第4節 雇用分野における女性の参画の拡大

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第4節 雇用分野における女性の参画の拡大

男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会は,平成24年12月に「「女性の活躍促進による経済活性化」行動計画」等の課題について議論の取りまとめを行った。

雇用分野では,法令で企業の管理職や取締役にクオータ制を義務付けることについては,憲法上の平等原則や経済的自由権との関係で慎重な検討を要するとした一方,ポジティブ・アクションを更に進めるために,企業における男女の採用・登用状況等を開示する「見える化」(可視化)を促進し,それらを外部からモニタリングすることが可能となる施策を実施することなどが考えられると整理した。

また,公共調達分野については,地方公共団体における公共工事や物品購入等の競争参加資格に男女共同参画等の項目を設定するなどの取組が更に促進されるよう,地方公共団体に取組を要請すべきであり,独立行政法人においても公共調達における取組を進める必要があると整理した。さらに,地方公共団体では地域住民の利益を最大にするために必要な政策として,優先調達等の措置を導入している例もある(公共工事の競争参加資格審査においては,都道府県では約7割(31団体),政令指定都市では約5割(9団体)の団体が男女共同参画等の項目を設定しており,その他の総合評価落札方式による一般競争入札の評価項目として設定するなどの取組が進められている。)ことから,国においても企業における男女共同参画等への積極的な取組を促す観点から,引き続き新たな立法措置を含めた検討が必要であると整理した。今後の課題としては,社会的なコンセンサスが得られるような「男女共同参画等に積極的に取り組む企業」の基準づくりを行うことであり,その際,大企業から適用するか,基準は業種ごとに異なるものにするかなどの様々な整理が必要であるとしている。

国においては,公共調達を通じた企業における男女共同参画を推進するため,男女共同参画及びワーク・ライフ・バランスに関連する調査,広報,研究開発事業において総合評価落札方式による一般競争入札の実施に当たって,男女共同参画等に関する評価項目の設定に取り組んでおり,平成24年度には,内閣府4事業,厚生労働省11事業,経済産業省2事業の計17事業について,評価項目として設定した。

内閣府においては,地方公共団体の公共調達等における男女共同参画等の推進に関する取組状況を調査して,前述の検討の参考としたほか,その取組状況を事例集として情報提供することにより,地方公共団体の更なる取組を促している。

厚生労働省では,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)の履行確保を図るとともに,企業におけるポジティブ・アクションの取組を促進している(第5章第1節及び第3節参照)。