G7ドイツ・サミット(2022年6月 エルマウ)

令和4(2022)年6月26日から28日にかけて、ドイツ・エルマウにおいてG7サミットが開催され、首脳宣言がとりまとめられました。そのうち、ジェンダー関連部分の概要は、以下のとおりです。

首脳宣言や附属文書などの全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。

1.首脳宣言

首脳宣言では、ジェンダー平等について、独立した項目として3パラグラフにわたって述べられ、ジェンダー平等の達成に向けた進捗を継続的に監視するために、「ジェンダー格差に関するG7ダッシュボード」が新たに承認されました。また、ジェンダーについて様々な分野で横断的に言及されました。

【導入部】

  • 世界が分断により脅かされる中、ジェンダー平等の達成をはじめとした喫緊の地球規模の課題に対して共に責任を持ち取り組む。

【気候・エネルギー】

  • エネルギー部門における、ジェンダー平等及び多様性を強化するための行動分野を本年末までに特定することをエネルギー担当大臣に求める。

【世界経済と金融】

  • 女性及び少数派グループによる完全、平等かつ有意義な参画が経済の長期的な成功に極めて重要であると認識。包摂的で協力的な経済財政政策の枠組みによるものを含め、ジェンダー平等への構造的な障害を除去する必要性を含む。

【雇用及び公正な移行】

  • 気候変動の影響は、貧困並びに経済、ジェンダー及びその他社会的不平等を悪化させる。これらの影響に対処するため、4億の雇用を創出し社会保護の拡大を目指す「公正な移行のための雇用及び社会保護のグローバル・アクセラレータ」構想に沿って2030年までに実現する事に向けた進展を加速させる。

【国際保健の枠組み】

  • 全ての人の「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」の包括的な実現に向けて共同の取組を増大させることにコメット。
  • 国際保健への多国間の貢献の中核にジェンダー平等を据えることが極めて重要。
  • 「女性・子ども・青少年のためのグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)」への貢献を通じて女性、子ども及び青少年の健康を改善するための継続した取組を再確認。

【持続可能な開発】

  • フェミニスト開発・外交・貿易政策の精神の下、女性及び女児のエンパワーメントのため、あらゆる領域で、あらゆる多様性をもつ女性及び女児の権利、資源及び機会を強化。世界中の新たな紛争及び長期にわたる非常事態によって引き起こされる学習の危機の深化を深く懸念し、女子教育を守り優先するというコミットメントを堅持する。

【外交及び安全保障政策】

  • 紛争に関連する性暴力を防止し対応するための国際的なアーキテクチャの実施強化の必要性を改めて表明。
  • 紛争防止、危機管理、紛争解決、救援・復興及び長期的平和構築の重要な担い手として、女性及び女児のエンパワーメントを支援。

【ジェンダー平等】

  • 誰もが同じ機会を得て、差別や暴力からの保護を確保することへのコミットメントを再確認。長年にわたる構造的障壁を克服し、有害なジェンダー規範、固定観念、役割及び慣行に対処するための努力を倍加させることにコミット。全ての政策分野に一貫してジェンダー平等を主流化させることを追求。G7のコミットメント及びジェンダー平等の達成に向けた進捗を継続的に監視するメカニズムを導入。幅広い政策領域にわたる主要な指標を網羅する「ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード」を承認し、毎年の定期的な最新情報の報告に期待。
  • ジェンダー平等並びに女性及び女児のエンパワーメントを促進するG7の二国間で割当可能なODAの割合を増加させるべくあらゆる努力をすることにコミット。
  • 無償のケア労働を認識し、削減し、再分配すること、そして、有償のケア労働に適切に報酬を支払い、ケア労働者の代表性を保証することが最も重要。そのため、保育奨励基金への7,900万米ドルの支援を含む、質の高い保育インフラへの世界的なアクセスを拡大する取組を支援し、それにより女性の経済的エンパワーメント、子どもの成果、家族の福祉及び全体的な経済成長を向上。全ての個人の包括的なSRHRを達成することへのコミットメントを再確認し、人道的危機における緊急時の性と生殖に関する保健サービスへのアクセスの重要性を強調。

【過激主義、偽情報、外国の干渉及び腐敗】

  • パンデミック、対ウクライナ戦争をはじめとする国際紛争は、特に子ども及び女性に対する性的・労働的搾取及び虐待を目的とした人身取引の脅威を悪化。

2.個別声明

【ウクライナ支援に関するG7首脳声明】

  • ロシアの戦争の影響を受けた人々に対して、特に女性及び子供の権利を守るため、実質的かつ継続中の人道支援を引き続き提供するという共通のコミットメントを強調。
  • 女性及び子供が不均衡に多い難民の間で高まっている人身取引のリスクを防ぎ、対応する取組を強化することを追求。
  • ロシアによるウクライナへの攻撃は、ウクライナの農産物の輸出を著しく妨げ、その生産能力を阻害し、価格高騰につながり、特に女性及び子供のような最も脆弱な人々に対する世界的な食料不安を高めている。

【強靱な民主主義声明】

  • 市民・政治生活における女性の完全で平等で有意義な参加及びリーダーシップを促進する。
  • 女児の教育へのアクセスを支援することを通じたものやあらゆる政策にわたりジェンダー主流化を実施することを含め、ジェンダー平等並びに全ての女性及び女児のエンパワーメントを促進する。

3.ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

教育、雇用・社会保障、起業、リーダーシップ、健康・福祉、開発協力基金の分野から12の指標を選定し、G7+EUの国内/域内ジェンダー平等の進捗を図表化したものです。図表は状況の推移(改善/悪化)やG7/OECD平均との比較における立ち位置が視覚的に分かり易くなるよう構成しています。(※G7間での順位付けは行われていません。)

ジェンダー・ギャップに関するG7ダッシュボード

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
電話番号 03-5253-2111(大代表)
法人番号:2000012010019