男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会

  • 日時: 平成15年4月18日(金)10:00~12:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室
  1. 出席者
    • 島野 会長
      原  会長代理
      大津 委員
      奥山 委員
      戒能 委員
      垣見 委員
      北村 委員
      小谷 委員
      小西 委員
      住田 委員
      瀬地山委員
      林  委員
      前田 委員
  2. 議事
  3. 議事内容
    島野会長
    ただいまから、男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会の第20回会合を開催いたします。
      本専門調査会では、2月以降、配偶者暴力防止法の施行状況等について、調査検討を行ってまいりました。本日はこれまでの議論を取りまとめるための検討を行いたいと思いま す。
      なお、本日は、私の方で関係省庁の方々にも入っていただいた方がより実質的な議論となると考えましたので、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省の方に同席していただいてお ります。皆様よろしいでしょうか。
      それでは、本日の議題に移りますが、その前に、参議院共生社会に関する調査会における配偶者暴力防止法の見直しに関する動き及び先日公表した調査の結果について、内閣 府から説明をしていただきます。内閣府の村上課長、御説明をお願いします。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    それではお手元の資料1を御覧いただきたいと存じます。
      参議院共生社会に関する調査会「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関するプロジェクトチーム」における検討状況をお示しいたしております。
      本年2月にプロジェクトチームが設置されてから、資料1のとおり会合が開催され、3月11日には有識者からのヒアリング、31日には進め方の協議、先日の4月16日には、地方公 共団体からのヒアリングがなされたところでございます。関係省庁からのヒアリングは5月7日に予定されております。
      次に、資料2の女性に対する暴力に関する調査の結果概要についてです。
      内閣府では、平成14年度に、「配偶者等からの暴力に関する調査」、「配偶者からの暴力の加害者更生に関する調査研究」をそれぞれ実施しまして、先日、4月11日に結果を公表 いたしました。新聞にも出ております。本日は、資料2としまして、報道発表用の資料をお配りいたしております。また、卓上には、それぞれの報告書とその概要をお配りしておりま す。
      まず「配偶者等からの暴力に関する調査」の概要版について、御説明いたします。この調査は、無作為に抽出しました全国の20歳以上の男女4,500 名に対してアンケート用紙を郵 送しまして、調査員がそれを回収する方法で実施しております。3,322 人(73.8%)の方から御回答をいただいております。
      この概要版の3ページを見ていただくと、この調査の結果、女性の5人に1人がこれまでに配偶者等から「身体に関する暴行」、「恐怖を感じるような脅迫」、「性的行為の強要」と いった行為を受けていることが明らかになっております。
      また、5ページの一番下を御覧いただきますと、女性の約20人に1人がこれらの行為によって命の危険を感じていたことが明らかになっております。
      それから、6ページの一番下を御覧いただきますと、女性の2.0 %が暴力によってケガを負い、医師の治療を受けていることなど、依然として、被害が深刻であることが明らかになっ ております。
      さらに、今回の調査では、加害の方の経験についても調査しております。12ページを御覧いただきますと、男性の約3人に1人が、配偶者等に対する身体的暴行の加害経験がある ということが明らかになっております。
      そのほか、いろいろ調査項目がありますが、後はじっくりと御覧いただきたいと思います。
      次に、「配偶者からの暴力の加害者更生に関する調査研究」であります。この調査研究は、小西委員にも委員になっていただいておりますが、有識者7人で構成されます研究会を 立ち上げまして、イギリス、ドイツ、韓国、台湾、アメリカにおける加害者更生に関する取組を調査したものでございます。
      内容は、概要版を御覧になるとわかりやすいかと思いますが、簡単に言いますと、各国とも裁判所による法的な強制により加害者に何らかのプログラムを受講させているというスタ イルです。ですから、保護観察を担当する機関が主に実施を担当しているというイメージでございます。諸外国と我が国を比べますと、司法制度等が大きく異なっております。外国 の制度がいいからといって、そのまま我が国に導入するということは難しい面がございますが、内閣府といたしましては、引き続き、我が国における配偶者からの暴力の加害者更 生につきまして、その必要性や対象とする加害者、働きかけの内容、どのような内容のプログラムを行うか、どういうところが実施機関にふさわしいのかなど、検討が必要というよう に考えております。
      それから、資料3でございますが、前回3月18日の専門調査会で、京都府からヒアリングを実施しましたが、その際、幾つかの点について、委員から具体例を示すように要望がござ いました。その点について京都府から回答がありましたので、資料3としてお配りしております。
    島野会長
    それでは、本日の議題に移ります。
      議事次第の2、「配偶者暴力防止法の施行状況等(案)について」です。お手元にお配りした「配偶者暴力防止法の施行状況等について(案)」という資料を御覧ください。これは2月 と3月の専門調査会での議論を踏まえ、事務局に案を作成していただいたものです。本日と5月30日の会合で検討結果を取りまとめまして、6月か7月ごろに予定されております男 女共同参画会議に報告したいと考えております。
      それでは、この内容につきまして、まず、事務局から御説明をお願いしたいと思います。その後、皆様で討議することといたします。内閣府の村上課長、御説明をお願いいたします。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    お手元の「委員限り」と書いてある資料ですが、事務局でまとめまして、本日お配りしております。目次を御覧いただきますと、構成は、 「はじめに」、「施行状況」、「見直しに関する論点」、「参考資料」となっております。本日は、「見直しに関する論点」の部分について御議論いただきたいと考えております。その部分 について、まず、簡単に御説明いたしますが、本日、参考資料は御用意いたしておりません。
      論点につきましては、22ページ目以降でございます。テーマごとに「指摘される事項」を最初に記載しております。それぞれの指摘事項につきまして、「現状」として、現行法の規定 やその趣旨を整理しまして、その次に「議論のポイント」として、いくつかの議論すべき点について記載しております。これは、議論のポイントですので、結論といったようなことは記載 いたしておりません。論点の概要について御説明いたします。
      まず、23ページですが、最初に「定義」のところを書いております。「(1)『配偶者』及び『被害者』の定義」で、指摘されている事項については、「●元配偶者、婚約者、恋人などから 深刻な暴力被害を受けている例もあり、これらの者からの暴力も配偶者暴力防止法により保護及び支援する対象にすること」ということですが、現状は、配偶者以外は保護の対 象になっておりません。配偶者からの暴力が家庭内で行われるために、外部からの発見や介入が困難であるなど、一般の暴力と異なった性質を持つことから、このような規定に なっているわけです。
      議論のポイントとしましては、「特別に保護する必要性」。保護の対象を広げるとした場合、特別に保護する必要性があるかどうかということであります。元配偶者や恋人などは、一 般の暴力以上に保護する理由が説明できるか否かということが論点になっております。
      それから次に、「被害者と加害者の関係の明確性」。配偶者や元配偶者は、認定が容易かと思いますが、婚約者や恋人などは関係の認定が困難な面もあるのではないか。
      それから3つ目「元配偶者の問題」を書いております。別居中の配偶者と、元配偶者では、置かれた状況がそれほど異ならない場合もあるのではないか。こうした場合に保護の対 象とするか否かが検討事項だというように書いてあります。
      次に、25ページの「(2)暴力の定義」です。指摘されている事項としましては、「●生命又は身体に危害を及ぼすものではないが、心身に有害な影響を与える行為についても『暴力』 の定義に含めること」。
      現状としましては、暴力は身体に対する不法な攻撃で生命、身体に危害を及ぼすものと規定されていますけれども、精神的暴力は保護命令の申立の理由となる暴力にはならな い。これは、保護命令が罰則で担保されている厳しい命令で、その基となる暴力は明確なものに限る必要がある。支援センターにおける相談については、精神的暴力も対象にいた しております。
      議論のポイントとしましては、まず「宣言的な効果」であります。法律の最初で宣言することの効果は大きいとは思いますが、この暴力の範囲を広げてきますと、前文にあるように 「暴力は犯罪」とは言えなくなってきます。
      次に「事項ごとの整理」ですが、保護命令の制度、支援センターの相談、広報や研修など規定ごとに、条文ごとに暴力の範囲を検討しないといけないということがございます。
      次に、「精神的暴力の内容」ですが、精神的暴力はかなり広いわけでして、刑罰法規に触れるものと、刑罰法規に触れないものを分けて議論することも考られます。脅迫から、「誰 のおかげで生活できるんだ。」というところまでいろいろあるわけでございます。
      次に、27ページの配偶者暴力相談支援センターについてであります。
      指摘されている事項は、「●支援センターの機能を果たすことができる施設の範囲を、市町村の施設にまで広げること」。
      現状では、支援センターは都道府県の施設に限定されております。市町村の施設に相談した被害者が保護命令を申し立てる場合に、そこでの相談の事実が活用できないという問 題があります。
