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第2節 多様なライフスタイルに対応した子育てや介護の支援
厚生労働省では,子どもの育ちを社会全体で支え合う環境づくりに取り組むための子育て支援の総合的な対策である「子ども・子育てビジョン」で盛り込まれた平成22年度から26年度までの5年間で目指すべき施策内容と数値目標に基づき,保育サービスの充実やワーク・ライフ・バランスの推進などを進めている。
また,幼保一体化を含め,新たな子ども・子育て支援のための制度・給付・財源の包括的・一元的な制度(以下「子ども・子育て新システム」という。)の構築を進めるため,「子ども・子育て新システム検討会議」の下で,内閣府を中心に関係府省が具体的な制度の検討を進めており,関連法案の早期国会提出を目指す。
子ども手当に関しては,「国民生活等の混乱を回避するための平成22年度における子ども手当の支給に関する法律の一部を改正する法律」(平成23年法律第14号)が23年3月に成立,同年4月1日に施行された。これにより,23年4月~9月までの6か月間についても,これまでと同じ月額1万3,000円の子ども手当が引き続き支給されることとなった。
さらに,待機児童の解消を図るため,保育所等の受入れ児童数の拡大を図るとともに,保護者や地域の実情に応じた多様な保育サービスを提供するため,家庭的保育(保育ママ)や延長保育,休日・夜間保育,病児・病後児保育などの充実を図る。
また,平成22年11月29日に取りまとめられた「待機児童ゼロ特命チーム」の「国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクト」を推進するため,現物サービスを拡大するための新たな交付金(新規500億円)のうち100億円程度を充てるとともに,22年度補正予算で1,000億円を追加した「安心こども基金」から100億円程度を施設整備等に充てることにより,23年度は計200億円程度を措置する。
加えて,総合的な放課後児童対策(放課後子どもプラン)の着実な推進を図るとともに,保育サービスの利用者が就学後に引き続きサービスを受けられるよう,放課後児童クラブの箇所数の増(2万4,872か所→2万5,591か所)や開設時間の延長の促進など,放課後児童対策の拡充を図る(「小1の壁」の解消)。
また,文部科学省と厚生労働省が連携し,平成18年に創設した「認定こども園」制度の普及促進を図るとともに,19年度に創設した「放課後子どもプラン」の着実な推進を図り,原則として,全ての小学校区での実施を目指す。
文部科学省では,地域住民,学校,行政,NPO,企業など,社会全体の協働による家庭教育支援の活性化を図るため,地域が実践する効果的な取組事例等を活用した研究協議を行い,全国的な啓発を行う。
また,全ての親が安心して家庭教育を行うことができるよう,家庭教育支援チームの組織化や,地域人材の養成,学校を始めとした多くの親が集まる様々な場を活用した学習機会の提供等,社会全体の協働による地域の主体的かつ持続可能な取組への支援を実施する。
さらに,平成18年度から行っている,子どもの生活リズムを向上させ,望ましい基本的な生活習慣を育成するための「早寝早起き朝ごはん」国民運動を,様々な民間団体と連携して推進する。
加えて,児童虐待の防止のため,平成22年3月の通知に基づき,学校等から児童相談所等への定期的な情報提供や児童虐待の早期発見・早期対応,通告後の関係機関との連携等を一層促進する。
警察では,子育て支援の効果をも有する交通安全対策として,幼稚園・保育所等と連携し,衝撃実験映像等を活用したチャイルドシートの正しい取付け方に関する講習会や幼児二人同乗用自転車の安全利用に関する自転車教室等の開催,地方公共団体,民間団体等が実施している各種支援制度の活用を通じたチャイルドシートや幼児二人同乗用自転車の普及促進等の施策を一層推進する。
経済産業省では,子育て支援,高齢者福祉,村おこし,環境保護など,地域の様々な社会的課題をビジネスの手法を用いて解決するソーシャルビジネスについては,平成23年度も引き続きその振興を行う。加えて,ソーシャルビジネス事業者の資金調達ニーズに対しても,引き続き,民間金融を補完しつつ,株式会社日本政策金融公庫を通じた融資を実施することで,資金調達の円滑化に向けた環境整備を進め,事業活動の促進を目指す。
さらに,多様なライフスタイルに対応した子育てや介護を促進するに当たっては,民間サービス事業者等様々な主体の参入を促進することが重要であり,介護・保育等の分野への民間サービス事業者等の参入を促進するための制度環境整備を進めるため,大規模データ収集・分析等の調査研究を行う事業を実施する。
国土交通省では,引き続き良質なファミリー向け賃貸住宅の供給を促進するとともに,持家の取得の支援を行う。また,公的賃貸住宅等における保育所等の子育て支援施設の一体的整備や,子育て世帯の居住の安定確保を図る民間事業者等による先導的な取組を支援する。さらに,職住近接で子育てしやすい都心居住,街なか居住を実現するため,住宅の供給や良好な住宅市街地などの環境整備を行う。
国民生活センターでは,消費生活や消費者問題に関する専門性を有した講師を,子育て中の保護者等の要望に応じた場所に派遣し,消費生活や消費者問題に関する情報提供や相談機関の周知を行う。