平成23年版男女共同参画白書

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コラム12

女性研究者に対する企業の支援


育児中の女性研究者に対する助成金

生命保険業を主要業務とするI社では,育児のため研究の継続が困難となっている女性研究者及び育児を行いながら研究を続けている女性研究者を対象とした助成金の支給を行っている。

助成の要件は,原則として応募時点で未就学児を育てていること,人文・社会科学分野の領域で有意義な研究テーマを持っていること,現在,大学・研究所等に在籍しているか,その意向があること等であり,助成対象者は,助成金として1年間に100万円を上限として2年間まで支給を受けることができる。

また,助成対象者の決定は,過去の実績や研究内容のみではなく,子育てをしながらの研究者としての成長を支援したいとの視点に基づき行われる。

平成22年度には,152名の応募があり10名が助成対象に選ばれている。


若手女性研究者に対する奨学金

世界各地で事業を展開するフランスの大手化粧品会社Jグループでは,1998年に,ユネスコと共同で世界の女性科学者の地位向上という理念の下,女性科学者の支援プロジェクトを創設し,これまでに全世界で1,000名以上の女性科学者に対する支援を行ってきた。これまでに3名の日本人女性が受賞している。

Jグループの日本法人であるK社では,2005年,日本ユネスコ国内委員会とともに日本の若手女性科学者が国内の教育・研究機関で研究活動を継続できるよう奨励することを目的とした奨学金制度を創設した。

これは,生命科学・物質科学分野の博士後期課程に在籍または博士後期課程に進学予定の女性を対象とする制度で,受賞者には奨学金100万円が支給される。創設以来,2010年までに20名の若手女性科学者が受賞している。また,2010年には,科学の分野への夢と希望を多くの人々に与えるとともに,科学分野を志す若い女性へのロールモデルとなる個人または団体を表彰する特別賞が新たに設けられた。