第1節 就業をめぐる状況

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第1節 就業をめぐる状況

(女性の年齢階級別労働力率(M字カーブ)の変化)

総務省「労働力調査(基本集計)」によると,平成26年の女性の労働力人口は2,824万人,労働力率は49.2%となっている。

女性の年齢階級別労働力率について昭和50年からの変化を見ると,現在も「M字カーブ」を描いているものの,そのカーブは以前に比べて浅くなっている。

M字の底となる年齢階級も上昇している。昭和50年は25~29歳(42.6%)がM字の底となっていたが,25~29歳の労働力率は次第に上がり,平成26年では79.3%と,年齢階級別で最も高くなっている。26年には35~39歳(70.8%)がM字の底となっている(I-2-1図)。

I-2-1図 女性の年齢階級別労働力率の推移別ウインドウで開きます
I-2-1図 女性の年齢階級別労働力率の推移

I-2-1図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(配偶関係別に見た女性の労働力率)

女性の年齢階級別労働力率を配偶関係別に見ると,20歳代から40歳代にかけて有配偶者の労働力率は未婚者の労働力率より大幅に低くなっている。未婚者の労働力率は20歳代後半をピークに年齢が上がるとともに徐々に下降するのに対し,有配偶者では40歳代後半がピークとなっており,この傾向は昭和50年,平成7年,26年とも変わらない。

有配偶の女性について,年齢階級別に昭和50年から平成26年までの変化を見ると,20歳代後半及び30歳代前半の労働力率は7年以降大きく上昇している(I-2-2図)。

I-2-2図 配偶関係・年齢階級別女性の労働力率の推移別ウインドウで開きます
I-2-2図 配偶関係・年齢階級別女性の労働力率の推移

I-2-2図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(国際的に見た年齢階級別労働力率の特徴)

我が国の男性の生産年齢人口(15~64歳人口)における労働力率は,世界でも最高水準にある。年齢階級別に見ると,特に55歳以上において諸外国より高い傾向にある(I-2-3b,d図)。

我が国の女性の生産年齢人口における労働力率は米国やフランスとほぼ同水準だが,年齢階級別に見ると,韓国と並んで,30歳代に落ち込みが見られるいわゆる「M字カーブ」を描いている(I-2-3a,d図)。

男女合計で見ると,我が国の労働力率は,スウェーデン及びドイツに次ぐ水準となっている(I-2-3d図)。

なお,女性の15~64歳の就業率を他のOECD諸国と比較すると,我が国は34か国中16位である(I-2-4図)。

I-2-3図 主要国における年齢階級別労働力率(男女別,男女計)別ウインドウで開きます
I-2-3図 主要国における年齢階級別労働力率(男女別,男女計)

I-2-3図 [CSV形式:5KB]CSVファイル

I-2-4図 OECD諸国の女性(15~64歳)の就業率(平成25年)別ウインドウで開きます
I-2-4図 OECD諸国の女性(15~64歳)の就業率(平成25年)

I-2-4図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(就業形態の変化)

就業者を従業上の地位別に見ると,男女共に,就業者に占める雇用者の割合が上昇し続け,自営業主及び家族従業者の割合は低下傾向にある。平成26年では,就業者に占める雇用者割合は女性で89.3%,男性で87.2%となっている(I-2-5図)。

I-2-5図 就業者の従業上の地位別構成比の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-2-5図 就業者の従業上の地位別構成比の推移(男女別)

I-2-5図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(非正規雇用者割合の増加)

正規の職員・従業員が雇用者全体(役員を除く)に占める割合を男女別に見ると,女性は昭和60年に67.9%であったが,平成26年には43.3%にまで減少している。男性についても,昭和60年は92.6%であったが,平成26年には78.2%に減少している。男女ともパート・アルバイト等の非正規雇用者の割合は上昇傾向にあり,特に女性はその割合が昭和60年の32.1%から平成26年には56.7%にまで上昇しており,過半数を占めるに至っている(I-2-6図)。

男女別・年齢階級別に,平成16年から26年にかけての非正規雇用者の割合の推移を見ると,男性の25~34歳や男女の55歳以上で特に上昇が顕著となっている。また,女性では24年以降,25~34歳を除く全ての年齢階級で非正規雇用者の割合が50%を超えている(I-2-7図)。

I-2-6図 雇用者(役員を除く)の雇用形態別構成割合の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-2-6図 雇用者(役員を除く)の雇用形態別構成割合の推移(男女別)

I-2-6図 [CSV形式:13KB]CSVファイル

I-2-7図 年齢階級別非正規雇用者の割合の推移(男女別)別ウインドウで開きます
I-2-7図 年齢階級別非正規雇用者の割合の推移(男女別)

I-2-7図 [CSV形式:3KB]CSVファイル

(女性の就業希望者)

総務省「労働力調査(詳細集計)」(平成26年)によると,平成26年における女性の非労働力人口2,908万人のうち,303万人が就業を希望している。現在求職していない理由として,「出産・育児のため」及び「適当な仕事がありそうにない」がそれぞれおよそ3分の1ずつを占めている(I-2-8図)。

I-2-8図 女性就業希望者の内訳(平成26年)別ウインドウで開きます
I-2-8図 女性就業希望者の内訳(平成26年)

I-2-8図 [CSV形式:2KB]CSVファイル

(共働き世帯の増加)

昭和55年以降,夫婦共に雇用者の共働き世帯は年々増加し,平成9年以降は共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻から成る世帯数を上回っている。26年には,雇用者の共働き世帯が1,077万世帯,男性雇用者と無業の妻から成る世帯が720万世帯となっている(I-2-9図)。

I-2-9図 共働き等世帯数の推移別ウインドウで開きます
I-2-9図 共働き等世帯数の推移

I-2-9図 [CSV形式:1KB]CSVファイル

(性別役割分担意識の変化)

「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方(性別役割分担意識)に反対する者の割合(「反対」+「どちらかといえば反対」)は,平成24年に男女とも初めて前回調査を下回ったが,26年には男女とも再び増加に転じた。26年には,女性は反対の割合が賛成の割合(「賛成」+「どちらかといえば賛成」)を上回ったが,男性は賛成,反対共に46.5%となっている(I-2-10図)。

I-2-10図 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化別ウインドウで開きます
I-2-10図 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化

I-2-10図 [CSV形式:2KB]CSVファイル