第2節 家事・育児・介護等に男性が参画可能となるための環境整備

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第2節 家事・育児・介護等に男性が参画可能となるための環境整備

厚生労働省では,男性の仕事と育児の両立を推進する「イクメンプロジェクト」を実施し,男性の仕事と育児の両立を積極的に促進する企業を表彰する「イクメン企業アワード」及び部下の仕事と育児の両立に配慮する管理職を表彰する「イクボスアワード」等の表彰により好事例の周知を図ったほか,参加型公式サイト4の運営や男性の育児休業取得に向けた様々な情報を記載したハンドブックの配布を行った。あわせて,企業担当者等を対象としたセミナーを全国各地で開催したほか,公式サイトの充実等情報発信を強化し,男性の仕事と育児の両立のための職場環境改善を促進する取組を進め,男性が育児をより積極的に楽しみ,かつ,育児休業を取得しやすい社会の実現を目指している。

さらに,育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)に基づき,育児休業,介護休業等の申出・取得等をした労働者の就業環境が害されることのないよう,「子の養育又は家族の介護を行い,又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成21年厚生労働省告示第509号。以下「育児休業等に関するハラスメント指針」という。)の内容の周知徹底を図るとともに,指導等により,同法の着実な履行確保を図っている。

令和2(2020)年6月,改正育児・介護休業法の施行により,育児休業等に関するハラスメントに係る規定が一部改正され,労働者が事業主に職場におけるハラスメントに関する相談をしたこと等を理由とする不利益取扱いの禁止等が盛り込まれ,職場におけるハラスメント防止対策が強化された。

加えて,育児休業等に関するハラスメントの防止措置が徹底されるよう,事業主への周知及び指導を行うとともに,事業主と労働者の間に紛争が生じた場合には,円滑かつ迅速な解決が図られるよう援助を行っている。あわせて,職場におけるハラスメントの防止対策を促進するため,ハラスメント総合情報ポータルサイトの運営やリーフレット等による周知啓発を実施している。また,令和2(2020)年9月より,労働政策審議会において,男性の育児休業取得促進策等について議論を行い,令和3(2021)年1月に建議が取りまとめられた。これを踏まえ,子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設,育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け等を内容とする「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」を第204回国会(令和3(2021)年)に提出した。

4厚生労働省委託事業「イクメンプロジェクト」 https://ikumen-project.mhlw.go.jp/