2024年11⽉18⽇及び19⽇、G20リオデジャネイロ・サミットが開催され、セッション1「飢餓と貧困との闘い」、セッション2「グローバル・ガバナンス機構改革」及びセッション3「持続可能な開発とエネルギー移行」において、議論が⾏われました。セッション2終了後、G20リオデジャネイロ⾸脳宣⾔が発出され、ジェンダーについて様々な分野にわたり下記のとおり⾔及されました。
- 飢餓に直面する人々の数は増加し、2023年には約7億3,300万人という驚異的な数字に達し、子どもと女性が最も影響を受けている。
- 生物多様性の損失、気候変動、環境悪化、水媒介性疾病、災害及び汚染の影響に対する強靱性を構築するために、包摂的で、統合され、持続可能で、かつジェンダーに対応した水・衛生(WASH)システムの推進を支持。
- 公平なデジタル・トランスフォーメーションに対するデジタル公共インフラの貢献を認識し、既存の隔たりを埋め、全ての女性、女児及び脆弱な状況にある人々を含む社会及び個人に力を与えるデジタル技術の変革する力を認識。
- 女性の経済への平等、完全かつ有意義な参加を確保するために、差別的な社会的及び文化的規範並びに 法的障壁を撤廃する、包括的な政策を策定し、実施することへのコミットメントを再確認。
- 2024年にG20女性のエンパワーメント作業部会が初めて開催されたことを祝うとともに、ジェンダーの平等並びに全ての女性及び女児のエンパワーメントに対する我々の完全なコミットメントを再確認。
- 女性主導の開発を奨励し、世界のGDPの成長にとって極めて重要である、経済のあらゆるレベル及びあらゆるセクターにおける女性の、完全、平等、効果的かつ有意義な参加及びリーダーシップを推進。
- 全ての女性及び女児が、医療、教育、キャリア形成 、平等な賃金及び指導的地位の機会へのアクセス不足のような様々な要因がもたらす特有の障壁に直面していることを認識。
- 女性及び女児に対する性的暴力を含むジェンダーに基づく暴力が、公的及び私的領域において驚くほど高いことを認識し、女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を非難し、オンライン及び対面における性的暴力を含むジェンダーに基づく暴力の終結及び女性差別との闘いという我々のコミットメントを想起。
- 社会的及びジェンダー的共同責任を推進し、男性及び男児のケア労働への平等な参加を奨励及び促進し、ケア責任の衡平な分配及び再分配を妨げるジェンダー規範に挑戦することによって、女性の経済への平等、完全かつ有意義な参加を確保するため、有償及び無償のケア労働におけるジェンダー平等を推進することにコミット。
- 北京宣言及び行動綱領の30周年を迎えるに当たり、そのレビュー会合の成果文書を含む実施を果たすための取組を強化。
- G20ロードマップ「ブリスベン目標に向けて、また、ブリスベン目標を超えて」の実施にコミットし、我々の大臣が、特にジェンダーによる賃金格差の是正に関して、2025年以降の新たなG20のコミットメントを確立するために提案を策定することを期待。
- 平和の実行者としての女性の役割を認識。
- 国連憲章に沿って、国連総会の権威を認識しその実効性と効率性を高める変革的な手続及び慣行、並びに国連総会議長の女性候補者の指名増加を通じて、国連総会を活性化することにコミット。
- 透明性、衡平な地理的配分、国籍のローテーション、能力及びジェンダー・バランスを考慮したポストの充足並びに事務総長を含む上級職への女性の指名増加を通じて、一層代表性のある国連事務局の実現に努めるとともに、いかなるポストも特定の加盟国又は国家グループの専権領域とみなされるべきではないことを再確認。
- AIやその他の技術が進化し続ける中、2030年までにジェンダー間のデジタル・デバイドを半減させることを含めデジタル・デバイドを埋め、 脆弱な立場にある人々の労働市場への包摂を優先し、公平性を確保し、知的財産権、データ保護、プライバシー及びセキュリティを尊重する必要がある。
- 教育や健康の成果の改善及び女性のエンパワーメントのために、責任あるAIを提唱し推進することに同意。
サミットの詳細及び首脳宣言の全文は、外務省ホームページよりご覧いただけます。