- 日時: 平成14年6月14日(水) 10:00~12:00
- 場所: 内閣府3階特別会議室
- 出席者
- 会長
- 島野 穹子 つくば国際大学教授
- 会長代理
- 原 ひろ子 放送大学教授
- 委員
- 大津 恵子 女性の家HELPディレクター
- 同
- 奥山 明良 成城大学教授
- 同
- 戒能 民江 お茶の水女子大学教授
- 同
- 垣見 隆 弁護士
- 同
- 北村 邦夫 (社)日本家族計画協会クリニック所長
- 同
- 小谷 直道 読売新聞社特別編集
- 同
- 佐々木 誠造 青森市長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 瀬地山 角 東京大学大学院総合文化研究科助教授
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 前田 雅英 東京都立大学教授
- 同
- 若林 昌子 明治大学教授
- 議題次第
- 1 開会
- 2 児童買春について
- (1) ヒアリング
宮本 潤子 ストップ子ども買春の会代表 - (2) 自由討議
- (1) ヒアリング
- 3 閉会
-
(配布資料)
- 資料1
-
売買春関係基礎資料
(日本における売買春の現状について [PDF形式:18KB]) (売買春関係事犯検挙件数等グラフ [PDF形式:645KB]
) (売買春関係規定等 [PDF形式:100KB]
)
- 資料2
-
宮本氏説明資料 [PDF形式:5KB]
- 資料3
- 第12回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事録(案)
- 概要
○会長より、平成14年6月14日付で当専門調査会の委員として、東京大学大学院総合文化研究科の瀬地山角助教授が任命されたことについて報告が行われた。
○内閣府から日本における売買春の現状について説明が行われた。
○児童買春の問題について、ストップ子ども買春の会代表の宮本潤子氏より、説明が行われた。
[自由討議]
○人身売買(トラフィッキング)について
- (住田委員)
-
児童買春の法律自体が買春する側ないしは商業的に子どもたちの性から利益を上げている者にだけ着目している一種の形式犯的な側面としかまだとらえられていない。子ど もに対しての大きな人権侵害がどういうものであるか、きちんと究明する必要がある。
援助交際から立ち直った少女たちが過去をどういうふうに認識し、どのような傷が残っているかということを具体的に挙げることが必要である。 - (瀬地山委員)
-
法律で一義的に取り締まることとは別のレベルで、性と社会の関係の視点をしっかり持った人が高校生たちの目線に立って踏み込んだ性教育を行うことが一番必要である。
この法律が買春者を帰責の対象としたり、児童ポルノの写真を規制したり、刑法で13歳以下だった処罰対象の年齢を上げたということについては基本的に賛成だが、 自尊感情を高めるという観点からみたときに、このような規制の仕方で良いのか若干疑問もある。
また、18歳未満を一律に規制することで良いのかについても疑問がある。もう少しきめ細かい対応も必要なのではないか。 - (原会長代理)
- 要保護女子数の統計について18歳未満で一括りになっているが、低年齢化のデータとして15歳未満を分けて集計できないか。
- (北村委員)
- 受験制度や金銭万能主義などの社会の根本的な問題を抜きにして、出会い系サイトや援助交際を議論しても、非常に虚しい部分がある。
- (大津委員)
- ヘルプには外国から連れてこられた18歳未満の子どもたちも入所している。ヘルプはこれらの子どもたちの帰国の準備しか行うことができないが、子どもに関しては既に法律が できているので、外務省や警察に早急な対応を望んでいる。
- (北村委員)
- インターネットでポルノなどに入り込むためには、カード会社や電話会社との契約が不可欠であるが、暴力団などに金が行くことがわかっているので、これらカード会社や電話会 社で一次的な予防措置をとるべきである。
- (前田委員)
- 売春と結び付かない援助交際もあるとの意見もあるようだが、その大部分が結び付いており、「援助交際イコール売春」ととらえるべきである。
- (住田委員)
- 援助交際というのはすべて買春の入口であり、たまたま未遂で終わった場合であっても実行行為の着手はある。また、未遂に終わらないどころか、強姦されてしまうこともある。
- (原会長代理)
- 援助交際という言葉を使う際は、かぎ括弧に入れるべきである。
- (瀬地山委員)
- 援助交際という概念をどう定義して、どういうふうに使うかということが大切である。
- (前田委員)
- 援助交際について強く政策的に出すのなら、もう少し資料的なものを固めたほうが良い。
- (奥山委員)
- 被害者となった児童に対する救済、特に自尊感情をどうやって高めていくかについても課題のひとつとして議論し、報告書に載せていくことが大事である。
○会長より、今回の会合で売買春についての問題の所在が浮き彫りになり、もう少し時間をかけて議論をする必要がある旨、提案され、了承された。
○事務局から、第12回専門調査会の議事録(案)が提示され、了承された。
○事務局から、次回の専門調査会について、7月17日(水)10時から、内閣府3階特別会議室で開催する予定である旨、説明があった。