第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大

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第4節 経済分野

ア 企業における女性の参画拡大

1 令和4(2022)年12月から小倉將信内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の下、経済・経営の専門家等で構成する有識者検討会(「女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会」)を開催している。検討会は、令和5(2023)年3月までに4回開催し、女性役員比率の向上等、経済分野の女性活躍に向けた実効性ある諸施策の取りまとめを目指し幅広く検討している。【内閣府】

2 女性の活躍状況の把握・分析、その結果を踏まえた目標設定、目標達成に向けた取組を内容とする事業主行動計画の策定、女性の活躍状況に関する情報公表等、女性活躍推進に向けて企業等が行う積極的改善措置(ポジティブ・アクション)等の取組を促進している。また、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号)による改正後の女性活躍推進法(以下「改正女性活躍推進法」という。)及び同法に基づく省令、指針により新たに義務付けられた取組内容について、あらゆる機会を通じて事業主に周知し、法の実効性の確保を図るとともに、企業向けの相談会・説明会の実施やコンサルティングにより女性活躍推進のための取組を行う企業への支援を行った。【内閣府、厚生労働省】

3 社会全体で、女性活躍の前提となるワーク・ライフ・バランス等の実現に向けた取組を進めるため、女性活躍推進法第24条及び「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」(平成28年3月22日すべての女性が輝く社会づくり本部決定。以下「公共調達等取組指針」という。)に基づき、国及び独立行政法人等が、総合評価落札方式又は企画競争方式による調達を行う際は、女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)、青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45年法律第98号)に基づく認定を取得した企業等を加点評価する取組を実施している。

令和4(2022)年3月に改正した「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する実施要領」(平成28年3月22日内閣府特命担当大臣(男女共同参画)決定。以下「公共調達等実施要領」という。)に基づき、本取組について更に実効的な運用を図る観点から、国の機関における加点評価の実施状況や、ワーク・ライフ・バランス等推進企業の入札参加及び受注の状況等を新たに調査・公表し、取組状況の更なる「見える化」を行った。また、努力義務となっている地方公共団体でも国に準じた取組が進むよう働きかけを行っている。【内閣府、厚生労働省】

4 企業における女性の活躍に関し、投資判断に有効な企業情報の開示を促進するため、有価証券報告書等において企業の判断で行う情報開示の好事例を取りまとめ、周知を行った。また、令和5(2023)年1月、企業の多様性確保を含むサステナビリティ開示の充実のため、有価証券報告書における開示項目として、女性管理職比率等を開示項目とする、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。以下「開示府令」という。)の改正を行い、その内容に沿った開示を上場会社に促した。企業のガバナンスにおけるジェンダー平等の確保の重要性に鑑み、金融審議会において有価証券報告書等における開示の在り方を含め、コーポレートガバナンスの改善に向けてジェンダーの視点も踏まえた検討を行った。【金融庁】

5 有価証券報告書に掲載された女性役員に係る情報の集計及び開示の取組や女性役員の登用が進んでいない要因の調査等を通じ、女性の活躍に積極的に取り組む企業が評価されることや、企業における女性役員登用・育成の課題の課題の克服につながるよう努めている。令和4(2022)年度は、新たに、プライム市場上場企業の女性役員比率ランキングを掲載した。【内閣府】

6 令和4(2022)年度にプライム市場上場企業を対象に、新たに「執行役員又はそれに準じる役職者」における女性割合に関する調査を行い、結果を公表した。【内閣府】

7 女性活躍の要素を考慮したジェンダー投資の状況等について調査し、広く発信した。【内閣府】

8 女性を始め多様な人材の能力を最大限発揮させる「ダイバーシティ経営」の推進に向け、企業の実践に必要な取り組みを見える化する「ダイバーシティ経営診断ツール」や企業事例の普及、企業のダイバーシティ担当者等を対象にしたダイバーシティ経営実践に向けた研修の実施により、企業における取組を促進している。【経済産業省】

イ 女性の能力の開発・発揮のための支援

1 長期的な視野から女性リーダーを養成していくため、学校等における女性リーダーの養成プログラムの開講を促している。【文部科学省】

2 役員候補者となり得る女性人材のデータベース「女性リーダー人材バンク」の利用者増加に向けてアンケート調査等を実施し、改善に向けた取組の検討を行っている。【内閣府】

3 「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」では、令和4年(2022)年11月に小倉將信内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席の下、会の参加者が集まるミーティングを開催した。また、令和4(2022)年10月に石川県、12月に徳島県、令和5(2023)年1月に栃木県にて地域シンポジウムを開催し、各地方における企業経営者等に対し、会への参加を呼び掛けた。その他、参加者の好事例を掲載した冊子を作成し、女性活躍に関する取組を共有するとともに、会の周知を行った。【内閣府】

4 女性活躍推進法に基づき、地域における女性の活躍を迅速かつ重点的に推進するため、地域の経済団体、金融機関、教育機関、NPO等などの多様な主体による連携体制の下、一般事業主行動計画の策定が義務化されている中小企業が行う同計画策定への支援など、地方公共団体が地域の実情に応じて支援を行う取組を、地域女性活躍推進交付金により支援している。【内閣府】

ウ 女性起業家に対する支援等

1 女性の起業を後押しするため、「女性、若者/シニア起業家支援資金」等による資金繰り支援を実施している。【経済産業省】

2 令和2(2020)年12月に設立した「わたしの起業応援団」を通じ、女性起業家の支援事例や支援手法・関係省庁の施策情報の共有を行うとともに、引き続き女性起業家支援に携わる自治体等の担当者に対する研修を実施している。これらにより、女性起業家の起業・創業の活性化を図っている。【経済産業省】

3 女性も含めた後継者の事業承継を後押しし、中小企業・小規模事業者の事業統合・再編を促すため、事業承継・引継ぎ補助金等、予算・税制等を含めた総合的な支援策を推進している。また、ホームページなどで支援策の活用事例を展開している。【経済産業省】