      議論のポイントとしましては、まず、「一時保護の問題」があります。市町村のなかには、一時保護を母子生活支援施設の一部において対応しているところもありますが、基本的に は都道府県の婦人相談所につないでいる。市町村独自の判断で一時保護を行うことが難しいということがあります。支援センター機能の重要な部分である一時保護をどう位置付 けるかということです。
      次に、「福祉との連携」と書いてあります。生活保護など、被害者の自立支援に関する制度の多くは、福祉事務所を窓口としておりますので、都道府県の支援センターと市の福祉事 務所の連携が非常に重要となっております。福祉事務所との連携を念頭において支援センターの機能を果たす施設を考える必要があるのではないかということです。
      次に、「町村の実情」と書いております。規模の小さな町村においては、相談員に守秘義務があるというものの、限られた人口、役所関係者を含め血縁関係にある者が多い。なかな か相談の匿名性が保ちにくいということで、規模の小さい町村まで支援センター機能を持たせるのは問題ではないかということです。
      次に、大きな「政令指定都市」についてはどうかと言いますと、現在の体制を見ますと、すべての政令指定都市で対応が可能なわけではありません。そもそも設置されているものの 十分な相談対応が行われていないところが、現にたくさんありますということを書いてあります。
      次に、「裁判所提出書面の問題」です。支援センターの機能を果たす施設とは別に、支援センターとしての業務は行わないけれども、当該施設への相談の事実を保護命令の申立 てに活用することが法的に可能となる施設を市町村等に設定することも考えられるのではないか。こういうことが立法論としては可能ではないかということをここで書いております。 ただ、その場合も、相談員の体制がある程度整っている施設でないと実質的には対応することは困難。例えば同じ相談員が週1日しか勤務しないようなところでは、裁判所から書 類を求められても、迅速に対応できないので、対応できるところでないと無理だということがございます。
      次に、30ページの保護命令であります。まず、「(1)保護命令で保護される対象の範囲」についてです。「●保護命令で保護される対象の範囲を元配偶者、婚約者、恋人などにまで 拡大すること」についてです。
      現状では、保護の対象は配偶者のみとなっております。そのほかのものは、一般の暴力と同様に刑法やストーカー規制法において対応することとなっております。
      議論のポイントですが、まず、「特別な保護の必要性」ということです。そもそも保護命令で保護される対象の範囲については、配偶者からの暴力が一般の暴力とは異なった特徴を 有することから特別に設けられた制度であることに留意する必要があります。
      まず退去命令を見ますと、元配偶者や婚約者や恋人に関しては、加害者と被害者が生活の本拠を共にしていないのが普通なので、退去命令の必要性は低いのではないか。
      それから接近禁止命令については、婚約者及び恋人は通常、恋愛感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情がもとにあるわけですから、これはストーカー規制法で 対応が可能でございます。それから元配偶者については、配偶者と同様に外部からの発見や介入が困難な事情が考えられるかどうかということが問題になるわけです。別居の配 偶者は対象になりますから、別居と離婚成立後はそれほど相違がないとの考え方もあり得るというようなことが31ページに詳しく書いてあります。
      それから、最初のところでも申し上げましたけれども、「被害者と加害者の関係の明確性」があるかということが問題になるわけで、配偶者や元配偶者は明確であっても、恋人や婚 約者というのは、関係をどれほど容易に認定できるかどうかということも考慮すべきと思います。
      次に、32ページの「(2)保護命令の申立ての理由となる暴力の範囲」についてです。指摘される事項としては、「●精神的暴力のみが振るわれている場合であっても、保護命令が 発令できるようにすること。」です。
      現状では、身体的暴力に限られております。
      議論のポイントのところで、そもそも、「保護命令の発令要件としての『暴力』を限定した趣旨」を書いてありまして、被害者の生命、身体の安全という現行法の体系上、最高位の法 益を確保することを目的とするということで限定されているわけであります。これは保護命令を受ける者の居住・移転の自由、財産権を一定の範囲で制約している。しかも、保護命 令違反には刑事罰という峻厳な制裁をもって臨むことが憲法上許容されているのは、最高位の法益を守るためであるからだというようなことがここで書いてあります。精神的暴力 に関して言えば、意思決定の自由等、法的に保護されるべき利益を侵害されたものであるので、一定の法的保護を受ける必要があるのは当然としても、保護法益の緊急性、必要 性に自ずと差異があるというようなことを書いています。
      「被害者の危険性」のところでは、配偶者からの暴力はエスカレートする傾向があると言われており、精神的暴力であっても、将来、身体的暴力に至る事案もあるということが書い てあります。
      次に、「相手方の居住の自由等との調整」というところでは、保護命令が罰則によって担保されていることに照らして、外延の不明確な精神的暴力を原因に保護命令を発することに ついては、相手方の居住の自由、財産権の行使等との関係を考慮する必要がある。
      それから次に、「迅速な発令」についてですが、保護命令は迅速に発令することが求められていますけれども、精神的暴力といった不明確な要件を採用した場合には、迅速に保護 命令を発することが困難となることも念頭に置く必要がある。
      次に、34ページ「(3)保護命令の期間」についてです。「●保護命令の期間を長くすること。」という指摘があります。接近禁止命令は6か月、退去命令は2週間であります。これが規 定された趣旨は、現状のところに書いてあります。
      議論のポイントとしては、接近禁止命令について、一律に期間を延ばすということや、再度の申立て、更新というようなことも考えられますけれども、一律に命令の期間を長くするこ とについては、接近禁止命令の期間を6か月に限定した立法趣旨との関係に留意する必要があるというようなこと。
      退去命令については、住居が被害者の所有で転居しにくい場合もあるが、加害者の居住の利益の問題との調整が出てきますよということを書いております。
      それから、「(4)保護命令の再度の申立て」は35ページです。「●保護命令の再度の申立ての手続を簡略化すること。」について指摘されております。
      現状では、再度の申立ては公証人役場で認証を受けた宣誓供述書が必要とされております。
      議論のポイントとしましては、「支援センターまたは警察への相談等」で、再度の申立てに支援センター等の相談記録を活用する可能性について、検討の余地があるのではないか ということを書いております。
      次に、36ページの「(5)保護命令の内容」についてです。
      指摘される事項は、「●接近禁止命令で禁止する行為を、家族に対する接触や電話等による接触にまで拡大すること。」です。
      現状では、保護命令の趣旨は、被害者の生命、身体の安全を守ることであるので、直接被害者の身体に影響のない家族に対する接近や電話等は禁止されておりません。ですか ら、電話やファックス、手紙、メールなどがあるわけですが、議論のポイントとしましては、「子どもなど被害者の家族等に対する接触」について、加害者による子どもの連れ去りは 結果としては、接近禁止命令の趣旨を減殺するということがあります。ただ、子どもの親権とか監護権の問題がありまして、このようなことについても留意する必要があるということ です。子どもの監護に関する事項は、子の福祉の観点から慎重な調査審議が必要であるので、保護命令と同時に、子どもの監護に関する事項について審理、判断するとなると、 迅速に保護命令が出しにくくなるということに留意すべき必要があるということを書いています。
      次に、「直接接触しない形態の行為」についてですが、保護命令の趣旨が被害者の生命、身体の安全の確保ということとの関係が出てまいります。
      それから「他の法律との関係」と書いてあります。保護命令で保護される対象を拡大することは、配偶者暴力防止法の制度の趣旨全体にかかわる問題で、児童福祉法、児童虐待 防止法、ストーカー規制法等との役割分担の見直しを要する問題であります。その辺をどう考えていくかということを整理する必要があるということであります。
      次に38ページ、「(6)その他」の指摘されている事項としましては、「●接近禁止命令と退去命令が併せて発令された場合に、加害者が共に生活の本拠とする住居の付近をはいか いすることを禁止すること」です。現状は、接近禁止命令で生活の本拠とする住居が対象から除かれておりますので、接近禁止命令と退去命令が併せて発令されますと、加害者 が被害者と共に、生活の本拠とする住居付近をはいかいすることは禁止されていないということです。
      議論のポイントとしましては、「退去命令と接近禁止命令を併せて発令する場合の考慮」が必要ではないか。というのは、加害者が住居付近をはいかいしている場合、被害者がそ の住居の内にとどまっていると外に出ることは難しくなり、別のところにいると、自分の実家であろうと、その家に入ることが難しくなって、退去命令の効果が得られないということが 考えられるということです。
      次に、40ページでございます。「4その他」「(1)市町村の役割」についてですが、「●自立支援等に関する市町村の役割について、規定すること」と書いてあります。
      現状では、市町村独自の自立支援等に関する具体的な責務は規定されておりませんが、市町村に関しては、福祉事務所が被害者の適切な保護が行われるように支援センター、 都道府県警察と連携協力に務めることは規定されております。
      議論のポイントとしましては、「都道府県と市町村の事務」についてどのような役割分担にするかということで、支援センターの範囲とも関係してくる問題です。
      それから「自立支援を法律で規定する意味」についてですが、市町村の福祉事務所などを窓口にする制度が多いわけで、生活保護などの既存の制度があります。市町村の責務 について重ねて配偶者暴力防止法で規定する意味については検討する必要があります。
      次に、「(2)加害者更生プログラム」についてです。
