- 日時: 令和7年2⽉17⽇(月)14︓00〜17︓00
- 場所: オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
- 開会
-
議題
(1)第5次男女共同参画基本計画のフォローアップ
(2)第6次男女共同参画基本計画策定に向けたコンセプト
(3)今後の進め方について - 閉会
【配布資料】
- 資料1
- 第5次基本計画のフォローアップにおけるヒアリング事項(予定) [PDF形式:441KB]
- 資料2-1
- 内閣官房説明資料 [PDF形式:1,369KB]
- 資料2-2
- 農林水産省説明資料 [PDF形式:2,612KB]
- 資料3-1
- 内閣府説明資料 [PDF形式:4,441KB]
- 資料3-2
- 消防庁説明資料 [PDF形式:2,942KB]
- 資料4-1
- 内閣府説明資料 [PDF形式:1,505KB]
- 資料4-2
- 内閣府説明資料 [PDF形式:1,469KB]
- 資料4-3
- 厚生労働省説明資料 [PDF形式:3,517KB]
- 資料5-1
- 内閣府説明資料 [PDF形式:719KB]
- 資料5-2
- 法務省説明資料 [PDF形式:80KB]
- 資料6-1
- 内閣府説明資料 [PDF形式:305KB]
- 資料6-2
- 外務省説明資料 [PDF形式:265KB]
- 資料6-3
- 外務省説明資料 [PDF形式:662KB]
- 資料7
- 第6次男女共同参画基本計画の策定に向けたコンセプト(議論のためのたたき台) [PDF形式:164KB]
- 資料8
- 今後の進め方について(案) [PDF形式:268KB]
- 資料9
- 井上委員提出資料 [PDF形式:351KB]
- 参考資料1
- 第5次男女共同参画基本計画の達成状況 [PDF形式:651KB]
- 参考資料2
- 第6次基本計画策定専門調査会運営規則 [PDF形式:113KB]
- 参考資料3
- 「第6次男女共同参画基本計画」の策定について [PDF形式:559KB]
【出席者】
会長 | 山田 昌弘 | 中央大学文学部教授 |
委員 | 石黒 不二代 | 世界経済フォーラム 日本代表 |
同 | 大崎 麻子 | (特活)Gender Action Platform理事 |
同 | 北仲 千里 | 広島大学ハラスメント相談室准教授、NPO法人全国女性シェルターネット共同代表 |
同 | 小林 哲也 | 小林総合法律事務所弁護士 |
同 | 佐々木 成江 | 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻特任准教授、横浜国立大学客員教授/学長特任補佐「ジェンダード・イノベーション担当」 |
同 | 治部 れんげ | 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院准教授 |
同 | 白波瀬 佐和子 | 東京大学特任教授 |
同 | 鈴木 準 | 株式会社大和総研常務執行役員 |
同 | 徳倉 康之 | NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長 |
同 | 納米 惠美子 | 全国女性会館協議会代表理事 |
同 | 橋爪 隆 | 東京大学大学院法学政治学研究科教授 |
同 | 山口 慎太郎 | 東京大学大学院経済学研究科教授 |
内閣府 | 岡田 恵子 | 男女共同参画局長 |
同 | 小八木 大成 | 大臣官房審議官(男女共同参画局担当) |
同 | 大森 崇利 | 男女共同参画局総務課長 |
同 | 上田 真由美 | 男女共同参画局推進課長 |
同 | 田中 宏和 | 男女共同参画局男女間暴力対策課長 |
同 | 中山 奈津美 | 男女共同参画局推進課企画官 |
同 | 片山 貴順 | 男女共同参画局総務課調査室長 |
同 | 佐藤 秀逸 | 男女共同参画局総務課調査室課長補佐 |
同 | 宮島 義典 | 男女共同参画局総務課課長補佐 |
内閣官房 | 岸田 里佳子 | 新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官 |
内閣府 | 古屋 勝史 | 政策統括官(共生・共助担当)付参事官(障害者施策担当) |
文部科学省 | 江﨑 典宏 | 大臣官房審議官(総合教育政策局担当) |
消防庁 | 笹野 健 | 総務課長 |
法務省 | 内野 宗揮 | 大臣官房審議官 |
外務省 | 安藤 重実 | 国際協力局地球規模課題総括課長 |
同 | 古本 建彦 | 総合外交政策局人道人権課女性参画推進室長 |
厚生労働省 | 山田 敏充 | 雇用環境・均等局総務課長 |
同 | 山野 翔太 | 雇用環境・均等局雇用機会均等課課長補佐 |
同 | 岡 裕美 | 雇用環境・均等局有期・短時間労働課課長補佐 |
同 | 大塚 賢治 | 年金局年金課課長補佐 |
同 | 池谷 航 | 老健局介護保険計画課企画法令係長 |
同 | 山本 つぼみ | 社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室 |
同 | 松崎 貴之 | 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課虐待防止対策専門官 |
同 | 岩津 花 | 保険局高齢者医療課企画調整専門官 |
農林水産省 | 勝野 美江 | 大臣官房審議官(兼経営局) |
同 | 伊藤 里香子 | 経営局就農・女性課女性活躍推進室長 |
議事録
2025-2-17 第6次基本計画策定専門調査会(第3回)及び計画実行・監視専門調査会(第40回)14時00分~16時57分
○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより第3回「第6次基本計画策定専門調査会」及び第40回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。なお、本日御欠席の委員は、井上委員、桑原委員、小西委員、山本委員でございます。また、橋爪委員が14時10分頃から16時10分頃まで、白波瀬委員が15時頃まで、石黒・鈴木両委員は15時過ぎからの出席の予定と伺っております。
本日は、前回に引き続き、「第5次男女共同参画基本計画のフォローアップ」を行っていきたいと思います。
本調査会による第5次基本計画フォローアップについては、資料1のとおり、昨年度に実施した中間年フォローアップの内容も踏まえつつ、第5次基本計画の「基本的な視点を及び取り組むべき事項」に沿って、男女共同参画推進の観点から特に重要と考えられるものについて実施しております。
本日は、このうち、
・地域における男女共同参画の推進
・防災・復興における男女共同参画の推進
・高齢者・障害者が安心して暮らせる環境整備
・夫婦の氏をめぐる議論の状況
・国際的な協調及び貢献
について取り上げます。
その他の事項については、第1回調査会において全ての分野のフォローアップ個票を配付しておりますとともに、第5次計画の達成状況として各分野の主な施策の取組状況を今回の参考資料として配付しておりますので、御確認いただければと思います。
それでは、関係府省の説明を一通り聞いた後、質疑応答・意見交換の時間を設けたいと思います。
最初は「地域における男女共同参画の推進」についてです。
はじめに、地方を取り巻く現状や地方の企業における女性の参加拡大などに向けた地方創生に関する取組について、内閣官房から御説明をお願いいたします。よろしいでしょうか。
○岸田審議官 ありがとうございます。内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局の岸田と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、進めてまいります。
まず、御存じのことと思われますけれども、簡単に地方創生の観点から男女共同参画の状況などにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。
東京圏への転入超過は、2023年で11.5万人、そのうち、ご覧いただきまして黄色や緑で分かりますとおり、転入超過数の大半を10代後半、20代の若者が占めておりまして、大学への進学や就職が東京流入の一つの大きなきっかけとなっているということが見てとれます。
さらに、近年の東京の転入者数・転出者数の内訳を見てみますと、転出者数は男性が多く、転入超過数は女性が多い。真ん中で青が多くなっている、右側で赤が多くなっているといった状況を見ていただけるかと思います。男性を青、女性を赤で示しております。
次に、実際に生まれ育った地域、地元を離れた理由を就職段階でお聞きした調査の結果でございます。左から多い順になっておるわけなのですけれども、男女差で女性のほうが多いというところで四角を囲っております。親元から離れて一人で生活したかったから、女性で一番多かったのがこの理由でございます。そして、右側のところも見てみますけれども、地元を離れて新しい人間関係を築きたかった、職場となる地域に憧れがあったなど、男性と女性で比較的理由が違う傾向が見てとれるかと存じます。男性はどちらかといいますと仕事の関係、能力、関心、給与の関係などについて選択肢となっていることが見てとれるかと存じます。
また、こうした中で一つ課題として挙げられますのが、男女間の賃金格差でございます。左側のグラフが若年女性1に対しましての男性の数ということで、一番上が男女が比較的同数に近いところ、下が男性のほうが多い地域となってございまして、これだけで一概には申し上げられませんが、若年女性の人口流出が進む東北等において未婚男性の比率が高くなっているということ。右側のグラフが男女間の賃金格差ということで、赤線が賃金格差のグラフで、左側を見ていただきますと、真ん中にピンクでございますのが東京圏の辺りを示しておりますが、東京辺りですと0.9程度になっているというような実情が見えまして、こうした傾向が見てとれるといった状況となってございます。
こうした現況を踏まえまして、私どもの交付金などにおける支援について御説明をしていきたいと思います。
まず地方創生交付金でございまして、これは地方公共団体に対する支援の可能性ができる交付金でございますけれども、例えば左側の群馬県の太田市の事例などで見ていただけますように、女性起業家向けのセミナーでございましたり、こうした方々をワークショップで起業塾というような形で広げていくというような事例、右側は鯖江市の事例でございますけれども、女性活躍に向けて経営者向けのセミナーを実施するということで、女性が働きやすく生き生きと活躍できるような環境づくりを支援していくということを想定しております。
次に、こちらも交付金の支援でございますけれども、多世代型新規就業等支援事業と申しておりますが、若者や女性・高齢者等、今働いておられない方や新しくデジタル技術等の取得をされるような方々に対しまして、働き手の支援ということで掘り起こしや就労訓練・研修、そして、雇い手の支援といたしまして職場環境の改善支援、それから、両者をマッチングしていくような支援に対しまして、都道府県の取組に対しまして助成を行うことができる事業でございまして、こういった支援も行っているところでございます。
最後に、今、石破政権で進めております地方創生2.0について簡単に御紹介をしたいと思います。
新しい地方経済・生活環境創生本部が昨年10月に設置されまして、全閣僚が入りまして構成されておるところでございます。
昨年12月末に「地方創生2.0の『基本的な考え方』」という形でお示しをいたしまして、これをもとに、今後10年取り組む基本構想を今後策定していくこととしておるところでございます。その中の第1の柱としまして、若者・女性にも選ばれる地方ということで、特に最近女性の地方からの流出ということが課題視されておる状況でございますが、こうした事柄にフォーカスを当てて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。個別の施策につきましては、今このように考えられる施策ということで挙げさせていただきまして、今後、基本構想の中で取りまとめてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、土地改良区の女性理事の登用など、農林水産分野における男女共同参画の状況と取組について、農林水産省から御説明をお願いいたします。
○勝野審議官 農林水産省大臣官房審議官の勝野です。
本日は、農林水産省の取組について説明の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、説明をさせていただきます。
まず、農林水産省におきましては、第5次計画において、地域の方針策定への参画として、農業委員、農協役員、土地改良区理事への女性の登用目標、それから、認定農業者に占める女性割合、家族経営協定の締結数といった女性の経営参画の目標を掲げ、取組を進めております。
次に、各成果目標の進捗状況をご覧ください。
まず、農業委員、農協役員ともに、年々割合が増加しているということがご覧いただけるかと思います。目標を超えている農業委員会は全体の6%、農協は22%に至っているものの、登用がゼロや少数の組織もいまだ多く、さらなる推進が必要と認識しております。
また、土地改良区の理事につきましては、第5次計画から新たに成果目標を定め、取り組んだところということで、直近の2023年度では取組当初の2倍以上に増加しているものの、さらなる取組の浸透が必要だと考えております。
認定農業者に占める女性の割合につきましては年々増加しておりまして、目標達成に近づきつつある状況です。
右側の家族経営協定の締結ですけれども、農業経営体数が減少傾向にあるため、6万件前後ということで若干減っているように見えるのですけれども、参考値として点線で引いておりますが、農業の所得が主である主業経営体数に占める割合で計算してみますと増加傾向だということが分かります。
次に、それぞれの成果目標の達成に向けた取組について、まず1つ目の女性登用につきましては、国から各組織への働きかけ、それから、地域リーダーになり得る女性農業者の育成。2つ目の経営参画に関しましては、リーダーとなる女性農業者の育成に加えまして、制度やメリットの周知に取り組んでおります。
本日は、これらの取組の進捗や昨年度の中間年フォローアップで御指摘をいただいた事項に対する対応を中心に説明します。
次のページをお願いします。
農業における女性活躍を進めるため、女性の農業への呼び込み・定着から経営参画・発展、地域の方針策定への参画とステージごとに推進をするため、予算事業と予算外の取組を組み合わせて重層的に取り組んでおります。
まず、女性の農業への呼び込みから経営参画・経営発展のための取組として、3点御説明をさせていただきます。
農業女子プロジェクトは、全国から1,000名を超える女性農業者の方に参加いただいて、企業と連携した機械の開発など、これはジェンダード・イノベーションなどを実現しておりますが、こういったことや、オンライン勉強会、それから、輸出などの新たなチャレンジに取り組んでいただいています。メンバーのスキルアップや女性農業者の活躍を発信しております。
成果の一例として右下のグラフをご覧ください。プロジェクトに参加した後、認定農業者や農業委員などを経験されたメンバーも格段に増えておりまして、地域の農業発展に寄与いただいております。
次に、地域のリーダーとなり得る女性農業者の育成の取組です。組織側が登用を進めたいと考えていても、候補者がいないですとか、女性に受けてもらえないとの声もあることから、女性の意欲、能力の向上が重要であると考えております。
以前から都道府県での研修開催を支援してきたのですけれども、今年度からは全国レベルでより高度な内容を集中的に学ぶ全国女性リーダー研修を開催しております。この研修の中で講師となった先輩の女性農業委員から、女性だからと気負う必要はなく、一人の人間として真摯に仕事に向き合えばよいというようなアドバイスをいただいて、参加者の方々はリーダーシップ、マネジメントなど経営に必要な知識の習得を経て、5年後、10年後の目標、そのためのアクションの解像度が上がったなどの成果を得ています。この受講者の中には、農協の役員となり、地域の課題解決にも取り組んでいきたいとの声も出てきました。
また、女性活躍推進のために優れた活動を行っている個人、団体の表彰を毎年行っております。昨年度は、農業委員への女性登用を精力的に行い、全国で最も登用率が高い22.6%となっている栃木県で中心的な役割を果たしているとちぎ女性農業委員の会に農林水産大臣賞を授与いただいております。
続きまして、女性の登用促進の取組について御説明させていただきます。
農業委員会・農協につきましては、それぞれの機関に女性登用の目標や取組計画の策定を依頼しております。令和5年度末時点で農業委員会を設置する市町村の99%、農協の89%で目標を設定しています。
また、土地改良区につきましては、都道府県単位で設立する土地改良運営基盤協議会におきまして、女性理事登用の目標や行動指針の策定を依頼しており、全ての協議会において目標などを策定いただいています。加えて、各土地改良区に対しまして、令和7年度中の女性理事登用に向け行動計画の策定を依頼しておりまして、令和5年度末時点で30%の組織で策定されております。
さらに登用を進めるため、各県に設置しております地域拠点などが出向き、先進事例を示すなど、直接要請助言を行っております。5年度はほぼ全ての市町村、農協に訪問しております。この際、目標に向けた取組や特に農業委員の目標につきましては、市町村男女共同参画と連動されているかについても確認・提案を行っています。また、今年度は、私ども本省の職員も直接市町村に訪問しまして、働きかけ、課題などを把握する取組も行っています。
