コラム2 農山漁村で活躍する女性農業者の事例

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コラム2

農山漁村で活躍する女性農業者の事例


女性は,我が国の農業就業人口の半数(51.7%)を占めるなど農林水産業において重要な役割を果たしており,地域資源をいかした加工品づくりや直売所等での販売,農業体験受入れやレストランの経営等,女性の感性をいかした事業が各地で展開されている。このような事業の普及・推進を図るため,「農山漁村男女共同参画優良活動表彰」8 や「農山漁村女性・シニア活動表彰」9 等が農山漁村男女共同参画推進協議会において実施されている。

8次世代を担う地域リーダーとなることが見込まれている女性や,女性の参画を積極的に推進している組織等を表彰。

9農林水産業及び農山漁村生活,農山漁村の活性化に優れた活動の実績をもつ女性,女性グループ等を表彰。

平成24年度農山漁村男女共同参画優良活動表彰において農林水産大臣賞を受賞した高博子さん(石川県七尾市)は,12年に結婚と同時に夫とともに就農し,高農園を経営して,伝統野菜・西洋野菜の栽培(能登島赤土野菜,20haで約200品種)や全国のデパートやレストランへの販売を行っている。「仕事はお互いに適材適所で,やれる人がやる」をモットーに,常に夫婦で協力し,話し合いながら情報共有を行っている。明確な役割分担を設けず,農作業,農業機械の操作・修理,出荷・販売等全ての農作業について,夫婦どちらでも対応できる体制を構築している。

夫婦の生涯の目標として「農業から派生する限りなく広がる夢を一つずつかなえること」,「農業という仕事のすばらしさを伝えること」,「野菜の限りない可能性を発信し続けること」を掲げ,夫婦揃って取得した野菜ソムリエの資格をいかし,消費者とのコミュニケーションを重視した販売促進活動を実施している。また,安心でおいしい野菜を作るための土づくりや低農薬栽培を実践し,地元農業者と共に「能登エコファーマーズ倶楽部」を組織してエコ農業についてのPR活動にも取り組んでいる。平成18年には認定農業者に認定され,その後も高農園の販売部門を担う株式会社能登大地や,エディブルフラワーの栽培・加工販売部門を担う「りらく」を立ち上げるなど, 6次産業化にも意欲的に取り組み,次々と新たな夢に向かってチャレンジしている。