      指摘される事項は、「●加害者の更生について制度として導入すること。」でありますが、加害者更生については、現在は配偶者暴力防止法で国・地方公共団体が、加害者の更生 のための指導の方法に関する調査研究の推進に努めることが規定されております。現在は、公的な機関における取組はないわけであります。議論のポイントとしましては、「対象と する加害者」にも様々な類型が考えられ、アルコール依存とか、薬物依存だとか、人格障害の問題を抱えている方もおります。教育的アプローチをとるのか、治療を先行させるか など、いろいろ対象によっても異なってまいります。
      また次に「加害者に対する働きかけの内容」についても、加害者の類型、アプローチの方法、実施機関と密接に関連する問題になります。これらを勘案した上で検討する必要があ りますし、「加害者が働きかけを受ける契機」、どのような動機付けを行っていくかについて検討する必要があります。
      「被害者の安全確保」についても、更生の働きかけを実施している間の被害者の安全の確保方策についても考える必要がありますし、「実施機関」については、対象や働きかけの 内容と関連付けながら検討する必要があります。
      先ほども申し上げましたが、諸外国調査によりますと、各国とも裁判所による法的な強制によって加害者に何らかのプログラムを受講させておりまして、保護観察を担当する機関 がその実施を担当しております。これは様々な深い検討が必要になってくるということかと存じます。
    島野会長
    この資料は、私どもが見るのは早い方が昨日ぐらいなんですね。ですから、一通り議論をいたしますけれども、その過程で率直な御意見を承りたいと思います。
      男女共同参画会議に対する専門調査会の報告書、その題名が「配偶者暴力防止法の施行状況等について」とありますね。その目次で、第1、第2とあって、今から議論するのは 第3の「配偶者暴力防止法の見直しに関する論点」についてです。その論点のまとめ方が各項目を分けて、「指摘される事項」というのが枠で囲ってございます。これが、これまで 2回の専門調査会の議論を踏まえて、我々が指摘した事項が取り上げられていると感じます。それからアが現状です。現状というのは、事実としての現状と立法趣旨、現行法の各 条文の趣旨の説明にわたる部分とが入っているように思います。議論のポイントも同じようなこと、現状で述べていることをより敷延して言っているわけです。専門調査会として、こ の問題はこういう現状である。立法趣旨もこういうことで、このように限定的に規定されている。しかし、なお不備がある。被害者に対する救済でなお改正する必要がある。それは 法理論的にも克服できる改正論である。だから、こう変えたらどうかという明確な主張は見えませんね。探していくと、それらしい表現、検討の余地があるとか、そういう言葉遣いで 改正意見が少しずつ入っているようには思います。
      とにかく我々が議論する材料として、今、御覧いただき、説明をいただいたものが与えられているわけですが、それを前提にして、そのことについての御意見もあろうかと思います が、まずは各論でやっていきたいと思います。
      それで、自由討議に今から移るわけですけれども、討議の中心は報告書案の第3「配偶者暴力防止法の見直しに関する論点」に絞らせていただきます。それから論点は、今の説 明にありましたとおり、「定義」、「配偶者暴力相談支援センター」、「保護命令」、「その他」と4つの項目としておりますが、討議の順番としては、「定義」を最後にした方がわかりやす いと思いますので、まず「配偶者暴力相談支援センター」から御意見を伺っていきたいと思います。
    戒能委員
    座長がもうメンションされたんですが、私もこの前の議論がどのようにこの案に反映されているのかというのが大変わかりづらかったです。率直に申し上げますと、ア の現状でも立法趣旨が書いてあり、それから議論のポイントも、立法趣旨にのっとった議論が書いてあるに過ぎない。これは専門調査会の報告書ですよね。ですから、そういうお 立場もあろうかとは思いますが、あくまでも専門調査会の意見を案の段階から集約していただきたかった。これを前提として議論するのがまた手間がかかるといいましょうか、そうい う感じを率直に受けております。
      それはさておき、配偶者暴力相談支援センターですが、一時保護の問題で、市町村独自の判断で一時保護を行うことが、町村の実情とか、市町村がすべてdvセンターを持つとい うことの難しさというのは既に指摘されているとおりだと思いますが、独自の判断で一時保護を行うことが難しいというのはどういうことでしょうか。何を根拠に、具体的にどういうこと なのか、御説明いただきたいのですが。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    市町村の中で母子生活支援施設などで一時保護を行うということは可能であるところもありますが、実際は、また元に戻して婦人相談所 の一時保護施設にお願いしますというような形で、もう一回県の方に戻している場合が多いわけです。
    戒能委員
    それは現行の制度、仕組みですよね。それを前提にして議論するのか、そうじゃない議論の仕方をするのか別だと思うのです。今の仕組みはそうなっているということ はよく分かるのですが、しかし、それを前提としなければ、一時保護は、本当に圧倒的に不足していますよね。それから、都道府県にはdvセンターが1つしかなくて、かなり距離が あって、高速道路で車を2時間もぶっ飛ばさないといけないようなところにしかないということを問題にしているわけですから、今まで出てきた内閣府が調査された中でも出ていたと 思うんですね。それを前提としないで、どうやって使い易い、本当に安全を守るようなdvセンターを、いろいろ枠がある中で可能な限りつくっていくかという議論を進めていかないと、 前向きな改正にはならないのではないかと感じたんですね。もし難しい状況で越えられないようなものがあるならば御説明いただきたいと思ったわけです。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    本日いろいろ議論していただく上で、現状がこのような状況かということを書いてあるので、いろいろ御議論いただければと思います。
    坂東内閣府男女共同参画局長
    現状を踏まえて、その上でどういう不都合があるかということです。
    戒能委員
    そういう意味で質問しましたので、もし、すぐお答えいただけるならということです。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    ただ、公的に相当人数対応できるのは母子生活支援施設と一時保護所のほかにはあまりないんですよね。どこに行くんでしょうかという 現実論も踏まえながら御議論いただきたいと思います。
    島野会長
    現実論と同時に、この作業は何月ごろに改正され、具体的に法案ができるのか、そのテンポにもよりますね。全然現状がカバーできないのに改正案というのは難しい ですね。ですから、3年後の見直しとされていたはずなんだけれども、1年後にやろうとしているからギャップがあります。どうでしょうか、御質問も御意見もあると思うんですが、今 回の、もしかしたらできるかもしれない秋の改正について、これだけはきちんと専門調査会の意見として入れておきたいというようなことがあればおっしゃっていただきたいと思いま す。
    戒能委員
    そういう意味では、dvセンターの議論のポイントのところにdvセンターの機能が入っていない。都道府県ということを前提といたしましても、配偶者暴力相談支援セン ターの機能を、改正できるのではないかと思います。現行では6つの機能があって、そのうちの1つでも機能が果たせればよいとなっていますが、現実にはそういうことではなくて、 支援、援助をするということなんですが、やはり重要なポイントで欠けているのは、連携協力の調整機能を果たすということを法律の条文にきちんと入れないと本当にやりにくいとい うことを伺っております。
    島野会長
    実質的にはなかなか実現し難いということですか、そうじゃなくて。
    戒能委員
    都道府県のdvセンターの、その都道府県の中の市町村の連携調整、それから都道府県間の連携調整、いろんな民間との連携調整という調整機能、コーディネート 機能を明確に、現行法の中に明記できるのではないかと考えております。
    前田委員
    委員の中で小さい地方公共団体側の意見を代表するというのは私ぐらいしかいないと思いますが、東京都の職員として、私は都の男女共同についても携わっており ます。国が動いたので、東京都も何とか対応しなきゃいけないというので、慌てて動いたわけですね。ただ、そこで出てくる議論は、ここで指摘されているのは非常に重くて、東京都 はかなり先進的にやっていると思うんです。それはもちろん御批判があるのは分かっているんですが、ただ、それが区のレベルとかに下りていったときに、どこまで対応できるかと いうことが現実に問題になるんですね。ここに書かれているのは我々は非常によく分かるので、一時保護の判断とか、それを区のどこまで下ろしていけるか。理想として徐々にそう なっていくのはいいんですが、やっとdv法ができて動き出して、じわじわ浸透させようとしている段階でもっと下まで広げてたくさんあった方がいいんですが、一挙にいくのはなかな か大変だなという実感を持っております。
      要するに現場の人たちの意見を聞いても、この委員会の立場というのは非常に難しいと思うんです。前向きの提言をしていかなければいけないというのはそうなんですが、片一方 で実現可能性がある程度立法案と盛り込めるものを考えていかなければいけない。そうすると、市町村の施設にまで広げることという、それはいいんですが、具体的に余りにも強く 要求するような、あと財政的な裏付けの問題が一番大きくて、むしろ東京都ではどんどん予算削減で、こういう部分でも特区を設けてくれるわけではありませんので、要するに国で やったからといってどうなるのか。そうするとまた逆にしわ寄せが出る部分もありますので、やはり、かなり具体的な展望がないと、また必要性が高くないという、その立証ですね。 そこのバランスがあると思います。そういう言い方をすると足を引っ張るような、後向きな議論にだけなってしまうとまずいのですが。
    島野会長
    ただ、施行後1年やっと過ぎたところで、やはり我々の議論も、あんまり勇み足になれないところがあるかなと思うんですけれどもね。
    前田委員
    それは是非申し上げたいという感じですね。
    島野会長
    ただ、問題意識は持っていなきゃいけない。それもどこかには書いておきたい。
    北村委員
