男女共同参画白書(概要版) 平成27年版

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第4章 女性に対する暴力

第1節 配偶者等からの暴力の実態

(配偶者からの暴力についての被害経験)

内閣府の調査(平成26年)によると,これまでに結婚したことのある人(2,673人)のうち,配偶者(事実婚や別居中の夫婦,元配偶者も含む。)から「身体に対する暴行」,「精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫」,「生活費を渡さないなどの経済的圧迫」又は「性的な行為の強要」のいずれかについて,1つでも受けたことが「何度もあった」とする者の割合は,女性9.7%,男性3.5%となっている(I-4-1図)。

I-4-1図 配偶者からの被害経験(男女別)

(配偶者間における暴力の被害者の多くは女性)

平成26年に検挙した配偶者(内縁関係を含む。)間における殺人,傷害,暴行事件は5,807件であり,そのうち5,417件(93.3%)は女性が被害者となった事件である(I-4-2図)。

I-4-2図 配偶者間(内縁を含む)における犯罪(殺人,傷害,暴行)の被害者の男女別割合(検挙件数,平成26年)

(配偶者暴力相談支援センター等への相談件数等)

平成25年度に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は9万9,961件で,年々増加している(I-4-5図)。

平成26年の警察における配偶者からの暴力事案等認知件数は5万9,072件で,法施行後最多となっている。また,配偶者からの暴力事案等における検挙件数は6,992件で,刑法等の適用による検挙が6,875件,保護命令違反による検挙が120件である。

I-4-5図 配偶者暴力相談支援センターへの相談件数

第2節 性犯罪の実態

(強姦・強制わいせつの認知件数)

強姦の認知件数は,平成26年は前年より159件(11.3%)減少して1,250件となった。

強制わいせつの認知件数は,平成16年以降減少傾向にあり,26年は前年より254件(3.3%)減少して7,400件となった。

第3節 売買春の実態

(売春関係事犯検挙件数等)

平成26年の売春関係事犯検挙件数は1,012件となり,前年と比べ減少した。また,要保護女子総数は604人で前年に比べ減少し,そのうち未成年者が占める割合が37.6%と,前年に比べ2.3%ポイント上昇している。

第4節 人身取引の実態 

(人身取引事犯検挙件数等)

平成26年における人身取引事犯の検挙件数は32件,検挙人員は33人であり,検挙人員のうちブローカーが6人となっている。また,警察において確認した被害者の総数は24人となり,前年と比べ増加した。

第5節 セクシュアル・ハラスメントの実態

(雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメントの相談件数)

平成26年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられたセクシュアル・ハラスメントの相談件数は1万1,289件で,そのうち女性労働者からの相談件数は約6割(6,725件)となっている。

第6節 ストーカー行為の実態

(ストーカー事案の認知件数と対応状況)

平成26年のストーカー事案の認知件数は2万2,823件で,前年に比べ1,734件(8.2%)増加している(I-4-15図)。被害者の89.3%が女性で,行為者の85.8%が男性となっている。

平成26年のストーカー事案における検挙件数は2,473件で,刑法等の適用による検挙が1,917件,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反による検挙が613件である。

I-4-15図 ストーカー事案に関する認知件数