G7広島サミット(2023年5月)

令和5(2023)年5月19日から21日にかけて、広島県広島市においてG7サミットが開催され、首脳宣言がとりまとめられました。そのうち、ジェンダー関連部分の概要は、以下のとおりです。

会合や関連行事等の模様は、首相官邸ホームページよりご覧いただけます。

首脳宣言や附属文書などの全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。

1.首脳宣言

首脳宣言では、ジェンダー平等について、独立した項目として3パラグラフにわたって述べられるだけでなく、他の分野でも言及がされました。

【ジェンダー】

  • あらゆる多様性をもつ女性及び女児、そしてLGBTQIA+の人々の政治、経済、教育及びその他社会のあらゆる分野への完全かつ平等で意義ある参加を確保し、全ての政策分野に一貫してジェンダー平等を主流化させるため、社会のあらゆる層と共に協働していくことに努める。
  • 長年にわたる構造的障壁を克服し、教育などの手段を通じて有害なジェンダー規範、固定観念、役割及び慣行に対処するための我々の努力を倍加させることにコミット。
  • ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボードの最初の改訂と、ジェンダー平等を前進させるための過去のG7のコミットメントを監視することを目的とする、最初の実施報告書の本年の公表を期待。
  • 安全で合法な中絶と中絶後のケアへのアクセスへの対応によるものを含む、全ての人の包括的なSRHRを達成することへの完全なコミットメントを再確認。
  • WPSフォーカル・ポイント・ネットワークとのパートナーシップ及び国家行動計画の策定への支援を通じて、防災への適用を含む「女性・平和・安全保障(WPS)」アジェンダの前進、実施及び強化並びに交差的アプローチの推進にコミット。
  • 紛争に関連した性的暴力及びジェンダーに基づく暴力を撲滅するための取組の強化及びサバイバー中心のアプローチを用いて、被害者・サバイバーに包括的な支援と意義のある参加を提供する重要性にコミット。
  • あらゆる形態の、性的及びジェンダーに基づくオフライン及びオンラインにおけるハラスメントや虐待、援助に関連した性的搾取や虐待を撲滅することにコミット。
  • リスキリングと技能向上の促進、働きがいのある人間らしい労働条件の促進、あらゆる多様性をもつ女性の金融包摂の強化及びジェンダー間の賃金格差の解消にコミット。
  • 女性の完全なエンパワーメントと、指導的地位を含むあらゆるレベルの意思決定プロセスへの完全かつ平等な参加を促進するためのコミットメントを改めて表明。
  • 今後数年間にわたり、ジェンダー平等並びに女性及び女児のエンパワーメントを促進する、我々 の二国間で割当可能なODAの割合を共同で増加させるべくあらゆる努力をするというコミットメントを再確認。

【食料安全保障】

  • 短期的な食料危機への対応から食料システムを持続可能なものとするための中長期的な取組といった食料安全保障のあらゆる側面において、女性や子どもを含む最も脆弱な人々を保護、支援する必要性を確認。

【保健】

  • 特に脆弱な状況にある妊産婦、新生児、乳幼児及び青少年を含む全ての人の包括的な性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を更に推進することにコミット。

【労働】

  • 有給・無給のケアワークや家事の不平等な分担など、根本的な差別的社会規範やジェンダー規範に取り組み、育児休暇を含む社会保障の促進と保護、インフラや長期ケアへのアクセスの促進を含む育児や他の分野のケアワークやケア経済への支援を提供することにコミット。

【教育】

  • 全ての学習者の教育機会を保護し、ジェンダー平等とあらゆる多様性をもつ全ての女性及び女児のエンパワーメントを、この点 に関する世界の政府開発援助(ODA)を優先することを含め、教育において、また、教育を通じて推進するというG7のこれまでのコミットメントを堅持することを改めて表明。

【人権、難民、移住及び民主主義】

  • 難民を保護し、避難を強いられた人々や受入国及びコミュニティを支援し、難民及び避難民の人権及び基本的自由の完全な尊重を確保し、性的及びジェンダーに基づく暴力からの自由を含む紛争、危機及び避難により悪化した、脆弱な状況に直面する人々や疎外された人々の権利擁護と促進に対するコミットメントを再確認。

2.ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

教育、雇用・社会保障、起業、リーダーシップ、親密なパートナーからの暴力、健康・福祉、開発協力基金の分野について、前年の13指標に2つの指標を追加して15指標となっています。G7+EUの国内/域内ジェンダー平等の進捗を図表化しており、状況の推移(改善/悪化)やG7/OECD平均との比較における立ち位置が視覚的に分かり易くなるよう構成しています。(※G7間での順位付けは行われていません。)

ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

※日本を含む各国のダッシュボードについて、2023年6月30日に指標5Bの注釈を修正しています。

3.G7ジェンダー平等実施報告書2023

上記1.首脳宣言で言及されている実施報告書について、OECDにより「G7ジェンダー平等実施報告書2023:G7の政策によるジェンダー平等の促進」が12月15日に公表されました。本報告書は、OECEがG7各国の協力を得て作成したものであり、2017年以降のG7のジェンダー平等に関するコミットメントの実現に向けた各国のグッド・プラクティスと進捗状況を紹介したものです。

[OECD報告書掲載ページへのリンクはこちら]

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