第2節 男女共同参画に関する分野における国際的なリーダーシップの発揮

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第2節 男女共同参画に関する分野における国際的なリーダーシップの発揮

1 開発協力大綱に基づく開発協力の推進

我が国は,公正で持続可能な開発の実現に女性が参画し,開発の恩恵を受けられる「女性が輝く社会」の実現を目指し,「持続可能な開発のための2030アジェンダ」策定に係る国際的な議論でも女性のエンパワーメントとジェンダー平等の重要性を訴え,議論に貢献した。その結果,平成27(2015)年9月に国連サミットにおいて採択された同アジェンダにおいてゴール5として「ジェンダー平等と女性と女児のエンパワーメント」が明記されただけでなく,すべての目標達成において必要不可欠であるとの重要性が明示された。

我が国は,2030アジェンダに掲げられたSDGsに係る施策の実施について,関係行政機関相互の緊密な連携を図り,総合的かつ効果的に推進するため,平成28(2016)年5月に,内閣総理大臣を本部長とし,全閣僚を構成員とするSDGs推進本部を設置した。平成29(2017)年12月には,同推進本部において「SDGsアクションプラン2018」を策定し,日本の「SDGsモデル」の3つの基本的方向性の一つに,SDGsの担い手として「女性と次世代のエンパワーメント」を掲げた。令和元(2019)年12月には,同推進本部において,日本のSDGs達成に向けた中長期的戦略である「SDGs実施指針」を改定し,ジェンダー平等の実現及びジェンダー視点の主流化の重要性が明記された。また,「SDGs実施指針改定版」に基づき国内実施・国際協力の両面においてSDGsを推進するため,「SDGsアクションプラン2020」を決定した。

また,平成27(2015)年2月に閣議決定した,我が国の開発協力方針を定める「開発協力大綱」では,開発協力の適正性確保のための原則の一つとして「女性の参画の促進」を挙げており,開発協力のあらゆる段階における女性の参画を促進し,女性が公正に開発の恩恵を受けられるよう一層積極的に取り組むことを明記している。

平成28(2016)年5月には,「開発協力大綱」に基づく分野別開発政策として,「女性の活躍推進のための開発戦略」を発表した。同戦略は,(ア)女性と女児の権利の尊重・脆弱な状況の改善,(イ)女性の能力発揮のための基盤の整備,(ウ)政治,経済,公共分野への女性の参画とリーダーシップ向上を重点分野として,途上国における女性の活躍推進と質の高い成長を目指している。

平成27(2015)年4月にはUN Womenの日本事務所が東京に開設された。令和元(2019)年の我が国のUN Womenへの拠出を引き続き維持し,国連との連携を一層強化している。また,平成28(2016)年12月に開催された3回目の国際女性会議WAW!において,安倍総理大臣は,途上国の女性たちの活躍を推進するため,平成30(2018)年までの3年間で総額約30億ドル以上の支援を行う旨表明し,着実に実施した。令和元(2019)年3月,5回目となる国際女性会議WAW!では,安倍総理より,途上国における女性の教育機会拡大のため,平成30(2018)年から令和2(2020)年までの3年間で,少なくとも400万人の女児・女性に質の高い教育,人材育成の機会を提供する旨を表明した。

開発協力の実施機関として,JICAは,ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを目的とする協力事業を実施している。この一環として,各セクター・課題における事業のインパクトが男性・女性の双方に及ぶよう,それぞれが抱える問題やニーズの違い等の把握に努めており,その結果が協力事業の計画・実施・評価サイクルにおいて適切に反映されるように,執務参考資料や国ごとのジェンダー情報の収集を行うとともに,事業の各段階におけるジェンダー視点からのモニタリング等を行っている。

また,開発協力事業の実施に当たって,女性等社会的に弱い立場にいる者が負の影響を受けることがないように,環境社会配慮ガイドライン等に基づいて配慮している。さらに,各部署(在外事務所,国内機関を含む。)に配置している「ジェンダー責任者」,「ジェンダー担当者」を通じて,開発途上国におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントに貢献する協力事業の実施を促進している。また,ジェンダー平等の視点を組み込んで効果を上げた協力事業の成功例の収集,各開発セクター・課題と男女格差との関係を説明する具体例の収集,他援助機関との積極的な連携・意見交換を通じた事例・手法の研究,職員その他援助関係者に対する研修等といった取組を行っている。

