平成17年版男女共同参画白書

本編 > 第2部 > 第9章 > 第2節 生涯を通じた女性の健康の保持増進対策の推進

1 生涯を通じた健康の管理・保持増進のための健康教育・相談支援等の充実

厚生労働省では,女性の健康をめぐる様々な問題について気軽に相談できる体制を引き続き整備している。また,リプロダクティブ・ヘルス/ライツ等の観点から,生涯を通じた女性の健康に関する調査・研究を推進している。

保健所等においては,ライフステージに応じた健康教育を実施している。

また,各学校においては,健康診断や体育・保健体育の教科を中心として健康教育を実施するとともに,学校と地域保健が連携しながら,健康相談活動等を行うための体制を整備している。

2 妊娠・出産期における女性の健康支援

(1)妊娠から出産までの一貫した母子保健サービスの提供

日常生活圏において,妊娠から出産まで一貫して,健康診査,保健指導・相談,医療援護等の医療サービスの提供等が受けられるよう施策の一層の推進を図っている。

また,推進協議会を開催する等により,21世紀における母子保健分野での国民運動計画である「健やか親子21」を計画的に推進し,母子保健サービスの一層の充実を図っている。

(2)不妊に関する相談体制の充実等

子どもを持ちたいにもかかわらず不妊で悩む方々が,正しく適切な基礎情報に基づきその対応について自己決定できるよう,不妊に関する多面的な相談・情報提供の充実を図ることとしており,新エンゼルプランに基づき,不妊専門相談センターの整備を推進してきたところである。また,不妊治療に関する調査研究を推進している。さらに,高額の医療費がかかる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成する特定不妊治療費助成事業を創設した。

(3)周産期医療の充実

母子の生命や身体への影響の大きい周産期において,妊娠・出産の安全性や快適さを確保するため,周産期医療ネットワークを平成16年度に47都道府県に整備することを目標に,総合的な周産期医療サービスの充実,調査研究を推進してきたところである。

(4)女性の主体的な避妊のための知識等の普及

人工妊娠中絶が女性の心身に及ぼす影響や安全な避妊についての知識の普及を図っている。また,女性が主体的に避妊を行うことができるようにするための避妊の知識の普及等の支援を行っている。

3 成人期,高齢期等における女性の健康づくり支援

(1)成人期,高齢期の健康づくりの支援

厚生労働省では,平成12年から,中長期的な国民健康づくり対策の第3次の運動として,「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を推進しており,ライフステージや性別に応じて健康課題が異なることを配慮しつつ,このほかの重要な健康上の課題についても検討を進め,「健康日本21」を更に拡充し,推進していくこととしている。

また,文部科学省,厚生労働省及び農林水産省では,「食育」推進の一環として,平成12年3月に策定した「食生活指針」の普及・定着を促すため,連携してその一層の推進を図っており,各種媒体を通じた全国一斉の普及・啓発活動,地域の食文化や産物を活用した食生活見直しへの取組に対する支援,民間ボランティアへの支援等を実施している。

(2)子宮がん,乳がん,骨粗しょう症等の予防対策の推進

女性のがん罹患率の第一位であり年々増加傾向にある乳がん及び発症年齢が低年齢化し性感染症との関連も指摘されている子宮がんについて,疾患を早期に発見し,死亡率の減少に資するため,平成16年4月に市町村が行う乳がん検診及び子宮がん検診の実施方法や対象年齢等の見直しを内容とする指針の改正を行った。

また,老人保健法(昭和57年法律第80号)による医療等以外の保健事業における骨粗しょう症検診については,骨粗しょう症が骨折等の基礎疾患となり,高齢化の進展によりその増加が予想されることから,早期に骨量減少者を発見し,骨粗しょう症を予防することを目的として,市町村に居住する40歳及び50歳の女性を対象として実施している。

(3)女性の生涯にわたるスポーツ活動の推進

文部科学省では,国民のだれもが,いつでも,どこでも,スポーツに親しむことのできる生涯スポーツ社会の実現に向けて,子どもから高齢者まで誰もが参加できる総合型地域スポーツクラブの全国展開を推進している。

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