第4章 戦略目標及び行動 D 女性に対する暴力

D 女性に対する暴力

112.
女性に対する暴力は,平等,開発及び平和という目標の達成を阻む障害である。女性に対する暴力は,女性による自らの人権及び基本的自由の享受を侵害するとともに,これらを減じ,又は無にする。女性に対する暴力の問題における上記の権利と自由の保護・促進に対する長年の怠慢は,あらゆる国家の懸案事項であり,対処が必要である。その原因と結果に関する知識は,その発生率及び対策とともに,ナイロビ会議以来,著しく増大してきた。あらゆる社会において,女性及び少女は多かれ少なかれ,収入,階級及び文化の境界を越えて,肉体的,性的及び心理的虐待にさらされている。女性の社会的及び経済的に低い地位は,女性に対する暴力の原因にも結果にもなり得る。
113.
「女性に対する暴力」という言葉は,起きる場所の公私を問わず,女性に肉体的,性的又は心理的な傷害若しくは苦しみをもたらす,若しくはもたらすおそれのある,ジェンダーに基づくいかなる暴力行為をも意味し,そのような行為をすると脅すこと,強制又は自由の恣意的な剥奪をも含む。したがって,女性に対する暴力は以下のものを包含するが,これらだけに限られるものではない。
(a)
家庭内の女児に対する殴打や性的虐待,持参金に関した暴力,夫婦間のレイプ,女性器の切除やその他女性に有害な伝統的習慣,配偶者以外による暴力及び搾取絡みの暴力を含む,家庭内で起こる肉体的,性的及び心理的暴力。
(b)
職場,教育機関その他の場所におけるレイプ,性的虐待,セクシュアル・ハラスメント及び威嚇,並びに女性の人身売買及び強制売春を含む,地域社会全般で起こる肉体的,性的及び心理的暴力。
(c)
起きる場所の如何を問わず,国家が犯し又は許す肉体的,性的及び心理的暴力。
114.
女性に対するその他の暴力行為には,武力紛争下における女性の人権の侵害,特に殺人,組織的レイプ,性的奴隷化及び強制妊娠がある。
115.
女性に対する暴力行為には,また,強制的な不妊化及び強制的な妊娠中絶,避妊薬の強制的使用,女の乳児殺し及び胎児期の性選別もある。
116.
少数民族・人種のグループに属する女性,先住民女性,難民女性,女性移住労働者を含む移住女性,農村地域又は僻地で暮らす貧困女性,貧窮女性,施設に収容中又は拘留中の女性,女児,障害を持つ女性,高齢女性,避難民女性,本国帰還女性,貧困の中で暮らす女性,並びに人質をとることも含め,武力紛争,外国の占領,侵略戦争,内戦及びテロリズムの状況下にある女性など,いくつかのグループの女性も特に暴力を受けやすい。
117.
家庭内のものであれ地域社会で起きるものであれ,又は国家が犯す若しくは許すものであれ,暴力行為又は暴力を振るうというおどしは,女性の生活に恐怖と不安を植えつけ,平等の達成を阻み,また開発及び平和の障害になっている。嫌がらせを含む暴力の恐怖は,女性の機動性に対する永遠の束縛であり,資源及び基本的な活動への女性のアクセスを制限する。個人と社会が負わされる社会,保健及び経済面の高いコストは,女性に対する暴力と関連している。女性に対する暴力は,女性を男性と比べて従属的な地位に追い込んでいる重大な社会的仕組みの一つである。多くの場合,女性及び少女に対する暴力は家族間又は家庭内で起こるが,そこではしばしば暴力が黙認される。家族その他の同居人による女児及び女性に対する無視,身体的・性的虐待及びレイプ,並びに夫婦間及び非夫婦間の虐待の発生は,しばしば通報されず,それゆえに発見しにくい。そのような暴力が通報された場合ですら,被害者の保護又は加害者の処罰は怠られることが多い。
118.
