第1節 女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり

本編 > II > 第2部 > 第8章 > 第1節 女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり

第8章 女性に対するあらゆる暴力の根絶

第1節 女性に対する暴力の予防と根絶のための基盤づくり

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,外出自粛や休業などが行われ,生活不安・ストレスにより,配偶者からの暴力(DV)の増加や深刻化が懸念されることから,内閣府では,令和2(2020)年4月20日から新たな相談窓口として,「DV相談+(プラス)」を開始した。DV相談プラスでは,多様なニーズに対応できるよう,毎日24時間電話相談対応,SNS・メール相談,WEB面談対応,10の外国語での対応を行うとともに,各地域の民間支援団体とも連携し,必要な場合には,同行支援なども行うこととしている。

また,内閣府では,女性に対する暴力の予防と根絶に向けて広報啓発活動を一層推進するため,「女性に対する暴力をなくす運動」(毎年11月12日から同月25日まで)における広報の実施等により,社会の問題意識を高めるとともに,多様な暴力の実態が的確に把握できるデータ等の在り方について検討する。

警察では,被害者が相談しやすい環境を整備するとともに,刑罰法令の的確な運用や関係機関との連携の推進等女性に対する暴力に対処するための体制整備を進める。

また,防犯体制の強化や地域安全活動の推進等の様々な環境整備に努めるとともに,被害の状況についての実態把握等により的確な施策を推進する。

日本司法支援センター(以下「法テラス」という。)では,相談窓口や法制度に関する情報の提供,犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士の紹介及びDV・ストーカー・児童虐待の被害者に対する資力を問わない法律相談援助(平成30(2018)年1月24日から運用開始)等の犯罪被害者支援業務を行う。また,経済的に余裕のない者については,民事裁判等手続を利用する際の弁護士費用等の立替えを行う民事法律扶助等による支援を行う。そのほか,国選被害者参加弁護士の候補となる弁護士の確保や裁判所への指名通知等の業務,被害者参加旅費等の支給等の支援を行う。