    機能の部分ですけれども、非常に気になる言葉が前々からあって、例えば、第3条第2項第2号で、「被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的 な指導その他の必要な指導を行うこと。」どうもこの「指導」というのが被害を受けてきている人に対して、僕たちはそういう立場になりやすいんですけれども、指導というよりも、むし ろ援助とか、サポートとか、サポートというのは余りないでしょうけれども、医者の立場でこういう言葉を使いたがるんですけれども、被害に遭った人たちに対しての言葉としては余り ふさわしくないんじゃないのかなと思っております。それはちょっと文言の問題ですけれども。
    島野会長
    今日の議論ですが、これは賛成・反対とって多数決ということにはなじまないような気がいたしますので、どうしてもおっしゃりたいことをおっしゃってください。それでも 足りないと思いますので、また文書でお出しいただきまして、いつまでというのは今事務局で調整していただいていますけれども、それを5月30日に御提示する案に何らかの形で生 かすようにしていきたいと思います。
    垣見委員
    市町村の関係で、1つは、政令指定都市はそれだけの規模もありますし、力もあるわけですので、別に議論する必要があると思います。特に県庁所在地でない政令 指定都市について、役割分担させたらいいとの意見を持っています。
      それから、市町村も規模が小さいからと書いてありますが、例えば一部事務組合のような形で事務委託をする方法もあると思いますので、そういうメニューも提示することも考えた ら良いと思います。
    林委員
    文章全体のトーンについて理解していないところがあるので質問します。例えば今見ている27ページですと、アが「現状」でイが「議論のポイント」となっていますね。私、 この文章をいただいたときは、イの議論のポイントというのは、まさに今日ここで議論するための材料であって、最終的なものにはこの言葉は出てこないのではないかと思っていた んですが、そうではなくて、まさに論点で、この委員会がやるべきことというのは論点を出すということで、その一つ一つの例えば一時保護の問題については、検討が必要であるに とどめて、どちらにするかということの結論はここでは出さないということなんでしょうか。
    島野会長
    私も昨日見たばかりで、印象は同感なんですが、今日の議論の材料かなと。でも、そうじゃなくて、これを会議に報告する、その案なんですね。どうまとめるべきかな んですけど、何かこちらの意見が言える部分は言いたいなという感じはありますね。論点を提示する部分だけではなくて、1つでも2つでも3つでもいいと思うんですね。こちらの意 見が、冒頭に申し上げたように、市町村、裁判所その他の現状にも耐える。それから法律論が随分展開されているんですけれども、これもクリアできると。この点が改正を検討した いとするべきと強く言うかどうかは別として、ここを専門調査会は改正すべき事項と考えているなということが伝わるようなものでないと、何をしているんだろうなという感じではある んですけどね。
    坂東内閣府男女共同参画局長
    恐らく2段階あるだろうと思うんですね。指摘すべき問題点は多々あると思いますが、今回の改正に是非盛り込んでいただきたい事項は、かなり 限定的にした方がよいかと思います。
    島野会長
    ウという別の枠組がつくかどうかですよね。あるいは議論のポイントの中にはめ込むか。
    坂東内閣府男女共同参画局長
    ポイントという形じゃない方がいいと思います。提言の改正点というのがもう一つ別のカテゴリーとしてあり得るんじゃないかと思いますね。
    垣見委員
    せっかく御努力してつくられたものと思いますが、本日示されたペーパーは、専門調査会の名前になっていますが、「●指摘される事項」のところはまさに専門調査会 で意見が提示されたものと認められますが、それ以外のところは内閣府なり、あるいは他の省庁の御意見でしょう。専門調査会が議論したことに対して、各省庁が問題点があると 考えているのであれば、それを各省庁名を明示して問題点と指摘をすべきであると思います。各省庁の意見をあたかも専門調査会の意見であるかのようにしたペーパーを出され るというのは、大変心外です。
    坂東内閣府男女共同参画局長
    専門調査会の御意見として改正案に盛り込むことが不可能な事項ばかり出されても、またこれも困るなと。こういう問題点を十分踏まえた上で、 御意見をまとめていただければと思います。
    垣見委員
    それは専門調査会の意見じゃなくて、内閣府なり関係省庁の御意見としてお出しになったらいかがですかというのが私の率直な感想です。
    島野会長
    我々のは薄くてもいいんですよね。明確な方がいいんです。
    戒能委員
    もちろん、すぐできることと、長期的な改革と法的に検討すべきことというのは分けて書く必要があると思います。
    大津委員
    これをいただいたときに、はっきり言ってがっかりいたしました。というのは、この法律は被害者の人たちをどうやって救うかという法律であると思うんですね。平成15年 4月の「配偶者等からの暴力に関する調査」の結果でも、明らかに被害者の人たちが被害を受けているということがはっきりしているにもかかわらず、この中で生かしきれていない ということは、この法律が誰にとっての法律なのかということをきちんと踏まえた上で書いていただきたいと思うんです。前回申しましたように、当事者の人たちの思いを法律に生か してほしいということはそういうことなんですね。ですから、是非この点をこの調査会として出していただきたいと思います。
      それからもう1点ですけれども、市町村のことです。新聞で読みましたが、千葉県が市で、例えば空いている旅館を、緊急に保護するために利用している、そのお金を市が出してい るというのを見たんですね。そういう方法だってあると思うんです。ですから、相談支援センターにつなげるには、地方ではとても遠いわけです。時間をかけないといけない。とりあえ ず、どこかがその人たちを保護する。それは市町村でもできることではないかと思います。その事を入れていただくといいと思いますけれども。
    小西委員
    今、心外だという御意見が出てきて少し安心しましたが、基本的に立法される側の趣旨と、その説明だけになっているというのは皆さんもう分かっていると思うんです ね。この案自体は、第1、第2で施行状況を言って、その次に見直しにきているわけですから、せめてここのところに論理的なつながりというのはあるべきだと思います。
      提案としては、指摘される事項のところの「現状」を、ここまで議論されたことからもってこられて、せめてそれが半分ぐらい、「現状」というところにはそこが書かれるべきであろうと思 うわけですね。その後、その事項についての問題点が出てきて書かれるべきなので、少なくも前からつながっている形、これだけ被害がありますと大津先生が言われたとおりです けれども、そういうふうになっていないというところも書いていただきたい。このままではとても自分たちの案となって出ると困るというのが率直な気持ちです。
      市町村のことに関しては、例えば、東京の中で区によってはほとんど政令指定都市に近いような規模の区もあったり、あるいは逆に千葉みたいなところですと、房総の先に実際に は配偶者暴力相談支援センターの機能が届いていないというような状況もあったりして、地方によって非常に違いますよね。6つの機能のどれを持っているかというのも、実は都道 府県によって差が大きいわけで、その辺の機能についての議論を、何か付録で付けるという形でもいいんですけれども、もう少し内容に踏み込んだところまで付けないと、できると いう言い方とか、あるいは全国一律でなければいけないという言い方をしている限り、これは前に進まないと思うのです。結局そういう現状がそのまま残されると思うので、もう少し6 個の機能というのは、6個の機能について相談支援センターの質について述べる。グレードを付けるのがいいのかどうかわかりませんけれども、そういうことも検討してもいいので はないかというふうに思います。
    住田委員
    今地方分権やら市町村合併の時代で、それぞれ地方自治体の自主性ということが非常に尊ばれているという状況です。市町村が独自にそういう動きをしたいというも のに対してはできるという規定を置いて、かつ、それに対して補助をする、助成するはというような自主性の芽を尊重するような方向性を書くべきではないかなという気がしました。
      それから全般的な話で、十分に厳しい御意見が出ておりますので、それを更にかぶせる必要はないと思っておりますが、そもそもこれは議員立法で始まったものでして、また参議 院の方が動きがあるということに対して具体的な提言をすると考えております。
      全体にかかるので1点だけその関係で申し上げたいと思います。議員立法としてのストーカー規制法との住み分けです。先法のストーカー規制法を優先させ、こちらdv法で残りの すき間をやるという発想が非常に強い。被害者保護の場合には、やはり先法より後法の方が優先するものがあっておかしくない、より被害者保護に厚いわけですし。それからス トーカー規制法とdv法との大きな違いというのは司法判断の入り方が全く違っておりますし、罰則も全然違っております。そういう意味では、重なって適用するということに対しては 何の躊躇する必要もないわけでして、それに遠慮しているのは、議員立法のときの問題点だったと思っていますので、ここは一般的な考え方から、そこは住み分けは必要ないと。 重畳的に被害者の選択として両方使ってもいいし、片一方でもいいというような発想が一切入っていないのが私は非常に不満でございます。
    島野会長
    そもそもの報告書スタイルに対する疑問が投げかけられて、私もこれは困ると、こういう形で報告書はちょっと困ると率直なところ考えております。それで、法改正が テーマですので、その部分についての皆様の御意見をいただいて、専門調査会としてのその部分の意見を鮮明にしたものにまとめたい。まずは少なくともその部分がなければ困る と思います。だけど、それは一体どんな手順でつくるかということですが、5月30日までもう一回開けばいいけれど、皆様お忙しいので、5月30日がやっとです。ですから、会長、会 長代理と内閣府事務局で今日の議論を尊重して、後でお寄せいただける紙による御意見を尊重してまとめてみたいと思います。いかがでしょうか。
    小谷委員
    よろしいんじゃないですか。この委員会では全部一本化した意見になっていない事項も随分あると思うんですね。だから、これは「●指摘される事項」を、先ほどから 御指摘のように、そういう意見が多数あったと書いておいてもらいたいと思うんですね。という意見が出される一方で慎重論もあったということであれば、ここに書いてあるような内 容のものが従として出てくるような、そういう書き方にしてほしい。これ全体を読めば法改正は全く必要ないというふうに、皆さんの御意見が意思統一されたというふうに読まれかね ないと思います。