また、土地改良区に関しましても、本省や地方農政局の職員が直接出向いて、土地改良団体における男女共同参画の手引きなどを活用しまして、個別の助言・指導を行うとともに、意識醸成を図るための研修会なども開催しております。
なお、今通常国会に、提出を予定しております土地改良法の改正におきまして、農協及び農業委員会に関する法律と同様に、理事の構成について年齢及び性別に著しい偏りが生じないよう配慮すべき旨の規定を追加することとしておりまして、今後は当該規定を踏まえて目標達成に向けた取組を進めてまいります。
最後となりましたが、昨年度の中間年フォローアップの際に御指摘を受けた事項への対応について御説明させていただきます。
地域のリーダー層や意思決定層に対する意識啓発につきましては、来年度から農協などの各組織の意思決定層を対象に、全国女性活躍リーダーサミットの開催を予定しております。本年度は農業分野におけるアンコンシャス・バイアス解消のための動画コンテンツの作成にも着手しており、このサミットで活用していこうと考えております。
また、団体等に対する経済的インセンティブの付与に関しましては、本年度から農業委員会交付金の配分において女性委員の登用状況の反映を開始させていただいております。
このような取組を積極的に進め、引き続き農業分野での女性活躍の推進に取り組んでまいりたいと思います。
以上で御説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、「防災・復興における男女共同参画の推進」についてです。
はじめに、男女共同参画の視点を踏まえた防災・災害対応の状況と、防災・復興に関する政策方針決定過程への参画などに向けた取組について、内閣府から御説明をお願いいたします。
○大森課長 資料をお願いします。
内閣府でございます。
次のページをお願いします。
第8分野の目標達成の現状でございますけれども、現状、目標値30%に対して防災会議の委員23.3%、11.2%、女性が登用されていない組織数は274という現状でございます。
次をお願いします。
そのような現状に対しまして、令和3年5月以降、災害連携チームを開いたり、あと、熱海の災害に対して職員を派遣したり、能登の震災においても同様の対応をこれまで取っておるところでございます。
次をお願いします。
そのような対応において使っておるのが防災・復興ガイドラインでございまして、こちらのほうを周知するというのが最近の主な仕事となっております。
次をお願いします。
現状、男女局で行っておりますのは能登震災の対応調査というところでございまして、能登の震災においてこのチェックシートがどこまで活用できたのか、あるいは被災地において、避難所にどれだけ女性の視点が入っているのか、どれだけ参画しているのかということを調べ、3月上旬めどに報告をし、年度内をめどに公表するということでございます。
次をお願いします。
我々としては、地域防災会議における女性委員の割合を3割以上にするということ、これはガイドラインからずっと言っていることでございます。防災危機管理部局に女性を配置するということも言っております。
次をお願いします。
意思決定の女性比率が高まるとどうなるかということでございますけれども、現状が右にございまして、色が濃いところ、薄いところがございまして、防災会議の委員に占める女性の割合はかなり疎密があるということでございます。
我々としては、特にこの防災会議におきましては、いわゆる学識者、8号委員に女性をよく登用するということをしておったのですけれども、昨年末の自然災害即応・連携チームの中において、岡田局長から、いわゆる1号委員も含めて、地方委員会の長に限定せずに弾力的に女性を登用することも検討していただきたいということは各省庁にお願いしているということでございます。
次をお願いします。
そのメリットなのですけれども、一点としては、防災会議の女性の割合と常備備蓄の割合比率というのがございまして、青の女性委員が10%のほうがこのような備蓄が進むというような相関があるということでございます。
次をお願いします。
防災災害本部への意思決定ということでございますけれども、こちらのほうもガイドラインでは配置するとなっておりまして、次をお願いします。
ただ一方で、これもさらに色が薄いのですけれども、平均10%、災害対策本部の職員については低い状況になっているということでございます。
次をお願いします。
このような状況は職員の男女比率においても起こっておりまして、さらに次のページに行っていただければと思うのですけれども、防災部局への女性職員は12%で低いというような状況にありまして、こちらのほうへの参画も課題となってきているということでございます。
次をお願いします。
あとは参画の支援ということなのですけれども、応援・受入れ体制も重要でございまして、能登の震災でもそうなのですけれども、女性応援職員の受入れあるいは応援職員の派遣ということも大事な点となっておりまして、ガイドラインには書いておるということでございます。
次をお願いします。
災害時に女性が働きやすい環境をつくるということで、豊橋にも事例があるということでございまして、さらに次をお願いします。
実際のメリットとして、避難所の開設・運営に女性が参画するということにおいて、間仕切り、段ボールベッド、更衣室といったところに避難所の環境整備のようなものが確保されていくというような点がございます。
次のページをお願いします。
参画する女性の推進というところで、先ほど申し上げましたような自主防災組織における女性の参画というところで、リーダーの育成を我々は交付金を使って応援しているというところでございます。
次をお願いします。
ノウハウ・事例集を我々は作っているところでございます。
以降は参考ですので、省略させていただきます。一旦終わらせていただきます。
○山田会長 ありがとうございます。
続いて、災害対応現場における女性の参画に関する取組などの消防分野における女性活躍に向けた取組について、消防庁のほうから御説明をお願いいたします。
○笹野課長 消防庁総務課長でございます。
そうしましたら、資料は順不同でございますけれども、5ページのスライドをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
今の内閣府さんのお話に続く形になるかと思っております。
こちらの7ページの右真ん中の女性隊員の写真をクリックいただけますでしょうか。現場でどのような声が聞かれるのかというのを数十秒ご覧いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○事務局 事務局です。
恐らく動画のリンクを貼っていただいたかと思うのですけれども、申し訳ございません。今、こちらのほうはPDFで準備しておりまして、動画の視聴というのができないような状況なっておりまして、そちらで共有いただければ視聴はしていただけるのですけれども、難しいでしょうか。
○笹野課長 事前にそちらでやっていただかないといけないということだったので、こちらでは準備していなかったのですけれども、時間がないので説明します。
そうしたら、スライドを5ページに戻してください。
こちらが能登半島におけます消防機関の対応についてでございます。
まずご覧いただきたいのは左上のところでございます。1月1日に発災しまして、16時30分に消防庁長官から緊援隊の出動の求め、そして、その後もというところですけれども、消防庁長官の出動指示を行いまして、発災当初から現地で2,000名を超える部隊を展開いたしております。私ども、一気に2,000人規模で部隊を翌日から展開させていただいております。
次のページをお願いしたいと思います。6ページです。
このとき、女性隊員は70人入っていただいております。274本部が緊急消防援助隊として出動しておりますが、そのうちの24本部、70名でございます。このうち、19本部が初めて女性を派遣したというところでございます。
活躍いただいたのは、真ん中の写真にありますように、後方支援活動でありますとか救急活動、車両の運転、基本的には男性と同様、本当に最前線で活動いただいております。特に今回の場合、能登半島は非常に社会的な要因、高齢化が著しく進んだ地域でございましたので、高齢者などの避難者に対する後方支援活動や救急活動、あるいは病院間の転院搬送といったところで大変活躍いただきました。
7ページをお願いしたいと思います。
そこで聞かれた声でございますけれども、例えば一番上の1行目でございますけれども、今回2回目の派遣だったけれども、かなり環境が整備されていたと。トイレの環境なども、女性職員であっても問題ない。資機材搬送には、今回の場合、検索場所に徒歩で行くので非常に苦労した。これはやはり道路事情が悪かったというところがあったかと思っております。
指揮した大隊長、女性隊員の上司の方ですね。基本的に活動全体について男女の区別はないと。女性に対しては女性が声がけするなど、同性同士の心配りができたり、安心感を与えることができたというのは消防でも同様でございました。
先ほど内閣府さんの説明にありましたとおり、女性隊員の活動環境の向上あるいは資機材の整備に引き続き努めてまいりたいと思っておりまして、8ページをお願いしたいと思います。
これまでと対象拡大ということで、いろいろな形で財政措置を拡充しまして、対象拡大のところを見ていただきますと、仮眠室、更衣室・休憩室、トイレ、浴室・洗面台といったものの環境整備を整えてまいりたいと思っておりますし、高機能エアーテント、厳冬期でありましたので、冷暖房完備のエアーテントが部隊にはあるのですけれども、小型のテント、女性専用のスペースの確保につながるような形、あるいは、今回の場合、いろいろな形で車両資機材を現場に投入するのが困難な状況もありましたので、小型・軽量化された資機材の整備を進めていきますが、これは本当に女性隊員にとっても携行しやすく扱いやすい資機材として整備をしてまいる所存でございます。
そのように、一般論になりますが、2ページをご覧いただきたいと思います。
まず、常勤の公務員であります女性消防吏員のほうでございますけれども、現状のところにありますが、今、3.5%にとどまっておりますけれども、これを令和8年当初までに5%という目標を掲げておりますので、これに近づくべく精いっぱいの努力をさせていただいております。
一番下の主な取組にありますようなアドバイザー派遣、モデル事業、研修会その他を実施していくとともに、また、3ページをお願いいたします。
非常勤の公務員であります消防団員に関しましても、現状のところにありますように、現在は2万8595人、全体で3.8%となっておりますけれども、主な取組として、女性が活動しやすい環境づくりのためのモデル事業やマニュアルの作成、あるいは女性でもやりやすいように制度を変えておりまして、例えば火災予防や救命講習の広報活動などのある一定の機能だけを果たす団員制度みたいなものを設けて、その促進を図っているところでございます。広報などと併せて、しっかり消防分野におきましても女性の活用環境が整いますよう、精いっぱい努力してまいりたいと思います。
消防庁は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、「高齢者・障害者が安心して暮らせる環境整備」についてです。
はじめに、議論の前提となる高齢女性の現状に関するデータについて、内閣府男女共同参画局から御説明をお願いいたします。
○岡田局長 内閣府でございます。
高齢期の女性をめぐる状況につきまして、幾つかデータをお示ししたいと存じます。
資料4-1であります。
平均寿命と健康寿命を見ていただきます。スライド番号2であります。点線が健康寿命、実線が平均寿命となっております。女性は男性よりも長生きでありますけれども、その分日常生活に制限がある状態で生活される期間が男性よりも長くなる傾向がございます。
次のスライドであります。単独世帯がどれぐらいあるかということであります。
スライド3のほうは男性の単独世帯であります。75~79歳のところを見ていただきますと、39.9万世帯ということでございます。
次のスライドは女性の単独世帯でありますけれども、同じ年齢層を見ていただきますと、女性の場合は91.5万世帯となってございます。
男性と女性と違うのは、女性のほうは死別されて単独世帯になっている方々が多いということでございます。
次のスライドでは、高齢者の生活の収入源を見ております。年齢が上がるにつれて、賃金などの収入から公的年金の収入へと収入源が移っていく傾向がございます。女性は男性と比べますと配偶者の方の収入を主な収入源としている割合が高くなっております。
国際比較をスライド6で見ていただきますと、老後の収入の男女間格差について、OECDの算出によれば、OECD平均ですと74.4、日本では52.6と、これは男性を100とした場合の女性の水準を国際比較したものでございます。
就業率について見てまいりたいと思います。65歳以上の男性の方の就業率は、75歳以上の年代を除いて上昇傾向にございます。
女性のほうを見ていただきますと、スライド8でありますけれども、こちらも上昇傾向にございますが、男性の高齢者の就業率と比べますと低い状況にございます。
就労形態について、スライド9をご覧いただきますと、60代前半の男性の方、これは左のグラフでありますが、正規の職員・従業員が約半数でございます。65歳以上、右側でありますが、パート・アルバイトなどの方々の割合が増加しておりますけれども、次のスライドが女性の場合でございますけれども、こちらは右も左も見ていただきますと、黄色、パート・アルバイトの方が約半数を占めているということがお分かりになるかと思います。
スライド11でありますけれども、これは現役世代を含めまして給与格差を見たものであります。所定内給与額でございますけれども、こうした差が高齢期の経済状況の要因となっている可能性があるのではないかと考えられます。
次のスライドでありますけれども、高齢者の貧困率でございます。国際的に見ますと、高齢者の貧困率は女性のほうが男性よりも高い水準にございます。OECD平均、青いところを見ていただければと思いますけれども、日本の場合も国際的な傾向と同様に女性のほうが高い水準にあるということでございます。
データとしては以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
続きまして、障害のある女性に関する取組について、内閣府政策統括官の共生・共助担当からお願いいたします。
○古屋参事官 内閣府共生担当の古屋と申します。障害者施策担当の参事官をしております。よろしくお願いします。
それでは、資料に沿いまして御説明させていただきます。
内閣府の障害者施策担当におきましては、主に障害者差別解消法に基づく取組と障害者期基本計画に記載されているような取組、3点目としては最近の動きとしまして、7月3日の旧優生保護法国家賠償請求訴訟の最高裁判決を受けた取組を行っております。
こちらは第5次男女共同参画基本計画に関連する記述でございます。第6分野の2ポツのところで記載がされているところでございます。
1つ目については、障害者差別解消法を踏まえて、国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けた取組を推進するというもの。もう一つについては、上記のほかに障害のある女性についての支援を行うということや、障害者基本法に基づいてそれぞれの取組を進めるということ。それから、「また」というところで書きましたように、障害者の実態調査等を通じて障害者の状況に関するデータ収集を行うということで、その中でも障害者の性別等の観点に留意しつつ、その統計の内容の充実を図るというものでございます。
まず1点目、障害を理由とする差別の解消に関する法律についての取組でございますけれども、こちらのほうですが、令和6年4月から民間事業者についても合理的配慮の提供が義務づけられたということに伴いまして、基本方針というものを策定しております。その方針の中で複合差別ということで、障害があるという部分と性別に関する差別の部分の両方の部分に関する記載を盛り込んでおりまして、この周知を図っております。
その下でございますけれども、障害者基本計画の実施状況を毎年度監視等しておりまして、その中の各項目について審議を行っています。具体的項目は後で御説明いたします。
それから、データの収集・分析についてということで、厚生労働省で生活のしづらさに関する調査といったものを行っておりまして、男女別のデータ等を把握しているところでございます。
次のページをお願いいたします。
先ほど申し上げましたように、障害者差別解消法という法律におきましては、民間事業者への合理的配慮というのを義務づけるのと、差別的取扱いの禁止といったものを定めているところでございます。この中で、一番左の下ですけれども、(1)の基本方針というところで、先ほど申し上げました複合差別のことについて規定しているところでございます。
次のページをお願いします。
次のページでございますが、具体的な記述の箇所でございます。太字にしたところが関連する記述でございまして、先ほど申し上げました合理的配慮の提供に当たって、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するということで、特に障害のある女性については、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意するということを記載しております。
それから、第5と書いたところでございますけれども、啓発活動の中でも、障害のある女性は、障害があることに加えて女性であるということで合理的な配慮の適用を申し出る場面というのが、機会が均等に図られなかったり、不当な差別的取扱いを受けやすかったりする場合もあるというような御意見をいただきまして、その旨を記載しているところでございます。
