第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

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第2節 ストーカー行為,性犯罪,子供に対する性的暴力,売買春,人身取引の実態

(ストーカー事案の相談等の状況)

平成28年のストーカー事案の相談等件数は2万2,737件で,前年に比べ769件(3.5%)増加し,ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。以下「ストーカー規制法」という。)の施行後から23年までに比べ, 24年以降は高水準で推移している(I-7-7図)。また,警察庁「平成28年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,被害者の88.8%が女性で,加害者の84.0%が男性となっている。

I-7-7図 スト-カ-事案の相談等件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-7図 スト-カ-事案の相談等件数の推移

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内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(平成26年)において,これまでにある特定の異性から執拗なつきまといや待ち伏せ,面会・交際の要求,無言電話や連続した電話・メール等の被害経験を聞いたところ,1人以上の者から被害を受けたことがある者の割合が,女性10.5%,男性4.0%となっている(I-7-8図)。

I-7-8図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害経験別ウインドウで開きます
I-7-8図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害経験

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また,被害の相談先として,女性は「友人・知人に相談した」が54.2%で最も多いが,男性は「どこ(だれ)にも相談しなかった」が57.1%で最も多い(I-7-9図)。

I-7-9図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)別ウインドウで開きます
I-7-9図 特定の異性からの執拗なつきまとい等の被害の相談先(複数回答)

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(ストーカー事案に対する対応状況)

警察庁「平成28年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」によると,平成28年のストーカー事案における検挙件数は2,605件で,そのうち刑法等の適用による検挙が1,919件,ストーカー規制法違反による検挙が769件である。また,ストーカー規制法に基づく警告は3,562件で,前年に比べ187件(5.5%)増加している。警告に従わない者に対する禁止命令等は173件発令されている。

また,平成28年に,ストーカー規制法に基づき,警察本部長等が援助を求められた件数は8,252件で,前年に比べ113件(1.4%)増加している。援助の内容(複数計上)としては,被害を自ら防止するための措置の教示が2,145件(前年比132件増加),防犯ブザー等の被害防止品の教示又は貸出しが719件(同113件増加)となっている。

(強姦・強制わいせつの認知件数)

強姦及び強制わいせつの認知件数は,いずれも平成16年以降減少傾向にあり,28年は強姦989件(前年比178件減少),強制わいせつ6,188件(同567件減少)となっている(I-7-10図)。

I-7-10図 強姦・強制わいせつ認知件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-10図 強姦・強制わいせつ認知件数の推移

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(異性から無理やりに性交された経験)

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成26年)において,女性に,これまでに異性から無理やりに性交された経験を聞いたところ,1回以上の被害経験がある女性は6.5%となっている。

被害にあった時期について平成20年から26年までの変化を見ると,「中学卒業から19歳まで」及び「20歳代」が増加し,その他の年代は減少している。26年は,被害にあった時期が「20歳代」とする者が49.6%と,ほぼ半数を占める(I-7-11図)。

I-7-11図 異性から無理やりに性交された被害にあった時期の推移(女性)別ウインドウで開きます
I-7-11図 異性から無理やりに性交された被害にあった時期の推移(女性)

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同調査によると,被害経験がある女性のうち,被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」者は67.5%となっている(I-7-12図)。

I-7-12図 異性から無理やりに性交された被害の相談先(複数回答)別ウインドウで開きます
I-7-12図 異性から無理やりに性交された被害の相談先(複数回答)

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(子供に対する性的暴力の検挙件数)

平成28年の児童買春事件の検挙件数は809件,児童ポルノ事件の検挙件数は2,097件であり,過去10年間の推移を見ると,児童買春事件は26年以降,やや増加傾向にあり,児童ポルノ事件は過去最多を更新した(I-7-13図)。また,児童虐待のうち性的虐待の検挙件数は162件(前年比45件増加)となっている。

I-7-13図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移別ウインドウで開きます
I-7-13図 児童買春及び児童ポルノ事件の検挙件数の推移

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(売春関係事犯検挙件数)

平成28年の売春関係事犯検挙件数は735件となり,前年と比べ減少した。また,要保護女子総数は450人で前年に比べ減少したが,そのうち未成年者が占める割合は33.6%であり,前年に比べ1.0%ポイント増加している(I-7-14図)。

I-7-14図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移別ウインドウで開きます
I-7-14図 売春関係事犯検挙件数,要保護女子総数及び未成年者の割合の推移

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(人身取引事犯検挙件数等)

平成28年における人身取引事犯の検挙件数は44件,検挙人員は46人であり,検挙人員のうちブローカーが5人となっている。また,警察において確認した被害者総数は,26,27年は2年連続で増加していたが,28年は46人と前年よりも減少した(I-7-15図)。被害者の国籍は,日本が25人で最も多く,次いでタイが8人となっている。

I-7-15図 人身取引事犯の検挙状況等の推移別ウインドウで開きます
I-7-15図 人身取引事犯の検挙状況等の推移

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