    島野会長
    これはもう突き返えされたに等しい感じ、言葉をきつく言えばね。報告の仕方として、そもそもの基本的なスタンスが違いますね。ですが、今の住田委員の御意見、私 もこれを読んでいて、先に規定されている特別法に任せる、そうじゃなくて、配偶者暴力の特性に応じて保護命令の中でできる範囲というのはもっとあるんじゃないかと考えたりもし たんです。
      次は「保護命令」について、何か御指摘いただけることがありませんでしょうか。
    小谷委員
    この間、皆さんが出された意見書というのがむしろ主なんでしょう。その範囲で意見が出ていることについては、ここでもう一回言ったってしょうがないではないです か。また新たに、この間出された以外のもので御意見があるものについては、これに加えたらいかがですか。
    島野会長
    それと、強調したいことがあったら、重なってもいいからおっしゃってください。この認識は間違っているという指摘でもいいですね。
    戒能委員
    そういう意味では、ストーカー規制法の御指摘があったので繰り返しませんが、ただ、ストーカー規制法は同一行為の反復が規制されていると理解しています。ただ、 dvはそうとは限らないで、むしろ、あらゆる手段、あらゆる行為を使って脅迫をしたり、攻撃をしたりするという特徴があるということもきちんと理解しておかないといけないというのが 1点と、元配偶者のところですが、子どものことで書いてあるわけですね。面接交渉とか、それから親権とか、監護権が審判があるから遅くなるとか、そういうことが書いてありました よね。「慎重な審議が必要な」というのは、これはそのとおりなんだけれども、それはどこで必要かということが論理的にはちょっと混乱をしているのではないか。これは家裁で審理 することであって、目的が違うことを混同しているという感じがいたします。
      それで、今回の国の調査でも、子どものことを調査していらしたわけですが、国としてのデータも出ております。子どもにも間接直接に被害が及んでいるんだと、影響も大きいんだと いうことで、これは直接接触することを制限して安全を守るという目的ですよね。その辺の認識が問題点というか、疑問点だということです。
    島野会長
    住田委員のお考えを伺いたいんですが、親権者とかいろんなことが書いていますね。しかし、配偶者暴力の被害者に、母親に保護命令を出すときに、同伴する子ども について、この子に対する接近も禁止してもらいたいと、それを裁判所が認めようとするときの手続的な要件として、これは母親が申立てれば、その子に対する接近も禁止してもら えるのか、その辺をお伺いします。
    住田委員
    問題点は、今まで仮処分等で同様のことができたわけですが、今回の保護命令と言いますのは、全く別枠の特別法の中での新たな手続です。独立に子どもだけを出 すというのは、正直なところ、今回のdv法の趣旨そのものではないと思います。しかし、母と子が同一に行動するという現実がものすごく多いわけですので、そういう実態を踏まえ ますと、今回の特別法の枠をどこまで広げるか、どういうふうに立法するかだけの問題です。立法趣旨を広げて、母親及び子どもというのは同一のもの、dvを受けている母及びそ れと同一行動をとっているという子どもに対してまで広げて、子ども独自にそういうふうな接近やなんかをしてきた場合も禁止するということも、接近禁止命令の対象にすることもあ りうると思います。
    島野会長
    申立ては共同親権者である父母ではなくて、被害者である母だけで十分だということですね。
    住田委員
    母だけで十分だというふうに思います。
    島野会長
    離婚後の面接交渉、それを阻害するようなことを書いているけれども、6か月間という保護命令期間については、どのように捉えますか。
    住田委員
    それと、面接交渉自体ももちろん権利はありますけれども、子どもの福祉にとってふさわしくないというときには、当然それは認めないわけですから、それはこのような 場合に、それも含めて判断されれば済むことです、面接交渉権があるから突然そんなことは憲法上できないなどの議論には入る必要はないと思っています。
    北村委員
    これまたちょっと逸脱しているかもしれませんけれども、うちのいわゆる被害を受けた事例なんかでは、子どもはいなかったんですけど、自分だけではなくて、親とか 親族に対する攻撃を非常に恐れていたという事例があるんです。それは余りにも広げ過ぎで、この法にはふさわしくないんですか。
    原会長代理
    このことは何回かこの会で御意見として出ているところで、これも併せてこの度どういうふうな表現をしていくかを考えるということではないかと思います。
    島野会長
    同伴している子どもに限定するか、新聞記事等で報道される殺人事件は、dvを原因とする他の親族に及んでいるわけだから、そこにもスポットを当てるけど、自信を 持って改正すべきと言えるかどうかはちょっとわからないですね。
    垣見委員
    今の御意見に関連してですけれども、民事介入暴力というか、暴力団なんかの事件をやっていますと、その被害者は何とか隔離して保護できるんですけどね。そうす ると、相手方はどうするかというと、親兄弟のところに電話をかける、手紙を送る、場合によって面談を要求するという格好で、結局、被害者が出て来ざるを得ないという状況をつく るんです。このdv法の中でそれがどういうふうに取り入れられるかどうかはもうちょっと詰めなければいけないと思うんですけれども、その辺は1つの問題点だと思います。
      それから併せて申しますと、これは暴力の範囲、それから定義にも絡むんですけれども、dv法は、私、立法のときに参画していないのでとんちんかんな意見になるかもわかりませ んけれども、これを拝見させていただくと、従来の刑事司法制度が十分機能していなかったので、この法律ができたのではないかというふうに私は認識しているんですけれども、そ の認識が全くないというか、従来の法律が本来、不麿の大典かのごとき書き方に感じています。場合によっては刑法改正、暴力の規定を改正したっていいのだろうと思いますし、精 神的暴力の問題等もそうですし、また、これはdv法の規定の仕方なんですけれども、重大な被害を受けるおそれがあるから保護命令が出せるんだというふうに今のdv法が書い てあるんですけれども、それは必ずしも重大な被害を受けるおそれが大きい場合じゃなきゃ保護命令が出せないというわけではない。保護命令の制度というのは本来そうじゃない。 例えば、暴力団対策法で禁止している行為というのは、必ずしも刑法に触れるかどうか非常に疑問なグレーゾーンのところを禁止命令を出しているわけですからね。刑法に触れな くたって、禁止命令というか、保護命令の対象になるわけです。保護命令というか、いろんな措置の対象になるので、これは全くやりたくないがための議論というふうに私は思いま す。
    住田委員
    25ページです。今、暴力の定義の話が出てきたので、ついでに申し上げておきます。「保護命令」にも関係するんですが、刑罰法規に脅迫罪というのがあります。これ は精神的暴力についてです。これはきちんと懲役等もあるわけです。それを一切書いていなくて、「外延が不明確である精神的暴力については」という言い方をしていますけれど も、これ自体、理解できない。
    戒能委員
    「保護命令」で対象のところ、どこまで対象範囲ということで、子どものことで話を始めたんですが、もともとは元配偶者を入れるかということで子どもが出てくるわけで すよね。離婚成立後は更なる配偶者からの暴力を受ける余地がないという前提で進められているけれども、現状はそうではないわけですよね。
    島野会長
    配偶者という定義があるから配偶者の暴力はないと、そう言いたいのかなと思いますが、元配偶者が押しかけてくることがあるでしょうけれども。
    戒能委員
    いいえ、これですと、配偶者でないからという論理のための論理のような書き方ですよね。ですから、基本はdvというか、配偶者等からの暴力というのがどういう特質 を持っているかという認識がちょっと違っているという感じなんですね。ですから、元配偶者というのは、これは子どもと同時に、実際の被害を防止する、あるいは保護をするという ことから言えば当然入るべきだと。その次のページにも同視しうる事情は認めにくいというような認識があるんですけれども、この辺の基本的な認識の問題だと感じています。
      それともう一つは、先ほど既に御意見があったんですが、規定の仕方が問題になるけれども、やはり当事者が一番よく分かるわけです。誰のところに行くのかとか、どこが危険か と。被害当事者がどこかにかくまわれていても、必ず、あらゆる情報をつかんで、追跡もそうですよね、そのために来るわけですから。そういう意味では一定程度の関係者、それは 入れていかないと当事者の安全も守られないということではないかという意見を私は持っているということですね。
      それと保護命令は、期間の問題とか、更新じゃなくて延長にすべきだという議論ももう既にここでしているんですよね。もう一度警察と支援センターに行っていいよという書き方をこ れはしているんですけれども、そのレベルの議論じゃなくて、もうそんなことも要らなくて、自動延長でいいんだという議論をしているわけですから、そういうことをちゃんと反映してい ただきたいし、精神的な暴力の問題も含めて、その辺の認識がずれてしまっていると思います。
    島野会長
    保護命令について、つまり2月、3月、あるいはその他で委員の皆様の意見は分かっているんですよね。それがこの案に反映されていないわけですよね。御意向はわ かりました。
    小西委員
    今までの意見にないことで思いますのは、今の元配偶者の問題なんですけれども、いろんな国でdv関係の法律を見てみますと、配偶者のことは最初の条文の内で 定義しないで、この法律の対象者として、もう少し丁寧にパワーの問題とか、そういう形で書いてあることが非常に多いわけですね。そういう形で書くということも当然できますし、今 の条文の中でいじる形にするととても不自然な形になったり、範囲の設定が難しくなると思います。そういうこともお考えになってもいいんじゃないかということと、それから子どもの 問題がかかわってきたときに、児童虐待防止法との絡みということがあるんですけれども、むしろ保護命令に類することについて、親権の問題があるために、日本の児童虐待防止 法の方が動かないという大きな問題があるわけで、そちらに横並びになってしまうのは非常にまずいと思うんですね。dv防止法の方が先進的にできている部分というのも少しなが らあるわけですから、そのことを考えて、例えば台湾の法律なんかだと、家庭内の暴力という形で全部まとめて扱っていたりするというふうに、不勉強ですけれども聞きました。もし 扱うのであれば、そういう形にもっていけるような方向というのも多少書いておくとか、その部分はdv防止法の方が先進的にやるんだという形で考えられてもいいのではないかとい うふうに思っております。