それから、3点目でございますが、情報の収集ということで実態を踏まえた調査ということで、もろもろの自治体への報告等でこういった性別についてのものなども求めているところでございます。
次のページをお願いいたします。
第5次障害者基本計画では毎年度フォローアップをしておりまして、主な取組としては、4ポツの(5)①と書いたところと、4ポツのそれぞれ○に書いた施策に取り組んでいるところでございます。
4ポツの(5)の①については、女性の参画拡大に向けた取組を行うということを書いておるところでございまして、目標の中でも障害者施策を審議する国の審議会等における障害者の委員の選定に当たって性別のバランスに配慮するということで、その比率について定期的に調査・公表を行うとしているところでございます。
御案内のように、障害者施策は当事者抜きに当事者のことは決めないというのが原則で、障害当事者の方に入っていただくのが大原則でございます。その中でも、特に女性の(接続不良)女性の視点について取り込んだような情報提供を行うということで、障害の関係も含めて取組を行っているところでございます。
あと、その下ですが、(接続不良)。
○事務局 共生担当の古屋様、大丈夫でしょうか。
申し訳ございません。通信関係が今あまりよろしくないようですので、一旦ここで切らせていただいて、厚労省様、大丈夫そうでしょうか。
〇山田課長 差し支えなければ、厚生労働省のほうから先に説明させていただいてもよろしいですか。
では、画面のほうを切り替えさせていただきます。
○山田会長 よろしくお願いします。
○山田課長 担当局の総務課長、山田と申します。よろしくお願いいたします。
厚生労働省からは、高齢期の女性の貧困、それから、障害のある女性の妊娠・子育てに対する支援について取組を御説明いたします。
最初は高齢期の女性の貧困というところですけれども、第5次男女共同参画基本計画において、ここにありますとおり、高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備という項目がありますけれども、ここにアンダーラインがありますとおり、高齢化が進展する中で、特に高齢期の女性の貧困について、低年金あるいは無年金者問題に対応する。また、高齢期に達する以前の女性が老後の備えが十分にできるよう、男女共同参画の視点に立ったあらゆる面での取組を進めるとされております。
ここに低年金・無年金とありますけれども、我が国の年金制度は、20歳から60歳未満全ての国民が加入する国民年金、さらにその上乗せで会社員・公務員が加入する厚生年金がありますけれども、厚生年金は収入が多いほど受給が増えていくということになっております。そうすると、逆に賃金が低いと社会保険料は下がって、その分受け取る分も低くなるということですので、現役時に就労して経済基盤を強化しておくということが重要になってまいります。
こうした中、我が国の男女の賃金差異につきましては、これは男性100とした場合の数字になりますけれども、長期的には縮小傾向にありますが、やはり役職とか勤続年数による違いというところが影響して、まだまだ差があるという状況になっております。
こうした中、厚生労働省におきましては、女性活躍推進法において、まず令和4年の7月から常用労働者数301人以上の事業主に男女の賃金差異を公表するということを義務づけております。さらに、この法律は時限で令和8年3月末に切れますので、延長を図るとともに、男女間賃金差異の公表を常用労働者数101人以上の事業主に拡大する、また、その要因となっている女性管理職割合についても公表を義務付けるようにということで、今、制度改正を目指しているところでございます。
また、実際にやろうとすると、どういう形で是正を図っていくかということがやはり企業にとってはひとつ課題になっていますので、個別訪問ですとか、あるいはオンラインによるコンサルティングで支援を実施しているというところです。
次に、非正規雇用労働者に着目いたしますと、女性が67.8%を占めているという状況です。相対的に正規社員に比べて賃金が低い、あるいは能力開発機会が十分に得られないという課題がありますので、同一労働同一賃金の徹底、あるいはキャリアアップ助成金などによる正社員転換の促進などを図っているというところです。
それから、年金等の老後の保障を厚くするという観点から、短時間労働者については2016年の10月から段階的に被用者保険の適用の拡大を進めているところです。短時間労働者の適用の要件については、ここにありますとおり、現在20時間以上とか年収106万相当といった要件を満たすことが必要になっておりますが、これは昨年の12月に取りまとめられました社会保障審議会の年金部会における議論の中で、まず106万円、月額で8.8万円以上ということになるのですが、この賃金要件を撤廃するということが一点。それから、短時間労働者の適用を図っていく企業規模要件ということですけれども、これについては50人以上を超えるとなっていますが、これを撤廃していくということ。それから、事業主への負担についても配慮していくということが示されておりまして、これらを踏まえて次期年金制度改正を予定しているところです。
次が生活困窮者自立支援制度です。この図にありますとおり、例えば住まいの支援ですとか家計の相談、子供に対する支援、その他自立を支援しております。
ここまでが若年期から経済基盤を確保できるようにするための取組ということになります。
続いて、高齢の単身女性も含めて、低所得により厳しい生活を送られている方々に対しては、社会保障制度全体で総合的な支援をしていっております。
まず、スライドの13ページにありますとおり、年金を含めても所得が低い方の生活を支援する年金生活者支援給付金といったものを支給してございます。
それから、医療保険につきましては、スライド14にありますとおり、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療の被保険者の方の保険料の軽減ですとか、あるいは15ページの表にありますとおり、年齢所得に応じて患者の自己負担割合あるいはその上限額が設定されているという状況です。
また、介護保険につきましても、これは16ページになりますが、65歳以上の方が対象となる第1号保険料の低所得者の軽減措置、さらには月々の介護サービス費の自己負担の限度額の設定、それから、18ページにありますとおり、介護保険における補足給付ということで、所得に応じて食費ですとか、あるいは居住費の負担限度額を設定しているところでございます。
続きまして、20ページになりますけれども、障害がある女性の妊娠・子育てに対する支援ということで、3つ目のポツにありますとおり、障害に加えて、女性であることでさらに複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意して、こうした人々について正しい理解を深め、社会全体が多様性を尊重する環境づくりに資するよう、人権教育・啓発を進めるとされているところでございます。
障害のある女性の妊娠・子育てに対する支援ですけれども、令和6年7月3日の旧優生保護法国家賠償請求訴訟の最高裁判決を受けまして、4月26日になりますが、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部が設置されて、12月に行動計画が策定されているというところです。
これは行動計画になりますけれども、この中で赤囲みのところになりますが、厚生労働省において、結婚・出産・子育て支援取組事例を周知するとか、あるいは自治体、支援者向けの解説動画、あるいは障害者の当事者にも分かりやすいリーフレットの作成といったものに取り組むということにされております。
それから、厚生労働省、こども家庭庁では、令和6年6月5日付で連名通知を発しまして、自治体に対しまして障害保健福祉施設と母子保健、児童福祉施設との連携した支援体制の構築を依頼しておりまして、スライドでいきますと24のところです。活用できる具体的な施策を合わせてお示ししております。
こうした行動計画を踏まえて、さらに周知を図るということが必要になりますので、通知の内容とか取組事例を解説する動画の作成ですとか、あるいは障害当事者に分かりやすいリーフレットの作成に取り組んでおりまして、完成次第、自治体ですとか関係者、障害当事者、あるいは家族といったところにお知らせしていくよう、取り組んでいくこととしております。
簡潔でございますけれども、厚生労働省からの説明を終わります。
○山田会長 ありがとうございました。
では、続きまして、このまま「夫婦の氏をめぐる議論の状況」についてお願いいたしたいと思います。
昨年内閣府が実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果が、先般公表されました。当該調査においては、夫婦の名字・姓に関する制度に関する質問項目があるほか、第5次計画の成果目標に設定されている「社会全体における男女の地位の平等感」など、今後計画の策定を進める上で重要となるデータもあるため、世論調査の結果について内閣府から御報告をお願いいたします。
○片山室長 男女共同参画局調査室長の片山でございます。
それでは、説明させていただきます。
スライドの2をお願いします。
この調査の調査時期は、昨年、令和6年の9月から11月にかけて調査をしておりまして、18歳以上の方を対象に調査をしております。
調査方法につきましては、前回令和4年から郵送法に切り替わっておりまして、前々回、令和元年までと調査手法が異なっておりますので、結果の比較ができないことに御留意いただければと思います。参考値として、この資料には載せております。
調査の頻度といたしましては、大体数年おきぐらいに調査を実施しておりまして、最近で申しますと、5次計の成果目標に関する設問があることから、改定の前年度、つまり去年、それから、中間フォローアップの前年度に実施をいたしております。
今回、2月4日に公表いたしましたものは速報版というべきものでございまして、詳細版は2月末に政府広報室から公表される予定としております。
次のスライドをお願いします。
先ほど会長からもありましたけれども、こちらが5次計の成果目標に関するものでございまして、男女の地位の平等感を問うものでございます。社会全体で見ますと、平等になっていると思うと回答した割合は16.7%となっております。これを分野ごとに見てまいりますと、教育の場は高くなっておりますが、政治の場ですとか社会通念・地域の慣習・しきたりなどで低く出ております。
次のスライドをお願いします。
社会全体における平等感について推移を見てみますと、今回16.7%ということで、前回と比べると2ポイント増加しております。
次のスライドをお願いします。
社会全体における平等感について、性別で見ますと、男女ともに増加いたしております。
次のスライドをお願いします。
こちらは新しく設けた設問でございまして、備考欄の2に設問を記載しておりますけれども、具体的な状況として、大学の理学部や工学部に進学する女性は男性より少なく、薬学部、看護学部に進学する男性は女性より少ないという現状を示した上で、進路選択に影響を与えるものについて尋ねております。男女ともに回答が多かったのは赤枠で囲っておるところですけれども、母親と父親が多く出ていて、次いで友人や先輩、学校の先生と続いておりました。男女差があったところとしましては、青枠で囲っておるところですが、女性のほうが母親を選択する割合が高く出ておりました。
次のスライドをお願いします。
これはまた別の質問でございます。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方についての賛否を問うものでございまして、反対であると回答した割合は64.8%と前回と同程度でございました。
次をお願いします。
これを性別で見ますと、反対と回答した割合は女性7割、男性7割とこれも前回と同程度でございました。
次をお願いします。
これは後に出てくる設問とも関係いたしますが、育児・家事等の無償労働時間が女性に偏っていることへの対応をしていくことが女性活躍や男女共同参画の更なる推進をするために必要だということでこの設問を尋ねております。つまり、男性が育児・介護・家事等に積極的に参加するために必要なことは何ですかという問いでございます。
男女ともに回答が多かったところは赤く囲ってあるところでございますが、職場における上司や周囲の理解、男性自身の抵抗感をなくすこと、夫婦や家族間でのコミュニケーションをよく図ることという順になっております。男女差が大きかったものとしましては青で囲ってあるところですが、男性自身の抵抗感をなくすこと、年配者や周りの人が夫婦の役割分担などについて当事者の考え方を尊重することが男女差が大きくなっておりました。
次をお願いします。
こちらは2つのことを尋ねております。まず、外部サービスを利用するかどうかということ。外部サービスというのは備考の2にございますが、保育所や訪問介護、家事代行などといったものを外部サービスと定義しております。尋ねている2つ目のことについては、育児等についての配偶者との分担についてでございます。いずれも希望を問うたものでございます。
結果といたしましては、育児、特に介護については外部サービスを利用しながら行いたいと回答した割合が高い水準で前回調査から推移しております。また、外部サービスの利用の有無にかかわらず、分担については配偶者と半分ずつ分担と回答した割合が全体的に高く出ております。
次をお願いします。
育児についてでございますが、女性は男性と比べて配偶者より多く分担するとの回答割合が高く出ておりまして、この傾向はほかの介護や家事についても同じでございます。ただし、育児について、男性でございますが、女性と比べて配偶者により多く分担してもらいたいと考えている傾向が出ております。
次をお願いします。
次は介護についてでございます。介護は育児、家事と比べて、外部サービスを利用しながら配偶者と半分ずつ分担と回答した割合が男女ともに高く出ております。ただ、男女差があったものとしましては、介護においては、男性が配偶者より多く負担すると回答した割合が比較的高く出ておるのが特徴でございます。
次をお願いします。
これはまた別の質問でございますが、育児などに女性のほうがより多くの時間を費やすことが女性活躍が進まない要因の一つだという意見についてどう思うかを尋ねたものでございます。前回と同水準でございますが、性別で見ると女性の回答のボリュームゾーンが「どちらかと言えばそう思う」から「そう思う」に推移しております。
次をお願いします。
それでは、育児に費やす時間を男女間でバランスの取れたものとするためにはどうすればいいかと支援策を問うものでございますが、最も回答割合が高い制度面での仕事等の両立支援策は男女ともに多く出ておりました。ただ、変化に着目してみますと、男女ともに必要な支援策としまして、長時間労働慣行の是正やテレワークといった働き方を変えていく勤務環境の整備を回答した割合が増加しているのが特徴です。
次をお願いします。
これを年代別で見た場合でございますが、総じて仕事との両立支援の回答割合が高く出ておりますが、特に30代では勤務環境の整備が高く出ております。
次をお願いします。
ここからまた別の質問になります。質問自体は備考の2にございますが、夫婦の名字・姓に関する制度の在り方をめぐる議論について、自分又は自分の周囲の人に関わる身近なこととして考えたことがありますかという質問をしております。前回調査と比べると、男女ともに考えたことがあるとの回答割合は増加しており、また、議論があることを知らないという回答割合は低下しております。
次をお願いします。
年代別に見ますと、考えたことがあると回答した割合は30代以上のどの年代でも増加しております。また、どの年代におきましても、議論があることを知らないと回答した割合は前回調査と比べて減少しております。
次をお願いします。
また、設問が少し変わりまして、これは仮定の設問でございます。質問文は備考の3にございますが、仮に結婚して戸籍上の名字・姓が変わったとした場合、働くときに旧姓を通称として使用したいと思いますかという尋ね方をしております。前回調査と比べると、希望する割合は男女ともに増加しております。
次のスライドをお願いします。
これを年代別で見ますと、30代以上のどの年代でも増加しておりまして、特に30代は最も希望割合が高く、約6割となっております。
次をお願いします。
こちらは説明の最後のスライドでございますが、DVや性暴力の根絶を図るための対策としてどのようなものが必要ですかと聞いたものでございます。回答者の74.3%がDVへの対策が必要という意識を回答しております。赤枠の部分です。男女差があったものとしては青枠の部分でございまして、女性のほうが高くて男性のほうがそれより低いというものでこの青枠の3つが挙げられております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
この後、先ほど接続の切れた内閣府共生担当の御報告の続きをお願いできたらと思います。大丈夫でしょうか。
○古屋参事官 内閣府の古屋でございます。
先ほど音声が途切れまして、大変失礼いたしました。
先ほど国の審議会等における障害のある女性委員の人数についてというところで途切れましたので、そこから御説明させていただきます。
審議会の女性の数については、特に障害のある女性の数を増やしていくということを目標として掲げているところでございます。ご覧のような5つの委員会、審議会について障害に関わる施策を行っているものということで、その人数等について昨年調査をしたところでございます。これによりますと、障害者政策委員会は30人中障害のある女性の数が3人ということで、全体の中で障害のある方で言えば12人となっておりますけれども、障害のある女性の方の数でいうと1割程度となっております。その他の審議会の数字については、下のほうに書かせていただいたとおりでございます。
