平成21年版男女共同参画白書

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第1章 政策・方針決定過程への女性の参画

(国会議員に占める女性割合)

国会議員に占める女性割合は,平成21年5月現在,衆議院は9.2%(44名),参議院は18.2%(44名)となっている。

(立候補者,当選者に占める女性割合)

国政選挙における立候補者及び当選者に占める女性割合についてみると,衆議院では,直近の平成17年9月実施の総選挙で立候補者に占める女性割合は若干増加し13.0%となり,当選者に占める女性割合は過去最高の9.0%となった。これは,一部の政党において,女性候補者を比例代表名簿上位に登載する積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を行った結果などが影響しているものと考えられる(第13図)。

また参議院では,立候補者に占める女性割合は,直近の平成19年7月実施の通常選挙では24.1%となり,前回20.6%と大きく減少した数字が回復している。当選者に占める女性割合は近年減少傾向にあったが,19年7月実施の通常選挙では21.5%となり,前回の12.4%から大きく増加した(第13図)。

第13図 立候補者,当選者に占める女性割合の推移
第13図 立候補者,当選者に占める女性割合の推移

(上位の役職ほど低い国家公務員在職者に占める女性割合)

行政職(一)俸給表適用者に占める女性割合について,役職段階別にみると,それぞれ増加傾向にある。平成19年度の在職者について,役職段階別に女性割合をみると,係長級においては,女性が占める割合は17.0%であるが,役職段階が上がるにつれて女性割合は低くなっている(第14図)。


第14図 一般職国家公務員の役職段階別の女性割合(行政職(一))
第14図 一般職国家公務員の役職段階別の女性割合(行政職(一))

(着実に増加する国の審議会等における女性委員の割合)

内閣府では,毎年定期的に,国の審議会等における女性委員の参画状況について調査を行っているが,平成20年9月30日現在,国の審議会等における女性委員の割合は32.4%となっており,着実に増加している。一方,専門委員等に占める女性の割合は,15.1%にとどまっており,目標達成に向けて更なる取組が必要とされる。

(大都市ほど高い地方議会における女性の割合)

都道府県議会,市議会,町村議会,特別区議会の女性議員の割合をみると,平成20年12月現在で,女性議員の割合が最も高い特別区議会では24.9%,政令指定都市の市議会は17.3%,市議会全体は12.1%,都道府県議会は8.2%,町村議会は7.8%となっており,都市部で高く郡部で低い傾向にある。

(国際的にみても低い水準にある我が国の状況)

2008(平成20)年に国連開発計画(UNDP)が発表した「人間開発報告書」によると,日本は人間開発指数(HDI)が測定可能な179か国中8位であるのに対し,ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は測定可能な108か国中58位となっている。また,世界経済フォーラムが2008(平成20)年に発表したジェンダー・ギャップ指数(GGI)は測定可能な130か国中98位となっている。


(注)
HDI 人間開発指数(Human Development Index)

国連開発計画(UNDP)による指標で,「長寿を全うできる健康的な生活」,「教育」及び「人間らしい生活水準」という人間開発の3つの側面を簡略化したもの。具体的には,平均寿命,教育水準(成人識字率と就学率),調整済み一人当たり国民所得を用いて算出している。

GEM ジェンダー・エンパワーメント指数(Gender Empowerment Measure)

国連開発計画(UNDP)による指標で,女性が政治及び経済活動に参加し,意思決定に参加できるかどうかを測るもの。HDIが人間開発の達成度に焦点を当てているのに対して,GEMは,能力を活用する機会に焦点を当てている。

具体的には,国会議員に占める女性割合,専門職・技術職に占める女性割合,管理職に占める女性割合,男女の推定所得を用いて算出している。

GGI ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index)

世界経済フォーラムが,各国内の男女間の格差を数値化しランク付けしたもので,経済分野,教育分野,政治分野及び保健分野のデータから算出され,0が完全不平等,1が完全平等を意味している。GEMが,国の開発レベルの影響を受け,必ずしも男女間格差を示せないことに比べ,性別による格差を明らかにできる。