    法務省
    今の発言と先ほどの住田委員の発言、1点だけ御確認をさせていただきたいのですが、子どもに対する問題なのでございますけれども、住田委員の方は、私が聞いた ところだと、要するに子どもに直接暴力を振るうおそれというよりも、とりあえず一時的に問題にするのではなくて、まさに配偶者に対する暴力の周辺といいますか、要するに、そう いう位置付けで子どもに対しても、保護命令による保護を加えようというような御意見なのかなというふうに承っているところで、もし違っていたらお教え願えればと思います。
    住田委員
    接近禁止命令の対象として子どもということです。
    法務省
    ですから、直接その子どもに対して暴力が振るわれていることは要件とはしないということでしょうか。
    住田委員
    それは要件には入れない。
    法務省
    直接その子どもに対して暴力が振るわれてというところは入れないという認識ですね。
    住田委員
    それを入れると今度は児童虐待法とか別の法律の絡みが出てくると思います。
    法務省
    小西委員の今の御意見というのは、まさに、例えば配偶者に対する暴力と同じような状況がもし子どもに対しても、虐待を受けているとかそういうことを要件として、子ど も自身を保護するために子どもに対する保護命令を、そういうような関係で御理解してよろしいんですか。
    小西委員
    もうちょっと詳しく申し上げますと、現在この法律をどうすればいいかというところは、むしろ住田委員と同じと考えていただいていいです。ただ、児童虐待防止法の方で このように慎重に行われているから、こちらではできないんだという議論をちょっとおかしいと思ったので、そこのところを言いたかっただけです。将来的にそちらを目指すのか。この 3年でできるとは思えないことですので、むしろ、子どもの問題との連動というのを今後は考えていく必要が法律的にもあるというふうに思うという意見だけと思っていただいてよろし いです。
    住田委員
    それでは付加して言わせていただくと、結局ストーカー法とか法律の住み分けで、この場合はこの場合というふうに全部並列的にしている発想が今回の根本的な問題 だと思っているんですね。被害者保護のためには、選択的にいろんな制度があるというのが望ましいというふうに考えています。例えば、児童虐待防止法とか、そういうものでこうい う制度があるからといって、これをdv法が排除する必要は一切ないというふうに考えております。今、消費者契約法と民法の関係がそういうふうになっていますので、それぞれ選 べると、また選択できるということがあってしかるべきで、それを今回、議員立法の場合、立法当事者の解説を見ますと、住み分けという形の意識をもってつくったような感じがする んですね。そこはどうかと思います。
    法務省
    確かに法律相互間の住み分けの問題というのは、御指摘のように非常に難しい問題だと思っておりますが。
    住田委員
    今の住み分けの考え方では良くないと私は思っております。
    法務省
    要するにどういう整理の仕方をするのかというのは、恐らくいろいろ考え方があり得るとは思うんですけれども、まさにdv法で配偶者の暴力を切り出してきたというのが まず第一歩で、配偶者と同じように評価できるのはどういう人がいるのかというような観点から、できれば御議論をいただければ大変ありがたいなというふうに思っているところでご ざいます。
    島野会長
    暴力の直接的な被害者はあくまでも妻なら妻とします。だけど、子どもを連れて動いているわけですね。同伴している。そうすると、その子どもに父親、暴力を振るった 夫に接近されるのはまずい。それは防止すべきだという考えでよろしいのでしょうか。
    住田委員
    そうですね。それが無理だということでいらっしゃるのであれば、それ以上、言葉は重なって必要ないと思いますが、そういう実態を踏まえての必要性の議論です。
    島野会長
    学校に行っている子どもを拉致されたりいろいろあるから、母親を保護しようとすれば、やはり同伴している子どもへの接近禁止命令は、申立てがあれば出すべきで はないか。これは子どもに直接暴力を振るわれるという問題ではないわけですね。
    原会長代理
    dv法ができるときには法務省の方々に何回か現場のお話を聞いていただいたり、時には支援している現場にもお出ましいただいたりしました。当初は、被害者の方 たちの現実が全く認識をお持ちでなかったし、それから支援している人たちの現実についてもお分かり頂いていなかったのですが、次第にご理解を得るようになりました。今日お出 で下さった法務省の方たちにそういうお時間は今までおありだったでしょうか、個人的に。
      聞いてはいけないことかもしれないんですけど、というのは、今回出てきた文章というのは、そういう立場から見たら何もしない、結局、被害者は放っておけというふうに感じます。
    島野会長
    それはそういうふうに言うより、用意されたせっかくのポイントに反論して、堂々と専門調査会の意見を言ってくださいという誘い水のような気がしないでもない。この弁 明みたいに、これに負けたらしょうがないですね。だけど、こちらはそれを克服して、なおこういう提言をしていく。
    原会長代理
    だけど、これが論理の構築だけで、こう言って済む部分もあるけど、やはり現実を肌でちょっとでも感じていただければ、ああ、こういうことなのかと御理解いただけ る状況というのがあるような気がするんですよ。これは、お役人さんたちへのお願いなんです。
    島野会長
    そうじゃない。法律の解釈は刑罰まで科そうとするときに、厳格に外延を定めてやるというのは、それは当たり前のことなのですね。
    住田委員
    それに対しては、脅迫罪があるということに対しての認識が一切入っていないから、申し上げたのです。外延は不明確と言いますけれども、脅迫罪というのはまさに精 神的暴力です。それは犯罪なのです。犯罪として外延ははっきりしているんです。それに対して不明確だ不明確だとおっしゃるから、私はそれに対して逆に問題だと思うのです。違 法性がないような軽微な脅迫罪は、それは犯罪には当たるけれども起訴しないとか、そういうレベルのものがあり得ますけれども、しかし、外延は不明確ではないはずなので、それ を私としては問題にしているんですね。
    前田委員
    精神的暴力という言葉と、脅迫という概念は違います。脅迫概念はある程度明確ですが、精神的暴力といいますと、どこまで入るかというのは、やはり法律家から見 ると非常に不安感は感じますね。ですから、精神的暴力をどこまで入れられるかという、今の点だけに関して言うと、「精神的暴力まで含めて脅迫罪に当たる脅迫行為まで含む」と いうのと、「精神的暴力を含む」と書くのとは全然意味が違います。
    住田委員
    ですから、私は前回それがあるので、その部分については保護命令の関係では明確にできるのではないかということをきちんと申し上げたつもりです。
    戒能委員
    それは保護命令の禁止条項に明確にすればいいことですよね。
    住田委員
    そうです。
    戒能委員
    刑法上、犯罪にならないと保護命令を申立てられないというのはおかしいんじゃないでしょうか。
    法務省
    一般的な定義は別として、保護命令の関係に限ってという話で聞いていただければよいのですが、先ほどから保護命令の関係で、元配偶者まで含めるとか精神的暴 力、あるいは、脅迫は刑法上の脅迫罪を念頭に置くのであれば、外延自体は明確だと思うのですけれども、それらについて広げていこうという話がありまして、確かに被害者を保護 する必要性があるということは、いろいろな資料などでもある程度伺っていますし、多分、必要性はすごくあるのだろうというふうに認識しております。ただ、そういう必要性があるも のを、保護命令で救っていくのか、それ以外の方法で救っていくのか、つまり手段をどれを選択するかというのは、次の段階で考えなければならないものだろうというふうに思ってい るわけです。
      保護命令というのは、これまでの立法の経緯で、まず最初に身体や生命など肉体的にダメージを受けるという、一番強いダメージを受けた場合の人を対象に、迅速な判断をするた めにそれなりに証拠となるものも定めまして、6か月あるいは2週間というかなり長い期間、長いか、短いかという評価の問題はまた別ですけれども、それだけの期間、加害者の行 動を制限するという、大きな効果を付与したわけです。そうすると、効果、手続はそのままで、例えば保護命令で保護される範囲をただ広げようとすると、その効果とのバランスなど の全体を見て議論していただかなければならないというふうに思うわけです。
      例えば、脅迫罪であれば、外延ははっきりしているので、罰則がかかるという点はクリアできるかなというふうには個人的には思っています。ただ、それが6か月ないし2週間という 制限を受けさせること、保護命令という方法でフォローしていくこと、それに足りるだけの強いものであるかどうか、そういう観点から是非見ていただきたいというふうに思います。
      元配偶者でも同じでありまして、もともとは、一緒に暮らしている人、あるいは別居していても法律上の婚姻関係で縛られている人、そういう人は、被害を受けていてもなかなか表に 出にくいからということで、特別に配偶者という定義を定めて保護命令というものをつくったわけです。元配偶者の場合には一緒に暮らしている可能性も少ないし婚姻関係もない。そ ういう人にまで広げるとなると、それまでの立法の経緯、効果、そういうものを全部見極めて是非御議論いただきたい。
      必要性の話はあるんですけれども、それと、法律上の問題点と、どう整合していくかというところの話に進めていただかないと法務省としても対応のしようがない。今まで、それなりに 立法の過程で多分問題になっていて、ある程度理由があって、その結論に落ちついたところだと思うので、なかなか前に進めないところもあるわけです。だから、話が進む方向に合 わせて、またいろいろ検討していきたい、そういうふうに思っております。
    垣見委員
    保護命令については、刑罰法令に触れなければ出せないということではないと考えます。暴対法がグレーゾーンの行為について中止命令が出せる仕組みを取り入れ ています。保護命令違反は刑罰で担保されているから、刑罰法令に触れる行為でなければ保護命令が出せないとの見解には同意出来ません。グレーゾーンの行為についても保 護命令の対象とすることは、立法論として可能だと考えます。