障害者政策委員会については、今年の1月18日に委員の改選がありまして、障害のある委員の数自体は変わらず12人ということで、女性委員は障害の有無にかかわらず13人、43%で、障害のある委員12人のうち、女性の委員は4人でお一人増えているという形となっているところでございます。
続きまして、次のページでございます。
障害者計画の進捗状況ということで、こちらは毎年度フォローアップしているところでございます。
こちらは令和5年度のフォローアップというところでございまして、一つは防災、防犯の防災の関係ということで、内閣府防災のほうで作ったガイドラインの内容を踏まえて情報提供を行うとしているところでございます。こちらについては、要配慮者についてニーズへの配慮とか男女共同参画関係の部局の職員を災害対策本部の下に配置することといったことを記載しておりまして、そういった取組が進むように周知に努めていると聞いておるところでございます。
それから、2点目ですが、女性の暴力の関係ということで、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップセンターということで、こちらにも障害者を含む被害者に配慮した相談対応が行われるよう、相談員に研修を実施しているということで、その中でも特に電話とかで連絡をされる方の中でも、聴覚障害のある方だと電話はなかなか難しいというところもありますので、相談窓口を電話以外の方法でも設置することが望ましいということを記載しているところでございます。
続きまして、障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画についてでございます。次のページをお願いいたします。
昨年7月3日の旧優生保護法の国家賠償訴訟の最高裁の判決を受けまして、特に強制不妊手術等が行われて、障害のある方もそういった手術を受けられているという方も多いということを踏まえまして、7月26日に総理を本部長にして全閣僚で構成する推進本部を立ち上げまして、総理指示を受けた検討を進めてきたところです。開催に当たっては、旧優生保護法の原告団の方の話を伺ったり、あと、実際に子育てをされている障害のある御家族にお話を伺ったりしてきたところでございます。
次のページをお願いします。
そうした中で行動計画を立ち上げておりますが、先ほど申し上げましたような優生手術等における歴史的事実やその背景を後世に伝承するですとか、人権侵害に迅速・確実に対処するということ、それから、結婚・出産・子育てをする上で何でも相談できる窓口をつくってほしいといった意見が当事者の方から寄せられましたので、取組を取りまとめているところでございます。
2の(1)に子育て等の希望する生活の実現に向けた支援の取組を掲げているところで、こういった事例集等の周知をしているというところでございます。
そのほか、公務員の意識改革に向けた取組の強化といったものや、次のページに記載しておりますけれども、人権相談とか調査救済活動の職員への研修等を強化するといった取組を盛り込んでいるところでございます。
計画については今後フォローアップ等をしていく予定でございます。
私からの説明は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、また氏の問題に戻りまして、夫婦の氏に関する最近の議論の状況等について、法務省のほうから御報告をお願いいたします。
○内野審議官 法務省民事局の審議官の内野と申します。どうぞよろしくお願いします。
資料に基づきまして、夫婦の氏をめぐる議論の状況につきまして申し上げたく存じます。
まず左上でございます。御案内のとおり、現行の民法750条は「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定めておりまして、いわゆる夫婦同氏制度を採用しております。
平成8年に、法務大臣の諮問機関であります法制審議会は、選択的夫婦別氏制度の導入をその内容に含みます民法の一部を改正する法律案要綱を答申いたしました。この答申におきましては、夫婦は婚姻の際に同氏とするか別氏とするかを選択することとされており、また、別氏を選択した夫婦は、婚姻の際に子が称する氏を定めることとされまして、その結果、兄弟姉妹間で原則として氏は統一されるということとされていました。
法務省は、この答申に基づきまして、平成8年、また、平成22年、それぞれ法案の準備作業をいたしましたけれども、当時の政権内にも様々な意見がありまして、法案の提出には至っておりません。
続いて左下でございます。司法の判断でございますが、最高裁判所は、平成27年12月、夫婦同氏制度を採用する民法750条の憲法適合性が争われた訴訟におきまして、夫婦同氏制度は合憲であるとした上で、この種の制度の在り方は国会で論ぜられ判断されるべき事柄にほかならないとの判断を示しております。また、令和3年6月にも、平成27年の最高裁判決を引用しつつ同様の判断を示しております。もっとも、これらにつきましては、一部の裁判官から夫婦同氏制度は違憲であるとの意見が付されております。
続いて、資料の右上欄には、令和2年12月に閣議決定されました第5次男女共同参画基本計画のうち、夫婦の氏に関する部分を記載しております。
右下の欄でございます。こちらには、令和3年12月から令和4年1月までにかけて、内閣府政府広報室が実施いたしました世論調査の結果を記載してございます。夫婦の氏の在り方に関する問いにつきまして、現行の夫婦同氏制度を維持したほうがよいとの回答が27.0%、夫婦同氏制度を維持した上で旧姓の通称使用についての法制度を設けたほうがよいとの回答が42.2%、選択的夫婦別氏制度を導入したほうがよいとの回答が28.9%でございました。
夫婦の氏の在り方につきましては、昨年6月に経団連が希望すれば生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求める提言を公表しております一方で、現在でも夫婦の氏の在り方につきましては様々な意見があり、今後とも国民各層の意見や国会における議論を踏まえて、その対応を検討していく必要があるものと考えております。
法務省といたしましては、引き続き法務省のホームページ等におきまして、この点に関する議論が適切に行われるよう、積極的に情報提供を行ってまいりたいと考えております。
御説明は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございました。
最後に、「国際的な協調及び貢献」についてです。
はじめに、今年度の女性活躍・男女共同参画に関する主な国際会議について、内閣府から御報告をお願いいたします。
○片山室長 国際担当室長の片山でございます。
資料6-1をご覧ください。
手短に説明いたします。昨年1月に開催されました本調査会においても御報告させていただいたところでございますが、この1年間ほどの間に開催された主な国際会議を整理させていただいております。APEC、G7、G20、これらの閣僚級の会議は例年同様の開催となっておりまして、STEMに関する教育ですとかケアシステムといった従来から議論されてきた課題に加えまして、ジェンダーに基づく暴力への対策としてのICTの活用、気候変動といった最近の流れを踏まえたテーマも設定されてきております。
簡単ですが、以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、昨年実施された女子差別撤廃条約第9回政府報告審査、G7、G20への対応や、「女性・平和・安全保障」、いわゆるWPSの推進について、外務省より御報告をお願いいたします。また、持続可能な開発目標、いわゆるSDGsについて、「ジェンダー平等」は重要テーマとされています。本年、自発的国家レビューが予定されていることから、SDGsについての御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○古本室長 よろしくお願いいたします。外務省の女性参画推進室の室長をしております古本と申します。
まず、資料6-2をお願いいたします。
私のほうから男女共同参画について御説明させていただいた上で、次にSDGsのほうについてはバトンタッチさせていただきます。
まずこの1枚目でございますが、最初に御報告させていただきたいのは、昨年の10月、女子差別撤廃委員会(CEDAW)の第9回政府報告審査というものがございました。これは平成28年以来8年ぶりの審査となっておりまして、日本からは、岡田男女共同参画局長を代表団長に、関係省庁合計約30名から成る代表団で審査に臨ませていただきました。この審査の後、CEDAW側からは政府報告を受けた最終見解というのが公表されております。
次にG7、G20への対応です。ここについては先ほどの男女局からの御報告とも若干かぶっておりますので、少し手短にさせていただきますが、首脳レベルの話題ということでは、昨年6月にはG7プーリア・サミットの首脳宣言において、あらゆる多様性を持つ女性及び女児のエンパワーメントについてのコミットメントを再確認されました。また、特にこのサミットでは、WPSについての一層の重要性ということの指摘が岸田総理のほうからもなされております。また年末の11月のG20リオ・サミットの首脳宣言においても、ジェンダーについてのコミットメントというのがしっかりと確認されております。
次のページをお願いいたします。
WPSについて補足的に御説明させていただきます。WPSは皆様御承知の方も多いかもしれませんけれども、女性、女児を単純な保護の対象として扱うのではなくて、女性が参画することによって平和構築であるとか危機からの復興、防止といった取組により効果を上げられるであろうという考え方で、2000年の安全保障理事会の決議によって形づくられている考え方になります。
日本もこのWPSを主要外交政策の一環として力強く推進するという方針でありまして、特に日本の場合は自然災害が多いことから、そもそも紛争、戦争といった文脈から出てきたこのWPSの考え方を防災や災害対応にも当てはめて推進しているということが日本の特徴であります。
最新の話題として、2月の頭、4日から6日に国連大学においてWPSのフォーカルポイント・ネットワークの東京会合というものを開催しました。今年は2025年ということで25周年という記念の年に当たりますけれども、この年にフォーカルポイント・ネットワークというのは、世界の93国、そして、10の国・地域機関が合同でつくっているネットワークになりますけれども、日本はここの共同議長にノルウェーとともに就任しております。ということで、東京会合の開催に至りました。
会合のテーマは「行動のためのWPSコミットメントの深化:革新と適用による平和・安全保障の実現」として、世界中から、外国からいらっしゃった方々154名を含む172名の出席者、さらに、在京大使館なども加えますと、プレナリーセッションなどでは200名を超える方々がいらっしゃっていただいて会議をして、このWPSをどうやって期限内に進めていくことができるのか、何をしていくべきなのかといったことを議論しました。
また、ここには書いてありませんけれども、2月5日は、このネットワークの会合の一環として一般公開のシンポジウムというのも2時間かけて開催させていただいておりまして、そこでは特にWPSと若者といった点に焦点を当てて、特に若い人からの視点で議論をしていただくというようなセッションを開催いたしました。
それでは、SDGsのほうにバトンタッチさせていただきます。
○安藤課長 地球規模課題総括課長を務めております安藤と申します。
SDGs、持続可能な開発目標ですが、御存じのとおり、2015年に国連総会で全ての国に適用される17の目標が設定されました。その目標5がジェンダー平等ということになっております。
SDGsの取組の一環として、基本的に全ての国連加盟国は定期的に自国の進捗状況を国連に対して報告することが求められております。これがこの表題になります自発的国家レビュー(VNR)というものです。
2017年に第1回のこのVNRの発表というのをやりましたときの写真をこの資料の下のほうにつけております。初回ということで、当時、外務大臣であった岸田前総理にニューヨークに出張いただきまして、当時はSDGsそのものについての認知度も国内的にまだまだでしたので、ピコ太郎さんに御参加いただいて、割とにぎにぎしくやりました。
2021年の第2回のときは、ちょうどコロナ禍ということでなかなかニューヨークに行ったりすることもできず、ビデオメッセージということになりましたが、今回久しぶりの対面ということでしっかりやりたいと考えております。
1枚めくっていただきまして、国連に対する報告なので報告書を作成することになります。基本的な構成としましては、4ポツのところにありますけれども、2023年、SDGs達成に向けた日本としての実施指針を改定しましたので、それを踏まえた取組の状況というのを書きつつ、あとは市民社会、ビジネス、有識者、様々な方に御参加いただきまして、有識者自身にもいろいろと日本の進捗状況について報告を書いていただきます。あと、6番のところで、目標5のジェンダーも含む全ての目標について達成の現状について書くというつくりになっております。
本当は今日内容を御紹介できれば一番よかったのですが、今、まだ鋭意作成中ということで、恐らく3月のどこかでパブリックコメントを広くお願いすることになりますので、そのときには多分皆さんにも見ていただける形になるのだと思います。
1枚めくっていただきまして、進捗状況ですが、今申し上げましたとおり、円卓会議の有識者の方々と緊密に意見交換しながら進めております。3月から4月にかけてパブリックコメントを実施し、政府としての決定を行い、6月に国連にレポートを提出し、7月に先ほど写真で見ていただいたような形で国連の場で発表するということを考えております。
1枚めくっていただきまして、毎年このレビューというのをやるのですが、その年ごとに重点レビュー目標があります。今年は目標5、ジェンダー平等についても重点目標の一つになっておりまして、しっかりやっていきたいと考えております。
一番最後のページは参考資料ですが、円卓会議の構成員として積極的にこのレポートの作成に携わっていただいている有識者の皆様の一覧になります。
駆け足となりましたが、私からは以上です。ありがとうございました。
○山田会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの各府省の説明を踏まえ、御質問や6次計画策定に向けた御意見があれば、Zoomの「挙手機能」を使っていただき、「挙手」をお願いしたいと思います。議論を深めるために、他の委員から出された御意見についてのお考えなども積極的に述べていただければ幸いです。いただいた御質問については、最後にまとめて各府省から回答いただきます。
いかがでしょうか。
では、納米委員、よろしくお願いいたします。続きまして小林委員、お願いします。
○納米委員 御説明ありがとうございます。
内閣官房と厚生労働省に対して申し上げたいことがございます。
内閣官房から地域において男女共同参画を進めていくということについて御説明があったのですが、今日の御説明にはなかったのですが、以前の男女共同参画会議でも申し上げたのですけれども、地域で進めていくには地方公共団体の職員の方の理解が欠かせないと考えております。なので、自治大学校のカリキュラムの中に地域における男女共同参画の推進ということを入れていただきたいと考えております。これが一点です。
そして、厚生労働省から高齢期の女性の貧困の要因として現役時代の男女間の賃金格差についての説明があったのですけれども、データの整理の仕方として、厚生労働省からの資料のスライドには一般労働者と正社員・正職員の比較のみが掲げられておりました。そうではなくて雇用形態別に比較して、さらに各雇用形態の男女の構成比を示すという形で、雇用されて働く男女の賃金格差の全体像を示していただくと分かりやすいと思うので、そのようにしていただけないでしょうかというのが厚生労働省に対する1点目です。
それから、女性活躍推進法がまさに今改正されようとしているというお話があったのですが、これは歓迎いたしますけれども、301人から101人以上に拡大されたとしても、企業の数で言えば、これでカバーされるというのは数パーセント、労働者の数で言っても3割程度だと思うのです。そうすると、まずは規模が大きい企業からやっていくということも分かるのですけれども、圧倒的な多数を占める小さな企業への働きかけといったことについてはどうしていくのかなということについて伺えればと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
では、続きまして小林委員、北仲委員の順番でお願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。
幾つかありますので、手短に質問中心でお話ししたいと思います。
まず内閣官房さんに対してです。各自治体等に交付金での支援をされているということなのですが、これは地方創生という現総理の掲げている目標に向かってですけれども、セミナーとかその他のものは実際に必要なものではあるし、やっていることは大変すばらしいこととは思うのですが、実際に例えば地方で起業しようとしたときに、どのように金銭的な裏づけを持っていけるのか。もっと言えば、ポジティブ融資というか、だから、金融機関などにどういうふうにそういう働きかけをしていくのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
