第3節 対外発信機能の強化

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第3節 対外発信機能の強化

1 国際分野における政策・方針決定過程への女性の参画の促進

我が国は,国際会議への政府代表団への女性メンバーの参加も積極的に進めている。2014(平成26)年の第69回国連総会第三委員会においては矢口有乃氏を日本政府代表顧問に任命し,また,2015(平成27)年の第59回CSWにおいては橋本ヒロ子氏を日本代表にそれぞれ任命し,それぞれ政府代表団の一員として派遣した。なお,女子差別撤廃委員会では,2008(平成20)年1月から委員を務める林陽子氏が2014(平成26)年6月に同委員として再選され,2015(平成27)年2月には,同委員会委員長に選出された。

また,日本人女性の国際機関への参画も進んでおり,国連関係機関における日本人の女性職員数(専門職以上)は,1975(昭和50)年の19人から2014(平成26)年は455人と大幅に増加した。

2 NGO等との連携・協力推進

男女共同参画推進連携会議企画委員会主催による情報・意見交換会として,「聞く会」を計4回開催するなど,国内NGO等との交流を行った。「北京+20」に向けた国際社会の動向や我が国の課題等に関しての「聞く会」を3回開催し,また,我が国が女子差別撤廃条約を批准してから30年を迎えることから,女子差別撤廃委員会の林陽子委員長及びナーラ・ハイダー委員(レバノン)をパネリストに迎え,同条約が果たしてきた役割等に関しての「聞く会」を開催した。

また,第59回CSWには,NGO代表を政府代表団の一員として派遣した。

2013(平成25)年9月より,安保理決議第1325号及び関連決議の履行に向けた女性・平和・安全保障に関する「行動計画」の策定に向けて市民社会と意見交換を開始し,政府関係機関と市民社会代表から成る少人数グループ会合を12回開催した。少人数グループ会合では,同行動計画の構成,含めるべき要素及びモニタリング・評価作業の進め方全てについて,協議・検討を行った。

3 国際会議におけるイニシアティブの発揮

外務省では,アラブ諸国との女性交流プログラムにおいて,平成7年度から24年度までの18年間に,ヨルダン,エジプトを中心とするアラブ諸国との間で延べ120名の派遣及び招へいを実施し,同地域における女性の地位向上や社会参画に寄与している。

2014(平成26)年5月,中華人民共和国の北京で開催されたAPEC女性と経済フォーラムでは,「女性の力を結集し,アジア太平洋地域の経済を発展させる」をテーマに,「女性とグリーン発展」,「女性と地域貿易及び経済協力」及び「政策支援と女性の経済的エンパワーメント」をサブテーマとしてAPEC域内で共通して取り組むべき課題について議論が行われ,フォーラムの結果は「声明」として取りまとめられた。我が国からは内閣府副大臣及び民間からの代表者が参加し,我が国の女性の活躍推進の取組等について発言を行った。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は,日本,中華人民共和国及び大韓民国の3か国を招いて女性に関するASEAN+3委員会を開催しており,2014(平成26)年10月,ミャンマーのヤンゴンで第6回会合が開催された。「2015年以降のASEANにおける男女共同参画に向けた取組の加速」をテーマに意見交換が行われ,内閣府が我が国の取組等について報告を行った。

2014(平成26)年12月,韓国のソウルで開催された「東アジア家族に関する大臣フォーラム」の第6回会合には我が国から内閣府審議官が参加し,2016年11月にタイで開催する次回フォーラムより,2006(平成18)年に我が国において第1回が開催された「東アジア男女共同参画担当大臣会合」と統合することが合意された。

4 国際会議WAW!(女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム)の開催

我が国は2014(平成26)年9月,世界のトップリーダー約100人の参加を得て「WAW!(World Assembly for Women)」を開催した。このシンポジウムの成果文書として,我が国は平和と安全における女性の役割を強化することを含む日本及び世界に向けた具体的な12の提言「WAW! To Do」を発表した。