我が国は人間の安全保障を推進すべく,二国間及び多国間協力を通じ,開発途上国におけるジェンダー平等と女性の地位向上に向けた取組を支援している。具体的には,無償資金協力(草の根・人間の安全保障無償資金協力及び日本NGO連携無償資金協力を含む。),有償資金協力,専門家の派遣等の技術協力,国連人間の安全保障基金や日・UNDPパートナーシップ基金等,様々な援助枠組みを活用し,より効果的な事業の実施を図っている(二国間協力についてはII-13-1表別ウインドウで開きます,多国間協力については本節3参照)。

II-13-1表 様々な枠組みを活用した援助の実施別ウインドウで開きます
II-13-1表 様々な枠組みを活用した援助の実施

また,我が国は,人間の安全保障に直結する地球規模の課題として,保健分野における取組を重視している。我が国が平成27(2015)年12月に発表した「平和と健康のための基本方針」を踏まえ,全ての人が生涯を通じて必要な時に基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現を目指して,女性の医療アクセスの改善,栄養改善,母子健康手帳の普及等の母子継続ケアの支援,医師や看護師,助産師等保健人材の育成,国際機関等を通じた性と生殖の健康サービスの提供等を行っている。さらに平成29(2017)年12月に東京で開催されたUHCフォーラム2017では,今後のUHC推進のため,母子保健を含めた保健,栄養,水・衛生分野で総額約29億ドルの支援を行うことを表明した。令和元(2019)年は,開発途上国における母子保健,リプロダクティブ・ヘルス分野における活動に対し,国連人口基金(UNFPA) や国際家族計画連盟(IPPF)を通じた支援を行った。

教育支援分野では,平成27(2015)年9月に国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されるタイミングにあわせ,「平和と成長のための学びの戦略」を発表した。同戦略に従い,重点的な取組の一つとして,女子教育支援を挙げており,女性・女児のエンパワーメントとジェンダー平等に配慮した教育協力を実施している。

法務省では,国連アジア極東犯罪防止研修所において,アジア・アフリカ諸国等の刑事司法実務家を対象に,令和元(2019)年5月及び6月には,「人身取引及び移民の密輸への実務的対応」を,同年8月及び9月には,「女性・子供に対する暴力事犯者の再犯防止に向けた処遇」を,それぞれテーマとする国際研修を実施した。

2 女性の平和等への貢献

我が国は,平和を推進する国際機関の役割の重要性及び紛争時において最も支援を必要とする者は女性や子供であることを考慮し,人間一人ひとりに着目し,人々の保護及び能力強化を行う人間の安全保障の視点からも,女性に対する支援を行っている。

また,我が国は,女性と平和,安全保障(Women,Peace and Security: WPS)の問題を明確に関連づけた安保理決議第1325号(平成12(2000)年)及び関連決議の履行に向けた「女性・平和・安全保障に関する行動計画」を平成27(2015)年9月に策定した。同行動計画は,国内外双方の取組に対応していること,紛争関連事態のみならず自然災害時におけるジェンダー視点の統合や女性の役割にも言及していることなどが特徴となっており,取組の実施主体は,外務省,防衛省,警察庁を含めた関係省庁及びJICAやUN Womenなどを含めた国際機関等となっている。平成31(2019) 年3 月にはNGO・市民社会,有識者との意見交換やパブリックコメントを可能な範囲で取り入れつつ,改定版として第2次行動計画を策定した。行動計画実施の一つでもある他国の行動計画策定支援もこれまでレバノンや東ティモールにてUN Womenを通して実施してきており,令和元(2019)年度からスリランカでも実施中である。

平成30(2018)年4月にG7外相会合にてG7女性・平和・安全保障パートナーシップ・イニシアティブが発表された。日本はスリランカをパートナー国とし, 令和元(2019) 年度からUNWomenを通じて,スリランカのWPS行動計画策定支援及び紛争寡婦世帯のエンパワーメント支援を含めたWPSアジェンダ実施事業を行っている。