次に農水省についてなのですが、スライドをいろいろ見せていただいた中では女性農業者を対象というのがかなり出てきましたので、内閣官房さんのほうから御説明があったように、地方での女性が減っている、減っていくという状況に対して、新規の農業従事者をどういうふうに考えているのか。これが1つ目です。
2つ目としては、農業委員や農協の役員さんなどに女性割合についてはいろいろ働きかけをされているということなのですが、認定農業者、例えば農業法人なのかなと思うのですが、その辺りに対して女性割合をどのように働きかけていらっしゃるのか、その辺を教えていただければと思います。
それから、3つ目は家族経営協定についてなのですが、現在、農業従事者全体の傾向として高齢化している。また、農地についての放棄等も一部ではあると聞いていますが、家族経営協定を結ぶことと全体の高齢化をどのようにつなげて考えていらっしゃるのか、その辺を教えていただければと思います。
次は法務省さんなのですが、大変努力されているのはよく分かるのですが、平成8年の法制審議会、もう30年ですよね。その間に2度法案提出についての準備をされていたというのですが、今回は今国会に提出されるというような報道もされていますけれども、今回は法案提出に向けて法務省としてどのようなことをされているのか。平成8年の法制審議会の答申は私はかなりいいものだと思っているのですが、それに基づく準備を何かされているのかどうか、教えていただければと思います。
最後に外務省なのですが、これは答えにくいことかもしれませんけれども、CEDAW、女性差別撤廃委員会のほうの皇室典範に対する意見というか勧告に対して、任意拠出金の使途を限定しろというようなことをおっしゃったということなのですが、これを言ったことに対しての是非というよりは、これを言ったことに対する今後の国際的影響をどのように考えていらっしゃるのか、その辺を教えていただければと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
では、続きまして北仲委員、次は治部委員、お願いいたします。
○北仲委員 主に複合的な困難を抱えている人に対する幾つかの施策があったと思うのですけれども、あるいは災害時のジェンダーとか複合的な困難の話があったと思うので、主に厚生労働省そのほかになるかと思うのですけれども、一つは、以前、災害のときに性暴力だとかDVだとか、あるいはジェンダー、今回御説明いただいた中では、女性というだけではなくて高齢の女性というような視点での広報であったり、メンバーに入れるとか、幾つかのことをしていただいていて、それは結構はっきり見えていて、成果が出ていると思うのですけれども、中国地方も含めて、災害があったときに私が感じたのは、そちらが見えていて、でも、外国人の支援が追いついていなかったということでバランスが悪いなと感じたのですよね。性暴力の支援、LGBTの支援、それから、DVとか、女性の避難所のニーズというのには内閣府から情報が来ているのだけれども、多言語というような多様な外国人の居住者とか、広島などは観光客もたくさんいますので、旅行者とかのこととばらばらにやっているという印象がありました。
それから、困難を抱えている様々な人の支援の中でも同じようなことが言えるかなと思っていまして、厚労省とかこども家庭庁が妊娠・出産の支援をされているのですけれども、主にこれはどちらかというと保健分野で妊娠したらどうしようとか産むことについての医療保健分野の支援をされていて、でも、実はそれと貧困とか性暴力とかマイノリティー性が重なると、実は福祉の支援も同時に必要なのですけれども、それが違う施策になっているのではないかなと思っていて、この間、外国人の技能実習生の方とかが望まない妊娠をして、赤ちゃんが亡くなられてというような事件が幾つかあったと思うのですけれども、あのような妊娠をして困っていて福祉的な援助とかも必要な方で外国人であるというような方に届いていない。これは女性支援の問題かもしれないのですけれども、妊娠支援のほうと結びついていないというようなことがあって、今日の施策の御報告はどちらかというと母子保健分野の医療的な妊娠支援だけが項目にあったかなと思っているのですけれども、このような垣根を越えた政策、特に福祉と保健医療というのがつながって取り組まれている支援、施策はないのでしょうかという質問です。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
では、続きまして治部委員、次は佐々木委員、お願いいたします。
○治部委員 ありがとうございます。
幾つか準備を述べたいと思います。
まず、農業につきまして勝野審議官から伺いました女性農業リーダーの活躍のお話はとても重要だと思います。やはり農業に女性が従事して活躍できるようになりますと、地方で仕事ができるようになりますので、地方の持続可能な発展ということにもつながってくるかなと思います。
それから、その意味では、よい分野というものを表彰するという動き、これは企業では随分先行してなでしこ銘柄等をやっていますけれども、農業分野でやっていくということは私はすごくいいなと思ってお聞きしておりました。
質問なのですけれども、農業、漁業等に携わる女性を増やす、リーダーを増やすということに加えて、もしかしたら加工に携わるような起業なども支援されるといいのではないかなと思っております。私、10年ほど前に記者をしていたときに、盛岡の女性センターがやっておりました起業塾を取材したのですが、ここでまさに農家のお嫁さんがすごく支援をされて非常にエンパワーされていく事例を見ましたので、もし何か既にやっていらっしゃったら伺いたいと思います。
それから、消防庁の笹野課長のお話も非常に重要だなと思って感銘を受けました。特に能登の震災の復興に当たりまして、女性の消防隊員の方たちが70名も行かれたということで、本当に緊急時の性別を気にしていられないというようなところにもきちんと女性が行けるようになっているというところに政策の進捗も感じますし、また、神奈川の大隊長のコメントを御紹介いただきまして、ありがとうございます。非常時にやはり心が弱っているところで、同性同士だから話ができると。同性のリーダーがいることの重要性がきちんと言語化されているということは大事かなと思います。
ぜひ今後も進めていただきたいと思うのですけれども、例えばそれに当たって6次計画にどういうことを盛り込んでいったらいいかということを笹野課長に突っ込んで伺えたらと思っております。
あと一つ、小林委員が先ほど申し上げたおっしゃったことに私も賛同なのですけれども、法務省がもう30年も前に出ているものがまだそこで止まっているということについては、正直に言って引っ張り過ぎだと思います。もう説明がつかない状態になっていることは多くの国民が考えていると思いますし、若い世代が日本の政府ですとか行政に希望を持てない状況になっているということをもっと深刻に受け止めていただきたいと思っております。
私自身はもう50代になっておりますので、これから結婚とかはないのですけれども、この問題について、なぜこれから結婚する可能性がない人、はっきり言うと高齢者の声ばかりを聞き続けるのかということについて真摯に検討して、一刻も早くフォーラムを進めていただきたいと思います。
最後に、内閣府の世論調査の件について1点補足させてください。毎年というか毎回、夫は外で働き、妻は家庭を守るということについてどう思いますかという質問をされています。この変化が面白いところなのですが、私、最近大学生と話をしておりますと、最近の若い女性は主婦志望の女性を避けると。働いてほしいから主婦になりたい女性とは結婚したがらないという話を女子学生からも聞いたりするのですけれども、ぜひそういった新しい傾向も捉えるような調査を今後やっていって、6次計画に反映していきますと、次世代にも響くような計画になるのかなと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
一言付け加えさせていただきますと、私、結婚支援をしていますので、いわゆる中高年の結婚も増えていまして、量、人数としては少ないですけれども、そちらでもやはり別姓に対する需要はあることを一応申し添えておきます。
では、佐々木委員、続きまして大崎委員の順番でお願いいたします。
○佐々木委員 様々な資料の御説明をありがとうございます。
まず地方創生からなのですけれども、やはり大学のときに都会に出ていってしまうというのが流出の最初の大きな原因だというお話だったのですけれども、それは地方の大学自体を強くする必要があると思いまして、研究力自体も上げていく必要があり、その研究力が上がれば、そこの地元で産業が生まれて、地方格差がなくなっていく一つの大きな原動力になると思います。
その研究力を上げる一つの施策として提案したいのが、やはり研究者は夫婦が別々に暮らすというのが当たり前になっているのです。なので、両方一緒に、帯同支援と今回女性版骨太にも書かれましたけれども、それを地方の大学ができるようなシステムを国がサポートしてあげるということで、かなり優秀な研究者たちがそれをとても魅力的に感じて移り住んでくると思いますので、ぜひそれを検討していただければなと思います。
次に農林水産業ですが、しっかりいろいろ取組をされていると思いますが、1つ、農業高校に対する活動というか取組がどうなっているのかというのをお聞きしたいと思います。農業高校は女子生徒が5割とか6割ぐらいいるらしいのです。その中でだんだん農業とITを組み合わせたスマート農業とか、アグリテックベンチャーとか、そういうものが農業高校の中でしっかりトレーニングされて、次世代の農業をつくっていくというところ、デジタルとかそういうところにしっかり力を入れてくださると、その後、しっかり女性も活躍しやすくなるのではないかなと思っているので、その辺り、農業高校に対する女子生徒への取組みたいなものが現在あるかどうかというのをお聞きしたいと思います。
次に消防庁の方のですけれども、本当に様々な取組がされていると思うのですが、消防の活動全体には男女の区別はないという力強いコメントをいただいているのですけれども、実際に体格とか生物学的な違いによって、そこは差があると思うのです。そこの差をいかに埋めてあげるかというところで、今回、救助資材とかを小型とか軽量化していると思うのですけれども、それ以外に、男性が多かった職場だと様々なものが女性にフィットしていないということも多々あると思うので、ぜひ女性がそこで活躍しやすいような技術開発みたいなものを進めていっていただければなと思います。
また、障害者に関しましては、当事者研究は非常に重要だと思います。その研究がアカデミアの専門の中で行われていることも重要だと思うのですけれども、大学で見ている感じ、当事者研究として当事者の方々で研究者というか教員になっている方は大体男性しか見かけないのですけれども、そこの男女比というのもしっかり追っていただけるといいかなと思います。これはお願いです。追っていただければと思います。
最後に、選択的夫婦別姓の話なのですけれども、議論があることを知らないという方が20%ぐらいいたのです。その中で調査をして、世論調査をした結果というのが令和4年に出ているのですけれども、これはどういう設問だったのかというのをまずお聞きしたくて、この中では夫婦同氏制度を維持した上で旧姓の通称使用についての法制度を設けるというのが一番高く見えているのですけれども、どういう設問だったのか。かつ、そういう議論があることを知らない人たちが3番目の別姓制度を導入するという選択をしっかりできているのかという疑問があり、まずは設問を教えていただきたいと思います。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして大崎委員、その次に徳倉委員、お願いいたします。
○大崎委員 ありがとうございます。
各省庁の皆様、御説明ありがとうございました。様々なプログレスがあるということを知って、大変心強く思っております。
私からは、6次計画を策定するに当たって参考にさせていただきたい情報をいただきたいという趣旨で質問させていただきます。
まず最初に、地方創生に関してです。地方創生2.0の御説明をいただきました。私も昨年末に公表された基本的な考え方を読みましたけれども、地方の職場や生活環境における構造的な変革をしっかり起こしていくというようなことが書かれております。そして、その中で具体的な課題として男女間賃金格差、L字カーブの解消、それから、非正規の正規化、男性育休取得の推進という4つの課題にしっかりと取り組んでいくということが書かれていて、大変具体的でぜひ進めてほしいと思いました。
この問題の根底にあるのは、やはり性別役割分業意識とかジェンダーバイアス、ステレオタイプを前提とした様々な仕組みであったり、地域の規範というものがございますけれども、これは単に企業という意味での職場だけではなくて、先ほど御発表いただいた農業であったり、水産業であったり、1次産業とも基本的には問題の根っこは一緒だと思っております。ですので、そういったところとの連動ですね。職場のジェンダーギャップの解消というところと農業、水産業といったところでのジェンダーギャップの解消というのを地方創生2.0の中でもしっかり位置づけていただくことは大事だと思うのですが、男女共同参画の6次計のほうでもこの地方に関する施策の中でしっかり取り扱っていきたいと思いますので、どういうふうに協働が可能なのかとか、垣根を越えた施策というのがどういうふうに可能なのかというのをぜひ教えていただきたいです。
2点目は防災です。能登の状況調査を今行っていらっしゃって、その結果が3月末に公表される、取りまとめられるという御報告だったと思うのですが、そこで結果として報告されたことというのは、これからの計画策定に大変参考になる情報がたくさん入ってくると思いますので、しっかりと6次計に生かしていく。そういうプロセスをお願いしたいと思います。
次に、消防庁の笹野さんへの質問なのですけれども、大変すばらしいお取組をたくさんされていて、本気度を感じております。1つお尋ねしたいのは、女性の働きやすい環境を整備する上で一つ重要なのは、やはりセクシュアルハラスメントの根絶だと思います。特に指揮系統がはっきりしている組織では、ハラスメントは起こりやすい。セクシュアルハラスメントも起こる可能性が非常に高いという中で、この問題に関して現状どんな感じなのかということと、どういうお取組をなさっているのか、それから、問題意識として課題をどのように捉えていらっしゃるのかということをお尋ねしたいです。
最後に高齢者のところなのですけれども、高齢期に達する以前の女性が老後の備えを十分にできるよう、男女共同参画の視点に立ってあらゆる施策を行うということに関しての御報告をいただきました。男女間賃金格差など大きいところに手をつけているのもすごくいいと思います。それと同時に、今の中年の特に単身の女性、非正規雇用で働いている方、不安定な雇用にある方、非常に多くの問題を抱えていらっしゃると思うのですけれども、そういった方々への対応について、生活困窮者自立支援の文脈での施策について御報告いただいたのですが、困難女性支援法がつくられて、その中でどのような施策を立てていらっしゃるのか。特に相談窓口では中高年、特にシングルの貧困、経済的な不安定な状況の方々に対してはどういう施策をしているのか、ぜひ教えていただきたいです。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして徳倉委員、その次に山口委員、お願いいたします。
○徳倉委員 徳倉です。
各省庁の皆さん、御説明ありがとうございました。
幾つかありますので、順にお話しさせていただきます。
まず、内閣官房さんのほうで2.0の基本的な考え方の中で考えられる施策を幾つか挙げていただいていると思います。たまたまですけれども、この2月から、私、地方の私の住んでいる自治体の男女共同参画センターのセンター長をやることになりまして、ここでもお話をさせていただきながら、本当に男女共同参画の現場に立っていろいろ気づく点がありましたので、少しお話をしたいと思います。
処遇改善等で会計任用制度職員の処遇改善ということで各自治体に働きかけをして、各自治体はこれが非常に進んできています。例えば私が今見ているセンターですと、10年前から2回にわたって5年ずつ指定管理という形で委託を受けているスタイルになっています。全国の自治体は、直営であったり、指定管理であったり、いろいろな形態がもちろんあると思うのですけれども、特に指定管理の場合は処遇改善というのがなかなか進んでいない現状がありまして、このように、例えば昨今ですと非常に時給等が上がってくる中でやっと最低賃金が払えるかどうかみたいな職員も見受けられる中で、今、処遇改善を働きかけていますが、自治体によってはやはりそこはむべなく断られるという現状が出てきていて、全国的にこのような議論、いい6次計をつくっても、そこを運用していく各自治体のセンターの中で専門的な職員が雇えなかったり、職を離れなければならない。こういう事態を防ぐためには、もちろん会計任用職員の処遇改善もありますが、そこに係る次のステップというところもぜひ考えていただきたいなと思っております。
2点目が農林水産省さんです。大崎委員も先ほどおっしゃっていましたが、私も水産部門、また、林業、この1次部分のところをぜひ全て包括的にお話しいただきたいなと思います。例えば水産高校ですと全国に40個以上ありまして、これは農林水産業に入りません。工芸高校とか、様々日本の文化とか芸能を守っていくような部分で、高校のところでどういうふうに男女共同参画が進んでいくのか。これは文科省と絡むところももちろんあると思いますけれども、特に1次産業の部分で守っていくというところでは、農業だけではなくて、やはり水産業も含めて、林業等も一緒に語ってきて、様々なデータを今後出していただければ、6次計の中で反映できるかなと思っております。