女性に対する暴力は,歴史的に不平等な男女の力関係の表われであり,それは男性による女性への支配と差別に導き,女性の完全な地位向上を妨げてきた。全ライフサイクルを通じた女性への暴力は,基本的には,文化様式,特に,家庭,職場,地域及び社会において女性に与えられた男性より低い地位を永続させる,伝統的若しくは慣習的慣行,及び人種,性,言語又は宗教と関連する過激主義のあらゆる行為の有害な影響から生じる。女性に対する暴力は,女性に対し行われてきた特定の行為への非難を恥とすることに顕著に見られる社会的圧力,女性の法的な情報,支援又は保護へのアクセスの欠如,女性に対する暴力を効果的に禁ずる法律の欠如,既存の法律を改正することへの怠慢,既存の法律に対する認識の促進とその施行に向けた政府当局の努力不足,及び暴力の原因と結果に対処するための教育的その他の手段の欠如によって助長されている。メディアにおける女性への暴力描写,特にレイプまたは性的奴隷状態を描いたものが,ポルノグラフィなど,女性及び少女をセックスの対象物として扱うやり方とともに,後を絶たない暴力の横行を助長する要因で,地域社会全般,特に子どもと若者に悪影響を及ぼしている。
119.
女性に対する暴力のない家庭,地域社会及び国を促進するというやり甲斐のある課題への,多くの学問領域にわたる全体論的アプローチの開発は,必要であり,かつ達成できることである。女性と男性の間の平等,協力及び人間の尊厳に対する敬意は,社会化の過程のあらゆる段階に浸透しなければならない。教育制度は,自己矜持,女性と男性の間の互いへの尊敬及び協力を促進すべきである。
120.
暴力の発生に関する男女別の十分なデータと統計の欠如が,入念な計画の策定と変化の監視を困難にしている。家庭内暴力,職場を含む公私の場におけるセクシュアル・ハラスメント,並びに女性及び少女に対する暴力に関する資料及び調査研究の欠如または不足が,明確な介入戦略を企画しようとする取組みを妨げている。女性と男性はあらゆる形態の暴力に打ち勝つために動員することができ,また,暴力の原因と結果の双方に対処するための有効な公的措置が取られ得ることは,いくつもの国の経験が示すところである。ジェンダーに基づく暴力に対決して結集する男性団体が,変革のために必要な同盟者なのである。
121.
紛争下及び非紛争下の双方において,往々にして女性は権力を持つ立場にある者が犯す暴力を受けやすい。すべての公務員に人道法及び人権法の訓練を施し,女性に暴力行為を加えた者を処罰するならば,警察官,刑務官及び保安部隊を含む,女性が信頼を置き得てしかるべき公務員の手によってそのような暴力が起きることのないよう保障する一助になるだろう。
122.
セックス産業に向けた女性及び少女の人身売買の効果的な抑止は,火急の国際的関心事である。1949年の「人身売買及び他人の売春による搾取の禁止に関する条約」(注20)その他の関連文書の実施状況を見直して,強化する必要がある。国際的な売春及び人身売買網における女性の利用は,国際的組織犯罪の重要な焦点になっている。女性及び少女の人権及び基本的自由に対する侵害の追加原因としてこれらの行為を調査した女性に対する暴力に関する「人権委員会特別報告者」には,その権限内で,強制売春,レイプ,性的虐待及びセックスツアーの問題とともに,セックス産業のための国際的人身売買の問題にも緊急事項として対処することが懇請される。この国際的取引の犠牲者である女性及び少女は,望まない妊娠,HIV/AIDSへの感染を含む性感染症とともに,更なる暴力の一層の危険にさらされている。
123.
女性に対する暴力に対処するに当たり,政府及びその他の行為者は,決定が下される前に,それらが女性及び男性それぞれに及ぼす影響の分析がなされるよう,あらゆる政策及び計画の中心にジェンダーの視点を据える,積極的で目に見える政策を促進すべきである。