また,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連児童基金(UNICEF),国連世界食糧計画(WFP),IOM,国連開発計画(UNDP),UNFPA,IPPF,赤十字国際委員会(ICRC)等の国際機関等を通じての協力も積極的に実施している。例えば,日本はWFPと協力し,シエラレオネにおいて食料生産支援を通じた農村の女性の地位向上に向けた活動を行っている。また,UNHCRと協力し,カメルーンにおける中央アフリカ共和国及びナイジェリア難民の女性及び女児に対する,性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)への対応として,心理・医療サービスや法的支援を行っている他,女性センターの建設・修繕を行っている。

防衛省・自衛隊では,国際平和協力活動の現場に女性の自衛隊員を含む部隊等を派遣している。国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)には,平成24(2012)年6月から平成29(2017)年5月までに105人の女性の自衛隊員を含む施設部隊を派遣した。また,司令部要員として,平成25(2013)年6月以降,延べ5人の女性の自衛隊員を,連絡調整要員として,同年8月以降,延べ8人の女性の自衛隊員を派遣している。

また,平成26(2014)年5月の安倍総理大臣の北大西洋条約機構(NATO)本部訪問時のラスムセンNATO事務総長(当時)との会談において,女性・平和・安全保障分野における日NATO協力として,NATO本部への我が国の女性職員の派遣について合意されたことを受け,同年12月より,延べ女性自衛官3人をNATO本部に派遣している。派遣先では,NATO女性・平和・安全保障担当特別代表の下で,NATOが実施する様々な活動について,男女共同参画の視点を盛り込むとともに,女性の参画を促す助言等を行っていたが,令和元(2019)年12月からは,よりオペレーショナルな知見を生かすべく,NATO本部諮問・指揮統制幕僚部において,NATOの様々な政策や事業に関する情報通信の管理業務を実施している。

内閣府国際平和協力本部事務局では,国際平和協力隊の隊員派遣前研修を実施しており,安保理決議第1325号の要請を反映し,ジェンダーに関する講義を行っている。一般的なジェンダーに関する知識の付与だけでなく,派遣先国のジェンダー特性を含め,現地でのより効果的な活動に結び付くよう,教育を実施している。

3 国際機関との連携・協力推進

我が国は,ジェンダー分野を専門とする唯一の国連機関であるUN Womenとの連携を深めており,平成23(2011)年から4期連続で同機関の執行理事国を務めている。また,令和元(2019)年には,UN Womenに対して約1,800万ドルの拠出を行った。UN Womenでは,ジェンダー平等に男性・男児の関与を呼びかけるための「HeForShe社会連帯運動」を実施しており,同ムーブメントを加速させるチャンピオンとして世界の10首脳,10企業,10大学が選出され,安倍総理も10人の首脳の一人として選出された(任期:平成27(2015)年6月~令和2(2020)年7月)。

また,紛争下の性的暴力について,国連アクションや紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表事務所(OSRSG-SVC)といった国際機関との連携や国際的な議論の場を重視し,一層積極的に取り組んできている。令和元(2019)年,イラク,中央アフリカにおける案件につき,紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表の専門家チームに153.5万ドルの財政支援を行った。さらに,平成29(2017)年には,国連平和維持活動に従事する女性保護アドバイザー(WPA)向け訓練教材の開発及び訓練の実施のために28万5,000ドルを拠出しており,その一環として,平成30(2018)年12月には東京で国連との共催で訓練コースを開催し,中東やアフリカの7つの国連ミッションに勤務するWPA及び関連する分野の専門家と,我が国からは国連PKO関係省庁の職員や民間の人権・人道分野の専門家が参加した。

また,平成29(2017)年9月,国連事務総長の主催により開催された国連PKO要員等による性的搾取・虐待(Sexual Exploitation and Abuse:SEA)に関するハイレベル会合において,国連事務総長のSEA対策へのイニシアティブに賛同する「首脳のサークル(Circle of Leadership)に安倍首相が名を連ねた。平成30(2018)年9月には,国連総会の開催時期に合わせて,国連事務総長と「首脳のサークル」メンバーによる共同声明を我が国として承認した。