    小谷委員
    ちょっと前に戻るのかも知れませんけれども、確かに子どもを連れている妻の場合、子どもについて保護をしなきゃいけないという話の中で、私は前に中央児童福祉 審議会に入っていたので子どもの立場で言うと、妻に附属する者として配偶者暴力防止法の中で守らなければいけないのかという感じがするんですね。さっき児童虐待防止法の 不備の話が出ましたけれども、本来はお母さんと一緒にいる間に子どもがいじめられたら、子どもはそっちできちんと守ってやらなきゃいけないんじゃないかなと。つまり、これが配 偶者暴力防止法となっているので、余計そう思うのです。これが家庭内暴力防止法のようなものだったら、そういうこともあり得るのかなと思うのだけれども、先ほどから妻の附属 物的な話になってきているものだから、法律的にはどうか知りませんけれども、パスポートなんかでも、妻に附属して赤ん坊の名前を併記するようなものがありますよね。そういう ようなことを連想しちゃうんですね。議論しているうちに、法的にはダブルクロスさせればいいとか、今のお話の保護命令なんかでも、元配偶者から更に恋人まで広く保護命令を出 せるようにしたらいい、子どももいたら、それについても十分網をかければいいという話になると、法律の趣旨とか、そういうところと整合させなきゃいけないのかなということを感じま す。だから、これは先ほど言ったように、一部にそういう意見もあったという程度の話かもしれませんけれども、子どもの権利というのは当然あってしかるべきだというふうに思いま す。
    住田委員
    要するに必要性、合理性、要件が不明確だから規定しにくいという逃げ方はもはやできなくなったわけなのです。あと必要性、合理性について、専門調査会の中で現 場の中でいろいろと実務的な状況を御存じの方が出されているわけです。しかも、それをまた調査して、その意見も吸い上げたということで、それによって説明が可能であろうと思い ます。要するに当初の立法はそこまでよくわからないから、とりあえず始めたけれども、必要性、合理性が今回この中では調査として認められたということで、十分私は反論が可能 だと思っております。ですから、わからない方には、そういう実態を御説明するということで十分だと思っております。
    島野会長
    それでは、報告書(案)の「4その他」については、いかがでしょうか。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    今の御議論の整理としまして、住田委員がおっしゃっていた脅迫のみ、精神的暴力と言われている中で脅迫罪に当たるようなもののみを 保護命令の対象とするという理解でいいのでしょうか。
    住田委員
    むしろ、そこは構成要件的に明確にする必要があるとしたらば、今回はそこまで広げることは概念上可能であろうということを申し上げたわけで、しかも必要性もある だろうということを皆さんおっしゃっているわけです。
    村上内閣府男女共同参画局推進課長
    皆様も同じ御意見なのでしょうか。
    垣見委員
    直ちに刑罰法令に触れないものでも、例えばストーカー法ではつきまといとか、行動監視とかをストーカーの定義で定め規制の対象としています。そのような直ちに刑 罰法令に触れないような行為についても、dv防止法上の暴力の範囲を広げて保護命令の対象とすることは充分可能と考えます。
    住田委員
    すみません、もう一言。そういう意味では、詐欺が不実告知まで広がったように、それからストーカーで困惑が保護の対象に入ったように、そういう意味では畏怖より も、困惑というもっと緩やかなものに関しても広がっていますから、刑法上の構成要件としてある程度広がってきたわけですから、それも入るとしてもいいのでは。継続的常習的、繰 り返される、頻発される困惑ですよね、つきまとい等の嫌がらせ。そこまで前例があるという意味では私は可能であるというふうには考えます。もっとも必要性との折り合いはつけな くてはなりませんが。
    警察庁
    保護命令の対象にそういうものを入れるというのは1つの議論かもしれませんけれども、多くの場合、警察に相談があったことが法律の制度上の関与ということになって いる。警察の実際の認定をどうするかというのが大変な問題になるということで、ある妻が夫からこうされていますというので、精神的な言動で圧力を受けていますと。大概面接しま すから、暴行とか傷害とかそういうのがあれば、お医者さんに行ったのかなどを見て、ここにこういう傷があるとか分かりますけれども、精神的暴力は、特に言動だけだと、警察に相 談行ったのがある程度もっともだということで、それを前提に保護命令が裁判所で出されるという仕組みなのか、単に相談に来たから嘘か本当かわからないというのは、痴漢でさえ 迷惑防止条例でかなり重罰化されています。懲役刑の都道府県が多くなっているのですが、あれだって無罪事件が相当出ているということも一方では問題になっている。ですか ら、精神的被害の認定はどうするのかということは、もし警察が関与するような仕組みだったら、それで結構重要な要素になる。
    住田委員
    痴漢の無罪の話と、今の程度の問題と全く次元が違いますので、混同されないようにだけお願いします。証明が難しいというレベルで同じですが。
    警察庁
    そういうことです。
    前田委員
    私はさっき脅迫に限ると言ったのではないんですね。今の議論と全く同じなんですけれども、この調査でも出てくる、何を言っても相手にしてくれなかったというのも、項 目としてよく問題になりますよね。何時間もしゃべってくれなかった。今の実証の問題と同じになってしまうんですけれども、それを全然しゃべってくれない夫というのを精神的被害と して訴えてきたときに警察がどうするかとか、具体的にどう動くかというような問題は残るので、どう介入したらいいとか、法律を動かせる明確な基準がやはり要るということですね。 それ抜きに非常に曖昧なものをつくってしまいますと、恣意的な運用ということで、勝手に警察が気に食わないから、その方には入り込む、入り込まないというのが出てしまうと、それ は避けなければいけない。ただ、刑罰で処罰しなければいけないほどの脅迫でなければ、保護命令を出せないという趣旨では私もないんですが、基準の明確性はどうしても刑罰に つながるものである以上必要だというだけのことです。
    警察庁
    具体的には保護命令違反ということで警察が介入するわけですが、そうすると、命令違反となった保護命令が出た前提にどういう事実があったのかとか、その辺も通常 捜査対象になるわけですから、そのときの事実認定が曖昧だという話になれば、保護命令違反として実際、検察庁に送れるのかと、こういう問題も出てこないわけではないですか ら。
    林委員
    保護命令の捜査の対象というのは、まさに裁判所の判決の主文に書いてあることの違反があったかどうかであって、それを得る前提として、その人がどういう被害に 遭ったかということを捜査するのではないですか。
    警察庁
    当然あります。
    林委員
    そのことが1つと。あと判例集掲載の事件で、静岡の裁判所で角田弁護士が担当した事件ですけれども、何年間にもわたって、おまえは金を使うだけで稼がないと言わ れ続けて、診断書がない事件で、要するに顔面でげんこつをとめるということを何回もやられたというケースで保護命令が発令されているんですよね。裁判所で既に、それを精神 的暴力という定義をするかどうかは別ですけれども、暴行も傷害も診断書がなくても、裁判所が保護命令を出したという例が出ていますので、そういう司法の判断もひとつ参考にな ればと思います。
    前田委員
    それは暴行だと思いますよ。
    警察庁
    暴行罪になるという程度の話だったら、精神被害は今でも入っているんです。
    島野会長
    参議院の議員の法案に説明されているような法務省、警察庁のお話で、私たち議員じゃないんだけれどもと思いますけれども、言いたい御趣旨はわかりました。
      それで、「その他」のところで、どうしてもこの場で御意見をという方はいらっしゃいますか。
    林委員
    せっかく加害者更生プログラムの調査研究の報告書が出たわけですので、もう少しこの成果を踏まえて、この報告書案中に書けないだろうか。ちょっと具体的な文言と しては今日いただいたばかりですので言えないんですけれども、加害者更生プログラムについて何かインプットが必要なのではないかと思いました。調査担当者としてどうですか。
    小西委員
    加害者更生に関しては、今日実際に問題になっている点と同じことに問題があるというふうに思っています。要するに文言上だけで言うと、刑法で当然捉えられるべき ものが捉えられないから、家庭の中の暴力に対してdv防止法ができた。結局、今、保護命令に実際かかっているケースは、家庭という問題を除けば、実際には刑法で捉えられる べきものがほとんどというのが実情なわけですね。ところが、加害者更生について強制をかけるというのは、これは世界では一般的だし、こういう形でないと意味がないというのは合 意できると思うんですけれども、それをするときの強制をかけるというところの法的な要件が、例えば法務省とか法律をつくる側の方にとっては、dv防止法の保護命令を基盤にして 強制するのは難しい、あるいは民事だと、強制かけるのは難しいというふうに言われる。刑法レベルでやれないかということになるわけです。逆に言うと、強制をかけて教育をしてよ くなるような人たちは、現在の刑法のレベルでは捉えられていないわけですね。本当に教育可能性があって、実際にプログラムを課してよくなるタイプの人たちを捉えるために、現 在の刑法レベルの保護観察という形では、多分、我が国では実効のある教育ができないだろうというのが、これは私が実際にこの研究会に出て感じた結論ですけれども、その辺の ねじれが非常に難しいということがあります。
      この中には、実際には難しいということだけしか書いていないと思います。書けていない理由はいろいろあります。私としては個人的にもう少し被害者保護とか、教育プログラムの実 効性という現場の感覚も取り入れた形で何か提言しておかないとまずいのではないかという気持ちを持ちまして、この前ちょっと非常に乱暴な形で提案させてはいただいたんです ね。ただ、それがベストだとは思っているわけではありません。研究会では日本でこういうことをやっていくのには困難な点がたくさんあるということがわかったというところが結論と言 えば一番正しいかと思います。
    島野会長
    それでは「定義」のところに戻ります。23ページ。これは今までの議論とちょっと重なる部分もあります。それから2月、3月の御意見でも承っているところです。そして 後でペーパーを出していただくわけですが、やはりおっしゃりたいことがあったらどうぞ。
