コラム6 多様な働き方が創り出す高齢者の活躍

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コラム6

多様な働き方が創り出す高齢者の活躍


仕出し弁当の製造・配送を行う有限会社かつらぎ(千葉県白井市)は,地域の企業の従業員の昼食等として1日1万食以上を提供している従業員約160人(平成28年3月現在)の企業である。

同社は,約40年前の創業以来のモットーである「家庭の味」の提供のため,近隣の主婦層を積極的に採用している。また業務拡大の過程で,定年を一般の企業より長い65歳としてきた。このため,戦力の中心である女性や高齢者が働きやすい職場づくりに注力してきた。

同社では,従業員の約7割を占める女性のニーズに応じ,業界他社に先駆けて,早出・遅出等の短時間勤務や二人一組での週3日勤務等,多様な働き方を導入した。これにより,高齢従業員も自分の体力等に合わせて生き生きと働けるようになった。賃金は,勤務形態や年齢にかかわらず,同じ仕事内容であれば同じ賃金とし,勤務評価をきめ細かく賞与に反映することとしたため,従業員全体の納得感も向上した。また,高齢になっても働き続けやすいよう,弁当の配送車両の見直し等により作業負担の軽減を図ったほか,平成25年からは,65歳の定年後も,希望者全員を年齢の上限なく雇用することとした。

これらの見直しは,従業員の間で,健康な限り会社に貢献したいという意欲を高め,従業員の職場定着と仕事へのモチベーションを大きく向上させた。現在は,最高齢83歳の従業員が活躍している。

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