また,我が国は国連PKO幹部ポストへの女性の登用促進を目的として国連が開始したシニア・ウーマン・タレント・パイプライン・プロジェクトに対し,15万ドルの財政支援を行っているほか,国連PKOにおける女性要員の増加を目的とするUN Women女性士官訓練コース(FMOC)の平成30(2018)年及び平成31(2019)年の開催費用の一部として約18万ドルを拠出している。

なお,我が国は,平成26(2014)年以降,国際刑事裁判所の被害者信託基金に拠出を行っている。令和元(2019)年度には約5.2万ユーロを拠出し,全額を紛争下における性的暴力対策に割り当てる等,被害者保護対策にも取り組んでいる。また,男女共同参画推進連携会議においては, 平成29(2017)年10月から令和元(2019)年8月まで「経済分野における女性の活躍促進」チームにおいて,「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」25について,我が国の企業・団体等における理解促進に向けた活動を行うなど,UN Womenの取組との連携・協力を行った。

さらに, 我が国は, 国連教育科学文化機関(UNESCO)に信託基金を設置し,アジア,アフリカを中心に世界各地においてジェンダーに配慮した教育プログラムの開発や女子に対する代替的学習機会の提供等に協力している。具体的には,サブサハラ・アフリカ諸国における教員教育を通じたジェンダーに配慮した科学,技術,工学,美術及び数学(STEAM)教育の促進事業を行った(令和元(2019)年10月に終了)ほか,アフリカ出身の若手女性映画製作者を対象とする能力構築支援事業を行っている。

また,UNDPに設置した日・UNDPパートナーシップ基金を通じ,女性の社会的・経済的地位の向上を図るプロジェクト等に対しても支援を実施している。これらに加え,我が国が主導して国連に設置された人間の安全保障基金では,女性及びジェンダー平等に焦点を当てたプロジェクトを支援してきている。

さらに,令和2(2020)年3月8日の「国際女性の日」に対して,内閣府特命担当大臣(男女共同参画)からのメッセージを寄せた。

国立女性教育会館では,アジア地域における男女共同参画を推進する女性教育の人材育成を目指して「アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナー」を実施するなど,途上国における女性教育の推進の支援等を実施している。また,海外の関係機関との連携協力として,協定を結んでいる韓国両性平等教育振興院等と互いに訪問し情報交換を行うなど交流を深めた。また,令和元(2019)年10月から11月にはカンボジア,ラオス,タイ,フィリピン,ミャンマー及びベトナムの人身取引対策に携わるメンバーを対象としたワークショップ型研修をJICAの委託事業として実施し,12月には「ジェンダーとメディア」をテーマとして,海外の専門家を招へいし「NWECグローバルセミナー」を開催した。

25 平成22(2010)年3月に,国連と企業の自主的な盟約の枠組みである国連グローバル・コンパクト(GC)と国連婦人開発基金(UNIFEM)(当時。現UN Women)が共同で作成した7原則。
◯女性のエンパワーメント原則(WEPs)
1)トップのリーダーシップによるジェンダー平等の促進,2)機会の均等,インクルージョン,差別の撤廃,3)健康,安全,暴力の撤廃,4)教育と研修,5)事業開発,サプライチェーン,マーケティング活動,6)地域におけるリーダーシップと参画,7)透明性,成果の測定,報告(内閣府仮訳)

4 国際分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大

我が国は,国際会議への政府代表団への女性メンバーの参加も積極的に進めている。令和元(2019)年の第74回国連総会第三委員会においては宮崎あかね氏(日本女子大学教授)を日本政府代表顧問に,また,令和元(2019)年の第63回CSWにおいては田中由美子氏(城西国際大学招聘教授)を日本代表に任命し,政府代表団の一員として派遣した。女子差別撤廃委員会では,我が国は昭和62(1987)年以来一貫して委員を輩出しており,現在は秋月弘子氏(亜細亜大学教授)が委員を務めている。

