平成23年版男女共同参画白書

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コラム9

女性管理職増加に向けた企業の取組~Fグループの取組例~


Fグループは繊維,フィルム,樹脂等の素材事業や医薬医療等のサービス事業を主要業務とする企業グループである。

Fグループでは,1990年代,欧米企業との合弁事業や取引の際に欧米において女性役員・管理職が急増していることを実感したCEO・役員層が,グローバル企業に成長するには女性の活躍が不可欠との認識を持ったことをきっかけに,女性の活躍推進に全社的に取り組むようになった。現在は,ダイバーシティ・マネジメントの一環として推進している。

まず,上位職ほど女性が少ないことを踏まえ,総合職新卒採用の女性比率を30%以上とするという目標が平成13年に設定された。さらに,女性管理職を増やすため,平成17年度末までに管理職の女性数を平成14年度の20人から3倍の60人に増やすという目標が設定された(女性管理職3倍増計画)。

また,この女性管理職3倍増計画の一環として,社内の管理職候補の女性を育成するため女性幹部育成強化プログラムが実施された。このプログラムでは,管理職候補として選抜された女性のうち管理職となる意欲のある者が受講者となり,幹部を目指すとの意識を醸成するための研修や,受講者自身によるキャリアプランの作成が行われた。プログラム終了後もキャリアプランのフォローアップは継続されている。

女性管理職3倍増計画の期限として設定されていた平成17年度末時点では女性管理職数は46人であり目標の60人には届かなかったが,その後も女性管理職数は着実に増加し,平成22年度には71人となっている。