第三部 「北京行動綱領」の重大問題領域の実施

5 権力及び意思決定における女性

(1)公的分野における女性の参画状況の低さ

女性が政策・方針決定の場へ参画することは、民主主義の要請であるだけでなく、各種の政策に女性の関心が反映されるための必要条件でもある。しかしながら、我が国では、公的分野でも、私的分野でも、女性の政策・方針決定の場への参画は大変後れた状態であるとかねてから指摘されており、UNDP(国連開発計画)によると日本は、HDI(人間開発指数)が世界第8位(測定が可能であった174か国中)であるが、GEM(ジェンダー・エンパワーメント測定)では第38位(同102か国中)に後退する。このような状況を受けて、女性国家公務員における採用、登用、職域拡大及び能力開発を一層促進するため、採用、昇進等の状況を定期的に調査・公表し、改善が必要とされた課題への取組を示した計画を策定することの検討について全省庁で取り組んでいる。

*注

  • HDI(人間開発指数);基本的な人間の能力が平均どこまで伸びたかを測るもので、その基礎となる「長寿を全うできる健康な生活」、「知識」及び「人並みの生活水準」の3つの側面の達成度の複合指数である。具体的には、平均寿命、教育水準(成人識字率と就学率)、国民所得を用いて算出している。なお、HDIは、国民全体の平均的な状況を表すもので、社会の様々なグループ間の不平等については考慮されていない。
  • GEM(ジェンダー開発指数);女性が積極的に経済界や政治生活に参加し、意思決定に参加できるかどうかを測るもの。HDIが能力の拡大に焦点を当てているのに対して、GEMは、そのような能力を活用し、人生のあらゆる機会を活用できるかどうかに焦点を当てている。具体的には、女性の稼得所得割合、専門職・技術職・管理職に占める女性の割合、国会議員に占める女性の割合を用いて算出している。
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