第4節 経済分野における女性の参画拡大

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第4節 経済分野における女性の参画拡大

実質的な男女労働者間の均等を確保するためにはポジティブ・アクションが不可欠であり,女性の活躍推進に向けた企業の取組を「見える化」し,当該企業の取組が市場で評価されることを通じ,他の企業にも取組が波及する好循環が期待される。

女性活躍推進法に基づき,常時雇用する労働者数が301人以上の一般事業主(民間企業等)は,数値目標の設定を含めた行動計画の策定・公表や,女性の活躍状況に関する情報の公表などが義務付けられている。これらの情報は厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」においても公表するなど,広く発信されている。

内閣府では,平成28(2016)年度に開設した「女性役員情報サイト」の運営,女性役員比率が10%以上の上場企業を一覧化したリーフレットの作成や,平成30(2018)年度に実施したESG投資における女性活躍情報の活用状況に関する調査研究についてシンポジウム開催等を通じた普及啓発を行った(第2章第4節参照)。

また,平成28(2016)年度に開発した「女性リーダー育成モデルプログラム」を用いて,企業における女性役員候補の育成に向けた女性役員育成研修を平成29(2017)年度,平成30(2018)年度の試行実施の結果も踏まえつつ,3地域(宮城県,広島県,愛知県)において試行実施し,検証することで,その効果や課題を明らかにするとともに,事業の成果を幅広く共有した。

さらに,民間企業における女性の社外役員等への登用を促進するべく,国の審議会等の女性委員等の情報についてデータベース化し情報提供を行う「はばたく女性人材バンク(新名称:女性リーダー人材バンク)」のリニューアルを実施し,利用者の利便性を高めた。

加えて,「公共調達等取組指針」に基づき,国及び独立行政法人等の調達において,女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定等を取得したワーク・ライフ・バランス等推進企業を総合評価落札方式等で加点評価する取組を平成28(2016)年度から実施している。また,女性活躍推進法において努力義務となっている地方公共団体についても国に準じた取組が行われるよう働きかけを行うとともに,東京2020大会や民間企業等の各種調達においても,国と同様の取組が進むよう働きかけを行っている(第2章第1節参照)。

厚生労働省では,雇用の分野における男女の均等は機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)及び女性活躍推進法に基づく指導等によりその履行確保を図っているほか,女性の活躍推進に関する状況が優良な企業に対する「えるぼし」認定を実施するとともに,「女性の活躍・両立支援総合サイト」,「女性の活躍推進企業データベース」,「ポジティブ・アクション情報ポータルサイト」により総合的な情報提供を行うことにより,企業における女性活躍推進のための取組を推進している。

経済産業省では,「なでしこ銘柄」等の選定や,ダイバーシティ経営の普及啓発を行った(第2章第4節参照)。