戦略目標D.1. 女性に対する暴力を防止し根絶するために,総合的な対策を取ること

取るべき行動

124.
政府により:
(a)
女性に対する暴力を非難し,慣習,伝統又は宗教的配慮を理由に,「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」に述べられた暴力廃絶に関する自国の義務を回避しないこと。
(b)
女性に対する暴力に携わることをやめ,国家によって行われるものであれ私人の犯行であれ,女性に対する暴力行為を防止し,調査し,国内法に則って処罰するよう,しかるべき義務を履行すること。
(c)
家庭,職場,地域,又は社会であれ,またその形態を問わず暴力を受けた女性及び少女に対する不正を処罰し是正するために,国内法における刑事,民事,労働及び行政上の制裁を制定及び/又は強化すること。
(d)
暴力の予防及び加害者の訴追に重点を置きつつ,女性に対する暴力を廃絶する上でのその有効性を確保するため,法律を制定及び/又は実施し,定期的に見直し,分析すること。暴力を受けた女性の保護,被害者に対する補償,賠償及び治癒へのアクセスを含む公正かつ有効な救済方法,並びに加害者の社会復帰訓練を保障するための措置を講じること。
(e)
「世界人権宣言」(注21),「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(注13),「経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約」(注13)並びに「拷問禁止条約」(注23)に盛り込まれているものを含む,女性に対する暴力に関する国際的人権規範及び文書を批准及び/又は実施するよう積極的に努めること。
(f)
第11回女子差別撤廃委員会で採択された一般的勧告19(注23)を考慮に入れつつ,「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」を実施すること。
(g)
女性に対する暴力に関するあらゆる政策及び計画の中心にジェンダーの視点を据える積極的で目に見える政策を促進し,法執行官,警察職員,司法職員,医療従事者及びソーシャル・ワーカー,並びに少数民族,移住者及び難民の問題を扱う担当者など,これらの政策の実施に責任を持つ者の間の,女性に対する暴力の原因,結果及びメカニズムに関する知識と理解を増すための施策及びプログラムを積極的に奨励・支援・実施して,暴力の被害女性をジェンダーに無神経な法律又は司法若しくは執行慣行のために再び犠牲者にすることが起こらないよう保障する戦略を開発すること。
(h)
暴力を受けた女性に対し,司法機構へのアクセス,及び国内法で規定されている,被った被害に対する公正かつ有効な救済方法へのアクセスを提供するとともに,女性に対しそのような機構を通じて是正を求める際の彼らの権利を知らせること。
(i)
女性器の切除,女の胎児殺し,胎児期の性選別,及び持参金絡みの暴力といった女性に対する暴力的慣行及び行為の加害者を処罰する法律を制定し施行するとともに,非政府及びコミュニティ機関による,そのような慣行を撤廃する努力に強力な支援を与えること。
(j)
あらゆる適切なレベルにおいて,女性に対する暴力を撤廃するための行動計画を策定し,実施すること。
(k)
男性及び女性の社会的及び文化的な行動パターンを修正し,男女いずれかの優劣の観念と固定観念化した男女の役割に基づいた偏見,慣習その他のあらゆる慣行を撤廃するために,特に教育分野においてあらゆる適切な施策を採用すること。
(l)
暴力行為を受けた場合に,女性及び少女が,処罰や報復のおそれのない安全で秘密の守られる環境で通報し,告訴することができるよう,制度的な仕組みを設置又は強化すること。
(m)
障害を持つ女性が,女性に対する暴力の分野における情報及びサービスへのアクセスを保障すること。
(n)
暴力の被害女性に対する公正な取り扱いが保障されるよう,女性に対する暴力につながる権力の濫用を斥け,ジェンダーに基づく暴力の行使と威嚇の性質に対する司法,法曹,医療,社会,教育,警察,及び入国監理の職員の感受性を養うための訓練プログラムを,適当な場合,創設,改良または開発し,並びに資金を提供すること。
(o)
任務の遂行過程で女性に対し暴力行為を行った,警察,保安部隊その他のいかなる国家公務員をも処罰する既存の法律を強化し,必要な場合には新たに制定すること。また,既存の法律を見直し,そのような暴力の加害者に対処する効果的な措置を講じること。
(p)
あらゆる適切なレベルでの行動計画の実施に向けた資源も含め,女性に対する暴力根絶に関する活動のために,政府予算内で十分な資源を配分するとともに,地域社会の資源を動員すること。
(q)
国連の関連人権文書の規定に従って提出する報告書に,女性への暴力に関する情報と「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」を実施するために取った措置を含めること。
(r)
