第1節 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し

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第3章 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し,意識の改革

1 男女の社会における活動の選択に中立的な社会制度・慣行の検討

男女共同参画会議監視専門調査会が,平成24年7月に取りまとめた第3次基本計画の実施状況についての意見(「雇用・セーフティネットの再構築」及び「より多様な生き方を可能にする社会システムの実現」関係)では,税制及び社会保障制度の見直しの推進,選択的夫婦別氏制度の導入等の検討の継続等が求められている。これを受けて,男女共同参画会議は,同年8月に,第3次基本計画に沿って関係施策を一層推進するよう,政府の取組を求めることを決定した(第1章第2節1参照)。

2 税制の見直しの検討

社会制度・慣行のうち,所得税・個人住民税の配偶者控除については,第3次基本計画や,社会保障・税一体改革大綱(平成24年2月17日閣議決定)等を踏まえ,平成25年度税制改正要望において,厚生労働省と内閣府との共同で見直しの要望を行った。

3 社会保障制度の検討

働き方に中立的な社会保険制度を目指して,短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大や産休期間中の厚生年金保険料・健康保険料の免除を行うとともに,遺族基礎年金の男女差を解消するため,遺族基礎年金の支給対象を父子家庭に拡大することなどを内容とする「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案」を第180回国会に提出し,平成24年8月に成立した。

4 家族に関する法制の整備等

男女共同参画会議監視専門調査会は,平成24年9月,女子差別撤廃委員会から1年以内に追加情報の提供を求められた選択的夫婦別氏制度等の民法改正法案の採択について講じた措置等について,フォローアップを行った。

政府は,平成24年11月,男女共同参画会議監視専門調査会での議論を踏まえつつ,NGOとの意見交換を行いながら,追加的情報提供報告を取りまとめ,女子差別撤廃委員会に提出した。

法務省では,平成8年2月の法制審議会の答申(「民法の一部を改正する法律案要綱」)を踏まえ,選択的夫婦別氏制度の導入等を内容とする民法改正について引き続き検討を行っている。また,同答申及びそのうちの選択的夫婦別氏制度の概要について,ホームページへの掲載等を通じ,広く国民にその内容を公開しており,24年10月にはホームページを見やすくするなど,情報提供に努めている。