G7プーリアサミット(2024年6月)

令和6(2024)年6月12日から25日にかけて、イタリア・プーリアにおいてG7サミットが開催され、首脳宣言がとりまとめられました。そのうち、ジェンダー関連部分の概要は、以下のとおりです。

首脳宣言や附属文書などの全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。

1.首脳宣言

首脳宣言では、ジェンダー平等について、独立した項目として8パラグラフにわたって述べられるだけでなく、他の分野でも言及がされました。

【ジェンダー】

  • 危機的な状況下における、世界中の女性、女児及びLGBTQIA+の人々の権利の後退に強い懸念を表明し、また、我々は、これらの人々の人権と基本的自由に対するあらゆる侵害を強く非難する。
  • 社会のあらゆる領域においてこれらの人々の権利を推進及び保護し、全ての政策分野において一貫してジェンダー平等を主流化し続ける。
  • 多国間フォーラムにおいてジェンダー平等を前進させるため、世界的なパートナーと協働。
  • 全ての女性及び女児の完全な経済的エンパワーメント、並びに科学、技術、工学、数 学(STEM)部門を含む意思決定プロセスへの平等で意義のある参加及びリーダーシップを推進し続ける。
  • 民間部門との協力の強化や企業のためのジェンダー平等認証システムの採用の支援を通じたものを含め、有害なジェンダー規範、固定観念及び慣行に対処し、構造的障壁及びジェンダー間の賃金格差を解消するための我々の取組を強化。
  • 女性の平等な権利を推進し、高齢化社会が直面する人口動態に関する課題に対処するための社会全体によるアプローチを採るため、全ての人のための負担可能で質の高い育児や長期的なケア・サービスを確保し、親であることの保護を支援し、ワーク・ライフバランス及びケア責任の平等な分担を推進する必要性を認識。
  • 無償のケアワークを認識し、削減し、再分配し、 有給のケアワークに十分な報酬を支払い、ケア労働者の代表性を保証することの重要性を改めて表明。
  • ジェンダー不平等を助長するケアワークの不平等なジェンダー間の負担に対処する目的のため、世界銀行の「児童保育への投資イニシアティブ」を通じたものを含め、 児童保育の利用可能性に関する世界的な格差を解消するための取組に投資することにより、2035年までに更に2億人の女性の労働参加を支援することを目指す。
  • 気候変動への強靱性、食料安全保障、教育及び移住を含め、我々の外交政策、人道 支援及び開発協力にジェンダー変革的かつ部門横断型のアプローチを適用することを推進する。
  • 防災への適用を含め、女性・平和・安全保障アジェンダを前進させ、また、紛争下における女性の平和構築者を支援することにもより、紛争に関連した性的暴力を含むあらゆる形態のジェンダーに基づく暴力を根絶することにコミット。
  • ジェンダー平等のためのG7のODAを共同で増加させることへの我々のコミットメントを改めて表明。特にアフリカにおいて、気候変動及びジェンダーのネクサスにおいてODAを増加させる方法を模索する。
  • 全ての女児のための質の高い教育は、将来の平等水準の最善の予測手段であることを認識。
  • 2026年までに 「女子教育に関するG7目標」を達成するための我々の取組を倍加させることを通じたものを含め、女児の教育に関するアフリカ諸国とのパートナーシップを強化する。
  • 「2Xチャレンジ」の成功を認識しつつ、我々は、ジェンダーと気候のネクサスへの投資を奨励する、3年間で少なくとも200億米ドルをジェンダー投資に投じるとの開発及び多国間金融機関による新たなコミットメントを歓迎。その他の官民関係者に対し、計測可能な変化及び女性のエンパワーメントへの資金調達を前進させつつ、次回の「2Xチャレンジ」に参加するよう求める。
  • 強化されたジェンダー平等アドバイザリー評議会(GEAC)及びその提言を歓迎。
  • 信頼性の高い性及びジェンダー別のデータ収集及びモニタリングの重要性を強調しつつ、改定された「ジェンダー格差に関するG7ダッシュボード」を歓迎。

【前文】

  • ジェンダー平等への我々のコミットメントを再確認。国際金融機関と共に、女性のエンパワーメントを高めるため、3年間にわたって少なくとも200億米ドルを開放。

【持続可能な開発、食料安全保障、PGII】

  • 現地、地域及び世界のサプライチェーンの持続可能性と生産性の強化並びにジェンダー平等に影響を与える差別的なルール及び規範への対処を含むG7プーリア食料システム・イニシアティブ(AFSI)を立ち上げ。

【人工知能、科学、技術、イノベーション】

  • ジェンダー間のデジタル格差を含むデジタル 格差の解消やデジタル包摂性の実現に向けた取り組みを実施。

【労働と雇用】

  • 障害者の包摂を前 させ続け、仕事の世界においてジェンダー及びその他の形態の平等を引き続き加速。

【サイバーセキュリティ】

  • 包摂的で民主的な社会を支援し、この分野のジェンダー格差を縮小し、民間部門との ものを含む多角的なステークホルダーとのパートナーシップを推進するサイバー空間を確保するという我々の共通の目標を共有する全ての人々との協働の推進。

【移住】

  • 人材及び職業的な移動を確保することを目指した進行中の地域的な取組並びに再定住への効果的な方策を構築及び維持することを目指した計画において、虐待と搾取を防止し、人権及び人間の尊厳を保護し、世界中の安全と治安を強化するために、脆弱な人々のニーズを考慮し、ジェンダー及び年齢に考慮したアプローチを採用。

2.ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

教育、雇用・社会保障、起業、リーダーシップ、親密なパートナーからの暴力、健康・福祉、開発協力基金の分野について、前年同様15指標が採用されています。G7+EUの国内/域内ジェンダー平等の進捗を図表化しており、状況の推移(改善/悪化)やG7/OECD平均との比較における立ち位置が視覚的に分かり易くなるよう構成しています。(※G7間での順位付けは行われていません。)

ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

※日本を含む各国のダッシュボードについて、2023年6月30日に指標5Bの注釈を修正しています。

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