1. 質問状の趣旨・目的
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◇ 質問状は「北京行動綱領」の実施状況に関する各国政府の評価及び報告作業を助けるための枠組みを提供するため作成された。
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◇ 国連は、質問状を通じ各国政府から寄せられた「北京行動綱領」の実施状況に関する情報を分析し、その総合的な見直しと評価結果をまとめて、2000年3月の「第44回婦人の地位委員会」及び同年6月の国連特別総会「女性2000年会議」(於:ニューヨーク国連本部)に提出する。
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◇ 回答にあたっては、数量に力点をおいた情報より質的情報の提供が期待される。
2. 質問状の構成
- ◇ 質問状は3部から成る。また可能な限り関連データの提供が要請される。
第1部:当該国の「北京行動綱領」実施状況の動向を総合的に分析した簡潔な報告
- ○ 分量:英文3~6ページ→和文400字詰原稿用紙5~10枚検討。
- ○ 対象とする期間は1995年以降を中心とする。
- ○ 達成された成果と直面した障害のうち主要な具体例等を挙げて説明する。
- ○ 回答の柱立て例
- * 「行動綱領」の重大問題領域に関する国の優先事項は何だったか?
- * 国内行動計画・政策等の実施において、主要な達成事項は具体的にどのようなことだったか?
- * 男女平等及び女性の地位向上という目標は、他の公共政策目標との関連の中で優先事項として追求されているか?
- * ジェンダーの視点の主流化が最も成功した分野・最もうまくいかなかった分野はどれか。ジェンダー・アプローチが適用されているのは、どの部門か?(立法措置、政策、最良の実践例及び得られた教訓等の実例に即して説明)。
- * 1995年以降、政府の政策、国民一般の認識、メディア、学術機関において、男女平等及び女性の地位向上に対する関心に変化が見られたか?あれば変化の性質を具体的に説明。
第2部:国内行動計画の総合的な実施状況(特に財政・制度的措置に関して)
- ○ 回答の柱立て例
- ◆ 財政措置:国家予算において「平等及び女性の地位向上」はどのように扱われているかについて記述(女性に特定した政策・プログラムのために総予算から配分される割合。1995年以降の増加/減少の傾向。男女平等及び女性の地位向上の達成に関連する予算配分を監視するための取組み等)。
- ◆ 制度的措置:「北京行動綱領」のフォローアップを制度化するために整備された構造と仕組みについて記述(社会開発サミットやウィーンでの世界人権会議など、その他の会議のフォローアップのために同様の仕組みが設けられたか否か等)
- * 世界規模の諸会議のさまざまなフォローアップの取組みを調整するために行なわれた整備を記述
- * フォローアップ事業の立案及び具体化におけるNGOの役割を記述。(NGOのメンバーは、北京会議のフォローアップのために設けられた機構に公式に参加しているか等)
第3部:「北京行動綱領」の12重大問題領域の実施報告及び今後の展望について
- ○ 北京行動綱領」の12重大問題領域それぞれについて、国内における成果、直面した障害とその原因分析、将来的ビジョンを記述する。
- ○ 回答要領
- ◆ A.革新的な政策・プログラム・プロジェクト及び最良の実践例
- * 各領域における目標を達成するために、政府や民間部門によって取られた革新的な行動について
- * 国内行動計画やその他の関連計画に沿ってとられた、法的措置、改革、啓発活動、試行的プログラムの実例や、設定された目標の達成度について(閣僚に任命される女性の増加がどの程度達成されたか等)
- ◆ B.直面した障害
- * 各領域の施策を実施する過程で、直面した障害や、得られた教訓について
- ◆ C.更なる行動及びイニシアティブのコミットメント(公約)
- * 北京会議で政府が表明した公約の履行状況について
- * 北京会議以降、政府が行なった各重大問題領域における新たな公約とその実施状況について
- * 2000年以降の「北京行動綱領」の完全実施のために取るべきである又は取ることができる、と政府が信ずる更なる行動及びイニシアティブについての列挙。またその中で、政府が取るつもりであるものとその実行時期について
- * 新たな1000年間における女性の地位向上と女性のための平等に対するビジョンを簡潔に記述
3. 回答期限
- ◇1999年4月30日までに国連婦人の地位向上部へ提出する。