女性に対する暴力に関する人権委員会特別報告者が任務を遂行するに当たって協力及び支援し,要求されるすべての情報を提供すること。また,拷問に関する人権委員会特別報告者及び即決,非合法的及び恣意的処刑に関する人権委員会特別報告者など,女性に対する暴力に関して権限を持つ,その他の機構とも協力すること。
(s)
1997年に女性に対する暴力に関する特別報告者の任期が切れる際に,人権委員会がその更新をするよう勧告し,また,もし承認されれば,その権限を現状に即したものとし,かつ強化するよう勧告すること。
125.
地方政府を含む政府,地域団体,非政府機関,教育機関,公共部門及び民間部門,特に企業,並びに適当な場合,メディアにより:
(a)
暴力を受けた少女及び女性に対し,医療面,心理面その他のカウンセリング・サービスとともに十分な資金を与えられた避難所及び救援物資,さらに必要な場合には,無料または低料金の法的支援,並びに彼らが生計手段を見つけることができるようにするための適切な支援を提供すること。
(b)
ジェンダーに基づく暴力の被害者になった,女性移住労働者を含む移住女性及び少女のために,言語的及び文化的に利用可能なサービスを設けること。
(c)
境遇につけ込んで利用することもある雇用主によって,受入れ国における自らの法的地位を左右されてしまう,女性移住労働者を含む移住女性の,暴力その他の形の虐待を受けやすい立場を認識すること。
(d)
女性への暴力の問題に関する意識を啓発し,その根絶に寄与する,世界中の女性組織及び非政府機関の率先活動を支援すること。
(e)
女性に対する暴力に関して,女性が自らの人権の享受に対する侵害として意識するよう啓発するために,地域社会に基礎を置く教育・訓練キャンペーンを組織し支援し,かつ資金を提供すること。また,ジェンダーに配慮する,適切な伝統的及び革新的な紛争解決法の利用に向けて,地域社会を動員すること。
(f)
プライマリー・ヘルスケア・センター,家族計画センター,既存の学校保健サービス,母子保護サービス,移住家族のためのセンターなどのような中間的な施設が,虐待に関する情報及び教育の分野に果たす基本的役割を認識し,支援し,促進すること。
(g)
少女と少年並びに女性と男性に,家庭,地域社会及び社会における暴力の個人的,社会的な悪影響に対する感受性を養わせるための情報キャンペーン及び教育・訓練プログラムを編成し,資金を提供すること。暴力を伴わない意思疎通の仕方を彼らに教え,暴力の被害者及び潜在的な被害者のために,そのような暴力から自分自身と他を守られるようにする訓練を促進すること。
(h)
暴力の被害を受けた女性と家族が利用できる援助に関する情報を普及すること。
(i)
暴力の加害者に対するカウンセリング及び社会復帰訓練プログラムを提供し奨励し,資金を提供するとともに,そのような暴力の再発を防ぐために,そうしたカウンセリングと社会復帰訓練に関する取組みを進めるための研究を促進すること。
(j)
非固定的な女性及び男性像の促進と暴力を招くメディアの表現パターンの撤廃に対するメディアの責任について意識を啓発し,メディアの内容に責任のある人々に対して,職業的な指針及び行動規範を確立するよう奨励すること。また,女性に対する暴力の原因及び結果について人々に情報を与え,教育し,及びこの問題に関する一般大衆の議論の機運を盛り上げるメディアの重要な役割についての意識を啓発すること。
126.
適当な場合,政府,使用者,労働組合,地域団体及び青年団体,並びに非政府機関により:
(a)
あらゆる教育機関,職場その他の場所においてセクシュアル・ハラスメントその他の暴力を撤廃するためのプログラム及び手続きを開発すること。
(b)
犯罪を構成し,女性の人権に対する侵害である,女性に対する暴力行為に関する意識を養い,高めるためのプログラム及び手続きを開発すること。
(c)
虐待的な関係に巻き込まれてきた,又は現に巻き込まれている少女,思春期の女性及び若い女性,特に虐待が起こる家庭又は施設で暮らす者たちのためのカウンセリング,治癒及び支援のプログラムを開発すること。
(d)
特に,若い女性,難民女性,避難民女性及び国内避難民女性,障害を持つ女性及び女性移住労働者など弱い立場にある女性に対する暴力を根絶するために,既存のいずれの法律をも施行し,適当な場合,送出し国,受入れ国の双方において,女性移住労働者のために,更に新たな法律を開発する措置も含め,特別な措置を講じること。
127.
国連事務総長により:
女性に対する暴力に関する人権委員会特別報告者に対し,必要なあらゆる支援,特に,委任されたあらゆる機能を遂行するために,なかでも個別に,又は他の特別報告者及び作業部会と共同で着手した任務の遂行とフォロー・アップに当たって,必要な人員及び資源,並びに女子差別撤廃委員会及びすべての条約機関との定期的な協議のための十分な支援を提供すること
128.
政府,国際機関及び非政府機関により:
国連高等弁務官事務所(UNHCR)の「難民女性の保護に関する指針」及び「難民に対する性暴力の予防及び対応に関する指針」の普及と実施を奨励すること。

