平成20年版男女共同参画白書

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第5章 生涯を通じた女性の健康

(低下傾向にある母子保健関係指標)

母子保健関係の主要な指標の動向をみると,いずれの指標も総じて低下している(第25図)。


第25図 母子保健関係指標の推移
第25図 母子保健関係指標の推移

(総数では減少傾向にある人工妊娠中絶件数)

人工妊娠中絶件数・人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)の昭和50年から平成18年までの動向をみると,総数では件数,実施率ともに総じて減少傾向にある。また,20歳未満の件数は昭和50年においては,全年齢に占める割合が1.8%だったのが,平成18年では9.9%となっており,若年層の全体に占める比重は以前より増加しているものの,件数としては14年から4割減を達成しており,着実に減少している。

(若年での感染が多いHIV感染者)

平成18年に新規で感染が報告されたHIV(ヒト免疫不全ウィルス)感染者は952人,AIDS患者(HIV感染によって免疫不全が生じ,カリニ肺炎等の日和見感染症や悪性腫瘍が発生した者)は406人で,HIV感染者は過去最高の報告数となった(第26図)。HIV感染者の推定感染地域をみると,全体の87.0%が国内感染となっている。HIV感染者累計数について,感染が報告された時点の年齢をみると,20歳代が全体の37.1%を占めており,若年での感染が多い一方,18年に新規で感染が報告された感染者数を年代別にみると,20歳代が全体の27.7%を占めているのに対し,30歳代が41.0%を占めていることから,最近の傾向としては,必ずしも若年での感染が多いとは言えなくなってきている。

第26図 HIV感染者の性別年代別年次推移
第26図 HIV感染者の性別年代別年次推移