続きまして、法務省さんです。ここ最近、様々な方々と議論をさせていただいたりお話を聞かせていただく中で、先ほども小林委員の中でお話がありましたが、30年以上前に出てきているものをまだ幾つかこね回しているような状態になって、ただ、思想の自由、言論の自由があるのであれですけれども、この政策に反対される方の意見を聞くと、最近はここはいいのだけれども子供はどうするのだと。実は30年前に決まっていることの議論の深みがないままに、子供の名前はどうするのだ、子供が困るではないかというような議論にすり替わっていっている節があります。要するに、内閣府や法務省の皆さんにお願いなのですけれども、制度というものは、諸外国はこういう仕組みで子供の氏が決まっている。日本では以前につくっている法案はこういうプランがあるというのをかなり大きくしっかり発信していただく必要が出てきているかなと思います。
続きまして消防庁さん、非常にいい取組で、動画も先ほどリンクはありませんでしたが、私はリンクを見つけたので先ほど拝見させていただきましたが、非常にいいと思います。その中で、先ほど大崎委員も御指摘くださいましたが、実は昨日今日で、共同通信ですかね。消防のほうの各種ハラスメントの記事が大きく出ていました。私自身、この問題は非常に大事な点だと思います。非常にいい取組をして、女性職員を増やしながら、各施設もどんどん更衣室やお手洗い等を含めて変えていく。そういう女性の隊員が様々なときに大活躍をしていくという事例をつくるためには、男女ともに働きやすい環境をどうつくっていくのかというのがやはり両輪になってきます。いい人材にしっかり長く働いていただくためにも、各種ハラスメント、もちろんこの記事に対する御反論もあると思うのですけれども、どういうふうな形をもってこの両方を進めていくのかということをお伝えいただけたらと思います。
続いて厚労省、困難を抱える女性というところで、実は多くの法律の中で大分網羅されてサポートできるようになってきているのですが、とはいえ、よく見ていくと、困難に置かれている、特に女性なのですが、例えば生活保護を受けていて、妊娠をしていて、病院にかかろうと思っていても、最初の妊婦健診の数万円が払えないということで、そこを受けずにいるという方が東京都内の中でもいらっしゃいます。これは各種自治体に相談をしても、それは申請したら後ほど返せるからということで、いわゆる返還命令というものを出していただければ、実際はできている自治体は神奈川の一部の自治体等あるのです。こういうふうに各種困難を抱えている女性での支援をやっていただいているところに、何が今足りないのか、どこに手が届いていないのかというところをしっかりいま一度調べていただく時期に来ているかなと思います。そういうことをせずに抜けや漏れというところから、やはり女性の権利であったり、困難を抱えている方々の回復だったり救済というものはなかなかできないのではないかなと思っております。
最後なのですけれども、ぜひ内閣府さんにお願いしたいのは、6次プランの様々な各種施策の中で、これは大きいプランとして出せるかどうか分かりませんけれども、最終的には、私も地方に住んでいますが、地方でどのように、例えば大学であったり企業であったりというところにお金が回りながら、そこで働いて、稼いで、結婚し、子供を育ててという本当の正しい循環ができる社会をつくるためには、男女共同参画というものがどういうふうに資するのかというところを、今回も各種横断でお話をいただいているものをひとつ構図にしていただいて、ここの部分は権利を守っていくところだよ、ここのところは稼いでいくところだよ、ここのところは人を育てていく部分だよというのを一つの絵で見ていただく中で、この地域はここからスタートする、この地域はこことここはできているけれどもここの部分が足りていないと分かるように示していく中で6次計ができていくと、非常にすてきなのではないかなと思いましたので、そこは提案としてお話しさせていただきます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
では、山口委員、鈴木委員の順番でお願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。
内閣府、各省庁の皆様、御報告ありがとうございました。
私からは大きく2点あります。
1つ目は、まず農業分野における男女共同参画の状況についてです。農業委員や農協などでの女性の登用は進んではいるものの、率直に言ってあまり伸びていないなという印象を持ちました。一方で、今後の目標については非常に高いものを掲げていらっしゃるように思ったのですが、この現状と目標のギャップは今後どういうふうに埋めていく計画なのか。その点を御説明いただきたいと思います。
そもそもこれまでの取組について効果的だったのかどうかという点について、どのような検証が行われているのか。厳密なものでなくても、どういうふうに認識していらっしゃるのかという点についても伺いたいですし、また、これまで行われた施策についても、施策のみ見ると非常に有効なのかな、有意義なのかなとは思うのですが、主な問題として女性の意識、女性が農業に関心を持っていないというところが現状分析として行われているかと見受けられたのですが、そういった認識でそもそも正しいのかというところについて御意見を伺いたいと思います。
2つ目は、男女共同参画社会にかんする世論調査の結果を見てのコメントです。どういうふうに男女共同参画を進めていくのかということについて、多かった回答で育児や介護のための休業制度や短時間勤務制度など、男女ともに仕事との両立を支援するための施策の整備というのが最多の回答となっていたのですが、具体的にどういった施策を皆さん期待していらっしゃるのかということについて、別の調査などからでも分かることがあれば教えていただきたいと思います。
私自身の認識としては、海外と比べても制度自体はかなり進んで整備されていると思っているのですが、それでもなお多くの方が根本の整備、さらなる整備が必要ということであれば、具体的に何が必要なのかということが知りたいですし、一つ、そもそも現在の制度があまり知られていないのではないか、あるいは活用されていないのではないかということが気になりましたので、この点、御説明を追加でいただければと思います。
以上。
○山田会長 ありがとうございます。
では、鈴木委員、石黒委員の順番でお願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。鈴木でございます。
会議に遅参しまして申し訳ございません。3時10分頃入りましたので、もしそれ以前の御説明とピントがずれていたらお許しください。
意見と質問が数点です。
まず資料2のシリーズですが、まち・ひと・しごと創生、それから、その後のデジ田も合わせると10年やってきて、十分な成果が得られていない。それに対する反省は非常に重要です。それから、将来を見ますと、相当小粒な自治体がこれから激増する見込みであることも踏まえる必要があると思います。憲法22条で居住、移転、職業選択の自由が保障されている中、これまでの人の移動を見てみますと、やはり大学などで学ぶ機会や賃金の高い仕事を目指して人は移動してきました。その点からは、先ほど佐々木先生がおっしゃいましたけれども、地方の大学の改革が非常に重要です。それから、地域に合った産業の創出、テレワーク含めた働き方の一層の多様化といったことに地域ごとにいかに取り組めるかということがポイントだと思います。
それから、農業ですけれども、今、食料安全保障ですとか環境との調和ということが大枠として非常に重要な課題になっていると思います。農地を大規模化することに加え、担い手の経営スキルの向上が重要です。これはブランドづくりとか知財の保護とか、あと、今、農業は先端技術とデータを使って行うビジネスになっていますけれども、そこに女性の力をもっと入れていくことがとても重要です。そういう点では、農業女子プロジェクトをはじめとする女性の参入を進め、それから、既存の家族経営体については、やはり家族経営協定をとにかく増やすことだと思います。
それから、資料3で、防災・危機管理部局の女性職員が一人もいないというケースは急いで是正する必要があると思うのですけれども、庁内全体の男女比に近づけるという話をしていると思いますので、私が不勉強かもしれませんが、個別の都道府県あるいは市町村ごとに庁内全体の男女比がどうなっていて、防災・危機管理部局の女性割合がどうなっているかということをもう少し「見える化」して、それぞれの自治体に気づきを持ってもらう必要があるのではないかと思います。
資料4ですけれども、現在の高齢女性の困難さというのは、若年期、壮年期にその女性が置かれていた結果という側面が強いと思いますので、それはそれとして対応が重要というのが一点。
それから、現在、若年期あるいは壮年期にいる女性については、今掲げられているいろいろな取組を進めることが高齢女性の困難さという課題を中長期的に解決に向かわせることになると考えることができると思います。
それから、今、健康寿命がどんどん延びていて、70歳現役社会をつくるということが大きな政策目標になっていますけれども、今、非正規雇用が増えているのは若い女性というよりは高年齢の男女ですので、50代後半から60代、70代と働き続ける人がどんどん増えていくということにもっと注目して計画をつくる必要があろうかと思います。
それから、厚労省さんの資料で、被用者保険の適用拡大や年金生活者支援給付金、医療介護保険料の軽減や高額療養費制度・高額介護サービス費の話が掲載されています。それから、生活困窮者自立支援制度の話に加えて、資料にはなかったかもしれませんが、年金受給資格期間の短縮化なども行われたと思います。ただ、これらの話はややオムニバス的で、先ほど徳倉さんもおっしゃいましたけれども、全体的に見て今何が足りていないのか、どこが要改善なのかということについて現状認識をなかなかしにくいところがあります。そこについてコメントがあればいただきたいと思います。
それから、障害福祉ですけれども、障害福祉サービスの政府予算を見ますと、自立支援法で義務的経費になって以降急増しています。平成19年度に国費は5000億円程度でしたが、今、4倍の2兆円超えになっています。国費は基本50%ですから、大体その2倍ぐらいが給付されていると思うのですけれども、もちろんそれだけ必要になっていると理解するのですけれども、この費用の伸び方は例えば介護費の2倍です。人口当たりの利用者数の地域ごとのばらつきが相当大きいなどとか、バジェットとして改善すべき余地は結構あるのではないかということを、意見として申し上げます。
それから、資料5ですが、これも複数の委員がおっしゃいましたけれども、96年の法制審の答申から約30年がたち、30年は1世代だと思うのですけれども、30年たっても相当の妥当性のある内容だと思います。やはりその内容をもう一度国民全体で知る必要がある。これも徳倉さんがおっしゃいましたけれども、今、SNS上ではそれすら読まずに子の氏はどうするのだということを声高に言っている方が少なくないと思います。
それから、通称使用拡大はトランジションとして合理性があったと私は思うのですけれども、旧姓併記というのは、平等という価値や個人の尊厳という話の前に、女性活躍という考え方との親和性が基本的にかなり悪いものだと思いますので、ここも取り組む必要があると考えます。
最後に、資料6の国際協調や国際貢献のところですけれども、ここは基本法の7条や19条に照らして十分かという視点で基本計画を考えるのだと思いますが、今年もVNRがあるとのことで、この会議との関連でいえばSDGsのゴールファイブです。日本の場合、ゴールファイブはまだ大きなチャレンジが残っているし、取組が停滞しているという評価だと思います。ただ、ゴールファイブに関して、日本の推進体制や進捗評価体制を考えると、5年ごとの基本計画や毎年の重点方針を決めてやっているわけです。それにもかかわらず、国際的に遅れてしまっているのはなぜなのかということを十分把握して計画をつくる必要があると考えます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
石黒委員、お願いいたします。
○石黒委員 お願いします。
どちらかというと今日私はあまり自分の分野ではなくて、様々な取組をしていらっしゃるのだなということが非常によく分かりました。ありがとうございました。
私が全般的に懸念を持っているのは、もちろん年齢とかということだと致し方ない面はあるのですけれども、例えば地方創生の中で地方の方が受け取る。結局、デジタルが進んで、例えばインターネットができてきたときに、都会と地方の差がなくなるという仮定があったのですけれども、実際はもっと開いてしまっている。前よりも開いてしまっている。これはデジタルの情報の非対称性というか、そういうところが関わっていると思うのです。そういう意味では、例えば東京と地方の賃金格差とかというものを生み出しているのは、一つにはデジタルの情報の非対称性みたいなものがあると思うので、そういったものはどうしたらなくなるかということは、やはり中央政府のほうで何らかの検討をしていただきたいなと思います。
これは日本と海外も同じことで、日本は島国であってもともと情報が入らない。入るはずなのに遅れてしまっているところで、IT格差も広がっているという現状があります。今後、AIはかなり今ユースケースができてきていて、それで私どももこの前の世界経済フォーラムの年次総会でいろいろ話し合ったのですけれども、ユースケースができている中で、やはり日本がそこに入り込んでいないという事実があるのです。入り込んでいないというのは、ディスカッションに入っていない。政府自体も、AIでなくなる職がたくさんあると言われていますが、本当になくなると思います。しかしながら、新しい職というのがそのつくり出される。そこの中には時間差があるのですけれども、新しい職とはどういう分野で何ができてくるのかという感度を、やはりパブリックセクターの感度が非常に高くないと、結局民間にも伝わらないということになってくると思うのです。
そこの感度をどうしたらいいのかというのは、そういった国際会議とかにたくさん出席していただくということも一つですし、そういった政府も、この中で内閣府さんになるのですかね。省庁だと経産省さんみたいなところもそうだと思うのですけれども、地方も合わせてそういった情報格差をなくす。そして、新しい技術に対する感度を高めていただいて、それを民間にデリバリーしていただくということが今後はより重要になってくるので、そういうところはどういうふうにしたら政府の仕組みとして成り立つのかというようなことをぜひ考えていただきたいなと思います。
ちょっと外れるかもしれないのですけれども、今日のディスカッションと全てのことにおいてファンダメンタルになる事実というのをみんなが認識したほうがいいのではないかなということで申し上げました。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
最後に私が発言させていただきます。
私、たまたま第5次計画のときに地域防災主査を務めた関係上、やはり地域について発言させていただきます。
デジタルとか言われていますけれども、やはりホワイトカラー中心に偏っているのではないかなという気がいたします。地方で働く女性というのは、一に介護、あと、増えているのは観光関係のサービス業、さらに私も調査しようと思っている接客を伴ったサービス業、さらには自営業の家族従業者として地域では多く女性が働いているわけで、やはりその人たちの待遇改善、処遇改善等を図らなければ、なかなか地方には女性は戻ってこないのではないかなという気がするということでまず第1点です。
あと、第2点は、これも本会議、男女共同参画会議でも発言させていただいたのですけれども、地域社会の慣習、特に先ほどの内閣府の調査でも社会慣習や地域の慣習の平等度がとても低いという回答がありました。会議で述べさせていただいたのは、いわゆる女性が下働きしている姿を見たら、とてもこんなところには戻れないという学生がいたという話をさせていただきましたし、さらに、家族の中においては嫁になったら介護をするのが当たり前みたいなものを実際に若い女性たちは見ているわけです。つまり、そういう社会的慣習、社会、そして、家族の中での女性差別的な慣習というものを何とかなくすようにしていかないと、ホワイトカラーの仕事を増やしただけではなかなか女性は戻らないと思っております。
あと、先ほどから農業、農林水産関係のことにも皆様触れられていましたけれども、やはり女性農業者の中身というものが通常の仕事とは違うということです。私は地方農家の結婚支援、つまり、農家の嫁支援、調査支援というのをやっているわけですけれども、女性農業者の大部分は嫁なのですよね。むしろ農家から嫁に来た人もいますし、そうではない人もいます。農家の結婚支援だと、農家の嫁募集と言ったら誰も来なかったけれども、あるところで牧場の共同経営者を募集したら、結構人が集まったといったところがあります。つまり、ただ単に農業は仕事としてどうこうというわけではなく、家族の中でどういうふうに扱われるか。つまり、嫁を前提とした家族農業経営の在り方というものが女性を遠ざける一つの要因になっているのではないかと考えておりますので、そういう観点での対策も必要かなと思います。
長くなりまして、時間管理がおろそかになりまして申し訳ございません。
では、大変恐縮ですけれども、委員の御意見はここまでとさせていただきます。御発言し切れなかった内容があれば、後日、事務局にメールでもいただければと思います。
それでは、これまでの御質問について、たくさんありましたけれども、もちろん今すぐできないものもあるかと思いますが、各府省から御回答を手短にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
では、まず、手を挙げていらっしゃる厚生労働省からお願いいたします。
