平成22年版男女共同参画白書

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第2節 妊娠・出産等に関する健康支援

1 妊娠・出産期における女性の健康支援

(1) 妊娠から出産までの一貫した母子保健サービスの提供

厚生労働省では,日常生活圏において,妊娠から出産まで一貫して,健康診査,保健指導・相談等の医療サービスの提供等が受けられるよう施策の一層の推進を図っている。

また,21世紀における母子保健分野での国民運動計画である「健やか親子21」を計画的に推進し,母子保健サービスの一層の充実を図っている。

さらに,妊婦健診の重要性・必要性にかんがみ,平成20年度第2次補正予算において,妊婦健診を必要な回数(14回程度)受けられるよう,22年度までの間,地方財政措置において支援の拡大が図られている。


(2) 不妊専門相談サービス等の充実

厚生労働省では,子どもを持ちたいにもかかわらず不妊で悩む人々が,正しく適切な基礎情報に基づきその対応について自己決定できるよう,不妊に関する多面的な相談・情報提供の充実を図ることとしており,「子ども・子育て応援プラン」に基づき,不妊専門相談センターの整備を推進した。また,不妊治療に関する調査研究を推進している。さらに,高額の医療費がかかる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成する特定不妊治療費助成事業を実施している。


(3) 周産期医療の充実

厚生労働省では,リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう,周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センター及びそれを支える地域周産期母子医療センターを整備し,地域の分娩施設との連携体制の確保などを図っている。また,「妊婦と薬情報センター」(国立成育医療研究センターに平成17年度設置)において,薬が胎児へ与える影響など最新のエビデンスを収集・評価し,その情報に基づいて,これから妊娠を希望している人や妊婦の方の相談に応じている。


(4) 女性の主体的な避妊のための知識等の普及

厚生労働省では,安易な人工妊娠中絶を避けるため,人工妊娠中絶が女性の心身に及ぼす影響や安全な避妊についての知識の普及を図っている。また,女性が主体的に避妊を行うことができるようにするための避妊の知識の普及等の支援を行っている。

さらに,自治体等を通じ,思春期の男女に対する性や避妊,人工妊娠中絶等に関する相談や情報提供を推進している。

2 適切な性教育の推進

文部科学省では,学校における性に関する指導については,学習指導要領にのっとり,児童生徒の発達段階を踏まえるとともに,保護者や地域の理解を得ながら学校全体で共通理解を図って行うよう,学校関係者等に対し周知徹底を図っている。また,平成19年度から,各学校において適切な性に関する指導が実施されるよう,各地域における指導者への研修会の開催及び効果的な指導方法の実践研究を実施している。