者の反応を恐れて、保護命令を申し立てることを躊躇するような人がでてきてしまうことは問題である。警察の立場から、どのようなことがあれば対応しやすいかについて意見を聞かせて欲しい。
- ○書面を提出した配偶者暴力相談支援センターが保護命令が出されたかどうか把握していないという状況は如何なものか。また、保護命令が発令されるか、されないかで生活再建への支援の仕方が変わってくる。来所相談されている方に対する安全確保についての助言等を適切に行うためにも、配偶者暴力相談支援センターへの通知は必要である。
- ○探偵業について、ある一定の規範を示す等、何らかの規制について検討できないか。
- ○加害者側に警察が面と向かったときに、調査することも保護命令違反になるということがいえるよう、法律上の規定を作って欲しい。
- ○探偵業の実態をどこまで把握できるかは、なかなか難しい。調査の依頼を受けた際に、その目的の違法性までを把握することは難しいのではないか。探偵業を営む者への教育や広報を通じて、認識を高めていくことが大切なのではないか。いくら規制をかけても、漏れるものはあると思う。
- ○探偵業の実態把握をして、こういう人からの依頼は今はできないことになっているという通知を出す等、どういうスキームを作っていくかも考えるべきである。
- ○徳島の事件を受けて、子どもたちのトラウマ体験に対する治療も大きな課題である。加害者が理解を深めるというか、第三者機関を通じて処置はできないか。
(1 保護命令関係)
- ○緊急保護命令の創設ということではなく、迅速な発令を促すという方向で良いのか。法制度なども違うため、一律に諸外国との比較はできないが、運用面できちんと対応されていれば良いのではないか。
- ○フィリピンでは永久保護命令というものがあるが、このような制度について検討することはできないか。
- ○緊急保護命令については、保護命令を出せるのは裁判所であるべきなので、仮に制度を作るとしても、警察官職務執行法などに基づく警告等と識別する方が良いのではないか。永久に相手と接触できなければ、未解決のまま問題が残ってしまうので、当事者の意志によって、安全に隔離されながらではあるけれども、何らかの方法で協議ができるという方法がないといけないのではないか。保護命令である以上、今の現状の枠を大きく変えるのではなく、いかに迅速化するかという方がリアリティーがある。
- ○被害者の安全確保は一番大事な柱であり強く書くべきである。
- ○何らかの限定をつけた上で、被害者の居場所の探索について制限することを検討することはできるのではないか。
- ○主観的にもいろいろな目的があり得る行為を保護命令違反にすることの適否については、慎重な検討を要すると思われる。
- ○保護命令が出されたら、居所等の情報を集める等、被害者の安全の確保という形で方向性を探ってはどうか。
- ○被害者支援の一環として、被害者を支援する機関が被害者の居場所等の状況を把握できるように、裁判所から保護命令に関する通知をお願いしたい。保護命令発令の通知先に「センター等」として民間シェルターも入れて欲しい。
(2 被害者の保護・自立支援関係)
- ○教育の場でのDVの現象に対する対応法というのは、まだまだ不十分ではないかという印象がある。事例を収集しながら、どう対応するのかということを共有していくような仕組みをつくって欲しい。
- ○高校生の子どもが学校に行けず単位がとれないという問題も起きている。子どもに対する就学支援、単位取得等について通知して欲しい。
- ○教職員への研修については、児童虐待という枠組みからのみでなく、DVというものを意識化するようなプログラムの実施も考えて欲しい。
- ○被害者が生活再建の道筋を早く見つけるためにも、福祉事務所と婦人相談所の連携が重要である。生活保護について、婦人相談所の要請に応じて、福祉事務所が動いてくれる仕組みを全国一律に作ってほしい。
- ○「被害者の安全の更なる充実」という項目を立てて、安全についての広域連携や、警察がより動きやすいような安全確保についての規定を検討できないか。保護命令を申し出るまでに至らない人と、申し出て危険性が多い人と取扱いを異にいしてもいいのではないか。
- ○被害者には、就労はしているが全収入が非常に低い者という者も多い。「就労の促進」というより、十分な収入が得られるような就労の促進ということだと思う。
- ○子どものいない被害者の支援についても考えるべき。
(5 加害者に対する対策関係)
- ○相談員に対して、加害者が相談に来た場合にどのように対応したらよいかについてのプログラムが必要になっているのではないか。
- ○加害者の更生のためのプログラムというより、まず、被害者が更なる被害を受けることを防止するための対処プログラムのようなものを作っておく必要があるのではないか。