- 日時: 平成24年8月6日(月) 16:00~18:00
- 場所: 中央合同庁舎4号館1208会議室
議題
- チーム活動の確認について
- WEPsの実行プロセスの検証について
- 今後のアクションについて
- その他
参加者
(チームメンバー)
- 國井秀子議員、 石川康晴議員、 牛尾奈緒美議員、 北村真夕美議員、 黒田玲子議員、 河野真矢子議員、 羽入佐和子議員、 横田響子議員、 浅野万里子議員、 伊藤清彦議員、 平川真理子議員、 三宅定子議員、 宿谷昇司議員、 平田美穂議員、 吉川稻議員、 紙谷雅子議員、 細島芳議員、 三輪敦子議員
(国連関係機関)
- WEPsリーダーズ・グループ・メンバー 岩田喜美枝氏、 一般社団法人グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク 宮本武事務局長、 UN Women日本事務所 ミユキ・ケルクホフ所長代行
(学識者)
- 江橋崇 法政大学現代法研究所国連グローバル・コンパクト研究センター長、 斎藤悦子 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科准教授
(WEPs署名企業)
- 黒瀬友佳子 帝人株式会社CSR企画室長
(各府省)
- 中川男女共同参画担当大臣、 岡島内閣府男女共同参画局長、 武川内閣府大臣官房審議官、 木下内閣府男女共同参画局総務課長、 金子内閣府男女共同参画局総務課推進官、 河上内閣府男女共同参画局総務課政策企画調査官、 大谷金融庁総務企画局企業開示課課長補佐、 森實厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課調査官、 坂本経済産業省経済産業政策局経済社会政策室企画調査官
議事概要
(挨拶)
○冒頭、中川 男女共同参画担当大臣より挨拶があった。
(チーム活動の確認について)
○事務局より、資料1-1、1-2に基づき説明後、意見交換が行われた。
○ 出席者の主な意見交換内容は以下のとおり。
- 大学は教育だけでなく、研究機能も重要であり、WEPs推進にも研究の裏付けが必要。資料にある「教育機関」の表現は、「教育研究機関」とした方がよい。
- 「エンパワーメント」や「インクルージョン」等の用語は、理解が難しいのではないか。
→リーフレットでは、カタカナ語を可能な限り平易な日本語に訳したが、的確な日本語訳が難しい語も残っている。企業内でも使われている言葉であり、WEPsを詳しく説明する中で理解を進めることとしたい。 - 規模や業種を問わずすべての企業がメリットを共有するというWEPsの理念の中味を、署名企業、サプライチェーンの末端に位置する企業等、立場が違う企業との関連で具体的に理解する必要があると思う。
- 中小企業は大企業と比べ、経営者主導で機動的に取り組むことができるが、リーフレットだけでは理解が難しいと思う。中小企業向けの分かりやすいサブテキストを作成する等の工夫が必要ではないか。
- 国連グローバル・コンパクト(UNGC)でもCSRでも、大企業と中小企業の取り組み方の差異に関する議論がある。UNGCもWEPsも主な大企業がターゲットであることは疑いないが、大企業は担当部局等から積み上げて意思決定するところが多い一方、日・中・韓の東アジア諸国では、元気の良い中小企業の経営者が「トップコミットメント」とビジネスを結びつけて展開し、大きな成果を挙げている。WEPsは大企業も中小企業もターゲットにしているといえるだろう。
- 国際的な取組は、地方の企業ではなかなかイメージが難しい。地方において強いネットワークを持つ商工会議所、男女共同参画会議に働きかけ、詳しい説明をしてはどうか。
- 本年11月にメキシコで「Women Vendors Exhibition and Forum」という会合がある。WEPs署名企業が、ビジネスの拡大化を念頭においている女性の小売り業者とつなぐきっかけをつくる展示会であり、サプライチェーンにおけるWEPs実践を目指した取り組みとして位置づけることができる。こうした活動により、規模や業種を問わず、すべての企業にWEPsが利益をもたらすことになるのだと思う。
(WEPsの実行プロセスの検証について)
○黒瀬友佳子氏より、資料2-2に基づき、帝人株式会社における取組について説明が行われ、その後質疑応答が行われた。
○主な質疑応答内容は以下のとおり。
- WEPs7原則のうち原則5(サプライチェーン、マーケティング活動)の実行には困難な部分が多いのではないか。
→この分野は難しく、帝人ではサプライチェーンにCSR調達のアンケートをお願いしているが、重要な調達条件として女性のエンパワーメントの項目を盛り込むのは困難。同価格・同条件の調達であれば女性経営者企業を優先する、という程度の取組は可能ではないか。 - ポジティブ・アクションの推進に当たり、女性は経験が不十分であり、仕事の割り振りにおいて差別を受けやすい。女性社員の育成に何か工夫をしているか。
