平成22年版男女共同参画白書

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第4章 高齢男女をめぐる状況

本章のポイント


第1節 高齢男女をめぐる状況

  • 国民の5人に1人が65歳以上の高齢者であり,その6割近くを占めるのが女性となっている。特に,85歳以上では女性が実に7割以上を占めている。
  • 女性の働き方は,結婚・出産・育児等のために非正規雇用が多く,就業年数も短い傾向にあるが,その結果,高齢期における年金等の収入も少なくなりがちである。
  • 中でも,経済的に厳しい状況に置かれているのが離別女性である。離別女性は,夫の収入や遺族年金に頼ることもできず,安定した再就職もままならないことが少なくない。
  • 男性については,単身の男性の地域における孤立が深刻化している。
  • 孤立や経済困窮などの状況に置かれやすい高齢の単身世帯は,未婚や離婚が増える中で今後急速に増えていくと考えられる。
  • 非正規雇用が若年層も含めて増加傾向にある。非正規雇用者は,現状においては厚生年金等被用者保険の適用から除外されやすい状況にあるとの指摘もあり,その増加は将来において老後の生活設計を描きにくい層の増加に結びつく可能性がある。

第2節 高齢男女の自立と共生に向けた今後の課題

  • 高齢者の就業といった場合,ともすれば定年後も継続就業する男性のイメージが抱かれがちだが,実は働きたいと考える女性の高齢者も少なくない。
  • 女性の高齢期の経済的自立につなげるため,税制や社会保障制度を多様なライフスタイルに中立的なものとする方向で見直していくことが必要である。
  • 高齢単身世帯が主流になる社会においては,地域の支え合いのもとで孤立を防ぎ,病気・災害時の支援はもちろんのこと,日常生活における手助けが得られるような地域社会づくりが重要である。