- 平成15年7月
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平成15年7月8日、国連女子差別撤廃委員会第29会期(於:ニューヨーク国連本部)において、わが国の第4回・5回実施状況報告が審査された。今回の審査は、1994年1月の第2 回・3回報告審査以来、9年半ぶりの審査となった。日本政府代表団としては、内閣府の坂東男女共同参画局長を首席代表に、警察庁、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省等よりなる総勢15名が出席し、約5時間半にわたる審査に対応した。
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審査は、冒頭、坂東首席代表より30分間、近年の主要な取組等についての報告を行い、その後は、22名の委員からの質問、意見に代表団が答える形で進められた。 (首席代表報告(英語)[PDF形式:38KB]
/(仮訳)[PDF形式:22KB]
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委員から多くの関心が寄せられた事項としては、条約の解釈、女性に対する暴力(家庭内暴力、トラフィッキング)、雇用問題(賃金格差、間接差別、パートタイム労働等)、意思決定 過程への女性の参加、選択議定書の批准、マイノリティ女性の問題、民法改正等がある。
審査の終わりに委員長が述べた総括コメントにおいては、男女共同参画社会基本法、配偶者暴力防止法の制定、男女雇用機会均等法の改正等の法整備の進展に対する評価とともに、それらの着実な実施や、意思決定過程への女性の参画、公職・司法関係者の意識の改善、固定的性別役割意識の払拭、パート労働、賃金格差等の雇用の問題への更なる取組を期待する旨の発言があった。
なお、今回の審査にあたっては、約60名の日本のNGOが現地入りし審査の模様を傍聴しており、委員会からも、日本の市民社会の高い関心が評価された。