○山田課長 厚生労働省です。
それでは、お答えいたします。
まず、納米先生から、男女間の賃金格差について、いわゆる正規社員だけではなく非正規も含めた差はどうなっているのかというお話があったと思います。今日具体的な統計は示しておりませんけれども、そういった非正規の差ということも非常に重要だと我々は思っておりまして、男女間賃金差異を公表する際に、全体だけではなく正規と非正規も分けた形で開示していただくということをもともとやっておりますので、それぞれの企業が開示する中で、自分たちのところはなぜそういった差が生じているかということをさらに分析して対応していただくということを進めていきたいと思います。
それから、開示の対象が301人から101人以上ということで拡大された場合、それ以外の小規模事業所はどうするのかというお話がございました。段階的に御理解いただいていくという上で、大企業から中小企業へということでひとつ定石的にやっているところではございますけれども、世の中全体として人手不足が深刻化する中で、やはりいろいろなものを開示していって、自分たちの企業について魅力を高めていくということの必要性みたいなものを少しずつやっていく必要があるということが広がってきているのかなと思っております。法律上はそのような形で一定の区切りをしておりますけれども、予算事業でのコンサルなどを含めて広げていきたいと考えております。
それから、北仲先生からいろいろなお話がございましたが、特に外国人の支援の関係、例示として挙げられました外国人技能実習生についてでございます。日本に来ている間に妊娠するというケースは大分前から報告されております。制度上は、外国人技能実習機構という法人があって、そこがいろいろなものを管理して、そこに一旦情報を集約していろいろなところにつなぐということをしてございます。その意味で、実習生の声をいかに吸い上げるかと。吸い上げた上で必要な機関につないでいくということが重要だと思いますので、そういったことを引き続きしっかりやっていきたいと考えております。
それから、大崎先生、徳倉先生から、困難な問題に係る女性の支援に関する法律に基づく対応ということでお話がございました。また、併せて鈴木委員からもその中で特に重視するもの、全体としてという話もございましたけれども、今日はこの法律に基づく対応についてお示しする資料をお示しできておりませんけれども、また機会を捉えて御説明させていただけるようにしたいと思っております。
それから、鈴木委員から幾つか御指摘がありました。高齢期についてやはり就業が増えておりますので、60代、70代というところも就業率が上がっております。
ちなみに、次の国会で考えております労働安全衛生法の制度改正の中では、高齢者の場合、若いうちはあまりないような転倒みたいなけがみたいなのも目立っているということもありますので、そういったものについて企業に努力義務を課していくといったことも対応していきたいと思っております。
あと、石黒委員からは、賃金格差についてデジタルに関する格差ということで、私から産業政策的なところのコメントは難しいですけれども、労働行政の観点からデジタルに関するリスキリングということで従来からやっておりますので、今後の産業構造の変化の中で求められている業種、業態あるいは技能を身につけることができるように引き続き対応していきたいと考えております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、笹野様、お願いいたします。
○笹野課長 消防庁の笹野でございます。
4人の先生からコメントをいただきまして、ありがとうございます。
まず、治部先生のコメントでございますけれども、6次計画に盛り込みたいことは大きく3つございます。一つはとにかく初期段階から男女ともに能力、意欲のある方を派遣すること。そして、環境整備をすること。また、その後の話でありますが、ハラスメント防止を徹底すること。この3つでありますが、特に、治部先生に対するお答えは、大規模災害時にキーワード6文字、「初期段階から」です。初期段階から派遣するということを今回私どもも強く意識して、消防庁長官から720の消防長に直接、適時、毎回申し上げているというところでございます。
また、佐々木先生からもコメントいただきました。結論から言うと、やはり男性と女性の性別的ないろいろな資質の違いに関しては、小型・軽量化もそうですが、やはり省人化・省力化、そのための新技術、DXを進めていくということだろうと思います。消防の現場はどうしてももともと対処すべき外力が大きいものですから、やはり男性の力が優位なところはありますけれども、技術は進んでおりますので、そういった技術開発を現場で実装していくということが答えだろうと思っています。
最後に、大崎先生、徳倉先生からハラスメントのコメントをいただきました。先ほどの治部先生に対するコメントと重なりますが、とにかく我々は女性活躍はハラスメントと表と裏だと思っております。特に大崎先生の御質問に対する答えは2つだと思っていまして、ガラス張りにすること、そして、トップの意識が変わっていくことであります。
先ほど徳倉先生から御指摘いただきました調査は、今年度初めて私どもとして全国的に調査し、オープンにしたものでございます。とにかくガラス張りにし、トップの意識を変える、変わる。それこそがハラスメントの防止の一番の近道で、なかなか難しい取組ではありますけれども、これを力強く進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、内閣官房の岸田様、お願いいたします。
○岸田審議官 内閣官房新しい地方経済・生活環境創生事務局の岸田でございます。
たくさんの御意見をありがとうございます。
御説明の中でも申し上げましたとおり、私ども、ちょうど地方創生2.0の基本構想の策定に向けまして、基本的な考え方をお示ししたところでございます。これから基本構想へ盛り込んでいく中で、種々御意見を賜りまして、大変感謝申し上げるところでございます。
その中でたくさんいただきましたのが、やはり働き方改革、賃金格差の部分だったかと思いますけれども、こちらは昨年末に出しました基本的考え方の中にも実は一丁目一番地、最初の場面に出てくるように書いている部分でございます。若者・女性にも選ばれる地方という観点から、非常に重要であると考えておるところでございます。
このため、実はこれは政府全体で最後は取りまとめてまいりますので、同じく内閣官房の中の全世代型社会保障構築本部事務局のほうが主体となるわけで、私どもは委員として入っている形になるのですが、地域働き方・職場改革サポートチームというものを立ち上げまして、こちらの審議官級以上で入っておるようなメンバーなのでございますけれども、バックアップをしながら、実際に専門家の方たちとともに地域にそれぞれ手を挙げて入っていただきまして、地域に車座のような形でいろいろセミナーをやったり、連続的にやったり、そういった形でまずモデル的に取り組んでいこうというような動きを考えておるところでございまして、こうした中で得られた知見などを全国に反映させていけるように取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
その中で、大崎委員からお話がありましたように、農業分野でございますとか、納米委員からのように地方公共団体の職員、職域関係なく進めてまいりたいと思っておりますので、こうした中で職場改革を進めてまいりたいと思っているところでございます。
会計年度任用職員についても、徳倉先生から頂戴いたしました働き方の職場改革という観点から、テーマとして念頭に置きながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。
また、賃金格差の関係については、石黒委員から非常に大きなお話を頂戴したかと思っておるのですけれども、賃金格差などについても、むしろ情報の非対称性から成る都会と地方の差が広がっているような現実があるのではないかというような御指摘もいただいたところでございまして、デジタル活用の中でそうした観点があるということも踏まえながら検討してまいりたいと思っているところでございます。
また、小林委員のほうから、地方で起業するときのポジティブ融資といったお話がございました。本日、特に男女ということではないので御説明は申し上げなかったのですが、実は私ども、地方創生起業支援事業というものを持ってございまして、国と都道府県で2分の1ずつ負担し、補助率2分の1、上限200万といたしまして一定の起業に必要な経費を助成するといった仕組みを持っているところでございます。
仕組みを具体的に申しますと、今年度は東京都、神奈川県、大阪府では実施していないのですけれども、その他は全てやってございまして、道府県のほうが執行団体に補助を出しまして、執行する団体さんが公募をいたしまして、やりたいという方に手を挙げていただくというような仕組みとなっているようなものが一つございます。
こうした仕組みに加えて、例えば各省さんでも取組を進められているところがございまして、例えばなのですけれども、経産省さんのほうでも地域における女性起業支援事業ということで、こちらは女性起業家さん固有の課題、やはり地方銀行とかといった金融機関さんや地域の中核企業さんとのもともとのアクセスが少なかったりされるということもあって、地域で面で支援していこうということを目標としまして、これらの地域のステークホルダーの皆さんを巻き込んだ形の支援をしたり、メンタリングやビジネスプランの発表会などの支援プログラムといったメニューをお持ちだったりしておりますので、こうしたことも基本構想にしっかりと反映させていきながら一歩進めていければと思っているところでございます。
それから、地方の大学の力、研究力を上げていくべきではないか、地域に合った産業を創出していくべきではないかという御意見を佐々木委員、鈴木委員から頂戴しておるところでございます。こちらについても、私どもはまさにそのとおりであると考えてございまして、こちらも実は地方大学・地域産業創生交付金事業というものを私どもは持ってございます。地方大学に地方公共団体と大学と地域企業さん、地域に限りませんが、企業さんの三者がそろっていただいて、10年間の計画、法定計画になるのですけれども、立てていただいて、それに基づいて新しい事業を創出していくプログラムを実施していくという非常に本格的なものではあるのですけれども、こういったものに取り組んでいるところでございます。例えば高知県さんなどはハウス農業などが非常に盛んなのですけれども、そこら辺をAIデータとかを取りながらというような形で、若者に訴求するような農業への転換を図るための取組ということで進めておられたりするようなケースがございます。こういった取組も今後構想に反映させていきたいと思っておるところでございます。
研究者夫婦の帯同支援というような辺りも、今、恐らく骨太に載っているということであれば、文科省さんのほうでされているのかなと思うのですけれども、地域の活性化と若者向けのというところかなと思いますので、少し意見交換などもしながら反映できないか考えてまいりたいと思っておるところでございます。
あと、納米先生からカリキュラムに男女共同参画の講座をということでございまして、こちらは総務省さんの施設でございますので、私どもから直接にという感じではないのですけれども、こういったお話があったことはまた関係の折に情報提供したいと思いますし、ぜひ事務局のほうからこちらの情報提供もお願いできればと思う次第でございます。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
では、法務省の内野様、お願いいたします。
○齊藤参事官 法務省でございます。代わりまして、参事官の齊藤から御回答申し上げます。
民法では別姓、同姓と言わず、別氏、同氏としておりますので、氏の問題として御説明をいたします。
まず、法案提出についてお尋ねがありました。近時、夫婦の氏の在り方については、議論が盛んになっており、賛否につきましても各種調査等が行われていると承知しております。御意見の中には、選択的夫婦別氏制度を導入すべきという御意見を含め、様々御意見がありますので、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えているところでございます。
その上で、内閣において法案を提出することの是非については、国民各層の意見、国会における議論の動向等を注視しながら、総合的に判断する必要があると考えております。
それから、情報の発信についても関連して御質問いただきました。諸外国ではどのようになっている、あるいは日本では平成8年の答申としてどんな案が示されているということについて発信していくべきではないかという御指摘と存じます。法務省においては、これまでにもホームページ等を用いまして、夫婦の氏の在り方について御議論いただくために積極的に情報提供を行っているところでございまして、今日いただいた御指摘も受け止めつつ、関係省庁と連携して対応を考えてまいりたいと思っております。
それから、令和3年に行われた世論調査の設問について御質問いただきました。令和3年の夫婦の氏の在り方についての設問でございますが、まず質問の前提として、図を掲げまして、各制度、選択肢について説明を加えております。つまり、夫婦同姓制度とは、夫婦は必ず同じ名字・姓を名乗らなければならない制度である。選択的夫婦別姓制度とは、夫婦は同じ名字・姓を名乗るか、それぞれ婚姻前の名字・姓を名乗るかを選択できるようにする制度である。それから、旧姓の通称使用についての法制度とは、婚姻で名字・姓を変えた人は旧姓を通称として幅広く使うことができるようにするという法制度である。こういった情報を提供した上で、資料に掲げました3つの選択肢について回答をいただいているところです。
なお、より若い世代の意見に耳を傾けるべきであるという御指摘もいただきました。当省では世論調査について年齢別に分析も行っておりまして、10代、20代、30代におきましては、女性では選択的夫婦別姓に賛成が4割を超え、それから、同じ世代の男性では3割を超えているということで、全体よりも若い世代では賛成の数字が少し高く出ているところと承知しております。法務省としては、様々な意見の把握に今後とも努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、農林水産省の勝野様、お願いいたします。
○勝野審議官 たくさんの御質問ありがとうございました。
まず、小林委員から新規女性就農者の取組についての御質問がありました。39歳以下で29.9%という状況でございますが、先ほどの農業女子プロジェクトにおきまして、プレメンバーというのを今度新しくつくろうということで、まず農家になっていない方、農業高校とか農業大学校などで勉強されている方についてもこのプロジェクトに参加いただいて活動していただくということをこれから進めていく予定にしております。
また、認定農業者の女性の割合が低いというお話について、夫婦で認定農業者になっていただくということのメリットなどを伝えるなどによる働きかけを行っております。
また、家族経営協定につきまして、高齢化が進んでいて離農する方も増えているがというようなお話をいただきましたが、締結理由が経営継承である方が最も多く24.3%となっておりまして、有効に活用いただいていると認識しております。
また、治部先生からは加工について支援がないかというお話をいただきました。女性グループ活動などで加工の取組をしていただく方々への支援をさせていただいておりますし、農業高校、農業大学校で加工の取組を活発にしていただいていると認識しております。
佐々木先生からは、スマート農業などについて農業高校の女子生徒の方の取組をというお話をいただきました。御指摘のとおり、農業高校では女子生徒さんが48%ということで割合高くなっているかなと思います。女子生徒の方のみの対策ではないのですけれども、今、農業高校に対してはスマート農業や有機農業の取組を重点的に支援させていただいておりまして、女性の生徒の皆さんにも取り組んでいただいているところです。
それから、徳倉先生からは水産業、林業についても含めてという貴重な御指摘をいただきました。おっしゃるとおり、今後お示ししていきたいと思います。
それから、山口先生から、農業委員や農協の役員の目標が高いのではないか、ギャップがあるのではないかという御指摘をいただきました。確かに今日お示ししたグラフはかなり目標に対してギャップがあるように見えるのですけれども、早期にという目標では農業委員で20%、農協役員で10%ということで、農協役員については暫定値ですけれども10%を超えているということで、着実に取組が進んできているのかなと思っております。これは働きかけをやはりトップの方に、首長とか農協組合長といったトップの理解が進んでいるところは女性役員等の登用が高い傾向にあると認識しており、トップの意識改革が非常に重要だと我々は考えておりまして、来年度は、全国リーダーサミットというような形で、トップの意識改革に力を入れていこうと考えております。
それから、女性の農業参画への関心を高めるため、アンコンシャス・バイアスについてのビデオを作って啓発をしていきたいと考えております。
鈴木先生から貴重な御意見をいただいて、ありがとうございます。応援メッセージだと受け止めさせていただきます。
それから、山田会長からも、農家の嫁を前提とした状況ではなかなかというお話をいただきました。農業女子プロジェクトでは、農家の嫁とかつて言われていた方々が非常に活躍に活動されておられ、家を飛び出して、絵本を出版したり、加工の会社を立ち上げたり、全国レベルで社長業として、経営者として活躍されている方がたくさんいらっしゃいます。こういった方々がロールモデルとして全国の農業女子の皆様の活躍をさらに後押しをしていただいていると認識しておりまして、今後ともこうした活動にしっかり取り組んでまいります。