戦略目標D.2. 女性に対する暴力の原因及び結果並びに予防法の効果を研究すること

取るべき行動

129.
適当な場合,政府,地域機関,国連その他の国際機関,研究機関,女性団体及び青年団体,並びに非政府機関により:
(a)
特に,さまざまな形態の女性に対する暴力の蔓延に関連する家庭内暴力について調査研究を促進し,データを収集し,及び統計をまとめ,女性に対する暴力の原因,性質,重大性及び結果,更にその予防と是正を目指して実施された措置の効果に関する調査研究を奨励すること。
(b)
調査及び研究結果を広範に普及すること。
(c)
レイプなどの暴力が女性及び女児に及ぼす影響に関する調査研究を支援及び開始し,それによって得られた情報及び統計を一般の人々が利用できるようにすること。
(d)
ジェンダーに基づいた暴力と不平等を助長する商業広告が永続させているものを含め,固定観念化した性別役割の影響,及びそのような固定観念がライフサイクルを通じていかに伝えられていくかを検討し,暴力のない社会を推進するために,これらのマイナス・イメージを撤廃するための措置を講じるようメディアに奨励すること。

戦略目標D.3. 女性の人身売買を根絶し,売春及び人身売買による暴力の被害女性を支援すること

取るべき行動

130.
適当な場合,送出し国,経由国及び送先国の政府,地域機関及び国際機関により:
(a)
人身売買及び奴隷化に関する国際諸条約の批准及び施行を検討すること。
(b)
女性の人身売買を根絶するために,女性及び少女の権利に対する保護の改善,及び刑事・民事双方の措置を通じた加害者の処罰を目的として既存の法律を強化することも含め,売春その他の形態の性の商品化,強制結婚及び強制労働を目的とした女性及び少女の人身売買を助長する,外的要因を含む根本原因に対処する適切な施策を講じること。
(c)
国内,地域及び国際人身売買網を解体するために,すべての関連法施行当局及び機関による協力と協調行動を促進すること。
(d)
職業訓練,法的支援及び秘密が保持された保健対策を通じるなど,人身売買の犠牲者を癒し,社会復帰させるために設計された包括的なプログラムを提供するために資源を配分し,また,人身売買の犠牲者に対して社会的,医学的及び心理的ケアを提供するために非政府機関と協力する施策を講じること。
(e)
若い女性及び子どもの保護に特別の重点を置いて,教育・訓練プログラム及び政策を開発し,セックスツアー及び人身売買の防止を目的とする法律の制定を考慮すること。
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