    林委員
    繰り返しになって恐縮ですが、例えば定義の現状、アのところで、「元配偶者等からの暴力については、こうした配偶者からの暴力の特徴がなく、一般の暴力と異ならな いことから」と断定的に書いていますけれども、ここの委員会の人たちは別に異ならないというふうに思っていないわけですよね。それは立法した人たちが一般の暴力と異ならない との理由で立法時には法律で保護する対象とされなかったという書き方なら分かるんですけれども、委員会の認識と違うのではないかと思いましたので、その表現が1つ異議があ ります。
      それと、1つ参考になると思いましたのが、法務省が出しております人権擁護法案の中で、あれは一応配偶者間の虐待を救済の対象にしていまして、身体的暴力、心理的暴力、あ とネグレクトだと思うんですけれども、その3つの類型を救済の対象として書き分けていますので、もう少し細かな定義ということがここのdv法でも可能なのではないかと思いまし た。
    前田委員
    特に恋人に関しては被害の量が調査研究の中からある程度出てきているというのが分かるんですが、やはり非常に限界が曖昧だなという感じは私はいたします。で すから、そこまで広げてしまって大丈夫かなというか、認定ができるのかなということですね。認定ができなくても、部分的にでも保護される部分が入ればいいという考え方もあり得 るわけですが、先ほどの最初の議論に戻ってしまいますが、配偶者のところでやり始めてまだ1年のところで、調査研究が出たのはついこの間ですよね。先ほど住田先生でしたし たか、小西先生でしたかおっしゃったことが一番重要で、やはりこの調査会としては、科学的にというか、今のデータでどこが足りないから、こう直せというのが本当は一番専門調査 会の仕事の筋なんだと思うんですね。ただ、もとからどう変わったかという数字が時間が少ないものでデータがなかなかぎりぎりで追いつけなくて、同時並行でやってきたから非常 に苦しかったというのも、こちら側はベストを尽くしていると思うんですよ。だから、根っこは1年後に見直すというのがめちゃくちゃな話であって、専門調査会として良心的な仕事をす るのは無理なんだと思うんです。ただ、その範囲で言えば、我々は刑事の専門の感覚からすると、刑罰につながるようなことについて、少なくとも恋人みたいなものまで広げてしま うのはちょっと恐いなという気がするということは記録に残しておいていただきたいということです。
    島野会長
    このように項目4つに分けて論点を整理していただいているんですが、そのほかの論点があるんじゃないか。何か記述として穴があいているんじゃないかということが ありましたらどうぞ。
    原会長代理
    大急ぎで事務方がここまで印刷なさった報告書を今度私たちの専門調査会の報告書として出す場合には、目次の立て方も少し変わるんじゃないでしょうか。特に 長期展望で考えなければいけない課題というのも入れていくということが必要だと思うのです。今のところだと、例えば加害者対策は、目次の4項目の中にはなくて、文言としては2 か所か3か所出てきているだけですね。それから、被害者の自立支援についても文言の中には27ページと40ページでしたでしょうか、出てきているだけです。それから子どもの問 題との関連ではいろんな意見があって、小谷委員がおっしゃったような意見も、これは日本全体の法律のあり方とか、日本国というところで子どもをどう位置付けるかという大問題 に絡むから、本当に長期的な大きな問題だと認識しています。しかし、支援センターの現実に照らすと、とりあえずは子どもとお母さんをくっつけておかなきゃいけないかもしれない。 さらに、子連れで逃げ込む男性も少しは出てくるかもしれませんね。男の被害者も少数例あるみたいですけれども、そういう例も含めて子どもの問題というようなこと。
      もう一つは、法律とか刑罰とかではそれこそ治せない、先ほど小西委員がおっしゃったような問題は、生涯学習のプロセスの中で私たちみんながいかに暴力はよくないことか、人 権侵害なのかとか、男女差別があって当たり前と認識していることや叩くのは当たり前と思っている現実を治していくことは、学校教育や生涯学習の課題でもありますよね。文部科 学省は今回の報告書作成には関係していられないようですけれども、そういうことも含めて、私たち専門調査会の議論の中では、こういうことなども出てきているということを書き込 むべきではないでしょうか。それから前田委員がおっしゃったような財政の現実的な問題も含めて認識はしているけれども、可能なことなら、それができるような方向に提言する。 「全体として難しいから、書かない」とすると、現実に可能な地域とか自治体で実行しにくくなっているという現状があります。これをどういうふうにして、やれるところではやっていただ いて、先進的なよい実践例として、前例として出していけるかというようなことにも踏み込んで書き込む。だけど、法律部分と、そういう夢を語るでもないけど、かなり現実に可能なよ うなことと分けて書くことはできないのでしょうか。
    住田委員
    それに付加してひとつ。要するに今回1年で見直すというのは、前田委員がおっしゃったようにむちゃくちゃなことです。私も元役人ですから、1年でこういう刑罰法令 にもかかわるような、そういう制度が変わるということに対しての抵抗というのが大きいことも非常によくわかります。ただ、ここの専門調査会は、あんなに拙速につくられた法律で意 見も何も入れてもらえなかったんだから、今回言っておかないと、また放ったらかしにされるんじゃないかと。そのような心配が強いのも非常によく分かりますので、そういう意味で は、めり張りを付けた提言をしてよろしいんじゃないかと。要するに最初のとっかかりのときだけは、とにかくかたいところだけであったけれども、余りにも不都合が多いので、早急に 改善を要する点というので恐らく私は再度の申立てのところ、そのあたりを中心にしていただければと思うのと、子どもまでちょっとだけ付加していただくというのを、これはできれば 入れていただきたいと思うんです。
      その次にはやはり実情、よくケースを見て、ここは必要性が特に高いということがいろいろな調査からも明らかになるだろうし、それを、二、三年推移を見守って、是非次の制度改正 をしていただきたいという形の1つの提言があると思うんですね。
      もう一つ、加害者更生プログラムで言えば、今の制度、刑事政策的な制度の根幹に触れるので大きな改正が必要だけれども、是非とも必要だというような長期的な展望が必要な もの、そこら辺で分けて、そして今回は1まではやってもらったらオーケーです。2は今回はしょうがないけれども、意見としては全部出しますというあたりを、めり張りを付けることに ついて、ひとつ落とし所として御提案したいのですけれども。
    島野会長
    ただいま住田委員の御意見いかがでしょう。
    小谷委員
    先ほど住田さんが言われたのに賛成です。つまり、そういう書き方にしないと、実際の委員から今まで出た御意見というのは逆に反映できないのではないですか。一 本化して方向性だけずっと書いていくというわけにはいかないのではないんですか。
    島野会長
    わかりました。それでは、賛成いただいたものとしてまとめていきたいと思います。
    大津委員
    定義の中に一言も外国籍の人たちの文言が入っておりませんので、是非外国籍の方たち、特にマイノリティーの方たちの暴力被害を一言入れていただきたいと思い ます。それは障害者の人たちもおりますし、高齢者の方もあるんですけれども、是非外国籍女性に対する暴力ということも明記していただけたらいいかなと思います。それはできま したら、国籍を問わず、それから在留資格を問わずというところまで入れていただくとありがたいと思います。それで、移住労働者と連帯する全国ネットワークのところからこういう要 望書を出しておりますので、もし御覧いただけたらうれしいと思います。
    戒能委員
    大津さんとのつながりで、まだ中間報告の中間報告のようなものですけれども、前回、私がngoの立場で報告させていただいた、ngoの調査です。まだ要望事項と か、実際に、福祉事務所等で働いていらっしゃる婦人相談員の方が対応に苦慮している事項と要望事項の一部を配布しましたので、お読みいただければと思います。
    瀬地山委員
    中長期的な課題として1つだけ付け加えさせていただきたいことがあります。この「配偶者等からの暴力に関する調査」を見て私は非常に興味深いと思ったんです が、身体的暴行の被害経験のところで20代では男女差がない。それから加害経験も20代になると男女差がなくなってしまうんですね。知人の大学院生でパートナーに食べさせて もらっていて、暴力を受けて路頭に迷った経験をした人がいるんですけれども、笑い事ではないような事態が起きるわけですね。もともとdv法というのは女性に対する暴力というの とは少し違う側面も持つ法律だと思います。つまりパートナーによる隠れた暴力が問題なのであって、性別とは違うはずなんですね。それが売春防止法との関係で婦人相談所に くっついてしまったというところにひとつの問題点があって、そこは長期的には配慮が必要ではないかというふうに考えます。
    原会長代理
    この調査ですけど、73.8%の回収率でとても高くていいし、それからもう一つは、回収不能理由の内訳が書いてあるというのはとても大事なことだと思うのです。しか し、回収不能理由の内訳の中に男女の別が書いていないのが残念で、今後こういう調査をされるときには、調査開始と回収不能理由に関しては是非性別を入れていただくようにお 願いしたいと思っています。
    島野会長
    それでは、本日の議論を踏まえまして、事務局に報告書案を修正というか、つくり直していただき、5月30日に再度議論することといたします。時間の関係で本日十分 に御発言できなかった委員もいらっしゃるかと思います。本日の報告書案について更に御意見等ございましたら事務局までお送りいただきたいと思います。期限等詳しくは後ほど事 務局から連絡していただきます。以上で議事は終わります。
      それでは資料4を御覧ください。事務局に第19回専門調査会の議事録案をまとめていただいております。これにつきましては、このとおり決定し、内閣府のホームページ等で公開す ることとさせていただいてよろしいでしょうか。

    (異議なし)

     
     
    それでは、第19回の議事録につきましては、速やかに公開することといたします。
      次回の専門調査会は5月30日(金)に開催する予定としております。次回は法律の施行状況等についての取りまとめの最後となります。
      それでは、これで、女性に対する暴力に関する専門調査会の第20回会合を終わりにいたします。本日はどうもありがとうございました。