- 日時: 平成14年10月18日(金) 9:30~12:30
- 場所: 内閣府3階特別会議室
- 出席者
- 会長
- 島野 穹子 つくば国際大学教授
- 会長代理
- 原 ひろ子 放送大学教授
- 委員
- 大津 恵子 女性の家HELPディレクター
- 同
- 奥山 明良 成城大学教授
- 同
- 戒能 民江 お茶の水女子大学教授
- 同
- 垣見 隆 弁護士
- 同
- 小谷 直道 読売新聞社特別編集
- 委員
- 同
- 佐々木 誠造 青森市長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 瀬地山 角 東京大学大学院総合文化研究科助教授
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 前田 雅英 東京都立大学教授
- 同
- 若林 昌子 明治大学教授
- 議題次第
- 1 開会
- 2 セクシュアル・ハラスメントについて
- (1) 職場におけるセクシュアル・ハラスメントについて
奥山 明良 成城大学教授 - (2) 大学におけるセクシュアル・ハラスメントについて
戒能 民江 お茶の水女子大学教授 - (3) 自由討議
- (1) 職場におけるセクシュアル・ハラスメントについて
- 3 閉会
-
(配布資料)
- 資料1
-
奥山氏説明資料 [PDF形式:251KB]
- 資料2
-
戒能氏説明資料 [PDF形式:20KB]
- 資料3
- 第15回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事録(案)
- 概要
○職場におけるセクシュアル・ハラスメントについて奥山明良委員から、大学におけるセクシュアル・ハラスメントについ て戒能民江委員からそれぞれ説明が行われた。
[自由討議]
- (住田委員)
-
男女雇用機会均等法に「配慮義務」が書かれたことで法規制の強化につながると思うが、今後この配慮義務をどのよう なかたちでステップアップするかが問題である。
民事では、「社会的許容性」が違法のラインを決めるのではないかと思うが、その「社会的許容性」も時代によって変わる ものであるので、被害者側として、ここまでは許されないのだという意識をきちんと出し、加害者側に訴えることが一番大 事である。
また、被害者の心理的な苦痛を取り除くためには、環境を変えることが抜本的な解決であるので、再就職や引越し費用を 含んだ損害額という発想もあると思う。ただ、日本では人材の流動化が難しいという問題はある。 - (奥山委員)
- 社会的許容性については、日本では、男女を含む「一般通常人」という視点で判断されることから、何がセクシュアル・ハ ラスメントにあたるかということについて男女間に意識の差が少なからずみられるような問題について、基準とすることは 難しいと思う。
- (戒能委員)
- 被害を受けた大学院生は、人材の流動性が無いので研究を断念せざるをえない場合が多い。その結果、生活のための 援助、精神的ケアのための医療費、裁判のための弁護士費用などが必要になるなど、被害のコストは生活全般にわたる という認識をまず広めることが大切である。
- (原会長代理)
- 議論するに当たっては被害者の救済と加害者に対する対応の両方を考える必要がある。
- (戒能委員)
-
加害者に対する防止教育については、学校教育を含めて議論すべきである。
また、私立大学におけるセクシュアル・ハラスメントの問題については職場と大学の谷間で見落とされがちなので、目配り が必要である。 - (若林委員)
- 私立大学のセクシュアル・ハラスメントについては、大学の調査の権限や手続が明確でないことが問題である。
- (住田委員)
- セクシュアル・ハラスメントについては、法的問題としてとらえ加害者に迫るよりも、カウンセリングにより、じっくり時間をか けてケアを行う方が有効である。
- (戒能委員)
- 女性に対する暴力の視点、大学で起こりやすい特質、文化的土壌などを理解した専門家を養成することが必要である。
- (上杉審議官)
- 大学自体が男女共同参画について前向きに取り組み、セクハラは悪いことだという共通理解をもつための仕組みを考え る必要がある。
- (住田委員)
-
セクシュアル・ハラスメントの精神的苦痛に対する損害賠償額の高額化は、いろいろな裁判例の積み重ねによるところが 大きいので、女性にとって好ましい事例が積極的に発表されていくことが望ましい。
精神的苦痛を認めることは、今の裁判では慎重であり、今後の法律家たちの努力が必要である。
○事務局から、第15回専門調査会の議事録(案)が提示され、了承された。
○事務局から、次回の専門調査会について、12月6日(金)9時30分から、内閣府3階特別会議室で開催する予定で ある旨、説明があった。