第3節 安心して親子が生活できる環境づくりに関わる課題

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第3節 安心して親子が生活できる環境づくりに関わる課題

(ひとり親家庭等に対する支援の推進)

ひとり親家庭等に対する支援として,厚生労働省では,母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)等に基づき,ひとり親家庭等の実情に応じた自立支援策を総合的に展開していく。また,平成25年3月に施行した母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法(平成24年法律第92号)等に基づき,施策の充実や民間事業者に対する協力の要請等を行う。

平成27年度においては,新たに,ひとり親家庭の親の学び直しを支援することで,より良い条件での就職や転職に向けた可能性を広げ,正規雇用を中心とした就業につなげていくため,高等学校卒業程度認定試験合格支援事業を実施するほか,引き続き,就業に結び付きやすい資格取得のため養成機関に通う際の生活費の負担軽減を図る高等職業訓練促進給付金の支給等による職業能力の開発支援や,母子家庭等就業・自立支援センター,マザーズハローワーク等を通じた就業支援,学習支援ボランティアの派遣等による子供への支援,地域の実情に応じた就業支援・生活支援の着実な推進,児童扶養手当の支給や母子父子寡婦福祉資金貸付金による経済的支援の実施等の総合的な自立支援策を展開する。また,母子家庭の母等を一定期間試行雇用し,その後常用雇用への移行を図る事業主に対して支給するトライアル雇用制度について積極的な活用を図るとともに,生活保護の母子加算について引き続き支給する。

(生活上の困難の次世代への連鎖を断ち切るための取組)

文部科学省では,生活上の困難の次世代への連鎖を断ち切るための取組として,教育費の負担を軽減するための取組を行う。例えば,初等中等教育段階における取組として,幼稚園の入園料や保育料に係る保護者負担の軽減等を図る「幼稚園就園奨励事業」を実施している地方公共団体に対し,引き続き幼稚園就園奨励費補助金により所要経費の一部を補助するとともに,経済的理由により小・中学校への就学が困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して,各市町村において行われる学用品費の支給等の就学援助事業に対する助成を行う。高等学校段階の支援については,授業料への支援である高等学校等就学支援金制度を着実に実施するとともに,授業料以外の教育費に充てる返済不要の「高校生等奨学給付金制度」の充実を図る。

また,高等教育段階における取組として,意欲と能力のある学生等が経済的理由により進学等を断念することがないよう,独立行政法人日本学生支援機構の実施する大学等奨学金事業について,無利子奨学金の貸与人員を増員するとともに,貸与基準を満たす年収300万円以下の世帯の学生等全員への貸与の実現やより柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた詳細な制度設計や,システム開発等の対応の加速等,充実を図る。

大学院生に対しては,ティーチング・アシスタント(TA)やリサーチ・アシスタント(RA)としての雇用等を通じた支援を引き続き行う。