以上です。ありがとうございます。
○山田会長 ありがとうございます。
では、内閣府の古屋様、お願いします。
○古屋参事官 内閣府障害者施策担当の古屋でございます。
御意見は2点いただいたかと思います。
まず、佐々木委員からいただいた御意見でございますが、障害のある方の当事者研究というのが大事で、あと、当事者の方が大学の教員等、研究者になられるという環境が大事で、特に男女で差が出ないようにというような御指摘をいただいたかと思います。
残念ですけれども、文部科学省の調査で大学教員の調査はあるのですけれども、障害の有無別といったものは把握していないところでございます。ただ、こうした中にあっても、障害のある研究者といった方で女性の研究者で活躍されている方もいらっしゃいまして、日本未来科学研究所の浅川智恵子さんという方で研究されている方がいらっしゃいますけれども、この方は障害者政策委員会の委員に入っていただいているのと、立命館大学の客員研究員をされている臼井久実子さんという方を障害者政策委員会の委員として入れているところでございます。
また、私どもとしては、男女間の差というのもさることながら、障害のある方が研究者になるに当たって一番重要なのは情報保障の部分だと考えております。こういった情報保障をしっかりやるということと、大学の側で障害のある学生に対してしっかりと合理的配慮が行われるという取組を進めていく必要があると認識しておって、取組を進めていきたいと考えております。
あともう一点、2点目でございますけれども、鈴木委員から障害者自立支援法以降の給付費の話はございました。こちらは厚生労働省が制度所管ではございますが、手元の数字で申し上げますと、知的障害のある方については2005年と比較して2016年は2.3倍、それから、精神障害のある方については2008年と比較して2020年で2.2倍という形で、障害のある方が大分増えてきているというところがございます。こういったところについて、それぞれの障害が認知されてきたというところと、障害を受容しやすい環境が整ってきたということもあるところでございます。問題意識については厚生労働省にも伝えたいと思っております。
以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
続きまして、外務省の古本様、お願いいたします。
○古本室長 外務省の古本です。
小林委員からCEDAWについて御質問いただきましたので、お答えさせていただきます。CEDAW、女子差別撤廃委員会によります日本の女子差別撤廃条約の実施状況に関する最終見解についてでございますが、日本としては勧告の内容を十分に検討して、必要に応じて適切に対応していくこととしております。
一方で、最終見解には審査において日本側が行った説明が反映されていない記述が含まれているということがございまして、このような記述については大変遺憾であって、委員会側に対して累次にわたって強く抗議するとともに、削除の申し入れというものをしてきております。
特に確定版として公表された最終見解においても、皇室典範の改正に係る勧告が維持されていたという点については、皇位に就く資格は基本的に人権に含まれていないことから、皇室典範において皇位継承資格が男系男子に限定されていることは女子差別撤廃条約にいう女子に対する差別には該当せず、また、皇位の継承の在り方、国家の基本に関わる事項であるといったことから、この委員会が皇室典範について取り上げることは適当ではない。皇位継承に関する記述は受け入れられず、削除されるべきであるという日本の考えを改めて書面でも提出して、委員会のウェブサイトにも掲載させたというところです。
そして、さらにこの事案を重く受け止めて、委員からも御指摘いただきましたけれども、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に対して、用途を特定して毎年拠出している任意拠出金については、このOSCHRが委員会の事務を担っているということに鑑みて、その使途からCEDAWを除外すること、及び今年度に予定していましたこの委員会の委員の訪日プログラムについては実施を見合わせることとして、これを委員会に伝達したということがございました。
CEDAWに対して、審査のプロセス及び審査後にも日本の考え方を繰り返し丁寧に真摯に説明しましたが、それにもかかわらず、皇室典範に係る記述の削除要求が受け入れられなかったということを大変に遺憾なものとして受け止めておりまして、これを重く受け止めて、このような判断になったものでございます。
ただ、今回の措置はCEDAWによる皇室典範改正の勧告に対するものであります。日本としては、女性活躍・男女共同参画は全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を実現するとともに、日本の経済社会の持続的な発展に不可欠な要素であると考えておりまして、女子差別撤廃に向けたCEDAWとの協力というのも継続してまいります。条約の誠実な実施を通じて、女性に対するあらゆる差別の撤廃及び男女共同参画社会の早期実現に取り組むという日本の姿勢、立場に変わりはございませんし、こうした日本の姿勢は国際社会においても広く認識されているものと考えております。
VNRについて、一言だけ交代させていただきます。
○安藤課長 地球規模課題総括課長の安藤でございます。
鈴木先生のほうからSDGsの進捗状況報告(VNR)について言及いただきまして、ありがとうございました。まだ内容についてお答えできる段階ではないのですけれども、関係省庁さん、有識者の皆さんとよく連携してしっかり対応したいと思います。ありがとうございます。
○山田会長 ありがとうございます。
では、最後に男女共同参画局の片山様、お願いいたします。
○片山室長 男女局の片山でございます。
大きく2点ございます。
まず防災の関係でございますが、資料にお示ししておりましたように、防災危機管理部局の女性職員の割合をヒートマップで見える化しておりました。資料にあったのは都道府県別のものでございますが、実は市町村別のものもございまして、それぞれの地域自治体において自分のところは低いのだと。大抵はそうなのですけれども、そういう気づきを得るということと、その地域にそれぞれ住んでおられる方がそれを見て、自治体に対して、自分のところは低いのだ、何とかしたほうがいいのではないかと働きかけてもらうために作ったものでございます。
女性の視点からの防災のガイドラインには、男女比率を庁内全体の職員の男女比に近づけると確かに書いておりまして、こちらはうろ覚えなのですけれども、全国でならしてみますと、女性は大体3割ぐらいだったやに記憶はしておりますので、男女局で今後研修などするときには、そういった具体的な数値も出しながら、どれぐらい差があるのかというのがさらに分かるようにして取り組んでいきたいと思います。
それから、2つ目が世論調査について幾つか御指摘をいただいております。一つには両立支援策についてでございますが、設問では育児・介護休業制度ですとか短時間勤務制度などを例示で挙げておりますが、男女局の調査から、残念ながらそれぞれの制度についてどれぐらいニーズがあるかといったことが分からないような設計にはなっております。ひょっとすると、こども家庭庁など他省庁の調査に何かあるかもしれませんので、もし個別の制度について何か調べたものがあれば、お知らせはしたいと思います。山口先生がおっしゃっていたように、そもそも現在の制度が知られていない可能性も十分あり得るかとは存じております。
これ以外にも世論調査についてコメントをいただいておりましたけれども、次回の設問の設計に当たって参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○山田会長 ありがとうございます。
では、最後に男女共同参画局の上田様、お願いいたします。
○上田課長 計画の策定の進め方につきまして、徳倉先生から地方でも様々な主体があるというお話ですとか、それから、鈴木先生からも実際にどういうところでうまくいっていないのかということをきちんと認識した上でというお話がございました。この後、また進め方についても御説明といいますか、進めさせていただくことになると思うのですけれども、ぜひこれからの検討の中で、地方地域といいましても、御指摘のとおり、本当にいろいろな側面ですとか、制度だけではなく実際の取組でしたり、意識の面もございますし、あと、やはり様々起きている課題というものは根本的にどういうところが特に大きな原因になっているのかというところをきちんと認識した上で、そういったところが分かるように計画に分かりやすく書いていくということも非常に重要だと思っておりますので、ぜひ御相談させていただきながら進めていきたいと思っております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○山田会長 ありがとうございます。
それでは、質疑応答はこれまでといたします。活発な御議論をありがとうございました。
御説明いただいた府省におかれましては、退室いただいて結構です。ありがとうございます。
時間がかなり押しているのですけれども、ここで5分間休息を取りたいと思います。本当に終わる時間になっているのですが、まだ議題が残っておりますので、4時48分から開始させていただきます。よろしくお願いいたします。
(休 憩)
○山田会長 時間が押していまして申し訳ございません。
それでは、議事を再開いたします。
第6次男女共同参画基本計画策定に向けた大きな方向性、すなわちコンセプトについて議論を進めてまいります。
資料7は、これまでの本調査会での議論を踏まえて、第6次基本計画の策定における方向性について、私から依頼して事務局において議論のためのたたき台を作成していただきました。
第1回調査会でも説明があったとおり、今後、本調査会の下で「ワーキング・グループ」を開催し、第6次計画の策定に向けた「基本的な考え方」の取りまとめに向けた詳細な検討を進めていきたいと考えております。このコンセプトペーパーと本日委員の皆様からいただいた御意見は、ワーキング・グループにおける議論の土台としていただくものになります。
それでは、事務局から資料7の御説明をお願いいたします。
○岡田局長 男女共同参画局でございます。
時間も押しておりますので、簡単に説明させていただきます。
今、会長からもお話しいただきましたけれども、12月の諮問以降、男女共同参画会議専門調査会で議論いただいてまいりました。今後、ワーキング・グループで詳細な検討を行っていただくに当たりまして、今日の専門調査会において大きな方向性を議論していただくたたき台としての位置づけの資料でございます。
今の5次計画でありますけれども、第1部の基本的な方針としまして、男女共同参画基本計画が目指すべき社会は何か、また、社会情勢・現状、5次計画における基本的な視点と取り組むべき事項などが整理されております。
これまで専門調査会では、今日もそうですけれども、5次計画のフォローアップとして議論してきていただきましたけれども、この資料は6次計画策定に向けて改めて計画が目指すべき社会、これは上の四角の中であります。次の四角の中で、策定に向けて留意すべき社会情勢・現状、そして、次のページでは基本的な視点と取り組むべき事項等を記載したものでございます。
1枚戻っていただきまして、男女共同参画基本計画が目指すべき社会としましては、現行計画において目指すべき社会としてきたものは、第6次計画においてもこれまでと同様に目指すべき社会であるといたしまして、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳを掲げてございます。
留意すべき社会情勢・現状といたしましては、ご覧のとおり、5つに大きく整理しております。これまでに大きな変化があったもの、また、変化がなかったものもございますことから、ここでは項目を掲げてございます。
次のスライドでございます。
第6次計画策定において基本的な視点と取り組むべき事項については、まず全体を通した考え方といたしまして、全ての人が性別にかかわらず自らの個性と能力を十分に発揮し、生きがいを感じられる社会を実現するとともに、我が国の経済社会にイノベーションをもたらし持続的な発展の確保にも資するよう、次世代に向けたメッセージも念頭に置きながら取り組むといたしております。
後ほど別途説明させていただきますけれども、今後、基本的な考え方の取りまとめに向けまして、本調査会の下に3つのワーキング・グループを開催することを想定しておりまして、どのワーキング・グループで議論を深めていただくことになるか、番号をつけてございます。
基本的な視点と取り組むべき事項について、8項目に整理をしてございます。全てを読み上げることはいたしませんけれども、これら8項目は相互に関連すると考えてございます。
説明は以上でございます。
○山田会長 ありがとうございます。
これから意見交換ということになるのですが、時間が大変押しておりますので、基本的にはメールで事務局宛てに御意見を送っていただければありがたいと思います。
この場でどうしても聞いておきたい、発言しておきたいということがあれば、挙手いただければと思います。
よろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。
ありがとうございます。
議事進行に御協力ありがとうございます。
では、大変恐縮ですが、時間の都合上、ここまでとさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げたように、コンセプトペーパーについて御意見がある委員は、事務局にメールでお寄せいただければと思います。
今後、コンセプトペーパーに関しましては、本日いただいた御意見を含め、ワーキング・グループにおいてさらに議論を深めていただきたいと思います。
それでは、今申し上げたワーキング・グループの開催など、今後の進め方について事務局から御説明をお願いいたします。
○岡田局長 男女共同参画局でございます。
今日の参考資料3にありますように、この専門調査会には必要に応じワーキング・グループを設置し、専門調査会での議論を踏まえた詳細な検討を行って、その結果を取りまとめて専門調査会に報告するとされてございます。
基本的な考え方の取りまとめに向けまして、この調査会の下に3つのワーキング・グループを開催し、詳細な検討を行って、その結果を取りまとめて、また専門調査会に報告していただくということでございます。
3つのワーキング・グループでの検討事項は、この資料8に記載のとおりでございます。ワーキング・グループ1、基本構想のワーキング・グループ。ワーキング・グループ2、人材・地域・意識のワーキング・グループ。ワーキング・グループ3、安全・安心のワーキング・グループということでございます。
今後のスケジュールでございます。下のほうでございますけれども、2月下旬以降、ワーキング・グループを順次開催していきまして、4月頃、各ワーキング・グループにおける検討状況を調査会に報告をいただきます。さらに、夏頃にも調査会にワーキング・グループから報告をいただく予定でございます。
また、構成につきましては別添資料のとおりでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○山田会長 ありがとうございます。
ただいまの御説明のとおり、今後ワーキング・グループで各分野の議論を深めていただいた上で、さらに調査会としての議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今日小西委員は御欠席なのですが、鈴木委員、徳倉委員、小西委員におかれましては、ワーキング・グループの座長として本専門調査会における議論の内容をしっかりお伝えいただくとともに、議論の取りまとめのほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、井上委員より書面により意見が提出されたため、事務局から出席者に送付しておりますので、御確認いただければと思います。提出のあった意見書については、会議資料として内閣府の男女共同参画局ホームページにて公開いたします。
議事への協力、ありがとうございます。
何かありますでしょうか。
では、特になければ、これで本日の会議は以上となります。
納米委員、申し訳ありません。見逃していました。
○納米委員 いえ、先ほどのコンセプトペーパーへの意見なのですけれども、メールで事務局へということでしたが、質問させていただいたり意見を申し上げて、それへのお答えというのはこの専門調査会の議事録というような形で残っていくのでしょうか。それとも、委員と事務局とのやり取りというものなのでしょうか。そこを教えていただければと思います。
○山田会長 ありがとうございます。
○岡田局長 ワーキングでお伝えいただきたいということであれば、今後、ワーキング・グループの中で、納米先生をはじめ、今日の専門調査会でこのような御議論をいただきましたということをお伝えし、そういった御質問を踏まえてさらに議論を進めていくということにさせていただければと思いますし、今の段階では特に手を挙げていただいた先生はいらっしゃいませんけれども、ぜひここでということがおありでしたら、今お話しいただけますと、ほかの専門調査会の委員の先生方にもお聞きいただけるかと思います。
○山田会長 納米委員、いかがいたしましょうか。
○納米委員 承知いたしました。
○山田会長 よろしいですか。ありがとうございます。
ほかにありませんでしょうか。
では、本当に3時間、長い間お疲れさまでした。これで会議は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。お疲れさまでした。