→2003~2005年に「女性幹部育成プログラム」を実施して意図的に幅広い経験ができる仕組を整え、2011年からは管理職が自分の未来の後継者名を挙げて育成する「サクセションプラン」に女性も指名する取組を開始した。 - WEPs署名後、取引先や消費者に対しアピールを行っているか。
→プレスリリースやウェブサイトへの掲載を行った。学生には知られているが、一般消費者には知られていないだろう。
○石川康晴議員より、株式会社クロスカンパニーにおける取組について説明が行われた。
- 署名の経緯は、平成23年度男女共同参画推進連携会議ポジティブ・アクション小委員会でWEPsを知り、署名を決めた。3月からUN WOMEN本部(米国)と手続きを始め、やりとりをしたが、問合せに対する反応が遅い等のストレスがあった。その後UN WOMEN日本事務所を通じて手続きを進めたが、メールトラブル等によりスムーズさに欠けた。窓口での適切なサポートが求められる。
- 署名後、原則5にあるとおり、サプライチェーン、海外の生産工場の労働環境の問題を発見し、相手方の商社に対してレポートの義務を課した。これはWEPsにより認識を新たにさせられた視点であった。
- 私自身も、縁のある企業にWEPs署名を薦めている。署名に関する初期のサポートがあれば、署名が進むと感じている。
- 社内では、2012年度から女性だけの事業部を立ち上げて業績が好調。短時間正社員は現在25~35歳の女性の50人が在籍している。
- 日本国内の同業者、百貨店等の取引先、地元の経済界に積極的に署名を働きかけていきたい。
○その後、意見交換が行われた。主な内容は以下のとおり。
- WEPs署名を通して、海外の労働実態に関心が向けられたとの報告は、大変興味深い。
- 石川議員の取組は、トップが関わらないとできないこと。取組の実践をチーム活動として共有していきたい。
(今後のアクションについて)
○事務局より、資料3に基づき説明後、意見交換が行われ、当チーム活動の今後のアクションを資料3のとおり決定した。
○出席者の主な意見交換内容は以下のとおり。
- メンバーが企業への働きかけを行うとは、具体的にどのように行うのか。
→企画委員と働きかけを行う企業を相談する。その後、チームメンバーにアンバサダー活動として積極的に各企業へ行っていただきたい。 - 団体の傘下企業に周知する等、できるだけ前向きに取り組みたい。
- 各地方支部とは上下関係にないため、中央から指示はできない。事務局長会議等の場を通じて周知をしていきたい。
- 団体のウェブサイトで周知したい。地方の中小企業は、法人会連合会や市町村を通じた働きかけの効果が大きい。
- 団体の中央組織だけで進めるのは難しいが、役員会に説明に来てもらうと理解が進むだろう。経済産業省から働きかけてもらうとより良い。
- 特に中小企業がWEPsについて相談しやすいよう、経済産業省、中小企業庁といった関係省庁からの働きかけや、相談窓口を一本化した対応をお願いしたい。
- 「『女性の活用促進による経済活性化』行動計画」にある「企業の情報開示を強力に推進する」において目標とされている約5,000社は、WEPsも理解されやすいと思う。これらへの周知は効果的ではないか。
- 厚生労働省の均等推進企業表彰、日本経済新聞主催の子育て大賞、日経ウーマンや東洋経済等のランキングから、働きかけ対象企業を選定するのも良い。
- WEPsの取組は、UNGC参加企業に働きかけるのが効果的だと思われる。私たちの研究機関は、研究機関として本チーム等とも連携して、国内のUNGC参加企業にWEPsの意義について説明して、理解を深める取組をしたい。
- GC-JNとしては、GC-JN加入企業・団体に対し、WEPs の紹介を行い署名を働きかけてゆきたい。
- マスメディア、女性の活躍表彰を行っている企業に署名を促し、WEPsを取材に入れてもらうとよい。
- 署名に関する社内外への広報が必要。
- 男性のメリットについても共有した方がよい。
- メリットだけ訴求しても進まない。グローバル社会で署名をしないリスクとセットにして理解を促す方がよい。
- 署名はスタートで、署名を機に女性のエンパワーメントの取組を拡大していけるかが重要。
- 女性従業員のパイプラインを作ることが必要で、女子学生にもWEPsの意義を理解してもらうことが大事
- 学生が、WEPsに署名した企業を就職先に選ぶようにしていきたい。署名企業のマークを考えて、マークを取得した企業が応募の指針の一つとなるとよい。
- ステークホルダーとして、消費者のアプローチは考えられないか。
(その他)
○経済産業省より、「ダイバーシティ企業100選」について説明があった。
○次回会合の開催について、10月頃に行うことで調整することとした。