第1節 男性にとっての男女共同参画

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第1節 男性にとっての男女共同参画

1 男性にとっての男女共同参画の意義についての理解の促進 

内閣府では,男性の意識改革への気運醸成のため,男性の地域や家庭への参画等につながる身近なテーマに基づく「男性にとっての男女共同シンポジウム」を実施した。また,平成23年度に実施した,固定的役割分担意識の実態や,それらが男性の日常生活における意識・活動にもたらす影響等,男性に関する総合的な調査研究の報告書を公表した。さらに,普及啓発活動を強化するため,男女共同参画を男性の視点から捉えるための基礎的な知識やコラム,シンポジウムの報告等を掲載している内閣府のホームページの「男性にとっての男女共同参画」のページを充実させた。

文部科学省では,男性の働き方の見直しや子育てへの参画等,多様な選択を学ぶ機会を提供することを目的に,男子学生を対象としたワークショップを実施した。

2 男性の家庭・地域への参画を可能にする職場環境の改善

政府では,テレワークが様々な働き方を希望する者の就業機会の創出及び地域の活性化等に資するものとして,関係各省が連携し,テレワークの一層の普及拡大に向けた環境整備,普及啓発等を推進している。

総務省,厚生労働省,経済産業省,国土交通省のテレワーク関係4省は,平成17年度に設立した産学官から成る「テレワーク推進フォーラム」において,テレワークの円滑な導入や効率的な運用に資する調査研究及び普及活動を展開している。

国土交通省では,テレワークによる働き方の実態やテレワーク人口の定量的な把握,テレワークセンターの汎用化に向けた推進方策等の検討,普及・推進を図るためのセミナーの開催等の取組を行った(第5章第5節2参照)。

3 男性の家庭・地域への参画を可能にする地域等の取組支援

厚生労働省では,身近な場所に子育て親子が気軽に集まって相談や交流ができるよう,「地域子育て支援拠点事業」を促進しており,子育て親子の交流の場の提供と交流の促進,子育て等に関する相談・援助の実施,地域の子育て関連情報の提供,子育て及び子育て支援に関する講習を基本事業として取り組んでいる。公共施設の空きスペースや商店街の空き店舗等において実施する「ひろば型」,保育所等において実施する「センター型」,民営児童館において実施する「児童館型」の3つの類型により事業展開を図り,それぞれ特色をいかした取組を行った。特に「ひろば型」においては,基本事業に加えて地域の子育て力を高めることを目的に,父親サークルの育成等父親の子育てに関するグループづくりの促進等に取り組んでいる。

なお,平成24年度補正予算において,子育て家庭が子育て支援の給付・事業の中から適切な選択を行うことができるよう情報の集約・提供等の利用者支援を行うとともに,世代間交流や訪問支援,地域ボランティアとの協働等地域との協力体制を強化した「地域機能強化型」の創設や既存類型の再編を行い,事業の更なる充実を図っている。このほか,父親の子育てと仕事の両立支援については,22年6月に改正された育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)の施行に併せ,育児を積極的に行う男性「イクメン」を広めるため,「イクメンプロジェクト」を開始し,24年度も引き続き実施した。本プロジェクトは,参加型の公式サイト2の運営やハンドブックの配布等により,男性が育児をより積極的に楽しみ,かつ,育児休業を取得しやすい社会の実現を目指している(第6章第1節1参照)。

2厚生労働省委託事業 イクメンプロジェクト http://ikumen-project.jp/index.html


4 男女間における暴力の予防啓発の充実

内閣府では,女性に対する暴力の根絶のための基盤づくりや若年層を対象とした予防啓発を推進するための取組を実施している(第10章第1節1参照)。

5 食育の推進

内閣府では,男性の生活・自活能力を高め,健全な食生活を実現するために,「第2次食育推進基本計画」(平成23年3月食育推進会議決定)に基づき,日々の生活において食育に関する取組を実践できるように,「食育ガイド」を作成し,平成24年5月に公表した。

6 男性に対する相談体制の確立や心身の健康維持等

内閣府では,精神面で孤立しやすいと言われる男性に対する相談体制の確立に向けて,地方自治体等による男性向けの相談事業を支援するため,相談窓口設置・運営や相談員の確保育成を進める上での心構え,必要な情報や実践事例を整理したマニュアルを作成した。