また,日本人女性の国際機関への参画も進んでおり,国連関係機関における日本人の女性職員数(専門職以上)は,平成21(2009)年の406人から平成30(2018)年末には542人と着実に増加しており,日本人職員の約6割を占めている。平成29(2017)年5月から,中満泉氏が日本人女性初の国連事務局本部の事務次長として,国連軍縮担当上級代表を務めているほか,平成30(2018)年3月には,水鳥真美氏が日本人女性として初めて国連事務総長特別代表(防災担当)に就任した。

5 国際会議等における日本の貢献と取組の発信

フランスG7議長国の下,「不平等との闘い」をテーマとし,男女平等が重要課題の一つとなる中,令和元(2019)年5月に,パリにおいて男女共同参画担当大臣会合が開催され,国際社会が直面する様々な男女共同参画,女性活躍に関する課題について活発な意見交換を行い,「男女平等に関するパリ宣言」が取りまとめられた。同年8月にはG7ビアリッツ・サミットが実施され,「ジェンダー平等及び女性のエンパワーメントに関するG7宣言」が採択された。アフリカのセッションでは,アフリカにおける女性の起業の促進も議論され,付属文書として「女性起業家支援」が発出された。令和元(2019)年9月末~10月頭,チリの地方都市ラ・セレナで開催されたAPEC女性と経済フォーラムでは,「経済への女性の包摂の推進」をテーマに,APEC域内で共通して取り組むべき課題について議論が行われ,フォーラムの結果が「APEC女性と経済フォーラム声明」として採択されるとともに,APEC初の女性の経済的なエンパワーメントに係るロードマップとなる「女性と包摂的成長のためのラ・セレナ・ロードマップ」が取りまとめられた。我が国からは,内閣府審議官,横浜市長が参加し,内閣府審議官から我が国がAPEC及び国内にて実施している女性の活躍推進の取組等について発言を行った。ASEANは,日本,中華人民共和国及び大韓民国の3か国を招いて女性に関する「ASEAN+3委員会(ACW+3)」を開催しており,令和元(2019)年10月にはブルネイで第11回会合が開催された。「変革の主体としての若い女性のレジリエンスを高める」をテーマに意見交換が行われ,内閣府から我が国の取組等について報告を行った。

令和元(2019年)6月,G20大阪サミットでは,女性のエンパワーメントを主要な議題の一つとして取り上げ,女性の労働参画,特にSTEM分野における女児教育支援,女性起業家を含む女性ビジネスリーダーの声の反映の3つについて,成果文書に盛り込んだ。また,同サミットの公式プログラムの一部として,G20各国首脳や主要国際機関が参加する,「女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベント」を開催。女性のエンパワーメントに対するG20のコミットメントを再確認した。

平成31(2019)年3月,安倍政権の最重要課題の一つである「女性が輝く社会」を実現するための取組の一環として,我が国は5回目となる国際女性会議WAW!を,女性の経済活躍を目的としてG20に提言を行う民間主導の取組であるW20と同時開催した。安倍総理より,冒頭挨拶において我が国の内外における女性活躍推進に向けた取組について発信された。今回初めて7カ国から女性外相が出席したほか,日本及び27の国と地域,3国際機関から82人の女性分野等で活躍するトップ・リーダーたちが登壇し,2日間で約3千人が参加した。「WAW! for Diveresity」をテーマに,SDGsが掲げる「誰1人取り残さない」持続可能で包摂性と多様性のある社会の実現に向け,若者や男性を含む多様な背景を持つ参加者が国内外の課題について議論した。各参加者からのアイデアや提案は総括文書として取りまとめられ,国連文書としても登録された。

なお,女性の視点から,日本とアジア・太平洋諸国の友好・信頼関係の更なる深化を図るため,平成28(2016)年から「アジア・太平洋輝く女性の交流事業」を実施しているところ,令和元(2019)年12月,アジア・太平洋諸国を中心とする各国と我が国のメディアで活躍している女性に焦点をあてたシンポジウム及び国際交流を開催し,各国の女性たちの知見の交換及びネットワーキングを行った。